説明

ICカードを利用したヘルスケアシステム

【課題】メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標,及び,メタボリック対策の「食生活の改善」に係わる指標を表示することのできるヘルスケアシステムを提供する。
【解決手段】ヘルスケアシステム1は,ユーザが所持するICカード2と,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標を数値化した診断基準情報(尿糖値)を測定し,診断基準情報と測定日をICカード2に書き込む診断基準測定装置3と,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報(カロリー値)を飲食物毎に記憶し,ユーザに販売した飲食物の対策指標情報と販売日をICカード2に書き込む販売装置4と,診断基準情報及び対策指標情報等をICカード2から読み取り,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動を表示する表示装置5と,から少なくとも構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,メタボリック対策に係わるヘルスケアを提供するためのシステムである。
【背景技術】
【0002】
メタボリック・シンドロームの予防・改善を目的とした制度を国が導入し,企業の健康保険組合にメタボリック対策が義務付けられたことを受けて,企業側でも従業員のメタボリック対策に係わるヘルスケアを行うようになった。
【0003】
メタボリック・シンドロームは,「代謝症候群」又は「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、内臓脂肪型肥満が要因となる「高血圧」、「高脂血症」、「糖尿病」、「肥満症」などの4つ生活習慣病のうち、2つ以上が重なった複合生活習慣病を意味し,メタボリック・シンドロームには複合生活習慣病の予備軍も含まれる。
【0004】
メタボリック・シンドロームの診断基準としては,「内臓脂肪の蓄積」,「脂質異常」,「高血圧」及び「高血糖値」などの診断基準があり,メタボリック対策としては「運動習慣」と「食生活の改善」が基本となり,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる様々な発明が開示されている。
【0005】
例えば,特許文献1では,セルフサービス方式で希望するメニューが載せられた食器を選択してトレイに乗せ,食器に貼付されたRFIDタグを読み取り、該読み取られた食器の形状などに加え,メニューの名称、価格および合計金額等と共にカロリーも表示をする決済システムが開示されている。
【0006】
また,特許文献2では,採尿部が便器に取り付けられた尿糖測定装置と、手洗器前方の床に埋設された体重計と、メインパネルに一体化された体脂肪計と、鏡と手洗器の間に配設されたメインパネルなどを備え、これらの装置がトイレ内に配設され、尿糖測定装置で測定された尿糖値,体重計で測定された体重値及び体脂肪計で測定された体脂肪値をメインパネルに送信し表示する健康管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−102563号公報
【特許文献2】特開2009−063435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし,上述した従来技術は,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標,又は,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標のいずれかのみを表示する技術で,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標,及び,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を関連付けて表示する技術ではなかった。
【0009】
例えば,特許文献1では,食生活の改善に係わる指標としてユーザが摂取したカロリーが表示されるのにとどまり,また,特許文献2では,尿糖値,体重値及び体脂肪値などが表示されるのにとどまる。
【0010】
そこで,本発明は,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標,及び,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を表示することのできるヘルスケアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述下課題を解決する第1の発明は,ユーザが所持するICカードと,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標を数値化した診断基準情報を測定し,前記診断基準情報と測定日を前記ICカードに書き込む診断基準測定装置と,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報を飲食物毎に記憶し,前記ユーザに販売した飲食物の前記対策指標情報と販売日を前記ICカードに書き込む販売装置と,前記診断基準情報及び前記測定日並びに前記対策指標情報及び前記販売日を前記ICカードから読み取り,一定期間内における前記対策指標情報と前記診断基準情報の変動を表示する表示装置と,から少なくとも構成されていることを特徴とするヘルスケアシステムである。
【0012】
更に,第2の発明は,前記表示装置は,一定期間内における前記対策指標情報と前記診断基準情報の変動を表すグラフを表示することを特徴とする第1の発明に記載のヘルスケアシステムである。
【0013】
更に,第3の発明は,前記表示装置は,前記対策指標情報の変動を表すグラフと前記診断基準情報の変動を表すグラフの種類を変更することを特徴とする第2の発明に記載のヘルスケアシステムである。
【0014】
更に,第4の発明は,前記表示装置は,前記対策指標情報の変動を棒グラフで表示し,前記診断基準情報の変動を折れ線グラフで表示することを特徴とする第3の発明に記載のヘルスケアシステムである。
【0015】
更に,第5の発明は,前記診断基準測定装置は,前記診断基準情報を尿糖値とし,尿糖値測定器が備えられた便器であることを特徴とする第1の発明から第4の発明のいずれか一つに記載のヘルスケアシステムである。
【0016】
更に,第6の発明は,前記販売装置は,前記対策指標情報をカロリー値とし,飲料水を販売する自動販売機であることを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のヘルスケアシステムである。
【0017】
更に,第7の発明は,前記販売装置は,前記対策指標情報をカロリー値とし,食堂で提供しているメニューの食券を販売する食券販売機であることを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のヘルスケアシステムである。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によれば,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標,及び,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を表示することのできるヘルスケアシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ヘルスケアシステムの構成を説明する図。
【図2】販売装置のブロック図。
【図3】販売装置の動作を説明するフロー図。
【図4】診断基準測定装置のブロック図。
【図5】診断基準測定装置の動作を説明するフロー図。
【図6】表示装置の動作を説明するフロー図。
【図7】対策指標情報及び診断基準情報の表示例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここから,本願発明の実施形態について,本願発明の技術分野に係わる当業者が,本願発明の内容を理解し,本願発明を実施できる程度に説明する。
【0021】
図1は,本実施形態のヘルスケアシステム1の構成を説明する図である。
図1で図示したヘルスケアシステム1は,企業や官公庁などに設置されるシステムで,ヘルスケアシステム1の利用対象となるユーザ,ここでは,企業や官公庁に勤務する従業員は,社員証として利用されるICカード2(ここでは,非接触型のICカード)を所持している。
【0022】
図1のヘルスケアシステム1において,メタボリック対策の「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報は飲食物のカロリー値であり,対策指標情報(図1では,カロリー値)をICカード2に書き込む販売装置4として,図1では,販売している飲料水毎にカロリー値を記憶し,ユーザが飲料水を購入した際,該飲料水のカロリー値及び購入日をICカード2に書き込む自動販売機4aと,社員食堂のメニューの食事毎にカロリー値を記憶し,ユーザが食事の食券を購入した際,該食券に対応する食事のカロリー値及び販売日をICカード2に書き込む食券販売機4bを例示している。
【0023】
また,図1のヘルスケアシステム1において,メタボリック・シンドロームの診断基準を数値化した診断基準情報は,メタボリック・シンドロームの診断基準の一つである血糖値と関連性のある尿糖値であり,診断基準情報(図1では,尿糖値)と測定日をICカード2に書き込む診断基準測定装置3として,尿糖値測定器が取り付けられた便器3aを例示している。
【0024】
図1において,対策指標情報及び診断基準情報を表示する表示装置5はコンピュータ5aとして図示しており,表示装置5には,ICカード2とデータ通信するリーダライタ装置50が接続され,表示装置5には,ICカード2から読み出した対策指標情報及び販売日並び診断基準情報及び測定日を用い,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動を表したグラフを表示するためのコンピュータプログラムが実装されている。
【0025】
このように,図1のヘルスケアシステム1によれば,メタボリック・シンドロームの診断基準を数値化した診断基準情報(図1では,尿糖値)と,メタボリック対策の「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報(図1では,カロリー値)が同一のICカード2に書き込まれることで,表示装置5(図1では,コンピュータ5a)は,ICカード2に記憶された対策指標情報及び販売日並び診断基準情報及び測定日を読み取り,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動を表示できるようになる。
なお,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動はグラフ化して表示すると,対策指標情報と診断基準情報の変動を分かり易く表示できる。
【0026】
一定期間内における対策指標情報(図1では,カロリー値)と診断基準情報(図1では,尿糖値)の変動を表したグラフを表示すれば,ユーザは,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動から,対策指標情報と診断基準情報の関係を把握でき,食事制限を行うなどして,メタボリック対策を行うことができるようになる。
【0027】
ここから,ICカード2,販売装置4(図1では,自動販売機及び食券販売機),診断基準測定装置3(図1では,尿糖値測定器が取り付けられた便器3a)及び表示装置5(図1では,コンピュータ)について説明する。
【0028】
ユーザが所持するICカード2は,ISO/IEC7816のファイルシステムに準拠した汎用のICカード2を利用できるため,ここでは,敢えて詳細には説明しないが,対策指標情報などのデータをICカード2に書き込むライトコマンド,ICカード2に書き込まれたデータを読み出すリードコマンドなどがICカード2に実装され,電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば,EEPROM)には,一定期間の対策指標情報を記憶できるだけの複数のレコードと一定期間の診断基準情報を記憶できるだけの複数のレコードが設けられている。
【0029】
次に,販売装置4について説明する。図2は,販売装置4のブロック図で,図3は,販売装置4の動作を説明するフロー図である。
【0030】
図2に図示しているように,販売装置4は,飲食物(図1では,飲料水や食券)の購入代金に対する決済処理を行い,飲食物を販売する販売手段41と,ユーザが所持するICカード2とデータ通信するリーダライタ手段40と,販売装置4で販売している飲食物毎に対策指標情報を記憶した対策指標情報DB42(DB: DataBase)を備えている。
【0031】
販売装置4に備えられた販売手段41の具体的な内容は,販売装置4として利用される装置で異なる。販売装置4が自動販売機4aであれば,販売手段41は,飲料水毎に陳列されるサンプル,飲料水毎に設けられる押しボタン,コイン投入口,決済機構,飲料水の排出機構などで構成される。また,販売装置4が食券販売機4bであれば,販売手段41は,食券毎に設けられる押しボタン,コイン投入口,決済機構,食券の排出機構などで構成される。
【0032】
なお,販売装置4は,ユーザが所持しているICカード2に対策指標情報を書込むため,販売装置4の販売手段41は,ICカード2の分野で普及が進んでいる電子マネーを利用した決済処理に対応していることが望ましい。
【0033】
販売装置4に備えられたリーダライタ手段40は,ユーザが所持するICカード2と電気的に接続するインターフェースや,変調・復調回路,エンコード・デコーダなどを備え,当然のことながら,ユーザが所持するICカード2の種類に対応し,ICカード2が非接触型であれば,販売装置4に備えられたリーダライタ手段40は非接触型のリーダライタになり,ICカード2が接触型であれば,販売装置4に備えられたリーダライタ手段40は接触型のリーダライタになる。
【0034】
販売装置4に備えられた対策指標情報DB42は,販売装置4の記憶装置(例えば,FeRAMなどのメモリ)に構築されるデータベースで,対策指標情報DB42には,販売装置4で販売されている飲食物毎に,メタボリック対策の「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報(ここでは,カロリー値)が記憶されている。飲食物の品名に関連付けて対策指標情報を記憶してもよいが,飲食物を販売する装置(例えば,自動販売機)では,押しボタンと飲食物は一対一対応になっているため,押しボタンに関連付けて対策指標情報を記憶することもできる。
【0035】
ここから,図3を参照しながら,販売装置4の動作について説明する。販売装置4が対策指標情報をICカード2に書き込む際,まず,販売装置4の販売手段41は,ユーザが購入する飲食物の選択情報を取得する(S10)。
【0036】
販売装置4が自動販売機4aや食券販売機4bの場合,ユーザが押しボタンを押すことで飲食物(例えば,社員食堂のメニュー)が選択され,販売装置4の販売手段41は,ユーザが押した押しボタンの番号を選択情報として取得する。
【0037】
販売装置4の販売手段41は,ユーザが購入する飲食物の選択情報を取得すると,対策指標情報DB42を参照し,該選択情報で特定される飲食物の対策指標情報(図1では,カロリー値)を検索する(S11)。
【0038】
販売装置4の押しボタンの番号に関連付けて対策指標情報が対策指標情報DB42に記憶されている場合,販売装置4は,押しボタンの番号に関連付けられた対策指標情報を対策指標情報DB42から取得することになる。また,飲食物の品名に関連付けて対策指標情報が対策指標情報DB42に記憶されている場合,販売装置4は,押しボタンの番号で特定される飲食物の品名に関連付けられた対策指標情報を指対策標情報DB42から取得することになる。
【0039】
販売装置4の販売手段41は,ユーザが購入する飲食物の選択情報を取得すると,リーダライタ手段40を作動させて,検索した対策指標情報をICカード2に書込む処理を実行させると共に,選択情報で特定される飲食物の代金に対する決済処理を実施する(S12)。
【0040】
販売装置4の販売手段41は,ユーザが選択した飲食物の代金に対する決済処理を行う前に,ユーザに対して,リーダライタ手段40へのICカード2の挿入やタッチを要求し,検索した対策指標情報をユーザが所持するICカード2に書込み処理した後,飲食物の代金に対する決済処理を実行する。
【0041】
なお,飲食物の代金に対する決済処理には紙幣・貨幣を利用することもできるが,非接触型のICカード2の分野では電子マネーが広く普及しているため,ユーザが所持するICカード2に電子マネーのアプリケーションを実装させ,販売装置4の販売手段41が電子マネーを利用した決済をできるようにしておくと,ユーザの利便性を高められる。
【0042】
販売装置4の販売手段41は,検索した対策指標情報をICカード2に書込む処理を実行させると共に,選択情報で特定される飲食物の代金に対する決済処理を実施すると,ユーザが購入した飲食物(例えば,食券)を排出し(S13),図3で図示したフローは終了する。
【0043】
次に,診断基準測定装置3について説明する。図4は,診断基準測定装置3のブロック図で,図5は,診断基準測定装置3の動作を説明するフロー図である。
【0044】
図4に図示しているように,診断基準測定装置3は,診断基準測定装置3を利用するユーザから,メタボリック・シンドロームの診断基準を数値化した診断基準情報を測定する診断基準測定手段31と,ユーザが所持するICカード2とデータ通信するリーダライタ手段30を備えている。
【0045】
診断基準測定装置3に備えられた診断基準測定手段31の具体的な内容は,診断基準測定装置3が測定する診断基準情報によって異なる。
診断基準測定装置3としては,ユーザが容易にかつ日常的に利用できる装置を利用することが望ましく,図1で図示したヘルスケアシステム1では,診断基準情報を尿糖値とすし,診断基準測定装置3として,尿糖値測定装置が備えられた便器3aとしている。
【0046】
診断基準測定装置3に備えられたリーダライタ手段30は,販売装置4に備えられたリーダライタ手段40と同じ手段で,ユーザが所持するICカード2と電気的に接続するインターフェースや,変調・復調回路,エンコード・デコーダなどを備えている。
【0047】
ここから,図5を参照しながら,診断基準測定装置3の動作について説明する。診断基準測定装置3が診断基準情報をICカード2に書き込む際,まず,診断基準測定装置3の診断基準測定手段は,診断基準測定装置3を利用するユーザの診断基準の指標を数値化した診断基準情報を測定する(S20)。
【0048】
図1で図示したように,尿糖値測定装置が備えられた便器3aを販売装置4である場合,特許文献2に説明があるように,便器3aには受尿ユニットが備えられ,便器3aの尿糖値測定器は,ユーザが便器3aを利用すると受尿ユニット内の尿の尿糖値を測定する。
【0049】
診断基準測定装置3の診断基準測定手段31は,診断基準測定装置3を利用するユーザの診断基準情報(図1では,尿糖値)を測定すると,リーダライタ手段30を作動させて,測定した診断基準情報をICカード2に書き込む処理を実行し(S21),この手順を終了する。
【0050】
次に,診断基準情報及び対策指標情報を表示する表示装置5について説明する。表示装置5は,一定期間内における対策指標情報(図1では,カロリー値)と診断基準情報(図1では,尿糖値)の変動を表したグラフを表示するために利用される装置であり,汎用のコンピュータ5aのみならず,専用の装置でも実現できる。
【0051】
表示装置5としてコンピュータ5aを利用する場合,コンピュータ5aは,CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory)などが備えられ,大容量の外部記憶装置(例えば,ハードディスク)やディスプレイが接続され,該外部記憶装置には,一定期間内における対策指標情報(図1では,カロリー値)と診断基準情報(図1では,尿糖値)の変動を表したグラフを表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【0052】
図6は,表示装置5(図1では,コンピュータ)の動作を説明するフロー図で,表示装置5が,一定期間内における対策指標情報(図1では,カロリー値)と診断基準情報(図1では,尿糖値)の変動を表したグラフを表示するときに実行する手順を示している。
【0053】
一定期間内における対策指標情報(図1では,カロリー値)と診断基準情報(図1では,尿糖値)の変動を表したグラフを表示するとき,表示装置5は,リーダライタ装置50に挿入された又はリーダライタ装置50にかざされたICカード2から,対策指標情報及び販売日並びに診断基準情報及び測定日を読み取る処理を実行する(S30)。
【0054】
表示装置5は,対策指標情報及び販売日並びに診断基準情報及び測定日をICカード2から読み取ると,対策指標情報及び販売日並びに診断基準情報及び測定日を記述したデータテーブルを表示装置5の内部で作成し,該データテーブルを利用して,一定期間内における対策指標情報と診断基準情報の変動を表したグラフをディスプレイに表示する処理を実行する(S31)。
【0055】
図7は,対策指標情報及び診断基準情報の表示例を示した図で,図7において,対策指標情報(図7では,カロリー値)は棒グラフで表示され,診断基準情報(図7では,尿糖値)は折れ線グラフ化されて表示される。
なお,対策指標情報は棒グラフで表示するのは,対策指標情報の量を分かり易く可視化して表示するためで,診断基準情報は折れ線グラフ化で表示するのは,診断基準情報の傾向を分かり易く可視化して表示するためである。
【0056】
なお、本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、当業者ならば種々の変形や変更が可能である。
【0057】
図1では、ユーザが所持するICカード2はキャッシュカードサイズのカードで図示しているが,ユーザが所持するICカード2は,SIM、UIMあるいはUSIMと称される小型のICカード2とすることもできる。
【0058】
また,メタボリック対策の「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報は飲食物のカロリー値としているが,対策指標情報は,カロリー情報のみならず,塩分情報,タンパク質情報,脂質情報など,「食生活の改善」に係わる情報であればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ヘルスケアシステム
2 ICカード
3 診断基準測定装置
30 リーダライタ手段
31 診断基準測定手段
4 販売装置
40 リーダライタ手段
41 販売手段
42 診断基準情報DB
4a 自動販売機,4b 食券販売機
5 表示装置
5a コンピュータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持するICカードと,メタボリック・シンドロームの診断基準に係わる指標を数値化した診断基準情報を測定し,前記診断基準情報と測定日を前記ICカードに書き込む診断基準測定装置と,メタボリック対策の一つである「食生活の改善」に係わる指標を数値化した対策指標情報を飲食物毎に記憶し,前記ユーザに販売した飲食物の前記対策指標情報と販売日を前記ICカードに書き込む販売装置と,前記診断基準情報及び前記測定日並びに前記対策指標情報及び前記販売日を前記ICカードから読み取り,一定期間内における前記対策指標情報と前記診断基準情報の変動を表示する表示装置と,から少なくとも構成されていることを特徴とするヘルスケアシステム。
【請求項2】
前記表示装置は,一定期間内における前記対策指標情報と前記診断基準情報の変動を表すグラフを表示することを特徴とする請求項1に記載のヘルスケアシステム。
【請求項3】
前記表示装置は,前記対策指標情報の変動を表すグラフと前記診断基準情報の変動を表すグラフの種類を変更することを特徴とする請求項2に記載のヘルスケアシステム。
【請求項4】
前記表示装置は,前記対策指標情報の変動を棒グラフで表示し,前記診断基準情報の変動を折れ線グラフで表示することを特徴とする請求項3に記載のヘルスケアシステム。
【請求項5】
前記診断基準測定装置は,前記診断基準情報を尿糖値とし,尿糖値測定器が備えられた便器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のヘルスケアシステム。
【請求項6】
前記販売装置は,前記対策指標情報をカロリー値とし,飲料水を販売する自動販売機であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のヘルスケアシステム。
【請求項7】
前記販売装置は,前記対策指標情報をカロリー値とし,食堂で提供しているメニューの食券を販売する食券販売機であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のヘルスケアシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−28367(P2011−28367A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171090(P2009−171090)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】