説明

EUTRAアップリンクのための周波数ホッピング技法

【課題】周波数ホッピング技法を用いて、基地局との通信において周波数ダイバーシティを実施するシステムを提供する。
【解決手段】複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して別の通信ノードと通信するように動作可能な通信ノードであって、通信ノードは、通信チャネルの、それぞれN個の周波数資源を有する複数の連続するサブ帯域への分割を規定するデータと、周波数資源の初期割当てを規定するデータと、周波数ホッピング系列に従って、初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、別の通信ノードと情報を通信するために使用する周波数資源を決定するように動作可能である資源決定モジュールであって、周波数シフトは、サブ帯域の整数に対応する、資源決定モジュールと、決定された周波数資源を用いて、別の通信ノードと情報を通信する通信部と、
を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム内での周波数ホッピングに関する。本発明は特に、限定はしないが、周波数分割多元接続(FDMA)技法を使用する通信システムのデバイス間での周波数ホッピング情報の効率的なシグナリングに関連する。
【0002】
この出願は、2007年2月5日に出願された英国特許出願第0702190.0号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【背景技術】
【0003】
3GPP(第三世代移動通信システムの将来展開を標準規格の観点から検討している共同プロジェクト)において現在検討されているE−UTRA無線インターフェースのためのアップリンク多元接続方式として、送信時間間隔(TTI)間周波数ホッピング及び送信時間間隔内周波数ホッピングを用いる局所FDMA(L−FDMA+FH)が選択されている。E−UTRAシステムでは、効率的且つ迅速にリンクを構成できるようにするために、且つ最大のマルチユーザダイバーシティ利得を達成するために、多数のユーザデバイス(UE)と通信する基地局(eNodeB)が、できる限り多くの人数の間で同時に、全量の時間/周波数資源を割り当てる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような通信システムでは、異なるユーザデバイスにおいて周波数ホッピングを実行する方法、及びユーザデバイスが自らの通信においていずれの資源を使用するかがわかるように、選択された周波数ホッピング方式を各ユーザデバイスに通知する方法を決定する際に問題が生じる。
【0005】
一態様によれば、本発明は、複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して別の通信ノードと通信するように動作可能である通信ノードを提供し、通信ノードは、周波数ホッピング系列に従って、初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、前記別の通信ノードとデータを通信するために使用する周波数資源を決定するように動作可能である資源決定モジュールであって、周波数シフトは、通信チャネルのサブ帯域の整数に対応する、資源決定モジュールを備える。この場合の通信ノードは、移動電話若しくはラップトップコンピュータ等のユーザデバイス、又はセルラ通信ネットワークの基地局とすることができる。
【0006】
1つの例示的な実施形態では、1つのサブ帯域内の各周波数資源は、他の各サブ帯域内に対応する周波数資源を有し、資源決定モジュールは、初期に割り当てられた周波数資源を別のサブ帯域内の対応する周波数資源に動かす周波数シフトを適用するように動作可能である。
【0007】
初期割当てが複数の周波数資源を含む場合には、シフトした資源も同じサブ帯域内に存在するように、これらの資源は同じサブ帯域内で連続していることが好ましい。これは、シフトした資源が連続しておらず、且つ異なるサブ帯域内に存在するときに伝送する場合よりも、通信ノードが効率的に情報を伝送できるようになるため好ましい。
【0008】
1つの例示的な実施形態では、資源決定モジュールは、擬似ランダム周波数ホッピング系列に従って、初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、その周波数シフトは、予め計算することができるか、又はそのシフトが適用されることになる時点において、所定の式を用いて動的に計算することができる。そのような式は、得られた周波数ホッピング系列がランダムに見えるように、擬似ランダム値を用いることが好ましい。
【0009】
1つの例示的な実施形態では、上記の通信ノードが、多数の他の通信ノードと通信する基地局であるとき、そのノードは、上記他の通信ノード毎に周波数資源の初期割当てを規定するデータを保持し、資源決定モジュールは、上記他の通信ノード毎に、初期に割り当てられた周波数資源に共通の周波数シフトを適用して、上記他の各通信ノードと情報を通信するために使用するそれぞれの周波数資源を決定する。
【0010】
本発明の本態様は、また、通信システムであって、通信ノードと、通信チャネルを介して通信ノードと通信するように動作可能である複数のユーザデバイスと含み、通信チャネルは、複数の周波数資源を有し、N個の周波数資源をそれぞれ有する複数の連続するサブ帯域に分割される送信帯域幅を含み、各ユーザデバイスは、通信ノードと通信するために使用する周波数資源のそれぞれの初期割り当てを有し、各ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、周波数シフトは、サブ帯域の整数に対応する、通信システムも提供する。
【0011】
別の異なる態様によれば、セルラ通信システムであって、基地局と、複数のユーザデバイスとを含み、ユーザデバイスはそれぞれ、複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して基地局と通信するように動作可能であり、基地局は、A)各ユーザデバイスに周波数資源のそれぞれの初期割当てを与え、B)少なくとも1つのユーザデバイスに、ユーザデバイスが基地局と通信することができる周期的な通信機会を与えるように動作可能であり、各ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、ユーザデバイスは同じ周波数ホッピング系列を使用し、互いに同期して、任意の時点において、ユーザデバイスによって共通の周波数シフトが適用されるようにし、ユーザデバイスによって用いられる周波数ホッピング系列は周期的であり、上記少なくとも1つのユーザデバイスに与えられる周期的な通信機会の周期よりも長い周期を有する、セルラ通信システムも提供される。このようにして、周期的な通信機会を有する少なくとも1つのユーザデバイスに、或る程度の周波数ダイバーシティが与えられるであろう。
【0012】
1つの例示的な実施形態では、その少なくとも1者のユーザは継続的にスケジュールされるユーザであり、他のユーザデバイスのうちの1つ又は複数は、動的にスケジュールされるユーザである。継続的にスケジュールされるいくつかのユーザデバイスが、異なる通信間隔を与えられる場合、周波数ホッピング系列の周期は、最も長い通信間隔よりも長くなるように設定される。
【0013】
ユーザデバイスによって用いられる周波数ホッピング系列は、上記少なくとも1つのユーザデバイスに与えられる周期的な通信機会の周期の5倍よりも長い周期を有することが好ましく、10倍よりも長い周期を有することがより好ましい。通信チャネルは複数の連続するサブ帯域に分割され、ユーザデバイスによって用いられる周波数ホッピング系列は、上記少なくとも1つのユーザデバイスに与えられる周期的な通信機会の周期にサブ帯域の数を乗算した値よりも長い周期を有する。
【0014】
1つの例示的な実施形態では、各ユーザデバイスは、擬似ランダム周波数ホッピング系列に従って、初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、その周波数シフトは、予め決めておくことができるか、又は所定の式を用いて動的に計算することができる。そのユーザデバイスは、周波数ホッピング系列がランダムに見えるように、擬似ランダム値を含む式を用いて、所与の時点において適用されることになる周波数シフトを動的に計算することが好ましい。各時点において擬似ランダム値を生成するために、シフトレジスタ回路を用いることができる。1つの例示的な実施形態では、そのシフトレジスタ回路はM個のレジスタを有し、長さが2までの擬似ランダム値の系列を生成することができ、ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列の周期に同期して、シフトレジスタを周期的にリセットする。シフトレジスタをリセットするときに、所定の数の取り得る初期化状態のうちの1つにリセットされる度に、シフトレジスタの初期状態を設定することによって、ユーザデバイスは使用されることになる周波数ホッピング系列を制御することが好ましい。これにより、同じシフトレジスタ回路が、多数の異なるホッピング系列を生成できるようになる。そのような例示的な実施形態では、基地局は、各ユーザデバイスによって、任意の所与の時刻においていずれの初期化状態が使用されることになるかを、通知することができる。
【0015】
更なる態様によれば、セルラ通信システムであって、複数の基地局と、複数のユーザデバイスとを含み、使用時に、各ユーザデバイスが1つの基地局に関連付けられ、複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して、関連付けられる基地局と通信するように動作可能であり、各ユーザデバイスは、周波数資源のそれぞれの初期割当てを有し、各ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、同じ基地局に関連付けられるユーザデバイスは、使用時に、同じ周波数ホッピング系列を使用するように動作可能であり、互いに同期して、任意の時点において、同じ基地局に関連付けられるユーザデバイスによって共通の周波数シフトが適用されるようにし、使用時に、異なる基地局に関連付けられるユーザデバイスは、異なる周波数ホッピング系列を使用する、セルラ通信システムが提供される。このようにして、各基地局は、当該基地局に関連付けられるユーザデバイスに与えられる初期資源割当てを制御し、同じ基地局に関連付けられるユーザデバイス間の送信衝突を最小限に抑えることができ、異なる基地局に関連付けられるユーザデバイスにおいて異なる周波数ホッピング系列を用いることによって、セル間衝突も低減することができる。
【0016】
当業者には理解されるように、本発明は、別個に製造し、販売される場合がある、多数の異なるシステム構成要素に関連することは、また、本発明は、これらの構成要素に及ぶだけでなく、システム全体にも及ぶ。
【0017】
当業者には理解されるように、上記の態様を、1つの通信システムの中で個別に実施できるか、又は任意の組み合わせにおいて実施できる。1つの通信システムにおいて上記の態様を全て適用する特定の例示的な実施形態を以下に説明する。
【0018】
本発明のこれらの態様及び種々の他の態様は、一例としてのみ与えられ、添付の図面を参照しながら説明される例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】電話網に接続される2つの基地局のうちの1つと通信する多数のユーザ移動(セルラ)電話を含む通信システムを概略的に示す図である。
【図2】E−UTRA通信システムのサブフレームの構造を示す図である。
【図3】各ユーザ移動電話によって使用されることになる周波数ホッピングを制御するための擬似ランダム2値系列を生成するために用いられるシフトレジスタを示すブロック図である。
【図4】利用可能時間及び周波数資源ブロックのうちの一部が4つの移動電話に割り当てられている方法を示す時間及び周波数プロット図である。
【図5】図1に示される基地局のうちの1つの基地局の主な構成要素を示すブロック図である。
【図6】図1に示される移動電話のうちの1つの移動電話の主な構成要素を示すブロック図である。
【図7】図3と同様のシフトレジスタ構成を示すブロック図である。
【図8】図4と同様に1つのセル内の4つのUE(ユーザデバイス)のためのホッピングパターンを示す時間及び周波数プロット図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概説
図1は、移動(セルラ)通信システム1を概略的に示しており、第1のセル4−1内の移動電話3−0、3−1、及び3−2のユーザが第1の基地局5−1及び電話網7を介して他のユーザ(図示せず)と通信することができ、第2のセル4−2内の移動電話3−3、3−4、及び3−5のユーザが第2の基地局5−2及び電話網7を介して他のユーザ(図示せず)と通信することができる。この例示的な実施形態では、基地局5は、ダウンリンク(基地局5から移動電話3)に対して直交周波数分割多元接続(OFDMA)送信技法を使用し、アップリンク(移動電話3から基地局5)に対してL−FDMA+FH送信技法を使用する。
【0021】
周波数ホッピングは、干渉平均化及び周波数ダイバーシティを通じてサービス品質の改善を提供するため、アップリンクに対して周波数ホッピングを使用することが選択されている。この例示的な実施形態では、好ましくは以下の要件が満たされるように周波数ホッピング方式が選択される。
【0022】
同じセル4内のホッピングする移動電話3間に衝突がないこと、
セル間干渉を低減するために、隣接するセル4内でホッピングパターンが異なること:
後続の送信のためのホッピングパターン全体を通じて、1つの移動電話3のために非常に効果的な周波数ダイバーシティが達成されること:
L−FDMAの単一キャリア特性を保持すること(その場合に、割り当てられた周波数資源は、周波数資源の単一の連続するブロックとして与えられる)、
移動電話3にホッピング系列を通知するためのシグナリングオーバーヘッドを最小限に抑えること、且つ
周波数ホッピングが、たとえば、VoIPのようなサービスを使用している継続的にスケジュールされる移動電話3、及びTTI毎にTTIを原則として動的にスケジュールされる移動電話3によって使用されるように設計されること。
【0023】
時間/周波数資源
この例示的な実施形態では、利用可能な送信帯域が多数のサブ帯域に分割され、各サブ帯域は、連続するブロックに配列される多数の連続するサブキャリアを含む。異なる移動電話3は、そのデータを送信するために、異なる時刻において、1つのサブ帯域内で異なる資源ブロック(サブキャリア)(複数可)を割り当てられる。図2は、それぞれ2つの0.5msスロット13−1及び13−2から成る、1ms送信時間間隔(TTI)11−1、11−2の系列を構成するものとして、送信チャネルに関するE−UTRAの最新の定義を示す。図示されるように、利用可能な送信帯域幅はS個のサブ帯域15−1〜15−sに分割され、各移動電話3は、合意した周波数ホッピング系列に従って、選択されたスロット13及び選択されたサブ帯域15内で、そのアップリンクデータを送信するようにスケジュールされる。
【0024】
2つの異なるタイプ、すなわちTTI間周波数ホッピング及びTTI内周波数ホッピングを適用することができる。TTI内周波数ホッピングは、割り当てられた周波数資源が1つのTTI11から次のTTIに変更されるときに適用され、TTI内周波数ホッピングは、割り当てられた周波数資源が1つのスロット13から次のスロットに変更される場合に適用される。後に説明するこの技法は、TTI間周波数ホッピング及びTTI内周波数ホッピングの双方に適用可能であるが、説明においては、主にTTI間周波数ホッピングが参照される。
【0025】
提案される周波数ホッピング方式
この例示的な実施形態において用いられる周波数ホッピング方式は、各移動電話3が、サブ帯域のうちの1つの中で資源ブロック(1つ又は複数の連続するサブキャリアブロック)の初期割当てを与えられることに基づく。これらの初期割当ては基地局5によって割り当てられるため、セル4内の移動電話3のための初期割当て間に衝突がないことを確実にすることができる。その後、これらの初期割当ては、セル4に割り当てられるホッピング系列に従って変更される。任意の時点において適用される変更は、各サブ帯域内の系列の数の整数倍である。結果として、移動端末3に割り当てられる、周波数ホッピングされる資源も、単一のサブ帯域内で、連続する資源ブロックになる。これは、用いられる資源が連続しておらず、且つ同じサブ帯域内に存在しない場合よりも、移動電話3によって用いられる電力増幅器(図示せず)を効率的にすることができるため有益である。この利点を保持するために、ホッピングする移動電話3のための最大限許容可能な連続する割当ては、1つのサブ帯域内の資源ブロックの数に対応することになる。
【0026】
数学的には、この例示的な実施形態において用いられる周波数ホッピング方式は、以下のように定義することができる。
【0027】
y={x+a(t)N}modNRB 式1
ただし、NRBは送信帯域内の資源ブロックの総数であり、Nは各サブ帯域内の連続する資源ブロックの数であり、xは移動電話に割り当てられる初期資源ブロックであり、yは周波数ホッピングされる資源ブロックであり、tは基地局5と移動電話3との間で同期しているTTI(又はスロット)カウンタであり、a(t)は現在の周波数ホッピングシフトであり、集合{0,1,...,S−1}からの整数値であり、Sはサブ帯域の数である。
【0028】
図3は、各ユーザ移動電話によって使用されることになる周波数ホッピングを制御するための擬似ランダム2値系列を生成するために使用されるシフトレジスタを示す。図3のシフトレジスタについては後に説明する。
【0029】
図4は、4つの移動電話(MT)の場合の、上記のように生成することができるホッピングパターンを示しており、MT1〜MT3はそれぞれ1つの資源ブロックを割り当てられ、一方、MT4は2つの資源ブロックを割り当てられる。この例では、a(t)は、TTI#0、TTI#1、TTI#2、及びTTI#nに対してそれぞれ0、2、S−1、及び1の値を有する。
【0030】
連続する資源ブロックをアップリンクのために割り当てることができると共に、ユーザ装置(移動電話3等)に通知することができる方法は、TSG-RAN R1-070364「Uplink Resource Allocation for EUTRA」(NEC Group, NTT DoCoMo)において既に提案されており、その内容は参照により本明細書に援用される。移動電話3が2つ以上の資源ブロック(x)を割り当てられる場合には、割り当てられる資源ブロック毎に上記の計算が実行されることは当業者には理解されよう。
【0031】
この例示的な実施形態では、NRB、N、及びSは準静的なシステム定数であり、移動電話3及び基地局5の中に予めプログラムされる。いかなる所与の時刻においても、割り当てられる資源ブロックxは同じセル4内の移動電話3毎に異なる。しかしながら、任意の時点におけるa(t)の値は、同じセル4内の全ての移動電話3に対して共通であり、その値は、所定のホッピング系列に従って変更される。そのホッピング系列は、以下の特性を有することが好ましい。
【0032】
1.セル間干渉をランダムにするために、異なるセル4ではホッピング系列も異なるべきである、
2.ホッピング系列を生成しやすくすべきである(基地局5及び移動電話3内の計算負荷を最小限に抑えるため)、
3.ホッピング系列は少数のパラメータによって規定されるべきである(シグナリング負荷を最小限に抑えるため)、且つ
4.ホッピング系列は周期的であり、その周期Tは継続的にスケジュールされるユーザの送信間隔よりもはるかに長くすべきである(そうでない場合には、送信間隔がa(t)の周期に等しいというリスクがあり、その場合には、周波数ダイバーシティがなくなる)。
【0033】
ホッピングする移動電話3の場合に、いくつかのTTIが別に設定される場合には、ホッピングシフトa(t)は、それらのTTIにおいてのみ適用されることになる。動的にスケジュールされる移動電話3はそれでも、ホッピングする移動電話3によって占有されない任意の資源ブロックにおいて、そのような「ホッピングするTTI」の中でスケジュールされ得る。
【0034】
移動電話3及び基地局5においてa(t)を生成する多数の異なる方法がある。1つの実現可能な方法は、擬似ランダム系列を使用し、T個のTTI(又はスロット)毎に系列をリセットすることである。このようにして、多数の系列を容易に生成することができ、系列番号を効率的に通知することができる。たとえば、長さ2047の擬似ランダム2値系列(PRBS)を生成する、図3に示されるシフトレジスタ構成17について考察する。シフトレジスタ17の状態は、TTI(又はスロット)毎に更新される。時刻tにおける11ビットシフトレジスタ値がm(t)によって表される場合には、範囲0〜S−1内の擬似ランダム値を、たとえば、以下のように計算することができる。
【0035】
a(t)=floor[(m(t).S)/2048] 式2
ただし、floor[r]はフロア関数であり、すなわち、r以下の最も大きな整数である。
【0036】
この計算は、乗算及びビットシフトを用いて容易に実行される。T=256TTI(又はスロット)毎にシフトレジスタをリセットすることによって、異なる初期状態を用いて、8つの異なる系列を生成することができる。より具体的には、図3に示されるシフトレジスタ17は、本発明においてs(0)〜s(2046)とラベル付けすることができる2047の状態を一巡する。それらのレジスタが256TTI(又はスロット)毎にリセットされているため、そのレジスタは、その2047の取り得る状態のうちの256の状態しか循環しない。それゆえ、シフトレジスタ17を単に異なる初期状態において開始することによって、同じシフトレジスタ17を用いて、異なるa(t)系列を生成することができる。たとえば、シフトレジスタ17を初期状態s(0)に設定することによって、第1のa(t)系列を規定することができ、シフトレジスタ17を初期状態s(256)に設定することによって、第2のa(t)系列を規定することができ、シフトレジスタ17を初期状態s(512)に設定することによって、第3のa(t)系列を規定することができ、それ以降も同様である。その際、異なるセル4内の基地局5及び移動電話3に、異なる系列を割り当てることができ、それにより、異なるセル4内の2つの移動電話3が全く同じ周波数ホッピングパターンに従うことが起こり得る可能性、ひいては、その100%の時間において衝突するという可能性が避けられる。所与のセル4内の移動電話3は初期状態を通知されることができるが、これは、11ビットのシグナリングオーバーヘッドを必要とする。それゆえ、この例示的な実施形態では、全ての初期状態が移動電話3の中に予めプログラムされ、1つのセル内の移動電話3によって用いられることになる適切な初期状態は、関連する系列識別子(それは、8つの異なる系列を有する上記の例の場合に、3ビット識別子になる)を用いて、移動電話3に通知される。
【0037】
基地局
図5は、この例示的な実施形態において用いられる各基地局5の主な構成要素を示すブロック図である。図示されるように、各基地局5はトランシーバ回路21を備えており、それは、1つ又は複数のアンテナ23を介して、移動電話3に信号を送信すると共に移動電話3から信号を受信するように動作可能であり、さらに、ネットワークインターフェース25を介して、電話網7に信号を送信すると共に電話網7から信号を受信するように動作可能である。トランシーバ回路21の動作は、メモリ29内に格納されるソフトウエアに従って、コントローラ27によって制御される。この例示的な実施形態では、メモリ29内のソフトウエアは、中でも、オペレーティングシステム31、資源割当てモジュール33、及び資源決定モジュール34を含む(それらのモジュールは、オペレーティングシステム31の一部を形成することもある)。
【0038】
資源割当てモジュール33は、基地局5と通信している各移動電話3によって使用されることになる初期資源ブロック(x)を割り当てるために動作可能である。この初期資源割当ては、ユーザデバイスによって送信されることになるデータのタイプ及び量によって決まる。定期的ではあるが、少量のデータしか送信することができないサービスに加入しているユーザの場合、資源割当てモジュール33は、繰返し、又は周期的に、適切な資源ブロックを割り当てる。たとえば、VoIPサービスの場合、この結果として、ユーザは20ms毎に資源ブロックを割り当てられることができる。このタイプの割当ては、継続的割当てと呼ばれる。大量のデータを送信することになるユーザの場合、資源割当てモジュールは、ユーザの移動電話3と基地局5との間の現在のチャネル状態を考慮に入れて、動的に適切な資源ブロックを割り当てる。このタイプの割当てを、動的割当てと呼ぶ。
【0039】
資源決定モジュール34は、各移動電話3が、そのデータを基地局5に送信するために使用することになる実際の周波数資源を決定するために設けられる。資源決定モジュール34は、決定された周波数資源を用いて、トランシーバ回路21の動作を制御して、各移動電話3から受信されるデータを再生し、必要に応じて電話網7に転送することができるようにする。これを達成するために、資源決定モジュール34は、上記のシフトレジスタ17−5及びTTI(又はスロット)カウンタ(t)35を実現し(これらの構成要素は、コントローラ27内にハードウエアとして実装することもできる)、それにより、上記の式1及び式2、ならびに資源割当てモジュール33によって行なわれる初期割当てを用いて、各時点において各移動電話3によって、いずれの資源ブロック(複数可)が実際に用いられることになるかを追跡することができる。この例示的な実施形態では、資源決定モジュール34は、電話網7から系列識別子を受信し、そのシフトレジスタ17−5に適用されることになる初期状態を特定する。資源決定モジュール34は、その系列識別子を用いて、対応する初期状態をメモリから取り出し、その後、それを用いて、シフトレジスタ17−5の初期状態を設定する。また、資源決定モジュール34は、受信した系列識別子を、そのセル4内の全ての移動電話3に通知する。また、資源決定モジュール34は、同期データを送信して、移動電話3内のTTI(又はスロット)カウンタを、自らのTTI(又はスロット)カウンタ35と同期させて、周波数ホッピング系列(a(t))を適用する際に、基地局5及び移動電話3が同期を保持できるようにする。
【0040】
移動電話
図6は、図1に示される各移動電話3の主要構成要素を概略的に示す。図に示されるように、移動電話3は、1つ又は複数のアンテナ73を介して、基地局5と信号を送受信するように動作可能である送受信回路71を備える。図に示されるように、移動電話3はコントローラ75も備える。このコントローラは、移動電話3の動作を制御し、送受信回路71に、さらにはスピーカ77、マイクロフォン79、ディスプレイ81及びキーパッド83に接続される。コントローラ75は、メモリ85に格納されるソフトウエア命令に従って動作する。図に示されるように、これらのソフトウエア命令は、特に、オペレーティングシステム87及び資源決定モジュール89を含む。この例示的な実施形態では、資源決定モジュール89は、上述の11ビットシフトレジスタ17−3及びTTI(又はスロット)カウンタ91を含む。
【0041】
動作時に、資源決定モジュール89は、共通のシグナリングチャネルにおいて、基地局5によって送信される、セル4のための系列識別子を受信する。資源決定モジュール89は、この系列識別子を用いて、シフトレジスタ17−3に適用されることになる対応する初期状態をメモリから取り出す。また、資源決定モジュール89は、そのTTI(又はスロット)カウンタ91を基地局5内の対応するカウンタ35に同期させるための同期データを受信する。この例示的な実施形態では、移動電話3は、最初に基地局5と関係する時刻において、この情報を受信する。また、資源決定モジュール89は、初期に割り当てられた資源を特定する資源割当てデータxと、それらの資源が移動電話3に割り当てられたTTI11及び/又はスロット13とを受信する。継続的にスケジュールされる移動電話3の場合、この資源割当てデータは、割り当てられたTTI又はスロット間の周期を規定することができ、移動電話3はY個のTTI(又はスロット)毎に資源ブロックxを割り当てられるようになる。この場合、割当てが変更されることになるとき、又は割当てが変更されることになる度に、資源割当てデータだけが送信されなければならない。動的にスケジュールされるユーザの場合、それぞれスケジュールされて送信される前に、資源割当てデータが送信されなければならない。
【0042】
資源決定モジュール89がデータを受信し、シフトレジスタ17−3及びカウンタ91ならびに資源割当てデータを初期化すると、資源決定モジュールは、式1及び式2を用いて、スケジュールされたTTI(又はスロット)においてアップリンク送信のために使用する実際の資源ブロック(複数可)を決定する。その後、この情報は、それに応じて、トランシーバ回路71の動作を制御するために用いられる。
【0043】
変更形態及び代替形態
詳細な例示的な実施形態について上述した。本明細書において具現される本発明からの利益を依然として享受しながら、上記の例示的な実施形態に対する多数の変更形態及び代替形態を実施できることは、当業者には理解されよう。例示にすぎないが、ここで、多数のこれらの代替形態及び変更形態を説明する。
【0044】
上記の例示的な実施形態では、式1において用いられることになるa(t)の値を生成するために、式2が用いられた。a(t)の一連の値が常に異なるのを確実にするために、必要に応じて、以下のようにこの計算をわずかに変更することができる。
【0045】
a(t)={a(t−1)+1+floor[(m(t).(S−1))/2]}modS 式3
ただし、a(0)=0であり、Mはシフトレジスタ17のレジスタの数である。
【0046】
別の実現可能な方法は、以下のように、系列0、1、...、S−1を繰返しサンプリングすることによってa(t)を生成することである。
【0047】
a(t)=ktmodS t=0〜T−1
ただし、kは、Sと互いに素である整数である。この場合、kの異なる値は異なる系列を生成する。しかしながら、結果として生成される系列は周期的であり、周期Sを有することになるため、その周期が継続的にスケジュールされるユーザの送信間隔よりもはるかに長いという所望の要件を満たす可能性は低い。
【0048】
上記の例示的な実施形態では、基地局5は、シフトレジスタ17−5に適用されることになる初期状態を特定する系列識別子を電話網7から受信した。初期状態のこの割当ては、そのネットワークの場合に決めておくことができるか、定期的に、又は周期的に変更することができる。変更される場合には、基地局5は、共通のシグナリングチャネルにおいて新たな初期状態(又は状態識別子)をブロードキャストし、それに応じて、移動電話3がそのシフトレジスタ17−3を更新できるようにすることが好ましい。1つの例示的な実施形態では、基地局5は、使用する初期状態をランダムに選択するように構成されることがある。この場合には、2つの隣接するセル4が同じホッピング系列を使用することになる可能性があるが、その系列を定期的に、又は周期的に変更することによって、結果として生じるいかなるセル間干渉も長く続かないようにすることができる。
【0049】
上記の例示的な実施形態では、適切な周波数ホッピング系列を生成する際に、11ビットシフトレジスタが用いられた。代わりに、それよりも長いか、又は短いシフトレジスタを用いることもできることは、当業者には理解されよう。同様に、シフトレジスタから得ることができる異なる系列の数も変更することができ、8である必要はない。所与の長さのシフトレジスタの場合に、それから導出することができる系列の数と、それらの系列の周期(T)との間にトレードオフがあることは、当業者には理解されよう。系列の長さは、継続的にスケジュールされる任意のユーザの送信間隔よりも、少なくとも5倍長いことが好ましく、10倍以上長いことがさらに好ましい。全てのユーザに最大の周波数ダイバーシティを確保するために、系列の長さは、最大送信間隔の長さにサブ帯域の数(S)を乗算した値に対応すべきである。
【0050】
上記の例示的な実施形態では、上記の周波数ホッピング技法が利用される、移動電話に基づく通信システムが説明された。当業者には理解されるように、複数の資源ブロックを使用する任意の通信システムにおいて、これらの周波数ホッピング技法の多くを利用することができる。詳細には、電磁信号又は音響信号のいずれかを用いてデータを搬送する有線又は無線系通信システムにおいて、これらの周波数ホッピング技法の多くを用いることができる。一般的な場合には、基地局及び移動電話は、互いに通信する通信ノードと見なすことができる。上述の周波数ホッピング技法は、アップリンクデータの場合にだけ、又はダウンリンクデータの場合にだけ、又はダウンリンク及びアップリンクの双方のデータの場合に用いられることがある。他の通信ノードは、たとえば、個人情報端末、ラップトップコンピュータ、ウエブブラウザ等のユーザデバイスを含むことがある。
【0051】
上記の例示的な実施形態では、多数のソフトウエアモジュールが説明された。それらのソフトウエアモジュールは、コンパイルされた形で、又はコンパイルされていない形で提供されることがあり、コンピュータネットワーク上又は記録媒体上の信号として、基地局又は移動電話に供給され得ることは、当業者には理解されよう。さらに、これらのソフトウエアの一部又は全てによって実行される機能は、1つ又は複数の専用のハードウエア回路を用いて実行され得る。しかしながら、ソフトウエアであれば基地局5及び移動電話3を更新するのが容易であるため、その機能を更新するためには、ソフトウエアモジュールを使用することが好ましい。
【0052】
上記の例示的な実施形態では、通信チャネル内の資源ブロックの総数、サブ帯域の数、及び各サブ帯域内の資源ブロックの数のような特定のシステム定数が、移動電話及び基地局の中にプログラムされた。この情報は、これらのデバイス上で実行されるソフトウエア命令の中に直にプログラムされ得ることがあるか、又は時間と共に変更することができるソフトウエア入力とすることができる。いずれの場合でも、移動電話及び基地局は、これらのシステム定数を直接的に、又は間接的に規定するデータ(ソフトウエア又は入力)を含む。たとえば、NRB及びSの値からNを如何に導出することができるかを規定するデータと共に、これらの値を直に規定するデータを格納することができる。
【0053】
以下の内容は、現在提案されている3GPP LTE標準規格において本発明を実施することができる方法を詳細に説明するもためある。種々の特徴が、不可欠であるか、又は必要であるものとして説明されるが、これは、たとえば、提案される3GPP LTE標準規格によって課せられる他の要件に起因して、その標準規格の場合にしか当てはまり得ない。それゆえ、ここで述べられることは、多少なりとも本発明を限定するものと解釈されるべきではない。以下の説明は、UTRANのロングタームエボリューション(LTE)において用いられる用語を使用する。たとえば、基地局はeNodeBと呼ばれ、ユーザデバイスはUEと呼ばれる。
【0054】
1.はじめに
TSG−RAN WG1#46bisの検討中に、EUTRAアップリンクのために、TTI間周波数ホッピング及びTTI内周波数ホッピングを用いる局所FDMA(L−FDMA+FH)が用いられることになると決定された。しかしながら、EUTRAアップリンクが対応することができる周波数ホッピングパターンの種類については全く検討されていなかった。
【0055】
この提案において、本発明人は、L−FDMAアップリンクの場合の効率的なホッピングパターンを選択するために用いることができるいくつかの要件をまとめ、アップリンクのために適している周波数ホッピング方式を提案する。
【0056】
2.周波数ホッピングパターンのための要件
周波数ホッピングは、干渉平均化及び周波数ダイバーシティを通じて、サービス品質の改善を提供することがよく知られている。しかしながら、周波数ホッピングは、システム毎に調整される必要がある。以下の要件は、LTEシステムに適用可能である[5−6]。
【0057】
同じセル内でホッピングするUE間に衝突がないこと、
セル間干渉を低減するために、隣接するセル内でホッピングパターンが異なること、
後続の送信のためのホッピングパターン全体を通じて、1つのUEのために非常に効果的な周波数ダイバーシティが達成されること、
L−FDMAのシングルキャリア特性を保持すること、
特定の、又は共通のホッピング系列をUEに通知するためのシグナリングオーバーヘッドが可能な限り小さく抑えられるべきであること、
周波数ホッピングが、継続的にスケジュールされるUE(たとえば、VoIPサービス)、及び高速UEのために意図された小さなサイズのパケットのために設計されるべきであること。
【0058】
3.周波数ホッピング方式
RBを、全帯域幅内の資源ブロック(RB)の総数とする。帯域幅がS個のサブ帯域に分割され、各サブ帯域はN=NRB/S個の連続するRBから成るものとする。
【0059】
1つのUEが1つのRBxを割り当てられる場合には、TTI(又はスロット)番号tにおいて送信するために実際に用いられるRBは以下のようになるものと理解されたい。
【0060】
y=x+a(t)NmodNRB
ただし、tはeNodeBとUEとの間で同期しているTTI(又はスロット)カウンタであり、a(t)は集合{0,1,...,S−1}からの値である。1つのUEが2つ以上のRBを割り当てられる場合には、割り当てられるRB毎に、上記の計算が実行される。割り当てられた全てのRBが連続しており、且つS個のサブ帯域のうちの1つの中に含まれるものとすると、周波数ホッピングシフトa(f)を適用した後であっても、単一キャリア特性が保持される。したがって、ホッピングするUEのための最も長い許容可能な連続する割当てがN個のRBということになる。割り当てられる連続資源割当てのシグナリングは、[7]において既に提案されている。周期的な系列a(t)は、セル内の全てのUEに対して共通であり、以下の特性を有するべきである。
【0061】
5.セル間干渉をランダムにするために、異なるセルでは、当該系列も異なるべきである。
【0062】
6.当該系列を生成しやすくすべきである(eNodeB及びUEの計算負荷を最小限に抑えるため)。
【0063】
7.当該系列は少数のパラメータによって規定されるべきである(シグナリング負荷を最小限に抑えるため)。
【0064】
8.当該系列の周期Tは、継続的にスケジュールされるユーザの送信間隔よりもはるかに長くすべきである(そうでない場合には、送信間隔がa(t)の周期に等しいというリスクがあり、その場合には、周波数ダイバーシティはない)。
【0065】
いくつかのTTIが、ホッピングするUEに対して別に設定される場合には、ホッピングシフトa(t)は、それらのTTIにおいてのみ適用されることになる。動的にスケジュールされるUEはそれでも、ホッピングするUEによって占有されない任意のRBにおいて、そのような「ホッピングするTTI」の中でスケジュールされることができる。
【0066】
1つの実現可能な方法は、擬似ランダム系列を使用してa(t)を生成し、T個のTTI(又はスロット)毎に系列をリセットすることである。このようにして、多数の系列を容易に生成することができ、系列番号を効率的に通知することができる。たとえば、図7に示されており、長さ2047の擬似ランダム2値系列(PRBS)を生成する、シフトレジスタ構成について考察する。
【0067】
シフトレジスタ状態は、TTI(又はスロット)毎に更新される。m(t)が、時刻tにおける11ビットシフトレジスタ値を表すものとする。範囲0〜S−1内の擬似ランダム値を、以下のように求めることができる。
【0068】
a(t)=floor[(m(t).S)/2048]
この計算は、乗算及びビットシフトを用いて容易に実行される。シフトレジスタをT=256TTI(又はスロット)毎にリセットすることによって、異なる初期状態を用いて、8個の異なる系列を生成することができる。シフトレジスタが長いほど、多くの系列を、且つ/又は長い周期Tを生成できることは明らかである。これらの異なる系列も、異なるセルに割り当てることができる。
【0069】
a(t)の一連の値が常に異なるのを確実にするために、必要に応じて、以下のように、この計算をわずかに変更することができる。
【0070】
a(t)={a(t−1)+1+floor[(m(t).(S−1))/2048]}modS
ただし、a(0)=0である。
【0071】
図8は、4つのUEの場合のホッピングパターンを示す。ただし、UE1〜UE3はそれぞれ1RBを割り当てられ、一方、UE4は2RBを割り当てられる。この例では、a(t)は、TTI#0、TTI#1、TTI#2、及びTTI#nに対してそれぞれ0、2、S−1、及び1の値を有する。
【0072】
4.結論
この提案は、L−FDMAアップリンクのための効率的なホッピングパターンを選択するためのいくつかの要件を概説する。さらに、ホッピングするUE間の衝突を回避し、同時に、他のセル間干渉を緩和する、L−FDMAのためのホッピングパターンを生成するための方法が記載されている。
【0073】
それゆえ、本発明では、E−UTRAアップリンクのために採用されることになるような周波数ホッピング方式を提案する。
【0074】
5.参考文献
[1]TSG-RAN WG1#47, R1-063319「Persistent Scheduling in E-UTRA」(NTT DoCoMo, NEC Group)
[2]TSG-RAN WG1 LTE AdHoc, R1-060099「Persistent Scheduling for E-UTRA」(Ericsson)
[3]TSG-RAN WG1#47, R1-063275「Discussion on control signaling for persistent scheduling of VoIP」(Samsung)
[4]TSG-RAN WG1#44, R1-060604「Performance Comparison of Distributed FDMA and Localised FDMA with Frequency Hopping for EUTRA Uplink」(NEC Group)
[5]TSG-RAN WG1#46Bis, R1-062761「Performance of D-FDMA and L-FDMA with Frequency Hopping for EUTRA Uplink」(NEC Group, NTT DoCoMo)
[6]TSG-RAN WG1#46Bis, R1-062851「Frequency hopping for E-UTRA Uplink」(Ericsson)
[7]R1-070364「Uplink Resource Allocation for EUTRA」(NEC Group, NTT DoCoMo)
【0075】
以上、その例示的な実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更することができる。
【0076】
この出願は、2007年2月5日に出願された英国特許出願第0702190.0号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して別の通信ノードと通信するように動作可能な通信ノードであって、該通信ノードは、
前記通信チャネルの、それぞれN個の周波数資源を有する複数の連続するサブ帯域への分割を規定するデータと、
前記周波数資源の初期割当てを規定するデータと、
周波数ホッピング系列に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、前記別の通信ノードと情報を通信するために使用する周波数資源を決定するように動作可能である資源決定モジュールであって、前記周波数シフトは、前記サブ帯域の整数に対応する、資源決定モジュールと、
前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードと情報を通信する通信部と、
を備える、通信ノード。
【請求項2】
1つのサブ帯域内の各周波数資源は、他の各サブ帯域内に対応する周波数資源を有し、前記資源決定モジュールは、前記初期に割り当てられた周波数資源を別のサブ帯域内の対応する周波数資源に動かす周波数シフトを適用するように動作可能である、請求項1に記載の通信ノード。
【請求項3】
前記資源決定モジュールは、Nの整数倍である周波数シフトを適用するように動作可能である、請求項2に記載の通信ノード。
【請求項4】
前記初期割当てを規定する前記データは、同じサブ帯域内の複数の前記周波数資源の初期割当てを規定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項5】
前記資源決定モジュールは、以下の式に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、
y={x+a(t)N}modNRB
ただし、NRBは送信帯域内の周波数資源の総数であり、Nは各サブ帯域内の連続する周波数資源の数であり、xは前記初期に割り当てられた周波数資源であり、yは前記周波数ホッピングされた前記資源であり、tは時間カウンタであり、a(t)は時点tにおいて適用される周波数ホッピングシフトであり、集合{0,1,...,S−1}からの整数であり、Sはサブ帯域の数である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項6】
前記資源決定モジュールは、擬似ランダム周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項7】
前記資源決定モジュールは、所定の式を用いて、所与の時点において適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算するように動作可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項8】
前記資源決定モジュールは、擬似ランダム値を含む式を用いて、所与の時点において適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算するように動作可能である、請求項7に記載の通信ノード。
【請求項9】
各時点において前記擬似ランダム値を生成するシフトレジスタ回路を備える、請求項8に記載の通信ノード。
【請求項10】
前記資源決定モジュールは、以下の式を用いて、所与の時点tにおいて適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算するように動作可能であり、
a(t)=floor[(m(t).(S−1)/2
ただし、a(t)は時点tにおいて適用されることになる前記周波数ホッピングシフトであり、m(t)は時点tにおいて前記シフトレジスタ回路によって生成される前記擬似ランダム値であり、Sはサブ帯域の数であり、Mは前記シフトレジスタ回路内のレジスタの数である、請求項9に記載の通信ノード。
【請求項11】
前記資源決定モジュールは、以下の式を用いて、所与の時点tにおいて適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算するように動作可能であり、
a(t)={a(t−1)+1+floor[(m(t).(S−1))/2]}modS
ただし、a(t)は時点tにおいて適用されることになる前記周波数ホッピングシフトであり、a(t−1)は先行する時点t−1において適用された前記周波数ホッピングシフトであり、m(t)は時点tにおいて前記シフトレジスタ回路によって生成される前記擬似ランダム値であり、Sは前記サブ帯域の数であり、Mは前記シフトレジスタ内のレジスタの数である、請求項9に記載の通信ノード。
【請求項12】
前記通信部は、前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードに情報を送信するように動作可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項13】
前記通信部は、前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードから情報を受信するように動作可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項14】
前記通信ノードは、セルラ電話、個人情報端末、ラップトップコンピュータ、及びウエブブラウザから成る群から選択されることが好ましいユーザデバイスである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項15】
前記通信ノードは基地局である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の通信ノード。
【請求項16】
複数の他の通信ノードと通信するように動作可能である請求項15に記載の基地局であって、
該基地局は、前記他の通信ノード毎に前記周波数資源の初期割当てを規定するデータを含み、
前記資源決定モジュールは、前記他の通信ノード毎に前記初期に割り当てられた周波数資源に共通の周波数シフトを適用し、前記他の各通信ノードと情報を通信するために使用するそれぞれの周波数資源を決定するように動作可能であり、
前記通信部は、前記他の通信ノードのための前記決定された周波数資源を用いて、前記他の通信ノードと情報を通信するように動作可能である、請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
通信システムであって、
通信ノードと、通信チャネルを介して該通信ノードと通信するように動作可能である複数のユーザデバイスと含み、
前記通信チャネルは、複数の周波数資源を有し、N個の周波数資源をそれぞれ有する複数の連続するサブ帯域に分割される送信帯域幅を含み、
各ユーザデバイスは、前記通信ノードと通信するために使用する前記周波数資源のそれぞれの初期割り当てを有し、
各ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、該周波数シフトは、前記サブ帯域の整数に対応する、通信システム。
【請求項18】
通信システムであって、
通信ノードと、通信チャネルを介して該通信ノードと通信するように動作可能である複数のユーザデバイスと含み、
前記通信チャネルは、複数の周波数資源を有し、N個の周波数資源をそれぞれ有する複数の連続するサブ帯域に分割される送信帯域幅を含み、
各ユーザデバイスは、前記通信ノードと通信するために使用する前記周波数資源のそれぞれの初期割り当てを有し、
各ユーザデバイスは、周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用するように動作可能であり、該周波数シフトは、前記サブ帯域の整数に対応し、
1つのサブ帯域内の各周波数資源は、他の各サブ帯域内に対応する周波数資源を有し、前記資源決定モジュールは、前記初期に割り当てられた周波数資源を別のサブ帯域内の対応する周波数資源に動かす周波数シフトを適用するように動作可能である、通信システム。
【請求項19】
前記資源決定モジュールは、Nの整数倍である周波数シフトを適用するように動作可能である、請求項18に記載の通信システム。
【請求項20】
前記ユーザデバイスのうちの1つ又は複数は、セルラ電話、個人情報端末、ラップトップコンピュータ、及びウエブブラウザから成る群から選択されるユーザデバイスであり、且つ/又は前記通信ノードは、
前記通信チャネルの、それぞれN個の周波数資源を有する複数の連続するサブ帯域への分割を規定するデータと、
前記周波数資源の初期割当てを規定するデータと、
周波数ホッピング系列に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、前記別の通信ノードと情報を通信するために使用する周波数資源を決定するように動作可能である資源決定モジュールであって、前記周波数シフトは、前記サブ帯域の整数に対応する、資源決定モジュールと、
前記決定された周波数資源を用いて、別の通信ノードと情報を通信する通信部と、
を備える基地局である、請求項17に記載の通信システム。
【請求項21】
複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して別の通信ノードと通信する通信ノードにおいて実行される方法であって、該方法は、
前記通信チャネルの、N個の周波数資源をそれぞれ有する複数の連続するサブ帯域への分割を規定すること、
前記周波数資源の初期割当てを規定すること、
周波数ホッピング系列に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用することであって、前記別の通信ノードとデータを通信するために使用する周波数資源を決定し、前記周波数シフトは前記サブ帯域の整数に対応する、適用すること、及び
前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードと情報を通信すること、
を含む、方法。
【請求項22】
複数の周波数資源を有する通信チャネルを介して別の通信ノードと通信する通信ノードにおいて実行される方法であって、該方法は、
前記通信チャネルの、N個の周波数資源をそれぞれ有する複数の連続するサブ帯域への分割を規定すること、
前記周波数資源の初期割当てを規定すること、
周波数ホッピング系列に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用することであって、前記別の通信ノードとデータを通信するために使用する周波数資源を決定し、前記周波数シフトは前記サブ帯域の整数に対応する、適用すること、及び
前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードと情報を通信すること、
を含む、方法であり、
1つのサブ帯域内の各周波数資源は、他の各サブ帯域において対応する周波数資源を有し、前記適用するステップは、前記初期に割り当てられた周波数資源を、別のサブ帯域内の対応する周波数資源に動かす周波数シフトを適用する、ことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記適用するステップは、Nの整数倍である周波数シフトを適用する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記初期割当てを規定するステップは、同じサブ帯域内の複数の前記周波数資源の初期割当てを規定する、請求項21〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記適用するステップは、以下の式に従って、前記初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、
y={x+a(t)N}modNRB
ただし、NRBは送信帯域内の周波数資源の総数であり、Nは各サブ帯域内の連続する周波数資源の数であり、xは前記初期に割り当てられた周波数資源であり、yは前記周波数ホッピングされた前記資源であり、tは時間カウンタであり、a(t)は時点tにおいて適用される周波数ホッピングシフトであり、集合{0,1,...,S−1}からの整数値であり、Sはサブ帯域の数である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記適用するステップは、擬似ランダム周波数ホッピング系列に従って、その初期に割り当てられた周波数資源に周波数シフトを適用し、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
所定の式を用いて、所与の時点において適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算することを含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
所与の時点において適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算するステップは、擬似ランダム値を含む式を用いる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
各時点において前記擬似ランダム値を生成するシフトレジスタ回路を用いることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記動的に計算するステップは、以下の式を用いて、所与の時点tにおいて適用されることになる周波数シフトを計算し、
a(t)=floor[(m(t).S)/2
ただし、a(t)は時点tにおいて適用されることになる前記周波数ホッピングシフトであり、m(t)は時点tにおいて前記シフトレジスタ回路によって生成される擬似ランダム値であり、Sはサブ帯域の数であり、Mは前記シフトレジスタ回路内のレジスタの数である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記動的に計算するステップは、以下の式を用いて、所与の時点tにおいて適用されることになる前記周波数シフトを動的に計算し、
a(t)={a(t−1)+1+floor[(m(t).(S−1))/2]}modS
ただし、a(t)は時点tにおいて適用されることになる前記周波数ホッピングシフトであり、a(t−1)は先行する時点t−1において適用された前記周波数ホッピングシフトであり、m(t)は時点tにおいて前記シフトレジスタ回路によって生成される擬似ランダム値であり、Sは前記サブ帯域の数であり、Mは前記シフトレジスタ内のレジスタの数である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記通信ステップは、前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードに情報を送信する、請求項21〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記通信するステップは、前記決定された周波数資源を用いて、前記別の通信ノードから情報を受信する、請求項21〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
セルラ電話、個人情報端末、ラップトップコンピュータ、及びウエブブラウザから成る群から選択されることが好ましいユーザデバイスにおいて実行される、請求項21〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は基地局において実行される、請求項21〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記基地局は複数の他の通信ノードと通信し、
前記他の通信ノード毎に前記周波数資源の初期割当てを規定すること、及び
前記他の通信ノード毎に前記初期に割り当てられた周波数資源に共通の周波数シフトを適用することであって、前記他の各通信ノードと情報を通信するために用いるそれぞれの周波数資源を決定する、適用すること、
をさらに含み、
前記通信するステップは、前記他の通信ノードのための前記決定された周波数資源を用いて前記他の通信ノードと情報を通信する、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124908(P2012−124908A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51(P2012−51)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2009−525851(P2009−525851)の分割
【原出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】