説明

ICタグアクセス装置

【課題】搬送時におけるICタグの破損をより効果的に低減する。
【解決手段】ICタグアクセス装置は、ICタグが付された用紙を搬送する搬送機構を備える。この搬送機構は、用紙を挟持しつつ回転することで当該用紙を下流側に送出するローラ対28、および、ローラ対28による用紙挟持の条件を変更する挟持条件変更機構を備える。挟持条件変更機構は、搬送路幅方向におけるICタグ位置およびローラ対28による用紙挟持位置Kが互いにズレるように、従動ローラ42を搬送路幅方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグアクセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICタグが付されたシート材を通信位置まで搬送するとともに、当該ICタグに電波を送受することで当該ICタグと非接触で通信するICタグアクセス装置が知られている。ICタグアクセス装置は、通常、ICタグに電波を送受する通信手段や、ICタグが付されたシート材を搬送する搬送手段などを有している。
【0003】
【特許文献1】特開2000−019964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のICタグアクセス装置においては、シート材を搬送している過程で、当該シート材に付されたICタグの故障を招く場合があった。すなわち、ICタグアクセス装置の多くは、シート材を挟持しつつ回転する一対のローラを用いて、シート材を搬送する。この一対のローラで、シート材に付加されたICタグを強く押圧(挟持)してしまうと、ICタグの故障を招くのである。
【0005】
なお、下記特許文献1には、ICタグの構成等を工夫することでICタグの故障を低減する技術が開示されている。しかし、この技術では、シート材の搬送時に生じるICタグの故障を効果的に低減することはできない。
【0006】
そこで、本発明では、シート材の搬送時に生じるICタグの故障をより効果的に低減でき得るICタグアクセス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、ICタグが付されたシート材を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、規定の通信位置において前記ICタグに電波を送受するアンテナを有し、当該アンテナを介して前記ICタグと通信する通信手段と、を備え、前記搬送手段は、前記シート材を挟持しつつ当該シート材を下流側に送る複数の送出機構であって、搬送路に沿って配設された複数の送出機構と、ICタグの位置に応じて、前記複数の送出機構のうち少なくとも一つの送出機構によるICタグの過度な圧力での挟持を阻害するべく、当該少なくとも一つの送出機構でのシート材の挟持条件を変更する挟持条件変更手段と、を備えることを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、前記挟持条件変更手段は、ICタグの搬送路幅方向位置に応じて、前記送出機構によるシート材挟持の搬送路幅方向位置を変更することを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のICタグアクセス装置であって、前記送出機構は、シート材を挟持しつつ回転することで当該シート材を下流へと送る一対のローラを有し、前記挟持条件変更手段は、前記一対のローラのうち少なくとも一方のローラを、移動対象ローラとして搬送路幅方向に移動させる移動機構を有する、ことを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のICタグアクセス装置であって、前記移動機構は、前記移動対象ローラおよび前記アンテナを機械的に連結する連結部材を有しており、当該連結部材を介して移動対象ローラおよびアンテナを互いに連動して移動させることを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2または3に記載のICタグアクセス装置であって、前記一対のローラは、駆動源からの駆動力供給を受けて回転駆動する駆動ローラと、当該駆動ローラと協働してシート材を挟持するとともに当該駆動ローラに従動して回転する従動ローラと、を有し、前記移動機構は、前記従動ローラを移動対象ローラとして移動させる、ことを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項2に記載のICタグアクセス装置であって、前記送出機構は、第一ローラと、前記第一ローラに対向して搬送路幅方向に配設された複数の第二ローラと、を有し、前記挟持条件変更手段は、前記複数の第二ローラを互いに独立して昇降させることでシート材挟持に寄与する第二ローラを切り替える切替機構を有する、ことを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、前記挟持条件変更手段は、前記ICタグが前記送出機構によるシート材挟持位置まで到達した際に、当該送出機構によるシート材挟持圧力を低減することを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のICタグアクセス装置であって、前記送出機構は、シート材を挟持しつつ回転することで当該シート材を下流へと送る一対のローラを有し、前記挟持条件変更手段は、前記一対のローラのうち少なくとも一方を、搬送路面から離れる方向に移動させることで挟持圧力を低減する圧力変更機構を有することを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、前記挟持条件変更手段は、少なくとも、前記通信位置より下流側に設置された送出機構による挟持条件を変更することを特徴とするICタグアクセス装置である。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載のICタグアクセス装置であって、前記挟持条件変更手段は、前記通信手段でのICタグとの通信結果に基づいて前記ICタグの位置を判定する位置判定手段を有することを特徴とするICタグアクセス装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、送出機構によるICタグの過度な圧力での挟持を阻害するべく、送出機構でのシート材の挟持条件を変更するため、シート材の搬送時に生じるICタグの故障をより効果的に低減できる。
【0018】
請求項2から6に係る発明によれば、ICタグの搬送路幅方向位置に応じて、前記送出機構によるシート材挟持の搬送路幅方向位置が変更されるため、当該送出機構によるICタグの挟持が防止され、結果としてICタグの破損が防止される。
【0019】
請求項7および8に係る発明によれば、前記ICタグが前記送出機構によるシート材挟持位置まで到達した際に、当該送出機構によるシート材挟持圧力を低減するため、ICタグを過度に押圧することが防止される。その結果、ICタグの破損が防止される。
【0020】
請求項9に係る発明によれば、前記通信位置より下流側でのICタグ破損が防止される。これにより、通信処理が正常終了したICタグの破損が防止される。
【0021】
請求項10に係る発明によれば、通信手段でのICタグとの通信結果に基づいて前記ICタグの位置を判定するため、ICタグの位置検出のための専用のセンサ等が不要となる。その結果、より簡易な構成でICタグアクセス装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるICタグアクセス装置10の概略構成図である。また、図2は、ICタグアクセス装置10の概略側面図である。
【0023】
このICタグアクセス装置10は、用紙100に付されたICタグ102に電波を送受することで、当該ICタグ102からの情報読み込みや、当該ICタグ102への情報書き込みを行う装置である。ここで、ICタグ102とは、周知のとおり、微小なICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナからなる微小通信機器である。このICタグ102から読み込んだ情報や、ICタグ102に書き込んだ情報は、当該ICタグ102が付されている用紙100の管理等に利用される。なお、以下の説明では、単独で使用されるICタグアクセス装置を例示しているが、以下で説明するICタグアクセス装置は、他の装置、例えば、用紙に印刷処理を施す画像印刷装置などに組み込まれて使用されてもよい。
【0024】
本実施形態のICタグアクセス装置10において、ICタグ102が付された用紙100は、給紙部16に貯蔵されている。搬送機構14は、この給紙部16からICタグ付用紙100を一枚ずつ取り出し、下流側へと搬送する。ICタグ102(用紙100)が予め規定された通信位置Pまで搬送されれば、通信部12は、通信位置Pに設置されたアンテナ26を介してICタグ102に電波を送受し、情報の読み書き処理を実行する。読み書き処理が施された用紙100は、搬送機構14により正常排紙部18または異常排紙部20へと搬送される。ここで、用紙100の搬送は、搬送路に沿って配設された複数のローラ対28により実現されている。各ローラ対28は、用紙100を挟持しつつ回転することで、用紙100を下流側へと送出する。このときローラ対28が、用紙100とともにICタグ102を強い力で挟持すると、ICタグ102が破損する場合がある。かかるICタグ102の破損を防止するために、本実施形態のICタグアクセス装置10では、ローラ対28による用紙挟持の条件を適宜、変更する挟持条件変更機構30を設けている。以下、このICタグアクセス装置10について詳説する。
【0025】
既述したとおり、処理前のICタグ付用紙100は、給紙部16に貯蔵されている。給紙部16は、用紙100が収容可能な程度の大きさを備えた容器から構成されている。この給紙部16には、搬送機構14が接続されており、制御部24からの指示に応じて、当該給紙部16に収容されている用紙100が一枚ずつ順に取り出され、搬送される。
【0026】
また、処理済の用紙100は、正常排紙部18または異常排紙部20に貯蔵される。正常排紙部18は、ICタグ102からの情報読込処理、および、ICタグ102への情報書込処理の両方が正常に終了した用紙100が収容される収容容器である。異常排紙部20は、ICタグ102からの情報読込処理やICタグ102への情報書込処が失敗した用紙100が収容される収容容器である。
【0027】
給紙部16から排紙部18,20への用紙100の搬送は、搬送機構14により実現されている。搬送機構14は、搬送板32や、複数のローラ対28、切替器34などを備えている。搬送板32は、搬送路36,38に沿って渡される板材で、搬送される用紙100の垂れや落下を防止する。なお、図2から明らかなとおり、本実施形態において、用紙100の搬送路は、給紙部16から正常排紙部18までを接続する主搬送路36と、主搬送路36から異常排紙部20へと分岐する副搬送路38と、からなる。切替器34は、主搬送路36と副搬送路38との分岐位置に設置されており、用紙100の搬送先を正常排紙部18または異常排紙部20に切り替える。制御部24は、通信部による用紙100への通信処理の成否結果に応じて、この切替器34の駆動を制御している。
【0028】
ローラ対28は、用紙100を挟持しつつ駆動することで用紙100を下流側に送出する送出機構として機能するもので、搬送路36,38に沿って複数配設されている。各ローラ対28は、モータ(図1、図2では図示せず)からの駆動力供給を受けて回転駆動する駆動ローラ40と、当該駆動ローラ40に従動して回転する従動ローラ42と、から構成される。駆動ローラ40および従動ローラ42は、搬送路36,38を挟んで互いに対向配置されている。そして、この二つローラ40,42が、用紙100を挟持しつつ回転することで、当該用紙100が下流側へと送出されるようになっている。
【0029】
さらに、本実施形態の搬送機構14は、このローラ対28による挟持に起因するICタグ102の破損を防止するために挟持条件を変更する挟持条件変更機構30も備えている。挟持条件変更機構30は、後に詳説するが、搬送路内におけるICタグ102の搬送路幅方向位置に応じて、ローラ対28による用紙挟持の条件を変更する。ここで、変更する挟持条件とは、具体的には、用紙挟持の搬送路幅方向位置である。なお、この挟持条件変更機構30の具体的構成や作用については後に詳説する。
【0030】
通信部12は、用紙100に付されたICタグ102と非接触で通信を行うもので、ICタグ102に対して通信用電波を送受するアンテナ26を有している。アンテナ26は、搬送路36に対向して設置されており、真下を通過するICタグ102に電波を送受する。このアンテナ26による電波送受位置が、通信位置Pとなる。通信位置Pは、主搬送路36と副搬送路38との分岐位置よりも上流側に設定されている。
【0031】
ユーザインターフェース部(以下「UI部」という)21は、ユーザからの各種操作入力を受け付けたり、ユーザに各種情報を提示したりする。このUI部21は、例えば、操作入力を受け付ける複数のボタンや、情報を提示する表示器、音で情報提示を行うスピーカ、情報提示と操作入力受付を行うタッチパネルなどから構成できる。制御部24は、UI部21を介して入力された各種操作入力に応じて搬送機構14や通信部の駆動を制御するとともに必要に応じて当該UI部21を介してユーザに各種情報を提示する。なお、ユーザは、このUI部21を介して、各種設定情報、例えば、用紙サイズや、処理すべき用紙枚数、用紙内におけるICタグ102の位置などを入力する。入力された設定情報は、記憶部22に記憶され、その後の通信処理の制御に利用される。
【0032】
次に、ローラ対28および挟持条件変更機構30について図3〜図5を参照して詳説する。図3、図4は、挟持条件変更機構30による用紙挟持の条件変更の様子を示す図であり、図5は、挟持条件変更機構30の概略図である。なお、これらの図面では、理解を容易にするために、駆動ローラ40には濃墨を、従動ローラ42には薄墨を施している。
【0033】
既述したとおり、本実施形態では、互いに対向配置された駆動ローラ40および従動ローラ42で、用紙100の搬送を実現している。すなわち、駆動ローラ40および従動ローラ42が、用紙100を挟持しつつ回転することで用紙100を下流側に送出している。ただし、この用紙挟持の際に、用紙100とともにICタグ102までをも挟持すると、当該挟持の圧力によりICタグ102の破損を招く恐れがあった。
【0034】
ここで、図3から明らかなとおり、本実施形態において、従動ローラ42は、駆動ローラ40より幅細になっている。そのため、従動ローラ42の搬送路幅方向位置が、用紙挟持の搬送路幅方向位置Kになる。すなわち、従動ローラ42が、搬送路右端寄り(図3(a)における下方向)に位置すれば、当然、用紙挟持位置Kも搬送路右端寄りとなる。逆に、従動ローラ42が、搬送路左端寄り(図3(a)における上方向)に位置すれば、用紙挟持位置Kは搬送路左端寄りになる。
【0035】
挟持条件変更機構30は、ICタグ102の位置に応じて、従動ローラ42を移動させることで用紙挟持位置Kを変更する移動機構を含んでおり、この用紙挟持位置Kの変更によりICタグ102の破損を防止する。すなわち、図3に図示するように、従動ローラ42の搬送路幅方向位置(用紙挟持位置K)と、ICタグ102の搬送路幅方向位置が重なった状態で、用紙100がローラ対28により挟持されると、当該ローラ対28によりICタグ102まで挟持されることになる。この場合、挟持圧力によるICタグ102の破損を招く恐れがある。そこで、挟持条件変更機構30は、従動ローラ42およびICタグ102の搬送路幅方向位置が重なっている場合には、図4に図示するように、従動ローラ42をICタグ102の搬送路幅方向位置を避けた位置へと移動させる。これにより、ローラ対28によるICタグ102の挟持が防止され、当該ICタグ102の破損が防止される。
【0036】
この挟持条件変更機構30の具体的構成を図5に図示する。挟持条件変更機構30は、例えば、駆動源であるモータ50、当該モータ50に連結されたリードスクリュー52、リードスクリュー52の回転に伴い進退する二枚の移動板56、移動板56の進行方向をガイドするガイド軸54などから構成される。二枚の移動板56は、従動ローラ42を左右から挟むように、互いに離間してリードスクリュー52に螺合されている。また、この移動板56は、リードスクリュー52と平行に設置されたガイド軸54にも挿通されており、当該ガイド軸54に沿って進退自在となっている。かかる構成において、モータ50が回転すると、リードスクリュー52が自転し、当該リードスクリュー52の自転に伴い、当該リードスクリュー52に螺合された二枚の移動板56がガイド軸54に沿って進退する。そして、二枚の移動板56の進退に伴って従動ローラ42が回転軸46に沿って進退し、用紙100の挟持位置Kが変更される。
【0037】
ここで、モータ50の回転量および回転方向、ひいては、従動ローラ42の移動量および移動方向は、移動前における従動ローラ42およびICタグ102の搬送路幅方向位置に基づいて算出される。従動ローラ42の搬送路幅方向位置は、当該従動ローラ42等に取り付けられた位置センサや、モータ50に取り付けられたエンコーダなどで検出、算出される。
【0038】
また、ICタグ102の搬送路幅方向位置は、当該ICタグ102が付されている用紙100の搬送路幅方向位置、および、用紙内におけるICタグ102の位置などから算出される。このうち、用紙100の搬送路幅方向位置は、搬送路36,38に設置されたセンサなどで検知される。また、用紙内におけるICタグ102の位置は、種々の方法で取得することができる。例えば、UI部21を介してユーザにより用紙内タグ位置を入力してもらうようにしてもよい。また、用紙内におけるICタグ102の位置情報を示す図形(バーコードなど)を、用紙100に印刷しておき、当該図形をCMOS素子などの読取素子を用いて読み取るようにしてもよい。
【0039】
また、ICタグ102の搬送路幅方向位置は、通信部12による通信結果に基づいて取得するようにしてもよい。すなわち、通信部12は、アンテナ26を介してICタグ102に電波送受を行うが、このとき送受される電波の強度や当該アンテナ26の指向性能などからICタグ102の搬送路幅方向位置を求めるようにしてもよい。かかる構成とした場合、ICタグ102の搬送路幅方向位置を検出するために、専用のセンサを設ける必要がなく、より簡易な構成でICタグアクセス装置を実現できる。
【0040】
なお、図3〜図5に図示するように、本実施形態では、搬送路幅方向に従動ローラ42および駆動ローラ40がそれぞれ二つずつ並べて配されている。挟持条件変更機構30は、各従動ローラ42ごとに設けられることが望ましい。すなわち、図5に図示するように、搬送路右側に配された従動ローラ42を移動させる右側挟持条件変更機構30Rと、搬送路左側に配された従動ローラ42を移動させる左側挟持条件変更機構30Lと、を設けることが望ましい。そして、右側挟持条件変更機構30Rおよび左側挟持条件変更機構30Lが互いに独立して駆動するようにすれば、用紙挟持位置Kを柔軟に変更することができ、ローラ対28によるICタグ102の挟持をより確実に防止できる。
【0041】
ところで、この挟持条件変更機構30は、全てのローラ対28に対応して設けられることが望ましい。しかし、コストや、スペース確保などの観点から多数の挟持条件変更機構30を設けることが困難な場合がある。そこで本実施形態では、通信位置Pより上流側のローラ対28に対応する挟持条件変更機構30は省略し、通信位置より下流側のローラ対28にのみ対応する挟持条件変更機構30を設けている。これは、次の理由による。
【0042】
通信位置Pより上流側において、挟持圧力に起因したICタグ102の破損が生じたとしても、当該破損の発生は、通信部12による読み書き処理失敗という形で確実に検知できる。この場合、ICタグ102が破損した用紙100は、異常排紙部20に排出されることになり、ユーザは、ICタグ102が破損していることを明確に認識することができる。一方、通信位置Pよりも下流側において、挟持圧力に起因してICタグ102の破損が生じた場合を考える。この場合、用紙100が通信位置Pに到達した時点では、ICタグ102は破損していないため、通信部12による読み書き処理は正常に終了する。そして、この読み書き処理の後、ローラ対28での挟持に起因してICタグ102が破損したとしても、当該破損の発生は検知できない。その結果、ICタグ102が破損しているにも関わらず、当該用紙100は正常排紙部18へと排出されることになる。この場合、ユーザは、ICタグ102が破損していない正常用紙100と、ICタグ102が破損している不良用紙100と、を区別して認識することができず、種々の問題を招く。このように、通信位置Pより下流側におけるICタグ102の破損は検出することが困難であるため、その発生は、極力防止されることが望ましい。したがって、本実施形態では、通信位置Pより下流側のローラ対28に対応する挟持条件変更機構30を設け、コスト低減やスペース確保などの問題を解決しつつ、正常用紙100と不良用紙100の混在という問題も解決している。
【0043】
次に、このICタグアクセス装置10での処理の流れを説明する。ICタグ102への読み書き処理を実行する場合、ユーザは、予め、処理すべき用紙枚数や、用紙サイズ、また、用紙内におけるICタグ位置情報などをUI部21を介して入力する。制御部24は、入力された情報を記憶部22に一時記憶する。
【0044】
続いて、ユーザから処理実行開始の指示が入力されれば、制御部24は、搬送機構14に対して用紙100の搬送開始を指示する。この指示を受けた搬送機構14は、給紙部16から用紙100を一枚ずつ取り出す。そして、ローラ対28の回転により各用紙100を下流側に順次搬送する。このときの用紙100の搬送路内における位置は、搬送路36,38に設けられた用紙センサで検知される。制御部24は、この用紙センサでの検知結果、および、事前入力された用紙内におけるICタグ位置情報などに基づいて、搬送路内におけるICタグ102の位置を算出する。
【0045】
制御部24は、ICタグ102が、通信位置Pまで到達したと判断した場合には、通信部12に対してICタグ102からの情報読み込みの実行を指示する。この指示を受けた通信部12は、アンテナ26を介してICタグ102に通信用電波を送受し、当該ICタグ102からの情報、例えば、当該ICタグ102の識別番号などを読み出す。読み出された情報は制御部24へと送られる。制御部24は、得られた情報に基づいて、当該ICタグ102に書き込むべき情報を選択し、当該情報の書き込みを通信部12に指示する。通信部12は、この指示に従い、ICタグ102に電波を送受し、指定された情報の書き込みを実行する。
【0046】
この一連の読み書き処理において何らかのエラーが生じた場合、制御部24は、当該用紙100に付されたICタグ102に何らかの問題が生じていると判断する。この場合、制御部24は、経路切替器34を駆動し、当該用紙100を異常排紙部20に搬送させる。一方、一連の読み書き処理が正常に終了した場合、制御部24は、当該用紙100を正常排紙部18へと搬送する。この通信位置Pから正常排紙部18までの搬送過程でICタグ102の破損が生じたとしても、当該破損の発生を検知することはできず、種々の問題を招くことになる。そこで、制御部24は、通信位置Pから正常排紙部18まで用紙100を搬送する際には、挟持条件変更機構30を駆動して、ローラ対28によるICタグ102の挟持を防止する。
【0047】
すなわち、制御部24は、用紙センサでの検知結果および用紙内におけるICタグ位置情報などに基づいて、ICタグ102の搬送路幅方向位置を算出する。また、通信位置Pから正常排紙部18までの間に設置された従動ローラ42の搬送路幅方向位置も算出する。そして、ICタグ102の搬送路幅方向位置、および、従動ローラ42の搬送路幅方向位置が、互いに、ズレていると判断した場合には、挟持条件変更機構30を駆動することなく、そのまま、用紙搬送を継続させる。一方、ICタグ102の搬送路幅方向位置、および、従動ローラ42の搬送路幅方向位置が、互いに、重複していると判断した場合には、挟持条件変更機構30に対して従動ローラ42の移動を指示する。この指示を受けた挟持条件変更機構30は、モータ50を駆動して、従動ローラ42およびICタグ102の搬送路幅方向位置が互いにズレる位置まで、従動ローラ42を移動させる。これにより、ローラ対28によるICタグ102の挟持が防止され、ひいては、挟持圧力に起因するICタグ102の破損が防止される。
【0048】
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態によれば、ローラ対28の挟持圧力に起因するICタグ102の破損が確実に防止される。なお、本実施形態では、通信位置Pより下流側のローラ対28にのみ対応する挟持条件変更機構30を設けているが、当然ながら、設置されている全てのローラ対28に対応して挟持条件変更機構30を設けてもよい。
【0049】
また、上記説明における挟持条件変更機構30の構成は、一例であり、ローラ対28による用紙挟持の搬送路幅方向位置Kが変更できるのであれば、他の構成であってもよい。例えば、上記説明では、各従動ローラ42を回転軸46に沿って移動させる構成となっているが、回転軸46ごと従動ローラ42を移動させる機構としてもよい。すなわち、図6に図示するように、従動ローラ42の回転軸46は、搬送路の上側に設置されている従動側ベース板60に固着されている。この従動側ベース板60に移動板56を固着し、さらに、この移動板56をリードスクリュー52に螺合接続するようにしてもよい。この場合、リードスクリュー52の自転に伴い、従動側ベース板60や回転軸46とともに従動ローラが搬送路幅方向に進退することになる。このとき、右側の従動ローラ42および左側の従動ローラ42で、従動側ベース板60を共通とすれば、一つの従動側ベース板60を移動させることで、左右二つの従動ローラ42を同時に移動させることができる。換言すれば、単一のモータ50で二つの従動ローラ42を移動させることができ、モータ数の削減、ひいては、コスト低減や所要スペースの低減が図れる。
【0050】
また、これまでの説明では、挟持位置変更のために従動ローラ42を移動させているが、駆動ローラ40を移動させることで挟持位置を変更させてもよい。すなわち、図7に図示するように、挟持条件変更機構30を、駆動ローラ40や当該駆動ローラ40を回転駆動させる駆動モータ48等が設置されている駆動側ベース板58を移動させる機構としてもよい。この場合の挟持条件変更機構30は、駆動側ベース板58に固着されたラック64や、当該ラック64と歯合するピニオン66、当該ピニオン66を回転駆動させるモータ(図示せず)などで構成できる。かかる構成によれば、モータの回転に伴いピニオン66が回転し、このピニオン66の回転に連動して、ラック64、当該ラック64に固着された駆動側ベース板58、当該駆動側ベース板58に固着された駆動モータ48や駆動ローラ40が搬送路幅方向に進退する。なお、当然ながら、この場合、駆動ローラ40は、従動ローラ42に比して幅細にしておくことが望ましい。
【0051】
また、上記説明では、従動ローラ42および駆動ローラ40のいずれか一方のみを移動させることで挟持位置Kを変更しているが、従動ローラ42および駆動ローラ40の両方を移動させて挟持位置Kを変更してもよい。この場合、従動ローラ42および駆動ローラ40は、ほぼ同一幅であってもよい。
【0052】
さらに、従動ローラ42とアンテナ26とを連動して移動させるようにしてもよい。すなわち、図8に図示するように、アンテナ26が設置されているアンテナ側ベース板68と従動側ベース板60を、移動板56を介して機械的に連結し、当該移動板56をリードスクリュー52やモータ50等からなる挟持条件変更機構30で移動させるようにしてもよい。この場合において、アンテナ26と従動ローラ42は、その搬送路幅方向位置が互いにズレるような位置に設置しておく。そして、ICタグ102に電波送受する際には、当該アンテナ26がICタグ102の真上となる位置(アンテナ26およびICタグ102の搬送路幅方向位置が重なる位置)に、アンテナ側ベース板68および従動側ベース板60を移動させる。
【0053】
ここで、アンテナ26と従動ローラ42は、その搬送路幅方向位置が互いにズレた位置に設置されている。そのため、アンテナ26およびICタグ102の搬送路幅方向位置を一致させた場合には、当該ICタグ102および従動ローラ42の搬送路幅方向位置は自動的にズレることになる。その結果、ローラ対28によるICタグ102の挟持の可能性が低減され、挟持圧力に起因するICタグ102の破損を効果的に防止できる。また、かかる構成によれば、アンテナ移動と従動ローラ移動とを単一のモータで実現できるため、モータ数の削減、ひいては、コスト低減や所要スペースの低減が図れる。
【0054】
さらに、これまでの説明では、従動ローラ42および駆動ローラ40の少なくとも一方を搬送路幅方向に移動させることで挟持位置を変更しているが、使用する従動ローラ42を切り替えることで挟持位置を変更してもよい。すなわち、図9に図示するように、一つの駆動ローラ40に対して対応する従動ローラ42を複数設けておく。また、挟持条件変更機構30は、ICタグ102の搬送路方向位置に応じて、この複数の従動ローラ42を、適宜、昇降できる機構とする。すなわち、挟持条件変更機構30は、搬送路幅方向において、ICタグ102と同位置に位置する従動ローラ42a,42e,42fを上昇(すなわち駆動ローラ40から離れる方向に移動)させる。これにより、従動ローラ42a,42e,42fと駆動ローラ40によるICタグ102の挟持が防止される。また、挟持条件変更機構30は、搬送路幅方向において、ICタグ102とズレた位置にある従動ローラ42b,42c,42dは下降(すなわち駆動ローラ40に近づく方向に移動)させる。これにより、従動ローラ42b,42c,42dと駆動ローラ40で用紙100を挟持することができ、当該用紙100を下流側へと送出することができる。つまり、使用する従動ローラ42を切り替える構成であっても、用紙挟持位置を適切に変更することができ、挟持に起因するICタグ102の破損を防止できる。また、かかる構成の場合、複数の従動ローラ42を同時に上昇または下降させるだけで用紙挟持位置が変更される。したがって、かかる機構によれば、一つの従動ローラ42を搬送路幅方向に移動させる場合に比して、用紙挟持位置の変更に要する時間が短縮される。
【0055】
図10は、この場合における挟持条件変更機構30の構成を示す図である。この場合において、挟持条件変更機構30は、電気制御されたソレノイド70や、当該ソレノイド70と従動ローラ42の回転軸46とを接続するワイヤ72などから構成される。ソレノイド70は、搬送方向に進退する進退軸70aを備えている。また、ワイヤ72は、この進退軸70aから伸び、途中に設けられた突出軸74により略90度に屈曲されたうえで、回転軸46に接続される。かかる構成において、ソレノイド70の進退軸70aが後退すると、当該進退軸70aに接続されたワイヤ72も後退することになる。そして、このワイヤ72の後退に伴い、回転軸46が上昇し、結果として、従動ローラ42が上昇することになる。なお、この従動ローラ42の上昇をガイドするために、従動側ベース板60には、回転軸46を挟み込むように上方向に延びる一対のガイド柱76が突出形成されていることが望ましい。
【0056】
なお、当然ながら、上記説明における従動ローラ42の昇降機構(挟持条件変更機構30)の構成は、一例であり、従動ローラ42を昇降でき得るのであれば、他の構成であってもよい。例えば、図11に図示するように、ソレノイド70、当該ソレノイド70に接続されるとともに当該ソレノイド70に対して角度可変のワイヤ72、当該ワイヤ72に接続されるとともに位置固定の回動点78aを中心に回動自在のリンク軸78などから構成されるリンク機構を挟持条件変更機構30として用いてもよい。そして、このリンク機構の一部と従動ローラ42の回転軸46とを干渉させることで従動ローラ42の昇降を実現してもよい。
【0057】
また、上記説明では、一つの駆動ローラ40に対して複数の従動ローラ42を設けているが、逆であってもよい。すなわち、一つの従動ローラ42に対応する駆動ローラ40を複数設け、当該複数の駆動ローラ40を昇降させることで、用紙挟持位置を変更するようにしてもよい。
【0058】
ところで、これまでの説明では、搬送路幅方向における用紙挟持位置を変更することで、ICタグ102の挟持、ひいては、ICタグ102の破損を防止している。しかし、ICタグ102の破損が防止でき得るのであれば、他の挟持条件を変更してもよい。例えば、挟持する際の圧力、すなわち、挟持圧力を変更することで、ICタグ102の破損を防止してもよい。
【0059】
具体的には、用紙搬送に伴いICタグ102が、従動ローラ42の真下位置に到達した場合(ICタグ102および従動ローラ42の搬送路幅方向位置および搬送方向位置が一致した場合)には、従動ローラ42を上昇させ、従動ローラ42および駆動ローラ40による挟持を解除(挟持圧力ゼロに)する。例えば、図12(a)に図示するように、図面左側に図示した第一従動ローラ42aの真下にICタグ102が位置する場合、挟持条件変更機構30は、当該第一従動ローラ42aを上昇させることで、第一従動ローラ42aと第一駆動ローラ40aによる用紙挟持を解除する。これにより、過度な圧力でのICタグ102の挟持が防止され、ICタグ102の破損が防止される。一方、図面右側に図示した第二従動ローラ42bは、ICタグ102から離れているため、当該第二従動ローラ42bは、第二駆動ローラ40bに密着する方向に下降させておく。
【0060】
そして、図12(b)に図示するように、用紙搬送が進行し、ICタグ102が第一従動ローラ42aの真下位置を通過すれば、当該第一従動ローラ42aを下降させ、当該第一従動ローラ42aと第一駆動ローラ40aによる用紙挟持を再開する。一方、用紙搬送の進行にともない、ICタグ102が第二従動ローラ42bの真下位置に到達すれば、当該第二従動ローラ42bを上昇させて、当該第二従動ローラ42bと第二駆動ローラ40bによる用紙挟持を中断する。
【0061】
なお、この場合における挟持条件変更機構30の具体的構成は、図10、図11を用いて説明した従動ローラ42の昇降機構を応用できるため、ここでの詳説は省略する。また、当然ながら、従動ローラ42ではなく、駆動ローラ40を昇降させて、挟持の有効化・無効化を切り替えてもよい。また、上記説明では、ICタグ102が真下位置に到達した場合には、従動ローラ42を用紙100から完全に離れる高さまで上昇させている。換言すれば、ICタグ102が真下位置に到達した場合には、従動ローラ42と駆動ローラ40による挟持を完全に解除している。しかし、ICタグ102の破損が防止でき得るのであれば、用紙100の挟持圧力をゼロ(挟持解除)にする必要はなく、挟持圧力を低減するだけでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態であるICタグアクセス装置の概略構成図である。
【図2】ICタグアクセス装置の概略側面図である。
【図3】挟持条件変更機構による挟持条件変更の様子を示す図である。
【図4】挟持条件変更機構による挟持条件変更の様子を示す図である。
【図5】挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図6】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図7】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図8】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図9】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図10】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図11】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【図12】他の挟持条件変更機構の概略構成図である。
【符号の説明】
【0063】
10 ICタグアクセス装置、12 通信部、14 搬送機構、18,20 排紙部、21 UI部、22 記憶部、24 制御部、26 アンテナ、28 ローラ対、30 挟持条件変更機構、32 搬送板、34 切替器、36,38 搬送路、40 駆動ローラ、42 従動ローラ、46 回転軸、50 モータ、52 リードスクリュー、54 ガイド軸、56 移動板、58 駆動側ベース板、60 従動側ベース板、64 ラック、66 ピニオン、68 アンテナ側ベース板、70 ソレノイド、72 ワイヤ、74 突出軸、76 ガイド柱、78 リンク軸、100 用紙、102 ICタグ、K 用紙挟持位置、P 通信位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグが付されたシート材を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
規定の通信位置において前記ICタグに電波を送受するアンテナを有し、当該アンテナを介して前記ICタグと通信する通信手段と、
を備え、
前記搬送手段は、
前記シート材を挟持しつつ当該シート材を下流側に送る複数の送出機構であって、搬送路に沿って配設された複数の送出機構と、
ICタグの位置に応じて、前記複数の送出機構のうち少なくとも一つの送出機構によるICタグの過度な圧力での挟持を阻害するべく、当該少なくとも一つの送出機構でのシート材の挟持条件を変更する挟持条件変更手段と、
を備えることを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、
前記挟持条件変更手段は、ICタグの搬送路幅方向位置に応じて、前記送出機構によるシート材挟持の搬送路幅方向位置を変更することを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項3】
請求項2に記載のICタグアクセス装置であって、
前記送出機構は、シート材を挟持しつつ回転することで当該シート材を下流へと送る一対のローラを有し、
前記挟持条件変更手段は、前記一対のローラのうち少なくとも一方のローラを、移動対象ローラとして搬送路幅方向に移動させる移動機構を有する、
ことを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項4】
請求項3に記載のICタグアクセス装置であって、
前記移動機構は、前記移動対象ローラおよび前記アンテナを機械的に連結する連結部材を有しており、当該連結部材を介して移動対象ローラおよびアンテナを互いに連動して移動させることを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載のICタグアクセス装置であって、
前記一対のローラは、駆動源からの駆動力供給を受けて回転駆動する駆動ローラと、当該駆動ローラと協働してシート材を挟持するとともに当該駆動ローラに従動して回転する従動ローラと、を有し、
前記移動機構は、前記従動ローラを移動対象ローラとして移動させる、
ことを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項6】
請求項2に記載のICタグアクセス装置であって、
前記送出機構は、第一ローラと、前記第一ローラに対向して搬送路幅方向に配設された複数の第二ローラと、を有し、
前記挟持条件変更手段は、前記複数の第二ローラを互いに独立して昇降させることでシート材挟持に寄与する第二ローラを切り替える切替機構を有する、
ことを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項7】
請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、
前記挟持条件変更手段は、前記ICタグが前記送出機構によるシート材挟持位置まで到達した際に、当該送出機構によるシート材挟持圧力を低減することを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項8】
請求項7に記載のICタグアクセス装置であって、
前記送出機構は、シート材を挟持しつつ回転することで当該シート材を下流へと送る一対のローラを有し、
前記挟持条件変更手段は、前記一対のローラのうち少なくとも一方を、搬送路面から離れる方向に移動させることで挟持圧力を低減する圧力変更機構を有することを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、
前記挟持条件変更手段は、少なくとも、前記通信位置より下流側に設置された送出機構による挟持条件を変更することを特徴とするICタグアクセス装置。
【請求項10】
請求項9に記載のICタグアクセス装置であって、
前記挟持条件変更手段は、前記通信手段でのICタグとの通信結果に基づいて前記ICタグの位置を判定する位置判定手段を有することを特徴とするICタグアクセス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−62143(P2009−62143A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231294(P2007−231294)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】