説明

IH発電用蒸気発生方法

【課題】 地熱発電は建設場所が火山地帯に限定される。よって、建設場所の制約をなく し、安全で安定した経済効果のある、常時発電が出来る蒸気発生方法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、鉄製またはステンレス製の仕切り板2と傾斜を持たせた密閉の フタ部分11を有する加温鍋3と、逆ロート状の発電用の蒸気の出口19を有する蒸気 発生鍋4がある構造で湯配管パイプ5や蒸気発生パイプ6で連結し、水を注入し、カウ ンタータイプのIH電磁調理器1a、1bで加熱する。蒸気発生パイプ21の下部にあ る鉄粉や鉄屑の入った枕台22を、カウンタータイプのIH電磁調理器1cで加熱して 蒸気を乾燥さる。発電用の蒸気タービンを回転させる能力がある蒸気を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切り板と傾斜を持たせた密閉のフタ部分を有す加温鍋と、逆ロート状の 構造を有する蒸気発生鍋及び鉄粉や鉄屑の入った枕台を使用して、カウンタータイプの IH電磁調理器を熱源とした蒸気発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地熱発電は地下1500メートル以上のボーリングが必要であった。また、
地下から有害物質の砒素排出があり、汲出した水はそのまま放流できなかった。ま
た火山地帯でなければ発電する蒸気の噴出がないのが現実である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−046728号公報(第1項、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地熱発電は火山地域に建設場所が限定される。ボーリングに要する経費が高くつく。 地下から有害物質の砒素が噴出する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する本件発明は、鉄製またはステンレス製の仕切り板2と傾斜を
持たせた密閉のフタ部分11を有する加温鍋3と、逆ロート状の蒸気を集める構造
を有する蒸気発生鍋4を、湯配管パイプ5や蒸気配管パイプ6で連結して一体とし、
前記加温鍋3及び蒸気発生鍋4に水を注入し、カウンタータイプのIH電磁調理器
1a、1bを熱源として前記水を加熱し、蒸気を発生させる。初めは外部電源を利
用し、発電後は発電した電気も利用出来るよう切り替え可能な方式を採用する。複
数のカウンタータイプの電磁調理器1a、1b、1cを使う。
加温鍋3は鉄製またはステンレス製の仕切り板2を有する構造で、外部からの給
水や発電した後の戻り水が、注水できるようにする。また、傾斜を持たせた密閉の
フタ部分11を有し、最終出口で熱せられた湯が配管パイプ5を通して蒸気発生鍋
4に送られる。発生した蒸気は、蒸気配管パイプ6を通して蒸気発生鍋4に送られ
る構造とする。
蒸気発生鍋4は鉄製またはステンレス製で逆ロート状の蒸気を集める構造を有す
る。上部にある発電用蒸気の出口19から蒸気発生パイプ21を通して発生した蒸
気を出す。
蒸気発生パイプ21の下部にカウンタータイプのIH電磁調理器1cを数台設置
し、湿り蒸気を乾燥させる構造とする。
加温鍋3と蒸気発生鍋4の下部は、コンクリートの基礎部10a、10bで支え
る構造を有する。
カウンタータイプのIH電磁調理器1a、1bは、金属製ワゴン8a、8bに乗
せ加温鍋3と蒸気発生鍋4の下部に設置する。金属製ワゴン8a、8bの伸縮調節
リング9a、9bを回して密着させる。
以上の方法で建設場所の制限をなくし、発電用蒸気を発生させることで上記課題
を解決するものである。
【発明の効果】
【0006】
本件発明は、熱源に使用しているカウンタータイプのIH電磁調理器1a、1b、1 cが二酸化炭素を発生しない。加温鍋3や蒸気発生鍋4及び鉄粉や鉄屑の入った枕台2 2は熱くなるが、カウンタータイプのIH電磁調理器1a、1b、1cは熱くならない ので故障しにくい。補給が必要なのは水だけである。大量の水を必要と
しない。有害物質を発生しない。仕切り板2があるので水が仕切りの間を通過する
過程で温められるため、蒸気発生鍋4に送られるときは温度を高く出来る。傾斜を持た せた密閉のフタ部分11があることで、発生した蒸気を最上部の空間部20に集めるこ とが出来る。高低差と発生した蒸気の圧力を利用して、湯や蒸気を蒸気発生鍋4に送る ことが出来る。鉄粉や鉄屑の入った枕台22をカウンタータイプの
IH電磁調理器1cで加熱することで、湿り蒸気を乾燥することが出来る。蒸気発生鍋 4を拡大し、カウンタータイプのIH電磁調理器1bの台数を多くしていけば規模の大 きい発電に対応した蒸気を発生させることが出来る。設備が簡単なので補修や点検が容 易である。建設費が安く、運転コストも低く優れている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本件発明の概略の正面図である。
【図2】本件発明の概略の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下,本件発明を実施するための形態について、概略の正面図を参照して説明する 。
(イ) カウンタータイプのIH電磁調理器1a、1bを鉄製またはステンレス製の加 温鍋3と蒸気発生鍋4の下部に密着させて、外部電源を利用して過熱する構造であ る。加温鍋3は水の深さが50センチ以下とする。鉄製またはステンレス製の高さ 70センチのしきり板2を有し、傾斜を持たせた密閉のフタ部分11とは低いとこ ろで20センチの空間を有し、高いところで1メートルの空間を持たせる。発生し た蒸気が最上部の空間部20に集まる構造とする。仕切り板2どうしの間隔は20 センチとする。水は蛇行して流れ、湯の出口18で温度が上昇する構造とする。水 面14aは最高50センチとし、仕切り板2の上部から20センチ低くなること。 外部注水パイプ12からの水や、発電後の戻り水配管パイプ13を通った水は、傾 斜を持たせた密閉のフタ部分11の低い場所から注水する。水位計16aと水温計 17aを有する構造とする。
(ロ) 蒸気発生鍋4は加温鍋3の湯の出口18から直径20センチのサイクロイド曲 線を有する湯配管パイプ5を通して湯が入る。蒸気の出口15から直径20センチ の蒸気配管パイプ6を通して蒸気が流入する構造を持つ。加温鍋3は蒸気発生鍋4 より地上50センチ高い場所がよい。加温鍋3で発生した蒸気は
蒸気発生鍋4の水面14bより常に下に流入することが大切である。蒸気発生鍋4 の上部は逆ロート状で、蒸気を発電用蒸気の出口19に集める構造とする。出口の 直径は20センチとする。但し、規模に応じて増減させること。水位計16bと水 温計17bを有する構造とする。水面14bは50センチ以下とし、高くしないこ と。また、蒸気発生鍋4の底から発電用蒸気の出口19までの高さは、2メートル 以内が良い。あまり高くすると湿り蒸気となるので良くない。
(ハ) 発電用蒸気の出口19から蒸気発生パイプ21を通して蒸気タービンに蒸
気を供給する。湿り気が多いとタービンが傷つきやすくなるので、蒸気発生パイプ 21の下部に鉄粉や鉄屑の入った枕台22を置く。金属製の設置台23を有する。 カウンタータイプのIH電磁調理器1cで鉄製またはステンレス製の中に鉄粉や鉄 屑の入った枕台22を加熱し、乾燥蒸気になりやすくする。鉄粉や鉄屑が入った枕 台22は、蒸気発生パイプ21の下部半分を包む位のものとする。コンクリートの 基礎部10a、10bは鉄筋入りで厚さ20センチとし、上部に直径5センチ位の 鉄パイプ7a、7bが鍋受け状に出ている構造とする。基礎部から基礎部までの間 隔は1.5メートル位とする。
(ニ) カウンタータイプのIH電磁調理器1a、1bは設置台として、金属製ワゴン 8a、8bを使用する。高さは1.5メートル位とする。これは、補修や点検の対象 となるものだけ移動できる利点がある。脚部にストッパーがあればその場所に留め置 ける。伸縮調節リング9a、9bを有し、加温鍋3と蒸気発生鍋4に適度な圧力でカ ウンタータイプのIH電磁調理器1a、1bを密着させることができる。油圧装置で は圧力加減が難しいので、手作業が最良の方法である。
【符号の説明】
【0009】
1a、1b、1c カウンタータイプのIH電磁調理器
2 仕切り板
3 加温鍋
4 蒸気発生鍋
5 湯配管パイプ
6 蒸気配管パイプ
7a、7b 鉄パイプ
8a、8b 金属製ワゴン
9a、9b 伸縮調節リング
10a、10b コンクリートの基礎部
11 傾斜を持たせた密閉のフタ部分
12 外部注水パイプ
13 戻り水配管パイプ
14a、14b 水面
15 蒸気の出口
16a、16b 水位計
17a、17b 水温計
18 湯の出口
19 発電用蒸気の出口
20 最上部の空間部
21 蒸気発生パイプ
22 鉄粉や鉄屑の入った枕台
23 金属製の設置台





【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄製またはステンレス製の仕切り板と傾斜を持たせた密閉のフタ部分を有 する加温鍋と、逆ロート状の蒸気を集める構造を有する蒸気発生鍋を、湯配管パイプや 蒸気配管パイプで連結して一体とし、前記加温鍋及び蒸気発生鍋に水を注入し、カウン タータイプのIH電磁調理器を熱源として前記水を加熱し、蒸気を発生させることを特 徴とする蒸気発生方法。
【請求項2】
請求項1の蒸気発生方法に係る蒸気発生パイプの下部に、鉄製またはステ ンレス製の、鉄粉や鉄屑の入った枕台を有し、カウンタータイプのIH電磁調理器で加 熱し、湿り蒸気を乾燥蒸気になりやすくした。



















【図1】
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【図2】
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