説明

HDMI接続装置

【課題】ユーザーが出力モードを変更する作業をしなくても、接続エラーのない出力モードで接続相手機器と接続することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ソース機器は、シンク機器22とHDMIケーブル21を介して複数の出力モードのいずれかで接続可能である。ソース機器は、エラー判定部11bと、モード変更部11cとを備える。エラー判定部11bは、いずれかの出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定する。モード変更部11cは、エラー判定部11bにおける判定結果により、出力モードを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続相手機器とHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを介して複数の出力モードのいずれかで接続可能なHDMI接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディジタル放送受信機能を有するテレビや、放送を録画、再生する機能を有する録画再生機などのAV(Audio Visual)機器の分野においては、映像信号を出力する映像装置であるソース機器と、映像信号が入力される表示装置であるシンク機器とを、HDMI(登録商標)ケーブルによってディジタル接続することが主流となっている。
【0003】
HDMI規格が制定されてからしばらくは、ディジタル放送で用いられる複数の出力モードのうち当時において最高の出力モード、具体的には、解像度が1920×1080、フィールド周波数が60Hz、走査方式がインターレース方式(以下、「1080i」と呼ぶこともある)で色階調が標準(8ビット)の出力モードで接続するHDMI接続装置がほとんどであった。しかし、近年、解像度が1920×1080、フィールド周波数が60Hz、走査方式がプログレッシブ方式(以下、「1080p」と呼ぶこともある)と、色階調を最大16ビットまで拡大可能なDeepColorとを組み合わせた出力モードなど、様々な出力モードが現れており、これら出力モードに対応可能なソース機器が市場において増えてきている。
【0004】
このようなソース機器では、シンク機器と接続する際に、これら双方でサポートされている出力モードが選択される必要があるが、この選択はソース機器において自動的に行われるのが主流となっている。この自動選択では、ソース機器及びシンク機器の双方において対応可能な複数の出力モードの中から、伝送レートが最高の出力モードが選択されることが多い。
【0005】
さて、HDMI規格では、HDMI接続装置がスペックに応じた性能を有するかの確認を各製造者に要求していることから、ソース機器、シンク機器及びケーブルのそれぞれがスペックに合致しているかの確認については、各製造者のコンプライアンス試験によってなされている。しかし、ソース機器、シンク機器、ケーブルが個体差にかかわらず正しく動作することについての保証は製造者の責任となっている。つまり、市場にあるソース機器、シンク機器、ケーブルのあらゆる組合せからなるシステムが正しく動作することについてはHDMI規格では保証されていない。
【0006】
その結果、1080iのシステムではこれまで問題なかったが、例えば、そのうちのソース機器を1080p対応機器またはDeepColor対応機器に買い替えると映像が正常に表示できなくなった事例や、最新のソース機器、シンク機器及びHDMIケーブルをセットで購入したが電気的に正しく接続できないといった事例が発生している。このような事例の場合に、例えば、HDMIケーブルを別のものに取り替えたり、出力モードを手動で変更したりすれば、正常に表示できることがある。そこで、特許文献1に開示されている技術では、HDMI接続時のエラー状態を検出し、検出結果を表示装置の画面などに表示している。この技術によれば、ユーザーは、エラー表示を見ながら、出力モードを設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−252559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術においてエラーが表示された場合に、実際に出力モードを設定するのは専門知識を有さないユーザーであることが多いため、実際にどのような作業をしてよいか分からず、自身では解決できないことが多い。その結果、製造者や専門業者へ依頼することになり、ユーザーに費用などの負担が発生することがある。
【0009】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、ユーザーが出力モードを変更する作業をしなくても、接続エラーのない出力モードで接続相手機器と接続することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るHDMI接続装置は、接続相手機器とHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを介して複数の出力モードのいずれかで接続可能なHDMI接続装置であって、いずれかの前記出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定するエラー判定部と、前記エラー判定部における判定結果により、前記出力モードを変更するモード変更部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、いずれかの出力モードによる接続に接続エラーがある場合に、他の出力モードに自動的に変更する。したがって、ユーザーが自ら出力モードを変更する作業をしなくても、接続エラーのない出力モードで接続相手機器と接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係るソース機器の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係るソース機器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
本実施の形態1では、本発明に係るHDMI接続装置は、映像信号を出力する映像装置、つまり、ソース機器であるものとして説明する。なお、以下の説明においては映像信号についてのみ説明するが、音声信号も映像信号と同様に扱われるものとする。
【0014】
図1は本実施の形態に係るソース機器と、HDMIケーブル21と、映像信号が入力される表示装置たるシンク機器22とを示すブロック図である。図1に示すソース機器は、HDMIトランスミッター1と、Double-Data-Rate SDRAM2(以下、「DDR2」と呼ぶ)と、不揮発性メモリー3と、ドライブ装置4と、記憶部たるHard Disk Drive5(以下、「HDD5」と呼ぶ)と、チューナー6と、外部入出力部7と、前段信号処理ブロック8と、操作取得部9と、マイクロプロセッサー10と、これらを統括的に制御するメインプロセッサー11と、これらが動作するのに必要なDC電源を供給する電源12とを備える。
【0015】
ソース機器は、HDMIケーブル21を介して、接続相手機器たるシンク機器22と複数の出力モードのいずれかで接続可能となっている。複数の出力モードのそれぞれは、HDMI規格で定められたものであり、詳細については後述する。本実施の形態に係るソース機器では、いずれかの出力モードによる接続に接続エラーがある場合に、他の出力モードに自動的に変更することが可能となっている。以下、このような本実施の形態に係るソース機器の各構成要素について説明する。
【0016】
ドライブ装置4は、外部の記録媒体から映像データを読み出してメインプロセッサー11に出力する機能と、メインプロセッサー11からの映像データを外部の記録媒体に書き込む機能とを有する。このドライブ装置4には、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)に対して映像データを読み書きするDVDドライブ装置や、ブルーレイディスクに対して映像データを読み書きするブルーレイディスクドライブ装置が該当する。
【0017】
HDD5は、映像信号としてシンク機器22に出力可能な映像データを記憶する装置であり、ソース機器に内蔵されている。
【0018】
チューナー6は、テレビジョン受信により映像信号を受信する。外部入出力部7は、テレビジョン受信以外の受信方法により映像信号を受信する。前段信号処理ブロック8は、チューナー6とメインプロセッサー11との間の信号インターフェースとして機能するとともに、外部入出力部7とメインプロセッサー11との間の信号インターフェースとしても機能する。
【0019】
操作取得部9は、リモコンからの信号を受光し、当該信号に基づいてリモコンにおけるユーザーの操作を取得するとともに、ソース機器に設けられたスイッチ等におけるユーザーの操作を取得する。マイクロプロセッサー10は、操作取得部9で取得したユーザーの操作に基づいてメインプロセッサー11に指令を出す。
【0020】
メインプロセッサー11は、記録されている映像データをシンク機器22にて表示する指令をマイクロプロセッサー10から受けた場合には、ドライブ装置4及びHDD5から、MPEG形式の映像データを取得し、取得した映像データをデコードする。そして、メインプロセッサー11は、デコードした映像データを映像信号に変換し、当該映像信号をHDMIトランスミッター1に出力する。また、メインプロセッサー11は、映像信号をドライブ装置4における外部の記録媒体及びHDD5に記録する指令をマイクロプロセッサー10から受けた場合には、チューナー6等からの映像信号に基づいて映像データを生成してエンコードし、当該外部の記録媒体及びHDD5に記録する。また、メインプロセッサー11は、映像信号をシンク機器22にて表示する指令をマイクロプロセッサー10から受けた場合には、例えば、前段信号処理ブロック8からの映像信号をHDMIトランスミッター1に出力する。
【0021】
HDMIトランスミッター1は、メインプロセッサー11からの映像信号などの信号を、HDMI規格で定められた信号に変換し、それによって得られた信号を、HDMIケーブル21のコネクタ(図示せず)に出力する。HDMIケーブル21は、当該コネクタに入力された信号をシンク機器22に出力する。こうして、メインプロセッサー11からHDMIトランスミッター1に出力された信号は、HDMIケーブル21を介してシンク機器22に出力される。同様に、シンク機器22からHDMIケーブル21を介してHDMIトランスミッター1に出力された信号は、メインプロセッサー11に出力される。
【0022】
DDR2は、メインプロセッサー11が上述の動作を行う際に出力するデータを一時的に記憶する。不揮発性メモリー3は、メインプロセッサー11が動作するための動作プログラムやデータを記憶する。メインプロセッサー11がこの動作プログラムを実行することによって、このメインプロセッサー11にはモード選択部11aと、エラー判定部11bと、モード変更部11cとが機能ブロックとして形成される。
【0023】
HDMIトランスミッター1は、HDMIケーブル21を介してシンク機器22と接続されると、まず、シンク機器22からHDMIケーブル21を介して出力される、HotPlug Detect(以下、「HPD」と呼ぶ)信号を取得する。このHPD信号は、ソース機器とシンク機器22との接続開始を確認するための信号である。メインプロセッサー11は、HDMIトランスミッター1で取得したHPD信号のステータスを確認する。
【0024】
メインプロセッサー11は、HPD信号がHighとなっている場合に、シンク機器22からHDMIケーブル21を介してEDID(Extended Display Identification Data)の信号を取得する。ここでEDIDは、シンク機器22に格納されている、シンク機器22に関する情報であり、シンク機器22が対応可能な出力モードについての情報を含んでいる。
【0025】
モード選択部11aは、取得したEDIDに基づいて、解像度、音声フォーマット等を組合せてなる複数の出力モードの中から、ソース機器及びシンク機器22の双方が対応可能な出力モードであって、かつ、伝送レートが最高の出力モード(以下、「最高出力モード」と呼ぶ)を選択する。
【0026】
以下、複数の出力モードは4つであるものとするとして説明する。なお、以下では、複数の出力モードは4つであるものとして説明するが、当該複数の出力モードの数はこれに限ったものではない。
【0027】
1つ目の出力モードは、1080i(解像度が1920×1080、フィールド周波数が60Hz、走査方式がインターレース方式)で、DeepColorがOFF(色階調が8ビット)の出力モード(以下、「1080iOFFの出力モード」と呼ぶ)である。2つ目の出力モードは、1080p(解像度が1920×1080、フィールド周波数が60Hz、走査方式がプログレッシブ方式)で、DeepColorがOFFの出力モード(以下、「1080pOFFの出力モード」と呼ぶ)である。
【0028】
3つ目の出力モードは、1080iでDeepColorがON(色階調がsビット(8<s≦16))の出力モード(以下、「1080iONの出力モード」と呼ぶ)である。4つ目の出力モードは、1080pでDeepColorがONの出力モード(以下、「1080pONの出力モード」と呼ぶ)である。
【0029】
1080iOFF,1080iONの出力モードと比較して、1080pOFF,1080pONの出力モードはそれぞれ約2倍の伝送レートが必要となる。また、1080iOFF,1080pOFFの出力モードと比較して、色階調が12ビットの1080iON,1080pONの出力モードはそれぞれ約1.5倍の伝送レートが必要となる。したがって、1080pONの出力モードの伝送レートが最も高く、1080iOFFの出力モードの伝送レートが最も低いものとなっており、色階調が12ビットの1080pONの出力モードは、1080iOFFの出力モードの3倍の伝送レートが必要となる。
【0030】
本実施の形態において、ソース機器は、以上の4つの出力モードのいずれにも対応可能となっているものとする。ここで、一般に、ソース機器が、DeepColorのON/OFF設定機能を有するものである場合には、シンク機器22がDeepColorに対応可能となっていてもソース機器の設定に従って動作することになるが、説明を簡単にするため、本実施の形態に係るソース機器はその設定機能を持たないものとする。そして、シンク機器22がDeepColor対応可能である場合には、モード選択部11aは、DeepColorがONの出力モード(1080pONまたは1080iONの出力モード)を選択するものとする。
【0031】
モード選択部11aは、取得したEDIDに基づいて、以上の4つの出力モードの中から最高出力モードを選択する。
【0032】
メインプロセッサー11は、HDMIトランスミッター1に映像信号を出力する際に、いずれかの出力モードに応じた解像度変換等の信号処理を当該映像信号に行う。
【0033】
エラー判定部11bは、映像コンテンツ等を不正コピーから保護する暗号技術(暗号規格)であるHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)の認証に基づいて、いずれかの出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定する。モード変更部11cは、エラー判定部11bにおける判定結果により、出力モードを変更する。
【0034】
図2は、最高出力モードを選択する際のソース機器の動作を示すフローチャートである。図3,図5,図6,図7は、接続エラーがあるかを判定する際のソース機器の動作を示すフローチャートである。図4は、HDMI出力後のソース機器の動作を示すフローチャートである。以下、本実施の形態に係るソース機器の動作について、図2〜図7を用いて説明する。なお、本実施の形態において、ソース機器は解像度を自動判別する自動判別モードを有しており、この自動判別モードがONとなっている場合に、図2〜図7の動作を行うものとする。
【0035】
まず、図2に示されるステップs1にて、メインプロセッサー11は、HDMIケーブル21を介して、シンク機器22からのHPD信号を監視し、HPD信号がHighである場合にステップs2に進む。
【0036】
ステップs2にて、モード選択部11aは、シンク機器22からのEDIDを読み込む。そして、ステップs3にて、モード選択部11aは、EDIDに基づいて、シンク機器22がDeepColorに対応しているかを判定する。ステップs3において、DeepColorに対応していると判定した場合にはステップs4に進み、そうでない場合にはステップs5に進む。
【0037】
ステップs4にて、モード選択部11aは、同EDIDに基づいて、シンク機器22が1080pに対応しているかを判定する。ステップs4において、モード選択部11aは、1080pに対応していると判定した場合には「A」に進み、1080pONの出力モードを最高出力モードとして選択する。一方、ステップs4において、モード選択部11aは、そうでないと判定した場合には「C」に進み、1080iONの出力モードを最高出力モードとして選択する。
【0038】
ステップs5にて、モード選択部11aは、同EDIDに基づいて、シンク機器22が1080pに対応しているかを判定する。ステップs5において、モード選択部11aは、1080pに対応していると判定した場合には「B」に進み、1080pOFFの出力モードを最高出力モードとして選択する。一方、ステップs5において、モード選択部11aは、そうでないと判定した場合には「D」に進み、1080iOFFの出力モードを最高出力モードとして選択する。
【0039】
次に、図3を用いて「A」に進んだ後のソース機器の動作について説明する。このフローにおいて、エラー判定部11bは、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)認証エラーの回数が予め設定された設定値を超えると、1080pONの出力モードに接続エラーがあると判定する。次に、このフローの各ステップについて説明する。
【0040】
ステップs21にて、メインプロセッサー11は、シンク機器22のHDMI差動出力におけるDCレベルが規格に定められた規定値となっているかの確認(以下「R−SENS」と呼ぶ)を行い、シンク機器22が信号を受け付けられる状態(以下「アサート」と呼ぶ)にあるかどうかを判定する。メインプロセッサー11は、R−SENSがアサートにあると判定した場合にステップs22に進む。
【0041】
ステップs22にて、メインプロセッサー11は、HDCP認証のエラー回数をカウントするHDCP認証エラーカウンターを初期化(リセット)する。ここで、HDCP認証エラーカウンターのカウント値をn1とすると、このステップs22にてn1=0となる。
【0042】
ステップs23にて、メインプロセッサー11は、HDCP認証を開始する。なお、HDCPの認証手順は規格に基づく動作となるので、その詳細な説明は省略する。ステップs24にて、メインプロセッサー11は、HDCP認証が確立したかを判定する。ステップs24においてHDCP認証が確立したと判定した場合には、エラー判定部11bは、1080pONの出力モードによる接続に接続エラーがないと判定し、「F」に進む。そして、モード変更部11cは、接続に用いるべき出力モードを、1080pONの出力モードに変更する。これにより、1080pONの出力モードによるHDMI出力が行われる。一方、ステップs24において、HDCP認証が確立しなかったと判定した場合にはステップs25に進む。
【0043】
ステップs25にて、メインプロセッサー11は、HDCP認証エラーカウンターのカウント値n1に1を加算するとともに、メインプロセッサー11の設定状態に関するデータを不揮発性メモリー3に格納する。ステップs26にて、メインプロセッサー11はHDCP認証を初期化する。そして、ステップs27にて、エラー判定部11bは、HDCP認証エラーカウンターのカウント値n1が予め設定された設定値N1を超えたかを判定する。つまり、エラー判定部11bは、1080pONの出力モードを用いた接続において、HDCP認証エラーのカウント値n1が設定値N1を超えるかを判定する。
【0044】
従来のソース機器では、カウント値n1が設定値N1を超える(n1>N1)場合に、接続できないままの状態で動作が終了する。それに対し、本実施の形態に係るソース機器では、ステップs27において、カウント値n1が設定値N1を超えたと判定した場合には、エラー判定部11bは、1080pONの出力モードによる接続に接続エラーがあると判定し、図2に示される「B1」に進む。そして、「B」においてメインプロセッサー11及びエラー判定部11bは、1080pONの出力モードよりも伝送レートが小さい1080pOFFの出力モードに対して、「A」の動作(図3)と同様の動作(図5)を行う。つまり、「B」においてメインプロセッサー11は、1080pOFFの出力モードのR−SENS等を行い、エラー判定部11bは、当該1080pOFFの出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定する。
【0045】
ステップs27において、カウント値n1が設定値N1を超えない(n1≦N1)と判定した場合にはステップs23に戻る。
【0046】
以上のような図3に示される動作によれば、1080pONの出力モードによる接続に接続エラーがないと判定された場合には「F」に進んでHDMI出力が当該出力モードにより行われる。一方、そうでない場合には、「B1」に進んで当該出力モードよりも伝送レートが低い1080pOFFの出力モードの接続エラーを判定する。これにより、1080pONの出力モードの色階調が例えば12ビットである場合には、HDMIケーブル21により伝送されるデータのレートが8/12に減じられるため、ソース機器、HDMIケーブル21及びシンク機器22の組合せや個体差による伝送性能限界に動作条件を設定できれば、正常に動作させることができる。
【0047】
次に、図4を用いて「F」に進んだ後のソース機器の動作について説明する。このフローにおいて、エラー判定部11bは、HDCP更新リンクエラーの回数が一定時間内に予め設定された設定値を超えるかを判定する。次に、このフローの各ステップについて説明する。
【0048】
ステップs31にて、メインプロセッサー11は、時間をカウントするタイマー(図示せず)を初期化するとともに、HDCPリンク状態を更新する際のエラー(以下「HDCPリンクエラー」と呼ぶ)の回数をカウントするHDCPリンクエラーカウンターを初期化する。ここで、タイマーのカウント時間、HDCPリンクエラーカウンターのカウント値をそれぞれt、mとすると、このステップs31にてt=0、m=0となる。その後、同ステップs31にて、メインプロセッサー11は、タイマーにより時間をカウントしていく。
【0049】
ステップs32にて、メインプロセッサー11は、HDCP規格において定められたリンク状態の定期的な更新処理を行う。本実施の形態では、この更新処理を120フレームおきに行う。ステップs33にて、メインプロセッサー11は、期待される確認、つまり、更新がされたという確認(以下、「Ri確認」と呼ぶ)がシンク機器22から得られたかを判定する。
【0050】
ステップs33においてRi確認が得られた場合には、メインプロセッサー11は、HDCPリンクエラーがないと判定し、ステップs36に進む。一方、ステップs33においてRi確認が得られない場合には、メインプロセッサー11は、HDCPリンクエラーがあると判定し、ステップs34に進んでHDCPリンクエラーカウンターのカウント値mに1を加算するカウントアップを行う。それからステップs35にて、メインプロセッサー11は、HDCPリンクエラーカウンターのカウント値mが予め設定された設定値Mを超えたかを判定する。
【0051】
ステップs35において、カウント値mが設定値Mを超えた(m>M)と判定した場合には、エラー判定部11bは、図3に示される「G」に進んで、ステップs26以降の動作を開始して、現在用いられている出力モードに接続エラーがあるかを再判定する。一方、ステップs35において、カウント値mが設定値Mを超えない(m≦M)と判定した場合にはステップs36に進む。
【0052】
ステップs36にて、メインプロセッサー11は、タイマーのカウント時間tが一定時間Tに到達しているか(t≧T)を判定する。ステップs36において、カウント時間tが一定時間Tに到達していると判定した場合にはステップs31に進み、そうでない場合(t<Tの場合)にはステップs32に進む。つまり、カウント時間tが一定時間Tに到達している場合にはカウント時間t及びカウント値mのそれぞれが初期化された状態でカウントされていくが、そうでない場合にはカウント時間t及びカウント値mのそれぞれが維持された状態でカウントされていく。
【0053】
以上のような図4に示される動作によれば、ソース機器とシンク機器22とが接続されている際にHDCPリンクエラーのカウント値mが一定時間T内に設定値Mを超えると、「G」に進み、エラー判定部11bは、現在の出力モードに接続エラーがあるかを再判定する。一方、そうでない場合には、ループが繰り返され、現在の出力モードでHDMI出力が維持される。
【0054】
以上、「A」に進んだ後のソース機器の動作について、図3及び図4を用いて説明した。次に、「B」〜「D」に進んだ後のソース機器の動作について、図5〜図7等を用いて説明する。
【0055】
まず、図5を用いて「B」に進んだ後のソース機器の動作について説明する。この図5に示されるステップs41〜s47は、図2に示されるステップs21〜s27とほぼ同じであるため、以下、特徴部分についてのみ説明する。
【0056】
ステップs47にて、エラー判定部11bは、1080pOFFの出力モード用いた接続において、HDCP認証エラーのカウント値n2が設定値N2を超えるかを判定する。ステップs47において、カウント値n2が設定値N2を超えたと判定した場合には、エラー判定部11bは、1080pOFFの出力モードによる接続に接続エラーがあると判定し、図2に示される「D1」に進む。そして、「D」においてメインプロセッサー11及びエラー判定部11bは、1080pOFFの出力モードよりも伝送レートが小さい1080iOFFの出力モードに対して、「A」の動作(図3)と同様の動作(図7)を行う。つまり、メインプロセッサー11は、1080iOFFの出力モードのR−SENS等を行い、エラー判定部11bは、1080iOFFの出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定する。ステップs47において、カウント値n2が設定値N2を超えない(n2≦N2)と判定した場合にはステップs43に戻る。
【0057】
以上のような動作により、1080pOFFの出力モードによる接続に接続エラーがないと判定された場合には「F」に進み、図4に示されるHDMI出力が当該出力モードにより行われる。一方、そうでない場合には、「D1」に進んで当該出力モードよりも伝送レートが低い1080iOFFの出力モードの接続エラーを判定する。これにより、HDMIケーブル21により伝送されるデータのレートが1/2に減じられるため、ソース機器、HDMIケーブル21及びシンク機器22の組合せや個体差による伝送性能限界に動作条件を設定できれば、正常に動作させることができる。
【0058】
次に、図6を用いて「C」に進んだ後のソース機器の動作について説明する。この図6に示されるステップs51〜s57は、図2に示されるステップs21〜s27とほぼ同じであるため、以下、特徴部分についてのみ説明する。
【0059】
ステップs57にて、エラー判定部11bは、1080iONの出力モード用いた接続において、HDCP認証エラーのカウント値n3が設定値N3を超えるかを判定する。ステップs57において、カウント値n3が設定値N3を超えたと判定した場合には、エラー判定部11bは、1080iONの出力モードによる接続に接続エラーがあると判定し、図2に示される「D2」に進む。そして、「D」においてメインプロセッサー11及びエラー判定部11bは、1080iONの出力モードよりも伝送レートが小さい1080iOFFの出力モードに対して、「A」の動作(図3)と同様の動作(図7)を行う。つまり、メインプロセッサー11は、1080iOFFの出力モードのR−SENS等を行い、エラー判定部11bは、1080iOFFの出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定する。ステップs57において、カウント値n3が設定値N3を超えない(n3≦N3)と判定した場合にはステップs53に戻る。
【0060】
以上のような動作により、1080iONの出力モードによる接続に接続エラーがないと判定された場合には「F」に進み、図4に示されるHDMI出力が当該出力モードにより行われる。一方、そうでない場合には、「D2」に進んで当該出力モードよりも伝送レートが低い1080iOFFの出力モードの接続エラーを判定する。これにより、1080iONの出力モードの色階調が例えば12ビットである場合には、HDMIケーブル21により伝送されるデータのレートが8/12に減じられるため、ソース機器、HDMIケーブル21及びシンク機器22の組合せや個体差による伝送性能限界に動作条件を設定できれば、正常に動作させることができる。
【0061】
最後に、図7を用いて「D」に進んだ後のソース機器の動作について説明する。この図6に示されるステップs61〜s67は、図2に示されるステップs21〜s27とほぼ同じであるため、以下、特徴部分についてのみ説明する。
【0062】
ステップs67にて、エラー判定部11bは、1080iOFFの出力モード用いた接続において、HDCP認証エラーのカウント値n4が設定値N4を超えるかを判定する。ステップs67において、カウント値n4が設定値N4を超えたと判定した場合には、エラー判定部11bは、1080iOFFの出力モードによる接続に接続エラーがあると判定する。この場合には、機器及びケーブル不良の可能性が高いため、ソース機器、HDMIケーブル21及びシンク機器22からなるシステムは、そのシステムで最も低い解像度の出力モードを用いて、ユーザーに警告を促す表示を行う。ステップs67において、カウント値n4が設定値N4を超えない(n4≦N4)と判定した場合にはステップs63に戻る。
【0063】
以上のような動作により、1080iOFFの出力モードによる接続に接続エラーがないと判定された場合には「F」に進み、図4に示されるHDMI出力が当該出力モードにより行われる。一方、そうでない場合には警告を表示する。
【0064】
なお、以上の図2〜図7のフローにおいて、HPD信号がLowとなった場合、または、R−SENSのアサートが解除された場合には、各々の変化に応じた割込み処理を行う。このとき、メインプロセッサー11が前の設定状態を不揮発性メモリー3に記憶していれば、シンク機器22の操作によるHPD信号やR−SENSの状態変化があっても安定した動作が期待できる。また、ソース機器の電源12をOFFさせ再びONする場合でも引き続き前の動作と同じ動作を行うことが可能となる。
【0065】
以上のような本実施の形態に係るソース機器によれば、いずれかの出力モードによる接続に接続エラーがある場合に、他の出力モードに自動的に変更する。したがって、ユーザーが自ら出力モードを変更する作業をしなくても、接続エラーのない出力モードでシンク機器22と接続することができる。また、これにより、HDMIケーブルの交換作業の発生を抑制する付随的効果も期待できる。
【0066】
また、本実施の形態に係るソース機器によれば、最高出力モードから伝送レートの低い順に接続エラーの判定を行うことから、なるべく伝送レートが高い出力モードを用いることができる。したがって、視聴環境が悪化するのをなるべく抑制することができ、例えば、ハイビジョン画質を維持することができる。
【0067】
また、本実施の形態に係るソース機器によれば、接続エラーがないと判定した出力モードにおいて、HDCPリンクエラーの回数が一定時間内に所定回数超えると、当該出力モードに接続エラーがあるかを再判定する。したがって、接続している際に何らかの原因で接続エラーが発生した場合にも自動的に接続することができる。
【0068】
なお、以上の説明は本発明の一例であり、HDCPに対応した類似のシステム、例えばパーソナルコンピュータ等に用いられるDVI接続やDP接続においても、HDCP認証エラーやHDCPリンクエラーと同等のエラーを検出し、出力の解像度を段階的に落とすようにすれば、そのシステムにおいて適切な解像度に自動的に設定することが可能となる。また、以上のような本発明の活用例として、HDMI出力を持つソース機器全般のみならず、HDMI出力を持つテレビジョン受信機等にも応用できる。
【符号の説明】
【0069】
5 HDD、11a モード選択部、11b エラー判定部、11c モード変更部、21 HDMIケーブル、22 シンク機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続相手機器とHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを介して複数の出力モードのいずれかで接続可能なHDMI接続装置であって、
いずれかの前記出力モードによる接続に接続エラーがあるかを判定するエラー判定部と、
前記エラー判定部における判定結果により、前記出力モードを変更するモード変更部と
を備える、HDMI接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載のHDMI接続装置であって、
前記接続相手機器からの所定の信号に基づいて、複数の出力モードのうち所望の出力モードを選択するモード選択部
をさらに備え、
前記エラー判定部は、
前記接続エラーの判定を前記所望の出力モードから伝送レートが小さくなる順に行う、HDMI接続装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のHDMI接続装置であって、
前記複数の出力モードは、
1920pでかつDeepColorがONの出力モード、1920pでかつ色階調が8ビットの出力モード、及び、1920iでかつDeepColorがONの出力モードを含む、HDMI接続装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のHDMI接続装置であって、
前記映像信号として前記接続相手機器に出力可能な映像データを記憶する記憶部をさらに備える、HDMI接続装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のHDMI接続装置であって、
前記エラー判定部は、
前記出力モードでHDMI接続装置と前記接続相手装置とを接続している際に、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)認証エラーの回数が所定回数超えると、当該出力モードに接続エラーがあると判定する、HDMI接続装置。
【請求項6】
請求項5に記載のHDMI接続装置であって、
前記エラー判定部は、
前記接続エラーがないと判定した出力モードでHDMI接続装置と前記接続相手装置とを接続している際に、HDCPリンクエラーの回数が一定時間内に所定回数超えると、当該出力モードに接続エラーがあるかを再判定する、HDMI接続装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−259050(P2011−259050A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129544(P2010−129544)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】