説明

ICカード及びICカードシステム

【課題】ユーザにとって利便性の高いICカードを提供すること。
【解決手段】ICカードは、複数のカードの識別情報を格納するカード格納部と、利用可能なカードの識別情報をサービス提供者から取得する利用可能カード取得部と、取得された識別情報のうち、カード格納部が格納している識別情報を特定する利用可能カード特定部と、特定された識別情報が示すカードの利用情報を取得するカード利用情報取得部と、取得された利用情報の内容に基づいて利用可能カード特定部が特定した識別情報毎にカードの推奨度を決定する推奨度決定部と、決定された推奨度に応じて利用可能カード特定部が特定した識別情報が識別するカードのカード情報をユーザに提示するカード提示部と、提示されたカード情報が示すカードの1つをユーザに選択させる利用カード選択部と、選択されたカードとしてICカードを利用可能に設定する利用カード情報設定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード及びICカードシステムに関する。特に本発明は、複数のカードとして機能するICカード、及び当該ICカードを含むICカードシステムに関する。
【0002】
1つの媒体で認証、決済に使用することができる多目的の携帯媒体及びそのシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、携帯媒体から読み込まれたユーザID及びユーザが入力したパスワードが店舗のサーバに送信され、店舗のサーバから店舗ID、ユーザID、及びパスワードがDBサーバに送信される。DBサーバでは、ユーザID及びパスワードによって認証する。情報DBサーバにはユーザが所有するカードード情報が蓄積されていて、その店舗で使用可能なカードが情報DBサーバにおいて選別され、店舗の情報端末装置に送信される。そして、情報端末装置において選別されたカード情報が表示される。決済に使用するカードをユーザが入力すると、そのカード情報が決済を行うサーバに送信されて決済処理がなされる。
【特許文献1】特開2004−126898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザが複数のクレジットカードを持っている場合、ユーザは、過去のクレジットカードの利用によって蓄積されたポイント等に応じて、利用するクレジットカードを決定することができることが望ましい。特許文献1によるシステムでは、例えば商品の購入時にDBサーバから送信された使用可能なカードの中から、決済に使用するカードをユーザが選択する。しかし、特許文献1によるシステムでは、ユーザは、蓄積されたポイント情報等をカードの選択時に参考にすることができない。したがって、ユーザがいずれのカードを選択することが望ましいかを適切に判断することができないという課題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することができるICカード及びICカードシステムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態によると、異なる複数のクレジットカードとして機能するICカードであって、複数のクレジットカードを識別するカード識別情報を格納するカード格納部と、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、当該サービスの提供者から取得する利用可能カード取得部と、利用可能カード取得部が取得したカード識別情報のうち、カード格納部が格納しているカード識別情報を特定する利用可能カード特定部と、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別されるクレジットカードに関するカード利用情報を、カード識別情報に対応づけて取得するカード利用情報取得部と、カード利用情報取得部が取得したカード利用情報の内容に基づいて、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報毎に、クレジットカードの利用を推奨する度合いを示す推奨度を決定する推奨度決定部と、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報を、推奨度決定部が決定したカード識別情報毎の推奨度に応じてユーザに提示するカード提示部と、カード提示部がユーザに提示したカード情報が示すクレジットカードのうちの1つをユーザに選択させる利用カード選択部と、利用カード選択部によって選択されたクレジットカードとしてICカードを利用可能に設定する利用カード情報設定部とを備える。
【0006】
カード提示部は、推奨度決定部がより高い推奨度を決定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報をより強調してICカードのユーザに提示してよい。
【0007】
カード利用情報取得部は、クレジットカードを過去に利用したことによって得られた現ポイント数及びポイント数に応じた特典を受けることができる下限のポイント数である下限ポイント数を取得し、推奨度決定部は、カード利用情報取得部が取得した現ポイント数がカード利用情報取得部が取得した下限ポイント数より小さく、かつ、当該現ポイント数と当該下限ポイント数との差がより小さいクレジットカードの推奨度をより高く決定してよい。
【0008】
カード利用情報取得部は、クレジットカードが利用された利用頻度をカード識別情報に対応づけて取得し、推奨度決定部は、カード利用情報取得部が取得した利用頻度のより高いクレジットカードの推奨度をより高く決定してよい。
【0009】
カード提示部は、推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報をより強調して表示してよい。カード提示部は、推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、表示領域において他のクレジットカードのカード情報より前面に表示してよい。また、カード提示部は、推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードを示すカード情報を、表示領域においてより高いコントラストで表示してよい。
【0010】
利用カード選択部が選択したクレジットカードのカード情報を、カード提示部の表示領域の全面に表示させる提示制御部をさらに備えてよい。
【0011】
ユーザによるICカード110に対する操作を感知する複数の感知域を有するセンサ部をさらに備え、カード提示部は、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別される異なるクレジットカードのカード情報を、センサ部の異なる感知域に対応づけて提示し、利用カード選択部は、ユーザによる操作を感知した感知域に対応づけてカード提示部が提示したクレジットカードを選択してよい。
【0012】
複数の感知域は、ユーザによるICカード110に対する操作に対して異なる感度をそれぞれ有し、カード提示部は、推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、感度のより高い感知域に対応づけて提示してよい。
【0013】
本発明の第2の形態によると、異なる複数のクレジットカードとして機能するICカードを備えるICカードシステムであって、ユーザにサービスを提供するためにユーザが利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を格納する利用可能カード格納部と、複数のクレジットカードを識別するカード識別情報を格納するカード格納部と、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、利用可能カード格納部から取得する利用可能カード取得部と、利用可能カード取得部が取得したカード識別情報のうち、カード格納部が格納しているカード識別情報を特定する利用可能カード特定部と、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別されるクレジットカードに関するカード利用情報を、カード識別情報に対応づけて取得するカード利用情報取得部と、カード利用情報取得部が取得したカード利用情報の内容に基づいて、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報毎に、クレジットカードの利用を推奨する度合いを示す推奨度を決定する推奨度決定部と、利用可能カード特定部が特定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報を、推奨度決定部が決定したカード識別情報毎の推奨度に応じてユーザに提示するカード提示部と、カード提示部がユーザに提示したカード情報が示すクレジットカードのうちの1つをユーザに選択させる利用カード選択部と、利用カード選択部によって選択されたクレジットカードとしてICカードを利用可能に設定する利用カード情報設定部とを備える。
【0014】
利用可能カード取得部、利用可能カード特定部、カード利用情報取得部、推奨度決定部、カード提示部、利用カード選択部、及び利用カード情報設定部は、ICカードに設けられ、利用可能カード格納部は、サービスの提供者の店舗内に位置するICカードからアクセス可能に設けられてよい。利用可能カード取得部は、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、利用可能カード格納部から無線によって取得してよい。
【0015】
店舗におけるICカードの存在を検知する検知部をさらに備え、利用可能カード取得部は、検知部が店舗におけるICカードの存在を検知した場合に、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、利用可能カード格納部から取得してよい。
【0016】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となりうる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザにとって利便性の高いICカードを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、ICカードシステム100の利用環境の一例を示す。ICカードシステム100は、ICカード110、サービス提供サーバ120、アンテナ125、利用可能カード格納部130、利用可能カード格納部130、通信回線150、カード情報サーバ175、及びカード利用情報格納部180を備える。ICカードシステム100は、異なる複数のクレジットカードとして機能する、フレキシブルなICカード110を利用することができるシステムを提供する。サービス提供サーバ120、アンテナ125、利用可能カード格納部130、及び利用可能カード格納部130は、店舗160a〜c(以下、店舗160と総称する)のそれぞれに設けられる。複数のカード情報サーバ175、カード利用情報格納部180は、例えば、クレジットカードの発行会社又はイシュア等のカード会社170a〜c(以下、カード会社170と総称する)のそれぞれに設けられる。
【0020】
ICカード110は、ユーザ190が契約している複数のクレジットカードを、クレジットカードを識別する情報に対応づけて記憶している。クレジットカードを識別する情報とは、例えば少なくともクレジットカードのブランドを示す情報を含み、カード会社170、カード番号、有効期限、契約者の名前等を含む。
【0021】
サービス提供サーバ120は、店舗160におけるICカードシステム100を利用したサービスの提供を支援する。具体的には、サービス提供サーバ120は、ICカードシステム100が利用可能である旨を示す電波をアンテナ125から送信する。アンテナ125は、店舗160の店内の少なくとも一部からICカード110が受信可能な電波を送信する。また、利用可能カード格納部130は、サービス提供サーバ120に接続され、店舗160において利用可能なクレジットカードのブランドを格納している。そして、ユーザ190が店舗160aに入店して、ユーザ190が携帯するICカード110がアンテナ125からの電波を検知すると、ICカード110は、アンテナ125を介してサービス提供サーバ120と通信して、利用可能カード格納部130から利用可能なクレジットカードのブランドを取得する。
【0022】
そしてICカード110は、取得したクレジットカードのブランドに対応づけて予め記憶しているクレジットカードを特定する。そして、ICカード110は、特定したクレジットカードのそれぞれの利用情報を、アンテナ125、サービス提供サーバ120、通信回線150、及びカード情報サーバ175を介して、カード利用情報格納部180から取得する。クレジットカードの利用情報とは、例えば利用可能残高、締め日、ポイント数、ポイント有効期限、キャンペーン情報等であってよい。そして、ICカード110は、取得したカード利用情報に基づいて、クレジットカードの利用を推奨する推奨度をクレジットカード毎に決定する。例えば、ICカード110は、既に取得しているポイント数がより多いクレジットカードの推奨度をより高く決定する。そして、ICカード110は、店舗160で利用可能であると特定したブランドのクレジットカードのカード情報を、推奨度に応じて表示デバイス112に表示する。例えば、ICカード110は、店舗160で利用可能な複数のクレジットカードのカード情報のそれぞれを表示デバイス112の異なる位置に表示する。そして、ICカード110は、推奨度のより高いクレジットカードのカード情報を、例えば表示デバイス112のより中央に、より大きく表示する。
【0023】
そして、ICカード110は、利用可能なクレジットカードをユーザ190に選択させる。表示デバイス112はタッチパネルを有しており、ICカード110は、ユーザ190が押下したタッチパネル上の位置と、カード情報を提示した表示デバイス112の位置に基づいて、いずれのクレジットカードが選択されたかを特定する。そして、ICカード110は、特定したクレジットカードのカード情報を、表示デバイス112の全域に表示するとともに、カード情報をICカード110で利用可能に設定する。このとき、ICカード110は、他のクレジットカードを利用不可に設定する。
【0024】
なお、表示デバイス112は、電子ペーパ、液晶、有機EL等、フレキシブルカードに形成可能な表示デバイスであってよい。また、表示デバイス112によるクレジットカードの表示機能は、ICカード110とは別の、ICカード110と通信可能な装置によって提供されてもよい。また、充電装置140は店舗160に設けられ、磁界を用いてICカード110に電力を供給する。また、決済端末135は、ICカード110による決済時に、ICカード110に電力を供給してもよい。
【0025】
図2は、ICカード110のブロック構成を示す。ICカード110は、カード格納部200、利用可能カード取得部210、カード利用情報取得部220、利用可能カード特定部230、推奨度決定部240、カード提示部250、提示制御部260、利用カード選択部270、利用カード設定部280、通信制御部290、センサ部294、検知部292、充電部296、及び電源部298を備える。
【0026】
カード格納部200は、複数のクレジットカードを識別するカード識別情報を格納する。利用可能カード取得部210は、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、当該サービスの提供者から取得する。具体的には、検知部292は、店舗160におけるICカード110の存在を検知する。例えば、検知部292は、アンテナ125からの無線信号によって、店舗160におけるICカード110の存在を検知する。そして、利用可能カード取得部210は、検知部292が店舗160におけるICカード110の存在を検知した場合に、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、利用可能カード格納部130から取得する。
【0027】
そして、利用可能カード特定部230は、利用可能カード取得部210が取得したカード識別情報とカード格納部200が格納しているカード識別情報とを比較して、利用可能カード取得部210が取得したカード識別情報のうち、カード格納部200が格納しているカード識別情報を特定する。そして、カード利用情報取得部220は、利用可能カード特定部230が特定したカード識別情報によって識別されるクレジットカードに関するカード利用情報を、カード識別情報に対応づけて取得する。具体的には、カード利用情報取得部220は、アンテナ125、サービス提供サーバ120、通信回線150、及びカード情報サーバ175を介して、カード利用情報格納部180からカード利用情報を取得する。このとき、カード情報サーバ175とICカード110との間では、カード利用情報が暗号化されて通信される。
【0028】
そして、推奨度決定部240は、カード利用情報取得部220が取得したカード利用情報の内容に基づいて、利用可能カード特定部230が特定したカード識別情報毎に、クレジットカードの利用を推奨する度合いを示す推奨度を決定する。
【0029】
そして、カード提示部250は、利用可能カード特定部230が特定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報を、推奨度決定部240が決定したカード識別情報毎の推奨度に応じてユーザ190に提示する。具体的には、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したカード識別情報が識別するクレジットカードのカード情報をより強調してICカード110のユーザ190に提示する。このように、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報をより強調して表示する。なお、カード情報とは、クレジットカードのロゴ画像等、カード格納部200が格納している複数のクレジットをユーザ190が識別することができる情報を示す。
【0030】
そして、利用カード選択部270は、カード提示部250がユーザ190に提示したカード情報が示すクレジットカードのうちの1つをユーザ190に選択させる。利用カード設定部280は、利用カード選択部270によって選択されたクレジットカードとしてICカード110を利用可能に設定する。また、提示制御部260は、利用カード選択部270が選択したクレジットカードのカード情報を、カード提示部250の表示領域の全面に表示させる。
【0031】
なお、カード利用情報取得部220は、クレジットカードを過去に利用したことによって得られた現ポイント数及びポイント数に応じた特典を受けることができる下限のポイント数である下限ポイント数を取得する。そして、推奨度決定部240は、カード利用情報取得部220が取得した現ポイント数がカード利用情報取得部220が取得した下限ポイント数より小さく、かつ、当該現ポイント数と当該下限ポイント数との差がより小さいクレジットカードの推奨度をより高く決定する。また、カード利用情報取得部220は、クレジットカードが利用された利用頻度をカード識別情報に対応づけて取得してよい。そして、推奨度決定部240は、カード利用情報取得部220が取得した利用頻度のより高いクレジットカードの推奨度をより高く決定してよい。
【0032】
なお、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、表示領域において他のクレジットカードのカード情報より前面に表示してよい。また、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、表示領域において他のクレジットカードのカード情報より中央に表示してよい。また、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードを示すカード情報を、表示領域においてより高いコントラストで表示してよい。
【0033】
センサ部294は、ユーザ190によるICカード110に対する操作を感知する。具体的には、センサ部294は、ユーザ190によるICカード110に対する操作を感知する複数の感知域を有する。そして、カード提示部250は、利用可能カード特定部230が特定したカード識別情報によって識別される異なるクレジットカードのカード情報を、センサ部294の異なる感知域に対応づけて提示する。そして、利用カード選択部270は、ユーザ190による操作を感知した感知域に対応づけてカード提示部250が提示したクレジットカードを選択する。
【0034】
なお、複数の感知域は、ユーザ190による操作に対する異なる感度をそれぞれ有している。そして、カード提示部250は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、感度のより高い感知域に対応づけて提示する。これにより、ユーザ190が推奨度の低いクレジットカードを誤って選択してしまう可能性を低減することができる。
【0035】
なお、利用可能カード格納部130は、サービスの提供者の店舗160内に位置するICカード110からアクセス可能に設けられる。具体的には、利用可能カード格納部130は、アンテナ125を介してICカード110からアクセス可能に設けられる。アンテナ125を介したICカード110からのアクセス可能領域は、少なくとも店舗160内の一部を含む。また、アンテナ125は、店舗160の入口の近傍をアクセス可能領域とすべく設置されてよい。
【0036】
なお、充電部296は、決済端末135又は充電装置140から受け取った電力を電源部298に供給する。電源部298は、電池等の、充電可能な電源を有し、ICカード110の各部に電力を供給する。
【0037】
なお、図1で説明した表示デバイス112は、カード提示部250の一例である。また、利用可能カード取得部210、カード利用情報取得部220、利用可能カード特定部230、推奨度決定部240、提示制御部260、及び検知部292の機能は、サービス提供サーバ120が備えてもよい。例えば、サービス提供サーバ120がICカード110の存在を検知すると、サービス提供サーバ120はICカード110からカード識別情報を取得してよい。そして、サービス提供サーバ120が、店舗160で利用することができるクレジットカードを特定して、カード利用情報格納部180から取得したカード利用情報に基づいて推奨度を決定し、決定した推奨度に基づいてカード情報をICカード110に提示させる。この場合、ICカード110は、サービス提供サーバ120から受け取ったカード情報のユーザ190への提示動作、ユーザ190からのクレジットカードの選択操作、及び選択されたクレジットカードの設定動作を行う。
【0038】
図3は、ICカード110の動作フローの一例を示す。検知部292は、定期的にICカード110の周囲の電波を検知しており、アンテナ125からの電波を検知したか否かを判断する(S302)。S302において、アンテナ125からの電波を検知していない場合には、検知部292はS302の判断を所定の時間間隔で繰り返す。
【0039】
S302において、検知部292がアンテナ125からの電波を検知した場合、利用可能カード取得部210は、店舗160において利用可能なカードのブランドを、通信制御部290を介して利用可能カード格納部130から取得する(S304)。そして、利用可能カード特定部230は、カード格納部200がクレジットカードに対応づけて格納しているブランドとS304において利用可能カード取得部210が取得したブランドとを比較して、カード格納部200が格納しているブランドと合致するクレジットカードを特定する。そして、利用可能カード特定部230は、利用可能なカードが特定されたか否かを判断する(S306)。
【0040】
S306において、利用可能なクレジットカードが特定された旨が判断された場合、カード利用情報取得部220は、特定されたクレジットカードの利用情報を、カード利用情報格納部180から取得する(S308)。なお、カード利用情報とは、例えば、クレジットカードを使用することによって加算されるポイント数、利用金額当たりに加算されるポイント数等を示すポイントの加算条件、ポイント数に応じて与えられる特典の取得条件等を示す特典情報、キャンペーン情報等のサービス情報、或いは利用可能残高及び当月の利用額等のカードの利用状況を含む。なお、カード利用情報は、決済に必要なカード番号、有効期限、氏名等の決済情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0041】
なお、カード格納部200がユーザ190を識別することができるユーザ識別情報を格納している場合には、カード利用情報を取得するために、カード利用情報取得部220は、カード格納部200が格納しているユーザ識別情報をカード情報サーバ175に送信してもよい。これにより、カード情報サーバ175は、ユーザ190と契約しているクレジットカードの利用情報を、ユーザ識別情報に基づいてカード利用情報格納部180から検索して、ICカード110に送信することができる。また、カード格納部200が、カード会社170側でクレジットカードを特定することが可能な情報(例えばクレジットカード毎に割り当てられたカードID、又は決済情報等)を格納している場合には、当該情報をカード情報サーバ175に送信してよい。これにより、カード情報サーバ175は、当該情報によって識別されるクレジットカードの利用情報をカード利用情報格納部180から検索して、ICカード110に送信することができる。
【0042】
そして、カード利用情報取得部220は、通信制御部290を介して、店舗160を識別する店IDを、サービス提供サーバ120から取得する(S310)。店IDとは、店舗160のそれぞれを識別する情報であってよいし、その店舗160でサービスを提供しているサービス事業者を特定する情報であってもよい。また、店IDとは、店舗160で提供されるサービスのブランド、又はジャンルを識別する情報であってもよい。
【0043】
そして、カード利用情報取得部220は、店IDで識別される平均購買額を取得する(S312)。具体的には、カード格納部200はユーザ190を識別するユーザ識別情報を格納しており、サービス提供サーバ120は、クレジットカードの決済時等にカード格納部200からユーザ識別情報を取得して、取得したユーザ識別情報に対応づけて決済時の購買額を記憶しておく。そして、サービス提供サーバ120は、ユーザ190の入店時にカード格納部200が格納しているユーザ識別情報を取得して、取得したユーザ識別情報に対応づけてサービス提供サーバ120が格納している購買額から平均購買額を算出する。そして、カード利用情報取得部220は、サービス提供サーバ120が算出した平均購買額を取得する。また、カード格納部200自身が、店IDに対応づけて購買額を記憶しておくこともできる。
【0044】
そして、推奨度決定部240は、カード利用情報取得部220が取得した平均購買額を利用した場合に加算されるポイントを示す平均取得ポイント数を取得する(S314)。そして、推奨度決定部240は、S306において特定した利用可能なクレジットカードのそれぞれについて、推奨度を決定する(S316)。なお、推奨度決定部240が推奨度を決定する具体的な決定方法は、図4に関連して説明する。
【0045】
そして、提示制御部260は、推奨度決定部240が決定した推奨度に応じて提示態様を決定して、カード提示部250に表示させる(S318)。そして、利用カード選択部270は、ユーザ190からの指示による選択指示によって、1つのクレジットカードを選択する(S320)。そして、利用カード設定部280は、S320において選択されたクレジットカードによる決済に必要な情報をICカード110に書き込んで、そのクレジットカードのみを利用可能に設定する。このとき、利用カード設定部280は、他のクレジットカードによる決済に必要な情報が既にICカード110に書き込まれている場合には、その情報を消去する。
【0046】
なお、S306において、利用可能なクレジットカードが特定されなかった旨が判断された場合には、ICカード110が機能することができる全てのクレジットカードを使用不可に設定して(S332)、処理を終了する。
【0047】
なお、カード利用情報取得部220は、店舗160のサービス情報を、サービス提供サーバ120から取得してもよい。そして、カード提示部250は、カード利用情報取得部220が取得した店舗160のサービス情報を表示してもよい。以上説明したように、ICカードシステム100によると、ユーザ190は複数のクレジットカードの機能を、一枚のICカード110において容易に切り替えて使用することができる。また、ICカード110は、ユーザ190が店舗160で商品を選んでいる間、さらに言えば、ユーザ190が店舗160に入店する前に、上記のS318までの動作を完了させることができる。したがって、ユーザ190は、決済端末135で決済するタイミングより充分前に、複数のクレジットカードのいずれを使用するかを予め決定しておくことができる。
【0048】
図4は、推奨度決定部240が推奨度を決定する推奨度決定要因の一例を示す。推奨度決定部240は、利用額(以下、値Aと呼ぶ)、利用可能残高から平均購買額を差し引いた値(以下、値Bと呼ぶ)、特典ポイント数から現ポイント数を差し引いた値(以下、値Cと呼ぶ)、減ポイント数と平均取得ポイント数との和から特典ポイント数を差し引いた値(以下、値Dと呼ぶ)、及び現ポイント数(以下、値Eと呼ぶ)である推奨度決定要因のそれぞれに対応づけて、推奨度R1〜R5を決定する決定条件を予め格納している。特典ポイント数とは、ある特典を得るのに必要なポイント数の下限であってよい。そして、推奨度決定部240は、推奨度決定要件のそれぞれについて決定された推奨度R1〜R5の総和をクレジットカード毎に算出して、それを推奨度とする。
【0049】
例えば、推奨度決定部240は、より大きい値Aに対応づけて、より大きい推奨度R1を決定する決定条件を格納している。これにより、推奨度決定部240は、ユーザ190のクレジットカードの利用傾向に応じた推奨度を決定することができる。なお、利用額とは、予め定められた期間内における利用額であってよい。また、この発明における利用頻度とは、利用額及び利用回数を包む概念であってよい。また、推奨度決定部240は、より大きい値Bに対してより大きい推奨度R2を決定する決定条件を格納している。これにより、推奨度決定部240は、利用可能残高を超えてしまう可能性が高いクレジットカードの推奨度を低く算出することができる。また、推奨度決定部240は、値Cが正であることを条件として、より小さい値Cに対してより大きい推奨度R3を決定する決定条件を格納している。これにより、推奨度決定部240は、特典がもらえるポイント数に近いポイント数を既に取得しているクレジットカードの推奨度を高く算出することができる。また、推奨度決定部240は、値Cが正であることを条件として、値Dが正である場合により高い推奨度R4を決定する決定条件を格納している。これにより、推奨度決定部240は、店舗160での平均購買額の利用によって特典ポイントに達することが期待されるクレジットカードの推奨度を高く算出することができる。また、推奨度決定部240は、より大きい値Eに対してより大きい推奨度R5を決定する決定条件を格納している。多くの場合、1つのクレジットカードにより多くのポイント数を蓄積することによって、より価値の高い特典を得ることが期待される。
【0050】
なお、本図で説明した決定条件は、推奨度を決定するための条件の一例であって、推奨度決定部240は、他のカード利用情報及び決定条件、並びにその組み合わせに基づいて、様々な方法で推奨度を決定することができる。例えば、推奨度決定部240が推奨度を決定する場合に、ポイントの失効期限、支払い口座、前回の利用日等をカード利用情報格納部180から取得してよい。そして、推奨度決定部240は、ポイント数が特典ポイント数により近いクレジットカードについては、ポイントの失効期限がより近づいているクレジットカードの推奨度をより高く決定してよい。また、推奨度決定部240は、クレジットカードを利用することによって支払い口座の数が増加してしまう場合には、そのクレジットカードの推奨度を低く決定することもできる。また、推奨度決定部240は、ユーザ190によってクレジットカード毎に予め設定されている優先度に基づいて推奨度を決定してよいことは言うまでもない。なお、この発明における、推奨度決定部240がカード識別情報毎に推奨度を算出するということは、カード会社170及びブランド毎に推奨度を算出する場合を含む。例えば、ユーザ190が同じカード会社170から発行された同じブランドの複数のクレジットカードを所有している場合には、利用可能残高、ポイント数等が、それらの複数のクレジットカードについて合算されてユーザ190に付与される場合があるので、推奨度決定部240は、カード会社170及びブランド毎にポイント数に関する推奨度を決定することが望ましい。
【0051】
図5は、ICカード110が表示するカード情報の表示内容の一例を示す。提示制御部260は、カード提示部250の表示領域500の異なる場所510及び512、カード情報を表示する。このとき、提示制御部260は、推奨度決定部240が決定した推奨度のより高いクレジットカードのカード情報510をより大きく、より中央の位置に表示する。なお、提示制御部260は、推奨度の高い順に決定された順位に対応づけて、表示領域500に表示されるべきカード情報の位置及び大きさを定めたテンプレートを予め格納している。そして、提示制御部260は、推奨度決定部240が決定した推奨度の高い順に決定された順位に対応づけて予め記憶している位置及び大きさで、表示領域500にカード情報を表示させてよい。また、提示制御部260は、第2位の順位のクレジットカードのカード情報を点滅表示させてもよい。提示制御部260は、上記のような表示態様を、テンプレートとして予め格納している。なお、提示制御部260は、利用可能残高を含むカード情報を表示してもよい。
【0052】
また、ICカード110は、ICカード110によって使用することができるクレジットカードのカード情報を、予め定められた位置に表示してもよい。例えば、ICカード110は、表示領域500の固定された表示域530a〜i(以下、表示域530と総称する)に、クレジットカードのカード情報を表示する。そして、提示制御部260は、利用可能カード特定部230が特定したクレジットカードのカード情報を、当該クレジットカードのカード情報が表示される表示域530に表示させてよい。このとき提示制御部260は、利用可能カード特定部230が特定しなかったクレジットカードのカード情報を表示域530に表示させなくてもよいし、利用不可能である旨を示すマークとともに表示させてもよい。
【0053】
また、提示制御部260は、推奨度決定部240が決定した推奨度のより高いクレジットカードのカード情報が表示される表示域(例えば、表示域530b)に表示する内容を、より高いコントラストで表示してよい。以上説明したように、提示制御部260は、推奨度の順位に応じたカード情報の表示態様を予め格納しており、推奨度決定部240が決定した推奨度の順位に対応づけて格納している表示態様で、カード提示部250に表示させる。これにより、ICカード110は、推奨度のより高いクレジットカードを、ユーザ190により強調して視認させることができる。なお、ICカード110は、カードの両面にカード提示部250を有してよい。そして、提示制御部260は、順位の最も高いクレジットカードのカード情報を第1の面のカード提示部250の全面に表示させ、その他の1以上のクレジットカードのカード情報を第2の面のカード提示部250に表示させてもよい。
【0054】
図6は、カード提示部250及びセンサ部294の構造の一例を示す。センサ部294は、カード提示部250に隣接して設けられる。センサ部294は、複数の感知域610a〜f(以下、感知域610と総称する)を有する。感知域610は、カード提示部250が提示制御部260がカード情報を表示する表示域620及び630に対応づけて設けられる。例えば、表示域620は感知域611a〜cの下面に位置しており、表示域630は感知域611d〜fの下面に位置している。
【0055】
感知域611のそれぞれには、それぞれに対するユーザ190による指示操作を感知するセンサが設けられる。センサは、例えばユーザ190の指が触れられる前後における静電容量の変化、圧力の変化等を感知する。例えば、ユーザ190が指で表示域620を触れると、感知域610a〜cに設けられたいずれかのセンサがその旨を検知する。
【0056】
なお、感知域610a〜cに設けられたセンサの感度は、感知域610d〜fに設けられたセンサの感度より高い感度を持つ。そして、提示制御部260は、感知域610a〜cの下面の表示域620に、より高い推奨度が決定されたクレジットカードのカード情報を提示させる。このようにすると、より低い推奨度が決定されたクレジットカードが選択されるには、そのカード情報が表示された感知域がより強く触れられる必要がある。このため、低い推奨度が決定されたクレジットカードが誤って選択されてしまう可能性が低くなる。
【0057】
なお、感知域610の感度はICカード110が製造されたときに予め固定的に設定されていてよい。そして、提示制御部260は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、より高い感度が予め設定されている感知域610に対応づけて提示してよい。また、感知域610の感度は可変であってよい。この場合、センサ部294は、提示制御部260が提示するカード情報の推奨度に応じて感知域610の感度を動的に変化させてもよい。例えば、センサ部294は、より高い推奨度が決定されたクレジットカードのカード情報が対応づけられて提示される感知域610の感度を、より高く設定してよい。
【0058】
なお、提示制御部260は、推奨度決定部240がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、より大きい感知面積を持つ感知域610に対応づけて提示してよい。例えば、センサ部294は、クレジットカードのロゴ画像等のイメージが表示される表示域620の全域へのユーザ190からの指示操作を感知する感知域610a〜cを、ユーザ190からの操作に対して感知可能に設定する。そして、センサ部294は、表示域630に対応する感知域610d〜fにおいては、表示域630の一部の領域(例えば、ロゴ画像等のイメージが表示される表示領域の中心領域)へのユーザ190からの指示操作を感知する感知域610eを、ユーザ190からの指示に対して感知可能に設定し、他の感知域610d及びfをユーザ190からの指示に対して感知不可に設定してよい。このように、センサ部294は、表示域620及び630のそれぞれにおいて、ユーザ190からの操作を感知することができる感知域610の数(又は密度)を変化させることによって、表示域620及び630に対応する感知面積を変化させることができる。
【0059】
その他にも、センサ部294は、ユーザ190から所定数以上の操作回数を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定してよい。操作回数とは、例えば、予め定められた時間差より小さい時間間隔で、ユーザ190によって連続的に指示操作(例えば、タッチ操作)された数であってよい。そして、センサ部294は、操作回数を変化させることによって、ユーザ190からの指示操作に対する、感知域610のそれぞれの感度を決定してよい。より具体的には、センサ部294は、感知域610a〜cにおいてユーザ190から1回以上の操作回数を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定する。そして、センサ部294は、感知域610d〜fにおいてユーザ190から2回以上の操作回数を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定する。このように、センサ部294は、ユーザ190による操作を感知した旨を決定するための操作回数をより小さく設定することによって、感知域610の感度をより大きく設定することができる。
【0060】
その他にも、センサ部294は、ユーザ190から所定時間以上の操作時間を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定してよい。操作時間とは、例えば、ユーザ190によって連続的に指示操作された時間(例えば、連続的にタッチされた時間)であってよい。そして、センサ部294は、操作時間を変化させることによって、ユーザ190からの指示操作に対する、感知域610のそれぞれの感度を決定してよい。より具体的には、センサ部294は、感知域610a〜cにおいてユーザ190から第1時間以上の操作時間を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定する。そして、センサ部294は、感知域610d〜fにおいてユーザ190から第1時間より長い第2時間以上の操作時間を検出した場合に、ユーザ190による操作を感知した旨を決定する。このように、センサ部294は、ユーザ190による操作を感知した旨を決定するための操作時間をより短く設定することによって、感知域610の感度をより大きく設定することができる。
【0061】
なお、上記の説明では、操作回数又は操作時間に基づいて、センサ部294がユーザ190による操作を感知したか否かを判断する動作について説明したが、このような判断は、感知域610における操作回数又は操作時間に基づいて利用カード選択部270が行い得るということは言うまでもない。
【0062】
以上説明したように、ICカードシステム100によると、ユーザ190は、1枚のICカード110を用いて複数のクレジットカードの機能を利用することができるので、複数のクレジットカードを持ち歩く必要がなくなる。また、ユーザ190は、店舗160で利用可能なクレジットカードを店舗160への入店時に判別することができる。また、ICカード110は、店舗160への入店時に、複数のクレジットカードのそれぞれの推奨度をユーザ190に提示することができるので、ユーザ190はその店舗160でいずれのクレジットカードを利用することが適切であるかを容易に判断することができる。このように、ICカードシステム100によると、ユーザ190にとって利便性の高いクレジットカードの利用環境を提供することができる。なお、以上の説明においては、一実施形態におけるICカード110を用いてこの発明を説明したが、他の実施形態では、ICカード110のようなICチップが搭載されたカード型の媒体に代えて、ICチップを搭載した携帯端末(例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等)を用いることができる。
【0063】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ICカードシステム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】ICカード110のブロック構成の一例を示す図である。
【図3】ICカード110の動作フローの一例を示す図である。
【図4】推奨度決定部240が格納している推奨度決定要因の一例を示す図である。
【図5】ICカード110による表示内容の一例を示す図である。
【図6】カード提示部250及びセンサ部294の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
100 ICカードシステム
110 ICカード
120 サービス提供サーバ
125 アンテナ
130 利用可能カード格納部
135 決済端末
140 充電装置
150 通信回線
160 店舗
170 カード会社
175 カード情報サーバ
180 カード利用情報格納部
190 ユーザ
200 カード格納部
210 利用可能カード取得部
220 カード利用情報取得部
230 利用可能カード特定部
240 推奨度決定部
250 カード提示部
260 提示制御部
270 利用カード選択部
280 利用カード設定部
290 通信制御部
292 検知部
294 センサ部
296 充電部
298 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数のクレジットカードとして機能するICカードであって、
前記複数のクレジットカードを識別するカード識別情報を格納するカード格納部と、
サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、当該サービスの提供者から取得する利用可能カード取得部と、
前記利用可能カード取得部が取得したカード識別情報のうち、前記カード格納部が格納しているカード識別情報を特定する利用可能カード特定部と、
前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別されるクレジットカードに関するカード利用情報を、カード識別情報に対応づけて取得するカード利用情報取得部と、
前記カード利用情報取得部が取得したカード利用情報の内容に基づいて、前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報毎に、クレジットカードの利用を推奨する度合いを示す推奨度を決定する推奨度決定部と、
前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報を、前記推奨度決定部が決定したカード識別情報毎の推奨度に応じてユーザに提示するカード提示部と、
前記カード提示部がユーザに提示したカード情報が示すクレジットカードのうちの1つをユーザに選択させる利用カード選択部と、
前記利用カード選択部によって選択されたクレジットカードとして前記ICカードを利用可能に設定する利用カード情報設定部と
を備えるICカード。
【請求項2】
前記カード提示部は、前記推奨度決定部がより高い推奨度を決定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報をより強調して前記ICカードのユーザに提示する
請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記カード利用情報取得部は、クレジットカードを過去に利用したことによって得られた現ポイント数及びポイント数に応じた特典を受けることができる下限のポイント数である下限ポイント数を取得し、
前記推奨度決定部は、前記カード利用情報取得部が取得した現ポイント数が前記カード利用情報取得部が取得した下限ポイント数より小さく、かつ、当該現ポイント数と当該下限ポイント数との差がより小さいクレジットカードの推奨度をより高く決定する
請求項1に記載のICカード。
【請求項4】
前記カード利用情報取得部は、クレジットカードが利用された利用頻度をカード識別情報に対応づけて取得し、
前記推奨度決定部は、前記カード利用情報取得部が取得した利用頻度のより高いクレジットカードの推奨度をより高く決定する
請求項1に記載のICカード。
【請求項5】
前記カード提示部は、前記推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報をより強調して表示する
請求項2に記載のICカード。
【請求項6】
前記カード提示部は、前記推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、表示領域において他のクレジットカードのカード情報より前面に表示する
請求項5に記載のICカード。
【請求項7】
前記カード提示部は、前記推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードを示すカード情報を、表示領域においてより高いコントラストで表示する
請求項5に記載のICカード。
【請求項8】
前記利用カード選択部が選択したクレジットカードのカード情報を、前記カード提示部の表示領域の全面に表示させる提示制御部
をさらに備える請求項5に記載のICカード。
【請求項9】
ユーザによるICカード110に対する操作を感知する複数の感知域を有するセンサ部
をさらに備え、
前記カード提示部は、前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別される異なるクレジットカードのカード情報を、前記センサ部の異なる感知域に対応づけて提示し、
前記利用カード選択部は、ユーザによる操作を感知した感知域に対応づけて前記カード提示部が提示したクレジットカードを選択する
請求項1に記載のICカード。
【請求項10】
前記複数の感知域は、ユーザによるICカード110に対する操作に対して異なる感度をそれぞれ有し、
前記カード提示部は、前記推奨度決定部がより高い推奨度を決定したクレジットカードのカード情報を、感度のより高い感知域に対応づけて提示する
請求項9に記載のICカード。
【請求項11】
異なる複数のクレジットカードとして機能するICカードを備えるICカードシステムであって、
ユーザにサービスを提供するためにユーザが利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を格納する利用可能カード格納部と、
前記複数のクレジットカードを識別するカード識別情報を格納するカード格納部と、
サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、前記利用可能カード格納部から取得する利用可能カード取得部と、
前記利用可能カード取得部が取得したカード識別情報のうち、前記カード格納部が格納しているカード識別情報を特定する利用可能カード特定部と、
前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報によって識別されるクレジットカードに関するカード利用情報を、カード識別情報に対応づけて取得するカード利用情報取得部と、
前記カード利用情報取得部が取得したカード利用情報の内容に基づいて、前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報毎に、クレジットカードの利用を推奨する度合いを示す推奨度を決定する推奨度決定部と、
前記利用可能カード特定部が特定したカード識別情報のそれぞれが識別するクレジットカードのカード情報を、前記推奨度決定部が決定したカード識別情報毎の推奨度に応じてユーザに提示するカード提示部と、
前記カード提示部がユーザに提示したカード情報が示すクレジットカードのうちの1つをユーザに選択させる利用カード選択部と、
前記利用カード選択部によって選択されたクレジットカードとして前記ICカードを利用可能に設定する利用カード情報設定部と
を備えるICカードシステム。
【請求項12】
前記利用可能カード取得部、前記利用可能カード特定部、カード利用情報取得部、推奨度決定部、カード提示部、利用カード選択部、及び利用カード情報設定部は、前記ICカードに設けられ、
前記利用可能カード格納部は、前記サービスの提供者の店舗内に位置する前記ICカードからアクセス可能に設けられる
請求項11に記載のICカードシステム。
【請求項13】
前記利用可能カード取得部は、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、前記利用可能カード格納部から無線によって取得する
請求項12に記載のICカードシステム。
【請求項14】
店舗における前記ICカードの存在を検知する検知部
をさらに備え、
前記利用可能カード取得部は、前記検知部が店舗における前記ICカードの存在を検知した場合に、サービスの提供を受けるために利用可能なクレジットカードを識別するカード識別情報を、前記利用可能カード格納部から取得する
請求項12に記載のICカードシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−272728(P2007−272728A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99818(P2006−99818)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】