説明

HSUPAおよびHSDPAチャネルに関連する無線リンク障害を認識する方法およびシステム

【課題】WTRUとノードB間のRL障害を検出する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】無線送受信ユニット(WTRU)102は、個別物理データチャネルを使用する無線ベアラ、または、高速物理ダウンリンク共用チャネルを使用する無線ベアラを受信するように構成される、受信機202と、無線リンク障害が発生したか否かを判定するように構成される測定デバイス206とを備え、該無線リンク障害は、前記受信機202が個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信する場合に、前記個別物理データチャネルに関連付けられる受信される個別制御チャネルの品質を測定する該測定デバイス206によって判定され、または、前記受信機202が前記個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信しない場合に、複数のWTRUによって共用されるチャネルの品質を測定する該測定デバイス206によって判定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送信/受信ユニット(WTRU)およびノードBを含む無線通信システムに関する。具体的には、本発明は、WTRUとノードBとの間に確立された高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access;HSUPA)および高速ダウンリンクパケットアクセス(high speed downlink packet access;HSDPA)チャネルに関連する無線リンク(RL)障害を認識する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)無線通信システムにおいて、WTRUとUTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)間の接続(つまり、RL)を保持するために、シグナリング無線ベアラ(signaling radio bearer:SRB)が使用される。WTRUおよびノードBに接続している物理チャネルの受信が品質についての閾値を下回るか、または検出できなかった(つまり、WTRUとUTRAN間でシグナリング情報が交換されるようにする物理チャネルが失敗した)場合、RL障害が宣言され、WTRUおよびUTRANは、WTRUとUTRAN間の接続を再確立する手続きを開始する。
【0003】
SRBの損失を認識して適切なアクションを行うため、WTRUおよびUTRANはRL障害が発生していないか常時監視する。RL障害検出手続きの主要な目的は、SRBがマップされるトランスポートチャネル(TrCH)および物理チャネルの障害を検出することである。
【0004】
3GPP無線通信システムにおいて、SRBは個別トランスポートチャネル(DCH)にマップされ、それが個別物理チャネル(DPCH)にマップされる。DPCHは、個別物理制御チャネル(DPCCH)および個別物理データチャネル(DPDCH)を備える。
【0005】
DPCHおよびDCHの状態を検出する基準は、DPCCH品質の推定、(およびあらかじめ定められた閾値との比較)、および/または巡回冗長検査(CRC)に基づくDPCH上のデータパケットの正しい受信の統計値のコレクションを含む。基準が満たされると、WTRUおよびUTRANは、WTRUとUTRANとの間の接続を解除して再確立する手続きを呼び出す。
【0006】
3GPP無線通信システムにおいて、連続サービス(例えば音声)および双方向サービス(例えばWebブラウジング)の両方がサポートされる。個別チャネルは連続サービスをサポートする上で効率的であるが、共用チャネルは双方向サービスをサポートする上で効率的である。共用チャネルは、無線リソースの有効利用をさらに高め、双方向サービスのサービス品質(QoS)を向上させる。しかし、サービスが共用チャネルにマップされる場合、トラフィック要件が連続的ではないため、SRBの個別チャネルの使用は非効率的である。
【0007】
3GPP無線通信システムにおいて、HSUPAおよびHSDPAは主として、連続チャネル割り当てを必要としないサービスに高速共用チャネルを使用する。これらのチャネルは、チャネル割り当てにWTRUとノードB間の高速な物理および媒体アクセス制御(MAC)層シグナリングを使用し、失敗した伝送の効率的かつ高速な回復にハイブリッド自動再送要求(hybrid-automatic repeat request;H−ARQ)を使用する。
【0008】
SRBが、個別チャネルではなくHSUPAまたはHSDPAチャネルによってサポートされる場合、たとえ個別チャネルが引き続き動作している場合であってもSRBが失敗することがある。さらに、個別チャネルの障害を検出する基準は、たとえSRBをサポートしているHSUPAまたはHSDPAチャネルが動作していない場合であっても、満たされないことがある。この場合、RL障害は、たとえSRBがすでに接続を失ってしまった場合であっても、検出されることはない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、SRBがHSUPAまたはHSDPAによってサポートされる場合に、WTRUとノードBとの間のRL障害を検出する方法およびシステムに関する。SRBがHSUPAによってサポートされる場合、WTRUは絶対許可チャネル(absolute grant channel;AGCH)、相対許可チャネル(relative grant channel;RGCH)、およびH−ARQ情報チャネル(H-ARQ information channel;HICH)のうちの少なくとも1つのチャネルを監視して、AGCH、RGCH、およびHICHのうちの少なくとも1つのチャネルの不適切な動作の検出に基づいてRL障害を認識する。ノードBは、強化アップリンク個別物理制御チャネル(enhanced uplink dedicated physical control channel;E−DPCCH)および強化アップリンク個別物理データチャネル(enhanced uplink dedicated physical data channel;E−DPDCH)のうちの少なくとも1つを監視して、E−DPDCHおよびEーDPCCHのうちの少なくとも1つの不適切な動作の検出に基づいてRL障害を認識する。
【0010】
SRBがHSDPAによってサポートされる場合、WTRUは高速共用制御チャネル(high speed shared control channel;HS−SCCH)および高速物理ダウンリンク共用チャネル(high speed physical downlink shared channel;HS−PDSCH)のうちの少なくとも1つを監視して、HS−SCCHおよびHS−PDSCHの少なくとも1つの不適切な動作の検出に基づいてRL障害を認識する。ノードBは、高速個別物理制御チャネル(HS−DPCCH)を監視して、HS−DPCCHの不適切な動作の検出に基づいてRL障害を認識する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のさらに詳細な理解は、例示により示され、添付の図面と併せて理解される、以下の説明から得ることができる。
【図1】本発明による確立されたHSUPAチャネルを介して通信するWTRUおよびノードBを含む無線通信システムを示す図である。
【図2】図1のシステムに使用される例示的なWTRUを示すブロック図である。
【図3】図1のシステムに使用される例示的なノードBを示すブロック図である。
【図4】図1のシステムのHSUPAチャネルを使用するWTRUにおいてRL障害を認識するスキームを示す図である。
【図5】図1のシステムのHSUPAチャネルを使用するノードBにおいてRL障害を認識するスキームを示す図である。
【図6】図1のシステムのWTRUとノードBとの間に確立されるHSDPAチャネルを示す図である。
【図7】図6のHSDPAチャネルを使用するWTRUにおいてRL障害を認識するスキームを示す図である。
【図8】図6のHSDPAチャネルを使用するノードBにおいてRL障害を認識するスキームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これ以降、「WTRU」という用語は、ユーザー機器(UE)、移動局、固定式または移動式加入者ユニット、ページャー、または無線環境において動作することのできる他の任意の種類の装置を含むが、これらに限定されることはない。これ以降「ノードB」という用語が言及される場合、これは基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境における他の任意の種類のインターフェース接続装置を含むが、これらに限定されることはない。また、「動作(performance)」は、遅延(delay)または伝送速度(transmission rate)である場合がある。
【0013】
本発明の特徴は、集積回路(IC)に組み入れられるか、または多数の相互接続コンポーネントからなる回路に構成されうる。
【0014】
図1は、本発明によるWTRU102とノードB104間に確立されたHSUPAチャネルを介して通信するWTRU102およびノードB104を含む無線通信システム100を示す図である。WTRU102およびノードB104の間に、E−DPDCH106、AGCH108、RGCH110(オプション)、HICH112、およびE−DPCCH114が確立される。
【0015】
図2は、図1のシステム100に使用される例示的なWTRU102を示すブロック図である。WTRU102は、送受信機202、制御装置204、および測定ユニット206を含む。
【0016】
図3は、図1のシステム100に使用される例示的なノードB104を示すブロック図である。ノードB104は、送受信機302、制御装置304、測定ユニット306、スケジューラ308、およびH−ARQ処理ユニット310を含む。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、WTRU102の送受信機202は、E−DPCCH114およびE−DPDCH106を介して、速度要求(rate request)をスケジューリング情報と共にノードB104に送信する。ノードB104の送受信機302は速度要求を受信し、スケジューラ308は当該速度要求を分析して、スケジューリング割り当てを、AGCH108を介して(またはオプションでRGCH110を介して)WTRU102に生成して送信し、アップリンクアクセスおよびWTRU102が伝送を許可される最大速度を制御する。WTRU102の送受信機202は、アップリンク(UL)データを、E−DPCCH114およびE−DPDCH106を介してノードB104に送信する。ノードB104の送受信機302がULデータを受信すると、ノードB104のH−ARQ処理ユニット310は、HICH112を介してH−ARQフィードバックをWTRU102に生成する。WTRU102の制御装置204およびノードB104の制御装置304は、本発明によりRL障害を検出するが、このことについては以下で詳細に説明される。
【0018】
図1を参照すると、特定の無線ベアラ(RB)は、速度要求およびノードBスケジューリングを必要としない保証ビットレートを割り当てられてもよい。保証ビットレート用に構成される場合、E−DPCCH114および/またはE−DPDCH106での速度要求、およびAGCH108および/またはRGCH110で伝送されたスケジューリング許可は、ULデータの伝送には必要なくなる。
【0019】
さらに図1を参照すると、スケジューリング許可の受信または構成された保証ビットレートのいずれかにより、アップリンクでの伝送を許される場合、WTRU102は、伝送のためにH−ARQ手続きを使用する。WTRU102とノードB104の間には、独立して動作している複数のH−ARQプロセスがあってもよい。WTRU102において、各H−ARQプロセスは、E−DPDCH106を介してデータのブロックを伝送し、HICH112でノードB104からのH−ARQフィードバック(つまり、肯定応答(ACK)または否定応答(NACK))を待つ。
【0020】
ノードB104において、受信したデータブロックのCRCチェックが成功した場合、ACKが伝送される。成功しなかった場合、各H−ARQ伝送に対してHICH112を介して、NACKがオプションで伝送されうる。NACKがWTRU102によって受信される場合、以前のデータブロックは、最大再伝送回数を超えない限り再伝送される。ACKが受信されるか、または最大再伝送回数を超える場合、WTRU H−ARQプロセスは新しい伝送を割り当てられうる。速度要求およびスケジューリング割り当ては、アップリンクデータ伝送と同時に行われることがあり、複数の独立したH−ARQ伝送およびACK/NACKフィードバックが重複する(overlap)こともある。
【0021】
本発明によれば、WTRU102およびノードB104は、RL障害を認識する新しい基準を使用する。図4は、図1に示される無線通信システム100のHSUPAチャネルを使用するWTRU102においてRL障害を認識するスキームを示す。WTRU102は、WTRU102に既知の指定された手続きに従い、AGCH108、RGCH110、およびHICH112での受信に基づいて基準を使用する。WTRU102の送受信機202は、速度要求およびスケジューリング手続きに従って、アップリンク伝送のためにノードB104に速度要求402を送信する。それに応答して、ノードB104のスケジューラ308は、スケジューリング割り当て406(図4において失敗した送信として示される)を、AGCHまたはRGCHを介してWTRU102に送り返す。スケジューリング割り当て406は、正常に受信されることも、正常に受信されないこともある。WTRU102が、速度要求402を(好ましくは複数回数または指定された期間にわたり)送信した後にスケジューリング割り当て406またはH−ARQフィードバック404を受信しない場合、WTRU102は、速度要求およびスケジューリング手続きが失敗したことを認識して、接続を回復するための手続きを呼び出す無線リンク障害を宣言する。
【0022】
図2に示されるWTRU102の測定ユニット206は、AGCH108およびRGCH110のチャネル品質を測定することもできる。AGCH108またはRGCH110のチャネル品質が、あらかじめ定められた期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回る場合、WTRU102は、速度要求およびスケジューリング手続きが失敗したことを認識して、RLを回復するための手続きを呼び出すRL障害を宣言する。AGCH108およびRGCH110の品質は、信号対干渉比(SIR)、チップあたり受信エネルギー(Eb)/帯域内出力密度(No)、ブロック誤り率(BLER)、または任意の他の関連基準に基づいて評価されうる。
【0023】
WTRU102がスケジューリング割り当て406を正常に受信した場合、WTRU102は、ULスケジューリング割り当て406に従ってULデータ伝送408を開始する。ULデータ伝送408に応答して、ノードB104はHICH112でH−ARQフィードバック410を(図4において失敗した伝送として示される)WTRU102に送信する。WTRU102がHICH112でACKを(好ましくは複数回数または指定された期間にわたり)受信できない場合、WTRU102は、ULデータ伝送およびH−ARQ手続きが失敗したことを認識して、RLを回復するための手続きを呼び出すRL障害を宣言する。ULデータ伝送のACK/NACK比率があらかじめ定められた閾値を下回る場合、WTRU102はまたRLが失敗したことを認識することができる。
【0024】
図2に示されるWTRU102の測定ユニット206は、HICH112のチャネル品質も監視する。HICH112のチャネル品質が、あらかじめ定められた期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回る場合、WTRU102は、ULデータ伝送およびH−ARQ手続きが失敗したことを認識して、RLを回復するための手続きを呼び出すRL障害を宣言する。HICH112の品質は、SIR、Eb/No、BLER、または任意の他の関連基準に基づいて評価されうる。
【0025】
AGCH108またはRGCH110のいずれかが、SRBまたはHSUPAを使用している他のRBを許容可能な閾値よりも低いデータ転送速度まで低下させる場合、WTRUはRLが失敗したことを認識する。
【0026】
HSUPAチャネルによってサポートされるSRBが保証ビットレートを割り当てられず、そのためにWTRU102が速度要求を送信するよう要求され、スケジューリング割り当てが速度要求に応答して送り返される場合、AGCH108およびRGCH110での受信はRL障害を判別するために使用される。あるいは、HSUPAチャネルによってサポートされるSRBが保証ビットレートを割り当てられる場合、RL障害に対するAGCH108およびRGCH110の受信基準は適用されなくてもよい。
【0027】
複数のRGCH110およびHICH112がWTRU102に対して構成され、各セルにおいて、RGCH110およびHICH112は共通の物理チャネルを使用することができる。HICH伝送に基づくRL障害は、受信がHICHチャネルのいずれでも達成されない場合に限り宣言されうる。HICH伝送が一次サービス提供ノードBで失敗した場合、例外を適用することができる。RGCH伝送に基づくRL障害は、RGCH110のいずれか1つがあらかじめ定められたしきい値よりも速度(rate)を低下させた場合に宣言されうる。
【0028】
WTRU102におけるRL障害検出の基準は、結果としてWTRU102のHSUPA伝送を使用不可にするUTRAN構成変更に対して指定される。SRBがHSUPAを使用している場合、結果としてWTRU102のHSUPA動作を使用不可にするUTRAN制御構成の変更が、追加のRL障害検出基準として使用される。
【0029】
図5は、図1に示される無線通信システム100のHSUPAチャネルを使用するノードB104においてRL障害を検出するスキームを示す。ノードB104は、E−DPDCH106およびE−DPCCH114での受信に基づく基準を使用する。WTRU102の送受信機202は、速度要求502を(図5において失敗した伝送として示される)、強化アップリンク伝送のためにノードB104に送信する。WTRU102は、伝送する新しいHSUPAデータが到着すると速度要求502を送信し、また定期的に速度要求502を送信するように構成されうる。結果としてスケジューリング情報の伝送をもたらす初期速度要求よりも前および/または後にレポートするWTRU速度要求に対して構成された定期性は、ノードB104に知らされうる。WTRU速度要求502はまた、ノードB104からの要求に応答して生成されうる。速度要求502に応答して、ノードBは、HICH112を介してH−ARQフィードバック504をWTRU102に送信し、またAGCH108またはRGCH110を介してULスケジューリング割り当て506をWTRU102に送信する。指定された速度要求手続きに基づいて、ノードB104は失われた速度要求502(定期要求またはポーリングされた要求を含む)の知識(knowledge)をRL障害検出の基準として使用することができる。
【0030】
図3に示されるように、ノードB104の測定ユニット306は、WTRU102からのE−DPCCH114のチャネル品質も測定する。E−DPCCH114のチャネル品質があらかじめ定められた期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回ったままである場合、ノードB104はまたRL障害を宣言することができる。ノードB104はまた、WTRU102に信号で伝えられたスケジュール通りおよびスケジュール外の許可の知識に基づいて、E−DPCCH114がアクティブであることが知られた時点の知識を使用することもできる。E−DPCCH114の品質は、SIR、Eb/No、BLER、または任意の他の関連基準に基づいて評価されうる。
【0031】
図5に示されるように、ULスケジューリング割り当て506の受信に応答して、WTRU102は、ULデータ伝送508(図5において失敗した伝送として示される)を、ノードB104に送信する。ノードB104が、ULスケジューリング割り当て506の送信以降(好ましくは複数の連続的障害または統計的障害閾値に達した後)応答をまったく受信しない場合、ノードB104はRL障害を宣言することができる。ノードB104に、NACKを含むH−ARQフィードバック504が後に続く同期H−ARQ再伝送の知識がある場合、またはノードB104がACKを含むH−ARQフィードバック504が後に続く古いデータパケットを受信する場合、(好ましくは複数の連続的障害または統計的障害閾値に達した後)、ノードB104はRL障害を宣言することができる。ノードB104はまた、WTRU102からの最終データ再伝送でACK/NACK比率をRL障害の基準として使用することもできる。
【0032】
追加として、または代替として、RL障害は無線ネットワーク制御装置(RNC)によって判別されうる。この場合、ノードB104は、E−DPCCH品質、速度要求受信統計、H−ARQデータ伝送統計(つまりACK/NACK情報)、および/またはE−DPDCHおよびE−DPCCH BLERなど、必要な情報をRNCに供給する。
【0033】
E−DPCCH114およびE−DPDCH106のうちの少なくとも1つの不適切な動作が発生した場合、WTRU102からのデータ伝送508の障害が検出され、ノードB104は、RLが失敗したことを認識して、RLを解放するための手続きを呼び出す。ノードB104がULデータ伝送508を正常に受信した場合、ノードB104は、H−ARQフィードバック510をHICH112でWTRU102に送信する。
【0034】
図6は、WTRU102とノードB104との間に確立されるHSDPAチャネルを示す。HSDPAにおいて、ダウンリンク(DL)伝送のスケジューリング割り当ては、ノードB104から高速共用制御チャネル(HS−SCCH)602でWTRU102に伝送される。HS−SCCH602で受信されたスケジューリング情報を使用して、WTRU102は、高速物理ダウンリンク共用チャネル(HS−PDSCH)604でデータ伝送を受信する。次いで、WTRU102は、H−ARQフィードバック(つまりACKまたはNACK)、およびチャネル品質指示(CQI)を、高速個別物理制御チャネル(HS−DPCCH)606を介してノードB104に伝送する。この伝送手続きは、WTRU102の各動作可能H−ARQプロセスに適用される。
【0035】
本発明によれば、WTRU102は、HS−SCCH602およびHS−PDSCH604での受信に基づいてRL障害を認識する基準を使用する。図7は、本発明によるHSDPAを使用するWTRU102においてRL障害を認識するスキームを示す。ノードB104のスケジューラ308は、DLスケジューリング割り当て702(図7において失敗した伝送として示される)を、HS−SCCH602を介してWTRU102に送信する。
【0036】
図2に示されるように、WTRU102の測定ユニット206は、HS−SCCH602のチャネル品質を測定することもできる。HS−SCCH602のチャネル品質があらかじめ定められた期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回ったままである場合、WTRU102はRL障害を宣言する。この基準の使用は、HS−SCCHアクティビティに関するWTRUの知識に基づいている。
【0037】
図7を参照すると、WTRU102がDLスケジューリング割り当て702をHS−SCCH602で正常に受信した場合、WTRU102は、受信したDLスケジューリング割り当て702に従ってHS−PDSCH604を介してデータ伝送704(図7において失敗した伝送として示される)を受信しようと試みる。WTRU102の測定ユニット206は、HS−PDSCH604のチャネル品質を監視し、HS−PDSCH604のチャネル品質が、あらかじめ定められた期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回ったままである場合、WTRU102は、RL障害を宣言して、RLを回復するための手続きを呼び出すことができる。HS−SCCH602およびHS−PDSCH604のチャネル品質は、SIR、Eb/No、BLER、または任意の他の関連基準に基づいて評価されうる。WTRU102がデータ伝送704を正常に受信した場合、WTRU102は、ACKを含むH−ARQフィードバック706をHS−DPCCH606で送信する。
【0038】
図2に示されるように、WTRU102の制御装置204はさらに、HS−PDSCH伝送でCRCからのACK/NACK比率を監視することができる。ACK/NACK比率が指定された閾値を下回る場合、WTRU102はRL障害を宣言することができる。WTRU102の測定ユニット206および制御装置204は、好ましくは共通パイロットチャネル(CPICH)受信に基づいて、さらにCQIを生成して送信することができる。測定されたチャネル品質が構成されている閾値を下回る場合(好ましくは指定された期間にわたり)、WTRU102はRL障害を宣言することができる。
【0039】
WTRU102におけるRL障害検出の基準は、結果としてWTRU102のHSDPA受信を使用不可にするUTRAN構成変更に対して指定されるべきである。SRBがHSDPAを使用している場合、結果としてWTRU102のHSDPA動作を使用不可にするUTRAN制御構成の変更が、追加のRL障害検出基準として使用される。
【0040】
本発明によれば、ノードB104は、HS−DPCCH606での受信に基づいてRL障害を認識する基準を使用する。図8は、本発明によるHSDPAを使用するノードB104においてRL障害を認識するスキームを示す。WTRU102は、ノードB104からチャネル割り当て802およびデータ伝送804を受信した後、H−ARQフィードバック806(図8において失敗した伝送として示される)を送信する。WTRU102は、ノードB104への定期的なCQIレポーティングのために追加的に構成されうる。H−ARQフィードバックおよびCQIレポーティングに関するノードBの知識は、指定されたシグナリング手続きにより、HS−DPCCH障害のノードB検出を可能にする。図3に示されるように、ノードB104の測定ユニット306は、HS−DPCCH606のチャネル品質も監視することができ、HS−DPCCH606のチャネル品質が、特定の期間にわたりあらかじめ定められた閾値を下回ったままである場合、ノードB104の制御装置304はRL障害を宣言する。HS−DPCCH606の品質は、SIR、Eb/No、BLER、または任意の他の関連基準に基づいて評価されうる。
【0041】
ノードB104の制御装置304はさらに、レポートされたCQIまたはACK/NACK比率をRL障害検出の基準として使用することができる。スライディングウィンドウ期間にわたるレポートされたCQIまたはACK/NACK比率の平均値が閾値を下回る場合、または廃棄されたMAC−hs伝送の平均数が閾値を上回る場合、ノードB104の制御装置304はRL障害を宣言することができる。
【0042】
RL障害はRNCによって判別されうる。この場合、ノードB104は、HS−DPCCH品質統計、レポートされたCQI、H−ARQ ACK/NACK指示、またはMAC−hs伝送障害指示など、必要な情報をRNCにレポートする。
【0043】
本発明の特徴および構成要素は特定の組合せで好ましい実施形態において説明されるが、各々の特徴または構成要素は、好ましい実施形態の他の特徴および構成要素を使用せずに単独で使用されうるか、または本発明のその他の特徴および構成要素との様々な組合せ、あるいはそれらを使用せずに使用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信ユニット(WTRU)であって、
少なくとも個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信するように構成され、または個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信せず、高速物理ダウンリンク共用チャネルを使用する無線ベアラを受信するように構成される、受信機と、
無線リンク障害が発生したか否かを判定するように構成される測定デバイスであって、該無線リンク障害は、前記受信機が少なくとも個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信するように構成される場合に、前記個別物理データチャネルに関連付けられる受信される個別制御チャネルの品質を測定する該測定デバイスによって判定され、該無線リンク障害は、前記受信機が前記個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信しないように構成される場合に、複数のWTRUによって共用されるチャネルの品質を測定する該測定デバイスによって判定される、測定デバイスと
を備えたことを特徴とする無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
連続サービスは、前記受信機が少なくとも個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信するように構成される場合にサポートされ、双方向サービスは、前記受信機が個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信しないように構成される場合にサポートされることを特徴とする請求項1に記載の無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項3】
前記連続サービスは、音声サービスを含むことを特徴とする請求項2に記載の無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項4】
無線送受信ユニット(WTRU)が少なくとも個別物理データチャネルを使用する無線ベアラを受信することに応答して、該WTRUが、該個別物理データチャネルに関連付けられる受信される個別制御チャネルの品質を測定することによって、無線リンク障害が発生したか否かを判定するステップと、
前記WTRUが高速物理ダウンリンク共用チャネルを使用し、前記個別物理データチャネルを使用しない無線ベアラを受信することに応答して、該WTRUが、複数のWTRUによって共用されるチャネルの品質を測定することによって、前記無線リンク障害が発生したか否かを判定するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記個別物理データチャネルは、連続サービスをサポートし、前記高速物理ダウンリンク共用チャネルは、双方向サービスをサポートすることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記連続サービスは、音声サービスを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−147453(P2012−147453A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40495(P2012−40495)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2007−555166(P2007−555166)の分割
【原出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】