説明

HIVプロテアーゼ阻害剤の自己ミクロ乳化性薬剤送達システム

本発明は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、その塩、エステル、多形および擬似多形形態の製薬学的配合物に関し、それは自己ミクロ乳化性薬剤送達システムであり、そして担体として親油相、1種もしくはそれ以上の界面活性剤、親水性溶剤および核生成抑制剤を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤送達システムの分野、具体的には自己ミクロ乳化性薬剤送達システムに関する。それらのシステムは水性環境に接触すると自発的にミクロエマルションを形成する性質を有する。本発明は、さらに、自己ミクロ乳化性薬剤送達システム内に配合されるHIVプロテアーゼ阻害剤、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマートに関する。
【背景技術】
【0002】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマートは、HIVプロテアーゼ阻害活性を有しそしてHIV−1複製を阻害するために特に好適である。
【0003】
本明細書中で化合物(1)とも称する(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、およびその製造方法は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および非特許文献1中に開示されている。化合物(1)の擬似多形形態物も特許文献4中に記載されている(これらすべては引用することにより本明細書に編入される)。
【0004】
最近発見された多くの化学的物質と同様に、化合物(1)の一つの性質は、その水溶性が低いことである。例えば、化合物(1)のエタノラート形態は、pH=2で約0.18mg/mlの水溶性を示し、それはPh.Eur(欧州薬局方)およびUSP(米国薬局方)によると極微水溶性とみなされる。水溶性はしばしば生物学的利用能に影響する最も重要な因子であるとみなされ、それは不十分な水溶性が不安定または不完全な吸収をもたらし、したがって所望の治療応答よりも低くなるからである。
【0005】
複合治療方式は強力な抗レトロウイルス活性を示すことが知られておりそしてHAART(高活性抗ウイルス治療)と呼ばれ従って多方面で推奨されている。この観点から、特許文献5は、ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラニルを含むHIVプロテアーゼ阻害剤の治療有効量およびシトクロムP450阻害剤の治療有効量の組み合わせを開示している。しかしそれらの治療方式のいくつかある欠点の一つは、患者が経験する薬剤負担の増加である。従って、高負荷の投与剤型の投与が、低負荷の配合物の高い頻度の投与より望ましい。
【0006】
脂質を基礎とする配合物は、吸収が低い薬剤、特には乳化性配合物の吸収を促進するためにその有用性を示しており(非特許文献2、3)、胃腸管の可溶化能力を増加するように生理化学機構上作用する。自己乳化性薬剤送達システムおよび自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、天然もしくは合成油類、固体もしくは液体界面活性剤の均質な混合物として、あるいは1種もしくはそれ以上の親油性溶剤および補助溶剤としてこれまで文献に記載されている(非特許文献4)。それらのシステムの主要な特性は、それぞれ親油性または水性相による希釈に続く温和な攪拌により微細な油中水型(w/o)もしくは水中油型(o/w)エマルションまたはミクロエマルションを形成するそれらの能力である。自己乳化性薬剤送達システムおよび自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、薬剤送達システムの全重量を増加することなく高い用量の原濃縮液を調製するために適する組成物ともさらに考えられる。
【0007】
例えば5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−ピロンスルホンアミド阻害剤の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムのような数種の自己乳化性薬剤送達システム配合が文献中に記載されてはいるが、特定の適用先に対して、それらの毒性の可能性によるそれらの受容性も十分に考慮に入れて、どの油および界面活性剤を選択すべきかを予測することに薬剤配合担当者の挑戦の余地がある(非特許文献5)。さらに、化合物(1)の増加した投与剤を調製する特定の場合に、所望の治療反応を作用させるために全身循環に達するほどの受容できる薬剤レベルを確保しながら、他のパラメーター、例えば薬剤晶出および沈降回避を考慮する必要がある。従って、適合する経口生物学的受容能を示す化合物(1)の改善され実行可能な経口配合物が適切な薬剤負荷を維持できそして受容できる程度に安定であるという要求がある。
【特許文献1】欧州特許第715618号明細書
【特許文献2】国際公開(WO)第99/67417号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,248,775号明細書
【特許文献4】国際公開(WO)第03/106461号パンフレット
【特許文献5】国際公開(WO)第03/049746号パンフレット
【非特許文献1】Bioorganic and Chemistry Letters,第8巻,687−690ページ、1998;“Potent HIV protease inhibitors incorporating high−affinity P2−ligands and (R)−(hydroxyethylamino)sulfonamido isostere”
【非特許文献2】Humberstone and Charman,1997,Elsevier Science
【非特許文献3】Charman 2000,Jour.Pharm.Sci.第89巻、第8号
【非特許文献4】Constantinides,Pharm.Res.12(1995)1561−1572
【非特許文献5】E.C.Swenson and W.J.Curatolo,Adv.Drug Deliv.Rev.8:39−93(1992)
【発明の開示】
【0008】
上記の限定条件を考慮して、本発明者らは、化合物(I)が、一定の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムと組み合わさった場合に、自発的にミクロエマルションを形成できることを意外にも発見した。それらのミクロエマルションは、有利にも、薬剤の高い吸収速度、その結果その生物学的利用能の上昇を示した。
【0009】
さらに、核生成抑制剤および親水性溶剤を本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システム内に組合せることにより、製薬学的担体中の薬剤の溶解度が著しく上昇し、一方では薬剤沈降の危険が最低となることも発見した。従って、かかる改善は、薬剤負荷の増加を可能とし、ならびにそれらの投与剤型において薬剤の十分な安定性をもたらす。
【0010】
一方では、核生成抑制剤は予備濃縮物の粘度を上昇し、従ってエマルションの形成に不利となり、他方では親水性溶剤の予備濃縮物への添加は薬剤の生物学的利用能を低下させる。この観点から、Hoffmann La Rocheによる米国特許第6,008,228号明細書は、プロテイナーゼ阻害剤の生物学的利用能を増加するミクロ乳化組成物を開示し、該組成物は、プロテイナーゼ阻害剤、アルコールとC8−10脂肪酸とのエステル、例えばCapmul MCM、親水性界面活性剤系、例えばCremophorまたはLabrasol、親水性溶剤、例えば0〜28%の量のPEG400、および核生成抑制剤、例えば重量基準で0〜30%、好ましくは20〜30%の量のPVP K30を含んでなる。
【0011】
意外にも本発明において、1%(重量/重量)〜60%(重量/重量)の範囲内の親水性溶剤と0.1%(重量/重量)〜4%(重量/重量)の範囲内の核生成抑制剤を組合わせることにより、その配合物が、従来技術と比較して、薬剤の溶解度を上昇しそして沈降を最小とする利点を示した。さらに、該組合せは、それら2種の賦形剤をそれぞれ分離して使用することを推奨する従来技術の偏見に挑戦した。
【0012】
さらに、提案する配合物は、アルコールベースの溶剤を含むけれども、アルコールがカプセルカバーに浸透して脆化を起こす従来技術のカプセル入り自己乳化性薬剤送達システムおよび自己ミクロ乳化性薬剤送達システムが示した欠点を示さない。従来技術はアルコールベースの親水性溶剤系を使用しないかまたはその量を減少させているが、本発明は、カプセルの安定性を危うくすることなくアルコールベースの溶剤を含んでいる。同様に、本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムを含むカプセルは、時間が経過しても軟化および相互の付着の傾向を示さない。
【0013】
その上、本配合物の成分は、基本的な混合機を必要とするだけで、満足すべき加工特性を有する。従って、本発明は生理化学的に安定で製薬学的に許容できる経口投与剤型態物の経済的な生産および加工を可能とする。
【0014】
Gaoらによる米国特許公開(US)第20030044434号明細書は、親油性化合物のための自己乳化性配合物に関し、それは親油性で製薬学的に活性な薬剤、16〜22個の炭素鎖長を有する不飽和脂肪酸のジグリセリドとモノグリセリドエステルの混合物、1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容できる溶剤、および1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容できる界面活性剤を含んでなる。
【0015】
Hovid Sdn Bhdによる欧州特許(EP)第1170003号明細書は、水性媒体の存在下でほとんど攪拌しないで自己乳化する脂肪溶解性薬剤の配合物に関し、それは適切な油および適切な界面活性剤系と薬剤の混合物を含んでなる。
【0016】
日本化薬株式会社による特開2001−151669号明細書は、経口投与のための自己乳化性製剤を開示している。その成分は、グリセリンの脂肪酸エステルおよび/またはプロピレングリコールの脂肪酸エステル20〜50重量%、界面活性剤10〜60重量%、極性有機溶剤10〜60重量%、および薬効成分0.1〜30重量%を含む。
【0017】
Basf AGによる国際公開(WO)第01/091727号パンフレットは、一種の有効物質、脂質成分、結合剤成分、および必要に応じてその他の補助材料を含んでなる自己乳化性配合物を開示している。該脂質成分は脂肪酸、トリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリドから選択され、そしてHLB(親水性親油性比)値は大きくても12、好ましくは8〜5を示す。結合剤成分は、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキル・アルキルセルロース、フタル酸セルロース、ポリアルキレングリコール、および(メタ)アクリレートから選択される。
【0018】
Pharmasolutions Incによる国際公開(WO)第00/033862号パンフレットは、プロピレングリコールエステルの全重量に基づくモノエステルの少なくとも約60重量%を有するC6−C18脂肪酸のプロピレングリコールエステルと組合さった親油性薬剤、および非イオン界面活性剤を含んでなる製薬学的組成物を開示し、該非イオン界面活性剤は、水性媒体と接触させた場合にプロピレングリコールエステルと薬剤とのミクロエマルションを形成するために十分な量が存在する。
【0019】
Port Systems L.L.C.による米国特許第5993858号明細書は、油またはその他の脂質物質、界面活性剤、および親水性補助界面活性剤を含むエマルションを含む方法および配合物、およびそれにより配合される薬剤に関する。
【0020】
Gattefosse ETS SAによる国際公開(WO)第95/08983号パンフレットは、一種の活性成分、親油相、界面活性剤、補助界面活性剤、親水相を含んでなるミクロエマルションを形成する製薬学的組成物に関する。
【0021】
Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals,Inc.による国際公開(WO)第02/36110号パンフレットは、アルコールおよびプロピレングリコールを本質的に含まず、ピラノンプロテアーゼ阻害剤、1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容できる界面活性剤、およびポリエチレングリコール溶剤、および中鎖モノ−およびジグリセリドを含んでなる親油性成分、および場合により塩基性アミンを含んでなるピラノンプロテアーゼ阻害化合物のミクロエマルションに関する。
【0022】
Upjohn Co.による国際公開(WO)第99/06043号パンフレットは、ピラノン化合物、ジグリセリドおよびモノグリセリドの混合物、1種もしくはそれ以上の溶剤および1種もしくはそれ以上の界面活性剤を含んでなる自己乳化性配合物を開示している。Upjohn Co.による国際公開(WO)第99/06044号パンフレットは、同様にピラノン化合物、塩基性アミン、1種もしくはそれ以上の溶剤および1種もしくはそれ以上の界面活性剤を含んでなる自己乳化性配合物を開示している。
【0023】
Abbott Laboratoriesによる国際公開(WO)第98/22106号パンフレットは、HIVプロテアーゼを阻害するための経口液体自己乳化性製薬学的組成物を開示している。かかる組成物は、長鎖脂肪酸組成物、および製薬学的に許容できるアルコール、および場合により界面活性剤(例えばCremophor EL、BASF
Corp)を含んでなる。
【0024】
Hoffmann La Rocheによる国際公開(WO)第96/39142号パンフレットは、プロテアーゼ阻害剤の製薬学的組成物を教示している。該組成物は、中鎖天然C6〜C12脂肪酸のモノグリセリドを含んでなる製薬学的に許容できる担体を含む。
【0025】
Abbott Laboratoriesによる国際公開(WO)第95/07696号パンフレットは、製薬学的に許容できる有機溶剤中のHIVプロテアーゼ阻害化合物の溶液を含んでなる製薬学的組成物を記載し、該溶剤は製薬学的に許容できるアルコールを含んでなる。該溶液は、場合により硬質ゼラチンカプセルまたは軟質弾性ゼラチンカプセル内にカプセル化できる。該組成物は場合により製薬学的に許容できる酸を含んでなることができる。該組成物は、場合により、グリセリン、製薬学的に許容できる界面活性剤および抗酸化剤から独立して選択される添加剤または添加剤の混合物を含んでなることができる。
【0026】
発明の要旨
本発明は、
(a)(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、その塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物の治療有効量、および
(b)
・アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステル、
・親水性界面活性剤系、
・核生成抑制剤、および
・親水性溶剤、
を含んでなる担体
を含んでなる製薬学的配合物を提供する。
【0027】
本発明は、該調合物を組み込んだ投与剤型も提供する。
【0028】
本発明は、該配合物および投与形態物の製造のための方法をさらに提供する。
【0029】
さらに、本発明は、HIV感染患者またはAIDS罹患患者への投与およびその処置の方法を提供する。
【0030】
発明の詳細な記述
本発明は、アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステル、親水性界面活性剤系、核生成抑制剤および親水性溶剤を含んでなる製薬学的担体と組合さった(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、その塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物を含んでなる製薬学的配合物を提供する。
【0031】
具体的には、本発明は、C6−12脂肪酸のプロピレングリコールエステルの薬剤を可溶化するために有効な量、水性媒体と接触された場合にプロピレングリコールエステルと薬剤とのミクロエマルションを形成するために十分な量で存在する少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含んでなる親水性界面活性剤系、0.1%(重量/重量)〜4%(重量/重量)の範囲内の核生成抑制剤、および1%(重量/重量)〜60%(重量/重量)の範囲内の親水性溶剤を含んでなる製薬学的担体と組合さった治療有効量の化合物(I)、または製薬学的に許容できるその擬似多形形態物を含んでなる製薬学的配合物を提供する。
【0032】
本発明の製薬学的配合物は、十分な量の水性媒体と混合させると水中油(o/w)ミクロエマルションを成形できる自己ミクロ乳化性薬剤送達システムである。このミクロエマルションは、一旦形成されると、親水相および親油相の混合物を含んでなる。自己乳化性または自己ミクロ乳化性薬剤送達システムの場合に、水性媒体すなわち親水相は、ヒト身体により、すなわち胃腸管内の胃腸液により提供される。ミクロエマルションは、連続媒体中に分散された本質的に均質でそして球形の小滴から成る。ミクロエマルションは、その熱力学的安定性、光学的清澄性、すなわち本質的に濁りがないこと、透明または不透明、そしてサブミクロン範囲の小さい平均粒径、すなわち約0.5μmに等しいかそれ以下の粒径、好ましくは0.25μmより小さいかまたはそれに等しい粒径を特徴とする。平均粒径は、他の因子のなかでも、特に水性媒体との攪拌速度に依存する。
【0033】
自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、自己ミクロ乳化性原濃縮物、または自己ミクロ乳化性配合物とも呼ばれ、それらはすべて本発明中では同等の用語と見なされる。製薬学的配合物の分類中で、自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、自己乳化性薬剤送達システムの部類の一員と見なされ、以上に記載したように相内で特定の平均粒径を示す特性を有する。自己乳化性薬剤送達システムまたは自己ミクロ乳化性薬剤送達システムに関するこれ以上の情報に関しては、C.W.Pouton,“Formulation of Self−Emulsifying Drug Delivery Systems”,Advanced Drug Delivery Rewiews,25(1997)47−58(引用することにより本明細書に編入される)中に見られる。
【0034】
「担体」の用語は技術用語である。本明細書中で使用される場合に、「担体」の用語は生物学的膜を通過しまたは生物学的液体内で薬剤を輸送する組成物を指す。具体的には、本発明の担体は、アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステル、少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含んでなる親水性界面活性剤系、核生成抑制剤、親水性溶剤および場合によりその他の通常その中に存在する賦形剤を含んでなり、それらは本明細書の以下に記載する。
【0035】
本発明で配合される薬剤は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、および製薬学的に許容できるその塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物である。
【0036】
式(I)の化合物の関係する擬似多形形態物は、国際公開(WO)第03/106461号パンフレット(引用することにより本明細書に編入される)中に開示されている。具体的には、擬似多形形態物は、エタノラート、水和物、メタノラート、アセトナート、ジクロロメタナート、エチルアセタート溶媒和物、1−エトキシ−2−プロパノラート、アニソラート、テトラヒドロフラナート、イソプロパノラート、メシラートを含み、化合物と溶剤との比(5:1)〜(1:5)、好ましくは約(1:1)の化合物と溶剤との比である。好ましい態様では、薬剤は式(I)の化合物のエタノラート形態、あるいはその一水和物および二水和物形態物である。
【0037】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート エタノーラートは、溶解姓に関して欧州薬局方によると極微溶解性として定められ、そして親油性化合物、または疎水性化合物とも分類される。
【0038】
「親油性化合物」の用語は、logPが約2、pH範囲2〜6で低い固有の水溶性(0.09〜0.18mg/ml)、および本発明の自己ミクロ乳化性配合物担体中への溶解度が1mg/mlより大きいかまたはそれに等しい化合物を指す。logP値は、オクタノールと水相との間の分配係数のような二相系内の化合物の分配挙動として測定され、それは実験的にまたは市場で入手できるソフトウエアによる計算のいずれかにより決定される。
【0039】
薬剤は、配合物の全量に基づいて約2〜80%(重量/重量)の濃度で自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物中に存在してもよい。好ましくは、薬剤は5〜50%、さらに好ましくは10〜30%、その上さらに好ましくは約10、12、14、16、18、20、22、25、27、28または30%の濃度で存在する。
【0040】
本自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物の親油相成分は、アルコールとC6“12脂肪酸または油とのエステルを含んでなる。例えば、かかるアルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、ペンタエリトリトール、およびそれらの組み合わせおよび混合物を含む。
【0041】
好適には、この親油相成分は、ポリエチレングリコール脂肪酸モノ−、ジ−エステルおよびそれらの混合物、アルコール−油エステル交換製品、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、モノ−およびジグリセリド、ポリグリセロール化脂肪酸または脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、低級アルコー
ル脂肪酸エステルを包含する。
【0042】
グリセロールと脂肪酸とのエステルは、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドであってもよい。グリコール型アルコールとのエステルは、モノエステルまたはジエステルとなる。双方の形のエステル、それらの混合物および組合せは、本発明の親油相の定義内にあると意図する。「グリセロール」、「グリセリン(glycerine)」または「グリセリン(glycerin)」の用語は、同等とみなされる。
【0043】
6−12脂肪酸により、飽和または不飽和、線状または分枝状鎖、置換または非置換で、炭素原子6〜12個を有する脂肪酸または脂肪酸混合物そして好ましくは炭素原子8〜10個を有するものを意味する。C6−12脂肪酸の例は、例えばカプロン酸(炭素原子6個)、カプリル酸(炭素原子8個)、カプリン酸(炭素原子10個)、およびラウリン酸(炭素原子12個)を含む。カプリル酸およびカプリン酸が好ましい。
【0044】
異なるC6−12脂肪酸の混合物をアルコールとエステル化するために使用してもよく、好ましくは2種の脂肪酸、例えばカプリル酸とカプリン酸をアルコールとエステル化するために使用し、さらに好ましくはただ一種のC6−12脂肪酸、例えばカプリル酸をアルコールとエステル化するために使用する。
【0045】
脂肪酸鎖は炭素−炭素二重結合を含んでもよい。好ましくは、鎖は4個える越す二重結合を含まずそしてさらに好ましくは2個を越える炭素−炭素二重結合を含まない。最も好ましくは、脂肪酸鎖は炭素−炭素二重結合を含まない。本発明の脂肪酸は分枝状であってもよいが、しかし直鎖状脂肪酸の使用が好ましい。脂肪酸が偶数の炭素原子を含むと好ましい。
【0046】
一般に使用される油はヒマシ油または水添ヒマシ油である。
【0047】
「モノグリセリド」の用語とは、構造式HO−CH−CH(OH)−CH−O−CO−RまたはHO−CH−CH(O−CO−R)−CH−OH(式中、Rは炭素原子6〜12個を有するアルキルまたはアルケニル基である)を有するグリセロールの脂肪酸エステルを意味する。「ジグリセリド」の用語とは、構造式HO−CH−CH(O−CO−R)−CH−O−CO−RまたはR−CO−O−CH−CH(OH)−CH−O−CO−R(式中、それぞれのRは同一または異なってもよくそして炭素原子6〜12個を有するアルキルまたはアルケニル基である)を有するグリセロールの脂肪酸エステルを意味する。「トリグリセリド」の用語とは、構造式R−CO−O−CH−CH(O−CO−R)−CH−O−CO−R(式中、Rは同一または異なってもよくそして炭素原子6〜12個を有するアルキルまたはアルケニル基である)を有するグリセロールの脂肪酸エステルを意味する。「ポリグリセロール化」の用語とは、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、および高級オリゴマー型のグリセロールポリエーテルを含むがそれらに限定はされないポリグリセロールの脂肪酸エステルを意味する。
【0048】
モノ−ジ−およびトリ−グリセリドは部分的にエトキシル化されてもよく、その際、遊離ヒドロキシル基がエチレングリコールまたはエチレンオキシドを用いてエトキシル化される。
【0049】
ポリエチレングリコール(PEG)とは、一般式HO−(CH−CH−O)−H(式中、mはオキシエチレン基の平均数を表す)を有するポリマーを意味する。PEGの後の数は、ポリマーの平均分子量を示す。m=1の場合にはエチレングリコールまたは1,2ジヒドロキシエタンが得られる。
【0050】
プロピレングリコールまたはPPGとは、一般式HO−(CH−CH−CH−O)−H(式中、nはオキシプロピレン基の平均数を表す)を有するポリマーを意味する。PPGの後の数は、ポリマーの平均分子量を示す。N=1の場合にはプロピレングリコールまたは1,3−ジヒドロキシプロパンが得られ、しかしプロピレングリコールの用語は1,2−ジヒドロキシプロパンも指し、1,2−ジヒドロキシプロパンが最も好ましい。
【0051】
「モノエステル」の用語とは、構造式R−CO−O−〔(CH2−3−O〕m/n−H、またはHO−〔(CH2−3−O〕m/n−CO−R(式中、それぞれのRは同じかまたは異なってもよくそして炭素原子6〜12個を有するモノアルキル、ジアルキル、モノアルケニル、またはジアルケニル基である)を有するPEG、PPG、エチレングリコール、またはプロピレングリコールの脂肪酸エステルを意味する。「ジエステル」の用語とは、構造式R−CO−O−〔(CH2−3−O〕m/n−CO−R(式中、それぞれのRは同じかもしくは異なってもよくそして炭素原子6〜12個を有するモノアルキル、ジアルキル、モノアルケニル、またはジアルケニル基であり、または式中、プロピレングリコールは1,2,ジヒドロキシプロパンである)を有するPEG、PPG、エチレングリコール、またはプロピレングリコールの脂肪酸エステルを意味する。後者のジエステルはR−CO−O−CH−CH(O−CO−R)−CHである。
【0052】
本発明に使用される親油相は、製薬学的組成物中で親油性薬剤を可溶化するために十分な量で自己ミクロ乳化性薬剤送達システム中に存在する。好ましくは、自己ミクロ乳化性薬剤送達システム中に存在する量は、自己ミクロ乳化性薬剤送達システムの全量に基づいて2〜90%(重量/重量)、好ましくは2〜70%(重量/重量)の量、さらに好ましくは2〜60%(重量/重量)の量、その上さらに好ましくは5〜30%(重量/重量)の量の範囲、例えば約8%、12%、16%、20%、22.4%、23%、24%または27.5%である。
【0053】
薬剤の親油相に対する重量比は、それぞれ約1:0.5〜約1:10の範囲、好ましくは約1:1〜約1:5の範囲、さらに好ましくは約1:1.5〜約1:4でもよく、そして最も好ましくは薬剤および親油相は約1:1.5〜約1:3.5の重量比で存在する。
【0054】
プロピレングリコールの脂肪酸エステルは、好ましくは本発明中で親油相として使用されてもよい。この場合、モノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol(R)90、Gattefosse)が最も好ましい。それはプロピレングリコールエステルの全重量に基づいて少なくともモノエステル約90%を含む、すなわちヒドロキシ基の1個のみがエステル化されているプロピレングリコールのカプリル酸エステル化製品である。「重量に基づいて少なくとも約90%のモノエステルを含むプロピレングリコールのエステル」の用語は、エステル化反応において形成されたエステルの重量基準で少なくとも90%〜最大100%がモノエステルであることを意味し、しかし低い割合のモノエステル、例えば60%、65%、70%、75%、80%または85%も可能であり、そして本発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
親油相として使用するために適するその他の好ましい賦形剤は、Capmul(R)MCM(Abitec Corp.)、およびGelucire44/14(Gattefosse)である。
【0056】
界面活性剤は、親油相が親水相と接触した場合に乳化を促進する界面活性両親媒性化合物である。両親媒性の用語は、化合物が疎水性および親水性部分を有することを意味する。本発明の自己ミクロ乳化性賦形剤配合への使用に適する界面活性剤は、好ましくは親水性である。それらは性質がイオン性でも非イオン性でもよいが、非イオン界面活性剤が好ましい。親水性とは、水中油(ミクロ)エマルションを形成できる界面活性剤を意味する。
【0057】
「界面活性剤系」の用語は、1個もしくはそれ以上の界面活性剤を含んでなる系を意味する。実際には、本発明に使用される界面活性剤系は、HLBシステムに基づいて8〜18の総括HLB値を有するべきである。好ましくは、界面活性剤系のHLB範囲は、約8〜15、さらに好ましくは約9〜11、その上さらに好ましくは約10、10.1、10.2、10.3または10.4である。10を越えるHLBの値は親水性界面活性剤を定義するための境界値として当該技術分野では便宜的に考えられている。その他の報告は、8〜18のHLB範囲がo/wミクロエマルションを形成するために適当と考えている。いずれかのHLB値を有しそれでもo/wミクロエマルションを形成できる界面活性剤も、本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムに適する。従って、界面活性剤系は、最終界面活性剤系がo/wエマルション、殊にはo/wミクロエマルションを形成できる限り、10より低いかまたは8より低いHLBか、もしくはさらに親油性であるか、または界面活性剤系の総括HLBが少なくとも8を越える1種もしくはそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系の最終HLB値を算出するために、Griffin(1949,1954)による方法を使用してもよい。該方法は、特定の油/水の組み合わせの物理的に安定な配合物を生成するために必要な界面活性剤の相対量の計算をさらに可能とする。
【0058】
本発明に適する界面活性剤は、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換製品、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポロキサマー、モノ−およびジグリセリド、ポリグリセロール化脂肪酸、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、糖エステル、およびイオン性界面活性剤を含むが、それらに限定はされない。
【0059】
1.ポリエチレングリコール脂肪酸モノ−、ジ−エステル、およびそれらの混合物
このタイプの界面活性剤の例は、下記を含むが、それらに限定はされない:PEG−4−100モノラウリン酸エステル(Crodet Lシリーズ、Croda);PEG−4−100モノオレイン酸エステル(Crodet Oシリーズ、Croda);PEG−4−100モノステアリン酸エステル(Crodet Sシリーズ、Croda Myrjシリーズ、Atlas/ICI);PEG−400ジステアリン酸エステル(Cithrol 4DSシリーズ、Croda);PEG100、200、300モノラウリン酸エステル(Cithrol MLシリーズ、Croda);PEG100、200、300モノオレイン酸エステル(Citrol MOシリーズ、Croda、Algon
OL 60、Mosselman NV);PEG400ジオレイン酸エステル(Cithrol 4DOシリーズ、Croda);PEG400−1000モノステアリン酸エステル(Cithrol MSシリーズ、Croda);PEG−4ラウリン酸エステル(Mapeg(R)200ML、PPG、Kessco(R)PEG200ML、Stepan、LIPRPEG 2L、Lipo Chem);PEG−4オレイン酸エステル(Mapeg(R)200MO、PPG、Kessco(R)PEG200MO、Stepan);PEG−4ステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG200MS、Stepan、Hodag 20S、Calgene、Nikkol MYS−4、Nikko);PEG−5ステアリン酸エステル(Nikkol TMGS−5、Nikko);PEG−5オレイン酸エステル(Nikkol TMGO−5、Nikko);PEG−6オレイン酸エステル(Algon OL60、Auschem SpA、Kessco(R)PEG300MO、Stepan、Nikkol MYO−6、Nikko、Emulgante A6、Condea);PEG−7オレイン酸エステル(Algon
OL70、Auschem SpA);PEG−6ラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG300ML、Stepan);PEG−7ラウリン酸エステル(Lauridac 7、Condea);PEG−6ステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG300MS、Stepan);PEG−8ラウリン酸エステル(Mapeg(R)400ML、PPG、LIPOPEG 4DL、Lipo Chem);PEG−8オレイン酸エステル(Mapeg(R)400MO、PPG、Emulgante A8、Condea);PEG−8ステアリン酸エステル(Mapeg(R)400MS、PPG、Myri45);PEG−9オレイン酸エステル(Emulgante A9、Condea); PEG−9ステアリン酸エステル(Cremophor S9、BASF);PEG−10ラウリン酸エステル(Nikkol MYL−10、Nikko、Lauridac 10、Croda);PEG−10オレイン酸エステル(Nikkol MYO−10、Nikko);PEG−10ステアリン酸エステル(Nikkol MYS−10、Nikko、Coster K100、Condea);PEG−12ラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG600ML、Stepan);PEG−12オレイン酸エステル(Kessco(R)PEG600MO、Stepan);PEG−12リシノール酸エステル、PEG−12ステアリン酸エステル(Mapeg(R)600MS、PPG、Kessco(R)PEG600MS、Stepan);PEG−15ステアリン酸エステル(NikkolTMGS−15、Nikko、Koster K15、Condea);PEG−15オレイン酸エステル(Nikkol TMGO−15、Nikko);PEG−20ラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG1000MO、Stepan);PEG−20オレイン酸エステル(Kessco(R)PEG1000MO、Stepan);PEG−20ステアリン酸エステル(Mapeg(R)1000MS、PPG、Kessco(R)PEG1000MS、Stepan、Myrj49);PEG−25ラウリン酸エステル(Nikkol MYS−25、Nikko);PEG−32ラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG1540ML、Stepan);PEG−32オレイン酸エステル(Kessco(R)PEG1540MO、Stepan);PEG−32ステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG1540MS、Stepan);PEG−30ステアリン酸エステル(Myrj51);PEG−40ラウリン酸エステル(Crodet L40、Croda);PEG40オレイン酸エステル(Crodet O40、Croda);PEG−40ステアリン酸エステル(Myrj52、Emerest(R)2715 Henkel、Nikkol MYS−40、Nikko);PEG−45ステアリン酸エステル(Nikkol MYS−45、Nikko);PEG−50ステアリン酸エステル(Myrj53);PEG−55ステアリン酸エステル(Nikkol MYS−55、Nikko);PEG−100オレイン酸エステル(Crodet O−100、Croda);PEG−100ステアリン酸エステル(Myrj59、Arlacel 165、ICI);PEG−200オレイン酸エステル(Albunol 200MO、Taiwan Surf.);PEG−400オレイン酸エステル(LACTOMUL、Henkel、Albunol 400MO、Taiwan Surf.);PEG−600オレイン酸エステル(Albunol 600MO、Taiwan Surf.);PEG−4ジラウリン酸エステル(Mapeg(R)200DL、PPG、Kessco(R)PEG200DL、Stepan、LIPOPEG 2−DL、Lipo Chem);PEG−4ジオレイン酸エステル(Mapeg(R)200DO、PPG);PEG−6ジラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG300DL、Stepan);PEG−6ジオレイン酸エステル(Kessco(R)PEG300DO、Stepan);PEG−6ジステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG300DS、Stepan);PEG−8ジラウリン酸エステル(Mapeg(R)400DL、PPG、Kessco(R)PEG−400DL、Stepan、LIPOPEG 4DL、Lipo Chem);PEG−8ジオレイン酸エステル(Mapeg(R)400DO、PPG,Kessco(R)PEG−400DO、Stepan、LIPOPEG 4O、Lipo Chem);PEG−8ジオレイン酸エステル(Mapeg(R)400DO、Stepan、LIPOPEG4 O、Lipo Chem);PEG−8ジステアリン酸エステル(Mapeg(R)400DS、PPG、CDS400、Nikkol);PEG−10ジパルミチン酸エステル(Polyaldo 2PKFG);PEG−12ジラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG600DL、Stepan);PEG−12ジステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG600DS、Stepan);PEG−12ジオレイン酸エステル(Mapeg(R)600DO、PPG、Kessco(R)PEG600DO、Stepan);PEG−20ジラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG1000DL、Stepan);PEG−20ジオレイン酸エステル(Kessco(R)PEG1000DO、Stepan);PEG−20ジステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG1000DS、Stepan);PEG−32ジラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG1540DL、Stepan);PEG−32ジオレイン酸エステル(Kessco(R)PEG1540DO、Stepan);PEG−32ジステアリン酸エステル(Kessco(R)PEG1540DS、Stepan);PEG−400ジオレイン酸エステル(Cithol 4DOシリーズ、Croda);PEG−400ジステアリン酸エステル(Cithol 4DSシリーズ、Croda);PEG4−150モノ、ジラウリン酸エステル(Kessco(R)PEG200−6000モノ、ジラウリン酸エステル、Stepan);PEG4−150モノ、ジオレイン酸エステル(Kessco(R)PEG200−6000モノ、ジオレイン酸エステル、Stepan);PEG4−150モノ、ジステアリン酸エステル(Kessco(R)200−6000モノ、ジステアリン酸エステル、Stepan)。
【0060】
2.アルコール−油エステル交換製品
この分類中有で最も一般的に使用される油は、ヒマシ油または水添ヒマシ油、または食用植物油、例えばコーン油、オリーブ油、ラッカセイ油、パーム核油、杏仁油、またはアーモンド油である。好ましいアルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、およびペンタエリトリトールを含む。この分類中の好ましい界面活性剤はCremophorRH40である。その他の例は、PEG−5、9、および16ヒマシ油(ACCONON CAシリーズ、ABITEC);PEG−20ヒマシ油(Emalex C−20、Nihon Emulsion、Nikkol CO−20TX、Nikko);PEG−23ヒマシ油(Emulgante EL32);PEG−30ヒマシ油(Emalex C−30、Nihon Emulsion、Alkamuls(R)EL620、Rhone−Poulenc、Incrocas 30、Croda);PEG−35ヒマシ油(CremophorELおよびEL−P、BASF、Emulphor EL、Incrocas−35、Croda、Emulgin RO35、Henkel);PEG−38ヒマシ油(Emalgante EL65、Condea);PEG−40ヒマシ油(Emalex C−40、Nihon Emulsion、Alkamuls(R)EL719、Rhone−Poulenc);PEG−50ヒマシ油(Emalex C−50、Nihon Emulsion);PEG−56ヒマシ油(Emulgin(R)PRT56、Pulcra SA);PEG−60ヒマシ油(Nikkol CO−60TX、Nikko);PEG−100ヒマシ油、Thornley);PEG−200ヒマシ油(Emulgin(R)PRT200、Pulcra SA);PEG−5水添ヒマシ油(Nikkol HCO−5、Nikko);PEG−7水添ヒマシ油(Simusol(R)989、Seppic、Cremophor WO7、BASF);PEG−10水添ヒマシ油(Nikkol HCO−10、Nikko);PEG−20水添ヒマシ油(Nikkol HCO−20、Nikko);PEG−25水添ヒマシ油(Simusol(R)1292、Seppic、Cerex ELS250、Auschem SpA);PEG−30水添ヒマシ油(Nikkol HCO−30、Nikko);PEG−35水添ヒマシ油(Nikkol HCO−35、Nikko);PEG−40水添ヒマシ油(Cremophor、RH45、BASF、Croduret、Croda、Emulgin HRE、Henkel、Nikkol HCO−40、Nikko);PEG−45水添ヒマシ油(Cerex ELS450、Auschem SpA);PEG−50水添ヒマシ油(Emalex HC−50、Nihon Emulsion、Nikkol HCO−50、Nikko);PEG−60水添ヒマシ油(Nikkol HCO−60、Nikko、Cremophor RH60、BASF);PEG−80水添ヒマシ油(Nikkol HCO−80、Nikko);PEG−100水添ヒマシ油(Nikkol HCO−100、Nikko);PEG−8コーン油(Labrafil(R)WL2609BS、Gattefosse);PRG−20コーングリセリド(Crovol M40、Croda);PEG−20アーモンドグリセリド(Crovol A40、Croda);PEG−25トリオールケート(triolcate、TAGAT(R)TO、Goldschmidt);PEG−40パーム核油、Crovol PK−70);PEG−60コーングリセリド(Crovol M70、Croda);PEG−60アーモンドグリセリド(Crovol A70、Croda);PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol、Gattefosse、Labrafac CM10、Gattefosse);PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、Softigen(R)767、Huls、Glycerox767、Croda);Lauroylmacrogol−32グリセリド(Gelucire(R)44/14、Gattefosse);Stearoyl macrogol−32グリセリド(Gelucire(R)50/13、Gattefosse)を含んでなる。
【0061】
界面活性剤のこの分類中の油として油溶性ビタミン物質も含まれる。油溶性ビタミン物質は、ビタミンA、D、E、K、およびそれらの異性体、類似体および誘導体を含む。誘導体は、それらの油溶性ビタミン物質の有機酸エステル、例えばビタミンAまたはビタミンEとコハク酸のエステルを含む。従って、それらのビタミンの誘導体、例えばトコフェリルPEG−1000コハク酸エステル(ビタミンE TPGS、Eastmanから入手可能)およびPEG部分が種々の分子量、例えばPEG100〜8000を有するその他のトコフェリルPEGコハク酸エステル誘導体も適当な界面活性剤である。
【0062】
3.ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル
これらは、なかでも、PEG−20グリセリルラウリン酸エステル(Tagat(R)L、Goldschmidt);PEG−30グリセリルラウリン酸エステル(Tagat(R)L2、Goldschmidt);PEG−15グリセリルラウリン酸エステル(Glycerox Lシリーズ、Croda);PEG−40グリセリルラウリン酸エステル(Glycerox Lシリーズ、Croda);PEG−20グリセリルステアリン酸エステル(Capmul(R)EMG、ABITEC、Aldo(R)、MS−20 KFG、Lonza);PEG−20グリセリルオレイン酸エステル(Tagat(R)O、Goldschmidt);PEG−30グリセリルオレイン酸エステル(Tagat(R)O2、Goldschmidt)を含む。
【0063】
4.ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル
この分類に入る例は、PEG−10ソルビタンラウリン酸エステル(Liposorb
L−10、Lipo Chem.);PEG−20ソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween−20、Atlas/ICI、Crillet 1、Croda、DACOL MLS20、Condea);PEG−4ソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween−21、Atlas/ICI、Crillet 11、Croda);PEG−80ソルビタンモノラウリン酸エステル(Hodag PSML−80、Calgene;T−Maz28);PEG−6ソルビタンモノラウリン酸エステル(Nikkol GL−1、Nikko);PEG−20ソルビタンモノパルミチン酸エステル(Tween−40、Atlas/ICI、Crillet 2、Croda);PEG−20ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween−60、Atlas/ICI、Crillet3、Croda);PEG−4ソルビタンモノステアリン酸エステル(Tween−61、Atlas/ICI、Crillet 31、Croda);PEG−8ソルビタンモノステアリン酸エステル(DACOL MSS、Condea);PEG−6ソルビタンモノステアリン酸エステル(Nikkol TS106、Nikko);PEG−20ソルビタントリステアリン酸エステル(Tween−65、Atlas/ICI、Crillet 35、Croda);PEG−60ソルビタンテトラステアリン酸エステル(Nikkol GS−460、Nikko);PEG−5ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween−81、Atlas/ICI、Crillet 41、Croda);PEG−6ソルビタンモノオレイン酸エステル(Nikkol TO−106、Nikko);PEG−20ソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween−80、Atlas/ICI、Crillet 4、Croda);PEG−40ソルビタンオレイン酸エステル(Emalex ET8040、Nihon Emulsion);PEG−20ソルビタントリオレイン酸エステル(Tween−85、Atlas/ICI、Crillet 45、Croda);PEG−6ソルビタンテトラオレイン酸エステル(Nikkol GO−4、Nikko);PEG−30ソルビタンテトラオレイン酸エステル(Nikkol GO−430、Nikko);PEG−40ソルビタンテトラオレイン酸エステル(Nikkol GO−440、Nikko);PEG−20ソルビタンモノイソステアリン酸エステル(Tween−120、Atlas/ICI、Crillet 6、Croda);PEGソルビタンヘキサオレイン酸エステル(Atlas G−1086、ICI)である。
【0064】
5.ポリエチレングリコールアルキルエーテル
ポリエチレングリコールとアルキルアルコールとのエーテルは、本発明に使用するために適切な界面活性剤である。この分類の代表は、なかでも、PEG−3オレイルエーテル、oleth−3(Volpo 3、Croda);PEG−5オレイルエーテル、oleth−5(Volpo 5、Croda);PEG−10オレイルエーテル、oleth−10(Volpo 10、Croda、Brij96/97、Atlas/ICI);PEG−20オレイルエーテル、oleth−20(Volpo 20、Croda、Brij98/99、Atlas/ICI);PEG−4ラウリルエーテル、Laureth−4(Brij30、Atlas/ICI);PEG−9ラウリルエーテル);Peg−23ラウリルエーテル、Laureth−23(Brij35、Atlas/ICI);PEG−10セチルエーテル(Brij56、Atlas/ICI);PEG−20セチルエーテル(Brij58、ICI);PEG−10ステアリルエーテル(Brij76、ICI);PEG−20ステアリルエーテル(Brij78、ICI);PEG−100ステアリルエーテル(Brij700、ICI)を含む。
【0065】
6.ポリエチレングリコールアルキルフェノール
その例は、例えばPEG−10−100ノニルフェノール(Triton Xシリーズ、Rohm & Haas、Igepal CAシリーズ、GAF、Autarox CAシリーズ、GAF);PEG−15−100オクチルフェノールエーテル(Triton−Nシリーズ、Rohm & Haas、Igepal COシリーズ,GAF、Antarox COシリーズ、GAF)である。
【0066】
7.ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマーまたはポロキサマー
POE−POPブロックコポリマーは、ポリマー性界面活性剤の特殊な部類である。十分に定義された比および位置における親水性POEおよび親油性POP部分を有するそれらの界面活性剤の構造は、本発明に使用するために適する広範な各種の界面活性剤を提供する。それらの界面活性剤は、種々の商標、例えばSynperonic PEシリーズ
(ICI)、Pluronic(R)シリーズ(BASF)、Emkalyx、Lutrol(BASF)、Supronic、Monolan、Pluracare、およびPllurodacで入手できる。それらのポリマーに対する包括名称は「ポロキサマー」(CAS9003−11−6)である。それらのポリマーは式
HO(CO)(CO)(CO)
(式中、「a」および「b」は、それぞれポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン単位の数を示す)を有する。
【0067】
それらの化合物は相当する「a」および「b」の値を伴う包括名称で表され、例えばポロキサマー105(a=11、b=16)、ポロキサマー108(a=46、b=16)、ポロキサマー123(a=7、b=21)、ポロキサマー124(a=11、b=21)、ポロキサマー181(a=3、b=30)、ポロキサマー184(a=13、b=30)、ポロキサマー185(a=19、b=30)、ポロキサマー188(a=75、b=30)、ポロキサマー215(a=24、b=35)、ポロキサマー217(a=52、b=35)、ポロキサマー231(a=16、b=39)、ポロキサマー234(a=22、b=39)、ポロキサマー235(a=27、b=39)、ポロキサマー237(a=62、b=39)、ポロキサマー238(a=97、b=39)、ポロキサマー282(a=10、b=47)、ポロキサマー284(a=21、b=47)、ポロキサマー288(a=122、b=47)、ポロキサマー333(a=20、b=54)、ポロキサマー334(a=31、b=54)、ポロキサマー338(a=128、b=54)、ポロキサマー401(a=6、b=67)、ポロキサマー402(a=13、b=67)、ポロキサマー403(a=21、b=67)、ポロキサマー407(a=98、b=67)である。
【0068】
他のブロックコポリマーも本発明に適する。ブロックコポリマーは、異なる組み合わせおよび配列をした種々のブロック成分からなることがきで、例えばBAジブロック、ABAトリブトック、BABトリブロック、およびその他の3種以上のブロック成分を含むさらに複雑な組み合わせおよび配列がある。ブロック成分はポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(ビニルピロリドン)およびポリ(ε−カプロラクタム)のいずれかであることができる。適合するブロックコポリマーの分子量は、数千から数百万ドルトンにわたることができる。それらのブロックコポリマーは、種々のブロック成分の分布および比率に応じて親水性または親油性のいずれかであることができる。必ずしもブロックコポリマーでなくてもよいその他のコポリマーも本発明に適する。コポリマーは、複数のモノマーおよびそれらのいずれかの組み合わせから製造できる。モノマー成分は、いずれのアルキレンオキシド、乳酸、グリコール酸、ビニルピロリドン、またε−カプロラクタムであることもできる。
【0069】
その他のポロキサマーは、ポロキサミン(Poloxamine)908(Tetronic908(R))、ポロキサミン1307(Tetronic1307(R))として知られるエチレンジアミンの4官能性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、PolyglycolBM45(R)として知られるポロキサミン1107ポリオキシエチレン・ポリオキシブチレン・ブロックコポリマーを含む。
【0070】
8.モノ−およびジグリセリド
これらの界面活性剤は一般に親油性であるが、それらはさらに親水性界面活性剤を組み合わせて界面活性剤系内に含ませることができる。それらの界面活性剤の例は下記である:
モノパルミトレイン(Monopalmitolein)(C16:1、Larodan);モノエライジン(Monoelaidin)(C18:1、Larodan);モノカプロイン(Monocaproin)(C6、Larodan);モノカプリリン(Monocaprylin)(Larodan);モノカプリン(Monocaprin)(Larodan);モノラウリン(Monolaurin)(Larodan);リシノール酸グリセリル(Softigen(R)701、Huls,HODAG GMR−D、Calgene、ALDO(R)MR、Lonza);モノラウリン酸グリセリル(Aldo(R)MLD、Lonza、Hodag GML、Calgene);モノステアリン酸グリセロール(Capmul(R)GMS、ABITEC、Myvaplex、Eastman、Imvitor(R)191、Huls、Cutina(R)GMS、Aldo(R)MS、Lonza、Nikkol MGSシリーズ、Nikko);モノ−ジオレイン酸グリセリル(Capmul(R)GMO−K、ABITEC);パルミチン酸/ステアリン酸グリセリル(Cutina MD−A、Estagel−G18);酢酸グリセリル(Lamegin(R)EE、Grunau GmbH);クエン酸/乳酸/オレイン酸/リノール酸グリセリル(Imwitor(R)375、Huls);カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Imwitor(R)742、Huls);モノ、ジグリセリドの乳酸エステル(Lamegin GLP、Henkel);ジカプロイン(Dicaproin)(C6、Larodan);ジカプリン(Dicaprin)(C10、Larodan);ジオクタノイン(Dioctanoin)(C8、Larodan);ジミリスチン(Dimyristin)(C14、Larodan);ジパルミチン(Dipalmitin)(C16、Larodan);ジステアリン(Distearin)(Larodan);脂肪酸のグリセロールエステエル(Gelucire(R)37/06、Gattefosse);ジパルミトレイン(Dipalmitolein)(C16:1、Larodan)、1,2−および1,3−ジオレイン(C18:1、Larodan)、ジエライジン(Dielaidin)(C18:1、Larodan);ジリノレイン(Dilinolein)(C18:1、Larodan)。
【0071】
9.ポリグリセロール化脂肪酸または脂肪酸のポリグリセロールエステル
その例は、ポリグリセリル−2ステアリン酸エステル(Nikkol DGMS、Nikko);ポリグリセリル−2オレイン酸エステル(Nikkol DGMO、Nikko);ポリグリセリル−2イソステアリン酸エステル(Nikkol DGMIS、Nikko);ポリグリセリル−3オレイン酸エステル(Caprol(R)3GO、ABITEC、Drewpol3−1−O、Stepan);ポリグリセリル−4オレイン酸エステル(Nikkol Tetraglyn 1−O、Nikko);ポリグリセリル−4ステアリン酸エステル(Nikkol Tetraglyn 1−S、Nikko);ポリグリセリル−6オレイン酸エステル(Drewpol6−1−O、Stepan、Nikkol 9 Hexaglyn 1−O、Nikko);ポリグリセリル−10ラウリン酸エステル(Nikkol Decaglyn 1−L、Nikko);ポリグリセリル−10オレイン酸エステル(Nikkol Decaglyn 1−O、Nikko);ポリグリセリル−10ステアリン酸エステル(Nikkol Decaglyn 1−S、Nikko);ポリグリセリル−6リシノール酸エステル(Nikkol Hexaglyn PR−15、Nikko);ポリグリセリル−10リノール酸エステル(Nikkol Decaglyn 1−LN、Nikko);ポリグリセリル−6ペンタノール酸エステル(pentanolate)(Nikkol Hexaglyn 5−O、Nikko);ポリグリセリル−3ジオレイン酸エステル(Cremophor GO32、BASF);ポリグリセリル−3ジステアリン酸エステル(Cremophor GS32、BASF);ポリグリセリル−4ペンタノール酸エステル(Nikkol Tetraglyn 5−O、Nikko);ポリグリセリル−6ジオレイン酸エステル(Caprol(R)6G20、ABITEC、Hodag PGO−62、Calgene、Plurol Oleique CC497、Gattefosse);ポリグリセリル−2ジオレイン酸エステル(Nikkol DGDO、Nikko);ポリグリセリル−10トリオレイン酸エステル(Nikkol Decaglyn 3−O、Nikko);ポリグリセリル−10テトラオレイン酸エステル(Caprol(R)10G4O、ABITEC、Hodag PGO−62、CALGENE、Drewpol 10−4−O、Stepan);ポリグリセリル−10デカイソステアリン酸エステル(Nikkol Decaglyn 10−IS、Nikko);ポリグリセリル−10モノ、ジオレイン酸エステル(Caprol(R)PGE860、ABITEC);ポリグリセリル ポリリシノール酸エステル(Polymus、Henkel)を含む。
【0072】
10.ソルビタン脂肪酸エステル
脂肪酸のソルビタンエステルは、疎水性界面活性剤であるがしかし親水性界面活性剤と組み合わせて本発明に使用される。それらの界面活性剤の典型的な例は、ソルビタンモノラウリン酸エステル(Span−20、Atlas/ICI、Crill 1、Croda、Arlacel 30、ICI);ソルビタンモノパルミチン酸エステル(Span−40、Atlas/ICI、Crill 2、Croda、Nikkol SP−10、Nikko);ソルビタンモノオレイン酸エステル(Span−80、Atlas/ICI、Crill 4、Croda、Crill 50、Croda)である。
【0073】
11.プロピレングリコール脂肪酸エステル
プロピレングリコールと脂肪酸とのエステルは親油性界面活性剤であるが、しかし親水性界面活性剤と組み合わせて本発明に有用である。この部類の界面活性剤は、親油相の成分として典型的ともみなされることが認められる。
【0074】
この部類の界面活性剤の例は、限定するものではないが、プロピレングリコール モノカプリル酸エステル(Capryol(R)90,Gattefosse、NikkolSefsol218、Nikko);プロピレングリコール モノラウリン酸エステル(Lauroglycol 90、Gattefosse、Lauroglycol FCC、Gattefosse);プロピレングリコール オレイン酸エステル(Lutrol OP2000、BASF);プロピレングリコール ミリスチン酸エステル(Mirpyl);プロピレングリコール ヒドロキシステアリン酸エステル;プロピレングリコール リシノール酸エステル(Propymuls、Henkel);プロピレングリコール イソステアリン酸エステル;プロピレングリコール モノオレイン酸エステル(Myverol P−O6、Eastman);プロピレングリコールジカプリル酸/ジカプリン酸エステル(Captex(R)200、ABITEC、Miglyol(R)840、Huls、Neobee(R)M−20、Stepan);プロピレングリコール ジオクタン酸エステル(Captex(R)800、ABITEC);プロピレングリコールカプリル酸/カプリン酸エステル(Labrafac PG、Gattefosse);プロピレングリコール ジラウリン酸エステル;プロピレングリコール ジステアリン酸エステル(Kessco(R)PGDS、Stepan);プロピレングリコール ジカプリル酸エステル(Nikkol Sefsol 228、Nikko);プロピレングリコール ジカプリン酸エステル(Nikkol PDD、Nikko)である。
【0075】
12.低級アルコール脂肪酸エステル
炭素原子2〜4個を有する低級アルコールと長鎖脂肪酸、例えばC8−18脂肪酸とのエステルは、本発明における使用に同様に好適な界面活性剤であろう。この部類の代表は、オレイン酸エチル(Crodamol EO、Croda、Nikkol EOO、Nikko);ミリスチン酸イソプロピル(Crodamol IPM、Croda);パルミチン酸イソプロピル(Crodamol IPP、Croda);リノール酸エチル(Nikkol VF−E、Nikko);リノール酸イソプロピル(Nikkol VF−IP、Nikko)である。
【0076】
13.ステロールおよびステロール誘導体
ステロールおよびステロール誘導体のこの部類の好ましいステロールは、コレステロー
ルまたは有機酸とのコレステロールのエステル、例えばコハク酸コレステロールである。好ましいステロール誘導体は、ポリエチレングリコールを含むものである。それらの誘導体は、ポリエチレングリコール部分とステロール部分との間に形成される化学結合に依存してエステルおよびエーテルとなるであろう。
【0077】
その例は、コレステロール、シトステロール、ラノステロール;PEG−24コレステロールエーテル(Solulan C−24、Amerchol);PEG−30コレステロールエーテル(Nikkol DHC、Nikko);フィトステロール(Generolシリーズ、Henkel);PEG−25フィトステロール(Nikkol BPSH−25、Nikko);PEG−5ダイズステロール(Nikkol BSP−5、Nikko);PEG−10ダイズステロール(Nikkol BSP−10、Nikko);PEG−20ダイズステロール(Nikkol BSP−20、Nikko);PEG−30ダイズステロール(Nikkol BSP−30、Nikko)を含む。
【0078】
14.糖エステル
この部類には、糖エステル、例えばスクロースジステアリン酸/モノステアリン酸エステル(Sucro Ester 11、Gattefosse、Crodesta F−110、Croda);スクロースジパルミチン酸エステル;スクロースモノステアリン酸エステル(Crodesta F−160、Croda);スクロースモノパルミチン酸エステル(Sucro Ester 15、Gattefosse;スクロースモノラウリン酸エステル(Saccharose monolaurate 1695、Mitsubishi Kasei)を含む。
【0079】
15.イオン性界面活性剤
あるいは、イオン性界面活性剤も本発明に使用されてもよい。このようなものとして、カチオン性、アニオン性および双性イオン性界面活性剤が本発明における使用に適合する親水性界面活性剤であろう。典型的なイオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リソホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチリック(lactylic)エステル、ステアロイル−2−ラクチラート(lactylate)、ステアロイルラクチラート、コハク酸モノグリセリド、モノ−およびジアセチル化モノ−およびジ−アセチル化酒石酸エステル、モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステル、コール酸エステル、タウロコール酸エステル、グリココール酸エステル、デオキシコール酸エステル、タウロデオキシコール酸エステル、ケノデオキシコール酸エステル、グリコデオキシコール酸エステル、グリコケノデオキシコール酸エステル、タウロケノデオキシコール酸エステル、ウルソデオキシコール酸エステル、タウロウルソデオキシコール酸エステル、グリコウルソデオキシコール酸エステル、コリルサルコシン、N−メチルタウロコール酸エステル、カプロン酸エステル、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、オレイン酸エステル、リシノール酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、ステアリン酸エステル、ラウリル硫酸エステル、テラセシル(teracecyl)硫酸エステル、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、およびそれらの塩および混合物である。
【0080】
以上の列記は、本発明に従って使用してもよい界面活性剤の例示に役立つとの意図のみであり、いかなる意味でも網羅的または本発明を限定すると考えてはならない。
【0081】
適切な界面活性剤は、POE(40)水添ヒマシ油として知られるPEG−40水添ヒマシ油;およびPolyoxyl 40水添ヒマシ油である。PEG−40水添ヒマシ油はエチレンオキシドの平均40〜45モルとの水添ヒマシ油のPEG誘導体である。PEG−40水添ヒマシ油は同様に薬剤の可溶化剤、湿潤剤、および軟化剤として使用してもよい。それは、Cerex ELS400、Cremophor(R)RH40、Emalex HC−40、Eumulgin(R)HRE40、Sabopal ELH40、Simusol(R)1293、およびTagat(R)CH40の商標で市場で入手できる。
【0082】
別の適切な界面活性剤はビタミンE TPGS(d−アルファ トコフェリル ポリエチレングリコール1000コハク酸エステル)であり、それは好ましくはCremophor(R)RH40と混合されてもよい。ビタミンE TPGSは、薬剤の溶解度、透過性、従って生物学的利用能を増加するビタミンE誘導体の水混合性形態である。それは製薬学的に許容できる賦形剤である。
【0083】
本発明の一つの態様では、Cremophor(R)RH40とビタミンE TPGSとを含んでなる界面活性剤系は、それぞれ5:1〜1:5の範囲の比率、好ましくは3:1〜1:3の範囲の比率、さらに好ましくは2:1〜1:2の範囲の比率、そしてその上さらに好ましくはほぼ1:1の比率で含んでなる。
【0084】
薬剤の界面活性剤系に対する比率は、約1:0.5〜約1:9の範囲、さらに好ましくは約1:1〜約1:6、さらに好ましくは約1:2〜約1:5、そしてその上さらに好ましくは約1:2.5〜約1:4.8、そして最も好ましくはほぼ1:4.3である。
【0085】
該界面活性剤系は、重量基準で全組成物の約3%〜約90%、好ましくは約30%〜約90%、さらに好ましくは約50%〜約80%、最も好ましくは約55%、57%、60%、62%、70%、75%または80%を占める。該界面活性剤は、水性媒体と接触させた場合に、親油薬剤とプロピレングリコールモノエステルとのミクロエマルションを形成するために十分な量で存在する。
【0086】
本発明において、親油相は賦形剤配合内で補助界面活性剤の役割を演ずるらしいことが認められる。本明細書中に使用する場合に、「補助界面活性剤」の用語は、界面活性剤としてまたは乳化剤/可溶化剤としてのいずれとしても作用できる成分を意味する。補助界面活性剤の用語は、ミクロエマルションの形成する場合に上記の界面活性剤系を援助する親油相の協同的界面活性剤機能を指す。該補助界面活性剤は、10以下のHLB値を有するとよい。このように、親油相は、界面活性剤系の界面活性剤成分の一つとしても構成されてもよく、従って本発明中で述べられる「界面活性剤系」の用語は、親油相も含む。
【0087】
従って、親油相を構成するポリエチレングリコール脂肪酸モノ−、ジ−エステル、およびそれらの混合物;アルコール−油エステル交換製品;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;モノ−およびジグリセリド;ポリグリセロール化脂肪酸または脂肪酸のポリグリセロールエステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステルは、追加して補助界面活性剤機能を有するであろう。
【0088】
好ましい親油相成分であるプロピレングリコールモノカプリル酸エステル、またはプロピレングリコールカプリル酸エステルとも呼ばれるCapryol(R)90(Gattedosse SA)は、その可溶化および界面活性剤的性質のために補助界面活性剤として使用されてもよい。それはさらに製薬学的液体およびカプセル配合物、特には低い溶解度の薬剤のための生物学的利用能増強剤、吸収促進剤であり、そしてまたミクロエマルションの安定剤としても見なされる。それは油状液体であり、微臭性、そしてHLB値5
を有する。
【0089】
親油相の補助界面活性剤の役割にもかかわらず、補助界面活性剤が必ずしも親油相の成分ではない別の組成物も可能である。さらに、本発明は一種の補助界面活性剤のみに限定はされない。1種を越える補助界面活性剤も許容される。
【0090】
補助界面活性剤すなわち本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システム内に存在する補助界面活性剤の全量は、親油相との完全な対応とは関係なく、好ましくは約1.9〜約60%(重量/重量)、さらに好ましくは約3%〜約40%(重量/重量)、その上さらに好ましくは5〜30%(重量/重量)である。
【0091】
本発明の一つの態様では、親水性界面活性剤系の量と補助界面活性剤の量との比は、1/9〜9/1、すなち補助界面活性剤9重量部に対する界面活性剤1重量部から補助界面活性剤1重量部に対する界面活性剤9重量部である。本発明は、親水性界面活性剤系と補助界面活性剤との間の比が6/4〜9/1の範囲にあると特に有利なことが証明されている。親水性界面活性剤系と補助界面活性剤との間の好ましい比は6/4、7/3、8/2、および9/1である。
【0092】
本発明の自己ミクロ乳化性配合物は、追加して親水性溶剤、典型的には室温で液体のアルコールを含む。
【0093】
適合する親水性溶剤は、エタノール、ベンジルアルコールから選択される短鎖アルコール;アルキレングリコール、例えばプロピレングリコール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(Transcutol(R)、Gattefosse);ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール900、ポリエチレングリコール540、ポリエチレングリコール1450、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000等;グリセロール;トリアセチン;プロピレン炭酸エステル、ジメチルイソソルビド、Glycofurol;ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、およびそれらの混合物であってもよい。好ましい製薬学的に許容できるアルコールはTranscutol(R)である。
【0094】
親水性溶剤は、組成物の全重量に基づいて1%〜60%、好ましくは組成物の全重量に対して2.9%〜50%、さらに好ましくは10%〜40%、その上さらに好ましくは20%〜30%の重量比で配合物内に存在する。親水性溶剤は、薬剤に対する重量対重量比約2:1〜約1:5(薬剤:溶剤)、さらに好ましくは約1:1〜約1:3、最も好ましくは約1:1〜約1:2で配合物中に存在する。
【0095】
本発明の配合物は、本明細書中で晶出阻害剤、または結晶成長阻害剤とも呼ばれる核生成抑制剤をさらに包含する。核生成抑制剤は、薬剤が最初に溶解した後に薬剤の沈降または晶出の速度を遅くする性質を有する。それらは配合物のある種の性質、例えば粘度、浸透性、および比誘電率を調整し、ならびに可溶化剤として作用してもよい。
【0096】
核生成抑制剤は、典型的には製薬学的に許容できるポリマーであり、それらは生理学的に適切なpH(例えば1〜8)で水溶液中に可溶性である。1〜8のpH範囲にわたって少なくとも0.1mg/mlの水溶性を有する中性またはイオン化可能なポリマーが適切である。
【0097】
本発明の配合物に適切なポリマーは、合成製品、例えばアクリル酸ポリマー、ビニル誘
導体;無機および鉱物質製品;変性された天然ポリマー、例えばセルロースおよびデンプン誘導体;天然ポリマーであることができる。非ポリマー性核生成抑制剤も適切であろう。
【0098】
特定のポリマーが本発明の配合物に使用するために適するとして列挙したが、かかるポリマーのブレンドも適する。
【0099】
好ましくは、核生成抑制剤は、合成ポリマー、例えばポリビニルラクタム、殊にはポリビニルピロリドン(PVP);ビニルラクタムのコポリマー、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドンおよびN−ビニル−μ−カプロラクタム、しかし特にはN−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、例えば長鎖(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、それらは第四級化されてもよく、そして無水マレイン酸、ビニルエステル、特には酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルスルホン酸または第四級化ビニルイミダゾール;酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリビニルアルコール;(メタ)アクリル系樹脂、例えばポリ(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリレート、アクリレートコポリマー、例えばアルキルアクリレートと(メタ)アクリル酸とからのもの、およびジメチルアミノエチルアクリレートとメタクリル酸エステルとのコポリマー(例えばEudragit形);ポリアルキレングリコール、例えばポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、好ましくは分子量200〜80000を有するもの(例えばポリエチレングリコール4000);ポリアルキレンオキシド、例えばポリプロピレンオキシドおよび、特にはポリエチレンオキシド、好ましくは高分子量のもの、特には重量平均分子量10,000〜100,000を有するもの;メタクリル酸メチルとアクリル酸とのコポリマー;ポリアクリルアミド、ポリビニルホルムアミド(適切な場合には部分または完全に加水分解されているもの)の中から選択される。
【0100】
無機および鉱物質製品は、粘土、例えば水和コロイド性ケイ酸アルミニウム粘土(Bentonite(R));ケイ酸アルミニウム二水和物(カオリン);ヒュームドシリカ(Aerosil(R))を含む。
【0101】
変性された天然ポリマーは、変性デンプンおよび変性セルロース、例えばセルロースエステルおよび好ましくはセルロースエーテル、例えばメチルセルロースおよびエチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、特にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキル・アルキルセルロース、特にはヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルエチルセルロース、フタル酸セルロース、特には酢酸フタル酸セルロースおよびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン分解製品、特にはデンプン糖化製品、例えばマルトデキストリンを包含する。
【0102】
天然または主として天然のポリマーは、なかでも、ゼラチン、トラガカントガム、ポリヒドロキシアルカノアート、例えばポリヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸、ポリアミノ酸、例えばポリリシン、ポリアスパラギン、ポリジオキサンおよびポリペプチド、およびマンナン、特にはガラクトマンナンを含む。
【0103】
非ポリマー性核生成抑制剤は、例えばポリオール、例えば国際特許出願公開(WO)第98/22094号および欧州特許第0435450号の各明細書中に記載のもの、特には糖アルコール、例えばマルチトール(maltitol)、マンニトール、ソルビトール、セロビイトール(cellobiitol)、ラクチトール、キシリトール、クリトリトール(crythritol)およびイソマルト(Palatinit)も適する。
【0104】
具体的には、好ましいポリマーはポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキル・アルキルセルロース、フタル酸セルロース、ポリアルキレングリコール、(メタ)アクリル樹脂から選択される。
【0105】
さらに好ましくは、本発明のポリマーは、平均分子量3000〜500000を有するポリビニルピロリドン(Kollidon(R))、例えば平均分子量7000〜60000を有するポリビニルピロリドンであって、それは、Kollidon(R)15、Kollidon(R)17PF、Kollidon(R)25、Kollidon(R)30;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、例えばKollidon(R)VA64、Kollidon(R)SRを含む。
【0106】
核生成抑制剤は、配合物中に、組成物の全重量に基づいて、0.1%〜4%、好ましくは0.5%〜2%、さらに好ましくは0.5%〜1.5%その上されに好ましくは組成物の全重量の0.9%〜1.3%の重量比で存在する。核生成抑制剤は、薬剤に対する重量対重量比で約1:0.01〜約1:0.1(薬剤:核生成抑制剤)、さらに好ましくは約1:0.02〜約1:0.09、最も好ましくは約1:0.02〜約1:0.07で配合物中に存在する。
【0107】
一つの態様では、本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、式(I)エタノラート14%、PVP K30 1%、Polyoxyl 40水添ヒマシ油36%、プロピレングリコールモノカプリル酸エステル24%、精製ジエチレングリコールモノエチルエーテル25%を包含する。別の態様では、本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、式(I)エタノラート21.3%、PVP K30 1%、Caprylocaproyl macrogolグリセリド62.1%、Lauryl macrogolグリセリド15.5%を包含する。さらに別の態様では、自己ミクロ乳化性薬剤送達システムは、式(I)エタノラート21.3%、PVP K30 1%、Caprylocaproyl macrogolグリセリド69.9%、Lauryl macrogolグリセリド7.8%を包含する。
【0108】
本発明に使用できる適合する単位投与剤型は、例えば、硬質ゼラチンカプセル、軟質ゼラチンカプセル、錠剤、キャプレッツ、腸溶被覆錠剤、腸溶被覆硬質ゼラチンカプセル、腸溶被覆軟質ゼラチンカプセル、糖衣錠、経口液剤、シロップ剤、噴霧剤、および座薬である。軟質ゼラチンカプセル、硬質ゼラチンカプセル、腸溶被覆軟質ゼラチンカプセル、ミニカプセルおよびシロップ剤が好ましい単位投与剤型であり、軟質ゼラチンカプセルが最も好ましい単位投与剤型である。ゼラチンカプセルのサイズは、5、4、3、2、1、0、00、000、好ましくは0および00である。本発明に使用してもよい硬質ゼラチンカプセルは、種々の色および種々のクロージャタイプであってもよく、例えば典型的には、Snap−fit(R)、Coni−Snap(R)またはConi−Fit(R)、Coni−Snap Supro(R)、Licaps(R)である。軟質ゼラチンカプセルの中には、キャプシュリン(capsuline)、パール、およびグロビュールも含まれる。好ましい硬質ゼラチンカップセルはLicaps(R)である。
【0109】
一般に、本発明の自己ミクロ乳化性薬剤送達システム組成物は、種々の順序のコンパウンディングで調製できる。例えば、親油相、核生成抑制剤および親水性溶剤を温度15℃〜75℃、好ましくは20℃〜60℃、室温またはそれより高温のいずれかで混合してもよい。薬剤を加えそして溶解するまで攪拌し、次いで界面活性剤系を混和する。他の方法では、親油相を薬剤と混和し、親水性溶剤を加え、次いで核生成抑制剤および界面活性剤系を混合する。それぞれの場合に、熟練者は、自己ミクロ乳化性薬剤送達システム成分の均質な混合を促進するために好ましい混合順序および適切な作業温度を選択するであろう

【0110】
軟質ゼラチンカプセルの製造の場合に、HIVプロテアーゼ阻害薬の望ましい用量を提供するために必要な最終混合物の適当な体積を軟質ゼラチンカプセルに充填する。軟質弾性ゼラチンカプセルを製造および充填するために種々の方法、例えばシームレスカプセル法、回転法(Schererにより開発された)またはLiner機械またはAccogel機を使用する方法などが使用できる。各種の製造機械もカプセル製造のために使用できる。典型的には、軟質弾性ゼラチンカプセルは、ゲル物質の調製、充填物質のカプセル装入(カプセルの形成、充填およびシール)およびソフトゲル乾燥により調製される。
【0111】
軟質弾性ゼラチンカプセル自体の組成および調製は、当該技術分野で周知である。軟質弾性ゼラチンカプセルの組成は、典型的には、ゼラチンNF約30重量%〜約50重量%、可塑剤または可塑剤混合物約10重量%〜約40重量%および水約25重量%〜約40重量%を含んでなる。軟質弾性ゼラチンカプセル調製に有用な可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、またはソルビトール誘導体(例えばソルビトール−スペシャルなど)、プロピレングリコール、ヘキサントリオールプロピレン炭酸エステル、ヘキサングリコール、ソルビタン、テトラヒドロフリルアルコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−トリメチル−2−イミダゾリドン、ジメチルイソソルビド、など;またはそれらの組み合わせである。しかし、本発明に使用できる可塑剤は上記のものに限定はされないことを理解すべきである。
【0112】
軟質弾性ゼラチンカプセル材料は、添加剤、例えば保存剤、乳白化剤、顔料、染料または調味料なども含んでなることができる。
【0113】
錠剤、被覆錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルの製造のために、プロテアーゼ阻害剤は製薬学的に不活性な無機または有機賦形剤と共に加工できる。ラクトース、トウモロコシデンプンまたはそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸またその塩などが、例えば、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルの賦形剤として使用できる。
【0114】
製薬業界で通常使用される添加剤も製薬学的組成物および特には担体に加えることができる。それらの添加剤は、保存剤、抗酸化剤、緩衝液、顔料、着色料、甘味料、調味料、被覆剤、造粒剤、崩壊剤、滑り剤、滑沢剤、慣用のマトリックス材料、錯化剤、吸収剤、充填剤であってもよい。それらは、慣用の目的のためおよび組成物の性質に不利に影響しない典型的量で使用されてもよい。本発明の投与剤型は、その他の治療的に価値がある物質を含んでもよい。
【0115】
自己ミクロ乳化性薬剤送達システムの貯蔵は、低温、ならびに常温で行ってもよい。好ましくは、貯蔵は低温条件で行われる。
【0116】
本発明の組成物は、好ましくは、哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ブタ、マウス、ラットおよび特にはヒトに投与される。本発明の製薬学的組成物は、好ましくは経口投与に適する。
【0117】
本発明による経口単位投与剤型は、好ましくは、薬剤10mg〜1400mg、そしてさらに好ましくは50〜800mg、例えば50、75、100、108.4、150、200、216.8、250、300、325.2、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800mgの薬剤を含む。患者への薬剤の用量および投与の回数は、種々の因子、なかでも患者の年齢、患者の状態の重症度、過去の医療経歴に依存して変化しそして過重な量の実験を伴うことなく医師によりその健全な判断で決定されるであろう。
実施例
【実施例1】
【0118】
自己ミクロ乳化性薬剤送達システム硬質ゼラチンカプセルの調製
化合物(I)エタノラートを大型の物質を除くためにふるい分けした。Polyoxyl 40水添ヒマシ油279.69mgを適合する容器内に入れそして連続して攪拌しながら55〜60℃に加熱した。ポリビニルピロリドンK30(PVP K30)7.75mgおよび精製ジエチレングリコルモノエチルエーテル193.77mgを容器に加えそして溶解するまで攪拌した。ふるい分けした化合物(I)エタノラート108.4mgを強く攪拌しそして液体温度55〜60℃に保った液体流に注意して散布してゆっくりと液体に加えた。次いでプロピレングリコールモノカプリル酸エステル186.06mgを上記の液体に混和した。
【0119】
化合物(I)エタノラートがすべて溶解すると、容器を熱源から外し、攪拌を停止し、そして得られた液体を室温(約20℃)に達するまで放置した。次いで冷えた液体をLicaps(R)Swedish橙色不透明カプセル中に充填した。
【0120】
親油相内の化合物(I)エタノラートの長い溶解時間を避けるために、低くとも55℃の加熱温度を選定した。
【実施例2】
【0121】
相内粒子測定
種々の配合物の粒径をMicrotracUPA150(10nm〜3(m)により測定した。双方が40%Cremophor RH40、30%Caproyl 90、および30%Transcutol(R)、そして一方が1%PVP K30を含む2種のプラセボ配合物を種々の攪拌速度で乳化しそして粒径を測定した。
【0122】
その手順は以下である:少量の配合物および濾過脱イオン水を満たした125mLビーカーを40℃のキャビネット中で加熱した。それらをキャビネットから取り出し、そしてビーカーを300rpmおよび37℃に設定した磁気攪拌板上に置いた。自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物0.5mLをシリンジを用いて水相に15秒間で直接加え、次いで10分間攪拌した。次いでミクロエマルションを粒径測定のためにMicrotacセル内に入れた。
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
この結果は、攪拌速度がプラセボ配合物の粒径および分布に影響しないことを示した。次いで、本発明による配合物(I)中の化合物(I)エタノラートの粒径を種々の攪拌速度で測定した。
【0126】
【表3】

【0127】
混合速度は形成された小さい粒子の大部分にほとんど効果を及ぼさなかったが、粒径分布および追加の粒径の形成に対しては大きく影響した。
【実施例3】
【0128】
化合物(I)エタノラート自己ミクロ乳化性薬剤送達システムの三元図
溶解度データに基づいて、自己ミクロ乳化性薬剤送達システム技術を用いる化合物(I)エタノラートの開発に使用できる下記の賦形剤を選択した:界面活性剤としてCremophor RH40、Labrasol、そして補助界面活性剤としてCapmulMCM、Caproyl 90およびGelucire44/14。Transcutol Pは可能性がある溶剤として使用した。
【0129】
【表4】

【0130】
各配合物に対して、界面活性剤および補助界面活性剤を下記の表に示すさまざまな比で使用した。
【0131】
【表5】

【0132】
各配合物のバッチの大きさは1gであった。Transcutol Pを全賦形剤量の25%の濃度で使用した。化合物(I)50mgに相当する化合物(I)エタノラートを配合物(界面活性剤、補助界面活性剤および場合により溶剤を含む−1g)に加えた。
【0133】
それらの配合物の製造指示は以下であった:
1.固相(Cremophor RH40またはGelucire44/14)を60℃で溶融させる。
2.液相(Capryol 90、LabrasolまたはCapmul MCM)を60℃に加熱しそして場合によりTranscutol Pと60℃で混合する。
3.(1)と(2)とを均質になるまで60℃で混合する。
4.化合物(I)エタノラートを溶液(3)中に溶解し、温度を60℃に保ちそして透明溶液が得られるまで混合する。
5.溶液(4)を37℃に保持する。
【0134】
37℃で攪拌しながら化合物(I)エタノラート自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物に温度37℃で脱塩水を加えてどの配合物が透明を保つことを評価するために、それらの配合物を三元図作成のために使用する。表3には、透明を保った配合物を示してある。
【0135】
【表6】

【0136】
約500nm未満または約500nmの粒子を有する配合物を粒径分布測定を行うために選定した:D6/4、E6/4、E7/3、E8/2、E9/1およびF6/4。粒径分布の結果は体積基準である。
【0137】
【表7】

【0138】
サブミクロン粒子の大きさを測定するために、選定された配合物をMalvern Autosizer 4700を用いるさらなる測定のために提出した。ピーク分析は、強度、体積および数により行った。
【0139】
【表8】

【実施例4】
【0140】
化合物(I)エタノラート自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物(PVP K30使用)の最適化
化合物(I)エタノラートエマルションの三元図および粒径分布測定により得られた結果(実施例4参照)に基づいて、配合物D6/4、E6/4、E7/3、E8/2、E9/1およびF6/4をPVP K30核生成抑制剤を用いる最適化のために選定した。
【0141】
各配合物のバッチの大きさは10gであった。Transcutol Pを濃度25%で使用した。PVP K30は種々の濃度で使用した:0%、0.5%、1%および1.5%。化合物(I)の100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mgおよび450mgに相当する化合物(I)エタノラートを配合物(界面活性剤、補助界面活性剤、場合により溶剤および場合によりPVP K30を含む−10g)に追加して加えた。
【0142】
それらの配合物の製造指示は以下であった:
1.固相(Cremophor RH40またはGelucire44/14)を60℃で溶融させる。
2.液相(Capryol 90またはLabrasol)を60℃に加熱しそして場合によりTranscutol Pと60℃で混合する。
3.(1)と(2)とを均質になるまで60℃で混合する。
4.60℃で攪拌しながら上記溶液にPVP K30を加えて、透明溶液を得る。さらに10分間攪拌する。
5.TMC114エタノラートを溶液(4)中に溶解し、温度を60℃に保ちそして透明溶液が得られるまで混合する。
6.溶液(5)を37℃に保持する。
【0143】
粒径分布測定は、製造の直後に60℃で24時間攪拌してPVP K30および化合物(I)エタノラートが溶解できる配合物について行った。配合物には化合物(I)エタノラートの予想される晶出を評価するために、Licapsサイズ00(透明)中に充填した。顕微鏡測定評価は、室温で2週間貯蔵した後にカプセルの内容物を観察して行った。粒径分布の結果は体積基準である。
【0144】
【表9】

【0145】
Transcutol Pが含まれている配合物(D6/4およびF6/4)中で、粒径は化合物(I)の濃度が高くなると大きくなった。Transcutol Pを含まない配合物中の粒径分布は、化合物(I)の濃度に影響されなかった。
【0146】
小さい粒子の分布を観察するために、化合物(I)200mgに相当する化合物(I)エタノラートを含む配合物をMalvern Autosizer 4700でさらに測定するために提出した。ピーク分析は、強度、体積および数により行った。
【0147】
【表10】

【0148】
配合物D6/4では、化合物(I)300mgに相当する濃度まで晶出は演出されなかった。配合物E6/4およびE7/3では、化合物(I)100mgに相当する濃度まで晶出は検出されなかった。配合物E8/2およびE9/1では、化合物(I)の濃度は250mgにまで化合物(I)の晶出がなく増加できた。配合物F6/4では、化合物(I)250mgに相当する濃度まで晶出は観察されなかった。
【0149】
図2および3には、ピリオド1(給餌)およびピリオド2(絶食)にそれぞれ100mg/イヌで配合物を単回経口投与した後の雄イヌ中の化合物(I)の平均血漿濃度を、下記の配合物について示す。
−配合物(IV):化合物(I)エタノラート108mg、Caprylocaproyl macrogol−8グリセリド372.75mg、Lauryl macrogol−32グリセリド62.1mg、精製ジエチレングリコールモノエチルエーテル124.25mg。
−配合物(V):D6/4
−配合物(VI):E8/2
−配合物(VII):E9/1
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】図1は、3種の自己ミクロ乳化性薬剤送達システム配合物:硬質ゼラチンカプセル中にカプセル製剤された配合物(I)、配合物(II)および配合物(III)による絶食条件下での単回摂取(リトナビル(ritonavir)でブースト)の後の化合物(I)のエタノレート形態の血漿濃度時間曲線を示す。配合物(I):化合物(I)エタノラート108.40mg、PVP K30 7.75mg、Polyoxyl 40水添ヒマシ油279.9mg、プロピレングリコールモノカプリル酸エステル186.06mg、精製ジエチレングリコールモノエチルエーテル193.77mg、カプセルサイズ00(Licaps Swedish橙色不透明)。配合物(II):化合物(I)エタノラート162.6mg、PVP K30 7.63mg、Caprylocaproyl macrogolグリセリド473.9mg、Lauryl macrogol グリセリド118.5mg、カプセルサイズ00(Licaps Swedish橙色不透明)。配合物(III):化合物(I)エタノラート162.6mg、PVP K30 7.63mg、Caprylocaproyl macrogolグリセリド533.13mg、Lauryl macrogolグリセリド59.24mg、カプセルサイズ00(Licaps Swedish橙色不透明)。
【図2−3】図2および3は、それぞれ配合物(IV)、(V)、(VI)および(VII)に対するピリオド1(給餌)およびピリオド(絶食)に100mg/イヌで配合物を単回経口投与した後の雄イヌ中の化合物(I)の平均血漿濃度を示す。配合物(IV):化合物(I)エタノラート108mg、Caprylocaproyl macrogol−8グリセリド372.75mg、Lauryl macrogol−32グリセリド62.1mg、精製ジエチレングリコールモノエチルエーテル124.25mg。配合物(V):実施例4のD6/4配合物(VI):実施例4のE8/2配合物(VII):実施例4のE9/1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステル、親水性界面活性剤系、親水性溶剤、および核生成抑制剤を含んでなる製薬学的担体と組合さった(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、またはその塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物を含んでなる製薬学的配合物。
【請求項2】
アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステル、親水性界面活性剤系、親水性溶剤、および核生成抑制剤を含んでなる製薬学的担体と組合さった(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、またはその塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物を含んでなる製薬学的配合物であって、配合物に対して親水性溶剤が1%(重量/重量)〜60%(重量/重量)の範囲内であり、そして核生成抑制剤が0.1%(重量/重量)〜4%(重量/重量)の範囲内であることを特徴とする製薬学的配合物。
【請求項3】
アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステルが補助界面活性剤として作用する、請求項1記載の製薬学的配合物。
【請求項4】
親水性界面活性剤系と補助界面活性剤との比が6/4〜9/1の範囲にある、請求項3記載の製薬学的配合物。
【請求項5】
アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステルが、モノカプリル酸プロピレングリコール、ラウリルマクロゴール(Lauryl macrogol)−32グリセリド、およびC8−10脂肪酸のモノ−およびジグリセリドから選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項6】
親水性界面活性剤系が2種の界面活性剤の比3:1〜1:3の混合物を含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項7】
親水性界面活性剤系の界面活性剤が、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換製品、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポロキサマー、モノ−およびジグリセリド、ポリグリセロール化脂肪酸、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、低級脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、糖エステル、およびイオン性界面活性剤の群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項8】
親水性界面活性剤系の界面活性剤が、PEG−40水添ヒマシ油、d−アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシナート、PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項9】
親水性溶剤が短鎖アルコールである、請求項1〜8のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項10】
核生成抑制剤が合成製品、無機および鉱物質製品、変性天然ポリマー、天然ポリマー、
および非ポリマー性物質の群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項11】
核生成抑制剤が分子量3,000〜500,000を有するポリビニルラクタムから選択される、請求項1〜10のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項12】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマートのエタノラート形態、カプリオール(Capryol)(R)90、クレモフォール(Cremophor)RH40とビタミンETPGSとの混合物、トランスクトール(Transcutol)(R)、およびPVPK30を含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項13】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、またはその塩、エステル、多形および擬似多形形態が5%(重量/重量)〜50%(重量/重量)の範囲内であり、アルコールとC6−12脂肪酸または油とのエステルが2%(重量/重量)〜60%(重量/重量)の範囲内であり、親水性界面活性剤系が30%(重量/重量)〜90%(重量/重量)の範囲内であり、親水性溶剤が2.9%(重量/重量)〜50%(重量/重量)の範囲内であり、そして核生成抑制剤が0.1%(重量/重量)〜4%(重量/重量)の範囲内である、請求項1〜12のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項14】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ〔2,3−b〕フラン−3−イル(1S,2R)−3−〔〔(4−アミノフェニル)スルホニル〕(イソブチル)アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバマート、またはその塩、エステル、多形形態物および擬似多形形態物の量が、単位投与あたりに50〜800mgである、請求項1〜13のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項15】
配合物が経口投与に適する形態にある、請求項1〜14のいずれか1項記載の製薬学的配合物。
【請求項16】
経口投与に適する形態物が、軟質ゼラチンカプセル、硬質ゼラチンカプセル、腸溶被覆軟質ゼラチンカプセル、ミニカプセル、およびシロップ剤から選択される、請求項15記載の製薬学的配合物。
【請求項17】
HIV感染患者またはAIDS罹患患者の処置のための方法であって、上記請求項のいずれか1項記載の製薬学的配合物がかかる治療を必要とする患者に投与される方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−515458(P2007−515458A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546185(P2006−546185)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/053700
【国際公開番号】WO2005/063209
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】