説明

HBV変種の検出および適用

【課題】特定の薬剤に対する感受性の減少を示し、および/または免疫試薬との相互作用が減少したウイルス変種を提供する。
【解決手段】ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対する完全または部分的耐性および/またはウイルス表面成分に対する抗体との相互作用の減少(これらの抗体に対する感受性の減少が含まれる)を示すB型肝炎ウイルス(HBV)変種。さらに、抗ウイルス治療療法のモニタリングならびにウイルス因子(viral agent)、特にHBV変種に指向する新規または改変されたワクチンの開発に有用なこのようなウイルス変種の検出アッセイ。また、ウイルスの感染、複製、および/または放出の阻害が可能な薬剤のスクリーニングおよび/もしくは開発またはデザインのためのウイルス変種の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、一般に、特定の薬剤に対する感受性が減少し、そして/または免疫試薬との相互作用が減少したウイルス変種に関する。より詳細には、本発明は、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対する完全または部分的耐性および/またはウイルス表面成分に対する抗体との相互作用の減少(これらの抗体に対する感受性の減少が含まれる)を示すB型肝炎ウイルス(HBV)変種に関する。本発明は、さらに、抗ウイルス治療療法のモニタリングならびにウイルス因子(viral agent)、特にHBV変種に指向する新規または改変されたワクチンの開発で有用なこのようなウイルス変種の検出アッセイを意図する。本発明はまた、ウイルスの感染、複製、および/または放出の阻害が可能な薬剤のスクリーニングおよび/もしくは開発またはデザインのためのウイルス変種の使用を意図する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
本明細書に関する出願文献の詳細も本説明の最後に集めている。
【0003】
本明細書中の任意の先行技術の参照は、先行技術が任意の国の一般的知識の一部を形成すると認識もいかなる示唆もせず、そう捉えるべきではない。
【0004】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、消耗性疾患を引き起こし、急性肝不全を引き起こし得る。HBVは、RNA中間体を介して複製し、その複製ストラテジーにおいて逆転写を利用するDNAウイルスである(Summers and Mason, Cell 29 : 403-415, 1982)。HBVゲノムは複雑であり、表面、コア、ポリメラーゼ、およびX遺伝子をコードする読取り枠が重複した部分的二本鎖DNA構造を有する。HBVゲノムの複雑さを、図1に示す。ポリメラーゼは、4つの機能領域(末端タンパク質(TP)、スペーサー、逆転写酵素(rt)、およびリボヌクレアーゼ(RNA分解酵素))からなる。
【0005】
HBVのポリメラーゼ遺伝子は、エンベロープ遺伝子と重複し、ポリメラーゼ遺伝子の触媒ドメインの変異は、エンベロープタンパク質のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列にも影響を及ぼし得るが、その逆も同様である。特に、HBsAg内で見出され、アミノ酸99〜169との間に存在する、「a」決定基として公知のHBVの中和ドメインの遺伝子配列は、実際にウイルスポリメラーゼタンパク質の主な触媒領域、特にドメインAおよびBと重複している。
【0006】
HBV DNAポリメラーゼの存在により、ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログが有効な抗ウイルス薬として作用することができると主張されている。現在試験されているヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログの例は、ペンシクロビルおよびその経口剤型(FCV) (Vere Hodge, Antiviral Chem Chemother 4 : 67-84, 1993; Boyd et al., Antiviral Chem Chemother. 32 : 358-363, 1987; Kruger et al., Hepatology 22. 219A, 1994; Main et al., J. Viral Hepatitis 3 : 211-215, 1996)、ラミブジン ((-)-β-2'-デオキシ-3'-チアシチジン);(3TCまたはLMV)(Severini et al.,Antimicrobial Agents Chemother. 39 : 430-435,1995 ; Dienstag et al., New England J Med 333: 1657-1661,1995)である。既に臨床試験に移行している新規のヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログには、ピリミジンエムトリシタビン( (-)-β-L-2'-3'-ジデオキシ-5-フルオロ-3'-トリアシジジン; FTC)、3TCの5-フルオロ誘導体、およびクレブジン (1-(2-フルオロ-5-メチル-β-L-アラビノ-フラノシル)ウラシル;L-FMAU)、チミジンアナログが含まれる。3TCと同様に、これらは、非天然「L」型のピリミジン誘導体である。いくつかのプリン誘導体も臨床試験に進んでおり、これらには、エンテカビル(BMS-200,475 ; ETV)、炭素環式デオキシグアノシンアナログ、ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、ジオキソラングアニンの経口プロドラッグ((-)-β-D-2-アミノプリンジオキソラン;DXG)およびアデフォビルジピボキシル、非環式デオキシアデノシン一リン酸ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログの経口プロドラッグであるアデフォビル(9-[ホスホニル-メトキシエチル]-アデニン;PMEA)が含まれる。前臨床試験および臨床試験における他の薬物には、FLG(メディイル)、ACH-126,443(L-d4C) (Archillion Pharmaceuticals)、ICN 2001-3(ICN)、およびラシビル(RCV)(Pharmassett)が含まれる。
【0007】
これらの薬剤がHBV DNA合成の阻害において有効性が高い一方で、長期抗ウイルス化学療法の間にHBVの耐性変異体が出現する可能性がある。長期LMV療法を受けている患者では、重要な耐性変異は、ポリメラーゼ内のrtドメインの変異(rtM204I/V+/-rtL180M)および他の変異で選択される。ポリメラーゼ変異に使用される用語は、Stuyver et al., 2001,前記によって提案された用語に従う。LMVは、慢性HBV感染への使用が承認されているヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログである。LMVは、特に、HBV複製の強力なインヒビターであり、ウイルスDNA合成の阻害によって同所性肝移植(OLT)後の慢性感染患者の血清のHBV DNA力価を減少させる。LMV単剤療法は、長期間HBV複製を制御することができそうにないようである。これは、単剤療法中のHBVのLMV耐性株の出現がほとんど避けられないと思われるからである。
【0008】
アデフォビルジピボキシル(ADV:以前はbis-pom PMEA)は、非環式デオキシアデノシン一リン酸アナログであるアデフォビル(以前は、PMEA)の経口用プロドラッグである(図2)。ADVはHBV複製の強力なインヒビターでもあり、慢性HBV感染への使用がFDAで最近承認されている。アデフォビルジピボキシルは、ヌクレオチド(ヌクレオシドに対して)アナログであり、そのようなものとして薬物活性化中の最初のリン酸化反応を回避するという点でこのクラスの他の薬剤と異なる。この工程はしばしば律速段階である。アデフォビルジピボキシルは、HBVの野生型およびラミブジン耐性株の両方に対する臨床作用(clinical activity)が証明されており、現在、第III相臨床試験が行われている(Gilson et al.,J Viral Hepat 6 : 387-395, 1999; Perrillo et al., Hepatology 32 : 129-134, 2000; Peters et al., Transplantation 68 : 1912-1914,1999 ; Benhamou et al., Lancet 358 : 718-723, 2001)。第II相研究中に、1日量が30mgのアデフォビルジピボキシルにより、12週間にわたりウイルス血症が平均で4log10減少した(Heathcote et al., Hepatology 28 : A620,1998)。
【0009】
ADVは、置換非環式リン酸ヌクレオシドである。この化合物クラスには、フマル酸テノフォビルジソプロキシル(テノフォビルDF、テノフォビル(TFV) とも呼ばれる)または9-R-(2-ホスホノメトキシプロピル)アデニン(PMPA)(Gilead sciencesからVireadとして市販されている)も含まれる。
【0010】
TFVは、HBVおよびHIVの両方に対して抗ウイルス活性を有する(Ying et al.,J Viral Hepat. 7 (2) : 161-165,2000 ; Ying et al., J. Viral Hepat. 7 (1) : 79-83, 2000; Suo et al., J Biol Chem. 273(42): 27250-27258. 1998)。
【0011】
FTCは、HBVおよびHIVに対して活性を有する(Frick et al., Antimicrob Agents Chemother 37: 2285-2292,1993)。
【0012】
ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ治療薬を、単剤治療薬または2つ以上のヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログを投与することができる併用治療薬として投与することができる。ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログを、インターフェロンまたはB型肝炎免疫グロブリン(HBIG)などの他の抗ウイルス薬と組み合わせて投与することもできる。
【0013】
HBVのヌクレオシド/ヌクレオチドアナログまたは抗体耐性株の出現をモニタリングし、診断プロトコールを開発し、これらの耐性ウイルスを検出し、そして/または抗ウイルス薬として有用になる特性を有する薬剤をスクリーニングし、そして/または開発またはデザインするためにこれらを使用することが必要である。これらの耐性株の欠損形態または由来する抗原成分はまた、治療ワクチン組成物の開発で有用であると提案され、ウイルス表面成分に誘導される抗体である。
【発明の概要】
【0014】
本明細書全体にわたり、文脈で必要とされない限り、用語「comprise」または「comprises」もしくは「comprising」などのバリエーションは、記載の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群を含むが、いかなる他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群も排除することを意味すると理解される。
【0015】
ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、配列認識番号(SEQ ID NO:)によって参照される。配列認識番号は、配列識別子(identifier)の数字に対応する(< 400 > 1 (SEQ ID NO:1)、< 400 > 2 (SEQ ID NO:2)など)。配列識別子のまとめを、表1に示す。配列表を、特許請求の範囲の後に示す。
【0016】
アミノ酸配列の特異的変異を、本明細書中で「Xaa1nXaa2」(式中、Xaa1は変異前の元のアミノ酸残基であり、nは残基数であり、Xaa2は変異アミノ酸である)と示す。略語「Xaa」は、三文字表記または一文字表記(すなわち、「X」)であり得る。「Xaa1nXaa2」の前の「rt」は、「逆転写酵素」を意味する。「s」は、エンベロープ遺伝子を意味する。HBV DNAポリメラーゼのアミノ酸残基に、Tyr Met Asp Asp(YMDD)モチーフ中のメチオニン残基から番号をつけ、残基数は204である(Stuyver et al.,Hepatology 33. 751-757, 2001)。B型肝炎ウイルス表面抗原のアミノ酸残基は、Norder et al. (J. Gen.Virol. 74 : 341-1348, 1993)に対応する数字である。一文字表記および三文字表記を使用して、アミノ酸残基を定義し、これらを表2にまとめる。
【0017】
本発明によれば、HBV変種の選択により、ADVで治療した慢性HBV感染患者(患者A〜L)が同定される。患者Eは、ADVに対する非反応者である。ADVとLMVとの組み合わせ治療、TFVとLMVとの組み合わせ治療(例えば患者M)、TFVとFTCとの組み合わせ治療、またはTFVのみでの治療中にHBVの他の変種が同定され、これは、ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログに対するHBVの感受性を減少させるHBV DNAポリメラーゼ遺伝子が変異している。したがって、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する耐性を示すか感受性の減少を示すHBV rt変種が意図される。表面抗原の対応する変異も起こる。これらのHBV変種の同定は、ADV、LMV、FTC、および/もしくはTFV耐性、ならびに/または他のヌクレオシド、ヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、もしくはその組み合わせに対する耐性をモニタリングし、別の治療薬として有用な薬剤をスクリーニングするためのアッセイの開発に重要である。
【0018】
本明細書中の用語「抗HBV剤」には、ウイルスの複製、維持、感染、アセンブリ、または放出を阻害するか妨害するヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログならびに免疫試薬(例えば、HBV表面成分に対する抗体)、化学薬品、タンパク質薬、および核酸薬が含まれる。
【0019】
このようなHBV変種の検出は、HBV感染のための適切な治療薬の選択を含む治療プロトコールの管理で特に重要である。本発明のこの局面の方法は、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合せの存在下でのHBV負荷の増加を目的とした開発のモニタリングの際に一部予想される。したがって、次いで、臨床医は、既存の治療プロトコールを修正するか、適切な治療プロトコールを選択することができる。
【0020】
したがって、本発明の1つの局面は、DNAポリメラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチドが変異し、それにより前記DNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失し、変種がADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択される一つまたは複数のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに/または抗HBV剤に対する感受性が減少する、単離B型肝炎ウイルス(HBV)変種に関する。変種HBVは、HBV DNAポリメラーゼの一つまたは複数のドメインFおよびGならびにドメインA〜Eによって定義される領域のそのゲノム中の重複読取り枠の変異を含む。
【0021】
本発明の別の局面は、S遺伝子のヌクレオチドが変異し、それにより表面抗原の少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失し、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;および/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択される一つまたは複数のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに/または抗HBV剤に対する感受性が減少する、単離HBV変種を提供する。
【0022】
rt領域の有用な変異体には、1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる。
【0023】
変異rtT38K(DNAポリメラーゼのFドメイン中)、rtR55H(FドメインとAドメインとの間に存在する)、rtS/T78S、rtV80L(Aドメイン内に存在する)、rtN/S118N、rtI122V、rtN123N/I、rtS135Y、rtN/K139K、rtE142V(AドメインとBドメインとの間に存在する)、rtAT181V、rtAT181T(これらはBドメイン中に存在する)、rtI187V(BドメインとCドメインとの間に存在する)、rtA/V200V(Cドメイン中に存在する)、rtV214A、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、rtQ/P/S/Stop215S、rtQ215S、rtE/K218E(CドメインとDドメインとの間に存在する)、rtn236T、rtH237H/P、rtN/H238H、rtN238T、rtN238T/A(これらはDドメイン中に存在する)、rtY245H(DドメインとEドメインとの間に存在する)、ならびにrtV253G(Eドメイン中に存在する)、またはその組み合わせもしくは等価な変異を有する他のHBV変種も意図される。
【0024】
S遺伝子の有用な変異には、1つの態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、ならびにその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる。
【0025】
本発明は、さらに、HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する工程、DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびGドメイン、ならびにA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つADV、LMV、TFV、もしくはFTC; ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、または他の抗HBV剤もしくはその組み合せに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングする工程による、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法を意図する。
【0026】
このような変異の存在は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する耐性の可能性を示す。
【0027】
本発明はまた、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ADVおよびLMVおよびFTC、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、その組み合わせ、または変種HBV由来のHBV表面抗原、その組換え形態、誘導体形態、もしくはその化学的等価物に対する耐性を示す変種HBV、ならびに一つまたは複数の薬学的に許容されるキャリアおよび/もしくは希釈剤を含む組成物を提供する。
【0028】
本発明のさらに別の局面は、B型肝炎ウイルス感染の治療薬および/または予防薬の製造における、上記組成物またはDNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失され、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性が減少したDNAポリメラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチド変異を含む変種HBVの使用を提供する。
【0029】
本発明はまた、HBV由来のDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;およびDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、rt領域中の以下の変異(1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価物が含まれる)、一つまたは複数の他の変異の存在が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;および/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す、工程による、HBV株がヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する感受性が減少するかどうかを決定する方法を意図する。
【0030】
なおさらなる方法は、エンベロープ遺伝子をコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、S遺伝子中の以下の変異(1つの態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、またはその組み合わせもしくは等価物が含まれる)、一つまたは複数の他の変異の存在が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;および/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す、工程を含む。
【0031】
好ましくは、変種は、天然に存在する体液から離れた少なくとも1つの精製工程を受けた単離形態である。または、変種を、単離体液中に維持することができるか、DNA形態であり得る。本発明はまた、変種HBVのゲノムまたはその一部を含む感染性分子クローンを意図する。細胞、細胞溶解物、培養上清液、および体液中のHBVまたはその成分を、任意の従来の手段(任意の核酸ベースの検出手段(例えば、核酸ハイブリッド形成技術または一つまたは複数のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による)が含まれる)によって検出することができる。用語「体液」には、血液、リンパ液、組織または器官系(血清、全血、生検、および生検液が含まれる)、臓器外植片、および肝臓懸濁液などの器官懸濁液などの任意の液体が含まれる。
【0032】
本発明の別の局面は、基準または野生型HBV由来の表面抗原と比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含む変種HBVであって、基準または野生型表面抗原に対して生成された抗体がHBV変種と比較して免疫プロフィールが変化している、変種HBVに関する。1つの変化したプロフィールには、HBVの中和能力の減少が含まれる。より詳細には、変種HBVの表面抗原は、変種HBVがHBV DNAポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤によって選択される前治療HBVと比較して免疫プロフィールが変化している。本発明のこの局面の変種HBVはまた、前治療HBVと比較して一つまたは複数のヌクレオチドが置換、付加、および/または欠失したヌクレオチド配列を含み得る。
【0033】
本発明は、さらに、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたはアナログの組み合わせに曝露した被験体からHBVを単離する工程;前記HBVを表面抗原に対する一つまたは複数の抗体のパネルに接触させる工程;および結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする工程を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法を意図する。
【0034】
関連する発明では、本発明は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに曝露した被験体から血清サンプルを単離する工程;前記血清をHBV表面抗原または抗体結合フラグメントのパネルに接触させる工程;および結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする工程を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法を提供する。
【0035】
本発明は、単離HBsAgまたは変種HBVに対応するその組換え形態、誘導等価物、もしくは化学的等価物に及ぶ。一般に、HBsAgまたはその組換え形態、誘導等価物、もしくは化学的等価物は、基準HBV由来のHBsAgと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を含み、基準HBVに指向する抗体は変種HBsAgを保有するHBVと比較して免疫プロフィールが変化している。1つの態様では、1つの変化した免疫プロフィールには、変種HBVの中和能力の減少を含む。
【0036】
本発明の別の局面は、複製有効量のプラスミドベクター中に含まれるHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物でトランスフェクトする工程;前記細胞を、トランスフェクション前、トランスフェクション中、および/またはトランスフェクション後に試験すべき薬剤と接触させる工程;前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養する工程;および細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程による、HBVに対する阻害活性を示す薬剤の検出方法を意図する。好ましい態様では、バキュロウイルスベクター中のプラスミドベクターおよび方法は、細胞を感染させるのに有効な量のバキュロウイルスゲノム中に含まれるか融合した複製有効量のHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物に感染させる工程;前記細胞を、感染前、感染中、および/または感染後に試験すべき薬剤と接触させる工程;前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養し、その後、細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程を含む。
【0037】
これらの方法に関連して、プラスミドベクターには、バキュロウイルスベクターまたはアデノウイルスベクターなどの他のウイルスベクターの一部または全部をコードする遺伝子が含まれ得る(Ren and Nassal, J. Virol. 75 (3) : 1104-1116, 2001を参照のこと)。
【0038】
別の態様では、本方法は、感染性HBVゲノムが連続細胞株(2.2.15またはAD細胞株などであるが、これらに限定されない)に安定に組み込まれるような複製有効量でHBVゲノムの感染性コピーを含む連続細胞株を作製する工程;前記細胞を試験すべき薬剤と接触させる工程;前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養し、その後、細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程を含む。
【0039】
別の態様では、本発明はまた、インビトロポリメラーゼアッセイでHBVポリメラーゼに対する阻害活性を示す薬剤を検出する方法を意図する。HBVポリメラーゼ活性を、確立されたアッセイを使用して試験することができる(Gaillard et al., Antimicrob Agents Chemother. 46 (4) : 1005-1013,2002 ; Xiong et al., Hepatology. 28(6) : 1669-73,1998)。HBVポリメラーゼは、野生型もしくは基準HBVポリメラーゼまたはHBVポリメラーゼであり得る。
【0040】
ウイルス変種の同定により、ポリメラーゼまたはL、M、Sタンパク質をコードするエンベロープ遺伝子PreS1、PreS2、Sなどの特定の組換えウイルス成分を含むワクチンならびに欠損HBV変種を含む治療ワクチンを産生することができる。合理的薬物デザインを使用して、ポリメラーゼ、L、M、Sタンパク質をコードするエンベロープ遺伝子PreS1、PreS2、S、またはHBVの他の成分を妨害することができる治療分子を同定または生成することもできる。このような薬物はまた、診断薬としての可能性も有し得る。さらに、欠損HBV変種を治療組成物として使用して、同一、類似、または相同なウイルスに対して免疫応答を生じることもできる。または、HBV変種またはその表面成分に対して生成された抗体を、HBV変種または類似もしくは相同なウイルスによる感染に対する被験体の受動免疫化で使用することができる。さらに、HBV成分の活性を下方制御し、且つ複製、維持、感染、アセンブリ、または放出を阻害する能力を有するヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、RNAiもしくはsiRNA分子(DNA由来または合成の両方)、アンチセンスもしくはセンスオリゴヌクレオチド、化学的分子もしくはタンパク性分子などの薬剤が本発明によって意図される。
【0041】
本明細書を通して使用される略語のまとめを表3に示す。
【0042】
本明細書を通して使用される配列識別子のまとめを表1に示す。
【0043】
(表1) 配列識別子のまとめ

【0044】
(表2) アミノ酸の一文字表記および三文字表記

【0045】
(表3) 略語

【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】表面(S)、コア(C)、ポリメラーゼ(P)、およびX遺伝子をコードする重複読取り枠を示す部分的二本鎖DNA HBVゲノムを示す略図である。
【図2】ADVの化学構造の略図である。
【図3A】変種HBVの値の決定のためのコンピュータシステムの略図である。
【図3B】変種HBVの値の決定のためのコンピュータシステムの略図である。
【図3C】変種HBVの値の決定のためのコンピュータシステムの略図である。
【図4】ADV治療中の患者A由来の配列サンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列の比較を示す図である。
【図5】ADV治療中の患者A由来の配列サンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列の比較を示す図である。
【図6】ADV治療中の患者A由来の配列サンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列の比較を示す図である。
【図7】ADVおよびLMV治療中の患者B由来の配列サンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列の比較を示す図である。
【図8】ADVおよびLMV治療中の患者B由来の配列サンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列の比較を示す図である。
【図9】ADVおよびLMV治療中の患者B由来の配列サンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列の比較を示す図である。
【図10】ADV治療中の患者C由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図11】ADV治療中の患者C由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図12】ADV治療中の患者C由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図13】ADV治療中の患者D由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図14】ADV治療中の患者D由来の配列サンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図15】ADV治療中の患者D由来の配列サンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列の比較を示す図である。
【図16】ADV治療中の患者E由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図17】ADV治療中の患者E由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図18】ADV治療中の患者E由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図19】ADV治療中の患者F由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図20】ADV治療中の患者F由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図21】ADV治療中の患者F由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図22】ADV治療中の患者G由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図23】ADV治療中の患者G由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図24】ADV治療中の患者G由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図25】ADV治療中の患者H由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図26】ADV治療中の患者H由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図27】ADV治療中の患者H由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図28】ADV治療中の患者I由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図29】ADV治療中の患者I由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図30】ADV治療中の患者I由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図31】ADV治療中の患者J由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図32】ADV治療中の患者J由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図33】ADV治療中の患者J由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図34】ADV治療中の患者K由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図35】ADV治療中の患者K由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図36】ADV治療中の患者K由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図37】ADV治療中の患者L由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図38】ADV治療中の患者L由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図39】ADV治療中の患者L由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図40】TFV治療中の患者M由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図41】TFV治療中の患者M由来のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図42】TFV治療中の患者M由来のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図43】TFV治療中の患者M由来の別のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域をコードするHBVヌクレオチド配列を示す図である。
【図44】TFV治療中の患者M由来の別のサンプル中のポリメラーゼ遺伝子の触媒領域の推定アミノ酸配列を示す図である。
【図45】TFV治療中の患者M由来の別のサンプル中のエンベロープ遺伝子の推定アミノ酸配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、ADVもしくはLMV、より詳細にはADVおよびLMVもしくはTFVおよびLMV、または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、またはTFVもしくはFTCなどの他の抗HBV剤での患者の治療後のHBVのヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ耐性変種の同定および単離を一部前提とする。特に、ADVまたはADVおよびLMV治療患者は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する感受性が減少または軽減したHBVの変種を生じる。ADVおよび/またはLMVおよび/またはFTCおよび/またはTFVに対する感受性に関する本明細書中で使用される用語「減少する」または「軽減する」には、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する完全および実質的耐性ならびに部分的耐性が含まれ、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤の存在下で野生型を超える複製率または複製効率が含まれる。1つの局面では、治療中のウイルス負荷の増加によってこれを測定することが都合がよく、または、治療中の前治療HBV DNAレベル由来のHBV DNAウイルス負荷は実質的に減少しない(治療に対する非応答)。
【0048】
したがって、本発明の1つの局面は、DNAポリメラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチドが変異し、それにより前記DNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失し、変種がADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択される一つまたは複数のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに/または抗HBV剤に対する感受性が減少する、単離B型肝炎ウイルス(HBV)変種を意図する。
【0049】
本発明の別の局面は、HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つ一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、このような変異の存在が、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性の可能性を示す、工程を含む、ADV、LMV、TFV、およびFTCから選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、その組み合わせ、または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法を提供する。
【0050】
本発明を詳細に説明する前に、他で示さない限り、本発明は成分の特定の処方物、製造方法、または投薬計画などに制限されず、変更することができると理解すべきである。本明細書中で使用される専門用語は特定の態様のみを説明することを目的とし、制限することを意図しないとも理解すべきである。
【0051】
本明細書中で使用される、文脈で明確に記載されていない限り、単数形「a」、「an」、および「the」には複数の局面が含まれることに留意すべきである。したがって、例えば、用語「ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ」には、1つのアナログならびに2つまたはそれ以上のアナログが含まれ、用語「HBV変種」には、2つまたはそれ以上のHBV変種などが含まれる。
【0052】
本発明の説明および特許請求の範囲への記載において、上記定義に従って以下の専門用語を使用する。
【0053】
用語「アナログ」、「化合物」、「活性成分」、「薬理学的活性成分」、「医薬品(medicament)」、「活性物(active)」、および「薬物」を、ウイルスの複製、感染、維持、アセンブリ、および/またはHBV DNAポリメラーゼなどの酵素の機能の阻害などの所望の効果を含む化合物を言うために本明細書中で交換可能に使用する。これらの用語はまた、本明細書中に具体的に記載の活性成分の薬学的に許容されるおよび薬理学的に活性な成分(塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、およびアナログなどが含まれるが、これらに限定されない)を含む。用語「アナログ」、「化合物」、「活性成分」、「薬理学的活性成分」、「医薬品(medicament)」、「活性物」、および「薬物」を使用する場合、これには、活性成分自体ならびに薬学的に許容されるおよび薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物、アナログなどが含まれると理解すべきである。
【0054】
したがって、本発明は、HBVの複製、感染、維持、アセンブリ、および/またはHBV DNAポリメラーゼなどの酵素の機能の阻害に有用な化合物を意図する。ADV、LMV、FTC、および/またははTFVなどの用語「アナログ」、「化合物」、「活性成分」、「薬理学的活性成分」、「医薬品(medicament)」、「活性物」、および「薬物」には、ADVおよびLMV、TFVまたはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVなどの2つまたは複数のが含まれる。「組み合わせ」には、薬剤が個別に供給されて投与されるか、個別に投薬するか、投薬前に混合する2成分またはそれ以上の(多成分など)抗HBV治療組成物も含まれる。
【0055】
本明細書中で使用される用語、薬剤の「有効量」および「治療有効量」は、HBVの複製、感染、維持、アセンブリ、および/またはHBV DNAポリメラーゼなどの酵素の機能を阻害する所望の治療効果または生理学的効果を得るのに十分な薬剤の量を意味する。さらに、薬剤の「HBV阻害有効量」または「症状改善有効量」は、複製、感染、維持、アセンブリ、および/またはHBV DNAポリメラーゼなどの酵素の機能を直接または間接的に阻害するのに十分な薬剤の量である。時折望ましくない効果(例えば、副作用)が所望の治療効果と共に出現するので、実施者は、適切な「有効量」の決定において潜在的なリスクに対する潜在的な利益のバランスをとる。正確な必要量は、被験体の種、年齢、および全体的な健康状態、ならびに投与様式に依存して被験体毎に変化する。したがって、正確な「有効量」を特定することは不可能である。しかし、当業者は、日常的な実験のみの使用によって、個別に適切な「有効量」を決定することができる。
【0056】
「薬学的に許容される」キャリア、賦形剤、または希釈剤は、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではない物質(すなわち、この物質を、任意のまたは実質的な有害反応を引き起こすことなく選択された活性成分と共に被験体に投与することができる)から構成される溶剤を意味する。キャリアには、賦形剤ならびに他の添加剤(希釈剤、界面活性剤、着色料、湿潤剤または乳化剤、pH調整剤、および防腐剤など)が含まれ得る。
【0057】
同様に、本明細書中で提供される化合物の「薬理学的に許容される」塩、エステル、エミド(emide)、プロドラッグ、または誘導体は、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではない塩、エステル、アミド、プロドラッグ、または誘導体である。
【0058】
本明細書中で使用される、用語「治療(treating)」および「治療(treatment)」は、症状の重症度および/または頻度の軽減、症状および/または根本にある原因の消失、症状および/または根本にある原因の発現の防止、ならびにHBV感染に関する損傷の改善もしくは治癒をいう。したがって、例えば、患者の「治療」は、HBV感染の防止ならびにHBVの複製、感染、維持、アセンブリ、および/またはHBV DNAポリメラーゼなどの酵素の機能の阻害によるHBVの臨床症状のある個体の治療を含む。したがって、例えば、HBV感染患者またはHBV感染症を発症する傾向のある患者の治療方法は、HBV感染の防止およびHBV感染またはその症状の治療の両方を含む。任意の事象において、本発明は、HBV感染の治療または予防を意図する。
【0059】
本明細書中で使用される、「患者」は、本発明の処方物および方法から恩典を得ることができる動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは霊長類(下等霊長類が含まれる)、さらにより好ましくはヒトをいう。ヒトまたは非ヒト動物に関係なく、患者を、個体、被験体、動物、宿主、またはレシピエントということができる。本発明の化合物および方法は、ヒト用薬物、動物用薬物、および一般に家畜または野性動物の酪農で適用される。便宜上、「動物」には、家禽類などの鳥類(アヒル、ニワトリ、シチメンチョウ、およびガチョウが含まれる)、ペットの鳥(aviary bird)、または狩猟鳥が含まれる。非ヒト動物における病態は天然に存在するHBV感染でないかもしれないが、HBV様感染を誘導し得る。
【0060】
上記のように、好ましい動物は、ヒト、非ヒト霊長類(マーモセット、ヒヒ、オランウータン、ツピア(tupia)などの下等霊長類など)、家畜、実験動物、ペット、または捉えられた野生動物である。ヒトが最も好ましい標的である。しかし、非ヒト動物モデルを使用することができる。
【0061】
実験動物の例には、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、およびハムスターが含まれる。ウサギならびにラットおよびマウスなどのげっ歯類は、霊長類および下等霊長類と同様の都合の良い試験系または動物モデルを得ることができる。家畜には、ヒツジ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、およびロバが含まれる。家禽類、ゼブラフィッシュ、両生類(オオヒキガエルが含まれる)、およびキイロショウジョウバエなどのショウジョウバエ属などの非哺乳動物も意図される。生きた動物モデルの代わりに、試験系は、組織培養系も含み得る。
【0062】
「抗HBV剤」には、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、タンパク質、化合物、RNAもしくはDNA、またはRNAiもしくはsiRNAオリゴヌクレオチド(DNA由来または合成のいずれか)が含まれる。
【0063】
好ましくは、感受性の減少は、ADVに関する。または、感受性の減少は、LMVに関する。または、感受性の減少は、TFVに関する。または、感受性の減少は、FTCに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびLMVに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびTFVに関する。または、感受性の減少は、LMVおよびTFVに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびFTCに関する。または、感受性の減少は、FTCおよびTFVに関する。または、感受性の減少は、FTCおよびLMVに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびLMVおよびTFVに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびTFVおよびFTCに関する。または、感受性の減少は、LMVおよびTFVおよびFTCに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびLMVおよびFTCに関する。または、感受性の減少は、ADVおよびFTCおよびTFVおよびLMVに関する。
【0064】
本明細書中の用語「抗HBV剤」には、ウイルスの複製、維持、感染、アセンブリ、または放出を阻害するか妨害するヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログならびに免疫試薬(例えば、HBV表面成分に対する抗体)、化学物質、タンパク質薬、および核酸薬が含まれる。本明細書中の用語「核酸」には、センスもしくはアンチセンス分子、RNAもしくはDNA、オリゴヌクレオチド、RNAiおよびsiRNA分子、ならびにこれらを含む複合体が含まれる。
【0065】
DNAポリメラーゼをコードする遺伝子の変異に加えて、HBVゲノムの性質の重複により(図1)、表面抗原(HBsAg)をコードするS遺伝子をコードする遺伝子中に対応する変異も生じ、それにより、HBsAgに対する抗体および免疫細胞などの免疫試薬の相互作用性が減少し得る。ウイルス表面成分に対する免疫試薬の相互作用性の減少には、一般に、ウイルス表面成分を認識するか実質的に認識するための免疫記憶が存在しないことが含まれる。したがって、本発明は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する感受性が減少するか、HBsAgに対する免疫試薬の相互作用が減少したHBV変種であって、前記変種が以下のADVおよび/またはLMVの組み合わせまたは連続治療後に選択される、HBV変種に及ぶ。この点において、用語「連続的」は、ADVの後にLMVおよび/またはTFV、および/またはFTC、LMVの後にADVおよび/またはTFV、および/またはFTC、またはADV、LMV、および/またはTFV、および/またはFTCの複数の連続投与を意味する。
【0066】
したがって、ウイルス変種は、DNAポリメラーゼ遺伝子のみまたはDNAポリメラーゼ遺伝子およびS遺伝子の両方にA変異を保有し得る。用語「変異」は、その最も広い文脈で読み取るべきであり、複数の変異が含まれる。
【0067】
本発明は、変異およびHBV DNAポリメラーゼの任意のドメインに及び、特に、F領域およびG領域、A〜Eドメインの変異により、ADVおよび/またはLMVおよび/またはTFVまたはその組み合わせに対する感受性が減少する。
【0068】
本明細書では、A〜Eドメインによって定義されたDNAポリメラーゼの保存領域を特にいう。A〜E領域を、Australian Patent No.734831中の式IIに記載のアミノ酸配列によって定義する。
【0069】
好ましくは、変異により、任意の一つまたは複数のHBV DNAポリメラーゼのF〜GドメインならびにA〜Eドメインまたはその近位の領域中のアミノ酸配列が変化する。
【0070】
本発明の別の局面は、そのゲノム中の重複読取り枠の変異を含むHBV変種であって、一つまたは複数のHBV DNAポリメラーゼのFドメインおよびGドメイン、A〜Eドメインによって定義された領域が変異し、前記変種がADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する感受性が減少する、HBV変種を提供する。
【0071】
本発明の別の好ましい局面は、HBsAg中のアミノ酸配列が付加、置換、および/または欠失するHBsAgをコードするヌクレオチド配列の変異を含むHBV変種であって、前記変種がADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ならびに/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはこれらの組み合わせに対する感受性が減少する、HBV変種を意図する。
【0072】
より詳細には、本発明は、基準または野生型HBV由来の表面抗原と比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含む変種HBVであって、基準または野生型表面抗原に対して生成された抗体がHBV変種の中和能力が減少し、前記変種が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはこれらの組み合わせへの被験体の曝露によって選択される、HBV変種を提供する。
【0073】
用語「併用療法」は、ADV、LMV、FTC、および/またはTFVの組み合わせを同一の組成物として同時投与するか、個別の組成物として同時に投与することを意味する。用語「連続療法」は、2つの薬剤を相互にいずれかの順序で数秒、数分、数時間、数日、または数週間以内に投与することを意味する。連続療法はまた、ADV、LMV、FTC、またはTFVのうちのいずれかを使用した治療単位(therapeutic course)の完了およびADV、LMV、FTC、またはTFVの残りを使用したその後の治療単位の完了を含む。
【0074】
したがって、本発明の別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0075】
本発明の別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをLMV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0076】
本発明のさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをFTC治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0077】
本発明のさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0078】
本発明のなおさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADVおよびLMV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0079】
本発明のなおさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADVおよびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0080】
本発明のさらなる局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをLMVおよびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0081】
本発明の別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADVおよびFTC治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0082】
本発明のさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをTFVおよびFTC治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0083】
本発明のさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをFTCおよびLMV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0084】
本発明のなおさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV、LMV、およびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0085】
本発明のなおさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV、LMV、およびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0086】
本発明のさらなる局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV、LMV、およびFTC治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0087】
本発明の別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをFTC、LMV、およびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0088】
本発明のさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV、FTC、およびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0089】
本発明のなおさらに別の局面は、前治療HBVと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失もしくは短縮されたアミノ酸配列を有する表面抗原を含むHBV変種であって、変種HBVをADV、LMV、FTC、およびTFV治療または一つまたは複数の他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤による治療への被験体の曝露によって選択する場合、前治療HBVと比較して変種HBVの表面抗原の免疫プロフィールが変化している、HBV変種を意図する。
【0090】
好ましくは、変種は、天然に存在する体液から離れた少なくとも1つの精製工程を受けた単離形態である。または、変種を、単離体液中に維持することができるか、DNA形態であり得る。本発明はまた、変種HBVのゲノムまたはその一部を含む感染性分子クローンを意図する。さらに、本発明は、変種HBV由来の単離成分(単離HBsAgなどであるが、これに限定されない)を提供する。したがって、本発明は、HBsAgがADV、LMV、FTC、および/もしくはTFV、または任意で一つまたは複数のヌクレオシド、ヌクレオチドアナログ、もしくは他の抗HBV剤への被験体の曝露によって選択される変種HBVに由来する、単離HBsAgまたはその組換え形態、誘導体、もしくは化学的等価物を提供する。
【0091】
より詳細には、本発明のさらに別の局面は、単離HBsAgまたはその組換え形態、誘導体形態、もしくは化学的等価物が基準HBV由来のHBsAgと比較して免疫プロフィールが変化し、HBsAgが一つまたは複数のADV、LMV、FTC、および/もしくはTFV、または任意で一つまたは複数のヌクレオシド、ヌクレオチドアナログ、もしくは他の抗HBV剤への被験体の曝露によって選択される変種HBVに由来する、単離HBsAgまたはその組換え形態、誘導体形態、もしくは化学的等価物に関する。
【0092】
さらにより詳細には、本発明は、単離HBsAgまたはその組換え形態、誘導体形態、もしくは化学的等価物が基準HBV由来のHBsAgと比較して一つまたは複数のアミノ酸が置換、付加、および/または欠失、もしくは短縮したアミノ酸配列を含み、基準HBVに指向する中和抗体が変異HBsAgを保有するHBVに対する中和活性を示さないか減少し、HBsAgが一つまたは複数のADV、LMV、FTC、および/もしくはTFV、または任意で一つまたは複数のヌクレオシド、ヌクレオチドアナログ、もしくは他の抗HBV剤への被験体の曝露によって選択される変種HBVに由来する、単離HBsAgまたはその組換え形態、誘導体形態、もしくは化学的等価物に関する。
【0093】
HBV DNAポリメラーゼの好ましい変異には、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV治療後にHBVが再発した患者から選択された変種が含まれる。ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV薬を、移植手順(例えば、骨髄移植(BMT)またはOLT)の間、後、もしくは前または肝炎と診断された患者の治療後に示すことができる。変種の選択後、ウイルス負荷を、治療中に類似レベルから前治療レベルのレベルで得ることができるか、増加する。
【0094】
rt領域の有用な変異体には、1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる。
【0095】
このようなHBV変種は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、もしくはその組み合わせに対する感受性が減少すると提案する。アミノ酸の位置についての命名システムは、YMDDモチーフ中のメチオニン残基に基づいており、コドンrtM204と指定されることに留意すべきである。このナンバリングシステムは、ポリメラーゼ遺伝子内のYMDDモチーフ中のメチオニン残基をコドン550と指定したAustralian Patent No.734831のナンバリングシステムと異なる。これに関して、rtL180MおよびrtM204Vは、それぞれAustralian Patent No.734831中のL526MおよびM550Vに対応する。一つまたは複数のPreS1、PreS2、およびSなどのエンベロープ遺伝子で対応する変異が起こり得る。
【0096】
ADVおよび他の非環式リン酸ヌクレオシドの別の潜在的な作用様式は、免疫刺激の作用様式である(Calio et al., Antiviral Res. 23 : 77-89, 1994)。多数の変異により、免疫回避に関連し得るHBV変種で検出されたエンベロープ遺伝子が変化した。これらの変化には、1つの態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、ならびにその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる。
【0097】
本発明の変種の同定により、このような変種を検出するための一連のアッセイを作製することが可能である。このような変種の検出は、適切な化学療法形態を決定し、そして/またはワクチン接種プロトコールをモニタリングするか、新規または修正ワクチン調製物を開発するための耐性変種の同定で重要であり得る。
【0098】
本発明のさらに別の局面は、HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびGドメイン、ならびにA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、このような変異の存在が、前記ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する耐性の可能性を示す、工程を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、または他の抗HBV剤に対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法を意図する。
【0099】
したがって、本発明の別の局面は、HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つ一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、このような変異の存在が、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性の可能性を示す、工程を含む、ADV、LMV、TFV、およびFTCから選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法を提供する。
【0100】
好ましくは、アッセイは、一つまたは複数の以下の変異を検出する:1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれ、一つまたは複数の他の変異が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す。
【0101】
したがって、本発明の別の局面は、HBV由来のDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;およびDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列および/またはS遺伝子の対応する領域の変異をスクリーニングし、以下から選択される変異(1つの態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172stopが含まれ、なおさらに別の態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価物が含まれる)一つまたは複数の他の変異の存在が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す、工程を含む、HBV株がヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する感受性が減少するかどうかを決定する方法を実現する。
【0102】
本発明のさらなる局面は、HBV由来のDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;およびDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列および/またはS遺伝子の対応する領域の変異をスクリーニングし、以下から選択される変異(1つの態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172stopが含まれ、なおさらに別の態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、その組み合わせまたはは等価物が含まれる)、一つまたは複数の他の変異の存在が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す、工程による、HBV株がヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の抗HBV剤に対する感受性が減少するかどうかを決定する方法を実現する。
【0103】
細胞、細胞溶解物、培養上清液、および体液中のHBVまたはその成分を、任意の都合の良い手段(任意の核酸ベースの検出手段(例えば、核酸ハイブリッド形成技術または一つまたは複数のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による)が含まれる)によって検出することができる。用語「体液」には、血液、リンパ液、組織または器官系(血清、全血、生検、および生検液が含まれる)、臓器外植片、および肝臓懸濁液などの器官懸濁液が含まれる。本発明は、核酸ベースの検出手段(特に、制限酵素断片長多型(RFLP)、増幅断片長多型(AFLP)、一本鎖多型(SSCP)、増幅およびミスマッチ検出(AMD)、分散型反復鎖ポリメラーゼ連鎖反応(interspersed repetitive sequence polymerase chain reaction)(IRS-PCR)、逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)、および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)が含まれる)の異なるアッセイ形式の使用を含む。他の検出形式には、ノーザンブロット、サザンブロット、PCR配列決定、ELISAなどの抗体手段、ウェスタンブロット、および免疫組織化学が含まれる。特に有用なアッセイには、固定化オリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチド媒介検出系に必要な試薬および成分が含まれる。
【0104】
1つの特に有用な核酸検出系は、逆ハイブリッド形成技術である。この技術では、HBVサンプル由来のDNAをビオチンまたは他のリガンド標識プライマーを使用して増幅して標識アンプリコンを生成する。ニトロセルロースフィルムなどの固体支持体に固定したオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリッド形成によって増幅DNAを捕捉する。特異的核酸フラグメントを、ビオチンまたはリガンドによって同定する。一般に、標識プライマーは、検出すべき特定のヌクレオチドの変動に特異的である。検出すべき変動が存在する場合のみで増幅が起こる。逆ハイブリッド形成アッセイには多数の形式が存在し、これらはすべて本発明に含まれる。
【0105】
本発明によって意図される別の局面は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに曝露した被験体からHBVを単離する工程;前記HBVを表面抗原に対する一つまたは複数の抗体のパネルに接触させる工程;および結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする工程を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法を提供する。
【0106】
関連する態様では、本発明は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに曝露した被験体から血清サンプルを単離する工程;前記血清をHBV表面抗原または抗体結合フラグメントのパネルに接触させる工程;および結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする工程を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法を意図する。
【0107】
細胞培養物中のHBV複製の検出が特に有用である。
【0108】
本発明のこの局面または他の局面は、特に、HBVのゲノム配列または転写物を下方制御するオリゴヌクレオチド(センス分子およびアンチセンス分子が含まれる)、RNAi分子もしくはsiRNA分子、またはDNA RNA結合分子もしくはRNA結合分子などの同定のためのマイクロアレイ分析に従う。マイクロアレイ分析を使用して、HBV DNAポリメラーゼコード領域内またはHBsAgコード領域内などのHBVゲノムの特定の変異を同定することもできる。
【0109】
本発明の別の局面は、複製有効量のプラスミドベクター中に含まれるHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物でトランスフェクトする工程;
前記細胞を、トランスフェクション前、トランスフェクション中、および/またはトランスフェクション後に試験すべき薬剤と接触させる工程;
前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養する工程;および
その後、細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程
による、HBVに対する阻害活性を示す薬剤の検出方法を含む。
【0110】
好ましい態様では、プラスミドベクターは、バキュロウイルスまたはアデノウイルスなどの他のウイルスベクターの一部または全部をコードする遺伝子を含むことができ(Ren and Nassal, 2001,前記)、本方法は、細胞を感染させるのに有効な量のバキュロウイルスゲノムまたはアデノウイルスゲノム中に含まれるか融合した複製有効量のHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物に感染させる工程;
前記細胞を、感染前、感染中、および/または感染後に試験すべき薬剤と接触させる工程;
前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養し;その後、
細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程を含む。
【0111】
別の態様では、方法は、感染性HBVゲノムが連続細胞株(2.2.15またはADなどであるが、これらに限定されない)に安定に組み込まれるような複製有効量のHBVゲノムの感染性コピーを含む連続細胞株を作製する工程;
前記細胞を、試験すべき薬剤と接触させる工程;
前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養し;その後、
細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程を含む。
【0112】
上記方法は、以下の変異(1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれ、さらなる態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる)などを保有するHBV変種に対する薬剤の同定または開発に特に有用である。
【0113】
したがって、本発明の別の局面は、HBV由来のDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;以下から選択されるエンベロープ遺伝子またはDNAポリメラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列の変異(1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれ、さらなる態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、またはその組み合わせもしくは等価物が含まれる)、一つまたは複数の他の変異をスクリーニングし、変異が、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対する感受性の減少を示す変種を示す、工程を含む、HBV株がヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは他の潜在的な抗HBV剤に対する感受性が減少するかどうかを決定する方法を意図する。
【0114】
DNAポリメラーゼのアミノ酸変種の検出を、一連のアミノ酸検出技術によって都合良く行う。HBV変種のアミノ酸が変化する場合、このような単離物をDNAポリメラーゼ活性が変化した推定HBV変種と見なす。
【0115】
本発明は、さらに、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV耐性HBV変種を阻害する薬剤を意図する。このような薬剤は、ADV、LMV、FTC、および/またはTFV、および/または任意でTFVなどの他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログによる長期治療が臨床医によって意図される場合、特に有用である。薬剤は、DNA分子、RNA分子、タンパク質分子、または非タンパク質分子であり得る。組み合わせライブラリーまたは化学ライブラリーのスクリーニングである場合、植物、サンゴ、および微生物など由来の天然産物のスクリーニングも有用な潜在的マスキング剤の供給源として意図される。薬剤は、単離形態または薬学的組成物もしくは薬学的処方物の形態であってよく、ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログとの連続投与または同時投与の代わりに投与することができる。さらに、合理的な薬物デザイン(例えば、HBV DNAポリメラーゼの結晶構造またはNMR構造の解析および酵素の活性部位に結合することができる薬剤のデザインが含まれる)が意図される。このアプローチを、他のHBV成分に適合させることもできる。
【0116】
したがって、本発明の別の局面は、複製有効量のプラスミドベクター中に含まれるHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物でトランスフェクトする工程;
前記細胞を、トランスフェクション前、トランスフェクション中、および/またはトランスフェクション後に試験すべき薬剤と接触させる工程;
前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養する工程;および
細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程
を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、その他の抗HBV剤、またはこれらの組み合わせに対する耐性または感受性の減少を示すHBVに対する阻害活性を示す薬剤の検出方法を意図する。
【0117】
したがって、本発明の別の局面は、細胞を感染させるのに有効な量のバキュロウイルスゲノム中に含まれるか融合した複製有効量のHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を前記構築物に感染させる工程;
前記細胞を、感染前、感染中、および/または感染後に試験すべき薬剤と接触させる工程;
前記薬剤に耐性を示す場合、前記細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、そして/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、そして/または放出するのに十分な期間および条件下で培養する工程;および
細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、前記薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、そして/またはアセンブリし、そして/または放出されるかどうかを決定する工程
を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、その他の抗HBV剤、またはこれらの組み合わせに対する耐性または感受性の減少を示すHBVに対する阻害活性を示す薬剤の検出方法を意図する。
【0118】
好ましくは、HBVゲノムを、細胞のゲノムに安定に組み込む。
【0119】
特に有用な細胞は、2.2.15細胞(Price et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (21) : 8541-8544, 1989)またはAD細胞(HepAD32細胞またはHepAD79細胞としても公知)(Ying et al., Viral Hepat. 7 (2) : 161-165, 2000)である。
【0120】
バキュロウイルスベクターが本発明の実施で特に有用であるが、本発明は、一連の他のベクター(アデノウイルスベクターなどであるが、これに限定されない)に及ぶ。
【0121】
本発明は、さらに、HBVゲノムの全部もしくは一部または遺伝子もしくは遺伝子の一部を含む遺伝子構築物を保有する細胞株(例えば、2.2.15細胞またはAD細胞)に及ぶ。
【0122】
本発明はまた、抗ウイルス薬のスクリーニングのための本HBV変種の使用を提供する。これらの抗ウイルス薬は、ウイルスを阻害する。用語「阻害する」には、感染、複製、アセンブリ、および/または放出の拮抗または防止が含まれる。好ましい抗ウイルス薬には、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログまたは抗HBV剤が含まれるが、本発明は、非ヌクレオシド分子に及ぶ。
【0123】
さらに、合理的薬物デザインはまた、ヌクレオシドを模倣するか特定のヌクレオチド配列または特定のヌクレオチドと相互作用する化学分子を同定するか作製することを意図する。コンビナトリアルケミストリーおよび2ハイブリッドスクリーニングは、潜在的な治療薬または診断薬の同定に使用することができる多数の技術のうちのいくつかである。
【0124】
1つの例では、ポリメラーゼまたは表面抗原の結晶構造またはNMR構造を使用して、機能および/または抗原性に必要である分子の重要な領域と相互作用する可能性が高い小化学分子を合理的にデザインする。このような薬剤は、ポリメラーゼ活性のインヒビターとして有用であり、そして/または表面抗原上のエピトープを変化させることができる。
【0125】
HIV由来の逆転写酵素との類似性に起因するいくつかのHBVポリメラーゼモデルが調製されている(Das et al., J. Virol. 75 (10) : 4771-4779, 2001; Bartholomeusz et al., Intervirology 40 (5-6) : 337-342 1997; Allen et al., Hepatology 27 (6) : 1670-1677,1998)。耐性変異体および野生型ウイルスをコードするHBVに有効な新規の薬剤の合理的薬物デザインのためにHBVポリメラーゼモデルを使用することができる。デザインされた合理的薬物を、耐性に関連する変異体をコードするHBVの選択で使用される薬剤などの既存の抗ウイルス薬の改変に基づいてデザインする。変異をコードするHBVゲノム物質を発現するウイルスまたはクローンを使用して、新規の抗ウイルス薬をスクリーニングすることもできる。
【0126】
別の態様では、本発明はまた、インビトロポリメラーゼアッセイにおいてHBVポリメラーゼに対して阻害活性を示す薬剤の検出方法を意図する。HBVポリメラーゼ活性を、確立されたアッセイを使用して試験することができる(Gaillard et al.,Antimicrob Agents Chemother. 46 (4) : 1005-1013,2002 ; Xiong et al.,Hepatology 28 (6) : 1669-1673,1998)。
【0127】
上記のように、マイクロアレイテクノロジーはまた、定義されたHBV内部または外部成分と相互作用することができる薬剤の有用な同定手段である。例えば、異なるアミノ酸変種を有するHBV DNAポリメラーゼまたはそのペプチドフラグメントのアレイを使用して、これらの分子と結合するか相互作用することができる薬剤をスクリーニングすることができる。これは、HBV変種間の薬剤の異なる結合パターンの都合のよい決定方法である。抗体のアレイを使用して、変化したHBsAg分子をスクリーニングすることもできる。マイクロアレイはまた、HBV成分と相互作用する能力を有する抗体、インターフェロン、またはサイトカインなどの分子を同定するためのタンパク質分析で有用である。DNA分子およびRNA分子のマイクロアレイを使用して、HBVゲノムまたはその転写物上の遺伝子領域のセンス分子およびアンチセンス分子を同定することもできる。
【0128】
上記方法は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、その他の抗HBV剤、またはこれらの組み合わせに対して耐性を示すか感受性が減少するHBVのインヒビターの同定で特に有用である。したがって、本発明は、インヒビターの組成物に及ぶ。インヒビターはまた、RNAiの同時抑制または誘導のための抗体またはリボザイム、アンチセンス分子、および/またはセンス分子などの遺伝子分子の形態であり得るか、他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、または公知のアナログの誘導体であり得る。用語「RNAi」には、短い干渉RNA(siRNA)が含まれ、全てのRNAi型分子はDNA誘導型または合成型であり得る。
【0129】
用語「組成物」には、「薬学的組成物」または処方物が含まれる。
【0130】
インヒビターは、以下の「有効成分」または「活性化合物」をいい、上記のインヒビターのリストから選択することができる。
【0131】
組成物には、HBVの抗原成分、欠損HBV変種、または天然産物スクリーニングもしくは合理的な薬物デザイン(コンビナトリアルケミストリーが含まれる)によって同定された薬剤が含まれる。
【0132】
薬学的に許容されるキャリアおよび/または希釈剤には、任意および全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬、抗真菌薬、等張剤、および吸収遅延剤などが含まれる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が有効成分と適合しない範囲を除いて、治療組成物におけるその使用が意図される。副成分(supplementary active ingredient)を組成物に組み込むこともできる。
【0133】
薬学的組成物はまた、アスパルチルプロテアーゼインヒビターをコードすることができる核酸分子を保有する標的細胞にトランスフェクトすることができるベクターなどの遺伝子分子を含み得る。例えば、ベクターは、ウイルスベクターであり得る。
【0134】
注射に適切な薬学的形態には、滅菌水溶液(水溶性の場合)および液体注射剤の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。製造および保存条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染に対して維持されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)を含む溶媒または希釈媒体、その適切な混合物、および植物油であり得る。例えば、界面活性剤(superfactant)の使用によって適切な流動性を維持することができる。種々の抗細菌薬および抗真菌薬(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チロメサール(thirmerosal)など)によって微生物作用を防止することができる。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含めることが好ましい。注射用組成物の吸収を、組成物中の吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アンモニウムおよびゼラチン)の使用によって延長することができる。
【0135】
滅菌注射液を、有効成分および必要に応じて任意で他の有効成分を含む必要量の適切な溶媒中への活性化合物の組み込みおよびその後の濾過滅菌または他の滅菌手段によって調製する。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、適切な調製方法には、有効成分および任意のさらなる望ましい成分の粉末が得られる真空乾燥技術および凍結乾燥技術が含まれる。
【0136】
有効成分が安定に保護される場合、有効成分を、例えば、不活性希釈剤または同化性可食キャリアとともに経口投与することができるか、軟質または硬質ゼラチンカプセル中に封入することができるか、打錠することができる。治療薬の経口投与のために、有効成分を賦形剤と共に組み込み、摂取用錠剤、口腔剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、およびウェハースなどの形態で使用することができる。このような組成物および調製物は、少なくとも1重量%の活性化合物を含むべきである。組成物および調製物の比率は、勿論、変化し得るが、約5重量%と約80重量%との間が都合がよい。このような治療で有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な投薬量が得られる量である。本発明の好ましい組成物または調製物を、経口投与単位形態が約0.1μgと200mgとの間の活性化合物を含むように調製する。別の投薬量には、約1μgと1000mgとの間および約10μgと500mgとの間が含まれる。これらの投薬量は、個体あたりまたはkg体重あたりであり得る。投与は、1時間、1日、1週間、1ヶ月、または1年あたりであり得る。
【0137】
錠剤、トローチ、丸薬、およびカプセルなどはまた、以下に列挙した成分を含み得る。ガム、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチンなどの結合剤、第二リン酸カルシウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、およびアルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、スクロース、ラクトース、またはサッカリンなどの甘味料を添加することができるか、ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリーフレーバーなどの香味物質を添加することができる。投薬単位形態がカプセルである場合、上記材料型に加えて、液体キャリアを含むことができる。種々の他の材料は、コーティングとして存在し得るか、投薬単位の物理的形態を修正するために存在し得る。例えば、錠剤、丸薬、またはカプセルを、シェラック、糖、またはその両方でコーティングすることができる。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、色素、および香味物質を含み得る。勿論、任意の投与単位形態の調製で使用される任意の材料は薬学的に純粋であり、且つ使用量で実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物を、徐放性調製物および処方物に組み込むことができる。
【0138】
上記のように、本発明は、さらに、本明細書中に記載のHBV変種由来の単離HBsAgに及ぶ。より詳細には、本発明は、HBsAgまたはその組換え形態、誘導体、もしくは化学的等価物を提供する。単離表面化合物、より詳細には単離表面抗体またはその組換え物、誘導体、または化学的等価物は、ワクチン処方物などの生物学的組成物の開発で有用である。
【0139】
本発明の別の態様は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、または変種HBV由来のHBV表面抗原、その組換え形態、誘導体形態、もしくはその化学的等価物に対する耐性を示す変種HBV、ならびに一つまたは複数の薬学的に許容されるキャリアおよび/もしくは希釈剤を含む組成物を提供する。このような組成物は治療組成物と見なすことができ、免疫応答(液性応答が含まれる)の発生において有用である。一般に、HBV変種は「欠損」しており、それ自体では被験体中で感染を持続することができない。
【0140】
上記のように、変種HBV薬に対する抗体を生成し、これらのウイルスによる感染に対する受動的または直接ワクチン接種に使用することができる。抗体を、ヒトまたは非ヒト動物で生成することができる。後者の場合、非ヒト抗体は、使用前に脱免疫化(deimmunize)するかより明確にヒト化する必要があり得る。脱免疫化には、例えば、ヒトコンセンサスフラグメント抗体結合(Fab)ポリペプチドへのマウスまたは非ヒト動物抗HBV抗体の可変領域由来の相補性決定領域(CDR)のグラフティングが含まれる。または、抗体の可変領域中のエピトープを決定するアミノ酸を、エピトープがもはやヒトMHC II複合体に認識されないように変異することができる。
【0141】
リボザイム、アンチセンス、または同時抑制(RNAi)siRNA、またはその複合体の範囲で、抑制が関連する場合、これは、都合良く転写後遺伝子スプライシングを目的とする。DNAまたはRNAを投与するか、RNAiまたはHBV mRNAに特異的なその化学的アナログを含む複合体を、使用することができる。
【0142】
全てのこのような分子を、薬学的組成物に組み込むことができる。
【0143】
別の態様では、本発明は、変種HBV、変種HBV由来のHBsAg、L、M、もしくはSタンパク質、またはその組換え形態、誘導形態、もしくはその化学的等価物を含む生物学的組成物を提供する。
【0144】
一般に、HBVを使用する場合、HBVを最初に弱毒化する。本発明のこの局面の生物学的組成物は、一般に、一つまたは複数の薬学的に許容されるキャリアおよび/または希釈剤をさらに含む。
【0145】
生物学的組成物は、HBsAgまたは1つのHBV変種由来の同様の分子を含み得るか、組成物はHbsAg、またはL、M、もしくはSタンパク質または一連のADVおよび/またはLMVおよび/またはTFCおよび/またはTFV耐性HBV変種由来の同様の分子のカクテルであり得る。組成物がHBVである類似の含有物(inclusion)を適用する。
【0146】
本発明は、さらに、特定のヌクレオチド配列を有するか特定のポリメラーゼ、表面抗原、またはL、M、もしくはSタンパク質をコードするHBV株による感染に対して個体にワクチン接種するための治療ワクチンの製造における欠損HBVワクチンの使用に関する。
【0147】
適切なワクチン候補の例は、以下から選択される変異(1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、tL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれ、さらなる態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 Stop、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる)を含むHBV変種の欠損形態である。
【0148】
1つの態様では、例えば、そのポリメラーゼ中にヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログに対する耐性または感受性の減少を付与する特定の変異を有するHBV変種を同定することができる。次いで、この変種を、欠損させる(すなわち、弱毒化するか感染することができない)ように変異させることができる。次いで、このような欠損ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ耐性ウイルスを、そのポリメラーゼ中に同一の変異を有するビルレントウイルスに対する治療ワクチンとして使用することができる。
【0149】
本発明は、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに耐性を示す変種HBVのアッセイ用キットに及ぶ。このようなキットは、例えば、PCRもしくは他の核酸ハイブリッド形成テクノロジー由来の試薬または免疫学ベースの検出技術のための試薬を含み得る。特に有用なアッセイには、固定化オリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチド媒介検出系に必要な試薬および成分が含まれる。
【0150】
本発明のさらに別の局面は、HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する工程;DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびGドメイン、ならびにA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングし、このような変異の存在が、前記ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する耐性の可能性を示す、工程を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法を意図する。
【0151】
潜在的ウイルス変種の評価は、適切な治療プロトコールの選択に重要である。このような評価は、特に、特定の化合物または免疫剤に対するウイルス変種の耐性または感受性に対応する値を得るためのウイルス変種に関連する少なくとも2つの特徴をコードするソフトウェアでプログラミングされたコンピュータ支援を使用して容易にすることが適切である。値を、(a)特定の化合物または免疫剤に対する感受性の減少に対する耐性を示す能力;(b)野生型HBVから改変されたDNAポリメラーゼ;(c)野生型HBVから改変された表面抗原;または(d)患者の罹患率または回復見込みから選択することができる。したがって、本発明によれば、このような特徴についての値を、特定のウイルス変種またはウイルス変種を含む生物試料についての値を得るためにデータを処理することができる機械読取り可能な記憶媒体に記憶させる。
【0152】
したがって、別の局面では、本発明は、(1)ウイルス因子(viral agent)または前記ウイルス因子を含む生体サンプルに関連する少なくとも2つの特徴についての入力コードを受け取るコードであって、前記特徴が、
(a)特定の化合物または免疫剤に対する感受性の減少に対する耐性を示す能力;
(b)野生型HBVから改変されたDNAポリメラーゼ;
(c)野生型HBVから改変された表面抗原;または
(d)患者の罹患率または回復見込み
から選択される、コード;
(2)ウイルス変種または生体サンプルの値に対応する和を得るために前記入力コードを加算するコード;および
(3)コードを記憶するコンピュータ読取り可能な媒体
を含む、被験体における適切な治療プロトコールを決定するためのウイルス変種または前記ウイルス変種を含む生体サンプルが有効である可能性を評価するためのコンピュータプログラム製品(図3)を意図する。
【0153】
関連する局面では、本発明は、(1)機械読取り可能なデータにエンコードしたデータ記憶材料(material)を含む機械読取り可能なデータ記憶媒体であって、前記機械読取り可能なデータが、ウイルス変種または生体サンプルに関連する少なくとも2つの特徴についての入力コードを含み、前記特徴が、
(a)特定の化合物または免疫剤に対する感受性の減少に対する耐性を示す能力;
(b)野生型HBVから改変されたDNAポリメラーゼ;
(c)野生型HBVから改変された表面抗原;または
(d)患者の罹患率または回復見込み
から選択される、機械読取り可能なデータ記憶媒体;
(2)機械読取り可能なデータの処理のための説明を記憶するためのワーキングメモリ;
(3)前記化合物の値に対応する前記入力コードの和を得るための前記機械読取り可能なデータの処理のための前記ワーキングメモリおよび前記機械読取り可能なデータ記憶媒体に連結した中央演算処理装置;および
(4)前記値を受信するための前記中央演算処理装置に連結した出力ハードウェア
を含む、被験体においてウイルス変種または前記ウイルス変種を含む生体サンプルが有効である可能性を評価するためのコンピュータに及ぶ。
【0154】
本発明では任意の汎用または特殊目的のコンピュータシステムを意図し、メモリおよび少なくとも1つの入力/出力デバイス(端末など)の両方を具備する電気通信プロセッサを具備する。図3は、一般的に適切なコンピュータシステムを示す。このようなシステムには、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはメインフレームが含まれるが、これらに限定されない。プロセッサは、汎用プロセッサもしくはマイクロプロセッサまたはRAMメモリに存在するプログラムを実行する専用プロセッサであり得る。プログラムを、ディスクまたは事前にプログラムされたROMメモリなどの記憶デバイスからRAMに取り込むことができる。1つの態様では、RAMメモリを、データ記憶およびプログラムの実行の両方のために使用する。コンピュータプログラムはまた、プロセッサおよびメモリが異なる物理的実体に存在するが、ネットワークによって電気的に通信するシステムを含む。
【0155】
別の態様では、プログラムは、変異(1つの態様では、rtT38K、rtR55H、およびrtA181Vが含まれ、別の態様では、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238H、およびrtY245Hが含まれ、さらに別の態様では、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtI122VおよびrtA181Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253Gが含まれ、さらに別の態様では、rtT128NおよびrtN236Tが含まれ、さらに別の態様では、rtL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtT128S、tL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、さらに別の態様では、rtI80L、rtI204M、rtN238Tが含まれ、さらに別の態様では、rtN238T/Aが含まれ、さらに別の態様では、rtI187Vが含まれ、さらに別の態様では、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/S、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれ、さらなる態様では、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれ、別の態様では、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれ、さらに別の態様では、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれ、さらに別の態様では、sT47AおよびsW172Stopが含まれ、さらに別の態様では、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれ、さらに別の態様では、sS53Lが含まれ、さらに別の態様では、sP120Tが含まれ、さらに別の態様では、sN40S、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれ、さらに別の態様では、sL95WおよびsL196Wが含まれ、さらに別の態様では、sV14Aが含まれ、さらに別の態様では、sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stop、またはその組み合わせもしくは等価な変異が含まれる)から選択される変異をスクリーニングする。
【0156】
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0157】
実施例1:HBVの重複ゲノム
HBVの重複ゲノムを、図1に示す。DNAポリメラーゼをコードする遺伝子(P)は、ウイルスエンベロープ遺伝子(Pre-S1およびPre-S2)と重複し、X遺伝子およびコア(C)遺伝子と部分的に重複する。HBVエンベロープは、小、中程度、および大きなタンパク質(HBV表面抗原)を含む。大きなタンパク質成分を、HBV表面抗原(HBsAg)といい、S遺伝子配列によってコードされる。Pre-S1およびPre-S2遺伝子配列は、他のエンベロープ成分をコードする。
【0158】
実施例2:ADV治療を受けた患者およびHBV DNA分析
患者A:ADV治療中に、配列決定によって固有のHBV変異が検出された(表4)。これには、rtT38KおよびrtA181Vでの固有の変異が含まれる。ポリメラーゼrtR55Hおよび重複エンベロープ遺伝子中に多数の他の変化も検出された(表4、図4、5、および6)。HBsAgの変化には、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、およびsL173Fが含まれる。これらの固有の変化を、7つの各遺伝子型A〜G由来の基準配列および前治療由来のコンセンサス配列と比較して固有の変化を決定した。
【0159】
患者B:ADV治療中のHBV変異を、表5および図7、8、および9に列挙する。HBV DNAポリメラーゼのrt領域の固有の変化には、rtY245Hが含まれる。ADV治療中のHBVポリメラーゼの他の変化には、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K218E、rtN/H238Hが含まれる。ADV治療中のHBsAgの変化には、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、sS/R207Rが含まれる。
【0160】
患者C:ADV治療前およびADV治療中のHBV変異を、表6および図10、11、および12に列挙する。ADV治療中のHBV DNAポリメラーゼのrt領域の固有の変化には、rtN238Tが含まれる。HBsAgの固有の変化には、sV14A、sL95W、sV96G、およびsI208T/Iが含まれる。
【0161】
患者D:ADV治療中のHBV変異を、表7および図13、14、および15に列挙する。HBV DNAポリメラーゼの固有の変化には、rtI122VおよびrtA181Tが含まれる。表面の固有の変化には、sT47AおよびsW172stopが含まれる。
【0162】
患者E:この患者を、ラミブジンで予め治療し、LMV中の固有の変異rtH237H/P が選択された。この患者は、ADV治療に応答しなかった。ADV治療中のポリメラーゼの変化には、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、およびrtV253Gが含まれる。表面の固有の変化には、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mが含まれる。NB:TFV治療し、応答した患者。ADVによる変化を、表8および図16、17、および18に列挙する。
【0163】
患者F:ADV治療中の固有の変化には、ポリメラーゼ変異rtN238Tおよびエンベロープの変異sS53Lが含まれる。ADVによる変化を、表9および図19、20、および21に列挙する。
【0164】
患者G:ADV治療中の固有の変異には、ポリメラーゼの変化rtT128NおよびrtN236Tならびにエンベロープの変化sP120Tが含まれる。ADVによる変化を、表10および図22、23、および24に列挙する。
【0165】
患者H:ADV治療中のポリメラーゼ遺伝子の変異には、rtL180M、rtM204V、rtQ215Sが含まれる。エンベロープ遺伝子の変化には、sN40S、sS207Rが含まれる。ADVによる変化を、表11および図25、26、および27に列挙する。
【0166】
患者I:ADV治療中のポリメラーゼ遺伝子の変異には、rtT128S、rtL180M、rtM204V、およびrtQ215Sが含まれ、エンベロープ遺伝子の変異には、sQ101R、sI195M、sS207Rが含まれる。ADVによる変化を、表12および図28、29、および30に列挙する。
【0167】
患者J:ADV治療中のポリメラーゼ遺伝子の変異には、rtI80L、rtI204M、およびrtN238Tが含まれ、エンベロープの変異には、sL95WおよびsL196Wが含まれる。ADVによる変化を、表13および図31、32、および33に列挙する。
【0168】
患者K:Adv治療中にポリメラーゼ遺伝子の変異rtN238T/Aが検出された。治療中にエンベロープの変化は検出されなかった。ADVによる変化を、表14および図34、35、および36に列挙する。
【0169】
患者L:ADV治療中にポリメラーゼ遺伝子の変異rtI187Vが検出された。エンベロープ遺伝子の変異sV14Aも検出された。ADVによる変化を、表15および図37、38、および39に列挙する。
【0170】
患者Mは、HIVの抗レトロウイルス療法の一部としてテノフォビルおよびラミブジンで治療したHIV HBV同時感染患者である。これら2つの薬剤はまた、HBVの治療で有用である。この患者を、ADVで治療しなかった。3つの配列サンプルを配列決定し、患者を抗ウイルス薬で治療した。1つのサンプルでは、ポリメラーゼ中に固有の変化(rtN123N/I、rtS135Y、およびrtQ215Q/P/stop/S)が存在した。エンベロープ遺伝子の固有の変化(sL42R、sQ102Q/R、sT115T/S)が検出された。これらの変化を、表16および図40、41、および42に列挙する。残りの2つのサンプルは、互いにポリメラーゼ遺伝子およびエンベロープ9(HBsAg)遺伝子が同一であった。TFVおよびLMV治療中にポリメラーゼ中の固有の変化がrtS135YおよびrtV214A/V、およびrtS207S/Rで検出され、エンベロープ遺伝子の固有の変化が、sQ102Q/R、sL215R、およびsL216 Stopで検出された。これらの変化を、表16および図43、44、および45に列挙する。
【0171】
変化rtQ215Q/P/Stop/S およびrt214A/VがADV治療患者で以前に検出されていた。したがって、これらの変異は、重要な変異であり、ADVおよびTFVの両方に対して潜在的に交差耐性を示し得る。
【0172】
実施例3:ウイルスマーカーの検出
B型肝炎表面抗原(HBsAg)、B型肝炎e抗原(HBeAg)、抗HBeおよびB型肝炎コア抗原(HBcAg)特異的IgGおよびIgMを、市販の免疫アッセイを使用して測定した(Abbott Laboratories, North Chicago, IL, USA)。B型肝炎ウイルスDNAレベルを、製造者の説明書にしたがって捕捉ハイブリッド形成アッセイを使用して測定した(Digene Hybrid Capture II, Digene Diagnostics Inc.,Beltsville, MD)。製造者が記載した臨床試料中のHBVウイルス血症の検出カットオフは、0.7×106コピー/mlまたは2.5 pg/mlであった(Hendricks et al., Am J Clin Pathol 104 : 537-46,1995)。HBV DNAレベルを、Cobas増幅HBVモニターキット(Roche)などの他の市販のキットを使用して定量することもできる。
【0173】
実施例4:HBV DNAの配列決定
以前にAye et al.,J. Hepatol. 26 : 1148-1153, 1997に記載のように、HBV DNAを100μlの血清から抽出した。Geneworks, Adelaide, Australiaによってオリゴヌクレオチドを合成した。HBVポリメラーゼ遺伝子の増幅は、Aye et al., 1997,前記に記載されている。
【0174】
特定の増幅産物を、MO BIO Laboratories Inc (La Jolla, CA)のPCR精製カラムを使用して精製し、Big Dye terminator Cycle sequencing Ready Reaction Kit (Perkin Elmer, Cetus Norwalk, CT)を使用して直接配列決定した。PCR産物の内部領域を配列決定するための配列決定プライマーとしてPCRプライマー

を使用した。
【0175】
実施例5:アデフォビルジピボキシル(ADV)
ADV(以前は、Bis-pom PMEA)は、HBV複製の強力なインヒビターである。ADVの構造を図2に示し、その合成は、Benzaria et al., J Med Chem. 39 : 4958-4965, 1996に記載されている。
【0176】
当業者は、本明細書中に記載の本発明を具体的に記載したもの以外の変形形態および修正形態が可能であることを認識している。本発明はこのような変形形態および修正形態の全を含むと理解すべきである。本発明はまたは、個別または集合的に本明細書中に言及または記載の全ての工程、特徴、組成物、および化合物を含み、任意の2つ以上の前記工程または特徴の任意および全ての組み合わせを含む。
【0177】
(表4) ADV治療中に検出された患者AのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0178】
(表5) ADV治療中に検出された患者BのRTおよびポリメラーゼの変異

【0179】
(表6) ADV治療中に検出された患者CのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0180】
(表7) ADV治療中に検出された患者DのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0181】
(表8) ADV治療中に検出された患者EのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0182】
(表9) ADV治療中に検出された患者FのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0183】
(表10) ADV治療中に検出された患者GのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0184】
(表11) ADV治療中に検出された患者HのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0185】
(表12) ADV治療中に検出された患者IのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0186】
(表13) ADV治療中に検出された患者JのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0187】
(表14) ADV治療中に検出された患者KのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0188】
(表15) ADV治療中に検出された患者LのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0189】
(表16) TFVおよびLMV治療中に検出された患者MのHBVポリメラーゼおよびエンベロープの変異

【0190】
文献



【特許請求の範囲】
【請求項1】
DNAポリメラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチドが変異し、それにより該DNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失し、かつ変種がADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択される一つまたは複数のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに/または抗HBV剤に対する減少した感受性を示す、単離B型肝炎ウイルス(HBV)変種。
【請求項2】
ADVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項3】
LMVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項4】
TFVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項5】
FTCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項6】
ADVおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項7】
ADVおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項8】
LMVおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項9】
ADVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項10】
FTCおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項11】
FTCおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項12】
ADVおよびLMVおよびTFCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項13】
ADVおよびTFVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項14】
LMVおよびTFVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項15】
ADVおよびLMVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項16】
ADVおよびFTCおよびTFVおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項17】
rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項18】
sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項1または請求項17記載の単離HBV変種。
【請求項19】
rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項20】
sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、およびsL196Wから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項1または19記載の単離HBV変種。
【請求項21】
rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項22】
sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項1または21記載の単離HBV変種。
【請求項23】
HBVポリメラーゼのrtN238T変異を含む、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項24】
エンベロープ抗原のsS53L変異を含む、請求項1または23記載の単離HBV変種。
【請求項25】
rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項1記載の単離HBV変種。
【請求項26】
sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項1または22記載の単離HBV変種。
【請求項27】
S遺伝子のヌクレオチドが変異し、それにより表面抗原の少なくとも1つのアミノ酸が付加、置換、および/または欠失し、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;および/またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択される一つまたは複数のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、ならびに/または抗HBV剤に対する減少した感受性を示す、単離HBV変種。
【請求項28】
ADVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項29】
LMVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項30】
TFVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項31】
FTCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項32】
ADVおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項33】
ADVおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項34】
LMVおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項35】
ADVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項36】
FTCおよびTFVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項37】
FTCおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項38】
ADVおよびLMVおよびTFCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項39】
ADVおよびTFVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項40】
LMVおよびTFVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項41】
ADVおよびLMVおよびFTCに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項42】
ADVおよびFTCおよびTFVおよびLMVに対する感受性が減少する、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項43】
rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項44】
sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項27または43記載の単離HBV変種。
【請求項45】
rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項46】
sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、およびsL196Wから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項27または45記載の単離HBV変種。
【請求項47】
rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項48】
sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項27または47記載の単離HBV変種。
【請求項49】
HBVポリメラーゼのrtN238T変異を含む、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項50】
エンベロープ抗原のsS53L変異を含む、請求項27または49記載の単離HBV変種。
【請求項51】
rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項27記載の単離HBV変種。
【請求項52】
sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項27または51記載の単離HBV変種。
【請求項53】
ADV、LMV、TFV、およびFTCから選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対するHBVの減少した感受性を示す可能性を決定する方法であって、
HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する段階;および
DNAポリメラーゼの任意の一つまたは複数のFドメインおよびA〜Eドメインまたは該DNAポリメラーゼに近接し、且つ一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングする段階
を含み、ここで、このような変異の存在が、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性の可能性を示す、方法。
【請求項54】
スクリーニングされる変異が、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128S、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
スクリーニングされる変異が、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207R、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53または54記載の方法。
【請求項56】
スクリーニングされる変異が、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256G、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53記載の方法。
【請求項57】
スクリーニングされる変異が、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、sL196W、およびsV14Aまたはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53または56記載の方法。
【請求項58】
変種が、rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項53記載の方法。
【請求項59】
変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項53または58記載の方法。
【請求項60】
スクリーニングされる変異が、HBVポリメラーゼのrtN238T変異、またはその組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53記載の方法。
【請求項61】
スクリーニングされる変異が、エンベロープ抗原のsS53L変異、またはその組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項53または請求項60記載の方法。
【請求項62】
rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項53記載の単離HBV変種。
【請求項63】
sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項53または61記載の単離HBV変種。
【請求項64】
HBV株がヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログに対する減少した感受性を示すかどうかを決定する方法であって、
HBV由来のDNAまたは対応するmRNAを単離する段階;および
DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングする段階
を含み、ここでFドメイン〜Gドメイン、FドメインとAドメインとの間、Aドメイン、AドメインとBドメインとの間、Bドメイン、BドメインとCドメインとの間、Cドメイン、CドメインとDドメインとの間、Dドメイン、DドメインとEドメインとの間、およびEドメイン、またはこれらの組み合わせもしくは等価物から選択される領域の変異、一つまたは複数の他の変異の存在が変種を示し、該変種が、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTC、任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに対する感受性の減少を示す、方法。
【請求項65】
スクリーニングされる変異が、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128S、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64記載の方法。
【請求項66】
スクリーニングされる変異が、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207R、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64または65記載の方法。
【請求項67】
スクリーニングされる変異が、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256G、またはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64記載の方法。
【請求項68】
スクリーニングされる変異が、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、sL196W、およびsV14Aまたはこれらの組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64または67記載の方法。
【請求項69】
変種が、rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項64記載の方法。
【請求項70】
変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項64または69記載の方法。
【請求項71】
スクリーニングされる変異が、HBVポリメラーゼのrtN238T変異、またはその組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64記載の方法。
【請求項72】
スクリーニングされる変異が、エンベロープ抗原のsS53L変異、またはその組み合わせもしくは等価な変異から選択される、請求項64または71記載の方法。
【請求項73】
変種が、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項64記載の方法。
【請求項74】
変種が、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項64または73記載の方法。
【請求項75】
複製適格有効量のプラスミドベクター中に含まれるHBV由来のゲノムを含む遺伝子構築物を作製し、その後細胞を該構築物でトランスフェクトする段階;
該細胞を、トランスフェクション前、トランスフェクション中、および/またはトランスフェクション後に試験すべき薬剤と接触させる段階;
該薬剤に耐性を示す場合、該細胞を、HBVが複製し、遺伝子配列を発現し、および/またはウイルスまたはウイルス様粒子をアセンブリし、および/または放出するのに十分な期間および条件下で培養する段階;ならびに
細胞、細胞溶解物、または培養上清液をウイルスまたはウイルス成分の検出手段に供して、該薬剤の存在下でウイルスが複製し、遺伝物質を発現し、および/またはアセンブリし、および/または放出するかどうかを決定する段階
を含む、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対する耐性または感受性の減少を示すHBVに対する阻害活性を示す薬剤の検出方法。
【請求項76】
HBV変種が、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択される変異を含む、請求項75記載の方法。
【請求項77】
HBV変種が、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択される変異を含む、請求項75または76記載の方法。
【請求項78】
HBV変種が、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択される変異を含む、請求項75記載の方法。
【請求項79】
HBV変種が、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、sL196W、およびsV14Aから選択される変異を含む、請求項75または78記載の方法。
【請求項80】
HBV変種が、rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択される変異を含む、請求項75または78記載の方法。
【請求項81】
変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項75または80記載の方法。
【請求項82】
変種が、rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項75記載の方法。
【請求項83】
HBV変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mから選択される変異を含む、請求項75または82記載の方法。
【請求項84】
HBV変異が、HBVポリメラーゼのrtN38T変異から選択される変異を含む、請求項75記載の方法。
【請求項85】
HBV変異が、エンベロープ抗原のsS53L変異から選択される変異を含む、請求項75または84記載の方法。
【請求項86】
変種が、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項75記載の方法。
【請求項87】
変種が、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項75または86記載の方法。
【請求項88】
(1)ウイルス因子(viral agent)または該ウイルス因子を含む生体サンプルに関連する少なくとも2つの特徴についての入力コードを受け取るコードであって、該特徴が、
(a)特定の化合物または免疫剤に対する感受性の減少に対する耐性を示す能力;
(b)野生型HBVから改変されたDNAポリメラーゼ;
(c)野生型HBVから改変された表面抗原;または
(d)患者の罹患率または回復見込み
から選択される、コード;
(2)ウイルス変種または生体サンプルの値に対応する和を提供するために該入力コードを加算するコード;および
(3)コードを記憶するコンピュータ読取り可能な媒体
を含む、被験体における適切な治療プロトコールを決定するためのウイルス変種または該ウイルス変種を含む生体サンプルが有効である可能性を評価するためのコンピュータ製品。
【請求項89】
(1)機械読取り可能なデータにエンコードしたデータ記憶材料(material)を含む機械読取り可能なデータ記憶媒体であって、該機械読取り可能なデータが、ウイルス変種または生体サンプルに関連する少なくとも2つの特徴についての入力コードを含み、該特徴が、
(a)特定の化合物または免疫剤に対する感受性の減少に対する耐性を示す能力;
(b)野生型HBVから改変されたDNAポリメラーゼ;
(c)野生型HBVから改変された表面抗原;または
(d)患者の罹患率または回復見込み
から選択される、機械読取り可能なデータ記憶媒体;
(2)該機械読取り可能なデータの処理のための説明を記憶するためのワーキングメモリ;
(3)該化合物の値に対応する該入力コードの和を提供するための該機械読取り可能なデータの処理のための該ワーキングメモリおよび該機械読取り可能なデータ記憶媒体に連結した中央演算処理装置;および
(4)該値を受信するための該中央演算処理装置に連結した出力ハードウェア
を含む、被験体において変種または該変種を含む生体サンプルが有効である可能性を評価するためのコンピュータ。
【請求項90】
入力コードが、一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに対して耐性である、請求項88または89記載のコンピュータ製品または構成(composition)。
【請求項91】
入力コードが、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択される変異である、請求項88、または89、または90記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項92】
入力コードが、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択される変異である、請求項88、または89、または90、または91記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項93】
入力コードが、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択される変異である、請求項88、または89、または90記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項94】
入力コードが、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、およびsL196Wから選択される変異である、請求項88、または89、または90、または93記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項95】
入力コードが、rtI122V、rtA181T、rtH237H/P、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択される変異である、請求項88、または89、または90記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項96】
入力コードが、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、sI195Mから選択される変異である、請求項88、または89、または90、または95記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項97】
入力コードが、HBVポリメラーゼのrtN238T変異から選択される変異である、請求項88、または89または90記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項98】
入力コードが、エンベロープ抗原のsS53L変異から選択される変異である、請求項88、または89または90、または97記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項99】
変種が、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項88、または89、または90記載のコンピュータ製品または構成。
【請求項100】
変種が、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項88、または90、または99記載のコンピュータ製品。
【請求項101】
HBV感染の治療薬または予防薬の製造におけるHBV変種の使用。
【請求項102】
HBV変種が一つまたは複数のADV、LMV、TFV、および/またはFTCに耐性を示す、請求項101記載の使用。
【請求項103】
HBV変種が、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択される変異を含む、請求項101または102記載の使用。
【請求項104】
HBV変種が、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択される変異を含む、請求項101、または102、または103記載の使用。
【請求項105】
HBV変種が、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択される変異を含む、請求項101または102記載の使用。
【請求項106】
HBV変種が、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、sL196W、およびsV14Aから選択される変異を含む、請求項101、または102、または105記載の使用。
【請求項107】
HBV変種が、rtI122V、rtA181T、rtH237H/P、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択される変異を含む、請求項101または請求項102記載の使用。
【請求項108】
HBV変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択される変異を含む、請求項101、または102、または107記載の使用。
【請求項109】
HBV変異が、HBVポリメラーゼのrtN238T変異から選択される変異を含む、請求項101または102記載の使用。
【請求項110】
HBV変異が、エンベロープ抗原のsS53L変異から選択される変異を含む、請求項101、または102、または109記載の使用。
【請求項111】
変種が、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項101記載の使用。
【請求項112】
変種が、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項101または111記載の使用。
【請求項113】
ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに曝露した被験体からHBVを単離する段階;
該HBVを表面抗原に対する一つまたは複数の抗体のパネルに接触させる段階;および
結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする段階
を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法。
【請求項114】
ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;ADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびTFV;ADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;ADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVからなる群より選択されるヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログに曝露した被験体から血清サンプルを単離する段階;
血清をHBV表面抗原またはその抗体結合フラグメントのパネルに接触させる段階;および
結合親和性または結合スペクトルの任意の変化をスクリーニングする段階
を含む、免疫プロフィールの変化を示す変種HBVの検出方法。
【請求項115】
HBV変種が、rtT38K、rtA181V、rtR55H、rtY245H、rtS/T78S、rtV80L、rtN/S118N、rtN/K139K、rtE142V、rtA/T181A、rtI204M、rtQ/P/S/Stop215S、rtE/K21E、rtN/H238H、rtT128N、rtN236T、rtL180M、rtM204V、rtQ215S、およびrtT128Sから選択される変異を含む、請求項113または114記載の方法。
【請求項116】
HBV変種が、sQ30K、sE44G、sA47T、sI126T、sA159V、sL173F、sF55S、sC/Stop69C、sC/Y76Y、sI/V110I、sN/T131N、sN134Y、sStop/W172W、sStop/W196W、およびsS/R207Rから選択される変異を含む、請求項113、または114、または115記載の方法。
【請求項117】
HBV変種が、rtN238T、rtl80L、rtI204M、rtN238T、rtI187V、rtN248Q、およびrtS256Gから選択される変異を含む、請求項113または114記載の方法。
【請求項118】
HBV変種が、sV14A、sL95W、sV96G、sI208T/I、sL95W、sL196W、およびsV14Aから選択される変異を含む、請求項113、または114、または117記載の方法。
【請求項119】
HBV変種が、rtI122V、rtA181T、rtL180M、rtA/V200V、rtM204V、rtV214A、rtH237H/P、rtV253G、およびrtN238T/Aから選択される変異を含む、請求項113または114記載の方法。
【請求項120】
HBV変種が、sT47A、sW172Stop、PreS2 T6S、sT47A、sP62L、sL/F192F、およびsI195Mから選択される変異を含む、請求項113、または114、または119記載の方法。
【請求項121】
HBV変種が、rtN238T変異を含む、請求項113または114記載の方法。
【請求項122】
HBV変種が、sS53L変異を含む、請求項113、または114、または121記載の方法。
【請求項123】
変種が、rtN123N/I、rtS135Y、rtV214A/V、およびrtQ215Q/P/Stop/Sから選択されるDNAポリメラーゼの変異を含む、請求項113または114記載の方法。
【請求項124】
変種が、sL42R、SQ102Q/R、sT115T/S、sS207S/R、sL215R、およびsL216 stopから選択されるエンベロープ抗原の変異を含む、請求項113、または114、または123記載の方法。
【請求項125】
改変DNAポリメラーゼ遺伝子および/またはHBV変種上の改変された表面抗原遺伝子を検出することができる遺伝子剤(genetic agent)を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対して耐性である変種HBVのアッセイキット。
【請求項126】
HBV表面抗原またはそれに対する抗体に結合することができるペプチドまたは抗体剤を含む、ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対して耐性である変種HBVのアッセイキット。
【請求項127】
PCR試薬または他の核酸水素(nucleic acid hydrogen)をさらに含む、請求項124記載のキット。
【請求項128】
固定化オリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチドをさらに含む、請求項124または126記載のキット。
【請求項129】
ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFV、ならびに/または任意で他のヌクレオシドもしくはヌクレオチドアナログ、他の抗HBV剤、またはその組み合わせに対するHBVの感受性が減少する可能性を決定する方法であって、
HBVからDNAまたは対応するmRNAを単離する段階;
DNAポリメラーゼの、任意の一つまたは複数のFドメインおよびGドメイン、ならびにA〜Eドメインまたはこれらに近接し、且つADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する耐性または感受性の減少に関連する領域の少なくとも1つのアミノ酸が置換、欠失、および/または付加されるHBV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列の変異をスクリーニングする段階
を含み、ここで、このような変異の存在が、該ADV、LMV、TFV、もしくはFTC;またはADVおよびLMV;ADVおよびTFV;LMVおよびTFV;FTCおよびADV;FTCおよびTFV;FTCおよびLMV;またはADVおよびLMVおよびTFV;またはADVおよびFTCおよびTFV;TFVおよびFTCおよびLMV;ADVおよびLMVおよびFTC;またはADVおよびFTCおよびLMVおよびTFVに対する耐性の可能性を示す、方法。
【請求項130】
請求項1〜50のいずれか一項で定義した変種HBVの表面成分;
請求項1〜50のいずれか一項で定義した変種HBVと別の抗HBV剤との組み合わせ;ならびに
請求項1〜50のいずれか一項で定義した変種HBVの阻害剤から選択される薬剤を含むワクチン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate


【公開番号】特開2011−244817(P2011−244817A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121920(P2011−121920)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2006−535911(P2006−535911)の分割
【原出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(506138177)
【出願人】(506138111)
【出願人】(504303230)
【出願人】(506138144)
【出願人】(506138133)セイント ビンセンツ ホスピタル(メルボルン)リミテッド トレーディング アズ セイント ビンセンツ ホスピタル メルボルン (3)
【Fターム(参考)】