HML−2ポリペプチド発現用ベクター
【課題】HML−2ポリペプチドおよびPCAVポリペプチドのインビトロ発現またはインビボ発現のためのさらなる改善されたベクターを提供すること。
【解決手段】核酸ベクターであって、この核酸ベクターは、(i)プロモーター;(ii)このプロモーターと作動可能に連結されているHML−2ポリペプチドをコードする配列;および(iii)選択マーカー;を含む。好ましいベクターは、(iv)複製起点;および(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている転写ターミネーターをさらに含む。
【解決手段】核酸ベクターであって、この核酸ベクターは、(i)プロモーター;(ii)このプロモーターと作動可能に連結されているHML−2ポリペプチドをコードする配列;および(iii)選択マーカー;を含む。好ましいベクターは、(iv)複製起点;および(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている転写ターミネーターをさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中で言及されるすべての刊行物および特許出願は、個々の書類各々が具体的かつ個別に参考として援用されるように示された場合と同じ程度に、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ポリペプチド発現のための核酸ベクターに関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌は、米国の男性において最も一般的な型の癌である。良性前立腺過形成(BPH)は、良性前立腺細胞の異常な増殖であり、その前立腺は、成長して尿道および膀胱を押し、尿の正常な流れをブロックする。60歳〜70歳の米国男性の半数より多く、および70歳〜90歳の90%程度が、BPHの症状を有する。BPHは、めったに生命を脅かさないが、症状を軽減するためには処置を必要とし得る。
【0004】
特許文献1(参考文献1)および参考文献2は、HERV−KファミリーのHML−2サブグループのヒト内因性レトロウイルス(HERV)が、前立腺腫瘍においてアップレギュレートされた発現を示すことを、開示する。この知見は、前立腺癌のスクリーニング、診断および治療において有用であると開示される。具体的には、正常組織と比較して高いHML−2発現産物レベルは、そのサンプルが得られた患者が癌を有することを示すと言われている。
【0005】
参考文献3は、第22番染色体中の20.428メガベース(22q11.2)に位置するHML−2ファミリーの特定のメンバーが、前立腺腫瘍において優先的かつ特異的にアップレギュレートされることを開示する。この内因性レトロウイルス(「PCAV」と呼ばれる)は、HERV−Kファミリーの他のメンバーにおいては見出されないいくつかの特徴を有する:(1)これは、そのゲノム内の他のHERVと区別する特異的なヌクレオチド配列を有する;(2)これは、タンデムな5’LTRを有する;(3)これは、断片化した3’LTRを有する;(4)そのenv遺伝子は、alu挿入によって中断されている;そして(5)そのgagは、独特の挿入を含む。参考文献3は、これらの特徴が、前立腺癌のスクリーニング、診断および治療において利用され得ることを教示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第02/46477号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
参考文献1〜3は、概括的な言葉で、HML−2ポリペプチドおよびPCAVポリペプチドの発現用ベクターを開示する。HML−2ポリペプチドおよびPCAVポリペプチドのインビトロ発現またはインビボ発現のためのさらなる改善されたベクターを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、核酸ベクターを提供し、この核酸ベクターは、(i)プロモーター;(ii)このプロモーターと作動可能に連結されているHML−2ポリペプチドをコードする配列;および(iii)選択マーカー;を含む。好ましいベクターは、(iv)複製起点;および(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている転写ターミネーターをさらに含む。
【0009】
本発明のベクターは、インビトロ(例えば、後の精製のため)またはインビボ(例えば、核酸免疫のため)のいずれかでのHML−2ポリペプチドの発現のために特に有用である。核酸免疫における使用のために、(i)および(v)は真核生物性であり、そして(iii)および(iv)は原核生物性であることが好ましい。
【0010】
(プロモーター)
本発明のベクターは、プロモーターを含む。このプロモーターは、真核生物中で機能性である(すなわち、真核生物において転写を駆動し得る)ことが好ましい。この真核生物は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。このプロモーターは、好ましくは、インビボで活性である。
【0011】
このプロモーターは、構成的プロモーターであってよいし、または調節されるプロモーターであってもよい。
【0012】
このプロモーターは、特定の組織もしくは細胞型に特異的であってもよいし、または多くの組織において活性であってもよい。
【0013】
好ましいプロモーターは、(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)に由来する)ウイルスプロモーターである。ウイルスベースの系が送達のために使用される場合、このプロモーターは、個々のウイルスに関係するプロモーターであり得る。例えば、ワクシニアプロモーターが、ワクシニアウイルス送達系とともに使用され得る。
【0014】
このベクターはまた、転写調節配列(例えば、エンハンサー)を、このプロモーターに加えて含み得、この転写調節配列は、このプロモーターと機能的に相互作用する。
【0015】
好ましいベクターとしては、極初期CMVエンハンサー/プロモーターが挙げられ、より好ましいベクターとしてはまた、CMVイントロンAが挙げられる。これは、Towne株から元々単離された。これは、非常に強力である。完全なネイティブヒト極初期CMV転写制御単位は、5’から、転写が制御される配列のATGまで、4つの領域へと模式的に分割される:I−モジュレーター領域(核因子1結合部位のクラスター);II−エンハンサー領域;III−プロモーター領域;およびIV−イントロンAを伴う5’ UTR。このネイティブウイルスにおいて、領域Iは、特化した細胞型における発現を調節する上流配列と、核因子1(NF1)結合部位のクラスターとを含む。領域Iは、多くの細胞株において抑制性であり得、本発明のベクターからは一般的に除去される。領域IIおよび領域IIIは、一般的に本発明のベクター中に含まれる。イントロンA(領域IV中にある)は、多くの形質転換細胞株において発現を正に調節し、このイントロンAを含むと、発現が増強される。
【0016】
本発明のベクター中のプロモーターは、HML−2ポリペプチドをコードする下流配列と作動可能に連結されており、そのコード配列の発現は、そのプロモーターの制御下にあるようになっている。
【0017】
(HML−2ポリペプチドをコードする配列)
本発明のベクターは、HML−2ポリペプチドをコードする配列を含む。このHML−2は、好ましくはPCAVである。
【0018】
HML−2は、HERV−Kファミリーのサブグループである[4]。HML−2サブグループのメンバーであるHERV単離株としては、HML−2.HOM[5](ERVK6とも呼ばれる)、HERV−K10[6,7]、HERV−K108[8]、参考文献9の図4に示される27種のHML−2ウイルス、HERV−K(C7)[10]、HERV−K(II)[11]、HERV−K(CH)[1,2]が挙げられる。HML−2は十分に認識されたファミリーであるので、当業者は、任意の特定のHERV−KがHML−2である否かを、例えば、HERVdデータベース[12]を参照することによって、何の困難性もなく決定することが可能である。
【0019】
第7番染色体上に位置するHML−2.HOM[5,13]またはPCAV[3]由来の配列を使用することが、好ましい。PCAVは、HERV−KサブファミリーHML2.0のメンバーであり、配列番号75は、利用可能なヒト第22番染色体配列[14]に基づく、その最初の5’LTRの初めから断片化された3’LTRの最後までのPCAVの12366bp配列である。これは、二本鎖ゲノムDNAのセンス鎖である。この転写開始部位は、ヌクレオチド635+5にあるようであり、そのポリアデニル化部位は、ヌクレオチド11735にある。
【0020】
このHML−2ポリペプチドは、gag領域、prt領域、pol領域、env領域またはcORF領域に由来し得る。これらのポリペプチドをコードするHML−2転写物は、内因性ウイルスゲノムの全長mRNAコピーの選択的スプライシングによって生成される[例えば、参考文献15の図4、参考文献16の図1A、本明細書中図9]。いくつかのHML−2ウイルスが、5つすべてのポリペプチドをコードする(例えば、ERVK6[5])が、ほとんどのコード領域は、変異しているかまたは存在しない1つ以上のコード領域を生じる変異を含む。従って、すべてのHML−2 HERVが、5つすべてのポリペプチドをコードする能力を有するわけではない。
【0021】
HML−2 gagポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の最初の長いORFによってコードされる[17]。全長gagポリペプチドは、タンパク質分解切断される。gagヌクレオチド配列の例は、配列番号1(HERV−K108);配列番号2(HERV−K(C7);配列番号3(HERV−K(II));配列番号4(HERV−K10)および配列番号76(PCAV)である。gagポリペプチド配列の例は、配列番号5(HERV−K(C7));配列番号6(HERV−K(II));配列番号7および配列番号8(HERV−K10);配列番号9(「ERVK6」);配列番号69ならび配列番号78(PCAV)。
【0022】
HML−2 prtポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の2番目の長いORFによってコードされる。これは、gag−prt融合ポリペプチドとして翻訳される。この融合ポリペプチドは、タンパク質分解切断されて、プロテアーゼを生じる。prtヌクレオチド配列の例は、配列番号10[HERV−K(108)];配列番号11[HERV−K(II)];配列番号12[HERV−K10]である。prtポリペプチド配列の例は、配列番号13[HERV−K10];配列番号14[「ERVK6」];配列番号71である。
【0023】
HML−2 polポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の3番目の長いORFによってコードされる。これは、gag−prt−pol融合ポリペプチドとして翻訳される。この融合ポリペプチドは、タンパク質分解切断されて、3つをpol生成物(逆転写酵素、エンドヌクレアーゼ、およびインテグラーゼ)を生じる[18]。polヌクレオチド配列の例は、配列番号15[HERV−K(108)];配列番号16[HERV−K(C7);配列番号17(HERV−K(II)];配列番号18[HERV−K10]である。polポリペプチド配列の例は、配列番号19[HERV−K(C7)];配列番号20[HERV−K10];配列番号21[「ERVK6」];配列番号73である。
【0024】
HML−2 envポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の4番目の長いORFによってコードされる。翻訳されたポリペプチドは、タンパク質分解切断される。envヌクレオチド配列の例は、配列番号22[HERV−K(108)];配列番号23[HE
RV−K(C7);配列番号24(HERV−K(II)];配列番号25[HERV−K10]である。envポリペプチド配列の例は、配列番号26[HERV−K(C7)];配列番号27[HERV−K10];配列番号28[「ERVK6」]である。
【0025】
HML−2 cORFポリペプチドは、envと同じ5’領域および開始コドンを共有するORFによって、コードされる。約87コドンの後ろで、スプライシング事象によって、envコード配列が除去される。このcORFコード配列は、envのリーディングフレームに対して+1のリーディングフレームで続く[19,20]。cORFはまた、Recとも呼ばれている[21]。cORFヌクレオチド配列の例は、配列番号29および配列番号30[HERV−K(108)]である。cORFポリペプチド配列の例は、配列番号31である。
【0026】
このHML−2ポリペプチドは、あるいは、PCAPオープンリーディングフレーム[22](例えば、PCAP1、PCAP2、PCAP3、PCAP4、PCAP4aまたはPCAP5(本明細書中の配列番号32〜37))に由来し得る。PCAP3(配列番号34および46)ならびにPCAP5が、好ましい(配列番号37)。
【0027】
このHML−2ポリペプチドは、あるいは、配列番号38〜50のうちの1つであり得る[22]。
【0028】
任意のHML−2ポリペプチド発現生成物をコードする配列が、本発明に従って使用され得る(例えば、配列番号5、6、7、8、9、13、14、19、20、21、26、27、28、31〜50、69〜74、78もしくは79のうちのいずれか1つをコードする配列)。
【0029】
本発明はまた、そのような野生型HML−2ポリペプチド配列に対して少なくともa%同一性を有するポリペプチドをコードする配列を使用し得る。aの値は、65以上(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98,99、99.5、99.9)であり得る。これらの配列は、上記の段落において列挙される配列番号の対立遺伝子改変体、SNP改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体などを包含し得る。
【0030】
本発明はまた、野生型HML−2ヌクレオチド配列に対して少なくともb%同一性を有する配列を使用し得る。bの値は、65以上(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98,99、99.5、99.9)であり得る。これらの配列は、配列番号1、2、3、4、10、11、12、15、16、17、18、22、23、24、25、29および30の対立遺伝子改変体、SNP改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体などを包含する。
【0031】
本発明はまた、このような野生型HML−2ヌクレオチド配列の少なくともcヌクレオチドのフラグメントを含む配列を使用し得る。cの値は、7以上(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300以上)であり得る。このフラグメントは、好ましくは、HML−2ポリタンパク質のタンパク質分解切断生成物である。このフラグメントは、好ましくは、HML−2由来のT細胞エピトープまたは好ましくはB細胞エピトープをコードする配列を含む。T細胞エピトープおよびB細胞エピトープは、経験的に(例えば、PEPSCAN法[23、24]もしくは類似する方法を使用して)同定され得るか、またはJameson−Wolf抗原性指数[25]、マトリックスベースアプローチ[26]、TEPITOPE[27]、ニューラルネットワーク[28]、OptiMerおよびEpiMer[29,30]、ADEPT[31]、Tsites[32]、疎水性[33]、抗原性指数[34]もしくは参考文献35に開示される方法などを使用して、推定され得る。
【0032】
本発明はまた、野生型HML−2ポリペプチド配列の少なくともdアミノ酸のフラグメントを含むポリペプチドをコードする配列を使用し得る。dの値は、7以上(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300以上)であり得る。このフラグメントは、好ましくは、HML−2由来のT細胞エピトープまたは好ましくはB細胞エピトープを含む。
【0033】
本発明はまた、(i)野生型HML−2配列もしくは上記に開示される配列である、第1配列と、(ii)第2の非HML−2配列とを含む、配列を使用し得る。(ii)の例としては、シグナルペプチドをコードする配列、プロテアーゼ切断部位をコードする配列、エピトープをコードする配列、リーダー配列をコードする配列、タグをコードする配列、融合パートナーをコードする配列、N末端メチオニンをコードする配列、任意の配列などが挙げられる。配列(ii)は、一般に、(i)のN末端および/またはC末端に位置し得る。
【0034】
ヌクレオチド配列は、天然で見出されるHML−2ポリペプチドをコードし得るが、そのヌクレオチド配列は、対応する天然ヌクレオチド配列とは異なり得る。例えば、そのヌクレオチド配列は、例えば、目的の宿主におけるコドン優先度を考慮するため、または制限酵素認識部位もしくはタグ配列を付加するために、変異を含み得る。
【0035】
(選択マーカー)
本発明のベクターは、選択マーカーを含み得る。
【0036】
このマーカーは、好ましくは、微生物宿主(例えば、原核生物、細菌、酵母)において機能する。このマーカーは、好ましくは、原核生物選択マーカーである(例えば、原核生物プロモーターの制御下で転写される)。
【0037】
簡便のために、代表的なマーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。
【0038】
(本発明の核酸ベクターのさらなる特徴)
本発明のベクターは、好ましくは、自己複製するエピソームベクターまたは染色体外ベクター(例えば、プラスミド)である。
【0039】
本発明のベクターは、好ましくは、複製起点を含む。この複製起点は、原核生物において活性であるが真核生物においては活性ではないことが、好ましい。
【0040】
従って、好ましいベクターは、そのベクターの選択用の原核生物マーカー、原核生物複製起点を含むが、HML−2コード配列の転写を駆動するための真核生物プロモーターは含まない。従って、このベクターは、(a)HML−2ポリペプチドを発現することなく原核生物宿主中で増幅され選択されるが、(b)増幅されることなく真核生物宿主中で発現される。これは、核酸免疫ベクターのために理想的である。
【0041】
本発明のベクターは、HML−2コード配列の下流に真核生物転写ターミネーター配列を含み得る。これは、転写レベルを増強し得る。そのHML−2コード配列がそれ自体を有さない場合、本発明のベクターは、好ましくは、ポリアデニル化配列を含む。好ましいポリアデニル化配列は、ウシ成長ホルモンに由来する。
【0042】
本発明のベクターは、マルチクローニング部位を含み得る。
【0043】
HML−2ポリペプチドをコードする配列およびマーカーをコードする配列に加えて、このベクターは、第2の真核生物コード配列を含み得る。このベクターはまた、HML−2ポリペプチドと同じ転写物に由来する第2の真核生物ポリペプチドの翻訳を可能にするために、上記の第2配列の上流にIRESを含み得る。あるいは、HML−2ポリペプチドは、IRESの下流にあり得る。
【0044】
本発明のベクターは、非メチル化CpGモチーフ(例えば、2つの5’プリンおよび2つの3’ピリミジンが隣接する、シトシンとそれに続くグアノシンを共通して有する非メチル化DNA配列)を含み得る。その非メチル化形態で、これらのDNAモチーフは、いくつかの型の免疫細胞の強力な刺激因子であることが示されている。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)
核酸ベクターであって、
(i)プロモーター;
(ii)HERV−KファミリーのHML−2サブグループのメンバーである内因性レトロウイルスに由来するポリペプチドをコードする配列であって、当該配列は、当該プロモーターと作動可能に連結されている、配列;および
(iii)選択マーカー;
を含む、ベクター。
・(項目2)
項目1に記載のベクターであって、
(iv)複製起点;および
(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている、転写ターミネーター;
をさらに含む、ベクター。
・(項目3)
項目2に記載のベクターであって、(i)および(v)は、真核生物性であり、(iii)および(iv)は原核生物性である、ベクター。
・(項目4)
項目1〜3のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2は、ヒト第22番染色体由来のPCAVである、ベクター。
・(項目5)
項目1〜4のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターは、ヒトにおいてインビボで機能する、ベクター。
・(項目6)
項目1〜5のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターは、ウイルスプロモーターである、ベクター。
・(項目7)
項目6に記載のベクターであって、上記ウイルスプロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)に由来する、ベクター。
・(項目8)
項目1〜7のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターに加えて転写調節配列を含む、ベクター。
・(項目9)
項目1〜8のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2ポリペプチドは、gagポリペプチド、prtポリペプチド、polポリペプチド、envポリペプチド、cORFポリペプチド、またはPCAPポリペプチドである、ベクター。
・(項目10)
項目9に記載のベクターであって、上記HML−2ポリペプチドは、
(a)配列番号1〜50、69〜74、78および79のうちの1つ以上に対して少なくとも65%同一性を有し、かつ/または
(b)配列番号1〜50、69〜74、78および79のうちの1つ以上に由来する少なくとも7アミノ酸のフラグメントを含む、
ベクター。
・(項目11)
項目1〜10のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記選択マーカーは、細菌において機能する、ベクター。
・(項目12)
項目1〜11のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である、ベクター。
・(項目13)
項目1〜12のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記ベクターは、プラスミドである、ベクター。
・(項目14)
項目1〜13のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記ベクターは、複製起点を含む、ベクター。
・(項目15)
項目14に記載のベクターであって、上記複製起点は、原核生物において活性であるが真核生物においては活性ではない、ベクター。
・(項目16)
項目1〜15のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2コード配列の下流に真核生物転写ターミネーター配列をさらに含む、ベクター。
・(項目17)
項目1〜16のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、マルチクローニング部位をさらに含む、ベクター。
・(項目18)
項目1〜17のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、真核生物ポリペプチドをコードする第2配列の上流にIRESをさらに含む、ベクター。
・(項目19)
項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターを含む、薬学的組成物。
・(項目20)
医薬として使用するための項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクター。
・(項目21)
前立腺癌、精巣癌、多発性硬化症、および/またはインスリン依存性糖尿病(IDDM)を処置するための医薬の製造における、項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターの使用。
・(項目22)
免疫応答を惹起するための方法であって、
免疫原性用量の項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターを動物に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目23)
前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法であって、
項目19に記載の薬学的組成物を、当該患者に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目24)
HML−2 gagポリペプチドを含む、ウイルス様粒子(VLP)。
・(項目25)
医薬として使用するための項目24に記載のVLP。
・(項目26)
動物を免疫するための医薬の製造における、項目24に記載のVLPの使用。
・(項目27)
動物において免疫応答を惹起するための方法であって、
項目24に記載のVLPを、当該動物に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目28)
前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法であって、
項目24に記載のVLPを、当該患者に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目29)
患者において癌を診断するための方法であって、
(a)項目24に記載のVLPを、当該患者由来の抗体と接触させる工程、および/または
(b)項目24に記載のVLPに対する抗体を、患者サンプルと接触させる工程
を包含する、方法。
【0045】
(薬学的組成物)
本発明は、本発明のベクターを含む薬学的組成物を提供する。本発明はまた、医薬としてのそのベクターの使用、および前立腺癌を処置するための医薬の製造におけるそのベクターの使用を提供する。本発明はまた、前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法を提供し、この方法は、本発明の薬学的組成物をその患者に投与する工程を包含する。その患者は、一般にヒトであり、好ましくはヒトの男性であり、より好ましくは、成人男性である。HERV−Kが関係付けられている他の疾患としては、精巣癌[36]、多発性硬化症[37]、およびインスリン依存性糖尿病(IDDM)[38]が挙げられる。このベクターはまた、これらの疾患に対しても使用され得る。
【0046】
本発明はまた、免疫応答を惹起するための方法を提供し、この方法は、免疫原性用量の本発明のベクターを、動物(例えば、ヒト)に投与する工程を包含する。
【0047】
本発明により包含される薬学的組成物は、活性因子として、治療上有効な量で本発明のベクターを含む。「有効(な)量」とは、有益な結果または望ましい結果(臨床結果を含む)をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本発明のために、有効量とは、前立腺癌の症状および/または進行を、緩和、改善、安定化、逆転、減速、または遅延するために十分である量である。この効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルによって、検出され得る。治療効果としてはまた、身体的症状の減少も挙げられる。
【0048】
被験体にとっての正確な有効量は、その被験体の大きさおよび健康、その状態の性質および程度、ならびに投与のために選択される治療剤または治療剤の組み合わせに依存する。所定の状況についての有効量は、慣用的実験によって決定され、それは、臨床医の判断の範囲内にある。本発明の目的のために、有効用量は、一般には、投与される個体において、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、または約0.01mg/kg〜約50mg/kgまたは約0.05mg/kg〜約10mg/kgの本発明の組成物である。
【0049】
この組成物は、癌および原発性癌の転移を処置するために使用され得る。さらに、本薬学的組成物は、従来の癌処置方法と組み合わせて、例えば、放射線または従来の化学療法に対して腫瘍を感受性にするために使用され得る。用語「処置」、「処置すること」、「処置する」などは、望ましい薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを一般的に指すために本明細書中で使用される。この効果は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防する点で予防的であり得、そして/または疾患および/もしくはその疾患が原因である有害な影響を部分的もしくは完全に安定化もしくは治癒する点で治療的であり得る。「処置」とは、本明細書中で使用される場合、哺乳動物(好ましくはヒト)における疾患のあらゆる処置を網羅し、これには、(a)その疾患もしくは症状に対する素因があり得るがその疾患もしくは症状を有するとは未だ診断されていない被験体において、その疾患もしくは症状が発症するのを予防すること;(b)その疾患症状を阻害すること(すなわち、その発症を阻止すること);または(c)その疾患症状を軽減すること(すなわち、その疾患もしくは症状の後退を引き起こすこと)が挙げられる。
【0050】
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。この用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、治療剤(例えば、抗体、もしくはポリペプチド、遺伝子、および他の治療剤)の投与のためのキャリアを指す。この用語は、上記組成物を受容する個体に対して有害な抗体の生成をそれ自体は誘導せず、かつ過度の毒性も伴わずに投与され得る、あらゆる薬学的キャリアを指す。適切なキャリアは、大きく、ゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子)であり得る。このようなキャリアは、当業者にとって周知である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアとしては、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノールのような、液体が挙げられ得る。補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝物質など)もまた、このような媒体中に存在し得る。代表的には、この治療組成物は、液体溶液または液体懸濁物のいずれかとして、注射可能物質とて調製される。注射前に液体媒体中の溶液もしくは懸濁物になるために適切な固体形態もまた、調製され得る。リポソームが、薬学的に受容可能なキャリアの定義中に包含される。薬学的に受容可能な塩(例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩など);および有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩など)もまた、薬学的組成物中に存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な考察が、参考文献39において入手可能である。
【0051】
この組成物は、好ましくは、滅菌されており、かつ/または発熱物質を含まない。これは、代表的には、約pH7にて緩衝化されている。
【0052】
一旦処方されると、本発明により企図される組成物は、(1)被験体に直接投与され得るか;または(2)被験体に由来する細胞にエキソビボで送達され得る(例えば、エキソビボ遺伝子治療として)。この組成物の直接送達は、一般的には、非経口注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、もしくは筋肉内注射、腫瘍内注射、または組織の間隙空間への注射)によって、達成される。他の投与様式としては、経口投与および肺投与、坐剤、および経皮適用、針、および遺伝子銃またはハイポスプレーが挙げられる。投与処置は、単回投与スケジュールであっても、または多回投与スケジュールであってもよい。
【0053】
筋肉内注射が、好ましい。
【0054】
被験体中への形質転換細胞のエキソビボ送達および再移植のための方法は、当該分野で公知である[例えば、参考文献40]。エキソビボ適用において有用な細胞の例としては、例えば、幹細胞(特に、造血幹細胞)、リンパ細胞、マクロファージ、樹状細胞、または腫瘍細胞が挙げられる。一般的に、エキソビボ適用およびインビトロ適用の両方のための核酸送達が、例えば、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中への核酸のカプセル化、および核中へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられ、すべて当該分野で周知である。
【0055】
(標的化送達)
本発明のベクターは、標的化様式で送達され得る。
【0056】
レセプター媒介性DNA送達技術は、例えば、参考文献41〜46において記載される。核酸を含む治療組成物は、遺伝子治療プロトコルにおける局所投与のために約100ng〜約200mgのDNAという範囲で投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAという濃度範囲もまた、遺伝子治療プロトコルの間に使用され得る。作用方法(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルを増強または阻害するため)、ならびに形質転換効率および発現効率のような要因が、最終的効力のために必要な投与量に影響を及ぼす考慮事項である。より多くの発現がより広い組織領域にわたって望ましい場合、より多くの量のベクター、または連続投与プロトコルにおいて再投与される同じ量、または例えば、腫瘍部位の異なる隣接もしくは近接する組織部分に数回投与することが、正の治療結果をもたらすために必要であり得る。すべての場合に、臨床試験における慣用的実験によって、最適な治療効果のための具体的範囲が決定される。
【0057】
ベクターは、遺伝子送達媒体を使用して送達され得る。この遺伝子送達媒体は、ウイルス起源であっても、非ウイルス起源であってもよい(一般的には、参考文献47〜50を参照のこと)。
【0058】
望ましい細胞における望ましい核酸の送達および発現のためのウイルスベースのベクターが、当該分野で周知である。例示的なウイルスベースのベクターとしては、組換えレトロウイルス(例えば、参考文献51〜61)、アルファウイルスベースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロス川ウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR1249;ATCC VR−532);これらのウイルスのハイブリッドもしくはキメラもまた、使用され得る)、ポックスウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリアポックスウイルス、改変型ワクシニアAnkaraウイルスなど)、アデノウイルスベクター、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、参考文献62〜67を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。死滅アデノウイルスに連結されたDNAの投与[68]もまた、使用され得る。
【0059】
非ウイルス性送達媒体および非ウイルス性送達方法もまた、使用され得、これには、死滅アデノウイルス単独に連結されているかまたは連結されていないポリカチオン性濃縮DNA[例えば、68]、リガンド連結DNA[69]、真核生物細胞送達媒体細胞[例えば、参考文献70〜74]、ならびに核電荷中和または細胞膜との融合が挙げられるが、これらに限定されない。裸のDNAもまた、使用され得る。例示的な裸のDNA導入方法が、参考文献75および76に記載される。遺伝子送達媒体として作用し得るリポソーム(例えば、イムノリポソーム)が、参考文献77〜81に記載される。さらなるアプローチが、参考文献82および83に記載される。
【0060】
使用するために適切なさらなる非ウイルス送達としては、機械的送達系(例えば、参考文献83に記載されるアプローチ)が挙げられる。さらに、コード配列およびその発現産物が、光重合化ヒドロゲル物質の沈着または電離放射線の使用を介して、送達され得る[例えば、参考文献84および85]。コード配列の送達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来方法としては、例えば、携帯式遺伝子転移粒子銃[86]または転移した遺伝子を活性化するための電離放射線の使用[84および87]が挙げられる。
【0061】
PLG{ポリ(ラクチド−co−グリコリド)}微粒子を使用するDNAの送達は、特に好ましい方法であり、これは、例えば、この微粒子への吸着による。この微粒子は、必要に応じて、負電荷表面を有するように処理される(例えば、SDSで処理される)か、または正電荷表面を有するように処理される(例えば、CTABのようなカチオン性界面活性剤で処理される)。
【0062】
(ワクチン組成物)
この薬学的組成物は、好ましくは、免疫原性組成物であり、より好ましくは、ワクチン組成物である。このような組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)において抗体を惹起するため、および/または細胞免疫応答(例えば、T細胞(例えば、CTL)に関与する応答、ナチュラルキラー細胞に関与する応答、マクロファージに関与する応答など)を惹起するために、使用され得る。
【0063】
本発明は、前立腺癌を予防するための医薬の製造における本発明のベクターの使用を提供する。本発明はまた、前立腺癌から患者を保護するための方法を提供し、この方法は、患者に、本発明の薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0064】
核酸免疫は、周知である[例えば、参考文献88〜94など]。
【0065】
この組成物は、アジュバントをさらに含み得る。例えば、この組成物は、以下のアジュバントのうちの1つ以上を含み得る:(1)水中油エマルジョン処方物(他の特定の免疫刺激剤(例えば、ムラミルペプチド(下記を参照)もしくは細菌細胞壁成分)を含むかまたは含まない)(例えば、(a)マイクロフルイダイザーを使用してミクロン未満の粒子へと処方された、MF59TM(5%Squalene、0.5%Tween 80、および0.5%Span 85(MTP−PE(以下を参照のこと)を必要に応じて含む)[95;参考文献96の第10章]を含む)、(b)10%Squalene、0.4%Tween 80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含むSAF(ミクロン未満のエマルジョンにマイクロフルイダイズされているか、もしくはより大きな粒子サイズのメマルジョンを生成するようにボルテックスされているかのいずれかである)、ならびに(c)2%Squalene、0.2%Tween 80、および1以上の細菌細胞壁成分(モノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群より選択され、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)である)を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem、Hamilton,MT);(2)サポニンアジュバント(例えば、QS21もしくはStimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)またはそれから生成される粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激複合体)(このISCOMは、さらなる界面活性剤を欠き得る[97])が使用され得る);(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など);(5)モノホスホリルリピドA(MPL)もしくは3−O−デアシル化MPL(3dMPL)[例えば、98、99];(6)3dMPLと、例えば、QS21および/もしくは水中油エマルジョンとの組み合わせ[例えば、100、101、102];(7)CpGモチーフを含む(すなわち、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含み、必要に応じてシトシンの代わりに5−メチルシトシンが使用される)オリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテルもしくはポリオキシエチレンエステル[103];(9)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[104]、または少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤もしくはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤[105];(10)免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)+サポニン[106];(11)免疫刺激剤+金属塩粒子[107];(12)サポニン+水中油エマルジョン[108];(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて+ステロール)[109];(14)アルミニウム塩(好ましくは水酸塩もしくはリン酸塩)(しかし、他の任意の適切な塩(例えば、リン酸水素塩、酸水酸塩、オルトリン酸塩、硫酸塩など[参考文献96の第8章および第9章]。種々のアルミニウム塩の混合物もまた、使用され得る。その塩は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)を採り得る;(15)キトサン;(16)コレラ毒素もしくはE.coli易熱性毒素もしくはそれらの解毒化変異体[110];(17)生分解性かつ非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど(例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)など))から形成された、微粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μm、より好ましくは直径約200nm〜約30μm、最も好ましくは直径約500nm〜約10μm)(この微粒子は、必要に応じて、負電荷表面を有するように処理される(例えば、SDSで処理される)か、または正電荷表面を有するように処理される(例えば、CTABのようなカチオン性界面活性剤で処理される);(18)モノホスホリルリピドA模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドリン酸誘導体(例えば、RC−529[111]);(19)ポリホスファゼン(PCPP);(20)生体接着物質[112](例えば、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア[113]、または粘膜接着物質(ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体からなる群より選択される));(21)二本鎖RNA;あるいは(22)この組成物の効力を増強するための免疫刺激剤として作用する他の物質。アルミニウム塩および/またはMF59TMが、好ましい。
【0066】
本発明のワクチンは、予防的(すなわち、疾患を予防する)であっても、治療的(すなわち、疾患の症状を減少または除去する)であってもよい。
【0067】
(本発明の具体的ベクター)
本発明の好ましいベクターは、(i)真核生物プロモーター;(ii)そのプロモーターの下流にありかつそのプロモーターに作動可能に連結されている、HML−2ポリペプチドをコードする配列;(iii)原核生物選択マーカー;(iv)原核生物複製起点;および(v)HML−2ポリペプチドをコードする配列の下流にありかつこの配列に作動可能に連結されている、真核生物転写ターミネーターを含む。
【0068】
特に好ましいベクターは、図2〜8(配列番号51〜56および80)に示される。
【0069】
(ウイルス様粒子)
HML−2 gagポリペプチドは、ウイルス様粒子(VLP)へと集合することが見出されている。このポリペプチドのこの粒子形態は、可溶性ポリペプチドと比較した場合に増強した免疫原性を有し、そしてこれは、免疫および/または診断における使用のために好ましいポリペプチド形態である。
【0070】
従って、本発明は、HML−2 gagポリペプチドを含む、ウイルス様粒子を提供する。このgagポリペプチドは、そのN末端においてミリストイル化され得る。
【0071】
本発明はまた、免疫原として使用するため、または診断抗原として使用するための、本発明のVLPを提供する。本発明はまた、動物を免疫するための医薬の製造における、本発明のVLPの使用を提供する。
【0072】
本発明はまた、動物において免疫応答を惹起する方法を提供し、この方法は、本発明のVLPをその動物に投与する工程を包含する。その免疫応答は、体液性免疫応答および/または細胞免疫応答を包含し得る。
【0073】
免疫応答を惹起するために、このVLPは、上記に開示されるようなアジュバントとともに、またはそのアジュバントを伴わずに、投与され得る。その免疫応答は、癌(例えば、前立腺癌)を処置し得るかまたはその癌に対して防御し得る。
【0074】
本発明はまた、患者において癌(例えば、前立腺癌)を診断するための方法を提供し、この方法は、本発明のVLPをその患者由来の抗体と接触させる工程を包含する。同様に、本発明は、患者において癌(例えば、前立腺癌)を診断するための方法を提供し、この方法は、患者サンプルと抗VLP抗体とを接触させる工程を包含する。
【0075】
本発明はまた、本発明のVLPを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、細胞中でgagポリペプチドを発現する工程、およびその細胞からVLPを収集する工程を包含する。発現は、本発明のベクターを使用して達成され得る。
【0076】
本発明のVLPは、パッケージされた核酸を含んでも、含まなくてもよい。
【0077】
このVLPが生成されるgagポリペプチドは、任意の適切なHML−2ウイルスに由来し得る(例えば、配列番号1〜9、69および78)。
【0078】
(定義)
用語「含む、包含する(comprising)」とは、「含む、含有する(including)および「からなる(consiting)」を意味し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xのみからなってもよいし、またはさらなる何かを含んでもよい(例えば、X+Y)。
【0079】
数値xに関連する用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
【0080】
用語「新生物細胞」、「新生物形成」、「腫瘍」、「腫瘍細胞」、「癌」および「癌細胞」(互換可能に使用される)とは、比較的自己増殖を示して、細胞増殖の制御の有意な喪失(すなわち、調節解除された細胞分裂)によって特徴付けられる異常な増殖表現型を示すようになっている、細胞を指す。新生物形成細胞は、悪性であっても良性であってもよく、これには、前立腺癌由来の組織が包含される。
【0081】
2つの核酸配列間の配列同一性パーセントに対する言及は、整列された場合に、その2つの配列を比較するとその塩基のパーセンテージが同じであることを意味する。このアライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、参考文献114の第7.7.18節において記載されるソフトウェアプログラム)を使用して決定され得る。好ましいアライメントプログラムは、GCG Gap(Genetics Computer Group,Wisconsin,Suite Version 10.1)であり、これは、好ましくは、デフォルトパラメーターを使用し、そのデフォルトパラメーターは、以下の通りである:オープンギャップ=3;エクステンドギャップ=1.
2つのアミノ酸配列間の配列同一性パーセントに対する言及は、整列した場合に、その2つの配列を比較するとそのアミノ酸のパーセンテージが同じであることを意味する。このアライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、参考文献114の第7.7.18節において記載されるソフトウェアプログラム)を使用して決定され得る。好ましいアライメントプログラムは、ギャップオープンペナルティ12およびギャップエクステンションペナルティ2、BLOSUMマトリックス62を用いるアフィンギャップサーチを使用する、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定される。このSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献115において教示される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、pCMVkm2ベクターを示す。
【図2】図2は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図3】図3は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図4】図4は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図5】図5は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図6】図6は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図7】図7は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図8】図8は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図9】図9は、HML2.HOMゲノム中のコード配列の位置を示し、ヌクレオチドの番号付けは、参考文献5に従う。
【図10】図10は、トランスフェクトされた293細胞におけるgag発現を示すウェスタンブロットである。レーン1〜4は、(1)gag opt HML−2;(2)gag opt PCAV;(3)gag wt PCAV;(4)モックである。
【図11】図11もまた、トランスフェクトされた293細胞のウェスタンブロットを示す。図11Aにおいて、その染色抗体は、抗HML−2であったが、図11Bにおいて、その染色抗体は、抗PCAVであった。図11Aおよび図11Bの両方において、レーン1〜4は、(1)モック;(2)gag opt HML−2;(3)gag opt PCAV;(4)gag wt PCAVである。上側の矢印は、gagの位置を示し、下側の矢印は、β−アクチンコントロールを示す。
【図12】図12は、gag opt PCAVを発現する293細胞の電子顕微鏡写真(図12A)またはgag opt HML−2を発現する293細胞の電子顕微鏡写真(図12B)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
(発明を実行するための様式)
本発明の特定の局面は、以下の非限定的実施例においてより詳細に記載される。これらの実施例は、本発明を生成する方法および使用する方法の開示および説明を当業者に提供するために示され、そしてこれらの実施例は、本発明者らがその発明と見なすものの範囲を限定することは意図されず、下記の実験が、実施されたすべてかつ唯一の実験であることを示すこともまた、意図されない。使用する数値(例えば、量、温度など)に関して精度を確保するための努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が、考慮されなければならない。他のように示されない限り、部とは、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏度であり、圧力は、大気圧であるかまたはほぼ大気圧である。
【0084】
(HML−2ポリペプチドを発現するためのベクター)
基本的pCMVkm2ベクターが、図1に示される。このベクターは、極初期CMVエンハンサー/プロモーターおよびウシ成長ホルモン転写ターミネーターと、その間に位置するマルチクローニング部位とを有する。このベクターは、カナマイシン耐性遺伝子およびColE1複製起点も有する。
【0085】
HML−2ポリペプチドをコードする配列が、そのマルチクローニング部位においてSalIとEcoRIとの間に挿入される。
【0086】
【表1】
【0087】
図4(配列番号53)において示されるベクター以外は、この挿入される配列は、最適な終止コドンの付加を含めて、コドン優先度のために操作された:
(cORF操作)
配列番号57(配列番号43)で開始する;配列番号58(配列番号67)へと操作する:
【0088】
【化1】
【0089】
(PCAP5操作)
配列番号59(配列番号37)で開始する;配列番号60(配列番号68)へと操作する:
【0090】
【化2】
【0091】
(gag操作)
配列番号61(配列番号69)で開始する;配列番号62(配列番号70)へと操作する:
【0092】
【化3】
【0093】
【化4】
【0094】
【化5】
【0095】
(prt操作)
配列番号63(配列番号71)で開始する;配列番号64(配列番号72)へと操作する:
【0096】
【化6】
【0097】
【化7】
【0098】
(pol操作)
配列番号65(配列番号73)で開始する;配列番号66(配列番号74)へと操作する:
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】
【化10】
【0102】
(env操作)
配列番号81(配列番号83)で開始する;配列番号82へと操作する:
【0103】
【化11】
【0104】
【化12】
【0105】
【化13】
【0106】
(gag配列のインビトロ発現)
3つの異なるgagコード配列を、pCMVKm2ベクター中にクローニングした:
(1)gag opt HML−2(配列番号54(配列番号62を含み、配列番号70をコードする)−図5)
(2)gag opt PCAV(配列番号80(配列番号77を含み、配列番号79をコードする)−図8)
(3)gag wt PCAV(配列番号53(配列番号76を含み、配列番号78をコードする)−図4)。
【0107】
これらのベクターを使用して、ポリアミン試薬TransItTMLT−1(PanVera Corp,Madison WI)および2μg DNAを使用して、6ウェルプレート中において二連で293細胞をトランスフェクトした。
【0108】
細胞を、48時間後に溶解し、プールした抗HML2−gagマウス抗体を一次抗体(1:400)として使用し、そしてヤギ抗マウスHRPを二次抗体(1:20000)として使用して、ウェスタンブロットによって分析した。図10は、「gag wt PCAV」(レーン3)よりもかなり効率的に発現された「gag opt PCAV」(レーン2)を示す。レーン1(「gag opt HML−2」)は、レーン2(「gag opt PCAV」)よりも強く染色されるが、これは、一次抗体が相同なHML−2タンパク質に対して惹起された事実に起因したものであり得、発現効率の差を反映するものではない。この疑問に取り組むために、PCAV生成物に対しても抗体を惹起し、これをウェスタンブロッティングに使用した。図11Aは、抗HML2を一次抗体(1:500)として使用する結果を示し、図11Bは、抗PCAV(1:500)を用いる結果を示す。各抗体は、上記異種タンパク質よりも強く、上記同種タンパク質を染色する。
【0109】
(核酸免疫)
本発明のベクターは、細菌から精製され、そしてマウスを免疫するために使用される。
【0110】
(PCAV gagに対するT細胞応答)
CB6F1マウスを、PCAV gagをコードするpCMVKm2ベクターで筋肉内免疫した(図4および8)。そしてgag特異的CD4+細胞およびgag特異的CD8
+細胞の誘導を、測定した。
【0111】
マウスに、0週目、2週目、4週目および6週目に、50μgのプラスミドを4回注射した。これらのプラスミドは、野生型gag配列(配列番号76)を含んだ。その後、マウスを、さらなる作業のために2つの別個の群に分割した。
【0112】
3匹のマウスの第1群には、25週目にさらに50μgのプラスミドを与えたが、このプラスミドは、最適化したgag配列(配列番号77)を含んだ。11日間後、脾臓を採取してプールした。単細胞懸濁物を、培養のために調製した。脾細胞(1×106/培養)を、PCAV gag配列を含む組換えワクシニア(「rVV−gag」)(これは、クローニングベクターpSC11の相同組換え[116]、およびその後の組換えrVVgagのプラーク精製によって生成した)1×107プラーク形成単位(pfu)の非存在下(「非刺激」)または存在下(「刺激」)において、37℃で一晩培養した。二連の刺激培養物および非刺激培養物を調製した。翌日、Brefeldin Aを添加して、サイトカイン分泌をブロックした。培養を2時間継続した。その後、培養物を採集し、そして細胞表面CD8についての蛍光標識モノクローナル抗体および細胞内γインターフェロン(IFN−γ)についての蛍光標識モノクローナル抗体を用いて染色した。染色したサンプルを、フローサイトメトリーによって分析した。細胞内IFN−γについて正に染色したCD8+細胞の画分を決定した。結果は、以下の通りであった:
【0113】
【表2】
【0114】
プールした脾臓CD8+細胞のうちの平均1.27%が、rVV−gagでの刺激に応答してIFN−γを感作した。このことは、このDNA免疫が、PCAV gagを特異的に認識してこのPCAV gagに応答する、CD8+ T細胞を誘導したことを示す。
【0115】
4匹のマウスの第2群には、28週間目にさらに50μgのプラスミドを与えたが、このプラスミドは、最適化したgag配列(配列番号77)を含んだ。12日間後、脾臓を採取した。特異性コントロールとして、HML2envをコードするpCMV−KM2ベクターでワクチン接種したCB6F1マウスからも、脾臓を得た。
【0116】
個々の脾臓からの単細胞懸濁物を、培養のために調製した。脾細胞(1×106/培養)を、刺激の非存在下または1×107pfuのrVV−gagの存在下で、37℃にて一晩培養した。特異性コントロールとして、さらなる培養物が、別の組換えワクシニアウイルスrVV−HIVgp160env.SF162(「rVV−HIVenv」−これは、HIV−1のSF162単離株由来の全長env遺伝子を含む)を含んだ。これは、PCAV由来のgagまたはenvのいずれとも交差反応しないことが予期された。
【0117】
二連の培養物を、各条件について調製した。翌日、Brefeldin Aを添加して、サイトカイン分泌をブロックした。抗CD28抗体を添加して、CD4 T細胞を共刺激した。培養を2時間継続した。その後、培養物を採集し、細胞表面CD8についての蛍光標識モノクローナル抗体、細胞表面CD4についての蛍光標識モノクローナル抗体、および細胞内γIFNについての蛍光標識モノクローナル抗体を用いて染色した。染色したサンプルを、フローサイトメトリーによって分析し、細胞内IFN−γについて正に染色したCD8+CD4− T細胞およびCD4+8− T細胞の画分を、決定した。結果を以下の表に示す。結果は、脾臓培養の間に刺激されなかった細胞を用いて観察された平均値を引いた後の、脾臓培養の間にPCAV gagまたはHIV envのいずれかによる刺激に応答して染色された細胞の%として表した。
【0118】
【表3】
【0119】
PCAV gagをコードするベクターでワクチン摂取された4匹のマウスについて、従って、rVV−gagベクターは、1.32%〜3.00%のCD8+ T細胞を刺激して、IFN−γを生成した。しかし、無関係のrVV−HIVgp160envベクターに応答したCD8+ T細胞は、ほとんど存在しなかった(<0.23%)。このCD8+ T細胞応答は、従って、PCAV gag特異的である。さらに、PCAV envで免疫したコントロールマウスは、ワクシニア刺激に応答したCD8+ T細胞を非常にわずかしか有さなかった(0.13%)。
【0120】
同様に、PCAV gagによるワクチン接種は、PCAV gagに特異的なCD4+ T細胞を誘導した(0.17%〜0.40%)が、PCAV envによるワクチン接種は、そのように誘導しなかった。
【0121】
従って、PCAV gagをコードするベクターによるDNA免疫は、PCAV gag抗原を特異的に認識してその抗原に応答する、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞を誘導する。
【0122】
(ウイルス様粒子)
293細胞を、pCMV−gag(HML−2由来またはPCAV由来のいずれか)で一過性トランスフェクションした48時間後に固定し、電子顕微鏡法により視察した(図12)。両方の場合においてVLPを生成したが、これらは、PCAVについて主に細胞内にあり、HML−2について主に分泌された。
【0123】
PCAV由来の可視的VLPおよびHML−2由来の可視的VLPの集合は、gagタンパク質は、上記の内因性ウイルスが「潜在的」である場合でさえもその本質的活性を保持し、従って、変異的不活化に供されることが予期され得ることを、示す。
【0124】
本発明の好ましい実施形態の上記の説明は、明瞭さおよび理解のために例示および例として提示されている。本発明は、開示されたこの明確な形態に対して網羅的であることも、この形態に限定されることも、意図されない。本発明の趣旨から逸脱することなく多くの変化および改変が本発明に対してなされ得ることが、本発明の教示を考慮すれば、当業者にとって容易に明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその等価物によって規定されることが、意図される。
【0125】
(配列表索引)
【0126】
【表4】
【0127】
以下に注意されたい:
−配列番号1〜9は、参考文献1において、配列番号85、91、97、102、92、98、103、104および146として開示される
−配列番号10〜14は、参考文献1において、配列番号86、99、105、106および147として開示される
−配列番号15〜21は、参考文献1において、配列番号87、93、100、107、94、108、および148として開示される
−配列番号22〜28は、参考文献1において、配列番号88、95、101、107、96、108、および149として開示される
−配列番号29〜31は、参考文献1において、配列番号89、90、および109として開示される
−配列番号32〜37は、参考文献1において、配列番号10、11、12、7、8、および9として開示される
−配列番号38〜50は、参考文献1において、配列番号28〜37、39、41および
43として開示される
−配列番号75は、参考文献3において、配列番号1として開示される。
【0128】
(参考文献(その内容は、参考として完全に本明細書中に援用される)
【0129】
【表5】
【0130】
【表6】
【0131】
【表7】
(配列表)
【数1】
【技術分野】
【0001】
本明細書中で言及されるすべての刊行物および特許出願は、個々の書類各々が具体的かつ個別に参考として援用されるように示された場合と同じ程度に、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ポリペプチド発現のための核酸ベクターに関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌は、米国の男性において最も一般的な型の癌である。良性前立腺過形成(BPH)は、良性前立腺細胞の異常な増殖であり、その前立腺は、成長して尿道および膀胱を押し、尿の正常な流れをブロックする。60歳〜70歳の米国男性の半数より多く、および70歳〜90歳の90%程度が、BPHの症状を有する。BPHは、めったに生命を脅かさないが、症状を軽減するためには処置を必要とし得る。
【0004】
特許文献1(参考文献1)および参考文献2は、HERV−KファミリーのHML−2サブグループのヒト内因性レトロウイルス(HERV)が、前立腺腫瘍においてアップレギュレートされた発現を示すことを、開示する。この知見は、前立腺癌のスクリーニング、診断および治療において有用であると開示される。具体的には、正常組織と比較して高いHML−2発現産物レベルは、そのサンプルが得られた患者が癌を有することを示すと言われている。
【0005】
参考文献3は、第22番染色体中の20.428メガベース(22q11.2)に位置するHML−2ファミリーの特定のメンバーが、前立腺腫瘍において優先的かつ特異的にアップレギュレートされることを開示する。この内因性レトロウイルス(「PCAV」と呼ばれる)は、HERV−Kファミリーの他のメンバーにおいては見出されないいくつかの特徴を有する:(1)これは、そのゲノム内の他のHERVと区別する特異的なヌクレオチド配列を有する;(2)これは、タンデムな5’LTRを有する;(3)これは、断片化した3’LTRを有する;(4)そのenv遺伝子は、alu挿入によって中断されている;そして(5)そのgagは、独特の挿入を含む。参考文献3は、これらの特徴が、前立腺癌のスクリーニング、診断および治療において利用され得ることを教示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第02/46477号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
参考文献1〜3は、概括的な言葉で、HML−2ポリペプチドおよびPCAVポリペプチドの発現用ベクターを開示する。HML−2ポリペプチドおよびPCAVポリペプチドのインビトロ発現またはインビボ発現のためのさらなる改善されたベクターを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、核酸ベクターを提供し、この核酸ベクターは、(i)プロモーター;(ii)このプロモーターと作動可能に連結されているHML−2ポリペプチドをコードする配列;および(iii)選択マーカー;を含む。好ましいベクターは、(iv)複製起点;および(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている転写ターミネーターをさらに含む。
【0009】
本発明のベクターは、インビトロ(例えば、後の精製のため)またはインビボ(例えば、核酸免疫のため)のいずれかでのHML−2ポリペプチドの発現のために特に有用である。核酸免疫における使用のために、(i)および(v)は真核生物性であり、そして(iii)および(iv)は原核生物性であることが好ましい。
【0010】
(プロモーター)
本発明のベクターは、プロモーターを含む。このプロモーターは、真核生物中で機能性である(すなわち、真核生物において転写を駆動し得る)ことが好ましい。この真核生物は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。このプロモーターは、好ましくは、インビボで活性である。
【0011】
このプロモーターは、構成的プロモーターであってよいし、または調節されるプロモーターであってもよい。
【0012】
このプロモーターは、特定の組織もしくは細胞型に特異的であってもよいし、または多くの組織において活性であってもよい。
【0013】
好ましいプロモーターは、(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)に由来する)ウイルスプロモーターである。ウイルスベースの系が送達のために使用される場合、このプロモーターは、個々のウイルスに関係するプロモーターであり得る。例えば、ワクシニアプロモーターが、ワクシニアウイルス送達系とともに使用され得る。
【0014】
このベクターはまた、転写調節配列(例えば、エンハンサー)を、このプロモーターに加えて含み得、この転写調節配列は、このプロモーターと機能的に相互作用する。
【0015】
好ましいベクターとしては、極初期CMVエンハンサー/プロモーターが挙げられ、より好ましいベクターとしてはまた、CMVイントロンAが挙げられる。これは、Towne株から元々単離された。これは、非常に強力である。完全なネイティブヒト極初期CMV転写制御単位は、5’から、転写が制御される配列のATGまで、4つの領域へと模式的に分割される:I−モジュレーター領域(核因子1結合部位のクラスター);II−エンハンサー領域;III−プロモーター領域;およびIV−イントロンAを伴う5’ UTR。このネイティブウイルスにおいて、領域Iは、特化した細胞型における発現を調節する上流配列と、核因子1(NF1)結合部位のクラスターとを含む。領域Iは、多くの細胞株において抑制性であり得、本発明のベクターからは一般的に除去される。領域IIおよび領域IIIは、一般的に本発明のベクター中に含まれる。イントロンA(領域IV中にある)は、多くの形質転換細胞株において発現を正に調節し、このイントロンAを含むと、発現が増強される。
【0016】
本発明のベクター中のプロモーターは、HML−2ポリペプチドをコードする下流配列と作動可能に連結されており、そのコード配列の発現は、そのプロモーターの制御下にあるようになっている。
【0017】
(HML−2ポリペプチドをコードする配列)
本発明のベクターは、HML−2ポリペプチドをコードする配列を含む。このHML−2は、好ましくはPCAVである。
【0018】
HML−2は、HERV−Kファミリーのサブグループである[4]。HML−2サブグループのメンバーであるHERV単離株としては、HML−2.HOM[5](ERVK6とも呼ばれる)、HERV−K10[6,7]、HERV−K108[8]、参考文献9の図4に示される27種のHML−2ウイルス、HERV−K(C7)[10]、HERV−K(II)[11]、HERV−K(CH)[1,2]が挙げられる。HML−2は十分に認識されたファミリーであるので、当業者は、任意の特定のHERV−KがHML−2である否かを、例えば、HERVdデータベース[12]を参照することによって、何の困難性もなく決定することが可能である。
【0019】
第7番染色体上に位置するHML−2.HOM[5,13]またはPCAV[3]由来の配列を使用することが、好ましい。PCAVは、HERV−KサブファミリーHML2.0のメンバーであり、配列番号75は、利用可能なヒト第22番染色体配列[14]に基づく、その最初の5’LTRの初めから断片化された3’LTRの最後までのPCAVの12366bp配列である。これは、二本鎖ゲノムDNAのセンス鎖である。この転写開始部位は、ヌクレオチド635+5にあるようであり、そのポリアデニル化部位は、ヌクレオチド11735にある。
【0020】
このHML−2ポリペプチドは、gag領域、prt領域、pol領域、env領域またはcORF領域に由来し得る。これらのポリペプチドをコードするHML−2転写物は、内因性ウイルスゲノムの全長mRNAコピーの選択的スプライシングによって生成される[例えば、参考文献15の図4、参考文献16の図1A、本明細書中図9]。いくつかのHML−2ウイルスが、5つすべてのポリペプチドをコードする(例えば、ERVK6[5])が、ほとんどのコード領域は、変異しているかまたは存在しない1つ以上のコード領域を生じる変異を含む。従って、すべてのHML−2 HERVが、5つすべてのポリペプチドをコードする能力を有するわけではない。
【0021】
HML−2 gagポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の最初の長いORFによってコードされる[17]。全長gagポリペプチドは、タンパク質分解切断される。gagヌクレオチド配列の例は、配列番号1(HERV−K108);配列番号2(HERV−K(C7);配列番号3(HERV−K(II));配列番号4(HERV−K10)および配列番号76(PCAV)である。gagポリペプチド配列の例は、配列番号5(HERV−K(C7));配列番号6(HERV−K(II));配列番号7および配列番号8(HERV−K10);配列番号9(「ERVK6」);配列番号69ならび配列番号78(PCAV)。
【0022】
HML−2 prtポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の2番目の長いORFによってコードされる。これは、gag−prt融合ポリペプチドとして翻訳される。この融合ポリペプチドは、タンパク質分解切断されて、プロテアーゼを生じる。prtヌクレオチド配列の例は、配列番号10[HERV−K(108)];配列番号11[HERV−K(II)];配列番号12[HERV−K10]である。prtポリペプチド配列の例は、配列番号13[HERV−K10];配列番号14[「ERVK6」];配列番号71である。
【0023】
HML−2 polポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の3番目の長いORFによってコードされる。これは、gag−prt−pol融合ポリペプチドとして翻訳される。この融合ポリペプチドは、タンパク質分解切断されて、3つをpol生成物(逆転写酵素、エンドヌクレアーゼ、およびインテグラーゼ)を生じる[18]。polヌクレオチド配列の例は、配列番号15[HERV−K(108)];配列番号16[HERV−K(C7);配列番号17(HERV−K(II)];配列番号18[HERV−K10]である。polポリペプチド配列の例は、配列番号19[HERV−K(C7)];配列番号20[HERV−K10];配列番号21[「ERVK6」];配列番号73である。
【0024】
HML−2 envポリペプチドは、完全HML−2ゲノム中の4番目の長いORFによってコードされる。翻訳されたポリペプチドは、タンパク質分解切断される。envヌクレオチド配列の例は、配列番号22[HERV−K(108)];配列番号23[HE
RV−K(C7);配列番号24(HERV−K(II)];配列番号25[HERV−K10]である。envポリペプチド配列の例は、配列番号26[HERV−K(C7)];配列番号27[HERV−K10];配列番号28[「ERVK6」]である。
【0025】
HML−2 cORFポリペプチドは、envと同じ5’領域および開始コドンを共有するORFによって、コードされる。約87コドンの後ろで、スプライシング事象によって、envコード配列が除去される。このcORFコード配列は、envのリーディングフレームに対して+1のリーディングフレームで続く[19,20]。cORFはまた、Recとも呼ばれている[21]。cORFヌクレオチド配列の例は、配列番号29および配列番号30[HERV−K(108)]である。cORFポリペプチド配列の例は、配列番号31である。
【0026】
このHML−2ポリペプチドは、あるいは、PCAPオープンリーディングフレーム[22](例えば、PCAP1、PCAP2、PCAP3、PCAP4、PCAP4aまたはPCAP5(本明細書中の配列番号32〜37))に由来し得る。PCAP3(配列番号34および46)ならびにPCAP5が、好ましい(配列番号37)。
【0027】
このHML−2ポリペプチドは、あるいは、配列番号38〜50のうちの1つであり得る[22]。
【0028】
任意のHML−2ポリペプチド発現生成物をコードする配列が、本発明に従って使用され得る(例えば、配列番号5、6、7、8、9、13、14、19、20、21、26、27、28、31〜50、69〜74、78もしくは79のうちのいずれか1つをコードする配列)。
【0029】
本発明はまた、そのような野生型HML−2ポリペプチド配列に対して少なくともa%同一性を有するポリペプチドをコードする配列を使用し得る。aの値は、65以上(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98,99、99.5、99.9)であり得る。これらの配列は、上記の段落において列挙される配列番号の対立遺伝子改変体、SNP改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体などを包含し得る。
【0030】
本発明はまた、野生型HML−2ヌクレオチド配列に対して少なくともb%同一性を有する配列を使用し得る。bの値は、65以上(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98,99、99.5、99.9)であり得る。これらの配列は、配列番号1、2、3、4、10、11、12、15、16、17、18、22、23、24、25、29および30の対立遺伝子改変体、SNP改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体などを包含する。
【0031】
本発明はまた、このような野生型HML−2ヌクレオチド配列の少なくともcヌクレオチドのフラグメントを含む配列を使用し得る。cの値は、7以上(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300以上)であり得る。このフラグメントは、好ましくは、HML−2ポリタンパク質のタンパク質分解切断生成物である。このフラグメントは、好ましくは、HML−2由来のT細胞エピトープまたは好ましくはB細胞エピトープをコードする配列を含む。T細胞エピトープおよびB細胞エピトープは、経験的に(例えば、PEPSCAN法[23、24]もしくは類似する方法を使用して)同定され得るか、またはJameson−Wolf抗原性指数[25]、マトリックスベースアプローチ[26]、TEPITOPE[27]、ニューラルネットワーク[28]、OptiMerおよびEpiMer[29,30]、ADEPT[31]、Tsites[32]、疎水性[33]、抗原性指数[34]もしくは参考文献35に開示される方法などを使用して、推定され得る。
【0032】
本発明はまた、野生型HML−2ポリペプチド配列の少なくともdアミノ酸のフラグメントを含むポリペプチドをコードする配列を使用し得る。dの値は、7以上(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300以上)であり得る。このフラグメントは、好ましくは、HML−2由来のT細胞エピトープまたは好ましくはB細胞エピトープを含む。
【0033】
本発明はまた、(i)野生型HML−2配列もしくは上記に開示される配列である、第1配列と、(ii)第2の非HML−2配列とを含む、配列を使用し得る。(ii)の例としては、シグナルペプチドをコードする配列、プロテアーゼ切断部位をコードする配列、エピトープをコードする配列、リーダー配列をコードする配列、タグをコードする配列、融合パートナーをコードする配列、N末端メチオニンをコードする配列、任意の配列などが挙げられる。配列(ii)は、一般に、(i)のN末端および/またはC末端に位置し得る。
【0034】
ヌクレオチド配列は、天然で見出されるHML−2ポリペプチドをコードし得るが、そのヌクレオチド配列は、対応する天然ヌクレオチド配列とは異なり得る。例えば、そのヌクレオチド配列は、例えば、目的の宿主におけるコドン優先度を考慮するため、または制限酵素認識部位もしくはタグ配列を付加するために、変異を含み得る。
【0035】
(選択マーカー)
本発明のベクターは、選択マーカーを含み得る。
【0036】
このマーカーは、好ましくは、微生物宿主(例えば、原核生物、細菌、酵母)において機能する。このマーカーは、好ましくは、原核生物選択マーカーである(例えば、原核生物プロモーターの制御下で転写される)。
【0037】
簡便のために、代表的なマーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。
【0038】
(本発明の核酸ベクターのさらなる特徴)
本発明のベクターは、好ましくは、自己複製するエピソームベクターまたは染色体外ベクター(例えば、プラスミド)である。
【0039】
本発明のベクターは、好ましくは、複製起点を含む。この複製起点は、原核生物において活性であるが真核生物においては活性ではないことが、好ましい。
【0040】
従って、好ましいベクターは、そのベクターの選択用の原核生物マーカー、原核生物複製起点を含むが、HML−2コード配列の転写を駆動するための真核生物プロモーターは含まない。従って、このベクターは、(a)HML−2ポリペプチドを発現することなく原核生物宿主中で増幅され選択されるが、(b)増幅されることなく真核生物宿主中で発現される。これは、核酸免疫ベクターのために理想的である。
【0041】
本発明のベクターは、HML−2コード配列の下流に真核生物転写ターミネーター配列を含み得る。これは、転写レベルを増強し得る。そのHML−2コード配列がそれ自体を有さない場合、本発明のベクターは、好ましくは、ポリアデニル化配列を含む。好ましいポリアデニル化配列は、ウシ成長ホルモンに由来する。
【0042】
本発明のベクターは、マルチクローニング部位を含み得る。
【0043】
HML−2ポリペプチドをコードする配列およびマーカーをコードする配列に加えて、このベクターは、第2の真核生物コード配列を含み得る。このベクターはまた、HML−2ポリペプチドと同じ転写物に由来する第2の真核生物ポリペプチドの翻訳を可能にするために、上記の第2配列の上流にIRESを含み得る。あるいは、HML−2ポリペプチドは、IRESの下流にあり得る。
【0044】
本発明のベクターは、非メチル化CpGモチーフ(例えば、2つの5’プリンおよび2つの3’ピリミジンが隣接する、シトシンとそれに続くグアノシンを共通して有する非メチル化DNA配列)を含み得る。その非メチル化形態で、これらのDNAモチーフは、いくつかの型の免疫細胞の強力な刺激因子であることが示されている。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)
核酸ベクターであって、
(i)プロモーター;
(ii)HERV−KファミリーのHML−2サブグループのメンバーである内因性レトロウイルスに由来するポリペプチドをコードする配列であって、当該配列は、当該プロモーターと作動可能に連結されている、配列;および
(iii)選択マーカー;
を含む、ベクター。
・(項目2)
項目1に記載のベクターであって、
(iv)複製起点;および
(v)(ii)の下流にありかつ(ii)と作動可能に連結されている、転写ターミネーター;
をさらに含む、ベクター。
・(項目3)
項目2に記載のベクターであって、(i)および(v)は、真核生物性であり、(iii)および(iv)は原核生物性である、ベクター。
・(項目4)
項目1〜3のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2は、ヒト第22番染色体由来のPCAVである、ベクター。
・(項目5)
項目1〜4のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターは、ヒトにおいてインビボで機能する、ベクター。
・(項目6)
項目1〜5のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターは、ウイルスプロモーターである、ベクター。
・(項目7)
項目6に記載のベクターであって、上記ウイルスプロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)に由来する、ベクター。
・(項目8)
項目1〜7のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記プロモーターに加えて転写調節配列を含む、ベクター。
・(項目9)
項目1〜8のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2ポリペプチドは、gagポリペプチド、prtポリペプチド、polポリペプチド、envポリペプチド、cORFポリペプチド、またはPCAPポリペプチドである、ベクター。
・(項目10)
項目9に記載のベクターであって、上記HML−2ポリペプチドは、
(a)配列番号1〜50、69〜74、78および79のうちの1つ以上に対して少なくとも65%同一性を有し、かつ/または
(b)配列番号1〜50、69〜74、78および79のうちの1つ以上に由来する少なくとも7アミノ酸のフラグメントを含む、
ベクター。
・(項目11)
項目1〜10のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記選択マーカーは、細菌において機能する、ベクター。
・(項目12)
項目1〜11のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である、ベクター。
・(項目13)
項目1〜12のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記ベクターは、プラスミドである、ベクター。
・(項目14)
項目1〜13のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記ベクターは、複製起点を含む、ベクター。
・(項目15)
項目14に記載のベクターであって、上記複製起点は、原核生物において活性であるが真核生物においては活性ではない、ベクター。
・(項目16)
項目1〜15のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、上記HML−2コード配列の下流に真核生物転写ターミネーター配列をさらに含む、ベクター。
・(項目17)
項目1〜16のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、マルチクローニング部位をさらに含む、ベクター。
・(項目18)
項目1〜17のうちのいずれか1項に記載のベクターであって、真核生物ポリペプチドをコードする第2配列の上流にIRESをさらに含む、ベクター。
・(項目19)
項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターを含む、薬学的組成物。
・(項目20)
医薬として使用するための項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクター。
・(項目21)
前立腺癌、精巣癌、多発性硬化症、および/またはインスリン依存性糖尿病(IDDM)を処置するための医薬の製造における、項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターの使用。
・(項目22)
免疫応答を惹起するための方法であって、
免疫原性用量の項目1〜18のうちのいずれか1項に記載のベクターを動物に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目23)
前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法であって、
項目19に記載の薬学的組成物を、当該患者に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目24)
HML−2 gagポリペプチドを含む、ウイルス様粒子(VLP)。
・(項目25)
医薬として使用するための項目24に記載のVLP。
・(項目26)
動物を免疫するための医薬の製造における、項目24に記載のVLPの使用。
・(項目27)
動物において免疫応答を惹起するための方法であって、
項目24に記載のVLPを、当該動物に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目28)
前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法であって、
項目24に記載のVLPを、当該患者に投与する工程
を包含する、方法。
・(項目29)
患者において癌を診断するための方法であって、
(a)項目24に記載のVLPを、当該患者由来の抗体と接触させる工程、および/または
(b)項目24に記載のVLPに対する抗体を、患者サンプルと接触させる工程
を包含する、方法。
【0045】
(薬学的組成物)
本発明は、本発明のベクターを含む薬学的組成物を提供する。本発明はまた、医薬としてのそのベクターの使用、および前立腺癌を処置するための医薬の製造におけるそのベクターの使用を提供する。本発明はまた、前立腺腫瘍を有する患者を処置するための方法を提供し、この方法は、本発明の薬学的組成物をその患者に投与する工程を包含する。その患者は、一般にヒトであり、好ましくはヒトの男性であり、より好ましくは、成人男性である。HERV−Kが関係付けられている他の疾患としては、精巣癌[36]、多発性硬化症[37]、およびインスリン依存性糖尿病(IDDM)[38]が挙げられる。このベクターはまた、これらの疾患に対しても使用され得る。
【0046】
本発明はまた、免疫応答を惹起するための方法を提供し、この方法は、免疫原性用量の本発明のベクターを、動物(例えば、ヒト)に投与する工程を包含する。
【0047】
本発明により包含される薬学的組成物は、活性因子として、治療上有効な量で本発明のベクターを含む。「有効(な)量」とは、有益な結果または望ましい結果(臨床結果を含む)をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本発明のために、有効量とは、前立腺癌の症状および/または進行を、緩和、改善、安定化、逆転、減速、または遅延するために十分である量である。この効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルによって、検出され得る。治療効果としてはまた、身体的症状の減少も挙げられる。
【0048】
被験体にとっての正確な有効量は、その被験体の大きさおよび健康、その状態の性質および程度、ならびに投与のために選択される治療剤または治療剤の組み合わせに依存する。所定の状況についての有効量は、慣用的実験によって決定され、それは、臨床医の判断の範囲内にある。本発明の目的のために、有効用量は、一般には、投与される個体において、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、または約0.01mg/kg〜約50mg/kgまたは約0.05mg/kg〜約10mg/kgの本発明の組成物である。
【0049】
この組成物は、癌および原発性癌の転移を処置するために使用され得る。さらに、本薬学的組成物は、従来の癌処置方法と組み合わせて、例えば、放射線または従来の化学療法に対して腫瘍を感受性にするために使用され得る。用語「処置」、「処置すること」、「処置する」などは、望ましい薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを一般的に指すために本明細書中で使用される。この効果は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防する点で予防的であり得、そして/または疾患および/もしくはその疾患が原因である有害な影響を部分的もしくは完全に安定化もしくは治癒する点で治療的であり得る。「処置」とは、本明細書中で使用される場合、哺乳動物(好ましくはヒト)における疾患のあらゆる処置を網羅し、これには、(a)その疾患もしくは症状に対する素因があり得るがその疾患もしくは症状を有するとは未だ診断されていない被験体において、その疾患もしくは症状が発症するのを予防すること;(b)その疾患症状を阻害すること(すなわち、その発症を阻止すること);または(c)その疾患症状を軽減すること(すなわち、その疾患もしくは症状の後退を引き起こすこと)が挙げられる。
【0050】
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。この用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、治療剤(例えば、抗体、もしくはポリペプチド、遺伝子、および他の治療剤)の投与のためのキャリアを指す。この用語は、上記組成物を受容する個体に対して有害な抗体の生成をそれ自体は誘導せず、かつ過度の毒性も伴わずに投与され得る、あらゆる薬学的キャリアを指す。適切なキャリアは、大きく、ゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子)であり得る。このようなキャリアは、当業者にとって周知である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアとしては、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノールのような、液体が挙げられ得る。補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝物質など)もまた、このような媒体中に存在し得る。代表的には、この治療組成物は、液体溶液または液体懸濁物のいずれかとして、注射可能物質とて調製される。注射前に液体媒体中の溶液もしくは懸濁物になるために適切な固体形態もまた、調製され得る。リポソームが、薬学的に受容可能なキャリアの定義中に包含される。薬学的に受容可能な塩(例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩など);および有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩など)もまた、薬学的組成物中に存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な考察が、参考文献39において入手可能である。
【0051】
この組成物は、好ましくは、滅菌されており、かつ/または発熱物質を含まない。これは、代表的には、約pH7にて緩衝化されている。
【0052】
一旦処方されると、本発明により企図される組成物は、(1)被験体に直接投与され得るか;または(2)被験体に由来する細胞にエキソビボで送達され得る(例えば、エキソビボ遺伝子治療として)。この組成物の直接送達は、一般的には、非経口注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、もしくは筋肉内注射、腫瘍内注射、または組織の間隙空間への注射)によって、達成される。他の投与様式としては、経口投与および肺投与、坐剤、および経皮適用、針、および遺伝子銃またはハイポスプレーが挙げられる。投与処置は、単回投与スケジュールであっても、または多回投与スケジュールであってもよい。
【0053】
筋肉内注射が、好ましい。
【0054】
被験体中への形質転換細胞のエキソビボ送達および再移植のための方法は、当該分野で公知である[例えば、参考文献40]。エキソビボ適用において有用な細胞の例としては、例えば、幹細胞(特に、造血幹細胞)、リンパ細胞、マクロファージ、樹状細胞、または腫瘍細胞が挙げられる。一般的に、エキソビボ適用およびインビトロ適用の両方のための核酸送達が、例えば、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中への核酸のカプセル化、および核中へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられ、すべて当該分野で周知である。
【0055】
(標的化送達)
本発明のベクターは、標的化様式で送達され得る。
【0056】
レセプター媒介性DNA送達技術は、例えば、参考文献41〜46において記載される。核酸を含む治療組成物は、遺伝子治療プロトコルにおける局所投与のために約100ng〜約200mgのDNAという範囲で投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAという濃度範囲もまた、遺伝子治療プロトコルの間に使用され得る。作用方法(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルを増強または阻害するため)、ならびに形質転換効率および発現効率のような要因が、最終的効力のために必要な投与量に影響を及ぼす考慮事項である。より多くの発現がより広い組織領域にわたって望ましい場合、より多くの量のベクター、または連続投与プロトコルにおいて再投与される同じ量、または例えば、腫瘍部位の異なる隣接もしくは近接する組織部分に数回投与することが、正の治療結果をもたらすために必要であり得る。すべての場合に、臨床試験における慣用的実験によって、最適な治療効果のための具体的範囲が決定される。
【0057】
ベクターは、遺伝子送達媒体を使用して送達され得る。この遺伝子送達媒体は、ウイルス起源であっても、非ウイルス起源であってもよい(一般的には、参考文献47〜50を参照のこと)。
【0058】
望ましい細胞における望ましい核酸の送達および発現のためのウイルスベースのベクターが、当該分野で周知である。例示的なウイルスベースのベクターとしては、組換えレトロウイルス(例えば、参考文献51〜61)、アルファウイルスベースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロス川ウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR1249;ATCC VR−532);これらのウイルスのハイブリッドもしくはキメラもまた、使用され得る)、ポックスウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリアポックスウイルス、改変型ワクシニアAnkaraウイルスなど)、アデノウイルスベクター、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、参考文献62〜67を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。死滅アデノウイルスに連結されたDNAの投与[68]もまた、使用され得る。
【0059】
非ウイルス性送達媒体および非ウイルス性送達方法もまた、使用され得、これには、死滅アデノウイルス単独に連結されているかまたは連結されていないポリカチオン性濃縮DNA[例えば、68]、リガンド連結DNA[69]、真核生物細胞送達媒体細胞[例えば、参考文献70〜74]、ならびに核電荷中和または細胞膜との融合が挙げられるが、これらに限定されない。裸のDNAもまた、使用され得る。例示的な裸のDNA導入方法が、参考文献75および76に記載される。遺伝子送達媒体として作用し得るリポソーム(例えば、イムノリポソーム)が、参考文献77〜81に記載される。さらなるアプローチが、参考文献82および83に記載される。
【0060】
使用するために適切なさらなる非ウイルス送達としては、機械的送達系(例えば、参考文献83に記載されるアプローチ)が挙げられる。さらに、コード配列およびその発現産物が、光重合化ヒドロゲル物質の沈着または電離放射線の使用を介して、送達され得る[例えば、参考文献84および85]。コード配列の送達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来方法としては、例えば、携帯式遺伝子転移粒子銃[86]または転移した遺伝子を活性化するための電離放射線の使用[84および87]が挙げられる。
【0061】
PLG{ポリ(ラクチド−co−グリコリド)}微粒子を使用するDNAの送達は、特に好ましい方法であり、これは、例えば、この微粒子への吸着による。この微粒子は、必要に応じて、負電荷表面を有するように処理される(例えば、SDSで処理される)か、または正電荷表面を有するように処理される(例えば、CTABのようなカチオン性界面活性剤で処理される)。
【0062】
(ワクチン組成物)
この薬学的組成物は、好ましくは、免疫原性組成物であり、より好ましくは、ワクチン組成物である。このような組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)において抗体を惹起するため、および/または細胞免疫応答(例えば、T細胞(例えば、CTL)に関与する応答、ナチュラルキラー細胞に関与する応答、マクロファージに関与する応答など)を惹起するために、使用され得る。
【0063】
本発明は、前立腺癌を予防するための医薬の製造における本発明のベクターの使用を提供する。本発明はまた、前立腺癌から患者を保護するための方法を提供し、この方法は、患者に、本発明の薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0064】
核酸免疫は、周知である[例えば、参考文献88〜94など]。
【0065】
この組成物は、アジュバントをさらに含み得る。例えば、この組成物は、以下のアジュバントのうちの1つ以上を含み得る:(1)水中油エマルジョン処方物(他の特定の免疫刺激剤(例えば、ムラミルペプチド(下記を参照)もしくは細菌細胞壁成分)を含むかまたは含まない)(例えば、(a)マイクロフルイダイザーを使用してミクロン未満の粒子へと処方された、MF59TM(5%Squalene、0.5%Tween 80、および0.5%Span 85(MTP−PE(以下を参照のこと)を必要に応じて含む)[95;参考文献96の第10章]を含む)、(b)10%Squalene、0.4%Tween 80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含むSAF(ミクロン未満のエマルジョンにマイクロフルイダイズされているか、もしくはより大きな粒子サイズのメマルジョンを生成するようにボルテックスされているかのいずれかである)、ならびに(c)2%Squalene、0.2%Tween 80、および1以上の細菌細胞壁成分(モノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群より選択され、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)である)を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem、Hamilton,MT);(2)サポニンアジュバント(例えば、QS21もしくはStimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)またはそれから生成される粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激複合体)(このISCOMは、さらなる界面活性剤を欠き得る[97])が使用され得る);(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など);(5)モノホスホリルリピドA(MPL)もしくは3−O−デアシル化MPL(3dMPL)[例えば、98、99];(6)3dMPLと、例えば、QS21および/もしくは水中油エマルジョンとの組み合わせ[例えば、100、101、102];(7)CpGモチーフを含む(すなわち、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含み、必要に応じてシトシンの代わりに5−メチルシトシンが使用される)オリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテルもしくはポリオキシエチレンエステル[103];(9)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[104]、または少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤もしくはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤[105];(10)免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)+サポニン[106];(11)免疫刺激剤+金属塩粒子[107];(12)サポニン+水中油エマルジョン[108];(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて+ステロール)[109];(14)アルミニウム塩(好ましくは水酸塩もしくはリン酸塩)(しかし、他の任意の適切な塩(例えば、リン酸水素塩、酸水酸塩、オルトリン酸塩、硫酸塩など[参考文献96の第8章および第9章]。種々のアルミニウム塩の混合物もまた、使用され得る。その塩は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)を採り得る;(15)キトサン;(16)コレラ毒素もしくはE.coli易熱性毒素もしくはそれらの解毒化変異体[110];(17)生分解性かつ非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど(例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)など))から形成された、微粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μm、より好ましくは直径約200nm〜約30μm、最も好ましくは直径約500nm〜約10μm)(この微粒子は、必要に応じて、負電荷表面を有するように処理される(例えば、SDSで処理される)か、または正電荷表面を有するように処理される(例えば、CTABのようなカチオン性界面活性剤で処理される);(18)モノホスホリルリピドA模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドリン酸誘導体(例えば、RC−529[111]);(19)ポリホスファゼン(PCPP);(20)生体接着物質[112](例えば、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア[113]、または粘膜接着物質(ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体からなる群より選択される));(21)二本鎖RNA;あるいは(22)この組成物の効力を増強するための免疫刺激剤として作用する他の物質。アルミニウム塩および/またはMF59TMが、好ましい。
【0066】
本発明のワクチンは、予防的(すなわち、疾患を予防する)であっても、治療的(すなわち、疾患の症状を減少または除去する)であってもよい。
【0067】
(本発明の具体的ベクター)
本発明の好ましいベクターは、(i)真核生物プロモーター;(ii)そのプロモーターの下流にありかつそのプロモーターに作動可能に連結されている、HML−2ポリペプチドをコードする配列;(iii)原核生物選択マーカー;(iv)原核生物複製起点;および(v)HML−2ポリペプチドをコードする配列の下流にありかつこの配列に作動可能に連結されている、真核生物転写ターミネーターを含む。
【0068】
特に好ましいベクターは、図2〜8(配列番号51〜56および80)に示される。
【0069】
(ウイルス様粒子)
HML−2 gagポリペプチドは、ウイルス様粒子(VLP)へと集合することが見出されている。このポリペプチドのこの粒子形態は、可溶性ポリペプチドと比較した場合に増強した免疫原性を有し、そしてこれは、免疫および/または診断における使用のために好ましいポリペプチド形態である。
【0070】
従って、本発明は、HML−2 gagポリペプチドを含む、ウイルス様粒子を提供する。このgagポリペプチドは、そのN末端においてミリストイル化され得る。
【0071】
本発明はまた、免疫原として使用するため、または診断抗原として使用するための、本発明のVLPを提供する。本発明はまた、動物を免疫するための医薬の製造における、本発明のVLPの使用を提供する。
【0072】
本発明はまた、動物において免疫応答を惹起する方法を提供し、この方法は、本発明のVLPをその動物に投与する工程を包含する。その免疫応答は、体液性免疫応答および/または細胞免疫応答を包含し得る。
【0073】
免疫応答を惹起するために、このVLPは、上記に開示されるようなアジュバントとともに、またはそのアジュバントを伴わずに、投与され得る。その免疫応答は、癌(例えば、前立腺癌)を処置し得るかまたはその癌に対して防御し得る。
【0074】
本発明はまた、患者において癌(例えば、前立腺癌)を診断するための方法を提供し、この方法は、本発明のVLPをその患者由来の抗体と接触させる工程を包含する。同様に、本発明は、患者において癌(例えば、前立腺癌)を診断するための方法を提供し、この方法は、患者サンプルと抗VLP抗体とを接触させる工程を包含する。
【0075】
本発明はまた、本発明のVLPを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、細胞中でgagポリペプチドを発現する工程、およびその細胞からVLPを収集する工程を包含する。発現は、本発明のベクターを使用して達成され得る。
【0076】
本発明のVLPは、パッケージされた核酸を含んでも、含まなくてもよい。
【0077】
このVLPが生成されるgagポリペプチドは、任意の適切なHML−2ウイルスに由来し得る(例えば、配列番号1〜9、69および78)。
【0078】
(定義)
用語「含む、包含する(comprising)」とは、「含む、含有する(including)および「からなる(consiting)」を意味し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xのみからなってもよいし、またはさらなる何かを含んでもよい(例えば、X+Y)。
【0079】
数値xに関連する用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
【0080】
用語「新生物細胞」、「新生物形成」、「腫瘍」、「腫瘍細胞」、「癌」および「癌細胞」(互換可能に使用される)とは、比較的自己増殖を示して、細胞増殖の制御の有意な喪失(すなわち、調節解除された細胞分裂)によって特徴付けられる異常な増殖表現型を示すようになっている、細胞を指す。新生物形成細胞は、悪性であっても良性であってもよく、これには、前立腺癌由来の組織が包含される。
【0081】
2つの核酸配列間の配列同一性パーセントに対する言及は、整列された場合に、その2つの配列を比較するとその塩基のパーセンテージが同じであることを意味する。このアライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、参考文献114の第7.7.18節において記載されるソフトウェアプログラム)を使用して決定され得る。好ましいアライメントプログラムは、GCG Gap(Genetics Computer Group,Wisconsin,Suite Version 10.1)であり、これは、好ましくは、デフォルトパラメーターを使用し、そのデフォルトパラメーターは、以下の通りである:オープンギャップ=3;エクステンドギャップ=1.
2つのアミノ酸配列間の配列同一性パーセントに対する言及は、整列した場合に、その2つの配列を比較するとそのアミノ酸のパーセンテージが同じであることを意味する。このアライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、参考文献114の第7.7.18節において記載されるソフトウェアプログラム)を使用して決定され得る。好ましいアライメントプログラムは、ギャップオープンペナルティ12およびギャップエクステンションペナルティ2、BLOSUMマトリックス62を用いるアフィンギャップサーチを使用する、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定される。このSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献115において教示される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、pCMVkm2ベクターを示す。
【図2】図2は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図3】図3は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図4】図4は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図5】図5は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図6】図6は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図7】図7は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図8】図8は、このベクター中にHML−2ポリペプチドコード配列を挿入することによって形成されたベクターを示す。
【図9】図9は、HML2.HOMゲノム中のコード配列の位置を示し、ヌクレオチドの番号付けは、参考文献5に従う。
【図10】図10は、トランスフェクトされた293細胞におけるgag発現を示すウェスタンブロットである。レーン1〜4は、(1)gag opt HML−2;(2)gag opt PCAV;(3)gag wt PCAV;(4)モックである。
【図11】図11もまた、トランスフェクトされた293細胞のウェスタンブロットを示す。図11Aにおいて、その染色抗体は、抗HML−2であったが、図11Bにおいて、その染色抗体は、抗PCAVであった。図11Aおよび図11Bの両方において、レーン1〜4は、(1)モック;(2)gag opt HML−2;(3)gag opt PCAV;(4)gag wt PCAVである。上側の矢印は、gagの位置を示し、下側の矢印は、β−アクチンコントロールを示す。
【図12】図12は、gag opt PCAVを発現する293細胞の電子顕微鏡写真(図12A)またはgag opt HML−2を発現する293細胞の電子顕微鏡写真(図12B)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
(発明を実行するための様式)
本発明の特定の局面は、以下の非限定的実施例においてより詳細に記載される。これらの実施例は、本発明を生成する方法および使用する方法の開示および説明を当業者に提供するために示され、そしてこれらの実施例は、本発明者らがその発明と見なすものの範囲を限定することは意図されず、下記の実験が、実施されたすべてかつ唯一の実験であることを示すこともまた、意図されない。使用する数値(例えば、量、温度など)に関して精度を確保するための努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が、考慮されなければならない。他のように示されない限り、部とは、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏度であり、圧力は、大気圧であるかまたはほぼ大気圧である。
【0084】
(HML−2ポリペプチドを発現するためのベクター)
基本的pCMVkm2ベクターが、図1に示される。このベクターは、極初期CMVエンハンサー/プロモーターおよびウシ成長ホルモン転写ターミネーターと、その間に位置するマルチクローニング部位とを有する。このベクターは、カナマイシン耐性遺伝子およびColE1複製起点も有する。
【0085】
HML−2ポリペプチドをコードする配列が、そのマルチクローニング部位においてSalIとEcoRIとの間に挿入される。
【0086】
【表1】
【0087】
図4(配列番号53)において示されるベクター以外は、この挿入される配列は、最適な終止コドンの付加を含めて、コドン優先度のために操作された:
(cORF操作)
配列番号57(配列番号43)で開始する;配列番号58(配列番号67)へと操作する:
【0088】
【化1】
【0089】
(PCAP5操作)
配列番号59(配列番号37)で開始する;配列番号60(配列番号68)へと操作する:
【0090】
【化2】
【0091】
(gag操作)
配列番号61(配列番号69)で開始する;配列番号62(配列番号70)へと操作する:
【0092】
【化3】
【0093】
【化4】
【0094】
【化5】
【0095】
(prt操作)
配列番号63(配列番号71)で開始する;配列番号64(配列番号72)へと操作する:
【0096】
【化6】
【0097】
【化7】
【0098】
(pol操作)
配列番号65(配列番号73)で開始する;配列番号66(配列番号74)へと操作する:
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】
【化10】
【0102】
(env操作)
配列番号81(配列番号83)で開始する;配列番号82へと操作する:
【0103】
【化11】
【0104】
【化12】
【0105】
【化13】
【0106】
(gag配列のインビトロ発現)
3つの異なるgagコード配列を、pCMVKm2ベクター中にクローニングした:
(1)gag opt HML−2(配列番号54(配列番号62を含み、配列番号70をコードする)−図5)
(2)gag opt PCAV(配列番号80(配列番号77を含み、配列番号79をコードする)−図8)
(3)gag wt PCAV(配列番号53(配列番号76を含み、配列番号78をコードする)−図4)。
【0107】
これらのベクターを使用して、ポリアミン試薬TransItTMLT−1(PanVera Corp,Madison WI)および2μg DNAを使用して、6ウェルプレート中において二連で293細胞をトランスフェクトした。
【0108】
細胞を、48時間後に溶解し、プールした抗HML2−gagマウス抗体を一次抗体(1:400)として使用し、そしてヤギ抗マウスHRPを二次抗体(1:20000)として使用して、ウェスタンブロットによって分析した。図10は、「gag wt PCAV」(レーン3)よりもかなり効率的に発現された「gag opt PCAV」(レーン2)を示す。レーン1(「gag opt HML−2」)は、レーン2(「gag opt PCAV」)よりも強く染色されるが、これは、一次抗体が相同なHML−2タンパク質に対して惹起された事実に起因したものであり得、発現効率の差を反映するものではない。この疑問に取り組むために、PCAV生成物に対しても抗体を惹起し、これをウェスタンブロッティングに使用した。図11Aは、抗HML2を一次抗体(1:500)として使用する結果を示し、図11Bは、抗PCAV(1:500)を用いる結果を示す。各抗体は、上記異種タンパク質よりも強く、上記同種タンパク質を染色する。
【0109】
(核酸免疫)
本発明のベクターは、細菌から精製され、そしてマウスを免疫するために使用される。
【0110】
(PCAV gagに対するT細胞応答)
CB6F1マウスを、PCAV gagをコードするpCMVKm2ベクターで筋肉内免疫した(図4および8)。そしてgag特異的CD4+細胞およびgag特異的CD8
+細胞の誘導を、測定した。
【0111】
マウスに、0週目、2週目、4週目および6週目に、50μgのプラスミドを4回注射した。これらのプラスミドは、野生型gag配列(配列番号76)を含んだ。その後、マウスを、さらなる作業のために2つの別個の群に分割した。
【0112】
3匹のマウスの第1群には、25週目にさらに50μgのプラスミドを与えたが、このプラスミドは、最適化したgag配列(配列番号77)を含んだ。11日間後、脾臓を採取してプールした。単細胞懸濁物を、培養のために調製した。脾細胞(1×106/培養)を、PCAV gag配列を含む組換えワクシニア(「rVV−gag」)(これは、クローニングベクターpSC11の相同組換え[116]、およびその後の組換えrVVgagのプラーク精製によって生成した)1×107プラーク形成単位(pfu)の非存在下(「非刺激」)または存在下(「刺激」)において、37℃で一晩培養した。二連の刺激培養物および非刺激培養物を調製した。翌日、Brefeldin Aを添加して、サイトカイン分泌をブロックした。培養を2時間継続した。その後、培養物を採集し、そして細胞表面CD8についての蛍光標識モノクローナル抗体および細胞内γインターフェロン(IFN−γ)についての蛍光標識モノクローナル抗体を用いて染色した。染色したサンプルを、フローサイトメトリーによって分析した。細胞内IFN−γについて正に染色したCD8+細胞の画分を決定した。結果は、以下の通りであった:
【0113】
【表2】
【0114】
プールした脾臓CD8+細胞のうちの平均1.27%が、rVV−gagでの刺激に応答してIFN−γを感作した。このことは、このDNA免疫が、PCAV gagを特異的に認識してこのPCAV gagに応答する、CD8+ T細胞を誘導したことを示す。
【0115】
4匹のマウスの第2群には、28週間目にさらに50μgのプラスミドを与えたが、このプラスミドは、最適化したgag配列(配列番号77)を含んだ。12日間後、脾臓を採取した。特異性コントロールとして、HML2envをコードするpCMV−KM2ベクターでワクチン接種したCB6F1マウスからも、脾臓を得た。
【0116】
個々の脾臓からの単細胞懸濁物を、培養のために調製した。脾細胞(1×106/培養)を、刺激の非存在下または1×107pfuのrVV−gagの存在下で、37℃にて一晩培養した。特異性コントロールとして、さらなる培養物が、別の組換えワクシニアウイルスrVV−HIVgp160env.SF162(「rVV−HIVenv」−これは、HIV−1のSF162単離株由来の全長env遺伝子を含む)を含んだ。これは、PCAV由来のgagまたはenvのいずれとも交差反応しないことが予期された。
【0117】
二連の培養物を、各条件について調製した。翌日、Brefeldin Aを添加して、サイトカイン分泌をブロックした。抗CD28抗体を添加して、CD4 T細胞を共刺激した。培養を2時間継続した。その後、培養物を採集し、細胞表面CD8についての蛍光標識モノクローナル抗体、細胞表面CD4についての蛍光標識モノクローナル抗体、および細胞内γIFNについての蛍光標識モノクローナル抗体を用いて染色した。染色したサンプルを、フローサイトメトリーによって分析し、細胞内IFN−γについて正に染色したCD8+CD4− T細胞およびCD4+8− T細胞の画分を、決定した。結果を以下の表に示す。結果は、脾臓培養の間に刺激されなかった細胞を用いて観察された平均値を引いた後の、脾臓培養の間にPCAV gagまたはHIV envのいずれかによる刺激に応答して染色された細胞の%として表した。
【0118】
【表3】
【0119】
PCAV gagをコードするベクターでワクチン摂取された4匹のマウスについて、従って、rVV−gagベクターは、1.32%〜3.00%のCD8+ T細胞を刺激して、IFN−γを生成した。しかし、無関係のrVV−HIVgp160envベクターに応答したCD8+ T細胞は、ほとんど存在しなかった(<0.23%)。このCD8+ T細胞応答は、従って、PCAV gag特異的である。さらに、PCAV envで免疫したコントロールマウスは、ワクシニア刺激に応答したCD8+ T細胞を非常にわずかしか有さなかった(0.13%)。
【0120】
同様に、PCAV gagによるワクチン接種は、PCAV gagに特異的なCD4+ T細胞を誘導した(0.17%〜0.40%)が、PCAV envによるワクチン接種は、そのように誘導しなかった。
【0121】
従って、PCAV gagをコードするベクターによるDNA免疫は、PCAV gag抗原を特異的に認識してその抗原に応答する、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞を誘導する。
【0122】
(ウイルス様粒子)
293細胞を、pCMV−gag(HML−2由来またはPCAV由来のいずれか)で一過性トランスフェクションした48時間後に固定し、電子顕微鏡法により視察した(図12)。両方の場合においてVLPを生成したが、これらは、PCAVについて主に細胞内にあり、HML−2について主に分泌された。
【0123】
PCAV由来の可視的VLPおよびHML−2由来の可視的VLPの集合は、gagタンパク質は、上記の内因性ウイルスが「潜在的」である場合でさえもその本質的活性を保持し、従って、変異的不活化に供されることが予期され得ることを、示す。
【0124】
本発明の好ましい実施形態の上記の説明は、明瞭さおよび理解のために例示および例として提示されている。本発明は、開示されたこの明確な形態に対して網羅的であることも、この形態に限定されることも、意図されない。本発明の趣旨から逸脱することなく多くの変化および改変が本発明に対してなされ得ることが、本発明の教示を考慮すれば、当業者にとって容易に明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその等価物によって規定されることが、意図される。
【0125】
(配列表索引)
【0126】
【表4】
【0127】
以下に注意されたい:
−配列番号1〜9は、参考文献1において、配列番号85、91、97、102、92、98、103、104および146として開示される
−配列番号10〜14は、参考文献1において、配列番号86、99、105、106および147として開示される
−配列番号15〜21は、参考文献1において、配列番号87、93、100、107、94、108、および148として開示される
−配列番号22〜28は、参考文献1において、配列番号88、95、101、107、96、108、および149として開示される
−配列番号29〜31は、参考文献1において、配列番号89、90、および109として開示される
−配列番号32〜37は、参考文献1において、配列番号10、11、12、7、8、および9として開示される
−配列番号38〜50は、参考文献1において、配列番号28〜37、39、41および
43として開示される
−配列番号75は、参考文献3において、配列番号1として開示される。
【0128】
(参考文献(その内容は、参考として完全に本明細書中に援用される)
【0129】
【表5】
【0130】
【表6】
【0131】
【表7】
(配列表)
【数1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載されるような発明。
【請求項1】
本明細書に記載されるような発明。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−268478(P2009−268478A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191360(P2009−191360)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【分割の表示】特願2004−513447(P2004−513447)の分割
【原出願日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【分割の表示】特願2004−513447(P2004−513447)の分割
【原出願日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】
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