説明

EL表示装置

【課題】点灯期間においてEL素子の輝度が上昇するEL表示装置を提供する。
【解決手段】格子状に配された複数の画素を有するEL表示装置において、ゲート信号線2からのゲート信号によってスイッチングトランジスタ11kをON状態にして、EL素子15へ映像信号を書き込む映像書き込み期間において、EL電源12から駆動トランジスタ11aのドレイン電極に電流が流れないようにするスイッチ121aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(PLED、OLED、OEL)パネルは、アクティブマトリクス方式の開発が行なわれている。この方式は、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(例えば、TFT(薄膜トランジスタ))によって制御するものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−148128号公報
【特許文献2】特開2003−271095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記有機EL装置に関して、映像信号の信号書き込み期間において、ゲート信号線の動作によりELアノード電源を駆動トランジスタと接続すると、駆動トランジスタに印加されるゲートソース電圧によってEL素子に電流が流れる。EL素子に電流が流れ、EL素子の容量成分に電荷が蓄積され、更にEL素子が発光状態となり、EL素子の節点の電位が上昇する。一方、駆動トランジスタのゲート電極には映像信号に応じた電圧がソース信号線から供給されていることから、前記節点の電位上昇により蓄積容量に印加される電荷が減少する。
【0005】
ところが、高階調表示を実施するためにソース信号線の電圧を高くするほど、EL素子に大きな電流が流れることから前記節点の電位上昇が大きくなり、蓄積容量の電荷の減少が早くなる。これにより、ソース信号線の映像振幅を高めても、点灯期間においてEL素子が発光する輝度が上昇しにくいという問題点があった。
【0006】
そこで本願発明は、上記問題点に鑑み、点灯期間においてEL素子の輝度が上昇するEL表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、格子状に配された複数の画素を有するEL表示装置において、前記各画素の回路は、EL素子と、前記EL素子に第1の電極が接続された駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの第2の電極に接続されたEL電源と、映像信号を供給するソース信号線と、前記ソース信号線に第1の電極が接続されたスイッチングトランジスタと、前記駆動トランジスタの第3の電極に接続された前記スイッチングトランジスタの第2の電極と、前記スイッチングトランジスタの第3の電極に接続された第1のゲート信号線と、前記駆動トランジスタの前記第1の電極と第3の電極の間に接続された蓄積容量と、前記第1のゲート信号線からの第1のゲート信号によって前記スイッチングトランジスタをON状態にして、前記EL素子へ前記映像信号を書き込む映像書き込み期間において、前記EL電源から前記駆動トランジスタの前記第2の電極に電流が流れないようにするスイッチ素子と、を有することを特徴とするEL表示装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、点灯期間においてEL素子が発光する輝度が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】参考例のEL表示装置の画素回路である。
【図2】参考例のタイミングチャートである。
【図3】実施例1のEL表示装置の画素回路である。
【図4】実施例1のEL表示装置の画素回路である。
【図5】実施例1における映像信号書き込み期間に駆動トランジスタ11aのドレイン電流を減少させるための駆動波形を示す図である。
【図6】実施例1における映像信号書き込み期間に駆動トランジスタ11aのドレイン電流を減少させるための駆動波形を示す図である。
【図7】実施例1における変更例である。
【図8】実施例1における変更例である。
【図9】実施例1における変更例である。
【図10】実施例1における変更例である。
【図11】実施例2のEL表示装置の説明図である。
【図12】実施例2のEL表示装置の説明図である。
【図13】実施例2における映像信号書き込み期間に駆動トランジスタ11aのドレイン電流を減少させるための駆動波形を示す図である。
【図14】実施例2における映像信号書き込み期間に駆動トランジスタ11aのドレイン電流を減少させるための駆動波形を示す図である。
【図15】実施例2における映像信号書き込み期間に駆動トランジスタ11aのドレイン電流を減少させるための駆動波形を示す図である。
【図16】実施例3のEL表示装置の説明図である。
【図17】実施例3のEL表示装置の説明図である。
【図18】実施例3における駆動波形を示す図である。
【図19】実施例3における駆動波形を示す図である。
【図20】実施例3における駆動波形を示す図である。
【図21】実施例3における駆動波形を示す図である。
【図22】実施例3における画素回路を示した図である。
【図23】図22の構成を用いた時の駆動波形を示した図である。
【図24】図22の構成を用いた時の駆動波形を示した図である。
【図25】図22の構成を用いた時の駆動波形を示した図である。
【図26】信号線選択駆動と組み合わせたときの駆動波形を示した図である。
【図27】図22の構成を用いた時の駆動波形を示した図である。
【図28】蓄積容量19のリークの影響を少なくした画素回路を示した図である。
【図29】図28の構成を用いた時の駆動波形を示した図である。
【図30】実施例1のEL表示装置の変更例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施例のEL表示装置について説明する前に、本実施例の構成と動作の参考となる参考例のEL表示装置について図1と図2を用いて説明する。
【0011】
図1は、参考例に係るEL表示装置の格子状に配された画素部分における回路21の構成を示したものである。図1に示すように、駆動トランジスタ11aのドレイン電極に接続される電源が、ELアノード電源12に固定されている。
【0012】
図1の回路の動作を図2に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0013】
表示装置外部から送信される映像信号に対応する電圧を画素回路21に書き込む書き込み期間23と、所定の輝度で発光する表示期間24により表示が行われる。
【0014】
(1)書き込み期間23
書き込み期間23は、1フレーム前の映像信号のデータを消去し、映像信号の書き込みの準備を行う初期化期間25、駆動トランジスタ11aの閾値電圧ばらつきを補正する閾値補償期間26及び映像信号に対応した電圧を画素に書き込む信号書き込み期間27から構成される。
【0015】
(1−1)初期化期間25
初期化期間25では、駆動トランジスタ11aのゲート電極に初期化電源14の電位が印加され、ソース電極にリセット電源16の電圧が印加される。初期化電源14とリセット電源16の電位差は、駆動トランジスタ11aのドレイン電流が十分流れるように設定される。
【0016】
(1−2)閾値補償期間26
閾値補償期間26では、蓄積容量19に駆動トランジスタ11aのドレイン電流が流れなくなるときのソース・ゲート間電圧に相当する電荷が蓄積される。このときEL素子15には逆バイアス電圧が印加されるようにし、スイッチであるトランジスタ11mを非導通状態として、駆動トランジスタ11aのドレイン電流が流れなくなるようにする必要がある。このため節点22の電圧としては初期化期間25においては少なくともELカソード電源13に対してEL素子15の電流発光開始電圧(EL素子15の閾値電圧)よりも低い電圧をリセット電源16から供給する必要がある。
【0017】
また、閾値補償期間26の終了時には、開始時に比べて、駆動トランジスタ11aのソース・ゲート間電位差が少なくなることから、節点22の電圧が上昇することとなる。閾値補正が終了し、蓄積容量19に駆動トランジスタ11aの閾値電圧(VthDRT)が蓄えられたときにEL素子15に電流が流れないようにする必要があり、初期化電源14の電圧値とELカソード電源13の電位差は、EL素子15の閾値電圧(VthEL)とVthDRTの和よりも小さくする必要がある。
【0018】
これにより節点22の電位は、図2に示すように、閾値補償期間26の終了時には初期化電源14からVthDRT分だけ低い電圧に設定される。VthDRTは画素回路21の駆動トランジスタ11aの特性により変化するため、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきに対応して節点22の電位が決定され、駆動トランジスタ11aのばらつきによらず均一な表示を実現することができる。
【0019】
(1−3)信号書き込み期間27
次に、信号書き込み期間27では、ソース信号線18に映像信号データを入力する。
【0020】
駆動トランジスタ11aのゲート電位は、映像信号データの電圧と同電位となる。節点22の電圧は、蓄積容量19とEL素子15の容量20の容量比により決定され、容量比と初期化電源14から映像信号データの電圧への変化量によって、駆動トランジスタ11aのソース・ゲート間電圧が決定される。
【0021】
蓄積容量19及びEL素子15の容量20は、表示装置が決定されていれば常に一定の値であることから、映像信号データの電圧によって、駆動トランジスタ11aのソース・ゲート間電圧が決定され、階調に応じた表示が可能となる。
【0022】
(2)表示期間24
次に、表示期間24では、トランジスタ11mが非導通状態であるとすると、書き込み期間23で書き込まれた蓄積容量19の電荷に応じて、駆動トランジスタ11aはドレイン電流をEL素子15に供給し、EL素子15が発光する。
【0023】
トランジスタ11mを導通状態にすると、EL素子15の両端の電位差がEL素子の閾値電圧以下となり、EL素子に電流が流れなくなることから、蓄積容量19の電荷によらず非点灯状態となり、非点灯期間29を実現できる。
【0024】
非点灯期間29であっても蓄積容量19の電荷は書き込み期間23で書き込まれた電荷に保持されることから、再び書き込み期間23になる前であれば、再び点灯期間28bを設けても所定輝度でEL素子15が発光する。
【0025】
(3)初期化電源14
初期化電源14は、ソース信号線18に印加される映像信号電圧の範囲内であることが好ましい。駆動トランジスタ11aが初期化電圧が印加されているときに、特性バラツキが補償されているが、映像信号書き込みで駆動トランジスタ11aのゲート電圧を変化させると、移動度のばらつきによって、映像信号書き込み後の駆動トランジスタ11aのドレイン電流が変化する。従って、初期化電源14と映像信号の電圧差が大きいほど移動度ばらつきにより画素毎の電流バラツキが大きくなることから、電位差が小さいほうが好ましい。そのため初期化電源14は映像信号振幅の範囲内に設定することが好ましい。
【0026】
(4)黒表示
閾値補償期間において、十分な時間があり駆動トランジスタ11aのドレイン電流が0になるまで閾値補償動作が実行されれば、初期化電源14と同一電圧を映像信号書き込み時に印加すれば、黒表示が実施可能であるが、閾値補償動作が不完全となることがある。補償動作が不完全な場合には、映像信号に初期化電源14と同一電圧を入れてもドレイン電流が0とならず、うっすらとEL素子15が発光してしまいコントラストが低下する。自発光素子の特徴である、きっちりとした黒を表示するためには、初期化電源14よりも低い電圧を黒表示時に映像信号として入力することで、蓄積容量19に蓄えられる電荷量を削減しより深い黒を実現することが可能である。黒表示時の映像信号電圧は、初期化電源14に対して0.2〜2V程度低い電圧を入れることが好ましい。
【0027】
(5)問題点
図1に示す参考例の回路において、信号書き込み期間27において、ゲート信号線1の動作によりELアノード電源12を駆動トランジスタ11aと接続すると、駆動トランジスタ11aに印加されるゲートソース電圧によってEL素子15に電流が流れる。
【0028】
EL素子15に電流が流れ、EL素子の容量成分に電荷が蓄積され、更にEL素子15が発光状態となり、節点22の電位が上昇する。
【0029】
駆動トランジスタ11aのゲート電極には映像信号に応じた電圧がソース信号線18から供給されていることから、節点22の電位上昇により蓄積容量19に印加される電荷が減少する。
【0030】
高階調表示を実施するためにソース信号線18の電圧を高くするほど、EL素子15に大きな電流が流れることから節点22の電位上昇が大きくなり、蓄積容量19の電荷の減少が早くなる。
【0031】
これにより、ソース信号線18の映像振幅を高めても、点灯期間28においてEL素子15が発光する輝度が上昇しにくいという問題点が発生する。
【0032】
そこで、本発明の実施例では、信号書き込み期間において、駆動トランジスタにドレイン電流が流れない回路を提供する。
【実施例1】
【0033】
本発明の実施例1のEL表示装置について図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10を用いて説明する。
【0034】
(1)回路構成
図3は、本実施例におけるEL表示装置の格子状に配された画素部分における回路を示す。本実施例の各画素の回路は、横方向に隣接する赤、緑、青の画素が一組であり、これら3画素の各駆動トランジスタ11aのドレイン電極を共通配線92により互いに接続し、ELアノード電源12もしくはリセット電源16から駆動トランジスタへの接続を共通に行う。
【0035】
各画素の回路は、EL素子15のカソード電極にはELカソード電源が接続され、アノード電極には駆動トランジスタ11aのソース電極が接続され、駆動トランジスタ11aのドレイン電極には、上記した共通配線92が接続されている。
【0036】
共通配線92にはスイッチ121aを介してELアノード電源12が接続され、また、共通配線92にはスイッチ121bを介してリセット電源線が接続されている。スイッチ121aはゲート信号線1A(17pA)からのゲート信号で動作させ、スイッチ121bはゲート信号線1B(17pB)からのゲート信号で動作させる。これにより、ゲート信号線1A(17pA)、1B(17pB)の2本からのゲート信号でスイッチ121a及びスイッチ121bを動作させ、リセット電源用スイッチとEL素子15に電流を供給するスイッチを個別に動作させる。スイッチ121a及びスイッチ121bとしては、例えばスイッチングトランジスタを用いる。
【0037】
ソース信号線18には、スイッチ(スイッチングトランジスタ)11kのソース電極が接続されている。このスイッチ11kのゲート電極にはゲート信号線2(17k)が接続され、このスイッチ11kのソース電極には駆動トランジスタ11aのゲート電極が接続されている。
【0038】
駆動トランジスタ11aのゲート電極とソース電極の間には、蓄積容量16が接続されている。
【0039】
以上により、3画素分の画素領域111に対して、駆動トランジスタ11aのドレイン電極に電圧もしくは電流を供給する回路を、区間112に示すように共通化し、画素毎の階調情報を蓄える回路141を個別に形成する。
【0040】
なお、図3ではEL素子15に並列な容量を記載していないが、EL素子15の容量が点灯の条件に合わない場合や、全ての色で映像信号の振幅を合わせる場合には、図4に示すように、容量161を並列に接続してもよい。
【0041】
(3)動作
本実施例では、映像信号書き込み期間103において、駆動トランジスタ11aにドレイン電流が流れないように、スイッチ121aを非導通状態として電流経路をなくし、EL素子15に電流を流さない。
【0042】
図5は、図3の回路に対して、映像信号を画素に書き込む映像信号書き込み期間103において、EL素子15に電流を流さないするために、ゲート信号線1を制御し、スイッチ121をオフにした場合の1フレーム間の動作を示したものである。
【0043】
映像信号に応じた電圧を蓄積容量19に印加する原理は、参考例の原理と同様であり、映像信号書き込み期間103の前の駆動トランジスタ11aのゲート電圧から映像信号電圧への電圧変化量が蓄積容量19とEL素子15の容量比によって、分圧された電圧が蓄積容量19に蓄えられることで決定される。
【0044】
よって、EL素子15に電流を流さなくても、映像信号に応じた電圧が書込みが可能である。
【0045】
(4)効果
本実施例によれば、駆動トランジスタ11aのドレイン電流による節点93の電位上昇を抑えることが可能となり、ソース信号線のソース電圧振幅に対して、表示輝度のダイナミックレンジを損なうことなく表示ができる。
【0046】
また、節点93の電位上昇を抑えることができるため、ゲート信号線2(17k)によるスイッチ11kのオン期間を短くする構成を取る必要がない。そのため、本実施例では、電位上昇がなくなるためスイッチ11kのオン期間は長くても良い。したがって、ゲート信号線2(17k)のゲートドライバの出力バッファの充放電能力を低くすることができ、回路面積を小さくできる利点がある。
【0047】
また、図4の容量161のように補助容量をEL素子15に並列に付加しなくても、小さなEL素子15の容量でも節点93の電位上昇を抑えて、高輝度な表示パネルを実現することが可能となり、1画素回路あたりの回路規模を押さえた表示パネルを提供することが可能である。
【0048】
(5)変更例
図5の例では、ソース信号線16に映像信号が印加されている期間、スイッチ11kを導通状態として画素に映像信号に対応した電圧の書き込みを行っている。1画素回路の配線容量はソース信号線18の容量に比べて小さく、充放電にかかる時間も短くてすむ。そのため、図6に示すように、映像信号書き込み期間103のうち、映像信号がソース信号線18に書き込まれた後の期間561のみゲート信号線2を操作して、スイッチ11kを導通状態としても良い。
【0049】
EL素子15に電流を印加しない方法であれば、どのような方法でも本実施例と同様に輝度を高める効果を得ることができる。例えば、図7のような回路構成においてスイッチ11nを非導通にすれば良い。また、他の回路構成でも同様に効果を得ることができる。
【0050】
上記実施例では、区間112に示すようにスイッチを3画素分で共通利用する例で説明を行ったが、図8の区間142に示すように6画素分共通利用しても、同様に実施が可能である。同様にnは2以上の整数とすると、n画素分共通にスイッチを利用で効果がある。また、図30に示すように、1行分全ての画素の駆動トランジスタ11aに供給するために、スイッチ62a、62b、・・・を設け、これらスイッチをOFFすることにより、1行分全てのドレイン電流を一度に遮断してもよい。
【0051】
駆動トランジスタ11aはn型TFTでなくてもp型TFTでも図9に示すような画素構成により実施が可能である。電流の流れる方向、電圧の高低を逆にすればよい。
【0052】
複数画素のスイッチ121を共通化する本実施例は、同一行の画素間でなくても実施できる。例えば、図10は同一行で3画素分を2行間で共通化する例を示す。
【実施例2】
【0053】
本発明の実施例2のEL表示装置について、図11、図12、図13、図14、図15を用いて説明する。
【0054】
本実施例の画素部分における回路を図11及び図12に示す。この回路におけるゲート信号線及びスイッチ211の動作を図13に示す。ここで初期化電圧は初期化電源14を利用している。
【0055】
本実施例と実施例1の違いは、リセット電源16の入力をスイッチ121bを介するかスイッチ211を介するかの違いで、他の動作は同一である。スイッチ11kを介して画素回路に映像信号に応じた電圧を印加する572の期間において、EL素子15に電流が流れないようにスイッチ11pを非導通状態にしている。
【0056】
なお、スイッチ11pの非導通状態は、映像信号に応じた電圧を画素に書き込む期間に応じて変更させる必要がある。図14に示すように映像信号印加期間中にスイッチ11kが導通状態であれば、蓄積容量19に大きな電荷が印加され駆動トランジスタ11aにドレイン電流が流れるようになるため、スイッチ11pは映像信号書込み期間103の間非導通状態とする。
【0057】
また、映像信号がソース信号線に印加されているが、画素内部に電圧を取り込まない期間571において、スイッチ11pは導通状態でも非導通状態でも実施が可能である。
【0058】
図15のようにスイッチ11pを非導通状態とすれば、駆動トランジスタ11aのドレイン電流を供給するELアノード電源12が駆動トランジスタと電気的に切り離されるため、特性補償期間102の終了後、階調に応じた電圧が蓄積容量に印加される期間572までの間に、駆動トランジスタ11aのゲートソース間電圧に応じたドレイン電流によりEL素子15のアノード電圧の上昇を防止することができる。アノード電圧の上昇は蓄積容量19を介して駆動トランジスタ11aのゲート電圧の上昇させることとなる。これにより電圧はVrstからVrst2に変化する。
【0059】
すると蓄積容量19に印加される電圧は、Coled/(Cst+Coled)*(Vdata−Vrst2)+VthDRT となりVrst2>Vrstであることを考慮すると、輝度が低下する。
【0060】
図15に示すように期間571においてスイッチ11pを非導通状態にすることは、輝度低下を防止できる利点がある。
【実施例3】
【0061】
本発明の実施例3のEL表示装置について、図16、図17、図18、図19、図20、図21を用いて説明する。
【0062】
(1)回路構成
垂直方向の画素数が増加すると水平走査期間が短くなり、映像信号及び初期化電源の書き込みの時間が不足することがある。そこで、本実施例のEL表示では、図16、図17の回路に示すように、書き込み時間を長くするために、初期化電源14を別に配線し、ソース信号線18は、映像信号に対応した信号を転送する。すなわち、初期化電源14を別途配線し、初期化電圧をスイッチ11rを介して駆動トランジスタ11aのゲート電極に印加する。
【0063】
(2)動作
本実施例においても、映像信号書き込み期間103において駆動トランジスタ11aのドレイン電流を流さない。ゲート信号線及びスイッチの動作を図18に示す。
【0064】
映像信号書き込み期間103のうち、ゲート信号線2(17k)の操作によりトランジスタ11kが導通状態となり、蓄積容量19に大きな電圧が印加される期間572において、ゲート信号線1(17p)の操作によりスイッチ11pが非導通状態とすることで、同様の効果を得ることが可能である。
【0065】
ゲート信号線1(17p)による非導通期間は、必ずしも期間572と同一である必要があるわけでなく、期間572以上の長さを有すれば、任意の期間非導通状態となってよい。例えば図19に示すように、映像信号が画素に書き込まれる期間572に対して、駆動トランジスタ11aへの電流経路を遮断する期間612を長く取っている。
【0066】
図19では期間572と期間612は同時に終了しているが、期間612を長くとっても良い。但し、612の期間ではEL素子15に電流が供給されないため、非点灯期間105となり、点灯期間104は期間612が終了後からとなる。
【0067】
(3)輝度とTFT特性補償の両立
映像信号電圧を画素回路内部に取り込む期間572において、駆動トランジスタ11aにドレイン電流を供給する経路をなくすことで、EL素子15のアノード電圧の上昇の影響を小さくし、蓄積容量19に蓄えられる電荷の減少を抑えることで、映像信号振幅に対して輝度が低くなる影響を小さくできた。
【0068】
同一映像振幅に対して、より高い輝度で発光させることが可能になるが、一方で閾値補正動作により、低電流領域においては、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきに対応できるが、高電流領域においては、移動度ばらつき、電流増加率のばらつきにより、閾値補正動作だけでは、駆動トランジスタ11aの特性バラツキを補正できず、点灯期間104における駆動トランジスタ11aの電流にばらつきが発生し、表示ムラが視認されることがある。
【0069】
そこで、駆動トランジスタ11aの特性バラツキにより、ドレイン電流が多く流れる画素においては、蓄積容量19に蓄えられる電荷を少なくし、ドレイン電流が少なく流れる画素においては、蓄積容量19に蓄えられる電荷の減少量を、多く流れる画素に比べて少なくすることで、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきの影響を補正できるようにする。
【0070】
図16の画素回路構成において、映像信号を画素回路に書き込む期間572のうち、期間621においては、映像信号電圧によって蓄積容量19の電荷が蓄積され、電荷量が減少しないようにスイッチ11pを非導通状態とし、映像信号に基づいた電圧が駆動トランジスタ11aに印加されるようにする。
【0071】
次に、期間622においてスイッチ11pを導通状態とすることで、EL素子15に電流が流れ、流れた電流量に応じて蓄積容量19の電荷が少なくなるようにした。
【0072】
これにより、映像信号を画素回路に書き込む時間を十分にとりつつ、輝度減少量が少なく、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきを補正できる表示装置を実現することができた。
【0073】
補正に要する期間622は、EL素子15の容量及び、駆動トランジスタ11aのドレイン電流の最大値によるが、最大輝度が減少する影響を少なくするためには、容量0.2pF、電流1μAの場合、500ns以内好ましくは300ns以内にする必要がある。
【0074】
一方でソース信号線18に印加された映像信号電圧を、駆動トランジスタ11aのゲート電極に書き込む時間572は1μs程度必要である。
【0075】
図20のゲート信号線波形を入力することで、補正と、映像信号書き込みを両立し、さらに輝度低下を最小限にすることが可能となった。
【0076】
なお、スイッチ11pを非導通状態にするのは、図21に示すようにスイッチ11kの導通期間よりも前に実施しても同様に実施が可能である。
【0077】
予めスイッチ11pを非導通状態にすれば、ゲート信号線1とゲート信号線2の負荷の違いにより立ち上がり、立下り時間にバラツキがあっても、映像信号書き込み期間の始めに、スイッチ11pは必ず非導通状態にすることができ、ゲート信号線の負荷に違いがあっても、輝度低下の影響を防止することができる。
【実施例4】
【0078】
本発明の実施例4のEL表示装置について、図22、図23、図24、図25、図26、図27、図28、図29を用いて説明する。
【0079】
(1)特性補償期間の電圧
特性補償期間102の開始時点において、図12の構成では、駆動トランジスタ11aのソースドレイン間電圧は(ELアノード電源)−(リセット電源)だけ電位差があり、リセット電源はELカソード電源よりも低い電圧であるため、点灯期間104に比べて駆動トランジスタ11aのソースドレイン間電圧が大きくなっていた。
【0080】
駆動トランジスタ11aにアーリー電圧が存在するので、点灯期間104に比べてドレイン電流がたくさん流れる状態で、特性補償期間102において閾値補正動作を実施する。通常の点灯状態でのソースドレイン間電圧では、閾値補正点よりも電流が流れない状態で、特性補償期間102を終了する。また、ソースドレイン間電圧が大きいほどアーリー電圧のばらつきの影響を受け、閾値補正動作後、点灯状態でのソースドレイン間電圧に対して、駆動トランジスタ11aが流すドレイン電流にばらつきが生じる。
【0081】
このドレイン電流のバラツキが、点灯期間104での点灯時の電流に影響し、表示ムラを引き起こすことがわかった。
【0082】
また特性補償期間102において電流がより流れない状態まで駆動トランジスタ11aの閾値補正動作が進行することで、高階調表示を行う時のソース信号線18の電圧を高くする必要がある。すなわち、特性補償期間102終了後の蓄積容量19の電荷が、少ないためである。
【0083】
そこで、特性補償期間102を短くすることで対応する必要がある。
【0084】
他の対応策として、図22の回路構成を用いる方法がある。図22は、図12の構成に対して、リセット信号線203に印加できる電圧を2つに増加させた構成である。図12の構成同様に、制御線603によって、スイッチ602を制御し、リセット信号線203に、リセット電源16もしくは閾値補正電源601もしくは電源を入力しないの選択をできるようにしたものである。
【0085】
図22の構成を用いると、点灯期間104、特性補償期間102、映像信号書込み期間103で、駆動トランジスタ11aのドレイン電圧を変化させることができる特徴がある。
【0086】
これを用いて、閾値補正電源601の電圧を、次のように設定する。
【0087】
(閾値補正電圧−リセット電圧)と(ELアノード電源−ELカソード電源−EL素子15の閾値電圧)がほぼ同一となる(アーリー効果の影響が少なくなる範囲)電圧とする。
【0088】
これにより特性補償期間102において、駆動トランジスタ11aのソースドレイン間電圧が小さくなり、点灯期間104における、非点灯時のドレイン電流相当での閾値補正動作が実施可能となる。輝度低下や表示ムラの改善となる。
【0089】
更に、特性補償期間102において、閾値補正電流が少なくなることから、閾値補正動作が長くなり、ゲート信号線17が供給可能な最小パルス幅以上の期間で特性補償期間102を形成することで、より低速のゲートドライバでも実施が可能となる。
【0090】
図22の構成と映像信号書き込み期間でのスイッチ11pを非導通状態を組み合わせた実施例を図23に示しているが、スイッチ11pが映像信号書き込み期間導通状態であっても同様に実施が可能である(図24参照)。
【0091】
また、特性補償期間102が終了後、スイッチ11kにより映像信号が画素回路に書き込まれるまでに、画素回路の動作が無い期間571が存在する場合には、映像信号書き込み期間103のうち、期間571においてリセット信号線203に閾値補正電源601を入力する構成としても良い(図25参照)。
【0092】
ELアノード電源12よりも低い閾値補正電源601の電圧を入力することで、期間571において、駆動トランジスタ11aのソースドレイン間電圧が低下し、リークによるドレイン電流が少なくなる効果を得ることができる。ドレイン電流の低減は、蓄積容量19の電圧変動を抑える効果があり、ソース信号線電圧からの映像信号の書込みに対して、書き込み初期の蓄積容量19の電荷が多くなることで、より小さな信号振幅で、高輝度発光が可能となる表示装置を実現することが可能である。
【0093】
(2)信号線選択駆動との併用
図22の構成では、図26に示すように、信号線選択駆動を実施した時にも適用が可能である。信号線選択駆動を実施すると、例えば3信号線選択の場合、1つのソースドライバ出力から、1水平走査期間に3回に分けて赤緑青のソース信号線18に書き込みを行う。同一行のすべての画素に対応する映像信号がソース信号線18に書き込まれた後に、ゲート信号線2により画素に電圧を書き込む。
【0094】
特性補償期間102と映像信号書き込み期間103の間の期間571が必ず存在するようになり、期間571において蓄積容量19の両端の電位の変化を抑えるようにスイッチ602によってリセット信号線203に閾値補正電源601を入力することで、信号線選択駆動においても、輝度低下なく、表示が可能となる。
【0095】
なお、ゲート信号線1(17p)の操作により、スイッチ11pが非導通状態となり、駆動トランジスタ11aに電流が流れなく期間571での電位変動が少ないため、アーリー効果の影響が少なければ、スイッチ802は映像信号書き込み期間103の間オフ状態であってもよい。
【0096】
(3)特性補償期間の拡大
図22の構成において、特性補償期間102で、閾値補正電源601を駆動トランジスタ11aのドレイン電極に印加することで、従来のELアノード電源12で動作させる場合に比べて、特性補償期間102における駆動トランジスタ11aのドレイン電流が少なくなる。
【0097】
ドレイン電流が減少すると、特性補償期間102を長くする必要がある。図23に特性補償期間102を拡大した時の図22におけるゲート信号線17及びスイッチ602の動作を示す。
【0098】
図22の画素構成では、初期化電源と映像信号を供給するスイッチ11が個別に用意されているため、スイッチ11kを非導通状態にすることで、ソース信号線18に該当画素に対応した映像信号を印加する動作と、画素回路141において、初期化電源線14を利用して駆動トランジスタ11aの閾値補正を行う動作を同時に実施することが可能である。
【0099】
特性補償期間102を長く取れることで、ゲート信号線3(17r)のパルス幅を拡大することができ、波形なまりによる、ゲート信号線3のハイレベル期間のずれによる特性補償期間102のばらつきの影響が少なくなり、特性補償期間102のバラツキによる、輝度ムラがなくなる効果がある。
【0100】
特性補償期間102が長くなると、蓄積容量19に蓄えられる電荷が少なくなり、特性補償期間102が短くなると、蓄積容量19に蓄えられる電荷が多くなる。この状態で映像信号に対応した電荷が蓄積容量19に重畳されるため、特性補償期間102のばらつきは画素ごとの輝度のばらつきとして視認されるため、均一にすることが好ましい。
【0101】
(4)小容量画素への対応
図27のように、2水平走査期間にまたがって特性補償期間102を実施するほかに、図23や図24のような1水平走査期間で特性補償する場合でも同様に効果がある。
【0102】
画面が高精細化すると、1画素回路141あたりに用いることができる回路のレイアウトスペースが少なくなり、駆動トランジスタ11a、スイッチ、蓄積容量19、補助容量161を小型化やなくす必要がある。
【0103】
蓄積容量19や補助容量161を小さくすると、静電容量が小さくなるため、蓄えられる電荷が少なくなる。小さくなった蓄積容量19に対して閾値補正動作を実施すると、より少ない電荷で閾値補正動作が完了する。少ない電荷量で動作が完了するということは、特性補償期間102は、画素が高精細化するほど短くなり、数μ秒で動作を完了してしまう。閾値補正電源601を用いない図16の構成であれば、特性補償期間102を正確に入力するために、スイッチ211、ゲート信号線1(17p)、ゲート信号線3(17r)のパルス波形のなまりが小さくなるように、周辺回路の設計をする必要がある。
【0104】
パルス波形のなまりを小さくするにはバッファの能力を向上する方法があるが、電力や回路規模が大きくなる問題がある。
【0105】
そこで特性補償期間102において、駆動トランジスタ11aのドレイン電流を小さくすることで、特性補償期間102の長さを短くすることなく、適正な閾値補正動作を実施することを考えた。
【0106】
ELアノード電源12の電圧を下げれば閾値補正動作時の駆動トランジスタ11aのドレイン電流は低下するが、点灯期間104でEL素子15に必要な電圧を供給することができなくなる。
【0107】
そこで、図22に示すような閾値補正電源601を導入し、特性補償期間102において、閾値補正電源601により閾値補正動作を実施するようにする。閾値補正電源601の電圧はELアノード電源12よりも低い電圧かつ、駆動トランジスタ11aにドレイン電流が流れる電圧に設定しておく。蓄積容量19、補助容量161、EL素子15の容量によって、映像信号書き込みまでに閾値補正動作が終了するような電流が駆動トランジスタ11aに流れるような閾値補正電源601の電圧とする。(図23、図24の動作波形となる)
点灯期間104においては、ELアノード電源12の電圧を利用することから、点灯するのに必要なEL素子15の電圧も供給することが可能である。
【0108】
これにより高精細画素であっても、閾値補正動作のばらつきもなく、またゲート信号線の波形なまりの影響も少ない表示装置が実現できる。
【0109】
(5)蓄積容量の放電対策
図22の画素構成で、高精細パネルにおいても、閾値補正動作を可能としたが、蓄積容量19が小さくなることで、1フレームの間特に点灯期間104で、蓄積容量19の電荷が放電され、輝度が減衰しフリッカが発生する。
【0110】
点灯期間104では、EL素子15が発光するためEL素子15の両端の電位差が大きくなる。これにより節点811の電圧が上昇し、蓄積容量19を介して、駆動トランジスタ11aのゲート電圧も上昇する。ゲート電圧の上昇に伴いスイッチ11kのソースドレイン間電圧が大きくなり、ゲート信号線2(17k)からスイッチ11kを非導通状態にする信号を印加しても、リーク電流が流れやすい状態となる。
【0111】
そこで図28に示すように、駆動トランジスタ11aのゲート電極と、スイッチ11k及び11rの間に更にスイッチ11sを設け、1つのスイッチあたりのソースドレイン間電圧を小さくし(この場合、スイッチが2倍になったので理想的には半分に低減)、リーク電流を少なくすることとした。
【0112】
スイッチ11sを設けたときのゲート信号線17及びスイッチ602の動作を図29に示す。点灯期間104においてスイッチ11rをオフ動作させることでソース信号線と駆動トランジスタ11aのゲート電圧間に発生した電圧をスイッチ11s及びスイッチ11kで分担し、リーク電流を減少させることで、蓄積容量19の電荷を1フレーム間保持し、フリッカの低減を行った。
【0113】
スイッチ11sはソース信号線のほか、初期化電源14と駆動トランジスタ11aのゲート間電位差によるスイッチ11rのリーク電流をスイッチ11rとスイッチ11sを直列に接続することで低減し、初期化電源14との電位差によるリーク電流の影響も低減する効果を持つ。
【0114】
図26においてスイッチ11kが導通状態のときに、スイッチ11pが非導通状態となっているが、映像信号書込み時に駆動トランジスタ11aのドレイン電流が少ないか、蓄積容量19に蓄える電荷が少なくなっても表示が可能な場合にはスイッチ11pは導通状態であってもよい。またスイッチ602について、期間571において、オフ状態であるが、閾値補正電源602を入力してもよい。
【0115】
(6)黒挿入との組み合わせ
本願発明の画素回路141において、スイッチ11pが導入されていることで、1フレームのうち初期化期間101、特性補償期間102、映像信号書き込み期間103以外の期間において、11pを導通状態とすると、EL素子15に電流が供給され、点灯期間104となり、11pを非導通状態とすることで非点灯期間105を容易に作ることが可能である。
【0116】
スイッチ11pによりEL素子15に電流を流すかどうかを判断するため、非点灯期間105のあとにスイッチ11pを導通状態とすると再び点灯期間を設けることが可能である。
【0117】
スイッチ11pは、初期化期間101〜映像信号書き込み期間103の形成で必要であり、新たな回路の追加なく、非点灯期間105を作成することができ、動画視認性向上を図れる点が、本願発明の画素回路の特徴である。
【変更例】
【0118】
本発明は上記各実施例に限らず、その主旨を逸脱しない限り種々に変更することができる。
【0119】
本発明の複数の実施例の組み合わせでも同様に効果が得られる。
【0120】
スイッチはMOSトランジスタで説明を行っているが、MOSトランジスタのほかにMISトランジスタやダイオード、などスイッチング動作を行う素子であれば置き換えて実施することが可能である。
【0121】
トランジスタは、TFTばかりでなく、バイポーラトランジスタでも同様に実現が可能である。また、TFTについても、ポリシリコン、結晶シリコン、アモルファスシリコン、酸化物TFTなど構成材料によらず同様に実施が可能である。
【0122】
また、本実施例におけるEL表示装置の画素は、単色の画素構成、赤緑青の3色、赤緑青白の4色、シアンイエローマゼンダの3色、ペンタイル画素構成等、表示色を問わず適用が可能である。
【0123】
また、図8、図4の回路では、1列分の画素構成が記載されているが、これは、ストライプ状に形成されていても、デルタ配列に形成されていても、同様に適用が可能である。
【0124】
また、各トランジスタ11は、駆動トランジスタ11aを除いて、p型、n型のいずれのトランジスタであっても同様に本実施例が実施可能である。
【0125】
本実施例の説明ではゲートドライバが左右に、ソースドライバが上部に配置されたときの回路構成で説明を行っているが、ゲートドライバが上下、ソースドライバが左右に配置されても、ソース信号線及びゲート信号線の配線引き回しをあわせることで実施が可能である。
【0126】
また、上記実施例におけるスイッチとして用いられるトランジスタは、1つのトランジスタにて図示しているが、オフリークが多い場合には、複数のトランジスタを直列接続して挿入したり(例えばスイッチ11m、スイッチ11k、スイッチ11rなど)、マルチゲート構成のトランジスタを用いて実施してもよい。例えば図16に対する図54の実施例である。スイッチ11rを2つのトランジスタにて構成している。オン抵抗が不足する場合には複数のトランジスタを並列接続しても同様に実施が可能である。
【符号の説明】
【0127】
11a 駆動トランジスタ
11k スイッチ
15 EL素子
16 蓄積容量
17pA ゲート信号線1A
17pB ゲート信号線1B
17k ゲート信号線2
18 ソース信号線18
92 配線
121a スイッチ
121b スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配された複数の画素を有するEL表示装置において、
前記各画素の回路は、
EL素子と、
前記EL素子に第1の電極が接続された駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの第2の電極に接続されたEL電源と、
映像信号を供給するソース信号線と、
前記ソース信号線に第1の電極が接続されたスイッチングトランジスタと、
前記駆動トランジスタの第3の電極に接続された前記スイッチングトランジスタの第2の電極と、
前記スイッチングトランジスタの第3の電極に接続された第1のゲート信号線と、
前記駆動トランジスタの前記第1の電極と第3の電極の間に接続された蓄積容量と、
前記第1のゲート信号線からの第1のゲート信号によって前記スイッチングトランジスタをON状態にして、前記EL素子へ前記映像信号を書き込む映像書き込み期間において、前記EL電源から前記駆動トランジスタの前記第2の電極に電流が流れないようにするスイッチ素子と、
を有することを特徴とするEL表示装置。
【請求項2】
前記スイッチ素子に第2のゲート信号線が接続され、
前記第2のゲート信号線からの第2のゲート信号によって前記スイッチ素子をON/OFFする、
ことを特徴とする請求項1記載のEL表示装置。
【請求項3】
横方向に隣接する複数の前記画素の回路によって組が形成され、
前記一組の前記回路における前記各駆動トランジスタの第2の電極が、共通配線により互いに接続され、
前記共通配線と前記EL電源の間が、前記スイッチ素子で接続されている、
ことを特徴とする請求項1記載のEL表示装置。
【請求項4】
横方向に隣接する全ての前記画素の回路における前記各駆動トランジスタの第2の電極が、共通配線により互いに接続され、
前記共通配線と前記EL電源の間が、前記スイッチ素子で接続されている、
ことを特徴とする請求項1記載のEL表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−164133(P2011−164133A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23283(P2010−23283)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】