説明

ICカード発行システム及びICカード更新発行方法

【課題】セキュリティを向上したICカード発行システム及びICカード更新発行方法を提供する。
【解決手段】ICチップを備えるICカードを発行するICカード発行システムにおいて、受付端末2に、ICカードのID番号を取得するID読取部21と、ICチップ内のデータを読み出すのに必要なPINを入力するための入力部24と、CPU26にID番号とPINとをホストコンピュータに送信させるPIN送信プログラム28Bと、を備え、ホストコンピュータのCPUに、送信されたID番号と対応付けて個人情報及びPINを個人情報データベースに記憶させる個人情報記憶プログラムを備え、発行装置のCPUに、ID番号に基づいて個人情報データベースから個人情報とPINとを取得させ、当該個人情報とPINとをICチップに書き込ませる書込プログラムと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード発行システム及びICカード更新発行方法にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、社員証や各種免許証等のIDカードを発行する際には、申請者によって個人情報等が申請書等に記入され、当該申請書に記載された個人情報等をオペレータが入力することにより、IDカードが発行されていた(例えば、特許文献1)。
ところで、近年、ICチップが内蔵された社員証や各種免許証等のICカードが知られている。ICチップには、ICカード所有者の個人情報等が記憶されるので、当該ICカードには、通常、ICチップ内の個人情報を読み出すための暗証番号が設定される。
【特許文献1】特開2000−311213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、当該ICチップ内蔵のICカードの暗証番号を設定する場合、特許文献1のように、申請書に暗証番号も記入しなければならず、当該暗証番号が漏洩されてしまうという畏れがあり、セキュリティが低いという問題がある。
また、ICカードの更新発行の際に暗証番号を変更したくとも容易に変更することができないという問題もある。
【0004】
本発明の課題は、セキュリティを向上したICカード発行システム及びICカード更新発行方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ICチップを備えるICカードを発行するICカード発行システムにおいて、
前記ICカードの発行を受け付ける受付端末と、予め登録された個人情報と識別情報とを記憶する記憶手段を備えるホストコンピュータと、前記ICカードを発行する発行装置と、を備え、
前記受付端末は、
ICカードの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記ICチップ内のデータを読み出すのに必要な暗証情報を入力するための入力手段と、
前記識別情報と前記暗証情報とを前記ホストコンピュータに送信する送信手段と、
を備え、
前記ホストコンピュータは、
前記送信手段により送信された前記識別情報と対応付けて前記個人情報及び前記送信手段により送信された前記暗証情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備え、
前記発行装置は、
前記識別情報に基づいて前記ホストコンピュータの記憶手段から前記個人情報と前記暗証情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記個人情報と前記暗証情報とを前記ICチップに書き込む書込手段と、
を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のICカード発行システムにおいて、
前記ICカードの発行を申請する申請者を撮影して当該申請者の顔画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された顔画像データと前記識別情報とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段により対応付けられた前記顔画像データと前記識別情報とを前記ホストコンピュータに送信する顔画像データ送信手段と、
を備える撮影装置を備え、
前記記憶手段は、前記個人情報として前記対応付け手段により対応付けられた前記顔画像データと前記識別情報とを記憶し、
前記発行装置は、
前記顔画像データに基づく顔画像を前記ICカードの券面に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のICカード発行システムにおいて、
前記ICカードの交付時に、前記暗証情報を入力するための暗証情報入力手段と、
前記ICカードの前記ICチップ内に記憶されている暗証情報と前記暗証情報入力手段により入力された暗証情報とが一致するか否かを判断する照合手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のICカード発行システムを用いてICカードの更新発行を行うICカード更新発行方法であって、
前記受付端末の前記識別情報取得手段により識別情報を取得し、
前記ICチップ内のデータを読み出すのに必要な暗証情報を入力手段により入力し、
前記識別情報と前記暗証情報とを前記ホストコンピュータに送信手段により送信し、
次いで、前記ホストコンピュータの前記記憶制御手段により、前記送信手段により送信された前記識別情報と対応付けて前記個人情報及び前記送信手段により送信された前記暗証情報を前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記発行装置の前記取得手段により、前記識別情報に基づいて前記ホストコンピュータの前記記憶手段から前記個人情報と前記暗証情報とを取得し、
前記取得手段により取得した前記個人情報と前記暗証情報とを前記書込手段により前記ICチップに書き込むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、申請書に暗証情報を記入しなくても、ICカードに暗証情報が設定されることとなって、暗証情報が漏洩する危険性を低減でき、セキュリティを向上することができる。
また、当該ICカード発行システムにおいて、ICカードの更新発行をする際にも、受付端末において暗証情報を新たに設定して入力することができ、容易に暗証情報を変更することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、当該ICカードの受け渡し時に、例えば、オペレータが当該ICカードの券面に印刷された顔画像と受取人の顔とを比較することにより本人確認を行うことができ、セキュリティをより向上することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、暗証情報により、受取人が本人であるか否かを確認することができ、さらにセキュリティを向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、申請書に暗証情報を記入しなくても、ICカードに暗証情報が設定されることとなって、暗証情報が漏洩する危険性を低減でき、セキュリティを向上することができる。
また、当該ICカード発行システムにおいて、ICカードの更新発行をする際にも、受付端末において暗証情報を新たに設定して入力することができ、容易に暗証情報を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の最良の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。また、限定的な表現をする場合があるが、これに限られるものではない。
【0014】
本発明に係るICカード発行システム100は、例えば、図1に示すように、ホストコンピュータ1,ICカードの発行及び更新発行を受け付ける受付端末2,ICカードの発行及び更新発行を申請する申請者を撮影する撮影装置3,ICカードを発行する発行装置4,発行装置4により発行されたICカードに対して所有者(申請者)により入力された暗証情報としての暗証番号を設定する暗証番号入力装置5等を備えている。ここで、暗証番号とは、ICカードのICチップ内のデータを読み出すのに必要な暗証番号であり、以下、PINと称する。
また、ホストコンピュータ1,受付端末2,撮影装置3,発行装置4,暗証番号入力装置5等は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0015】
ホストコンピュータ1は、例えば、図2に示すように、通信部11,入力部12,CPU(Central Processing Unit)13,RAM(Random Access Memory)14,記憶部15,個人情報データベース16等を備えている。
【0016】
通信部11は、例えば、ホストコンピュータ1とICカード発行システム100内の他の装置との間の通信を行う。
【0017】
入力部12は、例えば、マウスや各種の操作キーによって構成されるキーボード等を備え、当該マウスやキーボード等のオペレータによる操作に基づいて、各種の操作信号をCPU13に出力する。
【0018】
CPU13は、例えば、記憶部15に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM14に展開して実行することにより、ホストコンピュータ1全体の制御を行う。
【0019】
RAM14は、例えば、CPU13により実行された処理プログラム等を、RAM14内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0020】
記憶部15は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部15は、CPU13がホストコンピュータ1全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部15は、例えば、図2に示すように、個人情報記憶プログラム15A,個人情報送信プログラム15B等を格納している。
【0021】
個人情報記憶プログラム15Aは、例えば、CPU13に、受付端末2から送信された識別情報としてのID番号と対応づけて個人情報及び受付端末2から送信されたPINを個人情報データベース16に記憶させる機能を実現させるプログラムである。CPU13は、かかる個人情報記憶プログラム15Aを実行することにより、記憶制御手段として機能する。
【0022】
個人情報送信プログラム15Bは、例えば、CPU13に、発行装置4からあるID番号の個人情報の要求信号を受信した場合に、当該ID番号に対応する個人情報及びPINを個人情報データベース16から抽出し、通信部11を制御して当該個人情報及びPINを発行装置4に送信させる機能を実現させるプログラムである。
【0023】
個人情報データベース16は、例えば、個人情報と、ID番号とを対応づけて記憶し、記憶手段として機能する。個人情報及びID番号は、例えば、申請者により申請書に記入され、オペレータが受付端末2の入力部24を操作することにより入力され、当該受付端末2から送信され、個人情報データベース16に予め登録されている。また、個人情報には、撮影装置3から送信される顔画像データも含まれる。
【0024】
受付端末2は、例えば、図3に示すように、ID読取部21,通信部22,表示部23,入力部24,プリンタ25,CPU26,RAM27,記憶部28等を備えている。
【0025】
ID読取部21は、例えば、バーコードリーダや、スキャナ、光学式文字読取装置(OCR装置)、磁気読取装置等を備えて構成され、ICカードの更新発行を申請する申請者によりICカードが挿入される挿入口(図示省略)等を備え、ICカードの券面に印刷されているID番号等を読み取り、識別情報取得手段として機能する。
ここで、新規にICカードの発行を申請する申請者のID番号は、受付端末2において、自動的に設定されるようになっている。
【0026】
通信部22は、例えば、受付端末2とICカード発行システム100内の他の装置との間の通信を行う。
【0027】
表示部23は、例えば、CPU26から入力される制御信号に従って、各種の表示を行う。より具体的には、表示部23は、CPU26が後述するPIN送信プログラム28Bを実行することにより制御されて、「PINを入力してください」との表示,入力されたPIN等の表示を行う。
【0028】
入力部24は、例えば、マウスや各種の操作キーによって構成されるキーボード等を備え、当該マウスやキーボード等の申請者による操作に基づいて、各種の操作信号をCPU26に出力する。より具体的には、申請者によって入力されたPINをCPU26に出力する。これにより、入力部24は、入力手段として機能する。
【0029】
プリンタ25は、例えば、CPU26が後述する申請書発行プログラム28Aを実行することにより制御されて、ID番号等が印字された申請書をプリントする。
【0030】
CPU26は、例えば、記憶部28に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM27に展開して実行することにより、受付端末2全体の制御を行う。
【0031】
RAM27は、例えば、CPU26により実行された処理プログラム等を、RAM27内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0032】
記憶部28は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部28は、CPU26が受付端末2全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部28は、例えば、図3に示すように、申請書発行プログラム28A,PIN送信プログラム28B等を格納している。
【0033】
申請書発行プログラム28Aは、例えば、CPU26に、プリンタ25を制御して、ID読取部21により読み取られたID番号が印字された申請書をプリントさせる機能を実現させるプログラムである。また、申請書発行プログラム28Aは、例えば、CPU26に、新規にICカードを発行する場合には、ID番号を自動設定し、プリンタ25を制御して、当該ID番号が印字された申請書をプリントさせる機能を実現させるプログラムである。
【0034】
PIN送信プログラム28Bは、例えば、CPU26に、表示部23を制御して、「PINを入力してください」との表示,入力されたPIN等を表示させ、通信部22を制御することにより、ID読取部21により取得されたID番号と、申請者により入力部24から入力されたPINとをホストコンピュータ1に送信させる機能を実現させるプログラムである。CPU26は、かかるPIN送信プログラム28Bを実行することにより送信手段として機能する。
【0035】
撮影装置3は、例えば、図4に示すように、通信部31,ID読取部32,撮影部33,CPU34,RAM35,記憶部36等を備えている。
【0036】
通信部31は、例えば、撮影装置3とICカード発行システム100内の他の装置との間の通信を行う。
【0037】
ID読取部32は、例えば、バーコードリーダや、スキャナ、光学式文字読取装置(OCR装置)、磁気読取装置等を備えて構成され、申請書を挿入するための挿入口(図示省略)等を備え、申請書に印字されているID番号を読み取る。
【0038】
撮影部33は、例えば、デジタルカメラ(図示省略)等を備えて構成され、申請者を撮影して、当該申請者の顔画像データを取得し、撮影手段の一部として機能する。
【0039】
CPU34は、例えば、記憶部36に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM35に展開して実行することにより、撮影装置3全体の制御を行う。
【0040】
RAM35は、例えば、CPU34により実行された処理プログラム等を、RAM35内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0041】
記憶部36は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部36は、CPU34が撮影装置3全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部36は、例えば、図4に示すように、撮影プログラム36A,データ対応付けプログラム36B,画像送信プログラム36C等を格納している。
【0042】
撮影プログラム36Aは、例えば、CPU34に、撮影部33を制御して、申請者を撮影させ、当該申請者の顔画像データを取得する機能を実現させるプログラムである。CPU34は、かかる撮影プログラム36Aを実行することにより、撮影手段の一部として機能する。
【0043】
データ対応付けプログラム36Bは、例えば、CPU34に、撮影プログラム36Aを実行することにより取得した申請者の顔画像データと当該申請者ID番号とを対応付ける機能を実現させるプログラムである。より具体的には、データ対応付けプログラム36Bは、CPU34に、撮影部33により取得された顔画像データとID読取部32により申請書から読み取られたID番号とを対応付ける機能を実現させるプログラムである。CPU34は、かかるデータ対応付けプログラム36Bを実行することにより、対応付け手段として機能する。
【0044】
画像送信プログラム36Cは、例えば、CPU34に、通信部31を制御して、撮影部33によって取得された顔画像データとID番号とをホストコンピュータ1に送信させる機能を実現させるプログラムである。CPU34は、かかる画像送信プログラム36Cを実行することにより、顔画像データ送信手段として機能する。
【0045】
発行装置4は、例えば、図5に示すように、通信部41,ICリーダライタ42,プリンタ43,CPU44,RAM45,記憶部46等を備えている。
【0046】
通信部41は、例えば、発行装置4とICカード発行システム100内の他の装置との間の通信を行う。
【0047】
ICリーダライタ42は、例えば、CPU44からの制御信号に従って、ICカードのICチップと電磁誘導波を用いて非接触方式により通信して、ファイルを作成したり、当該ファイルに対して読出処理,書込処理,変更処理等の所定の処理を行う。より具体的には、ICリーダライタ42は、例えば、当該ICチップ内にID番号と個人情報及びPINとを対応づけて記憶させる。
【0048】
プリンタ43は、例えば、CPU44からの印刷指示に従って、ICカードのカード表面にICカード番号や申請者(所有者)の顔画像を印刷し、印刷手段の一部として機能する。
【0049】
CPU44は、例えば、記憶部46に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM45に展開して実行することにより、発行装置4全体の制御を行う。
【0050】
RAM45は、例えば、CPU44により実行された処理プログラム等を、RAM45内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0051】
記憶部46は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部46は、CPU44が発行装置4全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部46は、例えば、図5に示すように、書込プログラム46A,プリントプログラム46B等を格納している。
【0052】
書込プログラム46Aは、例えば、CPU44に、通信部41を制御して、ID番号と当該ID番号に対応する個人情報及びPINの要求信号をホストコンピュータ1に送信させ、ホストコンピュータ1の個人情報データベース16から当該ID番号に対応する個人情報及びPINを取得し、当該個人情報とPINとをICチップに書き込む機能を実現させるプログラムである。CPU44は、かかる書込プログラム46Aを実行することにより、取得手段,書込手段として機能する。
【0053】
プリントプログラム46Bは、例えば、CPU44に、プリンタ43を制御して、書込プログラム46Aを実行することにより取得した個人情報内の顔画像データに基づく顔画像をICカードの券面に印刷させる機能を実現させるプログラムである。CPU44は、かかるプリントプログラム46Bを実行することにより、印刷手段の一部として機能する。
【0054】
暗証番号入力装置5は、例えば、図6に示すように、PIN入力部51,ID読取部52,CPU53,RAM54,記憶部55等を備えている。
【0055】
PIN入力部51は、例えば、0〜9の数字キー及びデフォルトキー等を備えて構成され、申請者により操作されることにより、PINをCPU53に出力し、暗証情報入力手段として機能する。
【0056】
ID読取部52は、例えば、バーコードリーダや、スキャナ、光学式文字読取装置(OCR装置)、磁気読取装置等を備えて構成され、申請者によりICカードが挿入される挿入口(図示省略)等を備え、ICカードの券面に印刷されているID番号等を読み取る。
【0057】
CPU53は、例えば、記憶部55に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM54に展開して実行することにより、暗証番号入力装置5全体の制御を行う。
【0058】
RAM54は、例えば、CPU53により実行された処理プログラム等を、RAM54内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0059】
記憶部55は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部55は、CPU53が暗証番号入力装置5全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部55は、例えば、図6に示すように、PIN照合プログラム55A等を格納している。
【0060】
PIN照合プログラム55Aは、例えば、CPU53に、ICチップ内に記憶されているPINとPIN入力部51から入力されたPINとが一致するか否かを判断する機能を実現させるプログラムである。CPU53は、かかるPIN照合プログラム55Aを実行することにより、照合手段として機能する。
【0061】
次に、上述のような構成のICカード発行システム100における受付動作の一例を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、ICカードの更新発行の場合を例に挙げて説明する。
【0062】
まず、受付端末2において、ID読取部21に、ICカードが挿入されると(ステップS1)、ID読取部21によりICカード券面上に印刷されているID番号が読み取られ、CPU26に出力される(ステップS2)。
【0063】
次に、CPU26は、PIN送信プログラム28Bを実行することにより、表示部23を制御して、「PINを入力してください」との表示させ、入力部24からPINが入力される(ステップS3)。
【0064】
次に、CPU26は、申請書発行プログラム28Aを実行することにより、プリンタ25を制御して、ID番号が印字された申請書をプリントさせる(ステップS4)。
【0065】
次に、CPU26は、PIN送信プログラム28Bの実行に基づいて、通信部22を制御することにより、ID読取部21により取得されたID番号と、申請者により入力部24から入力されたPINとをホストコンピュータ1に送信させる(ステップS5)。
【0066】
次に、ホストコンピュータ1が、受付端末2から送信されたID番号とPINとを受信すると(ステップS6)、CPU13は、個人情報記憶プログラム15Aを実行することにより、当該ID番号とPINとを対応づけて個人情報データベース16に記憶させる(ステップS7)。
【0067】
次に、本発明に係るICカード発行システム100における撮影動作の一例を図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0068】
まず、撮影装置3において、申請書がID読取部32に挿入され、ID読取部32により、ID番号が読み取られる(ステップS101)。
【0069】
次に、CPU34は、撮影プログラム36Aを実行することにより、撮影部33を制御して、申請者を撮影させ、当該申請者の顔画像データを取得する(ステップS102)。
【0070】
次に、CPU34は、データ対応付けプログラム36Bを実行することにより、ステップS102で取得した顔画像データと当該申請者のID番号とを対応付ける(ステップS103)。
【0071】
次に、CPU34は、画像送信プログラム36Cを実行することにより、通信部31を制御して、ステップS103において対応付けた顔画像データとID番号とをホストコンピュータ1に送信させる(ステップS104)。
【0072】
次に、ホストコンピュータ1が、撮影装置3から送信されたID番号と顔画像データとを受信すると(ステップS105)、CPU13は、個人情報記憶プログラム15Aを実行することにより、ステップS103において対応付けられた当該ID番号と顔画像データとを個人情報データベース16に記憶させる(ステップS106)。
【0073】
次に、本発明に係るICカード発行システム100における発行動作の一例を図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
まず、発行装置4において、CPU44は、書込プログラム46Aを実行することにより、通信部41を制御して、ID番号と当該ID番号に対応する個人情報及びPINの要求信号をホストコンピュータ1に送信する(ステップS201)。
【0075】
次に、ホストコンピュータ1が、発行装置4から送信されたID番号と当該ID番号に対応する個人情報及びPINの要求信号を受信すると(ステップS202)、CPU13は、個人情報送信プログラム15Bを実行することにより、当該ID番号に対応する個人情報及びPINを個人情報データベース16から抽出し、通信部11を制御して当該個人情報及びPINを発行装置4に送信させる(ステップS203)。
【0076】
次に、発行装置4が、ホストコンピュータ1から送信された当該ID番号に対応する個人情報及びPINを受信すると(ステップS204)、CPU44は、当該ID番号と対応づけて、当該個人情報とPINとをICチップに書き込む(ステップS205)。
【0077】
次に、CPU44は、プリントプログラム46Bを実行することにより、プリンタ43を制御して、書込プログラム46Aを実行することにより取得した個人情報内の顔画像データに基づく顔画像をICカードの券面に印刷させる(ステップS206)。
【0078】
次に、本発明に係るICカード発行システム100における交付動作の一例を図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0079】
まず、暗証番号入力装置5において、PIN入力部51からPINが入力されると(ステップS301)、CPU53は、PIN照合プログラム55Aを実行することにより、ICチップ内に記憶されているPINとPIN入力部51から入力されたPINとが一致するか否かを判断する(ステップS302)。
【0080】
ステップS302において、CPU53が、ICチップ内に記憶されているPINとPIN入力部51から入力されたPINとが一致しないと判断した場合には(ステップS302;No)、ICカードの交付を行わずに本処理を終了する。
ステップS302において、CPU53が、ICチップ内に記憶されているPINとPIN入力部51から入力されたPINとが一致すると判断した場合には(ステップS302;Yes)、オペレータにより、ICカードの券面に印刷されている顔画像と受取人(申請者)の顔とが比較されて本人確認が行われ(ステップS303)、本人である場合にICカードの交付がなされる(ステップS304)。
【0081】
以上に説明した、本実施形態に係るICカード発行システム100及びICカード更新発行方法によれば、受付端末2において、ID読取部21により、ICカードのID番号が取得され、入力部24により、ICチップ内のデータを読み出すのに必要なPINが入力され、CPU26がPIN送信プログラム28Bを実行することにより、ID番号とPINとがホストコンピュータ1に送信され、ホストコンピュータ1において、CPU13が個人情報記憶プログラム15Aを実行することにより、送信されたID番号と対応付けて個人情報及びPINを個人情報データベース16に記憶させ、発行装置4において、CPU44が書込プログラム46Aを実行することにより、ID番号に基づいてホストコンピュータ1の個人情報データベース16から個人情報とPINとが取得され、取得した個人情報とPINとがICチップに書き込まれるので、申請書にPINを記入しなくても、ICカードにPINが設定されることとなって、PINが漏洩する危険性を低減でき、セキュリティを向上することができる。
また、当該ICカード発行システム100において、ICカードの更新発行をする際にも、受付端末2においてPINを新たに設定して入力することができ、容易にPINを変更することができる。
【0082】
また、撮影装置3において、CPU34が撮影プログラム36Aを実行することにより、撮影部33が制御されて、ICカードの発行を申請する申請者が撮影されて当該申請者の顔画像データが取得され、CPU34がデータ対応付けプログラム34Bを実行することにより、当該顔画像データと当該申請者のID番号とが対応付けられ、CPU34が画像送信プログラム36Cを実行することにより、対応付けられた当該顔画像データとID番号とがホストコンピュータ1に送信され、個人情報データベース16は、個人情報として対応付けられた顔画像データとID番号とを記憶し、発行装置4において、CPU44がプリントプログラム46Bを実行することにより、プリンタ43が制御されて、顔画像データに基づく顔画像がICカードの券面に印刷されるので、当該ICカードの受け渡し時に、例えば、オペレータが当該ICカードの券面に印刷された顔画像と受取人の顔とを比較することにより本人確認を行うことができ、セキュリティをより向上することができる。
【0083】
また、ICカードの交付時に、暗証番号入力装置5において、PIN入力部51により、PINが入力され、CPU53がPIN照合プログラム55Aを実行することにより、ICカードのICチップ内に記憶されているPINとPIN入力部51によって入力されたPINとが一致するか否かが判断されるので、PINにより、受取人が本人であるか否かを確認することができ、さらにセキュリティを向上させることができる。
【0084】
なお、暗証番号入力装置5に、受取人の顔画像を撮影する撮影手段と、当該撮影手段により取得される顔画像データとICカードのICチップに記憶された顔画像データとを比較する比較手段とが設けられて、当該比較手段により本人確認が行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係るICカード発行システムの概略構成図である。
【図2】本発明に係るホストコンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る受付端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る撮影装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る発行装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る暗証番号入力装置の内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係るICカード発行システムにおける受付動作の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明に係るICカード発行システムにおける撮影動作の一例を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係るICカード発行システムにおける発行動作の一例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明に係るICカード発行システムにおける交付動作の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 ホストコンピュータ
13 CPU(記憶制御手段)
16 個人情報データベース(記憶手段)
15A 個人情報記憶プログラム(記憶制御手段)
2 受付端末
21 ID読取部(識別情報取得手段)
24 入力部(入力手段)
26 CPU(送信手段)
28B PIN送信プログラム(送信手段)
3 撮影装置
33 撮影部(撮影手段)
34 CPU(撮影手段,対応付け手段,顔画像データ送信手段)
36A 撮影プログラム(撮影手段)
36B データ対応付けプログラム(対応付け手段)
36C 画像送信プログラム(顔画像データ送信手段)
4 発行装置
43 プリンタ(印刷手段)
44 CPU(取得手段,書込手段,印刷手段)
46A 書込プログラム(取得手段,書込手段)
46B プリントプログラム(印刷手段)
51 PIN入力部(暗証情報入力手段)
53 CPU(照合手段)
55A PIN照合プログラム(照合手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを備えるICカードを発行するICカード発行システムにおいて、
前記ICカードの発行を受け付ける受付端末と、予め登録された個人情報と識別情報とを記憶する記憶手段を備えるホストコンピュータと、前記ICカードを発行する発行装置と、を備え、
前記受付端末は、
ICカードの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記ICチップ内のデータを読み出すのに必要な暗証情報を入力するための入力手段と、
前記識別情報と前記暗証情報とを前記ホストコンピュータに送信する送信手段と、
を備え、
前記ホストコンピュータは、
前記送信手段により送信された前記識別情報と対応付けて前記個人情報及び前記送信手段により送信された前記暗証情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備え、
前記発行装置は、
前記識別情報に基づいて前記ホストコンピュータの記憶手段から前記個人情報と前記暗証情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記個人情報と前記暗証情報とを前記ICチップに書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード発行システム。
【請求項2】
前記ICカードの発行を申請する申請者を撮影して当該申請者の顔画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された顔画像データと前記識別情報とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段により対応付けられた前記顔画像データと前記識別情報とを前記ホストコンピュータに送信する顔画像データ送信手段と、
を備える撮影装置を備え、
前記記憶手段は、前記個人情報として前記対応付け手段により対応付けられた前記顔画像データと前記識別情報とを記憶し、
前記発行装置は、
前記顔画像データに基づく顔画像を前記ICカードの券面に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のICカード発行システム。
【請求項3】
前記ICカードの交付時に、前記暗証情報を入力するための暗証情報入力手段と、
前記ICカードの前記ICチップ内に記憶されている暗証情報と前記暗証情報入力手段により入力された暗証情報とが一致するか否かを判断する照合手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のICカード発行システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のICカード発行システムを用いてICカードの更新発行を行うICカード更新発行方法であって、
前記受付端末の前記識別情報取得手段により識別情報を取得し、
前記ICチップ内のデータを読み出すのに必要な暗証情報を入力手段により入力し、
前記識別情報と前記暗証情報とを前記ホストコンピュータに送信手段により送信し、
次いで、前記ホストコンピュータの前記記憶制御手段により、前記送信手段により送信された前記識別情報と対応付けて前記個人情報及び前記送信手段により送信された前記暗証情報を前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記発行装置の前記取得手段により、前記識別情報に基づいて前記ホストコンピュータの前記記憶手段から前記個人情報と前記暗証情報とを取得し、
前記取得手段により取得した前記個人情報と前記暗証情報とを前記書込手段により前記ICチップに書き込むことを特徴とするICカード更新発行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−286958(P2007−286958A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114472(P2006−114472)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】