説明

ESCHERICHIACOLIに対する免疫原としての付着因子

本発明の主題は、免疫を誘導するための方法およびEscherichia coliに起因する下痢を予防する方法に関する。本発明の主題はまた、免疫原としてEscherichia coli付着因子を使用すること、そしてEscherichia coli病原性バクテリアに対する免疫を誘導するために有用な構造的に安定でそしてプロテアーゼ耐性のEscherichia coli付着因子構造物を構築することにも関する。この方法は、毒素原性Escherichia coliを含むEscherichia coliのヒト細胞への接着および定着 を阻害することができる、B-細胞媒介性免疫を誘導することおよび抗体を誘導することをもたらす。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年1月11日に出願したU.S.仮出願60/642,771の基づく優先権を主張し、その内容を本明細書中に参考文献として援用する。
【0002】
技術分野
本発明の主題は、バクテリアの線毛または微小繊維の構成成分を使用した、毒素原性Escherichia coliを含む下痢性バクテリアに対する免疫応答を誘導する方法に関する。本発明の方法は、下痢性バクテリアに対する免疫原として、Escherichia coli付着因子を使用することを企図する。
【0003】
背景技術
腸管毒素原性Escherichia coli(ETEC)は、資源の乏しい国々における幼児の下痢の主要な原因であり、およびこれらの地域への旅行者における下痢の主要な原因でもある(1、2)。ETECは、小腸上皮細胞への接着および易熱性エンテロトキシン(LT)および/または耐熱性エンテロトキシン(ST)の発現により、疾患を生じる(3)。ETECは、典型的には、定着因子(CF)として知られる繊維状のバクテリア表面構造を介して、宿主細胞に対して接着する。20種類以上のCFが記述され、少数の事例では、明らかに病原性の原因となっていた(4)。
【0004】
病原性に関する確実な証拠が、記述された最初のヒト-特異的ETEC CFである定着因子抗原I(CFA/I)について存在している。CFA/Iは、遺伝学的特徴および生化学的特徴を共有する8種類のETEC線毛のファミリーの典型的なものである(5、4、6、7)。このファミリーには、coliの表面抗原1(CS1)、CS2、CS4、CS14、CS17、CS19および推定定着因子O71(PCFO71)が含まれる。CFA/I、CS1およびCS2をコードする遺伝子クラスタの完全なDNA配列が、発表された(8、9、10、11、12)。その他の関連する線毛のうちの2種の主要サブユニットについての遺伝子が報告された(13、6)。CFA/I、CS1、およびCS2の4種の遺伝子からなるバイオアッセンブリオペロンは、同様に構成され、(順番に)ペリプラズムシャペロン、主要線毛性サブユニット、外膜アッシャー(アッシャー)タンパク質、そして副線毛性サブユニットをコードする。CFA/Iアッセンブリは、代替のシャペロン経路を介して生じ、I型線毛形成の古典的シャペロン-アッシャー経路およびIV型線毛などのその他の繊維状の構造の古典的シャペロン-アッシャー経路とは異なる(14、15)。主要線毛性サブユニットの一次配列に基づき、CFA/Iおよび関連する線毛は、クラス5線毛としてグループ化された(16)。
【0005】
同様に、しかしクラス5線毛とは異なり、coli 表面抗原3(CS3)は、ETEC定着因子抗原II(CFA/II)複合体の共通接着性微少繊維を示す。これらの抗原を発現するETECは、世界の多くの場所で一般的である。微小繊維を含有するCS3の立体構造的性質は、クラス5線毛よりもあまりよく知られていないが、これらの構造が、企図される抗-ETECワクチンにおける重要な構成成分となるだろうと予想される。
【0006】
CS1の研究により、クラス5線毛の組成および機能的特徴についての詳細が得られた(17)。CS1線毛性軸は、CooA主要サブユニットの繰り返しから構成される。CooD副サブユニットは、線毛性端部に局在すると考えられており、線毛質量の非常にわずかな割合を含み、そして線毛形成の開始に必要とされる(18)。主要サブユニットが結合を媒介することを示唆する初期の証拠とは対照的に(19)、最近の知見により、副サブユニットが付着因子として関与するとされ、そしてCS1およびCFA/I線毛のin vitro接着のために必要とされる特異的なアミノ酸残基が同定された(20)。配列解析されたそれら主要サブユニットの推測された一次アミノ酸構造は、広範囲な類似性を共有する。しかしながら、天然の線毛の血清学的交差反応性は限定的であり、そして交差反応性のパターンは、主要サブユニットの系統発生学的に定義された亜分類群(subtaxon)と創刊する(13)。
【0007】
クラス5線毛の副サブユニットの実際の付着因子としての関連性は、主要サブユニットの保存性の程度と比較して、それらの保存性の程度に関する精査を必要とする。CooDおよびそのホモログが、リガンド結合要求性および/またはその免疫反応性によりもたらされる機能的な制限のためにより高い類似性を保持し、それ自体、線毛性組成に関して、主要サブユニットの副サブユニットに対する非常に大きな比率に起因していることが推測された。クラス5 ETEC線毛および2種のアッセンブリタンパク質の副サブユニットと主要サブユニットの進化的関係を調べるための研究が行われた(21)。進化的な特徴は、クラス5主要線毛サブユニットおよび副線毛サブユニットとの間に存在し、そして副サブユニットが付着因子として機能することが示された。これらの知見は、ワクチン関連研究に対する実務的な関連性を提供する。
【0008】
CS4、CS14、CS17、CS19およびPCFO71をコードする遺伝子クラスタのヌクレオチド配列は、モノクローナル抗体による検出によりそれぞれの線毛 についての陽性が試験されたETECの野生型下痢-関連単離株から決定された(21)。新たに配列決定されたCS4、CS14、CS17およびCS19 の伝子クラスタの主要サブユニット対立遺伝子はそれぞれ、以前にGenBankに寄託された(1または複数の)対応する遺伝子配列と99〜100%のヌクレオチド配列同一性を示し、1対立遺伝子あたり4つよりも多いヌクレオチドの差異はなかった。各遺伝子座は、4つのオープンリーディングフレームを有し、CFA/Iクラスシャペロン、主要サブユニット、アッシャー、および副サブユニットと相同性を有するタンパク質をコードした。以前に報告されたように(13)、一つの例外は、CS14遺伝子クラスタについてのものであり、これがシャペロン遺伝子の下流に2つのタンデムのオープンリーディングフレームを含んだ。それらの予想タンパク質配列は、互いに94%のアミノ酸同一性を共有し、そして両方ともその他のクラス5線毛主要サブユニットと相同であった。
【0009】
クラス5線毛生合成に関与するすべてのタンパク質ホモログの予想アミノ酸配列の調査から、多数の基本的な類似性が示される。属をまたいで、ホモログの各組み合わせは、一般的に、ポリペプチドの長さ、質量、および理論的な等電点に関して、類似する物理化学的特性を共有する。すべての関連するタンパク質は、II型分泌経路を介したペリプラズマへの輸送を促進する、アミノ末端シグナルペプチドを含有する。主要サブユニットタンパク質のいずれも、システイン残基を含有しないが、一方、副サブユニットのすべてについて、6個のシステイン残基のうち4個しか含有しないY. pestisホモログ3802を除き、6箇所のシステイン残基の数および位置は保存されている。
【0010】
1型およびP線毛は、古典的なシャペロン-アッシャー経路により組み立てられる線毛の遺伝的な詳細および構造的な詳細を評価する際に、有用なモデルであった(23、24、25)。この研究の結果は、線毛サブユニットを、重要で失われたβ-鎖の反復性サブユニット間共有により、隣接するサブユニットと非共有結合する方法である、ドナー鎖相補性の変形性の原理を開発することであった(22、26)。証拠から、Haemophilus influenzaeヘムアグルチニン線毛(27)、およびYersinia pestis夾膜タンパク質、非線毛性タンパク質ポリマー(28)のフォールディングおよび四次構造完全性のこの同一のメカニズムを示した。これらの構造の両方は、古典的シャペロン-アッシャー経路により組み立てられる1型およびP線毛の異なるクラスI相対物である。進化の観点から、このことは、ドナー鎖相補性のメカニズムが、このクラスの存在する線毛が由来する始原線毛システムにおいて生じたことが示唆される。ドナー鎖相補性は、非共有的に結合したポリマー性表面タンパク質についてのタンパク質フォールディングの問題に対する巧妙な生物学的解決を示す一方、古典的なアッシャー-シャペロン経路のもの以外の接着性線毛によるその開発は、示されたなかった。
【0011】
代替のシャペロン経路および古典的シャペロン-アッシャー経路により組み立てられる線毛に共通するのは、サブユニットミスフォールディングを排除するためのペリプラズマシャペロン、および外膜でのポリマー化を振り付けるアッシャータンパク質についての要求性である。これらの別個の経路の線毛性アッセンブリおよび構造的構成成分が配列の類似性を共有しないということは、それらが、収束性の進化経路を通って生じたことが示唆される。それにもかかわらず、CFA/I構造サブユニットのコンピュータ解析から、ドナー鎖相補性がシャペロン-サブユニット相互作用およびサブユニット-サブユニット相互作用を支配しうる可能性が示唆される。
【0012】
8種類のETECクラス5線毛は、3種の構成成分(CFA/I、CS4、およびCS14)、4種の構成成分(CS1、PCFO71、CS17およびCS19)、および1種の構成成分(CS2)の3つのサブクラスにクラスター化された(それぞれ、サブクラス5a、5b、および5cと呼ぶ)(21)。以前の報告において、ETEC保持性CFA/I、CS2、CS4、CS14およびCS19が、培養Caco-2細胞に対する接着を明らかにすることが示された(6、22)。しかしながら、CFA/IおよびCS1の構成成分サブユニットが接着を媒介することに関して、相反するデータがはっぴょうされた(19、20)。
【0013】
線毛性構成成分が接着を媒介する役割を果たすというこの問題には、無傷CFA/I線毛、CfaB(主要サブユニット)に対する抗体の接着-阻害活性評価することにより、そして2つの異なるin vitro接着モデルにおけるCfaE(副サブユニット)の非-重複性アミノ末端(残基23〜211)部分およびカルボキシ末端(残基212〜360)部分に対する抗体の接着-阻害活性を評価することにより、アプローチした(21)。CFA/I接着のためのもっとも重要なドメインは、付着因子CfaEアミノ末端部分に存在することが示された(21)。
【0014】
上記に概略したこの研究は、CFA/Iおよびその他のクラス5線毛の副サブユニットが、受容体結合性部分であるという証拠を提供する(20)。これらの知見と一致して、線毛性サブクラス5aおよび5bにおいて観察された副サブユニットの低レベルの配列多様性のため(20)、進化的な関係は、これらの2つのサブクラスのそれぞれのを示す副サブユニットのアミノ末端部分に対する抗体の交差反応性と相関した(21)。
【0015】
本発明の側面は、クラス5線毛、または線毛接着またはCS3微小繊維または構造的に安定なCS3微小繊維構成成分の原因となる構造的に安定な線毛構成成分、のいずれかまたは両方を組み込む、ETEC系統に対する免疫応答を誘導する方法である。
【0016】
発明の概要
毒素原性Escherichia coliなどの多数の下痢性バクテリアに対する現在利用可能なワクチンは、適切なように有効ではない。これらの生物に対する新たなワクチン製剤が、特に下痢性疾患がもっとも一般的でありそして医学的な施設が限られている開発途上国にとって、重要である。
【0017】
本発明の目的は、線毛性付着因子または微小繊維の付着因子をコードするポリペプチドを投与することにより、クラス5 Escherichia coli線毛に対する、抗体反応を含む、免疫応答を誘導する方法である。
【0018】
さらなる目的は、線毛または微小繊維の宿主細胞に対する接着を阻害することにより、Escherichia coliの定着を予防することである。
さらなる目的は、ワクチン製剤において使用するための、構造的に安定なプロテアーゼ耐性付着因子ポリペプチド構築物を構築することである。
【0019】
さらに追加的な目的は、付着因子ポリペプチド構築物を使用して、毒素原性E. coliを含むEscherichia coliの線毛に対する免疫性を誘導することである。
本発明のこれらのおよびその他の目的は、免疫性を誘導するための免疫原性構成成分として、Escherichia coli付着因子ポリペプチドを使用することにより達成される。
【0020】
本発明の開示と、本発明を実施するための最良の態様
本発明は、線毛または線毛付着因子抗生物質を投与することにより、抗-接着性免疫応答を誘導するための方法および生物学的組成物に関する。ここで、コンピュータ読みとり可能形式で記録された情報は、記載された配列表と同一であることを述べる。
【0021】
毒素原性Escherichia coli線毛の末端分子抗生物質である付着因子は、宿主細胞に対するバクテリアの接着のためのエフェクターである可能性がある(21)。従って、付着因子は、バクテリアの定着および病原性のために重要である。
【0022】
クラス5線毛の接着性サブユニットを用いて免疫化する本発明の方法は、バクテリアの付着因子に対して特異的に結合し、下痢性バクテリアの定着を妨害する、主としてイムノグロブリン媒介性免疫を誘導しうる。従って、この方法は、下痢性バクテリアに対して優れたそしてより効率的な免疫を提供することができる。さらに、無傷の線毛またはバクテリア全体の代わりに線毛性付着因子サブユニットを使用することにより、免疫の効率が改善された免疫を誘導するために、顕著に少ない抗原しか必要としない。
【0023】
本発明は、Escherichia coli線毛の先端に構造的に局在する宿主-細胞接着性構成成分である、Escherichia coli付着因子をコードするポリペプチドを投与することにより、免疫を誘導するための方法を提供する。典型的な線毛、定着因子抗原I(CFA/I)は、もっとも重要な毒素原性Escherichia coli(ETEC)系統で見いだされる。しかしながら、ETEC付着因子が進化的に非常に関連しているため、その他のクラス5線毛を使用することもできる。
【0024】
付着因子ポリペプチドの構造的な安定性および潜在的なプロテアーゼ耐性は、最大の免疫原性を保証するために重要である。付着因子モノマーの構造的完全性は、隣接する主要構造的線毛性モノマーによりもたらされた供与β-鎖によりもたらされる。たとえば、CFA/I付着因子、CfaE、の構造的安定性は、CfaB由来のドナーβ-鎖によりもたらされる。
【0025】
改良型抗-線毛性付着因子免疫に関して、本発明の側面は、付着因子ポリペプチド配列に対する構造的安定性の授与である。付随的にワクチンの効率性が改良された付着因子ポリペプチド免疫原の構造的安定性を保証するため、本発明の一側面は、ドナーβ-鎖を隣接する付着因子ポリペプチド配列に対して機能可能にもたらす用に設計された、ポリペプチド構築物である。構築物は、リンカーポリペプチドのC-末端に連結された付着因子ポリペプチドからなり、それが次に、C-末端で、主要線毛性構造サブユニット、たとえばCfaB、のすべてまたは一部をコードするポリペプチドに対して連結される。
【実施例】
【0026】
実施例1
付着因子は、もっとも重要なワクチン-関連毒素原性Escherchia coliバクテリア構成成分である
【0027】
クラス5 Escherchia coli線毛結合
CFA/Iは、遺伝的特徴および生化学的特徴を共有するETEC線毛のファミリーの典型である(5、4、6、7)。遺伝子オペロンは、ペリプラズマシャペロン、主要線毛性サブユニット、外膜アッシャータンパク質、および副線毛性サブユニットから構成される。主要サブユニット配列に基づいて、CFA/Iおよび関連する線毛を、クラス5線毛と一緒にグループ化した(16、21)。クラス5主要線毛性サブユニットおよび副線毛性サブユニットの間に機能的な特徴が確認され、そして副サブユニットが付着因子として機能することが、複数の研究から確認された。したがって、副サブユニットは、ワクチン構築物のための線毛のもっとも重要な構成成分である。
【0028】
クラス5ETEC線毛 のそれぞれを個別に発現する型系統は、A型ヒト、ウシ、およびニワトリ赤血球とのマンノース-耐性赤血球凝集(MRHA)による赤血球接着に関して、特徴づけられた(21)。接着実験において使用されたすべてのETEC系統の表現型は、表1に示される。CS1、CS4、CS14、CS17、CS19およびPCFO71を発現した型系統は、エジプトにおける小児期下痢の長期的な研究の一部として、下痢をしている若年の子供の糞便からそれぞれ単離された(29)。
【0029】
ETEC系統は、A型ヒト、ウシ、およびニワトリ赤血球のマンノース-耐性赤血球凝集(MRHA)について試験された。MRHA法は、以前に記載された方法に基づいた(30)。結果は、表1に示される。
【0030】
これらの研究において、ルーチンの増殖およびタンパク質発現について、バクテリアをLuria-Bertani培地(31)またはリッチ培地(1 Lあたり10 gトリプトン、5 g酵母抽出物、5 g NaCl、および2 gグルコース)中で増殖させた。For 赤血球凝集および組織培養接着アッセイのため、培養物を、1 Lあたり1.5 gのBacto Bile Salts no. 3(Difco, Detroit, MI)を添加したかまたは添加しないCFAアガー(32)上で増殖させた。アンピシリン(62.5μg/ml)およびカナマイシン(50μg/ml)を、選択圧として必要に応じて添加した。ヒト赤血球を単一のボランティアドナーから必要に応じて回収し、そしてウシおよびニワトリ赤血球はLampire Laboratories(Pipersville, PA)から購入した。赤血球を、Alsever溶液中4℃で最大2週間、使用するまで保存した。各アッセイの直前に、赤血球 を洗浄し、そして0.5%D-マンノースを含むPBS中に懸濁して、最終濃度3%となるようにした。バクテリアを、37℃で一晩増殖させ、そして0.5%D-マンノースを含むPBS中に懸濁して、最終濃度約1×1010コロニー形成単位(cfu)/mlとなるようにした。等容量(25μl each)の3%赤血球、バクテリア懸濁物、そして0.5%D-マンノースを含むPBSを12-ウェルセラミックタイル(CoorsTec, Golden, CO)上のウェルに添加し、そしてその中で混合し、氷上で20分間揺らし、目視検査により等級分けし、そして以下の様にスコア化した:陰性、MRHA活性なしを示す;1+、低、弱反応を示す;2+、中程度反応を示す;3+、 強反応を示す;そして4+、赤血球のすべてが関与するほぼ瞬間的で完全な反応を示す。
【0031】
本発明者らはまた、Caco-2細胞に対する構成成分サブユニット接着を解析した。これらの研究の結果は、表1にも示される。接着アッセイを、以前に記載した方法(33、34)に若干の修正を施して行った。簡単に述べると、Caco-2細胞を、2mM L-グルタミン、20%胎児ウシ血清、0.1 M非-必須アミノ酸、1 mMピルビン酸ナトリウム、および1.5 g /L重炭酸ナトリウムを添加したEMEM培地(Earleの平衡化塩類溶液中Earleの最小必須培地)中、5%CO2を添加した空気中で37℃で維持した。細胞を24ウェルプレート(Costar, Corning, NY)中にまき、組織培養-処理したガラス製のカバースリップ(Fisher Scientific)を載せ、そして14日間(±1 d)インキュベートしてコンフルエント以上にし、PBSで洗浄し、そして750μlの添加物入りEMEMでアッセイまで覆った。バクテリア系統を、胆汁酸塩を含むかまたは含まないCFAアガー上で、37℃で一晩増殖させ、そして1%D-マンノースを含む添加物入りEMEM中で1×109バクテリア/mlとなるように懸濁した。懸濁物を、組織培養ウェルに対して、最終濃度が2.5×108バクテリア/mlで添加した。プレートを、以前に記載されたように(34)、インキュベートし、洗浄し、固定し、染色しそしてマウントし、そして顕微鏡で観察した。100個の無作為に選択した細胞に対して接着するバクテリアの数をカウントし、少なくとも1個の接着バクテリアを有する細胞の平均数(接着指標1)、および少なくとも1個の接着バクテリアを有するCaco-2細胞あたりのバクテリア数(接着指標2)を得た。それぞれのバクテリア系統について、最低でも3回の実験を二重にして行って接着指標を決定し、平均±標準偏差(SD)として表した。
【0032】
CFA/I、CS2、CS4、およびCS14とCS19とを有するETEC は、培養Caco-2細胞に対する接着を示すことが以前に報告された(6、22)。クラス5線毛を有するETEC型系統のそれぞれに対するCaco-2細胞接着アッセイを行って、これらの知見を確認し、そして各系統についての接着のレベルを定量した。結果(表1)から、CFA/I、CS4、CS14およびCS2を有する系統はそれぞれ、中程度ないし高レベルのCaco-2細胞接着を実際に示し、一方より低レベルの接着がCS19-を有する系統については観察されることが示された。対照的に、CS1、CS17およびPCFO71を発現する系統は、限界レベルの接着を示す。サブクラス5b線毛を有する系統をCFA/I陽性レギュレータcfaDを含有するプラスミドによりトランスフェクションすると、CS19-ETEC系統WS0115Aに関してのみ、Caco-2細胞接着の増加が伴った。
【0033】
クラス5 ETEC線毛の進化的関係を考慮すると、それらの系統発生と相関するいくつかの特徴的な機能的特徴が存在することを示すことができる。サブクラス5a線毛は、ヒトA型赤血球のMRHAを引き起こす能力を有するため、その他のものとは異なる。CS19-ETECを除き、サブクラス5b線毛は、培養Caco-2細胞に対して何らかの接着性を有しても弱いことが示され、それらがその他の2種類のサブクラスと区別される。
【0034】
【表1】

【0035】
付着因子 are responsible for線毛 binding.
宿主細胞結合の原因となる線毛構成成分を決定するため、付着因子に対する特異的抗体がCFA/1およびCS1線毛接着を阻害する能力を解析した(21)。我々はさらに、これらの部分に対する抗体が、進化的関係に従って、交差反応をするかどうかという問題を評価した。このことは、無傷CFA/I線毛、CfaB(主要サブユニット)に対する抗体の接着-阻害活性、無傷CFA/I線毛、CfaB(主要サブユニット)に対する抗体の接着-阻害活性、、そして2種の異なるin vitro接着モデルCfaE(副サブユニット)非-重複性アミノ-末端(残基23-211)およびカルボキシ-末端(残基212-360)部分(CfaEの配列についてはSEQ ID No. 4を参照)に対する抗体の接着-阻害活性、を測定することにより、間接的に評価した。
【0036】
CFA/IおよびCS17線毛は、以前に記載されたように生成hした(35、36)。ウサギポリクローナル抗体調製物は、MBP-CfaB24-170、MBP-CfaE23-211、MBP-CfaE212-360、MBP-CsbD19-214に対して、そして天然CFA/IおよびCS17線毛に対して調整した(21)。これらの上述したE. coli type系統のそれぞれは、CFA/I、CS1およびCS2を発現したものを除き、of対応する線毛性オペロンの配列解析に対するDNAの供給源でもあった。E. coli BL21(F- ompT hsdSB(rB-mB-) gal dcm)を、商業的供給源(New England Biolabs, Beverly, MA)から取得し、そしてマルトース-結合タンパク質(MBP)融合物のクローニングおよび発現のために使用した。ウサギの免疫化および抗血清回収を、Harlan Bioproducts for Science, Inc. (Indianapolis, IN)により行った。生成されたIgGは、製造会社(Amersham Pharmacia, Piscataway, NJ)により指示されたように、Hi-Trapタンパク質Gカラムを使用して各抗血清から取得した。これらの調製物のそれぞれから、Pierce ImmunoPure Fab調製キット(Pierce, Rockford, IL)を使用して、Fabフラグメントを作成した。
【0037】
ETEC系統を、マンノース-耐性赤血球凝集(MRHA)について試験した。赤血球凝集阻害(HAI)アッセイのため、各バクテリア系統を、最小赤血球凝集力価の2倍(2×MHT)に対応する濃度で使用した。MHTを、各HAIアッセイ日の開始時点で、PBS中でバクテリア懸濁物の連続2倍希釈物を作製することにより(1×1010 cfu/ml開始濃度から)決定した。各希釈物計25μlを、3%赤血球懸濁物および0.5%D-マンノースを含むPBSの等量に対して添加し、そして氷上で揺らした。MHTを、少なくとも1+ MRHAを示すバクテリアの最低濃度の逆数として定義した。各Fab抗体調製物のHAI力価を決定するため、2倍希釈列を、ストック抗体溶液(2 mg/ml)により開始した。25μl容量の各Fab希釈物を、セラミックタイルウェル中の等量の2×MHTバクテリア懸濁物に対して添加し、室温で揺らしながら20分間、プレインキュベートした。次に、等量の赤血球懸濁物(3%)を、各ウェルに添加し、タイルを氷上で20分間揺らし、そしてMRHAを上記の通りスコア化した。HAI力価は、MRHAを完全に阻害した抗血清の最高希釈の逆数として表した。
【0038】
Caco-2細胞接着阻害実験のため、120μl分のFab抗体調製物(2 mg/ml開始濃度)を480μlのバクテリア懸濁物に対して添加し、室温で20分間プレインキュベートした。抗体調製物の代わりにPBSを添加したものを、各実験における陰性対照として使用した。250μl分のバクテリア/抗体混合物(2.5×08 バクテリア/ml)を、組織培養ウェルに対して添加した。細胞をインキュベートし、処理し、そして上述したように解析した。阻害レベルは、抗体を含む場合および含まない場合の初期接着指標を比較することにより決定した。各試験バクテリア/抗体調製物について、最低3回の実験を2重にして行った。Caco-2接着研究において、各抗体調製物の存在下にて行った接着を、PBSを添加したものと、片側Student Tテストを使用して比較し、サンプル間の不等分散(unequal variance)を推測した。HAI実験に関して、実験群間の相互関係の力価を、対サンプルについてのWilcoxon符号付き順位検定(片側)を使用して、XLSTATデータ解析ソフトウェアを使用して、比較した。
【0039】
4種の抗体調製物のそれぞれを、MRHA中およびCaco-2細胞接着アッセイ中の系統H10407(CFA/I)の接着を阻害する能力について評価した。図1(A)は、MBP、CFA/I、CfaB、CfaE23-211(CfaENと表記)、およびCfaE212-360(CfaECと表記)に対して特異的なFab抗体の中央値逆数赤血球凝集阻害(HAI)力価を示し、log2目盛り上にプロットした。2の逆数(検出限界)以下の値を、グラフの目的のために1.05として任意にプロットした。図1(B)は、同一の特異性を有するFab抗体とともにバクテリアをプレインキュベーションした後の、H10407の平均Caco-2細胞接着指標(少なくとも1つの接着バクテリアを有する%Caco-2細胞、±SD)を示す。すべての調製物を、それぞれ2重にして行った少なくとも3回の実験で試験した。
【0040】
最高のヒトA赤血球 赤血球凝集阻害(HAI)活性は、CfaE23-211に対して特異的なFabを用いて観察されたが、一方、CfaB抗体は、ずっと低いレベルのHAI活性を示した(図1(A))。CFA/IまたはCfaE212-360に対するFab抗体を用いて、HAI活性は検出されなかった。一貫した知見がCaco-2細胞接着阻害アッセイにおいて観察され、最高の阻害活性が抗-CfaE23-211 Fab画分に起因していた(図1(B))。このアッセイにおいて、抗-CFA/I Fab抗体は、より低いレベルの阻害を示し、そしてCfaBおよびCfaE212-360に対して特異的な調製物は、検出可能な効果を示さなかった。あわせると、これらの知見から、CFA/I 接着のためにもっとも重要なドメインは、CfaEのアミノ-末端半分に存在することが示唆される。
【0041】
進化的関係が5aおよび5bサブクラスを示す副サブユニットのアミノ-末端半分に対する抗体の交差反応性と相関するという仮説を試験するため、抗-CfaE23-211 Fabの異種クラス5線毛を発現する野生型系統の接着に対する阻害効果を評価した。我々の予想と一致して、抗-CfaE23-211は、CS4-ETECおよびCS14-ETECのウシMRHAを阻害した(図2(A))。対照的に、抗-CFA/I Fab抗体は、CFA/I-ETEC のウシMRHAを、抗-CfaE23-211よりも低い程度で阻害したが、一方CS4またはCS14を有するETECのMRHAを阻害することはできなかった。同一の結果が、抗-CFA/I FabがCFA/I-ETEC HAIを提示することができないことを除き、ヒト赤血球を使用して得られた。どの抗体調製物も、他の2種のサブクラスの異種CFを有するのウシMRHAを阻害しなかった。
【0042】
これらの知見は、Caco-2細胞接着アッセイにおける各Fab調製物の阻害効果を測定することにより、裏付けられた。抗-CfaE23-211抗体は、バクテリアをPBS(図3)または抗-MBP抗体(データは示さず)とプレインキュベートした場合の接着レベルと比較した場合、CS4-ETECとCS14-ETECの接着を阻害した。しかしながら、CS14-ETECの消失した接着は、統計的な有意性を示さなかった。同一濃度において、抗-CFA/I抗体は、抗-CfaE23-211 Fabが阻害した程度よりも顕著に低い程度ではあったが、H10407(CFA/I)のCaco-2細胞接着を阻害した。しかしながら、抗-CFA/I Fabは、同一のサブクラス(図3)または異なるサブクラス(データは示さず)の異種CFを有するETECの結合を阻害しなかった。
【0043】
これらの知見をさらに強化するため、我々は、CS17(サブクラス5b) 副サブユニットCsbDのアミノ-末端半分に対する抗体を作製し、そしてMRHAおよびCaco-2組織培養細胞モデルシステムにおいて、その阻害活性を、抗-CS17線毛性抗体の阻害活性とともに評価した。抗-CS17および抗-CsbD19-214 Fab抗体の両方とも、CS17を有するETECについてのウシ赤血球HAI活性を示した、抗-CsbD19-214のHAI力価は有意に高かった(図2B)。抗-CS17 Fab抗体とは異なり、抗-CsbD19-214 Fab画分もまた、その他のサブクラス5b線毛のそれぞれを有するETECについて、有意なHAI活性を示す。とりわけ、抗-CsbD19-214抗体のサブクラス内CF-異種HAI活性は、抗-CfaE23-211抗体の同程度の効果に対するよりも、そのCS17-ETEC HAI活性とより近い程度であった。この知見は、サブクラス5b内の副サブユニットのより高い程度の同一性をもたらすことが予想された。どの調製物も、その他の2種のサブクラスのCFを有するETECのウシMRHAを阻害しなかった。
【0044】
Caco-2細胞接着アッセイにおいて、我々は、Caco-2細胞に対して特異的に接着する様である唯一のサブクラス5b線毛であるCS19-ETECに対する同一の抗体調製物の阻害効果を評価した。ここで、我々はまた、抗-CsbD19-214(抗-CS17抗体ではなく)が、CS19-ETEC接着の有意な阻害を示すことを見いだした(図3)。図3において、実験において使用した系統が、上記の各グラフに示される。y-軸は、Caco-2細胞接着指標(少なくとも1つの接着バクテリアを有するCaco-2細胞の%)を示す。結果は、それぞれ2重にして行った少なくとも3回の実験の平均(±SD)を示す。P値は、陰性対照(PBS)と示された抗体調製物との間での差異についてのものである。どの調製物も、代表的なサブクラス5aまたは5c線毛を発現するETECのCaco-2細胞接着を阻害しなかった(データは示さず)。
【0045】
実施例2
クラス5接着線毛に相補的な構造的に安定なドナー-鎖〜付着因子免疫原性構築物
CFA/I構造サブユニットのコンピュータ解析から、ドナー鎖相補性がシャペロン-サブユニットおよびサブユニット-サブユニット相互作用を支配することが示唆される。従って、我々は、構造的に安定な構築物を構築した。ここで、CfaBのアミノ-末端ドナーβ-鎖が、CfaE のcisカルボキシ-末端伸長部をもたらし、この分子に対して構造的安定性およびプロテアーゼ耐性を付与し、ヒト赤血球に結合する能力を有する可溶性モノマーを形成した。
【0046】
我々は、クラス5 ETEC線毛の主要 サブユニットおよび副サブユニットの8種類のホモログのアミノ酸配列についてのマルチアラインメントを作成し、共通構造モチーフを同定した。二次構造予想アルゴリズムから、両サブユニットが、全長にわたり分布するβ-鎖が豊富な両親媒性構造を形成することが示された。26%のコンセンサス副サブユニット配列が、疎水性コアを形成することが予想される17個の散在性β-鎖を含むβ-構造中に折り畳まれると予想される。
【0047】
cfaEのcisドナー鎖相補性
2種の高度に保存された構造モチーフを同定した。そのうちの一つは、主要サブユニットのカルボキシ末端と副サブユニットのカルボキシ末端の間で共有されており、そしてもう一方は、成熟後(シグナルペプチド切断後)のアミノ-末端で主要サブユニットの形態であることが見いだされた。主要サブユニットおよび副サブユニットを一緒にマルチアラインメントすると、各タンパク質のカルボキシ末端で、配列モチーフAGxYxGxUxUxUT(x)3-6-COOHを示す共通モチーフが示された。ここで、Uは疎水性残基のいずれかを示し、そしてxは未同定の性質の残基を示す(図4)。Sakellarisらは、この範囲が線毛性サブユニット-シャペロン相互作用において役割を果たす可能性があるクラスI線毛性サブユニットに類似する、β-ジッパーモチーフを意味すると、以前に示唆した(37)。
【0048】
クラス5線毛の主要サブユニットは、β-鎖を形成すると予想された、非常に高度に保存されたアミノ-末端範囲を共有し(図4)、この点で副サブユニットと異なっている。その予想された構造および位置に基づいて、この範囲は、β-鎖-様構造として機能し、これはα-ヘリックスの柄に沿ってCfaB サブユニットに隣接するものを意味し、そして線毛性先端でのCfaEを意味する。CfaB主要サブユニットドナー鎖として機能する配列としては、SEQ ID No. 7を参照。その他の付着因子モノマーに対するドナー鎖としては、SEQ ID No. 8〜15を参照。
【0049】
CfaBおよびそのホモログのアミノ-末端β-鎖の高度の保存された性質は、1型線毛性サブユニットのアミノ-末端がフィラメントの組み立てにおいて交換ドナー鎖として機能するという前例とともに、これがCFA/Iサブユニットを非共有的に連結するドナーβ鎖のためのよい候補であることを示唆した。副接着サブユニットに関するこの仮説を試験するため、我々はプラスミドを操作して、柔軟なヘアピンリンカー(DNKQ(SEQ ID No. 1)およびその後に成熟CfaB最初の13個のアミノ酸残基からなるC-末端伸長部を含有するCfaE変異体を発現させた(図5)。図5(A)は、概略的に、10〜19残基まで長さが異なるCfaBのN-末端β-鎖範囲を含むC-末端伸長部を有する、独立したCfaE変異体構築物のドメインを示す。各構築物は、天然のCfaE配列のC-末端とドナーβ-鎖との間に挿入された短い柔軟性のあるリンカーペプチド(DNKQ)を含有する。縦の矢印は、二次β-鎖モチーフを分断する、プロリンに修飾されたドナー鎖バリン(V7P)を特定する。図5(B)は、CfaEを発現する様に操作された系統のシリーズに由来するペリプラズマ濃縮物のウェスタンブロット解析を示し、そして変異体は、成熟CfaB様々な長さのアミノ-末端範囲とcisで相補性であった。使用された一次抗体調製物は、CfaEに対するポリクローナルウサギ抗体であった。レーンは、以下の構築物に由来する調製物に対応する:レーン1、dsc10CfaE;レーン2、dsc11CfaE;レーン3、dsc12CfaE;レーン4、dsc13CfaE;レーン5、dsc13CfaE[V7P];レーン6、dsc14CfaE;レーン7、dsc16CfaE;レーン8、dsc19CfaE;そしてレーン9、CfaE。分子量マーカー(kD)は、左側に示される。図5(C)は、天然のCfaE配列(そのSec-依存性N-末端シグナル配列を含む)を、短いリンカー配列(すなわち、DNKQ)、成熟CfaB N-末端に由来する19残基のドナー鎖、および末端6ヒスチジン親和性タグからなるそのC-末端の伸長部とともに含有する、dsc19CfaE(His)6の操作された構成成分のスキーム図である。
【0050】
cfaEのPCR生成物は、Gateway(商標)システム(Invitrogen, Carlsbad, CA)を使用したin vitro組換えにより、プラスミドベクター中に挿入した。以下の配列を有するプライマーを、pDONR207TM中に初期クローニングするために使用した:dsc-CfaE 13-1(フォワード)、5'-TCG ACA ATA AAC AAG TAG AGA AAA ATA TTA CTG TAA CAG CTA GTG TTG ATC CTT AGC-3'(SEQ ID No. 16);およびdsc-CfaE 13-2(リバース)、5'-TCG AGC TAA GGA TCA ACA CTA GCT GTT ACA GTA ATA TTT TTC TCT ACT TGT TTA TTG-3'(SEQ ID No 17)。attB組換え部位が隣接したPCR生成物を、Gateway BP(商標)反応を使用して、エントリーベクターpRA13.3を作成することにより、ドナーベクターpDONR201TM(Gateway(商標)Technology, Invitrogen, Carlsbad, CA)中にクローニングした。Gateway LR(商標)反応において、遺伝子配列をさらにpRA13.3から修飾された発現ベクターpDEST14-Knr(T7プロモータからの天然の発現のためのベクター)中にサブクローニングし、プラスミドpRA14.2を作製した。pDEST14-Knrベクターを、アンピシリン耐性をカナマイシン耐性に置換することによりpDEST14(商標)(Gateway(商標)Technology, Invitrogen, Carlsbad, CA)を修飾することにより、構築した。正しいcfaEの存在は、配列解析により確認された。E. coli系統BL21SITM(Invitrogen, Carlsbad, CA) を、pRA14.1の発現のために使用し、そして関連するCfaEドナー鎖は、構築物に相補的であった。培養物を、NaCl(LBON)なしで50μg/mlカナマイシンを含有するLB培地中、30℃で一晩増殖させた。一晩培養物の一部を、LBON培地中で1:50に希釈し、そして30℃で増殖させた。OD600が0.5のとき、NaClを200 mMの最終濃度となるように添加し、そして細胞を30℃で3時間増殖させた。誘導された細胞を回収し、洗浄し、そして遠心分離により回収した。タンパク質発現の誘導は、NaClを添加することにより行い、その後分画およびペリプラズマ内容物の解析を行って、各タンパク質の相対的回収を調べた。
【0051】
我々は、天然のCfaEを発現する親系統からはほとんどCfaEが回収できなかったが、dsc13CfaE構築物は、ペリプラズマ画分のウェスタンブロット解析上で、明確なバンドを得たことを見いだした(図5(B))。安定性の改善がC-末端伸長部のβ鎖モチーフに特異的に関連するものであることを確認するため、我々は、中央部バリンに部位特異的変異生成を行い、それをβ鎖を破壊すると予想された2つの残基のいずれかに変化させた。得られた構築物、dsc13CfaE[V7P]およびdsc13CfaE[V7S]、からは、ほとんど回収可能なタンパク質が得られず、13 アミノ酸C-末端伸長部により達成された観察された安定性に対して、β鎖が重要であることが示唆された(図5(B))。
【0052】
我々は次いで、ドナー鎖長制限が、CfaEの安定化のために機能するかどうかを確認した。一連のプラスミドは、CfaE の変異体を、同一の一般的フォーマットで、しかしはじめの10〜多くて19アミノ酸まで変化する添加されたCfaB N-末端β-鎖とともに、発現するように構築された。図5Bにおいて示される様に、少なくとも最初の12アミノ酸のドナーβ鎖長が、CfaEの測定可能な回収を達成するために必要とされた。β鎖長の上流側末端で、我々は、最大で19アミノ酸が、CfaEの回収を達成するために必要な情報をもたらすことを見いだした。
【0053】
シャペロン-付着因子複合体形成およびcisドナー鎖相補性.
CooD(CfaEのCS1ホモログ)は、その同起源のシャペロンCooBとペリプラズマ複合体を形成するだけではなく、およびCooA主要線毛性サブユニットともペリプラズマ複合体を形成することが示された。1型線毛性サブユニットに類似して、CooDとCfaEとの別個の疎水性グルーブが、ドナー鎖相補性および置換のメカニズムにより、生物発生のプロセスにおいて、それらの対応するシャペロンと非共有的に相互作用することができる。そのようなモデルを試験するため、我々は、CfaAのC-末端6ヒスチジン-タグ化変異体を、天然のCfaEまたはdsc19CfaEのいずれかと同時発現させ、そして二分子シャペロン-付着因子複合体の形成を探した。天然のCfaEをCfaA(His)6とともに同時発現した場合、2種のタンパク質がニッケル親和性クロマトグラフィーで同時精製され、このことから複合体の形成が示唆された。対照的に、dsc19CfaEのCfaA(His)6との同時発現の後、親和性クロマトグラフィーを行ったところ、CfaA(His)6のみが得られた。このことから、cisでCfaBにより寄与されたC-末端β鎖は、シャペロン-付着因子複合体形成を排除することが示唆された。
【0054】
dsc19CfaE(His)6の精製と特性決定
13〜19個のCfaB 残基を含有する様々なdscCfaE 構築物のウェスタンブロットの濃度解析から、優れた適合(fit)に関して変異体ごとに示唆される回収にはほとんど変化が存在しないことが示された。我々が覆われたその疎水性の裂け目をできるだけ多く有するCfaE変異体を用いて研究を行うことを確実にするため、我々は、精製および特性決定のために、dsc19CfaEを選択した。精製を容易にするため、我々は、図5(C)において概略を示したように、カルボキシ-末端に対して6ヒスチジンタグを付加して、dsc19CfaE(His)6を得た。
【0055】
図6において、クロマトグラフィー解析により、dsc19CfaE(His)6の溶出容量(矢印)、並びに(A)アルブミン、67,000 D;(B)オボアルブミン、43,000 D;(C)キモトリプシノーゲンA、25,000 D;および(D)リボヌクレアーゼA、13,700 Dを含む分子量対照を示す。対照は、dsc19CfaE(His)6と同様に、2回の異なる実行(BおよびD;およびAおよびC)において分離し、そして3回のクロマトグラムを重ね合わせた。差し込み図は、種の分子量標準に由来する較正曲線を示し、それぞれはモノマーとして実行した。dsc19CfaE(His)6の分子量を、式Kav=-0.1437Ln(MW)+1.6973を使用して、38,961 Dと決定された(点線のドロップダウンを参照)。ここで、傾きおよび切片は、対数適合により生成された標準全体から得た(R2=0.977)。これは、成熟dsc19CfaE(His)6の計算分子量(Mr、40940)と近似的に適合する。
【0056】
2工程クロマトグラフィー生成プロセスを開発し、そしてニッケル親和性、その後カチオン交換を使用して精製し、約94%の純度の可溶性dsc19CfaE(His)6を得た(図6)。N-末端配列解析の結果(DKNPGSENMTNTIGPHDRGG)(SEQ ID No. 18を参照)により、dsc19CfaE(His)6の同一性が確認され、そしてvon Heijneのシグナルペプチド切断部位予測方法(38)の正確性もまた確認された。ゲル濾過上では、成熟dsc19CfaE(His)6が40,869ダルトンのサイズと一致した溶出プロファイルを示し、これからdsc19CfaE(His)6がモノマー状態で存在することが示される。
【0057】
公開された証拠は、CfaEがCFA/I線毛の接着構成成分であると間接的に示した(20、21)。この仮定を直接的に試験するため、我々は、dsc19CfaE(His)6を3μmのラテックスビーズ上に吸着させ、そしてこれらの粒子の赤血球凝集特性を、マンノースの存在下にてMRHAにより試験した(図7)。図7において、上のグラフはウシ赤血球による2種の抗血清のHAI力価を示し、そして下のパネルは、ヒトA型赤血球による2種の抗血清のHAI力価を示す。結果は、それぞれ2重にして行った少なくとも5回の実験の中央値を示す。他の2種のサブクラスのその他のクラス5線毛を発現する原型のETECとともにプレインキュベートした場合に、どの抗血清も、HAI活性を示さない。dsc19CfaE(His)6でコーティング下ビーズは、ヒトおよびウシ赤血球のMRHAを誘導した。対照的に、精製CfaB(主要サブユニット)でコーティングしたビーズは、ヒト、ウシ、またはニワトリ赤血球のMRHAを誘導しなかった。
【0058】
dsc19CfaE(His)6の赤血球凝集効果の特異性を確認するため、我々は、野生型 CFA/I-ETECに対するウサギポリクローナル抗-dsc19CfaE(His)6血清の赤血球凝集阻害(HAI)力価を決定した(図8)。図8において、各精製タンパク質調製物をグリシンでブロッキングした3-μmポリスチレンビーズに吸着させ、そして磁器製タイルウェル中の3%(vol/vol)の新鮮ヒトA型(列1)、ウシ(列2)、そしてニワトリ赤血球(列3)の懸濁物に対して添加した。MRHAを、氷上で20分間揺らした後に視覚的に決定した。カラム2は、dsc19CfaE(His)6のヒトおよびウシMRHA陽性表現型を示し、そしてカラム3は、CFA/I主要サブユニットdsc19CfaB(His)6の対応する陰性MRHA表現型を示す。CFA/I天然線毛(カラム1)およびCFA/Iペリプラズマシャペロンタンパク質CfaA(His)6(カラム4)は、それぞれ陽性対照および陰性対照として機能した。
【0059】
図8に示される様に、抗-dsc19CfaE(His)6血清は、1:12,288の中央値HAI力価を示し、これは、抗-CFA/I血清の中央値HAI力価よりも6倍高いが、統計的に差異があるわけではなかった。抗-dsc19CfaE(His)6の血清は、CFA/Iと同一のサブクラスの2種のクラス5線毛であるCS4およびCS14を発現するバクテリアに対するCFA/I 抗血清の力価を越えるHAI力価を示した(図8)。これらのどの抗血清も、2種のその他の定義されたクラス5サブグループの線毛を発現するバクテリアに対する検出可能なHAI力価を示さなかった。
【0060】
CFA/I線毛におけるCfaEの電顕的局在
遺伝子操作および生のバクテリアの表面画分研究からの推測に基づいて、CfaEが、CFA/I線毛の遠位先端に位置することが、以前に示唆された(34)しかしながら、これらのアプローチの不正確性が、議論の余地があるCfaE局在化の問題に残された。免疫電子顕微鏡(IEM)における一次抗体として、CfaEに対して生じさせた高力価ポリクローナル抗血清を使用して、周毛性CFA/I線毛の一番外側に局在していることを決定的にサポートする装飾パターンを見いだした。
【0061】
実施例3
構造的に安定なクラス5 付着因子構築物に対する免疫を誘導するための方法
特定のE. coliの線毛の遠位先端に局在する付着因子は、下痢性E. coliバクテリア免疫の誘導のためのもっとも重要な構成成分である。しかしながら、線毛付着因子は、本質的に不安定であり、そして主要サブユニット線毛性構成成分に対してそれらが非共有的結合をしていない場合には分解の対象となる。従って、プロテアーゼ耐性および構造的安定性をもたらす改良は、毒素原性E. coliを含むE. coliに対する抗-接着免疫をもたらすことができる、B細胞活性の最高に効果的な誘導の生成のために重要である。
【0062】
本発明の側面は、実施例2に示すように、安定なポリペプチド構築物の構築である。実施例1において教示する様に、E. coliにより引き起こされる病原性を防御することは、線毛のそして従ってバクテリアの接着を立体的に妨害することによりバクテリアの定着を阻害することにより、付着因子ポリペプチド領域に対する特異的B細胞応答を誘導することにより、媒介することができる。従って、本発明の別の側面は、構造的に安定なポリペプチド構築物を投与することにより、免疫を誘導することである。
【0063】
この構築物は、そのC-末端で主要構造線毛性サブユニット(たとえばCfaB)のポリペプチドに対してそれ自体が機能可能に連結するリンカーに対してC-末端領域で連結した、付着因子ポリペプチドを含む抗原性フラグメントを含む。抗原性フラグメントは、いずれかのE. coli付着因子または付着因子フラグメント、または代わりに付着因子ポリペプチドのポリマーをコードする付着因子ポリペプチド配列からなってもよい。付着因子は、CfaE、CsfD、CsuD、CooD、CosD、CsdD、CsbDおよびCotDからなる群から選択される。
【0064】
下痢性バクテリア抗-付着因子-媒介性定着を誘導するための方法は、以下の工程を含有する:
a. 前記構造的に安定な付着因子ポリペプチド構築物を含有する免疫原を投与することにより、プライミングを行う。免疫原は、経口、経鼻、皮下、経皮、経皮、経皮膚 筋肉内、または直腸から投与することができる。免疫原の単位用量の範囲は、50μg〜1 mgの免疫原である。免疫原は、キャリアタンパク質またはアジュバントを含むかまたは含まないいくつかの溶液中で投与し、またはミクロスフェアなどの粒子中に吸着させる;
b. プライミングの投与に続いて、2〜4回の追加抗原もまた、平衡水溶液中、50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原を用いて投与する。
【0065】
代わりのワクチンアプローチは、実施例2において記載されたDNA構築物を投与するが、宿主バクテリア細胞中に挿入されその中で発現させる。次いで、組換え宿主細胞を宿主細胞に対する免疫だけではなく、発現されたETEC組換え付着因子ポリペプチドに対する免疫も付与するため、全細胞ワクチンとして投与することができる。代表的な宿主細胞には、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio choleraeを含むVibrio属の構成バクテリアが含まれるが、これらには限定されない。
【0066】
全細胞免疫の誘導のための方法は、以下の工程を含有する:
a. Escherchia coli、Shigella spp、Camplylobacter spp、Vibrio sppおよびVibrio choleraeからなる群から選択される、適切な数の全細胞バクテリアを含む初回抗原量を投与し、それにより発現された組換え付着因子ポリペプチドが投与あたり50μg〜1 mgとなるようにする;
b. プライミングの投与に続いて、Escherchia coli、Shigella spp、Camplylobacter spp、Vibrio sppおよびVibrio choleraeからなる群から選択される、全細胞バクテリアの1〜4回の追加抗原を投与し、それにより発現された組換え付着因子ポリペプチドが、投与あたり50μg〜1 mgの範囲となるようにする。あるいは、追加抗原は、平衡水溶液中、50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原であるプロテアーゼ耐性付着因子ペプチド構築物を含有する免疫原であってもよい。
【0067】
この方法を説明するための具体的な例として、実施例2に記載された構築物を使用して、マウスにおいて免疫応答を誘導した。図9は、CfaE、CfaE+mLT、CFA/IまたはCFA/I+mLTの口胃(orogastric)投与または鼻内投与のいずれかにより、ELISAにおいて類似抗原に対するIgGおよびIgA応答が示される。図9において、マウスのグループ(n=6)に対して、線毛(CFA/I)(250μg)、CFA/I(250μg)+mLT(mLT = E. coli耐熱性毒素LTR192G)(10μg)、dscCfaE(250μg)またはdscCfaE(250μg)+mLT mLT=LTR 192G(10μg)のいずれかを、2週間間隔で3回投与した。初回免疫後約42時間後に、血清を回収した。図9に示される様に、CfaEまたは線毛(CFA/I)は、激しいIgG応答およびIgA応答を誘導し、そしてmLTの同時投与により有意に亢進された。興味深いことに、mLTをCfaEまたは線毛(CFA/I)とともに、経鼻内または口胃的に同時投与すると、CFA/Iに対するよりもCfaE対して、より高い全体抗体応答が得られた。
【0068】
図10は、いずれかはmLTとともに、CfaE対CFA/Iの投与により誘導された、CfaEまたはCFA/Iのいずれかに対して特異的な抗体力価を示す。図9に示される様に、マウスのグループ(n=6)に対して、CFA/I(250μg)+mLT(mLT = E. coli耐熱性毒素LTR192G)(10μg)またはdscCfaE(250μg)+mLT mLT=LTR 192G(10μg)のいずれかを、2週間間隔で3回投与した。免疫後、血清抗体力価を、類似抗原を使用してELISAにより測定した。図10(a)および(b)は、CfaE+mLTのいずれかの口胃投与により誘導された抗体力価を示し、図10(c)および(d)は、鼻内投与により誘導された抗体力価を示す。CfaEおよびCFA/I+mLTの口胃投与または鼻内投与のいずれかの後、dscCfaEでの免疫化の結果、より高力価の特異的IgG抗体応答が得られた。これらのデータは、免疫応答を誘導する際に、少なくとも鼻内経路および口胃経路を介して投与する場合に、dscCfaEが効果的であることを示唆している。
【0069】
図10に示される様に、dscCfaEは、高力価の抗体を効果的に誘導することができる。抗体が機能的であるかどうかを確認するため、血清抗体の解析を図11に説明する。図11(a)は、CFA/IまたはCfaEのいずれかの鼻内投与後に得られた血清のHAI力価を示し、そして図11(b) は、口胃投与後に得られた血清のHAI応答を示す。図11に示される様に、CfaEを用いた免疫化により、投与経路に関わらず、CFA/Iの場合よりも非常に頑健な阻害活性が誘導された。機能的活性の上昇は、血清中で示された抗-CfaE抗体の力価と相関している。まとめると、これらのデータはdscCfaE構築物が、高力価の機能的抗体を誘導することができることを示す。
【0070】
実施例4
クラス5線毛付着因子に対する免疫を誘導するための方法
本発明の側面は、バクテリアの病原性を効果的に阻害することができるE. coliに対する免疫応答を誘導するためのE. coli線毛のもっとも重要な構成成分が、付着因子で或ということである(実施例1に示した通りである)。これらの分子は、天然の線毛の遠位先端に局在する。従って、宿主細胞への付着因子の接着を阻害することができる付着因子分子領域に対して特異的なイムノグロブリンを生成することと付随して、免疫、主としてB細胞応答を誘導することが重要である(実施例1における付着因子の阻害を参照)。
【0071】
イムノグロブリン-媒介性免疫は、活性な宿主細胞結合部位でまたはそのそばでの結合により、または付着因子宿主細胞結合部位からは離れたエピトープに結合することにより、立体的妨害により効果を発揮することができる。下痢性バクテリアの抗-付着因子媒介性定着を誘導するための方法は、以下の工程を含有する:
a. 付着因子を含有する全線毛を含む免疫原を投与することによりプライミングを行う。あるいは、付着因子または付着因子ポリペプチドのみを含有する、単離された線毛フラグメントを、無傷線毛の代わりに使用することができる。免疫原は、経口、経鼻、皮下、経皮、経皮、経皮膚 筋肉内、または直腸的に投与することができる。免疫原単位用量の範囲は、50μg〜1 mgの免疫原である。免疫原は、キャリアタンパク質またはアジュバントを含むかまたは含まないいずれかの数の水溶性緩衝化溶液中で投与される;
b. プライミングの投与に引き続いて、2〜4回の追加抗原もまた、平衡水溶液中50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原により、投与される。
【0072】
図9を参照すると、CFA/Iの口胃投与または鼻内投与のいずれか(アジュバントmLTを含むかまたは含まない)により、3回投与計画により、有意な血清IgG応答が誘導された。以前に記載された様に、マウスのグループ(n=6)に対して、CFA/I(250μg)、CFA/I(250μg)+mLT(mLT =LTR192G)(10μg)、dscCfaE(250μg)またはdscCfaE(250μg)+mLT mLT=LTR 192G(10μg)のいずれかを、2週間間隔で3回投与した。図9および図10に示される様に、線毛(すなわちCFA/I)による免疫化による頑健な抗体応答にも関わらず、抗-CFA/I血清は、図10に示される様に、中程度の抗-CfaE活性が含有された。この観察と一致して、図11を参照して、有意なHAI力価もまた、血清抗体を使用して、CFA/I投与後に得られることがわかった。それにもかかわらず、付着因子先端を含有するCFA/Iに対する抗体およびHAI応答は、図10および図11に示される様に、安定なCfaE(dscCfaE)を免疫源として使用する場合に得られたものよりもかなり低かった。
【0073】
実施例5
抗-CS3構築物を使用した抗-ETEC 免疫 の誘導
CS3は、2つの異なるサブユニット、CstHおよびCstGから構成される(Savarino, 未発表)。この結論は、以前に発表された知見、そして結論とは反している(39、40)。野生型ETEC系統M424C1由来の生成CS3(LTST-CS1+CS3-O6:H16)は、SDS-PAGE上で2つの近くに移動するタンパク質バンドに分離され、それぞれは異なるN-末端アミノ酸配列を有する。M424C1 CS3遺伝子クラスターのDNA配列解析の結果、クラスターの3'末端で2つの隣接するオープンリーディングフレーム(ORF)を示し、それがそれぞれのN-末端領域が2種の実験的に誘導されたCS3のN-末端配列と完全にマッチするタンパク質CstHおよびCstGをコードした(Savarino SJ, 未発表データ)。これらの2種のサブユニットは、46%の類似性を共有し、そしてCFA/IのCfaE/CfaB副サブユニットと主要サブユニットはそれぞれ1:1000の推定比率であることと比較して、ほぼ1:1.5の比率で精製線毛中に存在する様である(37)。
【0074】
変異および相補性実験により、我々は、CstHサブユニットおよびCstGサブユニットの両方が、CS3微小繊維の発現に必要であることを見いだした。組換えプラスミドは、CstHおよびCstGのシグナルペプチド-切断型に対するMBPの融合物を発現する様に操作され、そしてそれぞれを使用して、ウサギポリクローナル抗体を生成した。生成IgGおよびFab画分のプレインキュベーションは、ウシ赤血球MRHAを阻害したが、しかしCS3の代わりのin vitro結合表現型である野生型CS3-ETEC(系統WS2010A)による抗-MBPCstGでは阻害されなかった。我々はまた、CstHおよびCstGのインテインキャリアに対する融合物を操作して(41)、そしてこれらのパッセンジャータンパク質をキチン親和性クロマトグラフィー(New England Biolabs, Ipwich, MA)により精製し、そしてインテリン-パッセンジャータンパク質結合部でのカラム内自動切断を行った。精製CstHに対して精製されたがCstGに対しては精製されなかったウサギポリクローナル抗血清は、赤血球凝集阻害(HAI)活性を示し、対応するMBP融合物に対する抗体により観察された結果を確認した(図12を参照)。図12において、PCF039線毛に対する反応性は、陰性対照として含まれた。我々の結果は、CstHは、CS3の実際の結合サブユニットであり、従って抗-接着体液性免疫応答を生成するための正確なワクチン標的として機能することができる、という主張を裏付けるものである。
【0075】
CstHがCS3付着因子であることを示す利用可能な証拠に基づいて、我々は、安定なCstH構築物を作製する試みを行った。上述したように、我々は、インテリンに対するC-末端融合物としてCstHをクローニングした(IMPACT-CNTM発現システム、New England BiolabsTM)。このシステムは、適度な収率をもたらし、そして1 Lフラスコ培養レベルで適度なCstHの純度をもたらした。10 Lファーメンターへのスケールアップの結果、インテリン-CstH融合物生成物の高レベルの発現がもたらされたが、しかしながら、細胞破壊後に不溶性画分に大部分が含まれ、このことのために、中程度スケールまたは大スケールの生成労力のためのシステムとしてはあまり適切ではなくなっている。しかしながら、このシステムを使用するすることにより取得したタグをつけていない成熟型のCstHは、実際にタンパク質特性決定が可能であった。
【0076】
天然のゲル電気泳動およびサイズ排除クロマトグラフィーにより、CstHが、(CstH 4-16mersの形成を示唆する分子量範囲で)順番に非共有的相互作用によりオリゴマーに自己集合化することが示された。高解像度電子顕微鏡により、2つの異なる形態が示された。CstHオリゴマーは、球体粒子または線状粒子のいずれかとして観察され、そしてそれぞれの型は、サイズと配置にいくつかのバリエーションを示した。
【0077】
CstH粒子形成はいくつかの好ましい免疫学的特性をもたらす可能性があるが、そのような調製物の一見したところ不均質性は、それが規定された最終生成物の特性を用いた再現性のある製造方法を開発することに関連するため、潜在的な困難性を引き起こす。従って、安定なCstH 構築物を設計するために、ドナー 鎖相補性を使用した。
【0078】
CS3微小繊維の組み立ては、CS3ペリプラズマシャペロンのPapDスーパーファミリーとの遺伝的関連性に基づいて、古典的シャペロン-アッシャー(CU)経路の構成分子として分類された(42)。興味深いことに、細い微小繊維のまたは線毛性接着オルガネラの組み立てを媒介するシャペロンの特徴的な構造的特性を参照して、それはFGL(F1-G1ロング)サブファミリーに含まれた(43)。CstHのN-末端アミノ酸範囲をYersinia pestis F1夾膜サブユニットとアラインメントすると、アミノ酸16(成熟CstHポリペプチドに関して)を介した交互の疎水性残基の共通モチーフを示す。F1夾膜サブユニット(Caf1)のこの範囲は、ドナー鎖として機能し、Caf1Mシャペロンと相互作用しそして夾構成およびサブユニット調節のあいだF1タンパク質サブユニットに隣接する(44)。
【0079】
対応するCstH部分が同様の様式で機能することができる論理は、CstH構築物と相補的な2つのin-cisドナー鎖を、作製した。完全長CstH配列(SEQ ID No. 19)は、22アミノ酸のシグナル配列を含み、これが通常はペリプラズマに入る際に切断されて、成熟CstH配列(SEQ ID No. 20)が得られる。成熟配列はまた、SEQ ID No. 21に開示される16個のアミノ酸末端β-鎖も含有する。図13は、概略的に構築物のデザインを示す。図13(A)および図12(C)は、成熟CstHアミノ酸配列を示すが、22個のアミノ酸リーダー配列は除去されそしてHis-タグが挿入されている。図13(A)において、[His]10タグが成熟CstHのN-末端に対して挿入される。図13(C)において、[His]6タグが成熟CstHのC-末端に対して挿入される。
【0080】
図13(B)および(D)は、さらなる修飾を示す。図13(B)は、SEQ ID No. 22中に開示される構築物[His]10dsc16CstHを示す。[His]10dsc16CstHは、図13(A)に示される様にN-末端His10を含有するが、成熟CstHのC-末端に融合され、次いでそのC-末端でSEQ ID No. 21において開示されたCstH末端に由来する最初の16アミノ酸から得られた2重にされたドナー鎖に対して融合されている、短いヘアピンリンカーを有する(SEQ ID No 1、2または3)。図12(D) は、概略的に、dsc16CstH[His]6を示し、これはSEQ ID No. 23として開示される。この構築物は、[His]10dsc16CstH中に、C-末端でのHis-タグ、対N-末端でのHis-タグを含有する。in-cisドナー鎖のC-末端とHis-タグの間の2種のアミノ酸は、発現ベクターマルチクローニング部位コード配列から得る。[His]10dsc16CstH構築物は、T7発現プラスミドpET 19中に挿入されたものであり、そしてpET19/[His]10dsc16CstHと呼ばれる。同様に、dsc16CstH[His]6構築物は、pET24中に挿入されたものであり、そしてpET24/dsc16CstH[His]6と呼ばれる。dsc16CstH[His]6構築物は、高い可溶性を示す。
【0081】
電気泳動解析は、発現構築物が、図14に示される様なモノマーの特徴を示すものであることが示された。図14(A)において、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により、明瞭な顕著なバンドが示される。抗-CstHおよび抗-CS3をそれぞれ使用したウェスタンブロット解析(図14(B)および(C))は、明らかに顕著なモノマーのバンドを示す。
【0082】
CS3構築物は、実施例3に記載された方法と類似する方法により用いられることを企図される。従って、dsc16CstH-[His]6またはその他の変異体を使用した免疫の誘導、は、以下の工程を含む方法により行われる:
a. 構造的に安定な付着因子ポリペプチド構築物を含有する、[His]10dsc16CstH またはdsc16CstH-[His]6(すなわち、SEQ ID No. 22またはSEQ ID No. 23)の免疫原または変異体(図13に示される様に)を投与することにより、プライミングを行う。免疫原を、経口、経鼻、皮下、経皮、経皮、経皮膚、筋肉内、または直腸的に投与することができる。免疫原の単位用量の範囲は、50μg〜1 mgの免疫原である。免疫原は、キャリアタンパク質またはアジュバントを含むかまたは含まないいくつかの数の溶液中で投与され、またはマイクロスフェアなどの粒子に吸着される;
b. プライミングの投与に続いて、2〜4回の追加抗原を、平衡水溶液中、50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原とともに投与する。
【0083】
実施例3においてクラス5付着因子構築物について記載した通り、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio choleraeを含むVibrio属の構成バクテリアを含む、宿主バクテリア細胞中で発現されるCstH構築物を、使用することもできる。
【0084】
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【0085】
本発明を記載したが、当業者であれば添附されるクレームにおいて、本発明の多数の修飾および変化が、上述の教示に照らして可能であることを理解するだろう。従って、添付されるクレームの範囲内で、本発明は、具体的に記載された以外にも実施され得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、2種類のin vitro接着モデルにおいて、異なるFab抗体調製物の系統H10407(CFA/I)の接着に対する阻害性効果を示す。
【図2】図2は、定着因子を発現するETEC型系統において、全線毛またはCFA/Iの副線毛性サブユニットのアミノ末端ドメイン(Panel A)、およびCS17のアミノ末端ドメイン(Panel B)に対する、Fab抗体調製物の中央値相補的ウシヘムアグルチニン阻害(HAI)力価(log2スケールにプロットした)を、x軸に示した。結果は、少なくとも4回の実験の中央値を示し、それぞれ2重にして行った。P値は、全線毛と副サブユニット抗体調製物との間でのHAI力価の差異についてのものである。
【図3】図3は、無傷線毛とCFA/Iの副サブユニットのN-末端側半分に対するFab抗体(白棒グラフ)および無傷線毛とCS17の半分に対するFab抗体(黒棒グラフ)の、with ETEC保持ホモログ(CFA/Iのみ、上左パネル)および異種線毛を用いたCaco-2細胞接着アッセイにおける阻害作用を示す。
【図4】図4は、クラス5線毛の主要サブユニットおよび構造性サブユニットにおける、非常に保存されたβ-鎖モチーフを示す。これは、成熟型の主要サブユニットのアミノ末端と、以下に示すコンセンサス配列とのマルチプルアラインメントである。この範囲は、残基5〜19(コンセンサスの下の黄色の矢印により区別される)の範囲の中断されたβ-鎖モチーフを形成することが示される。保存された残基の陰は、以下のクラスを示す:青色、疎水性残基;赤色、負荷電の残基;ターコイズ色、正荷電の残基;および緑色、プロリン。略語:Bcep、Burkholderia cepacia;Styp、Salmonella typhi。U、疎水性残基;x、いずれかの残基;Z、EまたはQ。
【図5】図5は、CfaE構築物のスキーム図である。
【図6】図6は、20 mM MESおよび100 mM NaCl中でのSuperdex 75(16/60)を用いたゲル濾過での、dsc19CfaE(His)6の溶出プロファイルである。
【図7】図7は、抗-CFA/Iおよび抗-dsc19CfaE[His]6抗血清の、CFA/I-ETEC(プロトタイプ系統H10407;LTST、CFAI、O78:H11)および関連するサブクラス5a線毛CS4(系統WS2560B;LTST、CS4+CS6、O25:H-)およびCS14(系統WS3294A;ST、CS14、O78:H18)を発現するETECのマンノース-耐性赤血球凝集(MRHA)に対する、阻害作用を示す。
【図8】図8は、粒子形状における精製dsc19CfaE(His)6が、ヒトA型およびウシ赤血球のマンノース-耐性赤血球凝集(MRHA)を誘導することを示す。
【図9】図9は、dscCfaE+mLTまたはCFA/I+mLTのマウスにおける、orogastric投与または鼻内投与の後の抗体誘導を示す。
【図10】図10は、dscCfaEまたはCFA/Iのいずれかを抗原として使用するELISAによる、抗-CfaEおよび抗-CFA/I ELISA結合活性を示す。
【図11】図11は、dscCfaE+mLTまたはCFA/I+mLTで免疫したマウス由来の血清のHAI活性を示す。
【図12】図12は、天然CS3、精製CstH、CstGおよびPCF039線毛に対して精製された、ウサギポリクローナル抗血清の赤血球凝集阻害を示す。
【図13】図13は、CstH構築物の構成成分の概略図である。パネルAは、そのN-末端で接着されるヒスチジンタグを有するCS3の成熟CstHを示す。パネルBは、成熟CstH構築物のC-末端に短いリンカーポリペプチドを有し、それが次にそのC-末端に接着される複製された16個のアミノ酸CstH N-末端領域を有する、パネルAの構築物を示す。パネルCは、N-末端と比較して、C-末端に挿入された(His)6タグを有する、パネルAの構築物を示す。パネルDは、N-末端での(His)10と比較して、複製されたCstH領域ドナー鎖C-末端により小さな(His)6を有する、パネルBにおけるものと同様の構築物を示す。
【図14】図14は、精製dsc16CstH[His]6のSDS PAGEおよびウェスタンブロット解析を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
a. Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメント、または平衡水溶液中に50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原とともに含まれるEscherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメント、を含む免疫原の初回抗原量を投与する工程;
b. 平衡水溶液中50μg〜1 mgの単位用量範囲の免疫原とともに初回抗原量を投与した後少なくとも1週間後に、最初の用量による追加抗原を投与し、そして免疫応答を引き起こす工程;
を含む、免疫応答を誘導する方法。
【請求項2】
Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメントが、クラス5線毛である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Escherichia coli線毛が、定着因子抗原I、CS4、CS14、CS1、PCF071、CS17、CS19およびCS2からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
毒素原性Escherichia coli線毛または微小繊維の抗原性ペプチドフラグメントが、Escherichia coli付着因子ポリペプチドのモノマーまたはポリマーである、請求項1に記載の方法
【請求項5】
Escherichia coli線毛付着因子が、CfaE、CsfD、CsuD、CooD、CosD、CsdD、CsbDまたはCotDからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
免疫応答が、毒素原性Escherichia coli線毛または微小繊維に対して結合することができるイムノグロブリン分子の誘導である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
免疫応答が、ヒト細胞に対する毒素原性Escherichia coli線毛または微小繊維の接着を阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ヒト細胞が、粘膜上皮細胞である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
免疫応答が、ヒトにおける下痢を減少させまたは予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
免疫原が、皮下、経皮、筋肉内、経口、経皮膚または経鼻で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
Escherichia coli微小繊維の全体または抗原性ペプチドフラグメントが、coliの表面抗原3である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Escherichia coli微小繊維の抗原性ポリペプチドが、CstHポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
Escherichia coli線毛性付着因子の全体または抗原性ペプチドフラグメントをコードするアミノ酸配列を含み、その線毛性付着因子のC-末端でリンカーに結合し、そしてそのリンカーのC-末端でEscherichia coliの主要構造線毛性サブユニットの全体または抗原性ペプチドフラグメントに対して、機能可能に連結している複合体である、免疫原性組成物。
【請求項14】
Escherichia coli線毛性付着因子の全体または抗原性ペプチドフラグメントおよびEscherichia coli主要構造線毛性サブユニットの全体または抗原性ペプチドフラグメントが、クラス5の線毛に由来する、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
Escherichia coli線毛性付着因子の全体または抗原性ペプチドフラグメントが、Escherichia coli線毛からなる群から選択される定着因子抗原I、CS4、CS14、CS1、PCF071、CS17、CS19およびCS2に由来する、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
Escherichia coli線毛性付着因子全体または抗原性ペプチドフラグメントが、付着因子ポリペプチドのモノマーまたはポリマーである、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
Escherichia coli線毛性付着因子の全体または抗原性ペプチドフラグメントが、CfaE、CsfD、CsuD、CooD、CosD、CsdD、CsbDおよびCotDからなる群から選択される、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
リンカーが、SEQ ID No. 1、SEQ ID No. 2またはSEQ ID No. 3またはそれらの機能可能なフラグメントのアミノ酸配列からなる、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメント付着因子が、SEQ ID No. 4のアミノ酸配列からなるCfaEポリペプチドまたはその抗原性フラグメントである、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
Escherichia coliの主要構造線毛性サブユニットの全体または抗原性ペプチドフラグメントが、CfaB、CsfA、CsuA1、CsuA2、CooA、CosA、CsbA、CsdA、およびCotBからなる群から選択される、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
ポリペプチドフラグメントが、SEQ ID No. 7、SEQ ID No. 8、SEQ ID No. 9、SEQ ID No. 10、SEQ ID No. 11、SEQ ID No. 12、SEQ ID No. 13、SEQ ID No. 14およびSEQ ID No. 15からなる群から選択される、請求項20に記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメント主要構造サブユニットが、Escherichia coli線毛性付着因子の全体または抗原性ペプチドフラグメントに対して、化学構造的安定性およびプロテアーゼ耐性をもたらす、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメント主要構造線毛性サブユニットが、SEQ ID No. 5またはSEQ ID No. 6またはその抗原性フラグメントを有するCfaBである、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
以下の工程:
a. 請求項13における様な免疫原性組成物を、50μg〜1 mgの単位用量範囲で投与する工程;
b. この免疫原性組成物を、初回抗原量の後少なくとも1週間後に、平衡水溶液中50μg〜1 mgの単位用量範囲で追加抗原を投与し、そして免疫応答を引き起こす工程;
を含む、免疫応答を誘導する方法。
【請求項25】
免疫応答が、Escherichia coli線毛の全体または抗原性ペプチドフラグメントに対して結合することができるイムノグロブリン分子の生成を誘導する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
免疫応答が、ヒト細胞に対するEscherichia coliの接着を阻害する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ヒト細胞が、粘膜上皮細胞である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
免疫原性組成物が、皮下、経皮、筋肉内、経口、経皮膚または経鼻で投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
免疫応答が、ヒトにおける下痢を減少させまたは予防する、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
免疫応答が、ヒト細胞に対する下痢性バクテリアの接着を阻害する、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
免疫性が、下痢性バクテリアのコロニー形成を減少させる、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
以下の工程:
a. 請求項13における様な免疫原性組成物を含有する宿主バクテリア細胞を含有する免疫原の初回抗原量を投与して、それにより適切な数の宿主バクテリア細胞を投与して、免疫原性組成物の発現された組換え付着因子ポリペプチドが投与あたり50μg〜1 mgとなるようにする工程;および
b. 請求項13に記載される様な免疫原性組成物を含有する宿主バクテリア細胞の追加抗原を、免疫原の初回抗原投与後少なくとも1週間後に、初回追加抗原量により1〜4回投与し、それにより免疫原を投与あたり適切な数の宿主バクテリア細胞で投与し、それにより免疫原性組成物の発現された組換え付着因子ポリペプチドが、投与あたり50μg〜1 mgであり、そして免疫応答を引き起こす工程;
を含む、免疫応答を誘導する方法。
【請求項33】
宿主バクテリア細胞を殺すか、または生きたまま減弱化されたバクテリアとする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
宿主バクテリア細胞が、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio属の構成バクテリアからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
免疫応答が、Escherichia coli線毛に対して結合することができるイムノグロブリン分子の誘導である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
免疫応答が、ヒト細胞に対するEscherichia coli線毛接着を阻害する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
免疫応答が、ヒト細胞に対するEscherichia coliのコロニー形成を阻害する、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
ヒト細胞が、粘膜上皮細胞である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
免疫原が、経口で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
免疫性により、ヒトの下痢が予防される、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
免疫性により、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio属の構成バクテリアからなる群から選択されるバクテリアにより引き起こされるヒトの下痢を予防する、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
Escherichia coli CstHの全体または抗原性ペプチドフラグメントをコードするアミノ酸配列を含み、そのCstHのC-末端でリンカーに結合し、そしてそのリンカーのC-末端でCstHのドナーストランドポリペプチドに対して、機能可能に連結している複合体である、免疫原性組成物。
【請求項43】
CstHが、SEQ ID No. 20またはその抗原性ポリペプチドフラグメントからなる、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
リンカーが、SEQ ID No. 1、SEQ ID No. 2またはSEQ ID No. 3またはそれらの機能可能なフラグメントのアミノ酸配列からなる、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項45】
CstHのポリペプチドを二重にしたドナーストランドポリペプチドが、配列SEQ ID No. 21からなるCstHのN-末端領域である、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
アミノ酸配列を含む複合体が、SEQ ID No. 22である、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項47】
アミノ酸配列を含む複合体が、SEQ ID No. 23である、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項48】
以下の工程:
a. 請求項42におけるような免疫原性組成物を含有する宿主バクテリア細胞を含有する免疫原の初回抗原量を投与して、それにより適切な数の宿主バクテリア細胞を投与して、免疫原性組成物の発現された組換え付着因子ポリペプチドが投与あたり50μg〜1 mgとなるようにする工程;および
b. 請求項42に記載される様な免疫原性組成物を含有する宿主バクテリア細胞の追加抗原を、免疫原の初回抗原量投与後少なくとも1週間後に、初回追加抗原量により1〜4回投与し、それにより免疫原を投与あたり適切な数の宿主バクテリア細胞で投与し、それにより免疫原性組成物の発現された組換え付着因子ポリペプチドが、投与あたり50μg〜1 mgであり、そして免疫応答を引き起こす工程;
を含む、免疫応答を誘導する方法。
【請求項49】
宿主バクテリア細胞を殺すか、または生きたまま減弱化されたバクテリアとする、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
宿主バクテリア細胞が、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio属の構成バクテリアからなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
免疫応答が、Escherichia coli線毛に結合することができるイムノグロブリン分子の誘導である、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
免疫応答は、ヒト細胞に対するEscherichia coli線毛の接着を阻害する、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
免疫応答が、ヒト細胞に対するEscherichia coliのコロニー形成を阻害する、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
ヒト細胞が、粘膜上皮細胞である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
免疫原が、経口で投与される、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
免疫性により、ヒトにおける下痢が予防される。請求項48に記載の方法。
【請求項57】
免疫性により、Escherichia coli、Shigella属の構成バクテリア、Campylobacter属の構成バクテリア、Salmonella属の構成バクテリア、Vibrio属の構成バクテリアからなる群から選択されるバクテリアにより引き起こされる、ヒトにおける下痢が予防される、請求項48に記載の方法。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526967(P2008−526967A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551308(P2007−551308)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/000660
【国際公開番号】WO2006/076285
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(505477408)アメリカ合衆国 (6)
【氏名又は名称原語表記】THE UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】