説明

FEDセンサ

【課題】真空チャンバ内の作業により、安全、かつ簡単に真空セルの作製が可能なFEDセンサを提供する。
【解決手段】
カソード基板10と、カソード基板10に対向して設けられ、真空引き穴を有するアノード基板12と、カソード基板10とアノード基板12との間に真空領域24が設けられ、真空領域24を規定するようにカソード基板10とアノード基板12との間に設けられた支持体20と、真空領域24にて、カソード基板10上に設けられた電子放出源部14と、アノード基板12上に電子放出源部14に対向して設けた光電変換膜18と、真空引き穴50に対応して設け、真空引き穴50を封止する低融点金属層48と、低融点金属層48上に設けた加圧受け板46と、低融点金属層48とアノード基板12との間に設け、真空引き穴50と連通する真空引き穴部51を有する緩衝層47と、を備えたFEDセンサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FEDセンサに関し、特に大型FEDセンサの真空封止に適用可能な技術を有するFEDセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の真空外容器(真空セル)の封止方法において、チップ管による真空封止方法では、バーナーによりガラスを溶かすため危険性が大きく、またガラス工作のための特別な技術が必要であった。
【0003】
そこで、低融点金属、例えばインジウム(In)などによる封着方法が考えられ、この方法では、対向する2枚のカソード基板およびアノード基板間の外周部に低融点金属を塗布などで形成し、高加圧することにより、カソード基板とアノード基板間に低融点金属層を真空封着させてFEDセンサを形成することができる。
【0004】
真空セルを作製するには、このように低融点金属層を用いることがリークなどの点から非常に有効であるが、上記のような小型の真空セルの作製技術を、大型の真空セルに応用すると、次のような問題点がある。
【0005】
大型の真空セルを加圧封止する場合は、大きな圧力を広範囲に均等に加圧することが必要である。そのため加圧等が十分でなければ密着不良が発生し、所定の真空度に達することができない、もしくは維持できないというリーク問題がある。
【特許文献1】特開平9−171768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来のチップ管方式に比べて、すべて真空チャンバ内の作業により、溶解温度も低く、安全、かつ簡単に真空セルの作製が可能なFEDセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のFEDセンサは、カソード基板と、前記カソード基板に対向して設けられたアノード基板と、前記カソード基板と前記アノード基板との間には真空領域が設けられ、前記真空領域を規定するように前記カソード基板と前記アノード基板との間に設けられた支持体と、前記カソード基板、前記アノード基板または前記支持体の一つまたは複数の箇所に設けられた真空引き穴と、前記真空領域において、前記カソード基板上に設けられた電子放出源部と、前記真空領域において、前記アノード基板上に、前記電子放出源部に対向して設けられた光電変換膜と、前記真空引き穴が設けられた箇所に対応して設けられ、前記真空引き穴を封止する低融点金属層と、前記低融点金属層上に設けられた加圧受け板と、前記低融点金属層と前記真空引き穴が設けられた箇所との間に設けられ、前記真空引き穴と連通する真空引き穴部を有する緩衝層と、を備えている。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載のFEDセンサでは、前記真空引き穴部の前記緩衝層の厚さが、前記真空引き穴部以外の部分の厚さよりも薄く形成されている。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載のFEDセンサでは、前記真空引き穴部を形成する緩衝層部と、前記真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、別体に形成されている。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載のFEDセンサでは、前記真空引き穴部を形成する緩衝層部と、前記真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、一体に形成されている。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載のFEDセンサでは、カソード基板と、前記カソード基板に対向して設けられたアノード基板と、前記カソード基板と前記アノード基板との間には真空領域が設けられ、前記真空領域を規定するように前記カソード基板と前記アノード基板との間に設けられた支持体と、前記カソード基板、前記アノード基板または前記支持体の一つまたは複数の箇所に設けられた真空引き穴と、前記真空領域において、前記カソード基板上に設けられた電子放出源部と、前記真空領域において、前記アノード基板上に、前記電子放出源部に対向して設けられた光電変換膜と、前記真空引き穴が設けられた箇所に対応して設けられ、前記真空引き穴を封止する低融点金属層と、前記低融点金属層上に設けられた加圧受け板と、前記真空引き穴が設けられた箇所において、前記真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成された前記真空引き穴を形成する部分と、を備えている。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載のFEDセンサでは、前記真空引き穴が設けられた箇所において、前記真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成された前記真空引き穴を形成する部分と、前記低融点金属層と、の間に設けられ、前記真空引き穴と連通する真空引き穴部を有する緩衝層と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載のFEDセンサによれば、従来のチップ管方式に比べて、すべて真空チャンバ内の作業により、溶解温度も低く、安全、かつ簡単に真空セルの作製が可能なFEDセンサを提供することができる。また、低融点金属層と、カソード基板、アノード基板または支持体の一つまたは複数の箇所、例えばアノード基板との間に緩衝層が設けられているので、この緩衝層に低融点金属層と密着性の高い性質を有する材料を用いることにより、真空セルのリーク問題が発生しない、もしくは減少させることができ、歩留まりを向上することができる。また、緩衝層を用いるため、低融点金属層とアノード基板との密着性を考慮せずにアノード基板の材質を選択することができるので、プロセスを簡単にすることができ、さらに、FEDセンサの特性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載のFEDセンサによれば、緩衝層において、真空引き穴部の厚さが、真空引き穴部以外の部分の厚さよりも薄く形成されている。つまり、真空引き穴部以外の部分の厚さが、真空引き穴部の厚さよりも厚く形成されているので、低融点金属層を加圧する場合に、その厚くなっている部分において低融点金属層が緩衝層からはみ出すことを防止することができる。これによって、低融点金属層が、緩衝層と加圧受け板の間に十分収まることができ、緩衝層と低融点金属層との密着性が高まり、リーク問題を解決することができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載のFEDセンサによれば、真空引き穴部を形成する緩衝層部と、真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、別体に形成されている。つまり、緩衝層を形成するに際して、真空引き穴部を有する板状の緩衝層の上に別の緩衝層を設けることができ、これにより、加圧時に低融点金属層が緩衝層からはみ出すことを防止するための部分としての当該別の緩衝層を効率よく形成することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載のFEDセンサによれば、真空引き穴部を形成する緩衝層部と、真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、一体に形成されている。これによって、加圧時に低融点金属層が緩衝層からはみ出すことを確実に防止し、リーク問題を解決することができる。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載のFEDセンサによれば、カソード基板、アノード基板または支持体の一つまたは複数の箇所、例えばアノード基板において、真空引き穴を形成する部分の厚さが、真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成されている。つまり、このアノード基板の真空引き穴以外の部分の厚さが、真空引き穴の部分の厚さよりも厚く形成されているので、低融点金属層を加圧する場合に、その厚くなっている部分において低融点金属層が加圧受け板46からはみ出すことを防止することができる。これによって、低融点金属層が、アノード基板と加圧受け板の間に十分収まることができ、アノード基板と低融点金属層との密着性が高まり、リーク問題を解決することができる。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載のFEDセンサによれば、真空引き穴が設けられた箇所、例えばアノード基板において、真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成された真空引き穴を形成する部分と、低融点金属層と、の間に、真空引き穴と連通する真空引き穴部を有する緩衝層が設けられている。これによって、この緩衝層に低融点金属層と密着性の高い性質を有する材料を用いることにより、真空セルのリーク問題を解決することができ、歩留まりを向上することができる。また、緩衝層を用いるため、低融点金属層とアノード基板との密着性を考慮せずにアノード基板の材質を選択することができるので、プロセスを簡単にすることができ、さらに、FEDセンサの特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して、本発明に従うFEDセンサの実施形態について説明する。以下において、同じブロックまたは要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的ものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0020】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものではない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0021】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサは、図1(c)に示すように、カソード基板10と、カソード基板10上に配置された電子放出源部(図示省略)と、カソード基板10に対向して配置され、真空引き穴50を有するアノード基板12と、アノード基板12上に、電子放出源部に対向して配置される光電変換膜(図示省略)と、電子放出源部および前記光電変換膜を取り囲み、アノード基板12とカソード基板10間に配置された外部支持体20と、真空引き穴50を封止する低融点金属層48と、低融点金属層48とアノード基板12との間に設けられた真空引き穴50と連通する真空引き穴部51を有する緩衝層47と、低融点金属層48上に配置された加圧受け板46とを備える。アノード基板12および緩衝層47と、カソード基板10間とを真空引き穴50および真空引き穴部51を通して、真空チャンバ内で真空引きを行い、FEDセンサの内部真空領域24が保持される。なお、ここでは、一例としてアノード基板12に真空引き穴50を設けているが、これに限らず、真空引き穴50は、アノード基板12、カソード基板10または外部支持体20の一つまたはこれら複数の箇所に設けることができる。以下の実施形態すべてにおいても同様である。
【0022】
電子放出源部は、後述するように、カーボンナノファイバ、グラファイトナノファイバ、スピント型、BSD型、SED型、MIM型のいずれかを備えていてもよい。
【0023】
光電変換膜は、後述するように、a−Se,a−Si,CdTe,CdZnTe,CdSe,HgI,PbI,PbO,TlBr,カルコゲナイド、カルコパイライトのいずれか1種で構成されていてもよい。
【0024】
加圧受け板46は、例えばコパール板で形成され、大きさは、例えば約2cm角以内程度、厚さは、例えば、約0.1mm程度である。
【0025】
低融点金属層48は、例えば、BiSn,InSn,BiInSn,Inのいずれかで構成され、大きさは、約3mm角以内程度、厚さは、例えば約5mm程度である。加圧後の厚さは、例えば、約0.1mm〜0.5mm程度である。
【0026】
緩衝層47は、例えば、無アルカリガラス、アルカリガラスなどの低融点金属層48と密着性のよい材料で構成される。
【0027】
アノード基板12は、例えば、ホウケイ酸ガラスなどの光学特性のよい材料から構成される。
【0028】
真空チャンバ内の真空度は、例えば、約1×10−3(Pa)程度である。
【0029】
ヒータ44の温度は、例えば、約230〜250℃程度である。
【0030】
真空引き穴50および真空引き穴部51の直径は、例えば約1mm程度である。
【0031】
アノード基板12とカソード基板10間の内部真空領域24内のカソード基板10上には、ゲッタリング金属層54を配置して、電磁誘導過熱によってゲッタリング金属層54を溶融して、最終的に内部真空領域24内の真空度を保持させている。
【0032】
Heリークテスタによりリークがないことを確認しており、ゲッタリング金属層54の昇華実験により、内部真空領域24内が真空となっていることを確認している。
【0033】
(製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程を説明する模式的断面構造は、図1および図2に示すように表され、図1(a)は、真空引き穴50上に真空引き穴部51を有する緩衝層47を配置し、緩衝層47上に低融点金属層48および加圧受け板46を配置する工程図を示し、図1(b)は、ヒータ44によって、低融点金属層48、加圧受け板46および緩衝層47を加圧する工程図を示し、図1(c)は、ヒータ44を加圧受け板46から引き離し、低融点金属層48を冷却する工程図を示している。また、図2は、図1(c)の平面図を示しており、加圧受け板46の下に、緩衝層47を配置し(図示省略)、緩衝層47および加圧受け板46によって、真空引き穴50および真空引き穴部51を密閉している図を示している。なお、図2では、緩衝層47および加圧受け板46は矩形状をしているが、これに限らず、円形等でもよく、真空引き穴50および真空引き穴部51が密閉できる形状であればよい。また、真空引き穴50および真空引き穴部51は円形状をしているが、これに限らず、矩形状等の多角形状でもよい。
【0034】
第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法には、真空引き穴50および真空引き穴部51をあける工程を真空セルの組み立て後に行う第1の方法と、真空引き穴50および真空引き穴部51をあける工程後に真空セルを組み立てる第2の方法がある。なお、真空引き穴50および真空引き穴部51は、図1の例では、アノード基板12に開口される例が示されているが、カソード基板10側に開口しても良いことは明らかである。
【0035】
―製造方法1―
第1の実施の形態に係るFEDセンサの第1の製造方法は、アノード基板12、カソード基板10、外部支持体20を組立てて容器を作製した後、アノード基板12若しくはカソード基板10のうち、一方に真空引き穴50および真空引き穴部51をあける工程と、真空引き穴50および真空引き穴部51の部分に低融点金属層48を配置する工程と、低融点金属層48上に加圧受け板46を配置する工程と、真空引き穴50および真空引き穴部51を通して、真空チャンバ内で真空引きを行う工程と、真空チャンバ内でヒータ44を加圧受け板46に押し当て低融点金属層48を溶解しつぶす工程と、ヒータ44を加圧受け板46から離して、低融点金属層48を冷却、固化させる工程とを有する。
【0036】
―製造方法2―
第1の実施の形態に係るFEDセンサの第2の製造方法は、アノード基板12若しくはカソード基板10のうち、一方に真空引き穴50および真空引き穴部51をあける工程と、アノード基板12、カソード基板10、外部支持体20を組立てて容器を作製する工程と、真空引き穴50および真空引き穴部51の部分に低融点金属層48を配置する工程と、低融点金属層48上に加圧受け板46を配置する工程と、真空引き穴50および真空引き穴部51およびを通して、真空チャンバ内で真空引きを行う工程と、真空チャンバ内でヒータ44を加圧受け板46に押し当て低融点金属層48を溶解しつぶす工程と、ヒータ44を加圧受け板46から離して、低融点金属層48を冷却、固化させる工程とを有する。
【0037】
ヒータ44は、低融点金属層48および加圧受け板46よりも大きいサイズを有している方が、熱伝導の効率を高め、加熱時間を短縮できる点で有効である。
【0038】
ヒータ44を加圧受け板46に押し当て低融点金属層48を溶解しつぶす工程において、ヒータ44の温度は、例えば、約150℃以上250℃以下程度である。
【0039】
ヒータ44を加圧受け板46に押し当て低融点金属層48を溶解しつぶす工程において、加圧後の低融点金属層48の厚さは、例えば、約0.1mm〜0.5mm程度である。
【0040】
アノード基板12とカソード基板10間にゲッタリング金属層54を配置し、誘導加熱によってゲッタリング金属層54を溶解させることによって、ゲッタリングを行う工程を有していても良い。
【0041】
(実験結果)
図3は、第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程によって形成したテストサンプルであって、低融点金属層48としてInを使用し、230℃で溶解したInで無アルカリガラスにあけた真空引き穴50を埋めた状態を示す顕微鏡写真である。
【0042】
また、図4は、同じくテストサンプルであって、低融点金属層48としてInを使用し、220℃で溶解したInでホウケイ酸ガラスにあけた真空引き穴50を埋めた状態を示す顕微鏡写真である。
【0043】
図3は、Inの厚さを約0.2mmとし、Inが付着した無アルカリガラスの反対側から見た顕微鏡写真である。5×10−9(mbar/l/s)の真空度においてもリークは確認されなかった。このように、低融点金属層48としてInを用い、緩衝層47として無アルカリガラスを用いた場合、密着性が高く、真空度を高レベルで維持することができる。
【0044】
図4は、Inの厚さを約0.2mmとし、Inが付着したホウケイ酸ガラスの反対側から見た顕微鏡写真である。多少の点状または線状の隙間が観測されるが、この部分が外側とつながらなければ真空を維持することができ、以下に示す第4および第5の実施の形態においては、アノード基板12に枠部または凹部を設けることによって、密着性を高めている。
【0045】
第1の実施の形態に係るFEDセンサの構成について、図5を用いて説明する。なお、第1の実施形態以外のFEDセンサの構成は、ここで示すFEDセンサとして機能する部分の構成は同様なので、説明を省略する。図5に示すように、本実施形態のFEDセンサは、アノード基板12側から照射された光(hν)によって光電変換膜18中において発生される電子―正孔対の内、過剰正孔を電子放出源部14から注入される電子によって再結合電流として検出する動作を行っている。
【0046】
電子放出源部14は、カーボンナノファイバ、グラファイトナノファイバのいずれかを備えている。具体的には、電子放出源部14は、複数のストライプ状に形成されたカソード電極と、複数のストライプ状に形成されたゲート電極の交差部に形成された複数の開口部内に配置されたカーボンナノファイバ電子源或いはグラファイトナノファイバ電子源によって形成される。その他の電子放出源部14の構成としては、スピント型電子源、BSD(Ballistic
electron Surface-emitting Device)型電子源、SED(Surface-conduction
Electron-emitter Display)型電子源、SCE(Surface
Conduction Emitter)型電子源、MIM(Metal Insulator Metal)型電子源を適用することができる。
【0047】
また、光電変換膜18としては、例えば、a−Se,a−Si,CdTe,CdZnTe,CdSe,HgI2,PbI2,PbO,TlBr,カルコゲナイド、カルコパイライトのいずれかを適用することができる。
【0048】
光電変換膜18としては、例えば、カルコパイライト構造をもつ化合物半導体薄膜として、CIGS薄膜(Cu(InX,Ga1-X)Se2(0≦X≦1))を用いることもできる。また、CIGS薄膜としては、Cu(InX,Ga1-X)(SeY, S1-Y) (0≦X≦1,0≦Y≦1)という組成のものも知られており、このような組成をもつCIGS薄膜も利用可能である。
【0049】
カルコパイライト構造の化合物半導体薄膜としては、この他、CuAlS2,CuAlSe2,CuAlTe2,CuGaS2,CuGaSe2, CuGaTe2, CuInS2, CuInSe2, CuInTe2, AgAlS2, AgAlSe2, AgAlTe2, AgGaS2, AgGaSe2, AgGaTe2, AgInS2, AgInSe2, AgInTe2なども適用可能である。
【0050】
カソード基板10およびアノード基板12は、例えば、ガラス基板によって構成される。他に、石英、シリコン(Si)ウェハなどを適用することもできる。また、アノード基板12は、FEDセンサによって検出する光・電磁波の波長を十分透過可能な材質の材料基板によって形成される。
【0051】
なお、図1においては図示を省略しているが、電子放出源部14と光電変換膜18の間には、電子放出源部14から放出される電子を制御するメッシュグリッド16と、メッシュグリッド16をカソード基板10およびアノード基板12間において支持するためのメッシュ支持体が配置されている。第1の実施の形態に係るFEDセンサにおいては、大型FEDセンサにおいて、真空セル内にメッシュグリッド16とそのメッシュ支持体を設置し、メッシュ支持体をアノード基板12とカソード基板10に接触する高さとして、スペーサ兼メッシュ固定部材として使用することもできる。
【0052】
メッシュ支持体は、例えば、メッシュ上部支持体とメッシュ下部支持体から構成され、メッシュグリッド16を周辺部において挟む構成を有する。メッシュ支持体は、例えば、ステンレス、Cu−Ni合金などによって形成可能である。通常、大型化されたFEDセンサにおいては、大気圧Paによって、アノード基板12およびカソード基板10は内側に撓む構造となり易い。ステンレス、Cu−Ni合金などによって形成されたメッシュ支持体は、大気圧によって、内側に撓む構造となり易いアノード基板12およびカソード基板10をフラットに保持する上で、有効な材料となる。
【0053】
第1の実施の形態に係るFEDセンサの動作原理を図5を用いて説明する。図1においては図示を省略しているが、光電変換膜18にはアノード電極1が接続され、アノード電極1には、アノード引き出し電極3が接続されている。アノード引き出し電極3には、アノード端子A(+)が接続される。電子放出源部14のカソード電極(図示省略)には、カソード端子K(−)が接続される。メッシュグリッド16にはグリッド端子G(+)が接続される。カソード基板10とアノード基板12間において、メッシュ支持体によって囲まれる内部真空領域24と、メッシュ支持体と外部支持体20によって囲まれる外部真空領域とは、真空度は同程度であり、例えば、10-4Torr程度の値を有する真空度を有するように、メッシュ支持体の一部分において開口部を備えていてもよい。
【0054】
メッシュグリッド16は、電子放出源部14から光電変換膜18に向けて放出される電子電流を制御するためにメッシュ構造を備える。メッシュグリッド16は、例えば、Ni,Cu−Niなどで形成可能である。
【0055】
第1の実施の形態によれば、従来のチップ管方式に比べて、すべて真空チャンバ内の作業により、溶解温度も低く、安全、かつ簡単に真空セルの作製が可能なFEDセンサを提供することができる。
【0056】
第1の実施の形態に係るFEDセンサによれば、封着する部分はどのような大型セルでも、ごく小さな一部分であるため、大がかりな装置は必要としてない。
【0057】
また、第1の実施の形態に係るFEDセンサによれば、加熱部分は一部分であるため、光電変換膜を構成する、例えば、a−Se膜を実質的に加熱することなく、真空セルを封止することができる。
【0058】
また、第1の実施の形態に係るFEDセンサによれば、加圧部分は一部分であり、かつInは溶解状態で行うので、真空セルを破損するおそれはない。
【0059】
また、第1の実施の形態に係るFEDセンサによれば、低融点金属層とアノード基板との間に緩衝層を設けているので、この緩衝層に低融点金属層と密着性の高い性質を有する材料を用いることにより、真空セルのリーク問題が発生しない、もしくは減少させることができ、歩留まりを向上することができる。また、緩衝層を用いるため、低融点金属層とアノード基板との密着性を考慮せずにアノード基板の材質を選択することができるので、プロセスを簡単にすることができ、さらに、FEDセンサの特性を向上させることができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造について図6に、平面図を図7に示す。図6(a)は、緩衝層47の端部上に枠部49を配置し、緩衝層47上に低融点金属層48を配置し、さらに低融点金属層48上に加圧受け板46を配置する工程図を示し、図6(b)は、ヒータ44によって、低融点金属層48、加圧受け板46および緩衝層47を加圧する工程図を示し、図6(c)は、ヒータ44を加圧受け板46から引き離し、低融点金属層48を冷却する工程図を示し、図6(d)は、図6(c)の緩衝層47付近を拡大した断面図を示している。
【0061】
図7は、図6(c)の平面図を示しており、加圧受け板46の下に、緩衝層47(図示省略)および枠部49(破線で示す)を配置し、緩衝層47および加圧受け板46によって、真空引き穴50および真空引き穴部51を密閉している図を示している。なお、緩衝層47、枠部49および加圧受け板46は矩形状をしているが、これに限らず、円形等でもよく、真空引き穴50および真空引き穴部51が密閉できる形状であればよい。また、真空引き穴50および真空引き穴部51は円形状をしているが、これに限らず、矩形状等の多角形状でもよい。
【0062】
第2の実施の形態に係るFEDセンサにおいては、緩衝層47とは別体に枠部49を設けている。この枠部49によって、図6(b)で示す低融点金属層48をヒータ44で加圧する場合に、低融点金属層48が緩衝層47からはみ出すことなく、加圧受け板46と緩衝層47の間に十分収まることができる。
【0063】
枠部49は、例えば、緩衝層47と同じ材質のものから構成されてもよく、あるいは異なる材質のものでもよく、低融点金属層48と密着性の高い材質から構成されればよい。また、枠部49は、高さは、例えば0.1mm〜0.3mm程度であるが、真空引き穴50および真空引き穴部51、低融点金属層48の厚さ等によって、適宜変更される。また、枠部49は、緩衝層47の端部上に、例えば、接着剤やシールなどで接着して固定する。
【0064】
第2の実施の形態に係るFEDセンサによれば、緩衝層47の端部上に枠部49が設けられているので、低融点金属層48が緩衝層と加圧受け板の間に十分収まることができ、緩衝層と低融点金属との密着性が高まり、リーク問題を解決することができる。
【0065】
各工程および最終構造は、実質的に第1の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0066】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造について図8に示す。なお、図8は、図6(c)に相当する図面であり、図6(a)および(b)に相当する図は実質的には同様なので省略する。また、平面図については、図7と実質的に同様なので省略する。また、図8では、図6(c)における第2の実施形態における緩衝層47の端部上に配置された枠部49が、緩衝層47と一体に形成されており、枠部53として示されている。その他については、第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
第3の実施の形態に係るFEDセンサにおいては、緩衝層47と一体に枠部53を設けている。したがって、第2の実施形態と同様に、この枠部53によって、加圧時に、低融点金属層48が加圧受け板46と緩衝層47の間に十分収まることができ、緩衝層47からはみ出すことを確実に防止することができる。これによって、リーク問題を解決することができる。
【0068】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造について図9に示す。なお、図9は、図6(c)に相当する図面であり、図6(a)および(b)に相当する図は実質的には同様なので省略する。また、平面図については、図7と実質的に同様なので省略する。
【0069】
第4の実施の形態では、第2および第3の実施形態で配置されていた緩衝層47を設けず、アノード基板12に枠部55を設けている。これによって、加圧受け板46を加圧したときに、低融点金属層48が加圧受け板46からはみ出すことを防止することができる。したがって、低融点金属層48が、アノード基板12と加圧受け板46との間に十分収まることができ、アノード基板12と低融点金属層48との密着性が高まり、リーク問題を解決することができる。
【0070】
枠部55は、例えば、アノード基板12と同じ材質のものから構成されてもよく、この場合は、枠部55とアノード基板12とは一体に形成される。また、枠部55は、アノード基板12と異なる材質のものでもよく、低融点金属層48と密着性の高い材質から構成されればよい。この場合、枠部55とアノード基板12とは、例えば、接着剤やシールなどで接着して固定される。また、枠部55は、高さは、例えば0.1mm〜0.3mm程度であるが、真空引き穴50、低融点金属層48の厚さ等によって、適宜変更される。
【0071】
その他の構成等については、実質的に第1の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0072】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造について図10に示す。なお、図10は、図6(c)に相当する図面であり、図6(a)および(b)に相当する図は実質的には同様なので省略する。また、平面図については、図7と実質的に同様なので省略する。
【0073】
第5の実施の形態では、第2および第3の実施形態で配置されていた緩衝層47を設けず、アノード基板12の真空引き穴50部分に凹部57を設けている。これによって、加圧受け板46を加圧したときに、低融点金属層48が凹部57の壁面でせき止められ、加圧受け板46からはみ出すことを防止することができる。したがって、低融点金属層48が、アノード基板12と加圧受け板46との間に十分収まることができ、アノード基板12と低融点金属層48との密着性が高まり、リーク問題を解決することができる。
【0074】
凹部57は、例えば、アノード基板12の真空引き穴50の周囲部分を除去して形成される。また、凹部57は、高さは、例えば0.1mm〜0.3mm程度、大きさは、約3mm角以内程度であるが、真空引き穴50、低融点金属層48の厚さ等によって、適宜変更される。
【0075】
その他の構成等については、実質的に第1の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0076】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造について図11に示す。なお、図11は、図6(c)に相当する図面であり、図6(a)および(b)に相当する図は実質的には同様なので省略する。また、平面図については、図7と実質的に同様なので省略する。
【0077】
第6の実施の形態では、第2および第3の実施形態で配置されていた緩衝層47を設けており、かつ、アノード基板12の真空引き穴50部分に凹部59を設けている。緩衝層47にも真空引き穴部51が設けられている。この緩衝層47に低融点金属層48と密着性の高い性質を有する材料を用いることにより、真空セルのリーク問題が発生しない、もしくは減少させることができ、歩留まりを向上することができる。また、緩衝層47を用いるため、低融点金属層48とアノード基板12との密着性を考慮せずにアノード基板12の材質を選択することができるので、プロセスを簡単にすることができ、さらに、FEDセンサの特性を向上させることができる。
【0078】
また、凹部59を設けているので、緩衝層47および加圧受け板46を加圧したときに、低融点金属層48が凹部59の壁面でせき止められるとともに、加圧受け板46からはみ出すことを防止することができる。したがって、この凹部59によって、低融点金属層48をヒータ44で加圧する場合に、低融点金属層48が加圧受け板46からはみ出すことなく、加圧受け板46と緩衝層47の間に十分収まることができ、リーク問題を解決することができる。
【0079】
凹部59は、例えば、アノード基板12の真空引き穴50の周囲部分を除去して形成される。また、凹部59は、高さは、例えば0.3mm〜0.6mm程度、大きさは、約3mm角以内程度であるが、真空引き穴50および真空引き穴部51の大きさ、低融点金属層48の厚さ等によって、適宜変更される。
【0080】
その他の構成等については、実質的に第1の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0081】
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1〜第6の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0082】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のFEDセンサは、真空管、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field Emission
Display)、フィールドエミッションセンサ(FES::Field Emission
Sensor)、2インチ以上の大型のセンサ、X線センサ、赤外線センサなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図であって、(a)真空引き穴50および真空引き穴部51に低融点金属層48、緩衝層47および加圧受け板46を配置する工程図、(b)ヒータ44によって、低融点金属層48、緩衝層47および加圧受け板46を加圧する工程図、(c)ヒータ44を、加圧受け板46から引き離し、低融点金属層48を冷却する工程図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程を説明する模式的平面パターン構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程によって形成したテストサンプルであって、低融点金属層48としてInを使用し、溶解したInで無アルカリガラスにあけた真空引き穴50を埋めた状態を示す顕微鏡写真。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程によって形成したテストサンプルであって、低融点金属層48としてInを使用し、溶解したInでホウケイ酸ガラスにあけた真空引き穴50を埋めた状態を示す顕微鏡写真。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るFEDセンサの動作原理を説明するための模式的断面構造図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図であって、(a)緩衝層47の端部上に枠部49を配置し、緩衝層47上に低融点金属層48を配置し、さらに低融点金属層48上に加圧受け板46を配置する工程図、(b)ヒータ44によって、低融点金属層48、加圧受け板46および緩衝層47を加圧する工程図、(c)ヒータ44を加圧受け板46から引き離し、低融点金属層48を冷却する工程図、(d)図6(c)の緩衝層47付近を拡大した模式的断面構造図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の一工程を説明する模式的平面パターン構成図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るFEDセンサの製造方法の説明図。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係るFEDセンサの模式的断面構造図。
【符号の説明】
【0085】
1…アノード電極
3…アノード引き出し電極
10…カソード基板
12…アノード基板
14…電子放出源部
16…メッシュグリッド
18…光電変換膜
20…外部支持体
24…内部真空領域
46…加圧受け板
47…緩衝層
48…低融点金属層
49,53,55…枠部
50…真空引き穴
51…真空引き穴部
54…ゲッタリング金属層
57,59…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード基板と、
前記カソード基板に対向して設けられたアノード基板と、
前記カソード基板と前記アノード基板との間には真空領域が設けられ、前記真空領域を規定するように前記カソード基板と前記アノード基板との間に設けられた支持体と、
前記カソード基板、前記アノード基板または前記支持体の一つまたは複数の箇所に設けられた真空引き穴と、
前記真空領域において、前記カソード基板上に設けられた電子放出源部と、
前記真空領域において、前記アノード基板上に、前記電子放出源部に対向して設けられた光電変換膜と、
前記真空引き穴が設けられた箇所に対応して設けられ、前記真空引き穴を封止する低融点金属層と、
前記低融点金属層上に設けられた加圧受け板と、
前記低融点金属層と前記真空引き穴が設けられた箇所との間に設けられ、前記真空引き穴と連通する真空引き穴部を有する緩衝層と、
を備えたFEDセンサ。
【請求項2】
前記真空引き穴部の前記緩衝層の厚さが、前記真空引き穴部以外の部分の厚さよりも薄く形成されている請求項1記載のFEDセンサ。
【請求項3】
前記真空引き穴部を形成する緩衝層部と、前記真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、別体に形成されている請求項2記載のFEDセンサ。
【請求項4】
前記真空引き穴部を形成する緩衝層部と、前記真空引き穴部以外を形成する緩衝層部とが、一体に形成されている請求項2記載のFEDセンサ。
【請求項5】
カソード基板と、
前記カソード基板に対向して設けられたアノード基板と、
前記カソード基板と前記アノード基板との間には真空領域が設けられ、前記真空領域を規定するように前記カソード基板と前記アノード基板との間に設けられた支持体と、
前記カソード基板、前記アノード基板または前記支持体の一つまたは複数の箇所に設けられた真空引き穴と、
前記真空領域において、前記カソード基板上に設けられた電子放出源部と、
前記真空領域において、前記アノード基板上に、前記電子放出源部に対向して設けられた光電変換膜と、
前記真空引き穴が設けられた箇所に対応して設けられ、前記真空引き穴を封止する低融点金属層と、
前記低融点金属層上に設けられた加圧受け板と、
前記真空引き穴が設けられた箇所において、前記真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成された前記真空引き穴を形成する部分と、
を備えたFEDセンサ。
【請求項6】
前記真空引き穴が設けられた箇所において、前記真空引き穴を形成する部分以外の厚さよりも薄く形成された前記真空引き穴を形成する部分と、前記低融点金属層と、の間に設けられ、前記真空引き穴と連通する真空引き穴部を有する緩衝層と、
を備えた請求項5記載のFEDセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−91537(P2010−91537A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264642(P2008−264642)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】