ICカード用コネクタ
【課題】 ICカードCとの電気的な接続を安定的に提供可能なコネクタ1の提供。
【解決手段】 ハウジング2およびハウジング2と対向設置するカバープレート3の間にスライドプレート4を設置する。スライドプレート4には、カード挿入孔11側端部から延設するカード案内部44を設け、スライドプレート4に穿設する位置決め孔35に当接させて初期位置をとる。
スライドプレート4にはカード保持部43をハウジング2側へ設けてICカードCを保持させ、カバープレート3側に摺動突起41を設けスライドプレート4を摺動移動可能にし、押圧突部45を山形に傾斜させて突設する。
そしてカバープレート3にも摺動突起41、押圧突部45が入り込める摺動溝34、逃がし開口36を設ける。
そして、摺動時には挿入完了直前に押圧突部45が逃がし開口36が下側に入り込みICカードCとコンタクト5とを押圧接触させる。
【解決手段】 ハウジング2およびハウジング2と対向設置するカバープレート3の間にスライドプレート4を設置する。スライドプレート4には、カード挿入孔11側端部から延設するカード案内部44を設け、スライドプレート4に穿設する位置決め孔35に当接させて初期位置をとる。
スライドプレート4にはカード保持部43をハウジング2側へ設けてICカードCを保持させ、カバープレート3側に摺動突起41を設けスライドプレート4を摺動移動可能にし、押圧突部45を山形に傾斜させて突設する。
そしてカバープレート3にも摺動突起41、押圧突部45が入り込める摺動溝34、逃がし開口36を設ける。
そして、摺動時には挿入完了直前に押圧突部45が逃がし開口36が下側に入り込みICカードCとコンタクト5とを押圧接触させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はICカード用コネクタに係り、詳細には、ICのコンタクト部との接触をより良好にすることができるICカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在においてはICカードは様々な分野で利用されている。
そしてこれらICカードとの電気的な情報交換を行うためにはICカード用コネクタが用いられる。そして、ICカード用コネクタは、銀行やクレジットなどで用いるキャッシュカードと接続するために用いたり、あるいは、自動車に搭載して高速道路等の料金を自動的に支払うための認証カードとして用いられたりしている。
【0003】
ICカード用コネクタは、該カードの長手方向へカード表面と並行にスライドさせてICカード用コネクタに挿入するものがある。このタイプのICカード用コネクタは、ICカードを挿入時に、ICカード用コネクタのICカードと電気的な接続を行うコンタクトがICカードの表面と接触しながら挿入されて行っては、ICカードの接点部とコンタクトとが接触する前に、常に該カード表面とコンタクトとが摩擦力を持って接触して挿入され、又ICカードを引抜く場合にも同様に接触されることとなり、挿抜の度にコンタクトが余分な接触を行うこととなっているので、コンタクトの摩耗が多く、接触不良を起こしてしまうと言う問題点を有していた。
【0004】
そこで、ICカード用コネクタへのICカードの挿抜時に、ICカードの挿入完了時にコンタクトがICカードの接点部と接触するような機構を設け、ICカード用コネクタのコンタクト摩耗を減少させ、コンタクトとICカードとの電気的な接触を常に良好にする工夫がなされていた。
例えば、図16は従来のICカード用コネクタ100であるが、上記接触タイミングの工夫をコンタクトの動作によって行っていた。
図16に表す従来例1のICカード用コネクタは、ICカード用コネクタ100の筐体であるハウジング101内には、ICカードCを挿入完了した位置におけるICカードCの接点部C1と対向位置に、コンタクト102を複数配設してある。コンタクト102は、ICカードC挿入完了時にはICカードCの接点部C1と良好な接触圧をもって接触するようにばね力を持って構成されている。
【0005】
即ち、図16(a)に示すICカードCが挿入完了位置に達する直前の状態を表す説明図にあるように、コンタクト102は一端がハウジング101外部に位置されてプリント配線基板等の他の部材と電気的に接続される基板接続部102aを設けてあり、他端が自由端であってICカードCと当接して揺動される当接端102gが設けられている。基板接続部102aは、半田付け等により該基板と接続される。又、コンタクト102は基板接続部102aに続けてハウジング101にコンタクト102が固定されるためのハウジング固定部102bを設ける。そしてコンタクト102は、ハウジング101形成時に、ハウジング101とハウジング固定部102bとが一体的に形成されて固定される。
コンタクト102は、ハウジング固定部102bの基板接続部102aと反対側にはICカードCと接触させるためのばね力を持たせた可動部を形成する。即ち、ハウジング固定部102bから延設されてU字状に湾曲されて折り返されたばね部102cを形成する。ばね部102cは、固定部102bより先の部分であり、U字状に折り返されている折り返し部102dが先端である当接端102gより固定部102b側に、即ち、挿入されて当接端102gに当接する前の対向位置にあるICカードCから離れて位置し、一方当接端102gは挿入されてくるICカードCの先端と当接するようICカードC側に位置している。
【0006】
そして、ばね部102cの折り返し部102dと当接端102gとの間は揺動支点部102eであり、折り返し部102dよりも更にICカードCより離れ定置されている。従って、コンタクト102のばね部102cは、図16(a)に表されているように、当接端102gよりICカードCから離れた側に位置している。
【0007】
このように形成される従来例1では、図16(a)に表す白抜き矢示方向にICカードCが挿入されると、ICカードCの挿入側先端が当接端102gと当接し、更に挿入を行うと、当接端102gがICカードCの挿入側先端に押されて図中下方、即ち、ハウジング101側へと移動されることとなる。この時のばね力による移動は、揺動支点部102eの部位を中心に、当接端102g側がハウジング101側へ移動することによる反作用で折り返し部102dがハウジング101とは反対側、即ち上方へ移動することとなる。
【0008】
そして、更にICカードCの挿入が進み、コンタクト102の当接端102gがICカードCの下面側(接点部C1を設けてある面)まで到達したときには、折り返し部102dが上方へ移動され、図16(b)に表すように、ICカードCの接点部C1に当接して電気的な接触をした状態となる。
この時コンタクト102は ICカードCによってばね部102c全体がハウジング101側へ押圧されているので、ICカードCの接点部C1に当接している折り返し部102dのカード接触部102f及び当接端102gがICカードCと接触圧をもって接触していることとなる。
【0009】
上記従来例1は、ICカードCをICカード用コネクタ100へ挿入した当初、コンタクト102がICカードC表面と当接せずに、ICカードCを挿入して挿入完了位置に到達する直前で、コンタクト102がICカードCの接点部C1と当接するようにしたものである。そしてこれを実現するためのコンタクト102を移動させる手段として、コンタクト102自体がICカードCによって揺動されて接触部102fが接点部C1と当接するように、コンタクト102自体の構造によるものである。そして、挿入されるICカードCは、水平方向へ(ハウジング101と等間隔を持って平行に)移動されている。
これに対し、ICカードC挿入時にICカードC自体を移動させて挿入完了時にコンタクトとの接触を図る従来例が有った。
【0010】
図17は、ICカードCを挿入時に移動させることでコンタクトと接触させる機構を有するICカード用コネクタの従来例であり、以下従来例2という。図17(a)はICカードCを挿入してICカードCとコンタクトとが接触する前の状態を表し、図17(b)はICカードCが挿入完了位置に納まってICカードCとコンタクトとが接触を完了した状態を表している。
従来例2は、ICカード用コネクタ200は、ICカードC装着時にICカードCと対向するように合成樹脂成形したハウジング201を設けてある。ハウジング201には、ICカードC装着時の接点部C1と対向する位置にコンタクト202を設けてある。
コンタクト202は、一端が折曲されてハウジング201のICカードCとは反対側面に突設して基板等と電気的な接続を行う固定部202aを設けてハウジング201に固定され、他端側が折曲されてばね力を持ってICカードC側に設けられて揺動可能であり、揺動端先端側には、ICカードCの接点部C1と当接して電気的な接続を行う接触部202bが設けられている。接触部202bは、ICカードCによって押圧されると、そのばね力により良好な接触圧を得る。
【0011】
又、ハウジング201のICカードC挿入方向と交差する側の両側側面にはガイドプレート203を立設してある。ガイドプレート203には、ガイド溝部203aが穿設されている。そして、ガイド溝部203aには、スライドプレート204の両側に突出させたガイド部(図示せず)が嵌入係止され、ガイド溝部203aに沿ってガイド部(図示せず)が移動可能である。したがって、スライドプレート204はガイド部(図示せず)がガイド溝部203aに案内されて移動可能になっている。
この移動方向は、ICカードC挿入からICカードCが所定位置に装着される方向が図17中に白抜き矢示で表す方向である。そして、ガイド溝部203aは、案内するスライドプレート204が白抜き矢示側へ移動終了してICカードCが所定位置に装着される時にスライドプレート204をコンタクト202側へ(図中下方へ)移動させるように、図中左側が下方へ斜めになるように穿設されている。
【0012】
スライドプレート204は、ハウジング201と略並行にハウジング201のコンタクト202の接触部202bを突設した側へ設けてあり、スライドプレート204とハウジング201との間にICカードCを保持してICカードCがスライドプレート204と共にスライドするように構成されている。スライドプレート204に保持されたICカードCは、ICカード用コネクタ200に挿入当初からスライドプレート204に保持されるまではスライドプレート204に入り込むだけであり、スライドプレート204の所定位置まで挿入されると、スライドプレート204のカード挿入先端側に設ける当接部(図示せず)がICカードCの挿入側先端に押圧されてガイド溝部203aに案内されながら移動可能である。
【0013】
このように形成する従来例2では、スライドプレート204とハウジング201との間に挿入されたICカードCがスライドプレート204に保持される。この時の状態が図17(a)に表す状態である。そしてこの状態から更にICカードCの挿入を進めるとその先端がスライドプレート204を押圧するとスライドプレート204のガイド部(図示せず)がガイド溝部203aに案内されて移動し、やがて、スライドプレート204のガイド部(図示せず)がガイド溝部203aの傾斜部分に至り、更にICカードCの挿入が進むと、スライドプレート204はガイド溝部203aに案内されてハウジング201側へ近付くように移動し、やがて最もハウジング201側へ移動したところでICカードCが装着完了位置に達する。
【0014】
ICカードCが装着完了位置に到達したときには、スライドプレート204がハウジング201側へ移動し、ICカードCの接点部C1がコンタクト202の接触部202bと接触して更に接触部202bを下方へ押圧移動させているので、接触部202bが接点部C1と押圧力を持って接触し電気的な接続を完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながらコンタクト102が揺動移動すると共に下方へ移動してコンタクト102とICカードCとの接触圧を確保する従来例1では、複数設けるコンタクト102の寸法のバラツキやハウジング101とコンタクト102との一体成型時の取付け位置のバラツキなどの要因によってコンタクト102とICカードCとの接触圧を一定にすることが困難であり、大量生産の際に接触圧を安定させることが困難であるという問題点を有した。
【0016】
一方、ICカードC自体をコンタクト102側へ移動させてICカードCとコンタクト202との接触圧を確保する従来例2では、ICカードCをコンタクト202側へ移動させるスライドプレート204がICカードCのコンタクト202とは反対面に有りICカードCをコンタクト202側へ移動させているにも拘らず、移動させるための案内を行うガイド溝部203aがICカードCの側部に有り、スライドプレート204のガイド部(図示せず)も同様にICカードCの側部に有る。このことから、ICカードCをコンタクト側へ付勢する際の付勢力発生の支点がガイド溝部203aにあり、ICカードCをコンタクト側に付勢する際の反力によりスライドプレート204に反りが発生する等から、やはりICカードCとコンタクト202との良好な接触圧を得ることが難しいという問題点を有した。
又、従来例2では、ICカード用コネクタ200を車載した時などに振動が発生すると、スライドプレート204の反りなどがより顕著に発生し、振動による接触不良を発生させる等の問題点を有した。
【0017】
そこで上記問題点に鑑み、車載時等振動が発生しても接触不良を起こしにくく、良好な接触圧を得ることが可能なICカード用コネクタの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明では、ICカード用コネクタが、ICカードをハウジング側へ移動させてコンタクトとICカードとを電気的に接続させた際に接触圧を確実に得ることができる構造とするため、
【0019】
絶縁体からなるハウジングを備え、ハウジングと所定間隔を持って対向設置されてハウジングと係止されるシールドカバープレートを備え、対向するハウジングとシールドカバープレートとの一端部を開口したカード挿入孔を備え、カード挿入孔から挿入完了位置まで挿入したICカードの接点部と接触圧を持って電気的接続が成されるコンタクトを備え、板状体であってハウジングとシールドカバープレートとの間でICカードの挿抜方向へ摺動移動可能であり、挿入されるICカードのシールドカバープレート対向面を被覆するライドプレート本体を有し、挿入されるICカードのハウジング対向面をハウジング側に露呈させて保持可能なカード保持部を有し、スライドプレート本体のカード挿入側端部には挿入されるICカードによって押圧され挿入方向へ摺動移動可能なカード当接部を有するスライドプレートを備え、
スライドプレート本体には、シールドカバープレート側へ傾斜を持って突出する押圧突部を設け、シールドカバープレートにはICカード挿入前の押圧突部対向位置からICカード挿入完了直前の押圧突部対向位置に亘り押圧突部が入り込む逃がし開口を穿設し、
ICカード挿入時には、挿入開始時から挿入完了直前までは押圧突部が逃がし開口に入り込みICカードがコンタクトと接触しないようにハウジングと平行に移動され、挿入完了直前から挿入完了までは押圧突部が該突部の傾斜部に沿ってシールドカバープレート下側へ入り込みハウジング側へ近づくように移動してコンタクトとICカードの接点部とが押圧力を持って電気的に接続されることを特徴とするICカード用コネクタ、
【0020】
を提供する。従って、このICカード用コネクタでは、スライドプレートが挿入孔から挿入されるICカードを保持する。そして、ICカードを挿入して押圧するとスライドプレートのカード当接部がICカードに押圧されて摺動しICカードを移動させる。この時のスライドプレートの移動方向は、スライドプレートに設ける押圧突部がシールドカバープレートに穿設した逃がし開口に入り込んでいるので、ハウジングと平行に移動することとなる。
やがて、ICカードの挿入が進み、挿入完了位置の直前となると、押圧突部が逃がし開口の端部に位置しており、更に挿入が進むと押圧突部の傾斜部が逃がし開口の端部に沿って移動されて押圧突部がシールドカバープレートのハウジング側となる下方へ入り込むこととなり、ICカードはハウジング側へと移動される。これによりICカードの接点部がハウジングに設けるコンタクトに押圧されて接触し、良好な押圧力を持って電気的に接続されることとなる。
また、ICカードの接点部とコンタクトとのより良好な接触状態を得るために、
【0021】
前記スライドプレートに設ける押圧突部、および、シールドカバープレートに設ける逃がし開口を、複数箇所に設ける構成とする。
【0022】
この構成では、スライドプレートがICカードをハウジング側へ移動させるためのシールドカバープレートから得る押圧力を複数箇所で得ることとなる。
更にこの発明では、
【0023】
前記スライドプレートに設ける押圧突部の一つは、装着されるICカードの接点部とICカードを挟んで対向するスライドプレート本体位置に設ける構成とする。
この構成では、押圧突部がICカードの接点部をICカードの背面側から押圧することとなる。これにより押圧突部がスライドプレートの剛性から得る押圧力がICカードの接点部へ直接作用することとなる。
【発明の効果】
【0024】
従って、この発明によれば、ICカード挿抜時にICカードとコンタクトとがICカード装着完了位置直前で接触することとなるので、コンタクトとICカードとが接触したままスライドすることがないので、ICカードおよびコンタクトの接触摩耗を低減させるのに加え、ICカードをコンタクト押圧接触させる押圧力をICカード全体を被覆するシールドカバープレート全体の剛性から得ることができるので、良好な接触圧を得ることができる。
そして、良好な接触圧を得ることでICカード用コネクタ全体に振動等による衝撃が加わってもICカードとコンタクトとの接触が容易に解除されることが少なくなり、耐震性に優れ、安定した接触の保持が可能となる。
【0025】
更に、押圧突部および逃がし開口を複数箇所に設けることにより、ICカードをハウジング側へ押圧する箇所が増加するため、より良好な押圧状態を得ることが可能となるのに加え、押圧状態を安定して提供可能となる。
更にまた、押圧突部および逃がし開口をICカードの接点部位置に設けることで、コンタクトとの接触圧を得るための押圧を接点部に背面側から直接加えることができるので、衝撃等により他の部位が振動移動しても、接点部が振動移動することはないので、より確実で安定したICカードとコンタクトとの電気的な接続が可能となる。
【実施例1】
【0026】
以下に、この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1はこの発明の実施例を表す斜視説明図であり、図2はこの発明の実施例を表す平面説明図であり、図3はこの発明の実施例を表す底面説明図であり、図4はこの発明の実施例の部品を表す斜視説明図であり、図5はこの発明の実施例の部品を表す平面説明図であり、図6はこの発明の実施例の部品を表す裏面説明図であり、図7はこの発明の実施例の部品を表す側面説明図であり、図8はこの発明の実施例の部品を表す斜視説明図であり、図9はこの発明の実施例の部品を表す平面説明図であり、図10はこの発明の実施例の部品を表す側面説明図であり、図11はこの発明の実施例の部品を表す挿入孔側側面説明図であり、図12はカード挿入前の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図13はカード挿入途中の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図14はカード挿入完了時の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図15はホールドダウンを表す説明図であり(a)はこの発明の実施例の裏面側斜視説明図、(b)はホールドダウン部分の拡大説明図である。
【0027】
1はICカード用コネクタである。ICカード用コネクタ1は、図1に表すように、ICカードCを内包可能であり、板状の絶縁体からなるICカードCと電気的な接続を成すコンタクト5を設けたハウジング2を備える。また、ハウジング2と所定間隔を持ってハウジング2と係止するメタルプレートからなるシールドカバープレート3を備える。そして、対向するハウジング2とシールドカバープレート3とは、四方端のうちの一端部を開口してカード挿入孔11を形成し、他の三方は係止固定される。
【0028】
カード挿入孔11から挿入されるICカードCは、ICチップを内蔵する板状体からなり、表面にはICチップと情報交換を行うための接点部C1を有する。ICカードCの構成は規格によって定められているので、接点部C1の位置は決定している。
また、この実施例では挿入側とは、このICカードCを挿入する方向に位置する側をいい、脱抜側とは、挿入側と対向する側をいい、更に幅方向あるいは幅側とは挿入側に対して直交する側をいうものとする。
【0029】
従ってコンタクト5は、図12乃至図14に表すように、カード挿入孔11から挿入完了位置までICカードCが挿入された時に接点部C1と対向している位置に設ける。そして、コンタクト5は、一端がハウジング2のシールドカバープレート3とは反対側の外部へ位置されて基板固定部51を形成し、基板固定部51に続く中間部52がハウジング2と一体的に形成されて固定され、他端は挿入されるシールドカバープレート3側へ突出するように位置される。コンタクト部53は、中間部52から延設されてばね力を有し、先端側はシールドカバープレート3側へ突状の山形状に折曲されて設ける。
そして、コンタクト5は、ICカードCが挿入時および挿入途中では、コンタクト部53がICカードCと接触しない位置に設置されている。
【0030】
シールドカバープレート3は、メタルプレートにプレス加工を施して形成し、短手方向側縁の一方がカード挿入孔11を形成する。また、他の短手方向側縁は、対向設置されるハウジング2側へ折曲されてハウジング係止部31を形成してハウジング2に設けた係止突起と係止固定される。更にこの短手方向側縁には、プレート本体32から延設され先端をハウジング2の下面に位置するようL字状に折曲されるシールド固定部33を形成する。シールド固定部33は、ICカード用コネクタ1をフレームプレート(図示せず)や電子機器の筐体(図示せず)へ固定する際のねじ固定に用いる。そして、このシールド固定部33は、シールド固定部33一体なので、ねじ固定された際にはシールドアースとして機能可能である。また、シールドカバープレート3の長手方向側縁にもハウジング係止部31を複数設けハウジング2と係止可能に形成する。ハウジング係止部31は、この実施例では係止孔として穿設し、ハウジング2に設ける係止突部と係止するように形成したが、特に限定されるものではなく、係止方法は通常用いられている方法であればよい。
【0031】
この実施例では、シールドアースであるホールドダウンをシールド固定部33の2点以外に、シールド固定部33が位置するハウジング2の端部と対向する側の端部側にも設ける。即ち、ホールドダウン38である。ホールドダウン38は、ハウジング2と一体成形されホールドダウン38位置からハウジング端部の間にホールド金具38aとして設ける。ホールド金具38aは、ホールドダウン38位置には雌ねじを螺設して裏面側に開口し、ハウジング2の端縁側面まで延設して端縁側面で折曲し、シールドカバープレート3に設けるプレート接触部38bと押圧接触して電気的に接続されるように設ける。そして、プレート接触部38bは端縁側面にばね力を持って露呈されたホールド金具38aの折曲部と当接するので、ホールドダウン38にネジ止めされるフレームプレート(図示せず)等の外部機器とシールドカバープレート3とが電気的に良好な接続が成される。
このように、ホールドダウン38を設けることで、この実施例では合計4カ所のシールドアースが行われることとなり、従来はシールド固定部33の2カ所のみであったために良好なシールドアースが行えない場合が生じてしまうという問題点が解決された。
【0032】
また、シールドカバープレート3にはスライドプレート4と摺動係止可能な摺動溝34を穿設する。摺動溝34は、プレート本体32の幅側の端部に穿設する。摺動溝34の穿設位置は、スライドプレート4に設ける摺動突部41の位置により適宜決定される。
同様に、シールドカバープレート3にはスライドプレート4のICカードC挿入前初期位置を決定するための位置決め孔35を穿設する。この位置決め孔35は2カ所穿設するが、穿設位置は、スライドプレート4に設けるカード案内部44の位置により適宜決定する。
更に同様に、シールドカバープレート3にはスライドプレート4に設ける第1押圧突部45が入り込む第1逃がし開口36と同じくスライドプレート4に設ける第2押圧突部47が入り込む第2逃がし開口37とを穿設する。この第1逃がし開口36および第2逃がし開口37はそれぞれ第1押圧突部45および第2押圧突部47に対応して設けられ、穿設位置は、スライドプレート4に設けるそれらの位置により適宜決定する。
【0033】
4はスライドプレートである。スライドプレート4は、ハウジング2とシールドカバープレート3との間に設置され、カード挿入孔11側からカード挿入孔11と対向側へ摺動可能に形成される。
スライドプレート4は、メタルプレートをプレス加工してスライド本体4aを形成し、ICカードCと共に摺動する挿入方向長は、ICカードCの長手方向長の半分程度であり、ICカードCの短手方向である幅方向長はシールドカバープレート3の短手方向長より稍短く形成する。従って、スライドプレート4がハウジング2とシールドカバープレート3との間に設置されると長手方向が挿入されるICカードCの幅方向となり、短手方向がICカードCの挿抜方向となる。
そして、スライドプレート4には、シールドカバープレート3と摺動可能に係止するための摺動突部41を設ける。摺動突部41は、図11等に表すように、スライドプレート4の短手方向端に、ハウジング2とシールドカバープレート3との間、即ちシールドカバープレート3の裏面側に位置しているスライドプレート4からシールドカバープレート3の表面側へ位置するようにL字状に折曲して設ける。この摺動突部41をシールドカバープレート3の裏面側から摺動溝34を通り表面側(平面側)へ位置させてシールドカバープレート3のプレート本体32表面へ引っかけてスライドプレート4をシールドカバープレート3へ支持させている。
このようにスライドプレート4は摺動突部41と摺動溝34とによってシールドカバープレート3に摺動可能に係止される。
【0034】
また、スライドプレート4の長手方向端となる挿入側端部には、摺動突部41とは反対にハウジング2側へ折曲させたカード当接部42を設ける。更に、幅側端部には、同様にハウジング2側へ、相互に対向するようにL字状に折曲させたカード保持部43を設ける。カード保持部43は、図11に表すように、L字状に折曲された面とスライド本体4aとの間にICカードCの端部が入り込める間隔を持って設ける。従って、ICカードCは、カード挿入孔11から挿入してカード保持部43によってスライドプレート4に保持されながら挿入側先端がカード当接部42に当接する。また、カード保持部43のカード挿入孔11側は、ハウジング2側へと緩やかな斜面をもって下部案内部43aを形成して広げており、カード挿入孔11から挿入されたICカードCが下方へ傾けて挿入されても、下部案内部43aに当接して後、下部案内部43aの斜面に案内されてカード保持部43とスライド本体4aとの間に挿入可能である。
【0035】
ICカード用コネクタ1におけるスライドプレート4のICカードC挿入前初期位置を決めるのは、スライドプレート4に設けるカード案内部44である。カード案内部44は、スライド本体4aの脱抜側端部からカード挿入孔11側へ突出するように脱抜側端部に2カ所設ける。このカード案内部44は、シールドカバープレート3側へ斜めに設け、その先端をシールドカバープレート3に穿設する位置決め孔35の縁部と当接する位置となるように更に折曲させて設ける。
そして、スライドプレート4は、図示しないコイルばねにより、ICカードC未装着状体では常にカード案内部44の先端がシールドカバープレート3の位置決め孔35端縁と当接しているように付勢される。この付勢は、コイルばねの一端をハウジング2あるいはシールドカバープレート3の適宜位置へ係止させ、コイルばねのばね力が脱抜方向へ加わるように他端をスライドプレート4の適宜位置へ係止して行われるが、従来からあるコネクタ等で行われているのと同様に行えば足りる。
【0036】
更にスライドプレート4のスライド本体4aには、装着されたICカードCがカード当接部42に当接した状態でICカードCの接点部C1と対向する位置に、シールドカバープレート3側へ突出するよう第1押圧突部45を設ける。第1押圧突部45は、山形状に突部頂上に向けて傾斜して設ける。
第1押圧突部45は、ICカードC挿入前から最奥部まで挿入されカード当接部42がICカードCによって押圧されてスライドプレート4が摺動移動を開始しICカードCが装着完了位置となる直前までは、シールドカバープレート3に穿設した第1逃がし開口36に入り込んだ状態で摺動移動されて第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aと当接する位置に設ける。そして第1押圧突部45は、それ以後ICカードC装着完了位置では、傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてシールドカバープレート3の下側、即ちハウジング2側へ下降するように摺動移動する位置に設ける。従って、スライドプレート4は、第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側へ下降移動することでスライドプレート4自身もハウジング2側へ移動される。
そして、ICカード装着完了位置では、ICカードCの接点部C1とコンタクト5のコンタクト部53とが、コンタクト5のばね力により良好な押圧力を持って電気的な接続が成された状態となる。
【0037】
第2押圧突部47は、スライドプレート4の四方端部付近に設けられる。そして、第2押圧突部47は、第1押圧突部45同様にICカードC挿入前から最奥部まで挿入されカード当接部42がICカードCによって押圧されてスライドプレート4が摺動移動を開始しICカードCが装着完了位置となる直前までは、シールドカバープレート3に穿設した第1逃がし開口37に入り込んだ状態で摺動移動されて第2押圧突部47の傾斜部48が第1逃がし開口37の挿入側端部37aと当接する位置に設ける。そして第2押圧突部47は、それ以後ICカードC装着完了位置では、傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてシールドカバープレート3の下側、即ちハウジング2側へ下降するように摺動移動する位置に設ける。従って、スライドプレート4は、第1押圧突部45と共に第2押圧突部47の傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてハウジング2側へ下降移動することでスライドプレート4自身もハウジング2側へ移動される。
【0038】
このように第1押圧突部45と第1逃がし開口36の位置関係、第2押圧突部47とい第2逃がし開口37との位置関係は、相互に同じ位置でそれぞれが当接してそれ以降は第1押圧突部45および第2押圧突部47が同時にハウジング2側へ下降しながら摺動移動するように設ける。
尚、この実施例では、第2押圧突部47および第2逃がし開口37を設けたが、必ずしも第2押圧突部47および第2逃がし開口37を設けなくともよく、スライドプレート4が摺動移動しながらスムーズにハウジング2側へ下降できるように第1押圧突部45の傾斜部46を幅方向に長くとる等して形成してもよい。また、第1押圧突部45はこの実施例では装着されたICカードCの接点部C1と対向するように設けたが、該位置からずらして設けてもよく、スライドプレート4が摺動しながらハウジング2方向へ下降してICカードCの接点部C1とコンタクト5とが良好な接触を行えれば足りる。
【0039】
そして、先に説明したスライドプレート4のカード案内部44とシールドカバープレート3の摺動溝34は、第1押圧突部45が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側へ下降移動を開始する位置と同じタイミングでカード案内部44がハウジング2側へ下降可能なように摺動突起41が位置する摺動溝34の挿入側周囲部をハウジング2側へ傾斜させ傾斜部34aを設けてある。
【0040】
また、6はイジェクト装置であり、イジェクト装置6は挿入されたICカードCが最奥部まで到達し装着完了位置になると、スライドプレート4に設ける係止部(図示せず)が係止してスライドプレート4を該位置に留まらせ、押圧ボタン61を押圧することで、該係止部(図示せず)の係止を解除させてスライドプレート4を自由にさせ、図示しないコイルばねのばね力によりカード案内部44が位置決め孔35の端部に当接してスライドプレート4を初期位置へと戻す。尚、イジェクト装置6やスライドプレート4に戻り力を与えるコイルばね等は、従来から実施されているものであり詳説は省略する。
【0041】
以下にこの発明の実施例の作用を説明する。
図12に表すように、ICカードCがカード挿入孔11から挿入されると、まずICカードCの挿入側先端がスライドプレート4のカード当接部42に当接する。尚、ICカードCを挿入してICカードCが稍曲がって入っていっても、カード案内部44の傾斜部や下部案内部43aに当接しこれら案内部44,43aの緩やかな斜面に沿ってカード保持部43とスライド本体4aとの間へと挿入される。
ICカードCがカード当接部42に当接して後も挿入が続けられると、スライドプレート4は図示しないコイルばねの付勢力に抗して挿入側へとスライド移動される。この時スライドプレート4は、シールドカバープレート3の摺動溝34に摺動突起41が摺動可能に係止されているので、摺動溝34に案内されて摺動移動される。
この時、ICカードCとコンタクト5とは接触していない。
【0042】
スライドプレート4の摺動移動が続けられやがて図13の位置に達する。即ち、第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに到達して当接し、第2押圧突部47の傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに到達して当接する。この時、摺動突起41は摺動溝34周囲部に設けた傾斜部34aのすぐ手前に位置しており、これ以後傾斜部34aに沿って移動可能となる。
図13に表すスライドプレート4位置では、ICカードCとコンタクト5とは未だ接触しておらず設計された適宜間隔を有している。
【0043】
図13に表す位置から更にICカードCを押圧して挿入を続けると、第1押圧突部45の傾斜部46は第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側となる下方へと移動されながら摺動移動しICカードCの挿入を続けることとなる。同様に、第2押圧突部47も第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてハウジング2側となる下方へと移動されながら摺動移動しICカードCの挿入を続けることとなる。この時、摺動溝34に案内されるカード保持部43は、摺動溝34の周囲部に傾斜部34aが設けられているので、やはりハウジング2側へ下降しながら移動可能である。
【0044】
そして、スライドプレート4が下降しながら摺動を続けると、図13に表す位置と、図14に表す位置との中間位置で、ICカードCも共に下降することでICカードCとコンタクト5とが接触することとなる。この接触は、図14に表すICカードC装着完了位置のなるべく直前であるのが好ましく、且つコンタクト5の接触圧が十分に付与される位置でなければならない。
このICカードC装着完了位置は、摺動溝34の挿入側の端部に摺動突起41が当接する位置であり、該位置となるように摺動溝34および摺動突起41が位置するように設計される。尚、装着完了位置は、例えばスライドプレート4の挿入側先端と当接するようにシールドカバープレート3の一部を切り欠いてスライドプレート4側へ折り曲げて位置決めする等により成されてもよい。
そして、図14に表すICカードC装着完了位置では、コンタクト5がそのばね力に抗して下方へ押し下げられてICカードCの接点部C1と良好な押圧力を持って接触し電気的な接続が成される。
尚、ICカードCの装着を解除してICカードCを抜き取る場合には、イジェクト装置6のイジェクトボタン61を押圧してイジェクト装置6によるスライドプレート4の係止を解除し、図示しないコイルばねのばね力により挿入孔11側、即ち脱抜側へとスライドプレート4を移動させてイジェクト操作を完了する。
【0045】
この実施例ではイジェクト装置6を設けたが、ICカードCの挿入脱抜をイジェクト装置6を設けずに使用者が直接行うように形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明は、ICカードを装着して電気的に接続させるICカード用コネクタに利用可能であり、特に、振動等が発生する可能性が高く、ICカードの接点部とコンタクトを良好な接触圧を持ってしかも安定的に接触させる必要がある箇所に用いるICカード用コネクタに利用することでより効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施例を表す斜視説明図
【図2】この発明の実施例を表す平面説明図
【図3】この発明の実施例を表す底面説明図
【図4】この発明の実施例の部品を表す斜視説明図
【図5】この発明の実施例の部品を表す平面説明図
【図6】この発明の実施例の部品を表す裏面説明図
【図7】この発明の実施例の部品を表す側面説明図
【図8】この発明の実施例の部品を表す斜視説明図
【図9】この発明の実施例の部品を表す平面説明図
【図10】この発明の実施例の部品を表す側面説明図
【図11】この発明の実施例の部品を表す挿入孔側側面説明図
【図12】カード挿入前の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図13】カード挿入途中の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図14】カード挿入完了時の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図15】ホールドダウンを表す説明図であり(a)はこの発明の実施例の裏面側斜視説明図、(b)はホールドダウン部分の拡大斜視説明図
【図16】従来例1を表す断面説明図
【図17】従来例2を表す断面説明図
【符号の説明】
【0048】
1 ICカード用コネクタ
11 カード挿入孔
2 ハウジング
3 シールドカバープレート
31 ハウジング係止部
32 プレート本体
33 シールド固定部
34 摺動溝
34a 傾斜部
35 位置決め孔
36 第1逃がし開口
36a 挿入側端部
37 第2逃がし開口
38 ホールドダウン
38a ホールド金具
38b プレート接触部
4 スライドプレート
4a スライド本体
41 摺動突部
42 カード当接部
43 カード保持部
43a 下部案内部
44 カード案内部
45 第1押圧突部
46 傾斜部
47 第2押圧突部
48 傾斜部
5 コンタクト
51 基板固定部
52 中間部
53 コンタクト部
6 イジェクト装置
【技術分野】
【0001】
この発明はICカード用コネクタに係り、詳細には、ICのコンタクト部との接触をより良好にすることができるICカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在においてはICカードは様々な分野で利用されている。
そしてこれらICカードとの電気的な情報交換を行うためにはICカード用コネクタが用いられる。そして、ICカード用コネクタは、銀行やクレジットなどで用いるキャッシュカードと接続するために用いたり、あるいは、自動車に搭載して高速道路等の料金を自動的に支払うための認証カードとして用いられたりしている。
【0003】
ICカード用コネクタは、該カードの長手方向へカード表面と並行にスライドさせてICカード用コネクタに挿入するものがある。このタイプのICカード用コネクタは、ICカードを挿入時に、ICカード用コネクタのICカードと電気的な接続を行うコンタクトがICカードの表面と接触しながら挿入されて行っては、ICカードの接点部とコンタクトとが接触する前に、常に該カード表面とコンタクトとが摩擦力を持って接触して挿入され、又ICカードを引抜く場合にも同様に接触されることとなり、挿抜の度にコンタクトが余分な接触を行うこととなっているので、コンタクトの摩耗が多く、接触不良を起こしてしまうと言う問題点を有していた。
【0004】
そこで、ICカード用コネクタへのICカードの挿抜時に、ICカードの挿入完了時にコンタクトがICカードの接点部と接触するような機構を設け、ICカード用コネクタのコンタクト摩耗を減少させ、コンタクトとICカードとの電気的な接触を常に良好にする工夫がなされていた。
例えば、図16は従来のICカード用コネクタ100であるが、上記接触タイミングの工夫をコンタクトの動作によって行っていた。
図16に表す従来例1のICカード用コネクタは、ICカード用コネクタ100の筐体であるハウジング101内には、ICカードCを挿入完了した位置におけるICカードCの接点部C1と対向位置に、コンタクト102を複数配設してある。コンタクト102は、ICカードC挿入完了時にはICカードCの接点部C1と良好な接触圧をもって接触するようにばね力を持って構成されている。
【0005】
即ち、図16(a)に示すICカードCが挿入完了位置に達する直前の状態を表す説明図にあるように、コンタクト102は一端がハウジング101外部に位置されてプリント配線基板等の他の部材と電気的に接続される基板接続部102aを設けてあり、他端が自由端であってICカードCと当接して揺動される当接端102gが設けられている。基板接続部102aは、半田付け等により該基板と接続される。又、コンタクト102は基板接続部102aに続けてハウジング101にコンタクト102が固定されるためのハウジング固定部102bを設ける。そしてコンタクト102は、ハウジング101形成時に、ハウジング101とハウジング固定部102bとが一体的に形成されて固定される。
コンタクト102は、ハウジング固定部102bの基板接続部102aと反対側にはICカードCと接触させるためのばね力を持たせた可動部を形成する。即ち、ハウジング固定部102bから延設されてU字状に湾曲されて折り返されたばね部102cを形成する。ばね部102cは、固定部102bより先の部分であり、U字状に折り返されている折り返し部102dが先端である当接端102gより固定部102b側に、即ち、挿入されて当接端102gに当接する前の対向位置にあるICカードCから離れて位置し、一方当接端102gは挿入されてくるICカードCの先端と当接するようICカードC側に位置している。
【0006】
そして、ばね部102cの折り返し部102dと当接端102gとの間は揺動支点部102eであり、折り返し部102dよりも更にICカードCより離れ定置されている。従って、コンタクト102のばね部102cは、図16(a)に表されているように、当接端102gよりICカードCから離れた側に位置している。
【0007】
このように形成される従来例1では、図16(a)に表す白抜き矢示方向にICカードCが挿入されると、ICカードCの挿入側先端が当接端102gと当接し、更に挿入を行うと、当接端102gがICカードCの挿入側先端に押されて図中下方、即ち、ハウジング101側へと移動されることとなる。この時のばね力による移動は、揺動支点部102eの部位を中心に、当接端102g側がハウジング101側へ移動することによる反作用で折り返し部102dがハウジング101とは反対側、即ち上方へ移動することとなる。
【0008】
そして、更にICカードCの挿入が進み、コンタクト102の当接端102gがICカードCの下面側(接点部C1を設けてある面)まで到達したときには、折り返し部102dが上方へ移動され、図16(b)に表すように、ICカードCの接点部C1に当接して電気的な接触をした状態となる。
この時コンタクト102は ICカードCによってばね部102c全体がハウジング101側へ押圧されているので、ICカードCの接点部C1に当接している折り返し部102dのカード接触部102f及び当接端102gがICカードCと接触圧をもって接触していることとなる。
【0009】
上記従来例1は、ICカードCをICカード用コネクタ100へ挿入した当初、コンタクト102がICカードC表面と当接せずに、ICカードCを挿入して挿入完了位置に到達する直前で、コンタクト102がICカードCの接点部C1と当接するようにしたものである。そしてこれを実現するためのコンタクト102を移動させる手段として、コンタクト102自体がICカードCによって揺動されて接触部102fが接点部C1と当接するように、コンタクト102自体の構造によるものである。そして、挿入されるICカードCは、水平方向へ(ハウジング101と等間隔を持って平行に)移動されている。
これに対し、ICカードC挿入時にICカードC自体を移動させて挿入完了時にコンタクトとの接触を図る従来例が有った。
【0010】
図17は、ICカードCを挿入時に移動させることでコンタクトと接触させる機構を有するICカード用コネクタの従来例であり、以下従来例2という。図17(a)はICカードCを挿入してICカードCとコンタクトとが接触する前の状態を表し、図17(b)はICカードCが挿入完了位置に納まってICカードCとコンタクトとが接触を完了した状態を表している。
従来例2は、ICカード用コネクタ200は、ICカードC装着時にICカードCと対向するように合成樹脂成形したハウジング201を設けてある。ハウジング201には、ICカードC装着時の接点部C1と対向する位置にコンタクト202を設けてある。
コンタクト202は、一端が折曲されてハウジング201のICカードCとは反対側面に突設して基板等と電気的な接続を行う固定部202aを設けてハウジング201に固定され、他端側が折曲されてばね力を持ってICカードC側に設けられて揺動可能であり、揺動端先端側には、ICカードCの接点部C1と当接して電気的な接続を行う接触部202bが設けられている。接触部202bは、ICカードCによって押圧されると、そのばね力により良好な接触圧を得る。
【0011】
又、ハウジング201のICカードC挿入方向と交差する側の両側側面にはガイドプレート203を立設してある。ガイドプレート203には、ガイド溝部203aが穿設されている。そして、ガイド溝部203aには、スライドプレート204の両側に突出させたガイド部(図示せず)が嵌入係止され、ガイド溝部203aに沿ってガイド部(図示せず)が移動可能である。したがって、スライドプレート204はガイド部(図示せず)がガイド溝部203aに案内されて移動可能になっている。
この移動方向は、ICカードC挿入からICカードCが所定位置に装着される方向が図17中に白抜き矢示で表す方向である。そして、ガイド溝部203aは、案内するスライドプレート204が白抜き矢示側へ移動終了してICカードCが所定位置に装着される時にスライドプレート204をコンタクト202側へ(図中下方へ)移動させるように、図中左側が下方へ斜めになるように穿設されている。
【0012】
スライドプレート204は、ハウジング201と略並行にハウジング201のコンタクト202の接触部202bを突設した側へ設けてあり、スライドプレート204とハウジング201との間にICカードCを保持してICカードCがスライドプレート204と共にスライドするように構成されている。スライドプレート204に保持されたICカードCは、ICカード用コネクタ200に挿入当初からスライドプレート204に保持されるまではスライドプレート204に入り込むだけであり、スライドプレート204の所定位置まで挿入されると、スライドプレート204のカード挿入先端側に設ける当接部(図示せず)がICカードCの挿入側先端に押圧されてガイド溝部203aに案内されながら移動可能である。
【0013】
このように形成する従来例2では、スライドプレート204とハウジング201との間に挿入されたICカードCがスライドプレート204に保持される。この時の状態が図17(a)に表す状態である。そしてこの状態から更にICカードCの挿入を進めるとその先端がスライドプレート204を押圧するとスライドプレート204のガイド部(図示せず)がガイド溝部203aに案内されて移動し、やがて、スライドプレート204のガイド部(図示せず)がガイド溝部203aの傾斜部分に至り、更にICカードCの挿入が進むと、スライドプレート204はガイド溝部203aに案内されてハウジング201側へ近付くように移動し、やがて最もハウジング201側へ移動したところでICカードCが装着完了位置に達する。
【0014】
ICカードCが装着完了位置に到達したときには、スライドプレート204がハウジング201側へ移動し、ICカードCの接点部C1がコンタクト202の接触部202bと接触して更に接触部202bを下方へ押圧移動させているので、接触部202bが接点部C1と押圧力を持って接触し電気的な接続を完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながらコンタクト102が揺動移動すると共に下方へ移動してコンタクト102とICカードCとの接触圧を確保する従来例1では、複数設けるコンタクト102の寸法のバラツキやハウジング101とコンタクト102との一体成型時の取付け位置のバラツキなどの要因によってコンタクト102とICカードCとの接触圧を一定にすることが困難であり、大量生産の際に接触圧を安定させることが困難であるという問題点を有した。
【0016】
一方、ICカードC自体をコンタクト102側へ移動させてICカードCとコンタクト202との接触圧を確保する従来例2では、ICカードCをコンタクト202側へ移動させるスライドプレート204がICカードCのコンタクト202とは反対面に有りICカードCをコンタクト202側へ移動させているにも拘らず、移動させるための案内を行うガイド溝部203aがICカードCの側部に有り、スライドプレート204のガイド部(図示せず)も同様にICカードCの側部に有る。このことから、ICカードCをコンタクト側へ付勢する際の付勢力発生の支点がガイド溝部203aにあり、ICカードCをコンタクト側に付勢する際の反力によりスライドプレート204に反りが発生する等から、やはりICカードCとコンタクト202との良好な接触圧を得ることが難しいという問題点を有した。
又、従来例2では、ICカード用コネクタ200を車載した時などに振動が発生すると、スライドプレート204の反りなどがより顕著に発生し、振動による接触不良を発生させる等の問題点を有した。
【0017】
そこで上記問題点に鑑み、車載時等振動が発生しても接触不良を起こしにくく、良好な接触圧を得ることが可能なICカード用コネクタの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明では、ICカード用コネクタが、ICカードをハウジング側へ移動させてコンタクトとICカードとを電気的に接続させた際に接触圧を確実に得ることができる構造とするため、
【0019】
絶縁体からなるハウジングを備え、ハウジングと所定間隔を持って対向設置されてハウジングと係止されるシールドカバープレートを備え、対向するハウジングとシールドカバープレートとの一端部を開口したカード挿入孔を備え、カード挿入孔から挿入完了位置まで挿入したICカードの接点部と接触圧を持って電気的接続が成されるコンタクトを備え、板状体であってハウジングとシールドカバープレートとの間でICカードの挿抜方向へ摺動移動可能であり、挿入されるICカードのシールドカバープレート対向面を被覆するライドプレート本体を有し、挿入されるICカードのハウジング対向面をハウジング側に露呈させて保持可能なカード保持部を有し、スライドプレート本体のカード挿入側端部には挿入されるICカードによって押圧され挿入方向へ摺動移動可能なカード当接部を有するスライドプレートを備え、
スライドプレート本体には、シールドカバープレート側へ傾斜を持って突出する押圧突部を設け、シールドカバープレートにはICカード挿入前の押圧突部対向位置からICカード挿入完了直前の押圧突部対向位置に亘り押圧突部が入り込む逃がし開口を穿設し、
ICカード挿入時には、挿入開始時から挿入完了直前までは押圧突部が逃がし開口に入り込みICカードがコンタクトと接触しないようにハウジングと平行に移動され、挿入完了直前から挿入完了までは押圧突部が該突部の傾斜部に沿ってシールドカバープレート下側へ入り込みハウジング側へ近づくように移動してコンタクトとICカードの接点部とが押圧力を持って電気的に接続されることを特徴とするICカード用コネクタ、
【0020】
を提供する。従って、このICカード用コネクタでは、スライドプレートが挿入孔から挿入されるICカードを保持する。そして、ICカードを挿入して押圧するとスライドプレートのカード当接部がICカードに押圧されて摺動しICカードを移動させる。この時のスライドプレートの移動方向は、スライドプレートに設ける押圧突部がシールドカバープレートに穿設した逃がし開口に入り込んでいるので、ハウジングと平行に移動することとなる。
やがて、ICカードの挿入が進み、挿入完了位置の直前となると、押圧突部が逃がし開口の端部に位置しており、更に挿入が進むと押圧突部の傾斜部が逃がし開口の端部に沿って移動されて押圧突部がシールドカバープレートのハウジング側となる下方へ入り込むこととなり、ICカードはハウジング側へと移動される。これによりICカードの接点部がハウジングに設けるコンタクトに押圧されて接触し、良好な押圧力を持って電気的に接続されることとなる。
また、ICカードの接点部とコンタクトとのより良好な接触状態を得るために、
【0021】
前記スライドプレートに設ける押圧突部、および、シールドカバープレートに設ける逃がし開口を、複数箇所に設ける構成とする。
【0022】
この構成では、スライドプレートがICカードをハウジング側へ移動させるためのシールドカバープレートから得る押圧力を複数箇所で得ることとなる。
更にこの発明では、
【0023】
前記スライドプレートに設ける押圧突部の一つは、装着されるICカードの接点部とICカードを挟んで対向するスライドプレート本体位置に設ける構成とする。
この構成では、押圧突部がICカードの接点部をICカードの背面側から押圧することとなる。これにより押圧突部がスライドプレートの剛性から得る押圧力がICカードの接点部へ直接作用することとなる。
【発明の効果】
【0024】
従って、この発明によれば、ICカード挿抜時にICカードとコンタクトとがICカード装着完了位置直前で接触することとなるので、コンタクトとICカードとが接触したままスライドすることがないので、ICカードおよびコンタクトの接触摩耗を低減させるのに加え、ICカードをコンタクト押圧接触させる押圧力をICカード全体を被覆するシールドカバープレート全体の剛性から得ることができるので、良好な接触圧を得ることができる。
そして、良好な接触圧を得ることでICカード用コネクタ全体に振動等による衝撃が加わってもICカードとコンタクトとの接触が容易に解除されることが少なくなり、耐震性に優れ、安定した接触の保持が可能となる。
【0025】
更に、押圧突部および逃がし開口を複数箇所に設けることにより、ICカードをハウジング側へ押圧する箇所が増加するため、より良好な押圧状態を得ることが可能となるのに加え、押圧状態を安定して提供可能となる。
更にまた、押圧突部および逃がし開口をICカードの接点部位置に設けることで、コンタクトとの接触圧を得るための押圧を接点部に背面側から直接加えることができるので、衝撃等により他の部位が振動移動しても、接点部が振動移動することはないので、より確実で安定したICカードとコンタクトとの電気的な接続が可能となる。
【実施例1】
【0026】
以下に、この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1はこの発明の実施例を表す斜視説明図であり、図2はこの発明の実施例を表す平面説明図であり、図3はこの発明の実施例を表す底面説明図であり、図4はこの発明の実施例の部品を表す斜視説明図であり、図5はこの発明の実施例の部品を表す平面説明図であり、図6はこの発明の実施例の部品を表す裏面説明図であり、図7はこの発明の実施例の部品を表す側面説明図であり、図8はこの発明の実施例の部品を表す斜視説明図であり、図9はこの発明の実施例の部品を表す平面説明図であり、図10はこの発明の実施例の部品を表す側面説明図であり、図11はこの発明の実施例の部品を表す挿入孔側側面説明図であり、図12はカード挿入前の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図13はカード挿入途中の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図14はカード挿入完了時の状態を表す図2A−A線断面説明図であり、図15はホールドダウンを表す説明図であり(a)はこの発明の実施例の裏面側斜視説明図、(b)はホールドダウン部分の拡大説明図である。
【0027】
1はICカード用コネクタである。ICカード用コネクタ1は、図1に表すように、ICカードCを内包可能であり、板状の絶縁体からなるICカードCと電気的な接続を成すコンタクト5を設けたハウジング2を備える。また、ハウジング2と所定間隔を持ってハウジング2と係止するメタルプレートからなるシールドカバープレート3を備える。そして、対向するハウジング2とシールドカバープレート3とは、四方端のうちの一端部を開口してカード挿入孔11を形成し、他の三方は係止固定される。
【0028】
カード挿入孔11から挿入されるICカードCは、ICチップを内蔵する板状体からなり、表面にはICチップと情報交換を行うための接点部C1を有する。ICカードCの構成は規格によって定められているので、接点部C1の位置は決定している。
また、この実施例では挿入側とは、このICカードCを挿入する方向に位置する側をいい、脱抜側とは、挿入側と対向する側をいい、更に幅方向あるいは幅側とは挿入側に対して直交する側をいうものとする。
【0029】
従ってコンタクト5は、図12乃至図14に表すように、カード挿入孔11から挿入完了位置までICカードCが挿入された時に接点部C1と対向している位置に設ける。そして、コンタクト5は、一端がハウジング2のシールドカバープレート3とは反対側の外部へ位置されて基板固定部51を形成し、基板固定部51に続く中間部52がハウジング2と一体的に形成されて固定され、他端は挿入されるシールドカバープレート3側へ突出するように位置される。コンタクト部53は、中間部52から延設されてばね力を有し、先端側はシールドカバープレート3側へ突状の山形状に折曲されて設ける。
そして、コンタクト5は、ICカードCが挿入時および挿入途中では、コンタクト部53がICカードCと接触しない位置に設置されている。
【0030】
シールドカバープレート3は、メタルプレートにプレス加工を施して形成し、短手方向側縁の一方がカード挿入孔11を形成する。また、他の短手方向側縁は、対向設置されるハウジング2側へ折曲されてハウジング係止部31を形成してハウジング2に設けた係止突起と係止固定される。更にこの短手方向側縁には、プレート本体32から延設され先端をハウジング2の下面に位置するようL字状に折曲されるシールド固定部33を形成する。シールド固定部33は、ICカード用コネクタ1をフレームプレート(図示せず)や電子機器の筐体(図示せず)へ固定する際のねじ固定に用いる。そして、このシールド固定部33は、シールド固定部33一体なので、ねじ固定された際にはシールドアースとして機能可能である。また、シールドカバープレート3の長手方向側縁にもハウジング係止部31を複数設けハウジング2と係止可能に形成する。ハウジング係止部31は、この実施例では係止孔として穿設し、ハウジング2に設ける係止突部と係止するように形成したが、特に限定されるものではなく、係止方法は通常用いられている方法であればよい。
【0031】
この実施例では、シールドアースであるホールドダウンをシールド固定部33の2点以外に、シールド固定部33が位置するハウジング2の端部と対向する側の端部側にも設ける。即ち、ホールドダウン38である。ホールドダウン38は、ハウジング2と一体成形されホールドダウン38位置からハウジング端部の間にホールド金具38aとして設ける。ホールド金具38aは、ホールドダウン38位置には雌ねじを螺設して裏面側に開口し、ハウジング2の端縁側面まで延設して端縁側面で折曲し、シールドカバープレート3に設けるプレート接触部38bと押圧接触して電気的に接続されるように設ける。そして、プレート接触部38bは端縁側面にばね力を持って露呈されたホールド金具38aの折曲部と当接するので、ホールドダウン38にネジ止めされるフレームプレート(図示せず)等の外部機器とシールドカバープレート3とが電気的に良好な接続が成される。
このように、ホールドダウン38を設けることで、この実施例では合計4カ所のシールドアースが行われることとなり、従来はシールド固定部33の2カ所のみであったために良好なシールドアースが行えない場合が生じてしまうという問題点が解決された。
【0032】
また、シールドカバープレート3にはスライドプレート4と摺動係止可能な摺動溝34を穿設する。摺動溝34は、プレート本体32の幅側の端部に穿設する。摺動溝34の穿設位置は、スライドプレート4に設ける摺動突部41の位置により適宜決定される。
同様に、シールドカバープレート3にはスライドプレート4のICカードC挿入前初期位置を決定するための位置決め孔35を穿設する。この位置決め孔35は2カ所穿設するが、穿設位置は、スライドプレート4に設けるカード案内部44の位置により適宜決定する。
更に同様に、シールドカバープレート3にはスライドプレート4に設ける第1押圧突部45が入り込む第1逃がし開口36と同じくスライドプレート4に設ける第2押圧突部47が入り込む第2逃がし開口37とを穿設する。この第1逃がし開口36および第2逃がし開口37はそれぞれ第1押圧突部45および第2押圧突部47に対応して設けられ、穿設位置は、スライドプレート4に設けるそれらの位置により適宜決定する。
【0033】
4はスライドプレートである。スライドプレート4は、ハウジング2とシールドカバープレート3との間に設置され、カード挿入孔11側からカード挿入孔11と対向側へ摺動可能に形成される。
スライドプレート4は、メタルプレートをプレス加工してスライド本体4aを形成し、ICカードCと共に摺動する挿入方向長は、ICカードCの長手方向長の半分程度であり、ICカードCの短手方向である幅方向長はシールドカバープレート3の短手方向長より稍短く形成する。従って、スライドプレート4がハウジング2とシールドカバープレート3との間に設置されると長手方向が挿入されるICカードCの幅方向となり、短手方向がICカードCの挿抜方向となる。
そして、スライドプレート4には、シールドカバープレート3と摺動可能に係止するための摺動突部41を設ける。摺動突部41は、図11等に表すように、スライドプレート4の短手方向端に、ハウジング2とシールドカバープレート3との間、即ちシールドカバープレート3の裏面側に位置しているスライドプレート4からシールドカバープレート3の表面側へ位置するようにL字状に折曲して設ける。この摺動突部41をシールドカバープレート3の裏面側から摺動溝34を通り表面側(平面側)へ位置させてシールドカバープレート3のプレート本体32表面へ引っかけてスライドプレート4をシールドカバープレート3へ支持させている。
このようにスライドプレート4は摺動突部41と摺動溝34とによってシールドカバープレート3に摺動可能に係止される。
【0034】
また、スライドプレート4の長手方向端となる挿入側端部には、摺動突部41とは反対にハウジング2側へ折曲させたカード当接部42を設ける。更に、幅側端部には、同様にハウジング2側へ、相互に対向するようにL字状に折曲させたカード保持部43を設ける。カード保持部43は、図11に表すように、L字状に折曲された面とスライド本体4aとの間にICカードCの端部が入り込める間隔を持って設ける。従って、ICカードCは、カード挿入孔11から挿入してカード保持部43によってスライドプレート4に保持されながら挿入側先端がカード当接部42に当接する。また、カード保持部43のカード挿入孔11側は、ハウジング2側へと緩やかな斜面をもって下部案内部43aを形成して広げており、カード挿入孔11から挿入されたICカードCが下方へ傾けて挿入されても、下部案内部43aに当接して後、下部案内部43aの斜面に案内されてカード保持部43とスライド本体4aとの間に挿入可能である。
【0035】
ICカード用コネクタ1におけるスライドプレート4のICカードC挿入前初期位置を決めるのは、スライドプレート4に設けるカード案内部44である。カード案内部44は、スライド本体4aの脱抜側端部からカード挿入孔11側へ突出するように脱抜側端部に2カ所設ける。このカード案内部44は、シールドカバープレート3側へ斜めに設け、その先端をシールドカバープレート3に穿設する位置決め孔35の縁部と当接する位置となるように更に折曲させて設ける。
そして、スライドプレート4は、図示しないコイルばねにより、ICカードC未装着状体では常にカード案内部44の先端がシールドカバープレート3の位置決め孔35端縁と当接しているように付勢される。この付勢は、コイルばねの一端をハウジング2あるいはシールドカバープレート3の適宜位置へ係止させ、コイルばねのばね力が脱抜方向へ加わるように他端をスライドプレート4の適宜位置へ係止して行われるが、従来からあるコネクタ等で行われているのと同様に行えば足りる。
【0036】
更にスライドプレート4のスライド本体4aには、装着されたICカードCがカード当接部42に当接した状態でICカードCの接点部C1と対向する位置に、シールドカバープレート3側へ突出するよう第1押圧突部45を設ける。第1押圧突部45は、山形状に突部頂上に向けて傾斜して設ける。
第1押圧突部45は、ICカードC挿入前から最奥部まで挿入されカード当接部42がICカードCによって押圧されてスライドプレート4が摺動移動を開始しICカードCが装着完了位置となる直前までは、シールドカバープレート3に穿設した第1逃がし開口36に入り込んだ状態で摺動移動されて第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aと当接する位置に設ける。そして第1押圧突部45は、それ以後ICカードC装着完了位置では、傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてシールドカバープレート3の下側、即ちハウジング2側へ下降するように摺動移動する位置に設ける。従って、スライドプレート4は、第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側へ下降移動することでスライドプレート4自身もハウジング2側へ移動される。
そして、ICカード装着完了位置では、ICカードCの接点部C1とコンタクト5のコンタクト部53とが、コンタクト5のばね力により良好な押圧力を持って電気的な接続が成された状態となる。
【0037】
第2押圧突部47は、スライドプレート4の四方端部付近に設けられる。そして、第2押圧突部47は、第1押圧突部45同様にICカードC挿入前から最奥部まで挿入されカード当接部42がICカードCによって押圧されてスライドプレート4が摺動移動を開始しICカードCが装着完了位置となる直前までは、シールドカバープレート3に穿設した第1逃がし開口37に入り込んだ状態で摺動移動されて第2押圧突部47の傾斜部48が第1逃がし開口37の挿入側端部37aと当接する位置に設ける。そして第2押圧突部47は、それ以後ICカードC装着完了位置では、傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてシールドカバープレート3の下側、即ちハウジング2側へ下降するように摺動移動する位置に設ける。従って、スライドプレート4は、第1押圧突部45と共に第2押圧突部47の傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてハウジング2側へ下降移動することでスライドプレート4自身もハウジング2側へ移動される。
【0038】
このように第1押圧突部45と第1逃がし開口36の位置関係、第2押圧突部47とい第2逃がし開口37との位置関係は、相互に同じ位置でそれぞれが当接してそれ以降は第1押圧突部45および第2押圧突部47が同時にハウジング2側へ下降しながら摺動移動するように設ける。
尚、この実施例では、第2押圧突部47および第2逃がし開口37を設けたが、必ずしも第2押圧突部47および第2逃がし開口37を設けなくともよく、スライドプレート4が摺動移動しながらスムーズにハウジング2側へ下降できるように第1押圧突部45の傾斜部46を幅方向に長くとる等して形成してもよい。また、第1押圧突部45はこの実施例では装着されたICカードCの接点部C1と対向するように設けたが、該位置からずらして設けてもよく、スライドプレート4が摺動しながらハウジング2方向へ下降してICカードCの接点部C1とコンタクト5とが良好な接触を行えれば足りる。
【0039】
そして、先に説明したスライドプレート4のカード案内部44とシールドカバープレート3の摺動溝34は、第1押圧突部45が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側へ下降移動を開始する位置と同じタイミングでカード案内部44がハウジング2側へ下降可能なように摺動突起41が位置する摺動溝34の挿入側周囲部をハウジング2側へ傾斜させ傾斜部34aを設けてある。
【0040】
また、6はイジェクト装置であり、イジェクト装置6は挿入されたICカードCが最奥部まで到達し装着完了位置になると、スライドプレート4に設ける係止部(図示せず)が係止してスライドプレート4を該位置に留まらせ、押圧ボタン61を押圧することで、該係止部(図示せず)の係止を解除させてスライドプレート4を自由にさせ、図示しないコイルばねのばね力によりカード案内部44が位置決め孔35の端部に当接してスライドプレート4を初期位置へと戻す。尚、イジェクト装置6やスライドプレート4に戻り力を与えるコイルばね等は、従来から実施されているものであり詳説は省略する。
【0041】
以下にこの発明の実施例の作用を説明する。
図12に表すように、ICカードCがカード挿入孔11から挿入されると、まずICカードCの挿入側先端がスライドプレート4のカード当接部42に当接する。尚、ICカードCを挿入してICカードCが稍曲がって入っていっても、カード案内部44の傾斜部や下部案内部43aに当接しこれら案内部44,43aの緩やかな斜面に沿ってカード保持部43とスライド本体4aとの間へと挿入される。
ICカードCがカード当接部42に当接して後も挿入が続けられると、スライドプレート4は図示しないコイルばねの付勢力に抗して挿入側へとスライド移動される。この時スライドプレート4は、シールドカバープレート3の摺動溝34に摺動突起41が摺動可能に係止されているので、摺動溝34に案内されて摺動移動される。
この時、ICカードCとコンタクト5とは接触していない。
【0042】
スライドプレート4の摺動移動が続けられやがて図13の位置に達する。即ち、第1押圧突部45の傾斜部46が第1逃がし開口36の挿入側端部36aに到達して当接し、第2押圧突部47の傾斜部48が第2逃がし開口37の挿入側端部37aに到達して当接する。この時、摺動突起41は摺動溝34周囲部に設けた傾斜部34aのすぐ手前に位置しており、これ以後傾斜部34aに沿って移動可能となる。
図13に表すスライドプレート4位置では、ICカードCとコンタクト5とは未だ接触しておらず設計された適宜間隔を有している。
【0043】
図13に表す位置から更にICカードCを押圧して挿入を続けると、第1押圧突部45の傾斜部46は第1逃がし開口36の挿入側端部36aに案内されてハウジング2側となる下方へと移動されながら摺動移動しICカードCの挿入を続けることとなる。同様に、第2押圧突部47も第2逃がし開口37の挿入側端部37aに案内されてハウジング2側となる下方へと移動されながら摺動移動しICカードCの挿入を続けることとなる。この時、摺動溝34に案内されるカード保持部43は、摺動溝34の周囲部に傾斜部34aが設けられているので、やはりハウジング2側へ下降しながら移動可能である。
【0044】
そして、スライドプレート4が下降しながら摺動を続けると、図13に表す位置と、図14に表す位置との中間位置で、ICカードCも共に下降することでICカードCとコンタクト5とが接触することとなる。この接触は、図14に表すICカードC装着完了位置のなるべく直前であるのが好ましく、且つコンタクト5の接触圧が十分に付与される位置でなければならない。
このICカードC装着完了位置は、摺動溝34の挿入側の端部に摺動突起41が当接する位置であり、該位置となるように摺動溝34および摺動突起41が位置するように設計される。尚、装着完了位置は、例えばスライドプレート4の挿入側先端と当接するようにシールドカバープレート3の一部を切り欠いてスライドプレート4側へ折り曲げて位置決めする等により成されてもよい。
そして、図14に表すICカードC装着完了位置では、コンタクト5がそのばね力に抗して下方へ押し下げられてICカードCの接点部C1と良好な押圧力を持って接触し電気的な接続が成される。
尚、ICカードCの装着を解除してICカードCを抜き取る場合には、イジェクト装置6のイジェクトボタン61を押圧してイジェクト装置6によるスライドプレート4の係止を解除し、図示しないコイルばねのばね力により挿入孔11側、即ち脱抜側へとスライドプレート4を移動させてイジェクト操作を完了する。
【0045】
この実施例ではイジェクト装置6を設けたが、ICカードCの挿入脱抜をイジェクト装置6を設けずに使用者が直接行うように形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明は、ICカードを装着して電気的に接続させるICカード用コネクタに利用可能であり、特に、振動等が発生する可能性が高く、ICカードの接点部とコンタクトを良好な接触圧を持ってしかも安定的に接触させる必要がある箇所に用いるICカード用コネクタに利用することでより効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施例を表す斜視説明図
【図2】この発明の実施例を表す平面説明図
【図3】この発明の実施例を表す底面説明図
【図4】この発明の実施例の部品を表す斜視説明図
【図5】この発明の実施例の部品を表す平面説明図
【図6】この発明の実施例の部品を表す裏面説明図
【図7】この発明の実施例の部品を表す側面説明図
【図8】この発明の実施例の部品を表す斜視説明図
【図9】この発明の実施例の部品を表す平面説明図
【図10】この発明の実施例の部品を表す側面説明図
【図11】この発明の実施例の部品を表す挿入孔側側面説明図
【図12】カード挿入前の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図13】カード挿入途中の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図14】カード挿入完了時の状態を表す図2A−A線断面説明図
【図15】ホールドダウンを表す説明図であり(a)はこの発明の実施例の裏面側斜視説明図、(b)はホールドダウン部分の拡大斜視説明図
【図16】従来例1を表す断面説明図
【図17】従来例2を表す断面説明図
【符号の説明】
【0048】
1 ICカード用コネクタ
11 カード挿入孔
2 ハウジング
3 シールドカバープレート
31 ハウジング係止部
32 プレート本体
33 シールド固定部
34 摺動溝
34a 傾斜部
35 位置決め孔
36 第1逃がし開口
36a 挿入側端部
37 第2逃がし開口
38 ホールドダウン
38a ホールド金具
38b プレート接触部
4 スライドプレート
4a スライド本体
41 摺動突部
42 カード当接部
43 カード保持部
43a 下部案内部
44 カード案内部
45 第1押圧突部
46 傾斜部
47 第2押圧突部
48 傾斜部
5 コンタクト
51 基板固定部
52 中間部
53 コンタクト部
6 イジェクト装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体からなるハウジングを備え、
ハウジングと所定間隔を持って対向設置されてハウジングと係止されるシールドカバープレートを備え、
対向するハウジングとシールドカバープレートとの一端部を開口したカード挿入孔を備え、
カード挿入孔から挿入完了位置まで挿入したICカードの接点部と接触圧を持って電気的接続が成されるコンタクトを備え、
板状体であってハウジングとシールドカバープレートとの間でICカードの挿抜方向へ摺動移動可能であり、挿入されるICカードのシールドカバープレート対向面を被覆するライドプレート本体を有し、挿入されるICカードのハウジング対向面をハウジング側に露呈させて保持可能なカード保持部を有し、スライドプレート本体のカード挿入側端部には挿入されるICカードによって押圧され挿入方向へ摺動移動可能なカード当接部を有するスライドプレートを備え、
スライドプレート本体には、シールドカバープレート側へ傾斜を持って突出する押圧突部を設け、シールドカバープレートにはICカード挿入前の押圧突部対向位置からICカード挿入完了直前の押圧突部対向位置に亘り押圧突部が入り込む逃がし開口を穿設し、
ICカード挿入時には、挿入開始時から挿入完了直前までは押圧突部が逃がし開口に入り込みICカードがコンタクトと接触しないようにハウジングと平行に移動され、挿入完了直前から挿入完了までは押圧突部が該突部の傾斜部に沿ってシールドカバープレート下側へ入り込みハウジング側へ近づくように移動してコンタクトとICカードの接点部とが押圧力を持って電気的に接続されることを特徴とするICカード用コネクタ。
【請求項2】
前記スライドプレートに設ける押圧突部、および、シールドカバープレートに設ける逃がし開口を、複数箇所に設ける請求項1に記載のICカード用コネクタ。
【請求項3】
前記スライドプレートに設ける押圧突部のうちの一つは、装着されるICカードの接点部とICカードを挟んで対向するスライドプレート本体位置に設ける請求項1または請求項2に記載のICカード用コネクタ。
【請求項1】
絶縁体からなるハウジングを備え、
ハウジングと所定間隔を持って対向設置されてハウジングと係止されるシールドカバープレートを備え、
対向するハウジングとシールドカバープレートとの一端部を開口したカード挿入孔を備え、
カード挿入孔から挿入完了位置まで挿入したICカードの接点部と接触圧を持って電気的接続が成されるコンタクトを備え、
板状体であってハウジングとシールドカバープレートとの間でICカードの挿抜方向へ摺動移動可能であり、挿入されるICカードのシールドカバープレート対向面を被覆するライドプレート本体を有し、挿入されるICカードのハウジング対向面をハウジング側に露呈させて保持可能なカード保持部を有し、スライドプレート本体のカード挿入側端部には挿入されるICカードによって押圧され挿入方向へ摺動移動可能なカード当接部を有するスライドプレートを備え、
スライドプレート本体には、シールドカバープレート側へ傾斜を持って突出する押圧突部を設け、シールドカバープレートにはICカード挿入前の押圧突部対向位置からICカード挿入完了直前の押圧突部対向位置に亘り押圧突部が入り込む逃がし開口を穿設し、
ICカード挿入時には、挿入開始時から挿入完了直前までは押圧突部が逃がし開口に入り込みICカードがコンタクトと接触しないようにハウジングと平行に移動され、挿入完了直前から挿入完了までは押圧突部が該突部の傾斜部に沿ってシールドカバープレート下側へ入り込みハウジング側へ近づくように移動してコンタクトとICカードの接点部とが押圧力を持って電気的に接続されることを特徴とするICカード用コネクタ。
【請求項2】
前記スライドプレートに設ける押圧突部、および、シールドカバープレートに設ける逃がし開口を、複数箇所に設ける請求項1に記載のICカード用コネクタ。
【請求項3】
前記スライドプレートに設ける押圧突部のうちの一つは、装着されるICカードの接点部とICカードを挟んで対向するスライドプレート本体位置に設ける請求項1または請求項2に記載のICカード用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
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【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−33935(P2010−33935A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196028(P2008−196028)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
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