説明

IDカード

【課題】必要なときにのみIDカードに画像等の情報を表示できるようにする。
【解決手段】カード本体2と、本体2に内蔵され、ID認証情報を含む各種情報を記憶するメモリ6と、本体2に設けられ、メモリ6に記憶された情報を表示する表示手段3と、本体2のカードホルダへの装着時に表示手段3への表示をオンとし、非装着時に表示手段3への表示をオフとするスイッチ手段11からIDカード1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証、学生証および免許証等のIDカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔写真付きのIDカードとしては、学生証,社員証,運転免許証等が知られている。このようなIDカードには、IDカードの所持者を認証するためのID認証情報を記憶したICチップ等のメモリが埋め込まれており、認証情報とIDカードに付与された顔写真とを用いてカード所持者の認証を行っている。
【0003】
このようなIDカードにおいて、電子ペーパや液晶等の表示部を設け、メモリに認証情報とともに画像を記憶しておいて、表示部にメモリに記憶された画像を表示するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のIDカードによれば、認証情報により認証が行われた場合にのみしか、メモリに記憶された画像を書き換えることができないため、権限のある者以外の者により顔写真が勝手に変更されてしまうことを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−284677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたIDカードにおいては、常時表示部に顔写真の画像が表示されるため、必要でないときにもIDカードに所持者の顔写真の画像が表示されてしまうこととなる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、必要なときにのみIDカードに画像等の情報を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるIDカードは、カード本体と、
該本体に内蔵され、ID認証情報を含む各種情報を記憶するメモリと、
前記本体に設けられ、前記メモリに記憶された情報を表示する表示手段と、
前記本体のカードホルダへの装着時に前記表示手段への表示をオンとし、非装着時に該表示手段への表示をオフとするスイッチ手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明によるIDカードにおいては、前記スイッチ手段を、前記表示手段の表示機能をオン・オフする手段としてもよく、前記表示手段への情報の供給をオン・オフする手段としてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のIDカードによれば、本体のカードホルダへ装着時に表示手段への表示がオンとされ、非装着時に表示手段への表示がオフとされる。このため、本発明によるIDカードをカードホルダから取り出せば、必要でないときに表示手段に情報が表示されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図、図2は内部構成を示す平面図である。図1,2に示すように、本発明の第1の実施形態によるIDカード1は、例として社員証として用いられるものであり、本体2の表面に表示部3と、IDカードの電源となる太陽電池4とを備える。また、本体の内部には、太陽電池4が発生した電気を蓄電する二次電池5と、メモリ6と、IDカードを用いて所持者の認証を行うための認証装置と非接触にて通信を行うためのアンテナ7と、表示部3の表示を制御する表示制御部8と、IDカード全体の制御を行う全体制御部9と、表示部3の表示のオン・オフを行うための導通スイッチ11とを備える。
【0010】
本体2は容易に変形しないような樹脂等からなる。
【0011】
表示部3は、例えば液晶および電子ペーパ等からなり、メモリ6に記憶された画像およびテキスト等の情報を表示する。
【0012】
太陽電池4は、情報の表示等、IDカード1の駆動に必要な電源となる。なお、太陽電池4が発生する電力は二次電池5に蓄電されるため、太陽電池4に光が照射されない状況でもIDカード1を駆動することができる。なお、太陽電池4を備えることなく、二次電池5のみを設けるようにしてもよい。この場合、二次電池5は入れ替え可能に本体2内に設けることが好ましい。
【0013】
メモリ6は図3に示すように保護領域6Aと開放領域6Bとに記憶領域が分けられている。保護領域6Aには、IDカード1の所持者の認証に必要なID認証情報が記憶されている。保護領域6Aには、権限のある者(例えばIDカード1の発行者)のみがアクセス可能とされており、IDカード1の所持者であっても記憶されているID認証情報を書き換えることはできない。開放領域6BはIDカード1の所持者が自由に情報の書き込みおよび削除を行うことが可能な領域である。
【0014】
アンテナ7は、IDカード1が認証装置と通信して、非接触にて情報のやりとりを行うためのものであり、これにより、メモリ6へ書き込む情報を取得したり、情報の削除の指示を受けたりすることができる。
【0015】
表示制御部8は、メモリ6の開放領域6Bから情報を読み出して、表示部3へ表示するための処理を行う。
【0016】
全体制御部9は、情報のメモリ6への書き込みおよび削除等、IDカード1の全体の駆動を制御する。
【0017】
導通スイッチ11は、2箇所の端子11A,11Bを備え、端子11A,11Bが電気的に接続されると表示部3の表示をオンとし、電気的接続が解除されると表示部3の表示をオフとするものである。なお、表示のオン・オフは、表示部3の表示機能をオン・オフすることにより行ってもよく、メモリ6から表示部3への情報の供給をオン・オフすることにより行ってもよい。
【0018】
図4は、第1の実施形態によるIDカード1を装着するためのカードホルダの構成を示す図である。図4に示すようにこのカードホルダ20は、ホルダ内部にIDカード1の導通スイッチ11をオンとすべく、端子11Aおよび端子11Bを電気的に接続するための導通端子21を備える。
【0019】
このため、第1の実施形態によるIDカード1をカードホルダ20に装着していない状態においては、端子11Aと端子11Bとは電気的に接続していないため、表示部3には何ら情報は表示されない。一方、第1の実施形態によるIDカード1をカードホルダ20に装着すると、導通端子21により端子11Aと端子11Bとが電気的に接続されるため、図5に示すようにIDカード1の表示部3にメモリ6に記憶された情報(ここでは画像)が表示される。
【0020】
次いで、本発明によるIDカードの第2の実施形態について説明する。図6は本発明の第2の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるIDカード1Aは、IDカード1Aの表示部3の表示のオン・オフを行うためのスイッチ12を備えた点が第1の実施形態と異なる。
【0021】
スイッチ12はメカニカルスイッチであり、圧迫されるとオンとなって表示部3の表示をオンとし、圧迫されていない状態においてはオフとされて表示部3の表示をオフとするものである。
【0022】
図7は、第2の実施形態によるIDカード1Aを装着するためのカードホルダの構成を示す図である。図7に示すようにこのカードホルダ23は、ホルダ内部にIDカード1Aのスイッチ12をオンとすべく、スイッチ12に対応する位置にホルダ内部に突出する凸形状の突出部24を備える。
【0023】
このため、第2の実施形態によるIDカード1Aをカードホルダ23に装着していない状態においては、スイッチ12は圧迫されていないため、表示部3には何ら情報は表示されない。一方、第2の実施形態によるIDカード1Aをカードホルダ23に装着すると、突出部24によりスイッチ12が圧迫されるため、図8に示すようにIDカード1Aの表示部3に情報(ここでは画像)が表示される。
【0024】
なお、上記実施形態においては、本発明によるIDカードを社員証として用いているが、学生証、会員証および免許証等、IDカードとしてであればどのような態様にて用いてもよい。
【0025】
また、上記実施形態においては、表示部3をオン・オフするスイッチ手段として、導通スイッチ11およびスイッチ12を用いているが、公知の任意のスイッチを用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図
【図2】本発明の第1の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図
【図3】メモリの保護領域および開放領域を説明するための図
【図4】本発明の第1の実施形態によるIDカードを装着するカードホルダを示す平面図
【図5】本発明の第1の実施形態によるIDカードをカードホルダに装着した状態を示す平面図
【図6】本発明の第2の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図
【図7】本発明の第2の実施形態によるIDカードを装着するカードホルダを示す平面図
【図8】本発明の第2の実施形態によるIDカードをカードホルダに装着した状態を示す平面図
【符号の説明】
【0027】
1,1A IDカード
2 本体
3 表示部
4 太陽電池
5 二次電池
6 メモリ
6A 保護領域
6B 開放領域
7 アンテナ
8 表示制御部
9 全体制御部
11 導通スイッチ
12 スイッチ
20,23 カードホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード本体と、
該本体に内蔵され、ID認証情報を含む各種情報を記憶するメモリと、
前記本体に設けられ、前記メモリに記憶された情報を表示する表示手段と、
前記本体のカードホルダへの装着時に前記表示手段への表示をオンとし、非装着時に該表示手段への表示をオフとするスイッチ手段とを備えたことを特徴とするIDカード。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、前記表示手段の表示機能をオン・オフする手段であることを特徴とする請求項1記載のIDカード。
【請求項3】
前記スイッチ手段は、前記表示手段への情報の供給をオン・オフする手段であることを特徴とする請求項1記載のIDカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−217287(P2008−217287A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52212(P2007−52212)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】