説明

HRPD信号リンクの確立方法

非HRPDアクセスでHRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間で代替HRPD信号リンクを確立する方法(10)を開示する。これには、アクセス端末(AT)(24)と高速パケットデータ(HRPD)アクセスネットワーク(AN)(26)との間に信号転送手段(SFF)(22)を設けるステップ(12)と、アクセス端末(24)と信号転送手段(22)との間にデータトンネル(28)を確立するステップ(14)と、データトンネル(28)を介してHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するステップ(16)と、信号転送手段(22)による非HRPDアクセスでHRPDアクセスネットワーク(26)とアクセス端末(24)を、一定の識別子でヘッダを読み取って、ヘッダをアクセス端末またはネットワークのアドレスにマッピングすることによって識別するステップ(18)と、アクセス端末(24)およびHRPDアクセスネットワーク(26)から信号転送手段(22)に到達したHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを、それぞれHRPDアクセスネットワーク(26)およびアクセス端末(24)に転送するステップ(20)とを含む。方法(10)は、開始およびセッション確立手順を行い、HRPDアクセスネットワークへのハンドオフ中の時刻、中断およびパケット損失を最小化し、シームレスな移動性を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HRPD信号リンクを確立する方法に関し、より具体的には非HRPDアクセスでアクセス端末とアクセスネットワークとの間に代替HRPD信号リンクを確立して、代替信号リンクでHRPDセッションの先行確立を確立する方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ体験に悪影響を及ぼすことなく、ある無線通信技術から別のものにデータ、音声および映像サービスをシームレスに転送できるマルチモード機器の開発への関心がある。
当該機器の例としては、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)、WLAN、WiMax等など、他の無線規格と相互運用する3GPP2−EVDOである。様々なエアインターフェース技術の統合に熱心な関心が寄せられる中、この種の技術間のハンドオフは特に注目を集めてきている。また、主要な携帯電話会社が4Gに移行し、広帯域スペースに新興の事業者が出現していることから、4G技術が成熟する予測可能な将来、事業者内のローミングにも事業者間のローミングにもマルチモード無線通信機器が必要になるであろう。
【0003】
LTEなどのような技術で開始されるリアルタイムのデータセッション、例えばVoIP通話は、HRPDしか利用できないエリアに移動またはローミングすることがあり、VoIP通話をLTEからHRPDにシームレスにかつ長い遅延なく転送する必要がでてくる。
【0004】
しかし、HRPDはいずれかの種類の通話の発信/受信を許可される前に、セッションを確立する必要がある。HRPDの初期化およびセッションの確立は、移動体機器とHRPDネットワークとの信号交換を必要とする次のステップを含む。すわなち、1.ユニキャストアクセス端末識別子(UATI)割当手順、2.HRPDセッション確立手順、3.アクセス認証、4.ポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)のセットアップ、5.HRPDへの後のハンドオフの準備としてのIPセットアップ。しかし、その複雑さとコストの制約から、移動体機器が有する送信機アンテナは典型的には1つに制限され、これが現在の業界標準になっている。
【0005】
上記詳述した例では、機器が他の無線インターフェースでアクティブに送受信している間に、初期化およびセッション確立のための信号交換に利用できる追加の送信機が必要であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、LTE、WLAN、WiMax等などの非HRPDネットワークまたは他のエアインターフェースでアクティブな移動体から、HRPDの初期化およびセッション確立手順を行って、2つの送信機アンテナを使用する必要なく、HRPDへのハンドオフまたは転送中の中断およびパケット損失を最小化する方法および解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このように、例えば、コスト効率良く、迅速またはユーザフレンドリーで、2つの送信機アンテナを使用する必要がなく、非HRPDエアインターフェース(例として、この用語にはLTE、WLAN、WiMaxおよびその他同様なものを含む)でアクティブな移動体から、HRPDの初期化およびセッション確立手順を行って、HRPDエアインターフェースへのハンドオフまたは転送中の中断およびパケット損失を最小化するニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による、非HRPDアクセス時にシグナリングするHRPDの略図。
【図2】本発明による、非HRPDアクセスでHRPD信号リンクを確立する方法のブロック図。
【図3】本発明による、信号転送手段および新規インターフェース(Axx)を含む、3GPP2、A.S0008のHRPD_IOS規格で定義されるHRPD IOSアーキテクチャを鎖線で示すブロック図。
【図4】本発明による、経時的に非HRPDアクセスでHRPD信号リンクを確立するフロー図(アクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)、および時刻a〜hを、それぞれ列で示し、リンクを開放または確立する方法を表している)。
【図5】本発明による、経時的に非HRPDアクセスでHRPD信号リンクを閉鎖(または切断)するフロー図(アクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)、および時刻a〜hを、それぞれ列で示し、リンクを切断または終端する方法を表している)。
【図6】本発明による、経時的にTCP/IPを使用した非HRPDアクセスでHRPD信号交換を示すフロー図(アクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)、および時刻a〜cを、それぞれ列で示す)。
【図7】本明細書で説明するHRPD規格IS856で定義されるプロトコル構造(デフォルト信号パスおよびデフォルトデータパスを図示している)。
【図8】本発明による、シグナリング適合プロトコル(SAP)および開放(動作中)位置での信号パスを含む、HRPD規格IS856で定義される図7のプロトコル構造を示す環境図。
【図9】本発明による、図8のシグナリング適合プロトコルと開放状態(動作中)の例示的な信号パスの実施形態を示すブロック図。
【図10】本発明による、図8のシグナリング適合プロトコルと開放状態(動作中)の例示的な信号パスの別の第2実施形態を示すブロック図。
【図11】本発明による、図8のシグナリング適合プロトコルと開放状態(動作中)の例示的な信号パスの別の第3実施形態を示すブロック図。
【図12】本発明による、閉鎖状態、セットアップ状態および開放状態を含む図8のシグナリング適合プロトコルのアクセス端末状態マシンを示すブロック図(代替リンクを開閉する方法を表している)。
【図13】本発明による、閉鎖状態、セットアップ状態および開放状態を含む図8のシグナリング適合プロトコルのアクセスネットワーク状態マシンを示すブロック図(代替リンクを開閉する方法を表している)。
【図14】本発明による、経時的に非HRPDエアインターフェースでHRPD信号リンクを確立するフロー図(代替リンク、信号網プロトコル(SNP)、シグナリング適合プロトコル(SAP)、アクセスネットワーク(AN)および時刻a〜lのそれぞれを列で示している)。
【図15】本発明による、非HRPDアクセスで搬送できる汎用コンテナにHRPDメッセージおよびHRPDデータを変換するシグナリング適合方法の実施形態のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1,2を参照すると、非HRPDアクセスでHRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間に代替HRPD信号リンクを確立するための方法10が図示されている。方法10は概略的に、(信号転送手段を)配備するステップ12と、確立ステップ14と、交換ステップ16と、識別ステップ18と、転送ステップ20とを含む。より詳細には、方法10は、アクセス端末(AT)24と高速パケットデータ(HRPD)アクセスネットワーク(AN)26との間に信号転送手段(SFF)22を設けるステップ12と、アクセス端末24と信号転送手段22との間にデータトンネル28を確立するステップ14と、データトンネル28を介してHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するステップ16と、信号転送手段22による非HRPDアクセスを介して、HRPDアクセスネットワーク26およびアクセス端末24を、HRPDセクタID、アクセス端末IDおよびストリームIDを備えるヘッダを読み取り、ヘッダをアクセス端末とアクセスネットワークのうちいずれかのアドレスにマッピングすることによって識別するステップ18と、アクセス端末24およびHRPDアクセスネットワーク26から信号転送手段22に到達するHRPD信号メッセージおよびHRPDデータをそれぞれHRPDアクセスネットワーク26およびアクセス端末24に転送するステップ20とを備える。有利なことに、方法10は開始およびセッション確立手順を行い、HRPDアクセスネットワークへのハンドオフ中の時間、中断およびパケット損失を最小化し、シームレスな移動性を可能にする。
【0010】
より詳細には、この方法10は、HRPDの開始およびセッション確立手順を行う。例えば、使用中の移動体などのアクセス端末24は非HRPDアクセスでアクティブになるだろう(3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)およびWIMaxなど)。この方法10は、HRPDアクセスネットワークへのハンドオフ中の時間、中断およびパケット損失を最小化するとともに、ユーザ体験を最大化するために適応される。ある実施形態では、HRPD信号メッセージはTCP/IPリンクで、HRPDアクセスネットワークを一意に識別するために新たに定義されるヘッダを付される。加えて、方法10は、HRPDをアクセス技術の一つとして使用するマルチモード機器またはアクセス端末での使用に特に適応する。換言すると、この方法10は、HRPD技術と非HRPDエアインターフェース技術との間のシームレスな移動性を提供する。
【0011】
使用する用語と頭字語の簡単な定義を以下および本出願を通して詳述する。これに反することが明示的に述べられていない限り、当該用語および略語はすべてその通常の意味を有する。本明細書の定義は明確にすることを意図する。
【0012】
1.エボリューション・データ・オプティマイズドまたはエボリューション・データは、EV−DOまたはEVDOまたは1xEVと省略される。
2.ハイデータレート(HDR)および高速パケットデータ(HRPD)は、総称的に無線通信信号によるデータの無線伝送の電気通信規格をいう。HRPDはブロードバンドインターネットアクセスと、ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)などのリアルタイムのデータサービスを含む様々なデータサービスを提供できる。
【0013】
3.EVDOは、伝送するデータ量を最大化するためのCDMA(符号分割多重アクセスおよび周波数分割複信(FDD)などの多重化技術を採用する。これは規格のCDMA2000ファミリーの一部として第三世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)により標準化され、世界中の数多くの携帯電話サービスプロバイダ、特にCDMAネットワークを以前から採用しているプロバイダに採用されている。CDMA2000高速パケットデータ(HRPD)EVDO(エボリューション・データ・オプティマイズド)のさらに具体的な説明は、2006年9月の「cdma2000高速パケットデータ・エアインターフェース仕様書」と題する3GPP2 C.S0024−AおよびTIA−IS−856(IS856としても知られる)に掲載されている。
【0014】
4.HRPDセッションとは、アクセス端末(AT)とアクセスネットワーク(AN)との共有状態をいう。セッションを開放するため以外で、アクセス端末は開放セッションをもたないアクセスネットワークと通信することはできない。
【0015】
5.接続または専用無線接続とは、アクセス端末に順方向トラフィックチャネル、逆方向トラフィックチャネルおよび関連媒体のアクセス制御チャネルを割り当てられるエアリンクの特定の状態をいう。
【0016】
6.本明細書で使用するHRPDの頭字語は総称的に、例として、HDR、EV−DO、EVDO、1xEV、CDMA、CDMA2000エボリューション・データ・オプティマイズド(EVDO)、規格TIA−IS−856、3GPP2 HRPD相互運用性仕様A.S0008、規格TIA−IS−856に基づくcdma2000無線IPネットワークおよびその他同様なものをいい、これらを含む。
【0017】
7.3Gとは、第三世代携帯電話技術をいう。
8.3GPPとは、GSM規格とその進化型を開発する標準化グループである第三世代パートナーシップ・プロジェクトをいう。
【0018】
9.3GPP2とは、cdma2000の発展型を開発する標準化グループである第三世代パートナーシップ・プロジェクト2をいう。
10.4Gとは、第四世代ブロードバンド無線技術をいう。
【0019】
11.WiMAXとは、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセスを意味する。
12.TCPとは、伝送制御プロトコル(TCP/IPの一部)を意味する。
【0020】
13.IPとは、インターネット・プロトコル(TCP/IPの一部)である。
ある実施形態では、方法20は、HRPDエアインターフェースでトラフィックチャネルを確立する前に、非HRPDアクセスでHRPDセッションを先行確立するステップを含む。非HRPDアクセスとHRPDアクセスとの間でハンドオフを行うためには、ハンドオフの前にHRPDセッションを確立する必要がある(適した無線周波数で)。ボイスオーバーIP(VoIP)などのリアルタイムサービスにおける問題は、HRPDセッションの確立は約数秒ほどの一定時間がかかり、受け入れ難い通信の中断が発生することがあるということである。非HRPDとHRPDアクセスとの低レイテンシ(低セットアップ時間)アクティブセッションのハンドオフをサポートするために、方法20は解決策と効果的な手順を提供し、非HRPDアクセスからHRPDアクセスに無線周波数アンテナを切り換える前に、非HRPDアクセスしている間にHRPDセッションを先行確立する。
【0021】
本明細書で使用するHRPDアクセスという用語は、HRPDエアインターフェース、無線ネットワーク制御装置、基地局およびその他同様なものを含むHRPDアクセスネットワーク、パケットデータサービスネットワーク(PDSN)、モバイルIPホーム・エージェント、モバイルIP移動先エージェントおよびその他同様なものを含むHRPDコアネットワークのうち、少なくとも1つを含み、本明細書で使用する非HRPDアクセスという用語は、非HRPDエアインターフェース、非HRPDアクセスネットワークおよび非HRPDコアネットワークのうち、少なくとも1つを含む。
【0022】
ある実施形態では、この方法20はHRPDエアインターフェースでトラフィックチャネルを確立する前に、非HRPDアクセスでアクティブなHRPDマルチモードアクセス端末(HRPDマルチモードアクセス端末とは移動体機器であり、HRPDアクセス技術に加えて1または複数のアクセス技術を実装する)からHRPDセッションを認証し、先行確立するステップを含む。好ましくは、これはトラフィックチャネルを確立する前に、HRPDのすべてのプロトコル層のUATI割当、プロトコル・サブタイプ・ネゴシエーション、およびプロトコル構成パラメータ・ネゴシエーションを取得するステップを含む。非HRPDとHRPDとの間でアクティブセッションのハンドオフを行うためには、アクセス端末はアクセスネットワークからUATI割当によってUATIを取得し、HRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間でプロトコルサブタイプおよびプロトコル構成パラメータをネゴシエーションする必要があるだろう。しかし、これらの手順は受け入れ難い時間がかかりかねず(不快なユーザ体験)、VoIPなどの周知のリアルタイムサービスにおいて受け入れ難い通信の中断を起こしかねない。上記使用したように、アクティブセッションとは、アクセス端末が専用無線接続でユーザ・データを送受信している最中であることを意味する。
【0023】
有利なことに、非HRPDとHRPDアクセスとの間の低レイテンシ(通信の中断を最小限に抑える)アクティブセッションのハンドオフをサポートするために、方法は、非HRPDアクセスからHRPDアクセスへ無線周波数アンテナを切り換える前に、非HRPDアクセスの間にHRPD UATI、HRPDプロトコルサブタイプおよび構成パラメータを取得する効果的な手順を確立するステップを含む。
【0024】
ある実施形態では、アクセスネットワーク上でのセキュリティ攻撃の可能性を最小化するため、およびアクセス端末のプライバシーを保護するために、図1のデータトンネルはセキュアである。
【0025】
別の実施形態では、方法は、HRPDアクセスチャネルが非HRPDエアインターフェースのアクセス端末とのメッセージングすることを許可するステップを含む。この特徴は、例えば、非HRPDネットワークからHRPDネットワークにハンドオフを行うためにかかる時間を短縮できる。この実施形態では、HRPDトラフィックチャネルを取得するためにHRPDで要するアクセス手順を迂回するのが望ましく、こうすることでハンドオフ中のユーザ体験を有利に改善する。
【0026】
当業者なら分かるように、アクセスネットワークは基地局制御装置、無線ネットワーク制御装置、複数の前記制御装置、およびその他同様なものを含むことができる。基地局は一以上のトランシーバを介してアクセス端末とアクセスネットワークとの無線周波数(RF)インターフェースを提供する。セッションの確立、セッションの維持などのために、アクセスネットワークはHRPDアクセス端末と信号メッセージを交換する。
【0027】
さらに別の実施形態では、方法は、アクセス端末と信号転送手段とのインターフェースを提供するステップと、信号転送手段とアクセスネットワークとのインターフェースを提供するステップとを含むことができる。この実施形態では、信号転送手段は、アクセスネットワークの実装、およびアクセスネットワークローディングとオペレータネットワークのレイアウトに基づく拡張性を容易にするために、信号転送手段は独立型モジュールまたは特徴と定義できる。有利なことに、アクセス端末と信号転送手段とのインターフェースは様々なアクセス端末のベンダと信号転送手段のベンダとの相互運用性をサポートできる。同様に、信号転送手段とHRPDアクセスネットワークの間にあるものとして定義されるインターフェースは、様々なHRPDネットワークのベンダと信号転送手段のベンダとの相互運用性を提供し、それをサポートする。
【0028】
好適な実施形態では、方法は、HRPDアクセス端末IDを非HRPDネットワークによって割り当てられたIPアドレスへのマッピングのステップを含む。HRPD固有情報を処理する必要がなく、非HRPDネットワークを維持するためには、アクセス端末と信号転送手段との間に確立されるデータトンネルで汎用搬送メカニズムを使用することが重要であり、TCP/IPはこのような選択肢を提供する。HRPDアクセスのアクセス端末を識別するために使用する識別をTCP/IPドメインにマッピングする必要があり、そこでIPアドレスを使用する。この特徴がこの機能を可能にする。
【0029】
また、好適な実施形態では、この方法はIP上で信号転送手段によってカプセル化したメッセージを、HRPDアクセスネットワークのIPアドレスにセクタIDをマッピングすることによりルーティングするステップを含む。アクセス端末から信号転送手段に到達したHRPD信号メッセージはHRPDアクセスネットワークに転送する必要があり、アクセスネットワークから信号転送手段に到達したHRPD信号メッセージはアクセス端末に転送する必要がある。しかし、すべてのHRPDアクセスネットワークに対してそれぞれ個別の信号転送手段を有することは実用的ではない。1つの信号転送手段を多くのHRPDアクセスネットワークのために使うのが望ましい。この特徴はHRPDネットワークのIDをマッピングするが、これはアクセスネットワーク内に到達可能なHRPDネットワークのIPアドレスに対しセクタIDにより一意に識別される。
【0030】
図3を参照すると、この図は参照により本明細書に組み込まれる3GPP2、A.S0008のHRPD_IOS規格で定義されるHRPD IOSアーキテクチャを鎖線で示す。図3は信号転送手段も含む。有利なことに、この図およびアプリケーションにおける信号転送手段はHRPDと非HRPDとの迅速かつ信頼性のあるハンドオフを提供すると同時に、コスト効率の良い解決策である。より詳細には、HRPDセッションを先行確立するためには(非HRPDアクセスでHRPD信号メッセージおよびデータの交換により)、代替パスを定義する必要がある。この方法および信号転送手段は次のことを提供する:非HRPDアクセスが非HRPDについてデータトンネルでHRPD固有情報とTCP/IPを処理する必要のない代替パス、非HRPDにについてTCP/IP上で送信され、正しいアクセスネットワークおよびアクセス端末にルーティングされるHRPD信号メッセージ、TCP/IPドメインからHRPDドメインへの翻訳、アクセスネットワークを攻撃から保護するためのセキュリティ。
【0031】
図4は、経時的に非HRPDエアインターフェースでHRPD信号リンクを確立するためのフロー図であり、この図はアクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワークAAA(AN−AAA)、および時刻a〜hのそれぞれに、それぞれ列を含み、リンクを開放する方法を表している。
【0032】
より詳細には、aからhまでの項目は時刻とシーケンスにおいて詳細な流れを提供する。時刻aで、アクセス端末はIP接続を確立する。IP接続は非EVDOエアインターフェースで確立される。時刻bで、アクセス端末はIPベアラで信号転送手段にAlternateLinkOpenReqメッセージを送信する。AlternateLinkOpenReqメッセージは移動局のアイデンティティを含む。時刻cで、信号転送手段は、AlaternateLinkOpenReqメッセージを受信すると、AN−AAAからアクセス端末認証を取得する。時刻dで、信号転送手段は、アクセス端末と信号転送手段との間でセキュアなデータトンネルを確立するために、移動体の認証をトリガする。時刻eで、信号転送手段とアクセス端末との間にセキュアなデータトンネルが作られる。時刻fで、信号転送手段はAxx−AlternateLinkOpenReqメッセージをアクセスネットワークに送信する。時刻gで、アクセスネットワークはAxx−AlternateLinkOpenRespメッセージを付して信号転送手段に応答を返す。時刻hで、信号転送手段はAlternateLinkOpenRespメッセージをアクセス端末に転送する。利点は…
有利なことに、この手順は代替信号リンクを確立する効果的な方法を提供し、好ましくはネットワークが認証を行い、セキュアなトンネルを確立するための手段を含むことができる。加えて、アクセスネットワークが代替リンクでHRPDシグナリングをサポートする場合、発見の効果的な方法を提供するメカニズムを含むことができ、時間や費用がかかる明示的な手段によりアクセスネットワークの能力を通知する必要がない。
【0033】
本明細書で使用するアクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)とは、アクセスネットワーク−認証・承認・課金を意味する。
認証とは、サービスを要求しているユーザが、要求されているネットワークサービスの有効なユーザであることの確認をいう。認証はアイデンティティと認証の提示により行われる。認証の種類の例は、パスワード、ワンタイムトークン、デジタル証明書、および電話番号(発呼/着呼)。
【0034】
承認とは、ユーザに対する特定の種類のサービス(「サービスなし」を含む)を、その認証、ユーザが要求しているサービス、および現在のシステムの状態に基づいて付与することをいう。承認は、制約、例えば、時間帯の制約、または物理的な場所の制約、または同じユーザによる複数のログインに対する制約に基づくことができる。承認はユーザに付与するサービスの性質を決定する。サービスの種類の例には、IPアドレスのフィルタリング、アドレスの割当、経路割当、QoS/差別化サービス、帯域幅制御/トラフィック管理、特定のエンドポイントへの強制的なトンネリングおよび暗号化を含むが、これだけに限定されない。
【0035】
課金とは、ユーザによるネットワークリソースの消費の追跡をいう。この情報は管理、プランニング、請求書発行またはその他の目的で使用できる。リアルタイムの課金とは、リソースの消費と同時に配信される課金情報をいう。一括課金とは、後で配信されるまで蓄積される課金情報をいう。課金の際に収集される典型的な情報は、ユーザのアイデンティティ、配信したサービスの性質、サービス開始時間および終了時間である。
【0036】
図5は、本発明による、経時的に非HRPDエアインターフェースでHRPD信号リンクを閉鎖(または切断)するためのフロー図であり、図にはアクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)、および時刻a〜fのそれぞれに、それぞれ列を含み、リンクを切断する方法を表している。
【0037】
好適でさらに詳細な実施形態では、時刻aで、アクセス端末はアクセス端末と信号転送手段(SFF)との間に既にセキュアなデータトンネルを確立している。時刻bで、アクセス端末はIPベアラでAlternateLinkCloseReqメッセージを信号転送手段に送信する。時刻cで、信号転送手段は、AlternateLinkCloseReqを受信すると、アクセス端末とアクセスネットワークとの間の代替リンク接続を閉鎖する手順を開始し、アクセスネットワークにAxx−AlternateLinkCloseReqメッセージを送信する。時刻dで、アクセスネットワークはAxx−AlternateLinkCloseRespメッセージを付して応答を返す。時刻eで、信号転送手段は代替リンクを閉鎖する手順を完了して、アクセス端末にAlternateLinkCloseRespを送信する。さらに、時刻fで、アクセス端末と信号転送手段との間のセキュアなデータトンネルを閉鎖する。本明細書で使用するIPベアラとは、エンド・ツー・エンドの搬送プロトコルのメカニズムとしてTCP/IPを使用するデータ搬送をいう。
【0038】
これは、ある実施形態では、アクセス端末とアクセスネットワークで稼働しているシグナリング適合状態マシンの同期を確保しながら、非HRPDエアインターフェースでHRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間の代替信号リンクを閉鎖または切断する信頼性のある手順を提供する。
【0039】
図6は、本発明による、経時的にTCP/IPを使用して非HRPDエアインターフェースでHRPD信号交換を示すフロー図であり、図はアクセス端末(AT)、信号転送手段(SFF)、アクセスネットワーク(AN)、アクセスネットワーク−AAA(AN−AAA)、および時刻a〜cのそれぞれに、それぞれ列を含む。
【0040】
好適でさらに詳細な実施形態では、時刻aで、アクセス端末はアクセス端末と信号転送手段(SFF)との間にセキュアなデータトンネルを既に確立している。時刻bで、アクセス端末はIPベアラでAlternateLinkメッセージを信号転送手段に送信する。AlternateLinkMessageはカプセル化されたHRPD信号メッセージを有し、信号転送手段がこのメッセージをどのアクセスネットワークに転送すべきかを決定するヘッダ情報が含まれている。さらに、時刻cで、信号転送手段は、AlternateLinkMessageを受信すると、このメッセージを適切なアクセスネットワークに転送する。これは、非HRPDネットワークがHRPD固有情報を解釈・処理する必要なく、非HRPDアクセスでHRPD信号メッセージとHRPDデータを透過的に交換するためのメカニズムを提供する。
【0041】
図15を参照すると、HRPDメッセージおよびHRPDデータを非HRPDアクセスで搬送できる汎用コンテナに変換するシグナリング適合方法50の代替実施形態が示されている。方法50は、開放状態、セットアップ状態およびデフォルト閉鎖状態を含むシグナリング適合プロトコル(SAP)を含むHRPDプロトコルを提供するステップ52と、非HRPDアクセスでの代替HRPD信号リンクを開放するよう要求するステップ54と、開放状態に入ったら代替HRPD信号リンクを起動するステップ56と、HRPD信号メッセージおよびHRPD無線リンクプロトコル(RLP)データを非HRPDアクセスに適応(およびカプセル化)するステップ58と、HRPDトラフィックチャネルを確立しないで、代替HRPD信号リンクを介してアクセス端末とHRPDアクセスネットワークとの間でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するステップ60と、セクタID、ストリームIDおよびアクセス端末IDを備えるヘッダを挿入することにより、非HRPDアクセスでHRPDアクセスネットワークおよびアクセス端末を識別するステップ62とを備える。方法は開始およびセッション確立手順を行い、HRPDアクセスネットワークへのハンドオフ中の時間、中断およびパケット損失を最小化し、シームレスな移動性を可能にする。
【0042】
有利なことに、この方法は非HRPD技術の専用無線接続でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するメカニズムまたはプロセスを提供し、これは非HRPD無線技術とHRPDセルラー技術との間でアクティブなセッションのハンドオフを行うことのできるマルチモードアクセス端末の開発コストを軽減する。
【0043】
2006年9月の「cdma2000高速パケットデータ・エアインターフェース仕様書」と題する3GPP2 C.S0024Aなどの周知の方法に従いHRPD信号メッセージを送受信する状況を提供するためには、専用無線接続を確立する必要がある。専用無線接続とは、アクセス端末に順方向トラフィックチャネル、逆方向トラフィックチャネル、および関連媒体アクセス管理チャネルを割り当てる特定の状態のエアリンクと定義される。HRPD無線技術および非HRPD無線技術を実装し、かつ非HRPDが専用無線接続につながっているマルチモード移動体機器では、HRPD技術も同時に専用無線接続につなげるのは費用がかさみ、冗長である。
【0044】
HRPDなどのある技術を実装したマルチモードアクセス端末が、非HRPD無線技術からHRPD無線技術へのアクティブなセッションのハンドオフを行うためには(アクティブなセッションとは、アクセス端末が専用無線接続でユーザ・データを送受信している最中であることを意味する)、3GPP2 C.S0024Aに従い、HRPDセッションを確立する必要があり、これはアクセス端末とHRPDアクセスネットワークとの間の専用無線接続でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換することを含む。しかし、2つの専用無線接続を持つと、実装に費用がかさみ、技術的に複雑になるであろう。
【0045】
この方法50は専用の非HRPD無線接続でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するためのコスト効率の良い方法およびメカニズムを提供し、非HRPD無線技術とHRPD技術との間でアクティブなセッションのハンドオフを行うことのできるマルチモードアクセス端末の開発コストを軽減する。
【0046】
好適な実施例では、この方法50はさらに、HRPDトラフィックチャネルを確立することなく、非HRPDアクセスでHRPDセッション、HRPDポイント・ツー・ポイント(PPP)およびHRPDインターネット・プロトコル(IP)セッションの先行確立を提供するステップを含む。HRPDなどのある技術を実装したマルチモードアクセス端末が、非HRPD無線技術からHRPD無線技術へのアクティブなセッションのハンドオフを行うためには、3GPP2 C.S0024Aに従い、HRPDセッション、PPPセッションおよびIPセッションを確立する必要があり、これはアクセス端末とHRPDアクセスネットワークとの間の専用無線接続でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換することを含む。HRPD無線技術および非HRPD無線技術を実装し、かつ非HRPDが専用無線接続につながっているマルチモード移動体機器では、HRPD技術も同時に専用無線接続につなげるには費用がかさみ、技術的に冗長であり、貴重な通信時間を使うことになるだろう。この先行確立の特徴で、マルチモードアクセス端末は非HRPD無線技術とHRPDセルラー技術との間でアクティブなセッションのハンドオフを行えるようになる。
【0047】
さらに別の実施形態では、方法50はHRPDアクセスチャネルの手順なくトラフィックの確立を行うステップを含む。これは有利なことに、非HRPDネットワークの代替リンクでHRPDアクセスチャネルメッセージを送信し、それにより、トラフィックチャネルを取得するためのHRPDのアクセスチャネル手順を迂回する手段を提供する。
【0048】
状況として、HRPD 3GPP2 C.S0024A規格などの現在の実施態様は、アクセスチャネルメッセージを交換するなどのアクセスチャネル手順を必要とし、このために非HRPDからHRPDへのアクティブなセッションのハンドオフに余計な時間をもたらす。一般的に、アクセスチャネルメッセージは、HRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間の専用無線接続のためにトラフィックチャネル割当を取得するために送信する。
【0049】
非HRPDネットワークからHRPDネットワークへのアクティブなセッションのハンドオフを行うためにかかる時間を短縮するには、好適な実施形態では、アクセスチャネルメッセージはアクセス手順を行うことなく、それにより当該手順を効果的に迂回して送信する。このことによって、効果的なハンドオフを提供し、ハンドオフ中のユーザ体験が改善される。
【0050】
さらに別の実施形態では、図12から図14に図示するように、方法50は、アクセス端末のアイデンティティを含む代替リンク開放要求メッセージを提供するステップを含むことができ、接続はIP接続である。この特徴は、AlternateLinkOpenRequestメッセージでアクセス端末のアイデンティティ送信する有益な手順を提供するので、アクセスネットワークがアクセス端末の認証を確認でき、非HRPDネットワークでアクセス端末とアクセスネットワークとの間のセキュアな通信リンクを確保するための認証および確認手順を任意で行う。
【0051】
図7は、参照により本明細書に組み込まれるHRPD規格IS856により定義されるプロトコル構造の図である。本明細書で説明するデフォルトの信号パスも示す。この図は、プロトコル、ソフトウェアおよび独立したプロトコルネゴシエーションの部分的な更新を許可するモジュラー設計によるHRPD階層アーキテクチャを示す。
【0052】
以下に説明するのは、図7に図示するプロトコルスタック層の一般論である。右下から上に向かって、物理層は、チャネル構造、周波数、電力出力、変調および順方向および逆方向のリンクチャネルの符号化の仕様を提供し、手順をサポートするプロトコルを提供する。媒体アクセス制御(MAC)層は物理層で送受信するために使用される手順をサポートするプロトコルを定義する。セキュリティ層は認証および暗号化のサービスをサポートするプロトコルを提供する。接続層はエアリンク接続の確立および維持のサービスをサポートするプロトコルを提供する。セッション層はプロトコルネゴシエーション、プロトコル構成、およびセッション状態の維持のサービスをサポートするプロトコルを提供する。ストリーム層は、異なるアプリケーションストリームの多重化をサポートするプロトコルを提供する。アプリケーション層はHRPDプロトコルメッセージを搬送するためのデフォルトシグナリングアプリケーションおよびユーザ・データを搬送するためのデフォルトパケットアプリケーションをサポートするアプリケーションプロトコルを提供する。より詳細には、HRPD規格IS856を参照する。
【0053】
図8は、本発明によるシグナリング適合プロトコル(SAP)および開放(動作中)位置の信号パスを含む、図7のHRPD規格IS856で定義されるプロトコル構造を示す環境図である。SAPは提供する…
図9、図10および図11は、図8のシグナリング適合プロトコルと開放(動作中)状態の例示的な信号パスの3つの実施形態を示す。
【0054】
ある実施形態では、図9の実線の信号パスで示すSNPプロトコルメッセージとRLPパケットをSAPに転送する。
例えば、HRPDアクセスネットワークとマルチモードアクセス端末との間に専用無線通信を確立しないでHRPDセッションの確立を行うために、この方法は有利なことに、HRPDプロトコルスタックの7つの層すべてが生成する信号メッセージを信号網プロトコル(SNP)からシグナリング適合プロトコルに転送するための手順を提供する。このように、1)HRPDのすべての層が生成したHRPD信号メッセージをSNPからシグナリング適合プロトコル(図9左の実線の信号パス)に、および2)無線リンクプロトコル(RLP)により生成または通過されるHRPDデータをシグナリング適合プロトコルに(図9の右の信号パスを通して)転送することにより、IS−56A HRPD規格などの周知の実施態様に対する技術的な影響を最小化する。加えて、…
図9および図10では、スイッチを制御するSAP状態を示しており、双極状スイッチのように、これは2つのソフトウェア接続スイッチを提供して、信号がデフォルトパス(鎖線、閉鎖状態)をたどれるようにする、または動作状態は実線の信号パスをたどる。
【0055】
図10に図示する第2実施形態では、信号リンクプロトコル−D(SLP−D)プロトコルメッセージおよびRLPパケットがSAPに転送される。HRPDアクセスネットワークとマルチモードアクセス端末との間に専用無線通信を確立しないでHRPDセッションの確立を行うために、この方法は有利なことに、HRPDプロトコルスタックの7つの層の全部が生成する信号メッセージを信号網プロトコル(SNP)および信号リンクプロトコル(SLP−D)からシグナリング適合プロトコルに転送するための手順を提供する。HRPDのすべての層で生成されるHRPD信号メッセージをSLPによりシグナリング適合プロトコルに転送することによって、これはSAPを信号メッセージのシーケンシングおよび再送信をしなくてもよく、それによりシグナリング適合プロトコル手順を簡素化する。加えて、無線リンクプロトコル(RLP)により生成または通過されるHRPDデータは、シグナリング適合プロトコルに転送する。
【0056】
図11に図示する第3実施形態では、ストリームプロトコルのパケットをSAPに転送する。HRPDアクセスネットワークとマルチモードアクセス端末との間に専用無線通信を確立しないでHRPDセッションの確立を行うために、この方法は有利なことに、HRPDプロトコルスタックの7つの層全部によって生成される信号メッセージを、信号網プロトコル(SNP)および信号リンクプロトコル(SLP−D)およびストリームプロトコルからシグナリング適合プロトコルに転送するための手順を提供する。HRPDのすべての層が生成するHRPD信号メッセージをストリームプロトコルによりシグナリング適合プロトコルに転送することによって、SAPを信号メッセージのシーケンシングおよび再転送から解放するとともに、ストリームの識別子の含有および解釈から解放するため、シグナリング適合プロトコル手順をさらに簡素化する。加えて、無線リンクプロトコル(RLP)により生成または通過されるHRPDデータをストリームプロトコルからシグナリング適合プロトコルに転送するため、さらにシグナリング適合プロトコルの展開が簡素化される。
【0057】
図12および図13は、図9のアクセス端末と、閉鎖状態、セットアップ状態および開放状態を含むシグナリング適合プロトコルのアクセスネットワーク状態マシンを示し、代替リンクを開放する方法を表している。この方法は有利なことに、非HRPD代替リンクからデフォルトのHRPD信号リンクへ、およびその逆へ効果的に遷移するための手順を提供する。この方法で定義される状態遷移およびメッセージは、HRPDネットワークとマルチモードアクセス端末を同期させる効果的な方法を確保する。加えて、この特徴の別の利点が、明示的シグナリングをしないで、アクセスネットワークによりシグナリング適合プロトコルまたは代替リンクサポートのサポートを決定するメカニズムを提供し、HRPDおよび非HRPD無線システムの無線周波数リソースの使用量を軽減する。
【0058】
図14は、本発明による、経時的に非HRPDエアインターフェースでHRPD信号リンクを確立するためのフロー図であり、図は、代替リンク、信号網プロトコル(SNP)、シグナリング適合プロトコル(SAP)、アクセスネットワーク(AN)、および時刻a〜lのそれぞれに、それぞれ列を含む。好適な実施形態では、方法50はさらに、SAPにより代替リンクを要求・起動するためのメッセージシーケンスを提供するステップを含む。この特徴は有利なことに、専用HRPD無線接続を確立しないで、コスト効率良くHRPD信号メッセージを確立・適応する手段を提供する。この方法は、3GPP2−C.S0024A規格などで既に実装および配備されているHRPDアクセスネットワークおよび移動体機器との後方互換性も提供できる。
【0059】
より詳細には、このフロー図はHRPD規格C.S0024Aで既に定義されている他のプロトコルの状況における、シグナリング適合プロトコルの動的な挙動を描いている。時刻aで、移動体機器は電源が入る。時刻bで、信号網プロトコルがシグナリング適合プロトコルを起動する。時刻cで、シグナリング適合プロトコルがそのローカル変数を初期化して、閉鎖状態に入る。時刻dで、代替リンクで専用チャネルが利用できるようになると、SNPにそれを通知する。時刻eで、SNPは代替リンクの可用性を真に設定する。時刻fで、SNPは信号メッセージをネットワークに送る必要性を検出する。これは、SAP.AlternateLinkActivateを送ることによって代替リンクでシグナリングを起動する。時刻gで、SAPはAlternateLinkOpenReqメッセージをネットワークに送る。時刻hで、SAPはセットアップ状態に入り、適切な変数を更新する。時刻iで、ネットワークは代替リンクで信号リンクをセットアップした後、AlternateLinkOpenRespメッセージを送る。これはセキュアなデータトンネルセットアップ等を包含できる。時刻jで、SAPは開放状態に入り、適切な変数を設定する。時刻kで、SAPはSAP.AlternateLinkOpenIndindicationをSNPに送る。時刻lで、SNPはAlternateLinkOpenステータスを真に設定する。
【0060】
本明細書で開示する発明概念は数多くの変更ができることは理解されるべきである。当該変更が添付の請求項およびその均等物の範囲内にある限り、これらは本特許申請に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非HRPDアクセスでHRPDアクセスネットワークとアクセス端末との間に代替HRPD信号リンクを確立するための方法において、
アクセス端末と高速パケットデータ(HRPD)アクセスネットワークとの間に信号転送手段を設けるステップと、
前記アクセス端末と前記信号転送手段との間にデータトンネルを確立するステップと、
前記データトンネルを介してHRPD信号メッセージとHRPDデータを交換するステップと、
前記信号転送手段による非HRPDアクセスでの前記HRPDアクセスネットワークと前記アクセス端末を、HRPDセクタID、アクセス端末IDおよびストリームIDを備えるヘッダを読み取り、前記ヘッダを前記アクセス端末と前記アクセスネットワークのうちのいずれかのアドレスにマッピングすることによって識別するステップと、
前記アクセス端末および前記HRPDアクセスネットワークから前記信号転送手段に到達する前記HRPD信号メッセージおよび前記HRPDデータを、それぞれ前記HRPDアクセスネットワークおよび前記アクセス端末に転送するステップとを備える方法。
【請求項2】
HRPDエアインターフェースでトラフィックチャネルを確立する前に、非HRPDエアインターフェース、非HRPDアクセスネットワークおよび非HRPDコアネットワークのうちの少なくとも一つとして定義される非HRPDアクセスでのHRPDセッションを先行確立するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
HRPDエアインターフェースでトラフィックチャネルを確立する前に、非HRPDアクセスからHRPDセッションを認証および先行確立するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データトンネルがセキュアである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
非HRPDアクセスで前記アクセス端末と前記HRPDアクセスネットワークとの間にHRPDアクセスチャネルのメッセージングトランザクションを許可するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アクセスネットワークが、基地局制御装置と無線ネットワーク制御装置のうち、少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセス端末と信号転送手段との間の前記データトンネルを閉鎖するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセスネットワークと信号転送手段との間にインターフェースを設けるステップと、前記信号転送手段とアクセスネットワークとの間にインターフェースを設けるステップと、前記HRPDアクセス端末IDを前記非HRPDネットワークによって割り当てられるIPアドレスにマッピングするステップと、セクタIDを前記HRPDアクセスネットワークのIPアドレスにマッピングすることによって、IPで信号転送手段によりカプセル化されたメッセージをルーティングするステップとのうち、少なくとも一つをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
HRPDメッセージおよびHRPDデータを非HRPDアクセスで搬送できる汎用コンテナに変換する、シグナリング適合方法で、
開放状態、セットアップ状態およびデフォルト閉鎖状態を含むシグナリング適合プロトコル(SAP)を含むHRPDプロトコルを提供するステップと、
非HRPDアクセスで代替HRPD信号リンクを開放するよう要求するステップと、
前記開放状態に入ると、前記代替HRPD信号リンクを起動するステップと、
前記HRPD信号メッセージおよびHRPD無線リンクプロトコル(RLP)データを非HRPDアクセスに適合(カプセル化)させるステップと、
HRPDトラフィックチャネルを確立しないで、前記代替HRPD信号リンクを介して前記アクセス端末と前記HRPDアクセスネットワークとの間でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するステップと、
非HRPDアクセスでの前記HRPDアクセスネットワークおよび前記アクセス端末を、セクタID、ストリームIDおよびアクセス端末IDを備えるヘッダを挿入することにより識別するステップとを備えるシグナリング適合方法。
【請求項10】
前記代替リンクはデータトンネルであり、前記非HRPDアクセスは、非HRPDエアインターフェース、非HRPDアクセスネットワークおよび非HRPDコアネットワークのうちの少なくとも一つと定義される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
SNPプロトコルメッセージおよびRLPパケットを前記SAPに転送するステップと、SLP−DプロトコルメッセージおよびRLPパケットを前記SAPに転送するステップと、ストリームプロトコルのパケットを前記SAPに転送するステップのうち、少なくとも一つをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項12】
前記アクセス端末とアクセスネットワークのうち、少なくとも一つの状態マシンを提供するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記SAPにより前記代替HRPD信号リンクを要求・起動するためのメッセージシーケンスを提供するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
HRPDトラフィックチャネルを確立しないで、非HRPDアクセスでHRPDセッション、HRPDポイント・ツー・ポイント(PPP)およびHRPDインターネット・プロトコル(IP)セッションを先行確立するステップをさらに備え、前記非HRPDアクセスが非HRPDエアインターフェース、非HRPDアクセスネットワークおよび非HRPDコアネットワークのうち、少なくとも一つと定義される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
HRPDアクセスチャネルの手順なしで、トラフィックの確立を行うステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記アクセス端末のアイデンティティを含む代替リンク開放要求メッセージを提供するステップをさらに備え、前記接続がIP接続である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
HRPDメッセージおよびHRPDデータを、非HRPDアクセスで搬送できる汎用コンテナに変換するためのシグナリング適合方法で、
開放状態、セットアップ状態およびデフォルトの閉鎖状態を含むシグナリング適合プロトコル(SAP)を含むHRPDプロトコルを提供するステップと、
非HRPDアクセスでの代替HRPD信号リンクを開放するよう要求するステップと、
前記開放状態に入ると、前記代替HRPD信号リンクを起動するステップと、
前記HRPD信号メッセージおよびHRPD無線リンクプロトコル(RLP)データを非HRPDアクセスに適応またはカプセル化するステップで、前記非HRPDアクセスは非HRPDエアインターフェース、非HRPDアクセスネットワークおよび非HRPDコアネットワークのうち、少なくとも一つとして定義される適応またはカプセル化するステップと、
HRPDトラフィックチャネルを確立しないで、前記代替HRPD信号リンクを介して、前記アクセス端末と前記HRPDアクセスネットワークとの間でHRPD信号メッセージおよびHRPDデータを交換するステップと、
セクタID、ストリームIDおよびアクセス端末IDを備えるヘッダを挿入することによって、非HRPDアクセスで前記HRPDアクセスネットワークおよび前記アクセス端末を識別するステップと、
前記アクセス端末およびアクセスネットワークに少なくとも一つの状態マシンを提供するステップと、
前記SAPにより前記代替HRPD信号リンクを要求・起動するためのメッセージシーケンスを提供するステップとを備えるシグナリング適合方法。
【請求項18】
SNPプロトコルメッセージおよびRLPパケットを前記SAPに転送するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
SNPプロトコルメッセージおよびRLPパケットを前記SAPに転送するステップと、前記SLP−Dプロトコルメッセージおよび前記RLPパケットを前記SAPに転送するステップと、ストリームプロトコルのパケットを前記SAPに転送するステップとのうち、少なくとも一つをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
HRPDトラフィックチャネルを確立しないで、非HRPDアクセスでHRPDセッション、HRPDポイント・ツー・ポイント(PPP)およびHRPDインターネット・プロトコル(IP)セッションを先行確立するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−531629(P2010−531629A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515290(P2010−515290)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/069911
【国際公開番号】WO2009/012191
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】