説明

IPアドレス管理システム、DHCP変換装置、IPアドレス管理方法およびプログラム

【課題】CPEがユーザデータの通信を開始する際に自動でWAN回線との接続とIPアドレスの取得を可能にするIPアドレス管理システム、DHCP変換装置、IPアドレス管理方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】CPE12はIPアドレスの払い出しをDHCPサーバ11に要求して、仮のIPアドレスを含んだDHCPオファを得る。WAN回線接続要求手段13dは、CPE12からWAN回線に向けたデータが送られてきたときWAN回線との接続を行わせる。この後IPアドレスのリース時間を更新し、DHCP変換装置103でDHCPパケット以外のIPパケットのMACヘッダの付け替えを行いながらCPE12とWAN側DHCPサーバ104の間でユーザデータの通信が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WAN回線と接続してWAN回線側でIPアドレスの払い出しを受けるIPアドレス管理システム、DHCP変換装置、IPアドレス管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)よりも広範囲に動作する通信ネットワークとしてWAN(Wide Area Network)がある。WANを構築する際には、それぞれの加入者側にCPE(Customer Premises Equipment:加入者構内装置)を配置して、これらCPEをWAN回線接続装置を介してWAN回線に接続する構成となっている。
【0003】
本発明に関連する関連技術で、WANサービスの通信ネットワークはWAN回線接続装置が常にWAN回線との接続を保っている(たとえば特許文献1参照)。このため、CPEがWAN回線接続装置とイーサーネット(登録商標)ケーブルを用いて接続すると、CPEは自動的にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を起動してIPアドレス(Internet Protocol Address)を取得し、インターネットと通信が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−239591号公報(第0160段落、図20)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この関連技術によれば、CPEはイーサーネット(登録商標)ケーブルをWAN回線接続装置に接続しておくだけでIPアドレスを自動的に取得して通信状態になるという利便性がある。しかしながら、この一方でイーサーネット(登録商標)ケーブルを用いてCPEがWAN回線接続装置と接続すると、IPアドレスの更新のための制御パケットをWAN側のDHCPサーバとの間で送受信する処理が定期的に行われる。したがって、CPEがWAN回線と接続する際に従量課金制を採用している場合には、CPEのユーザが本来のデータ通信で使用するパケットに支払う以上の課金が行われてしまうという問題がある。従量課金制では、パケット通信の量に応じて利用代金が課金されるので、制御パケットも課金の対象となるからである。
【0006】
また、この関連技術によれば、CPEがWAN回線接続装置を介してWAN回線と接続される構成となっているので、WAN回線側から攻撃パケットを受けやすいというセキュリティ上の問題が存在する。もちろん、ユーザは自分でデータ通信を行う時間以外にCPEをWAN回線から切り離すことでセキュリティ上の問題を回避することができる。しかしながら、このためにはCPE側のユーザが通信の前後でWAN回線の接続処理と切断処理を手動で行う必要があり、面倒である。
【0007】
そこで本発明の目的は、CPEがユーザデータの通信を開始する際にユーザの手間を掛けずにWAN回線との接続とIPアドレスの取得を行うことのできるIPアドレス管理システム、DHCP変換装置、IPアドレス管理方法およびプログラムを得ることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、CPEがWAN回線から取得したIPアドレスを用いてユーザデータの通信を終了した際にユーザの手間を掛けずにWAN回線との接続を解除することのできるIPアドレス管理システム、DHCP変換装置、IPアドレス管理方法およびプログラムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、(イ)WAN(Wide Area Network)側に配置され、要求のあった装置に対してIPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを行うDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバと、(ロ)このDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出するDHCPディスカバー送出手段と、このDHCPディスカバー送出手段の送出したDHCPディスカバーに対して提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)が送り返されてきたときこの条件を受け入れ可能である場合にDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を前記したDHCPサーバに向けて送出する条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段と、この条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段の送出したDHCPリクエストに対してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)が送り返されてきたとき前記したDHCPオファで提示されたIPアドレスを使用してデータの通信を開始可能とする通信開始手段と、前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間が経過する前にリース時間更新時DHCPリクエストを送信するリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段と、このリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段によって前記したリース時間更新時DHCPリクエストを送出したときこの更新要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントが返送されてきたとき前記したDHCPオファで提示されたIPアドレスを破棄するIPアドレス破棄手段とを備えたCPE(Customer Premises Equipment)と、(ハ)このCPEと前記したDHCPサーバの接続されたWAN回線との間に配置され、このWAN回線との接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、このWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線と接続していない状態で前記したCPEが前記したDHCPディスカバーを送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行しこのIPアドレスを含んだDHCPオファを前記したCPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記したCPEが前記したDHCPリクエストを送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、このWAN回線接続要求手段の要求によって前記したWAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記したCPEが前記したリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、前記したWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線を接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段とを備えたDHCP変換装置とをIPアドレス管理システムが具備する。
【0010】
また、本発明では、(イ)IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)と、この要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバの接続されたWAN(Wide Area Network)回線との間に配置され、前記したWAN回線と自装置の接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、(ロ)このWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線と接続していない状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行手段と、(ハ)前記したDHCPディスカバーに対して前記した仮のIPアドレス発行手段の発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、(ニ)この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、(ホ)前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、(へ)このWAN回線接続要求手段の要求によって前記したWAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、(ト)前記したWAN回線接続オン・オフ手段が前記したWAN回線を接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、(チ)このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段とをDHCP変換装置が具備する。
【0011】
更に本発明では、(イ)IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行ステップと、(ロ)前記したDHCPディスカバーに対して前記した仮のIPアドレス発行ステップで発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する代理DHCPオファ返答ステップと、(ハ)この代理DHCPオファ返答ステップで行った返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答ステップと、(ニ)前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求ステップと、(ホ)このWAN回線接続要求ステップによる要求によって前記したWAN回線と自装置が接続するまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信ステップと、(へ)前記したWAN回線接続要求ステップによって前記したWAN回線と自装置が接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップと、(ト)このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップで送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送ステップとをIPアドレス管理方法が具備する。
【0012】
更にまた本発明では、コンピュータに、IPアドレス(Internet Protocol Address)管理プログラムとして、(イ)IPアドレスの払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行処理と、(ロ)前記したDHCPディスカバーに対して前記した仮のIPアドレス発行処理で発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する代理DHCPオファ返答処理と、(ハ)この代理DHCPオファ返答処理で行った返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答処理と、(ニ)前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求処理と、(ホ)このWAN回線接続要求処理による要求によって前記したWAN回線と自装置が接続するまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信処理と、(へ)前記したWAN回線接続要求処理によって前記したWAN回線と自装置が接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理と、(ト)このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理で送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、DHCPを使用してIPアドレスを取得するアクセスルータやパーソナルコンピュータ等に代表されるCPEのユーザデータ通信の開始をトリガとしてDHCP変換装置がWAN回線と接続される。したがって、CPEのそれぞれに個別に特別の装置を接続することなく必要なときにWAN回線との接続が可能になり、従量料金制における利用代金の低減が図れるだけでなく、ネットワークのトラヒックを低減させることができる。また、CPEをWAN回線に常時接続する必要がなくなるので、WAN回線側からの不正アクセスの可能性を低減させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のIPアドレス管理システムのクレーム対応図である。
【図2】本発明のDHCP変換装置のクレーム対応図である。
【図3】本発明のIPアドレス管理方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明のIPアドレス管理プログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の実施の形態によるIPアドレス管理システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図6】本実施の形態のIPアドレス管理システムでCPEが起動したときDHCP変換装置との間で行われる処理の様子を表わしたシーケンス説明図である。
【図7】本実施の形態でDHCP変換装置がCPEからWAN回線へ送信すべきユーザデータを受信した場合の動作を示したシーケンス説明図である。
【図8】本実施の形態でWAN側DHCPサーバからのIPアドレスのリース時間についての更新処理を表わしたシーケンス説明図である。
【図9】本実施の形態のDHCP変換装置におけるユーザデータの送信終了時のWAN接続部の処理を表わした流れ図である。
【図10】本実施の形態のDHCP変換装置におけるDHCPリリースパケットの送信処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態のDHCP変換装置が送信データ不在と判定したときのIPアドレス管理システムの処理の様子を表わしたシーケンス説明図である。
【図12】本発明の変形例におけるDHCP変換装置が送信データ不在と判定したときのIPアドレス管理システムの処理を示したシーケンス説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明のIPアドレス管理システムのクレーム対応図を示したものである。本発明のIPアドレス管理システム10は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ11と、CPE(Customer Premises Equipment)12と、DHCP変換装置13を備えている。ここで、DHCPサーバ11は、WAN(Wide Area Network)側に配置され、要求のあった装置に対してIPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを行う。CPE12は、DHCPディスカバー送出手段12aと、条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段12bと、通信開始手段12cと、リース時間更新時DHCPリクエスト送出手段12dと、IPアドレス破棄手段12eとを備えている。DHCPディスカバー送出手段12aは、DHCPサーバ11に向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出する。条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段12bは、DHCPディスカバー送出手段12aの送出したDHCPディスカバーに対して提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)が送り返されてきたときこの条件を受け入れ可能である場合にDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)をDHCPサーバ11に向けて送出する。通信開始手段12cは、条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段12bの送出したDHCPリクエストに対してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)が送り返されてきたとき前記したDHCPオファで提示されたIPアドレスを使用してデータの通信を開始可能とする。リース時間更新時DHCPリクエスト送出手段12dは、前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間が経過する前にリース時間更新時DHCPリクエストを送信する。IPアドレス破棄手段12eは、リース時間更新時DHCPリクエスト送出手段12dによって前記したリース時間更新時DHCPリクエストを送出したときこの更新要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントが返送されてきたとき前記したDHCPオファで提示されたIPアドレスを破棄する。DHCP変換装置13は、WAN回線接続オン・オフ手段13aと、代理DHCPオファ返答手段13bと、代理DHCPアクノリッジメント返答手段13cと、WAN回線接続要求手段13dと、ネガティブ・アクノリッジメント返信手段13eと、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段13fと、DHCPアクノリッジメント返送手段13gとを備えている。WAN回線接続オン・オフ手段13aは、CPE12とDHCPサーバ11の接続されたWAN回線との間に配置され、このWAN回線との接続をオン・オフする。代理DHCPオファ返答手段13bは、WAN回線接続オン・オフ手段13aが前記したWAN回線と接続していない状態でCPE12が前記したDHCPディスカバーを送出してきたときこれをDHCPサーバ11の代理として受信して仮のIPアドレスを発行しこのIPアドレスを含んだDHCPオファをCPE12に返答する。代理DHCPアクノリッジメント返答手段13cは、代理DHCPオファ返答手段13bの返答に対してCPE12が前記したDHCPリクエストを送出してきたときこれをDHCPサーバ11の代理として受信してDHCPアクノリッジメントをCPE12に返答する。WAN回線接続要求手段13dは、CPE12から前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたときWAN回線接続オン・オフ手段13aが前記したWAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共にWAN回線接続オン・オフ手段13aに対してWAN回線との接続を要求する。ネガティブ・アクノリッジメント返信手段13eは、WAN回線接続要求手段13dの要求によってWAN回線接続オン・オフ手段13aがWAN回線との接続をオンにするまでの間、CPE12が前記したリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信する。DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段13fは、WAN回線接続オン・オフ手段13aが前記したWAN回線を接続しDHCPサーバ11が提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたときDHCPサーバ11にCPE12の代理でDHCPリクエストを送信する。DHCPアクノリッジメント返送手段13gは、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段13fの送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対してDHCPサーバ11が引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントをCPE12に返送する。
【0016】
図2は、本発明のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)変換装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のDHCP変換装置20は、WAN(Wide Area Network)回線接続オン・オフ手段21と、仮のIP(Internet Protocol Address)アドレス発行手段22と、代理DHCPオファ返答手段23と、代理DHCPアクノリッジメント返答手段24と、WAN回線接続要求手段25と、ネガティブ・アクノリッジメント返信手段26と、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段27と、DHCPアクノリッジメント返送手段28を備えている。ここで、WAN回線接続オン・オフ手段21は、IPアドレスの払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)と、この要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCPサーバの接続されたWAN回線との間に配置され、前記したWAN回線と自装置の接続をオン・オフする。仮のIPアドレス発行手段22は、WAN回線接続オン・オフ手段21が前記したWAN回線と接続していない状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する。代理DHCPオファ返答手段23は、前記したDHCPディスカバーに対して仮のIPアドレス発行手段22の発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する。代理DHCPアクノリッジメント返答手段24は、代理DHCPオファ返答手段23の返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する。WAN回線接続要求手段25は、前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたときWAN回線接続オン・オフ手段21が前記したWAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共にWAN回線接続オン・オフ手段21に対してWAN回線との接続を要求する。ネガティブ・アクノリッジメント返信手段26は、WAN回線接続要求手段25の要求によってWAN回線接続オン・オフ手段21がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信する。DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段27は、WAN回線接続オン・オフ手段21が前記したWAN回線を接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めてリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信する。DHCPアクノリッジメント返送手段28は、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段27の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送する。
【0017】
図3は、本発明のIPアドレス管理方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のIPアドレス(Internet Protocol Address)管理方法30は、仮のIPアドレス発行ステップ31と、代理DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)オファ返答ステップ32と、代理DHCPアクノリッジメント返答ステップ33と、WAN(Wide Area Network)回線接続要求ステップ34と、ネガティブ・アクノリッジメント返信ステップ35と、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップ36と、DHCPアクノリッジメント返送ステップ37を備えている。ここで、仮のIPアドレス発行ステップ31では、IPアドレスの払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCPサーバを接続したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する。代理DHCPオファ返答ステップ32では、前記したDHCPディスカバーに対して仮のIPアドレス発行ステップ31で発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する。代理DHCPアクノリッジメント返答ステップ33では、代理DHCPオファ返答ステップ32で行った返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する。WAN回線接続要求ステップ34では、前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線と自装置の接続を要求する。ネガティブ・アクノリッジメント返信ステップ35では、WAN回線接続要求ステップ34による要求によって前記したWAN回線と自装置が接続するまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信する。DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップ36では、WAN回線接続要求ステップ34によって前記したWAN回線と自装置が接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信する。DHCPアクノリッジメント返送ステップ37では、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップ36で送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送する。
【0018】
図4は、本発明のIP(Internet Protocol Address)アドレス管理プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のIPアドレス管理プログラム40は、コンピュータに、仮のIPアドレス発行処理41と、代理DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)オファ返答処理42と、代理DHCPアクノリッジメント返答処理43と、WAN(Wide Area Network)回線接続要求処理44と、ネガティブ・アクノリッジメント返信処理45と、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理46と、DHCPアクノリッジメント返送処理47を実行させるようにしている。ここで、仮のIPアドレス発行処理41では、IPアドレスの払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記したCPEに払い出すDHCPサーバを接続したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記したCPEが前記したDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する。代理DHCPオファ返答処理42では、前記したDHCPディスカバーに対して仮のIPアドレス発行処理41で発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記したCPEに返答する。代理DHCPアクノリッジメント返答処理43では、代理DHCPオファ返答処理42で行った返答に対して前記したCPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記したDHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記したCPEに返答する。WAN回線接続要求処理44では、前記したCPEから前記したWAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記したWAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記したWAN回線と自装置の接続を要求する。ネガティブ・アクノリッジメント返信処理45では、WAN回線接続要求処理44による要求によって前記したWAN回線と自装置が接続するまでの間、前記したCPEが前記したDHCPオファで提示された前記したIPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信する。DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理46では、WAN回線接続要求処理44によって前記したWAN回線と自装置が接続し前記したDHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記したリース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記したDHCPサーバに前記したCPEの代理でDHCPリクエストを送信する。DHCPアクノリッジメント返送処理47では、DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理46で送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記したDHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記したCPEに返送する。
【0019】
<発明の実施の形態>
【0020】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態によるIPアドレス管理システムの構成の概要を表わしたものである。このIPアドレス管理システム100は、CPE101とWAN回線102の間にDHCP変換装置103を配置した構造となっている。WAN回線102には、WAN側DHCPサーバ104が接続されている。WAN側DHCPサーバ104は、WAN回線102を通して、CPE101からの要求に応じてIPアドレスを払い出す装置である。
【0022】
DHCP変換装置103は、制御部111を備えている。制御部111は、CPU112と、このCPU112が実行する制御プログラムを格納したメモリ113を備えており、次の各部を制御するようになっている。また、これらの各部の少なくとも一部はソフトウェア的に実現することができる。
【0023】
まず、LAN接続部114はたとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3uとして標準化されている100BASE−T等のイーサネット(登録商標)インタフェースである。LAN接続部114は、CPE101とLANケーブル105を介して接続している。このうちCPE101は、本実施の形態でWAN側DHCPサーバ104を用いてIPアドレスを取得する装置であり、たとえばアクセスルータやパーソナルコンピュータで構成されている。
【0024】
WAN接続部115は所定の回線ケーブル106を介してWAN回線102と接続されている。転送処理部116はLAN接続部114から受信したパケットをWAN接続部115に渡す。また、転送処理部116はWAN接続部115から受信したパケットをLAN接続部114を介してCPE101へと送信する。
【0025】
転送処理部116は、LAN接続部114およびWAN接続部115の他に、DHCP検出部117、送信待機フラグ格納部118、WAN接続処理部119ならびに起動後経過タイマ120と接続している。ここでDHCP検出部117は、CPE101から要求されるIPアドレス取得のためのDHCPパケットを検出する。
【0026】
DHCP処理部121は、DHCP検出部117に接続されており、DHCP変換装置103がWAN回線102に接続していない場合にはDHCP検出部117で検出されたDHCPパケットに対する代理応答を行って仮のIPアドレスをCPE101に払い出す。またDHCP処理部121は、DHCP変換装置103がWAN回線102に接続している場合には、WAN側DHCPサーバ104との間でDHCPパケットの転送の処理を行う。そして、DHCP処理部121はCPE101から送られてきたDHCPパケットをWAN回線102上のWAN側DHCPサーバ104へ転送する。
【0027】
WAN接続処理部119は、CPE101からWAN回線102へ送信すべきパケットとしてユーザデータパケットを受信した場合に、WAN回線102へのWAN回線接続処理を行う。WAN接続処理部119は、CPE101からWAN回線102へ送信するユーザデータパケットが一定時間存在しないと、DHCP変換装置103とWAN回線102との接続を切断する。WAN接続部115は、DHCPでIPアドレスを払い出すことが可能なWAN回線102との接続部であり、たとえばワイマックス(WiMAX;Worldwide Interoperability for Microwave Access)網に接続する。
【0028】
送信待機フラグ格納部118は、CPE101からWAN回線102への送信すべきユーザデータがあることを示すソフトウェア的なフラグを格納する。起動後経過タイマ120は、CPE101が起動してからの経過時間を示すカウンタである。
【0029】
図6は、以上のような構成のIPアドレス管理システムでCPEが起動したときDHCP変換装置との間で行われる処理の様子を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0030】
DHCP変換装置103が起動すると、LAN接続部114はCPE101からのパケットの受信待ちの状態となる。この状態でCPE101がDHCP変換装置103に接続されたとする。この接続状態でCPE101がDHCP変換装置103を用いてIPアドレスを取得するために、DHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)パケットを送信する。DHCP変換装置103ではLAN接続部114がこのDHCPディスカバーパケットを受信する(ステップS201)。
【0031】
LAN接続部114が受信したDHCPディスカバーパケットは転送処理部116に送られる。転送処理部116に接続されたDHCP検出部117は、送られてきたパケットの種類を確認する。この例の場合、DHCP検出部117は送られてきたUDP(User Datagram Protocol)パケットの宛先ポート番号がDHCPサーバ(ポート番号67)であることを認識する。DHCP検出部117はこの受信したパケットがDHCPに関するパケットであることを認識すると、これをDHCP処理部121へ送付する。
【0032】
DHCP処理部121は、DHCP検出部117から受け取ったこのパケットがDHCPにおける何れの種類のパケットであるかを判別する。受け取ったパケットが前記したDHCPディスカバーパケットであることを認識すると、DHCP処理部121はIPアドレスの払い出し条件を要求元のCPE101へ提示するためのDHCPオファ(DHCP OFFER)パケットを生成する。DHCPオファパケットには払い出しIPアドレス、デフォルトゲートウェイ、リース時間等のデータが含まれる。
【0033】
ここで払い出しIPアドレスには、CPE101が一時的に使用するためのローカルアドレスを指定する。以下、CPE101が一時的に使用するために指定されるこのローカルアドレスを「仮IPアドレス」と呼ぶことにする。デフォルトゲートウェイには本実施の形態でWAN側DHCPサーバ104の代理役で使用するDHCP変換装置103のLAN接続部114についてのIPアドレスを指定する。リース時間は、DHCPで通常使用されるリース時間よりも相当程度短い時間(たとえば10秒間)を指定する。
【0034】
DHCP処理部121で生成したDHCPオファパケットは、転送処理部116からLAN接続部114を介してCPE101へ送信される(ステップS202)。
【0035】
CPE101はDHCP変換装置103から受信したDHCPオファパケットで提示された条件が受け入れ可能であるかを判別する。受け入れ可能であれば、CPE101はその内容でDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)パケットをDHCP変換装置103に送信する(ステップS203)。このDHCPリクエストパケットは、DHCP変換装置103のLAN接続部114で受信し、転送処理部116へ送られる。DHCP検出部117は転送処理部116に送られたDHCPリクエストパケットがDHCPパケットであることを認識して、これをDHCP処理部121へ送出する。
【0036】
DHCP処理部121はDHCPリクエストパケット内に示される条件が、ステップS202でDHCPオファパケットで提示した内容と同じであれば、DHCPアクノリッジメント(DHCP ACK;DHCP ACKnowledgement)パケットを生成し、同様にCPE101へ返信する(ステップS204)。CPE101はDHCPアクノリッジメントを受信することで、提示された仮IPアドレスを自己のIPアドレスとして採用する。
【0037】
以上の動作で、CPE101にはWAN側DHCPサーバ104の代理役のDHCP変換装置103によって仮IPアドレスが割り当てられたことになる。CPE101は通常、DHCPアクノリッジメントパケットの受信後、リース時間の半分の時間が経過した後に、リース時間の更新のためのDHCPリクエストパケットを送信する。リース時間が10秒の場合であれば、DHCPアクノリッジメントパケットの受信後5秒が経過した時点でDHCPリクエストパケットを送信することになる。このDHCPリクエストパケットもDHCP変換装置103のLAN接続部114、転送処理部116およびDHCP検出部117を経由してDHCP処理部121へ送付される(ステップS205)。
【0038】
DHCPリクエストパケットを受け取ったDHCP処理部121は、DHCPアクノリッジメントパケットを生成し、同様にCPE101へ返信する(ステップS206)。DHCP変換装置103はCPE101からWAN回線102へのユーザデータの送信が行われない間は、DHCPリクエストパケットの送信があるたびに、DHCPアクノリッジメントパケットの生成およびCPE101へのこのDHCPアクノリッジメントパケットの返信を繰り返す(ステップS207、ステップS208)。
【0039】
以上の動作により、DHCP変換装置103にWAN回線102が接続されていない状態でも、CPE101には仮IPアドレスが割り当てられた状態にしておくことができる。
【0040】
図7は、DHCP変換装置がCPEからWAN回線へ送信すべきユーザデータを受信した場合の動作を示したものである。図5と共に説明する。
【0041】
CPE101からWAN回線102へ送信すべきユーザデータを受信すると、DHCP変換装置103はまず、仮IPアドレスではなくWAN側DHCPサーバ104から正式のIPアドレスを払い出してもらうための処理を実行する。CPE101からWAN回線102へ送信するユーザデータは、まずDHCP変換装置103のLAN接続部114で受信される(ステップS221)。LAN接続部114は、このユーザデータを転送処理部116へ渡す。
【0042】
転送処理部116はCPE101からWAN回線102へ送信すべきユーザデータを受け取った際、WAN回線102が未接続であるかを判別し、未接続であればWAN接続処理部119に対してWAN回線102との接続を要求する。この場合、WAN接続処理部119はDHCP変換装置103とWAN回線102との回線を接続する処理を行う(ステップS222)。
【0043】
この時点でCPE101からWAN回線102へ送信するユーザデータのソースIPアドレスは仮IPアドレスとなっている。このため、転送処理部116はこのユーザデータをWAN回線102には送信せずに破棄し、送信待機フラグ格納部118に格納されている送信待機フラグに送信を待機していることを示す「1」をセットする。
【0044】
このように送信待機フラグが「1」にセットされている状態でCPE101がリース時間更新のためにDHCPリクエストを送信してくると(ステップS223)、DHCP処理部121は、この要求を拒絶することを意味するDHCPネガティブ・アクノリッジメント(DHCP NAK;DHCP Negative AcKnowledgement)を返信する(ステップS224)。
【0045】
このようにDHCP変換装置103からDHCPPネガティブ・アクノリッジメントを受信すると、CPE101はそれまで払いだされていた仮IPアドレス等のデータを破棄して、改めてDHCPディスカバーパケットを送信する(ステップS225)。
【0046】
一方、送信待機フラグに「1」がセットされている場合、DHCP処理部121はCPE101から受信したDHCPディスカバーに対しては代理応答をしない。そして、この受信したDHCPディスカバーパケットをWAN側DHCPサーバ104へそのまま転送する(ステップS226)。
【0047】
WAN側DHCPサーバ104は、DHCP変換装置103からDHCPディスカバーパケットが送られてくると、これに対してDHCPオファパケットを返信する(ステップS227)。このDHCPオファパケットには払い出しIPアドレス、デフォルトゲートウェイ、リース時間等のデータが含まれている。
【0048】
DHCP変換装置103はDHCPオファパケットを受信すると、DHCP処理部121がそのDHCPオファパケット内のリース時間を、WAN側から提示されたリース時間よりも相当に小さな時間に置き換える。DHCPオファパケット内のリース時間は、通常は4時間とか24時間となっているが、これをたとえば10秒といった時間に置き換える。このようにDHCPオファパケットの内容を変更すると、パケットのチェックサムの値も変わってくる。そこで、DHCP処理部121は、DHCPオファパケットのチェックサムの値を計算し直して置き換えを行った後、このパケットをCPE101へ転送する(ステップS228)。
【0049】
DHCP変換装置103のDHCP処理部121は、送信待機フラグが「1」にセットされている状態でCPE101からDHCPリクエストパケットが送られてくると(ステップS229)、この場合にも代理応答を行わない。そして、DHCP処理部121は受信したDHCPリクエストパケットをWAN側DHCPサーバ104へ転送する(ステップS230)。
【0050】
WAN側DHCPサーバ104は、DHCPリクエストパケットを受信するとDHCPアクノリッジメントパケットをDHCP変換装置103に返信する(ステップS231)。DHCP変換装置103内のDHCP処理部121は、WAN側DHCPサーバ104から送られてきたこのDHCPアクノリッジメントパケットについて、DHCPオファの場合と同様にその中に含まれるリース時間を変更する。これにより、パケットのチェックサムの値が変わるので、DHCP処理部121は、DHCPリクエストパケットのチェックサムの値を計算し直して置き換えを行う。この後、DHCP処理部121は、DHCPリクエストパケットをCPE101へ転送する(ステップS232)。転送処理部116はこの転送の後、送信待機フラグ格納部118に格納されている送信待機フラグを「0」にクリアする。
【0051】
CPE101はステップS232でDHCPアクノリッジメントを受信すると、そのパケットに含まれるIPアドレスを自己のLAN側IPアドレスとして採用する。これにより、CPE101には、WAN側DHCPサーバ104から払い出されたIPアドレスが、本来要求したIPアドレスとして割り当てられることになる。
【0052】
これ以後、CPE101はWAN側DHCPサーバ104との間でユーザデータの通信を行う(ステップS233)。このときのIPパケットのソースMACアドレス(Media Access Control address)と宛先MACアドレスは次のように変化する。
【0053】
まず、CPE101からWAN回線102へ送信する送信データのソースMACアドレスはCPE101のMACアドレスであり、宛先MACアドレスはDHCP変換装置103におけるLAN接続部114のMACアドレスである。
【0054】
LAN接続部114から受信したデータを渡された転送処理部116は、MACアドレスを次のように置き換える。まず、ソースMACアドレスについては、CPE101のMACアドレスからDHCP変換装置103のWAN接続部115のMACアドレスに書き換える。次に、宛先MACアドレスについては、LAN接続部114のMACアドレスからWAN回線102側のデフォルトゲートウェイのMACアドレスに書き換える。
【0055】
DHCP変換装置103の転送処理部116は、このようにして書き換えたMACアドレスのデータをWAN接続部115からWAN回線102へ送信する。
【0056】
一方、WAN回線102から受信したデータのソースMACアドレスはWAN回線102側デフォルトゲートウェイのMACアドレスであり、宛先MACアドレスはWAN接続部115のMACアドレスである。
【0057】
WAN接続部115から受信したデータを渡された転送処理部116は、MACアドレスを次のように置き換える。まず、ソースMACアドレスについては、WAN回線102側デフォルトゲートウェイのMACアドレスをDHCP変換装置103のLAN側インタフェースのMACアドレスに書き換える。次に、宛先MACアドレスについては、WAN接続部115のMACアドレスをCPE101のMACアドレスに書き換える。
【0058】
DHCP変換装置103の転送処理部116は、このようにして書き換えたMACアドレスのデータをLAN接続部114からCPE101へ送信する。
【0059】
このようにDHCP変換装置103でDHCPパケット以外のIPパケットのMACヘッダの付け替えを行うことで、CPE101とWAN回線102の間で、ステップS233として示したユーザデータの通信が行われることになる。
【0060】
図8は、WAN側DHCPサーバからのIPアドレスのリース時間についての更新処理を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0061】
CPE101は、図6のステップS206でDHCPアクノリッジメントパケットをDHCP変換装置103から受信した後、リース時間の半分の時間ごとに、リース時間の更新のためのDHCPリクエストパケットを送信する。たとえばリース時間が10秒であれば5秒ごとにCPE101からDHCP変換装置103にDHCPリクエストパケットを送信する。このDHCPリクエストパケットは、DHCP変換装置103のLAN接続部114、転送処理部116およびDHCP検出部117を経由してDHCP処理部121へ送られる(ステップS251)。
【0062】
DHCP処理部121はDHCPリクエストパケットを受信すると、DHCPアクノリッジメントパケットを生成する。このDHCPアクノリッジメントパケットは、DHCP変換装置103からCPE101へ返信される(ステップS252)。
【0063】
このステップS251およびステップS252による応答がしばらく繰り返される。このようにして、WAN側DHCPサーバ104が指定したリース時間の半分の時間が経過し、CPE101からこの時間経過後としては初めてDHCPリクエストパケットがDHCP変換装置103に送られてきたとする(ステップS253)。DHCP処理部121は、このDHCPリクエストパケットに対して代理応答を行わず、受信したこのパケットをそのままWAN側DHCPサーバ104へ転送する(ステップS254)。
【0064】
WAN側DHCPサーバ104は継続して引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能な場合、このDHCPリクエストパケットに対してDHCPアクノリッジメントを返送する(ステップS255)。DHCP処理部121は、このDHCPアクノリッジメントを受信すると、図7のステップS231でWAN側DHCPサーバ104から送られてきたこのDHCPアクノリッジメントパケットについて行った処理と同様にその中に含まれるリース時間を変更する。これにより、パケットのチェックサムの値が変わる。したがって、DHCP処理部121は、チェックサムの値を計算し直して置き換える。
【0065】
この後、DHCP処理部121は、このリース時間を変更したDHCPアクノリッジメントパケットをCPE101へ転送する(ステップS256)。これにより、WAN側DHCPサーバ104から払い出されているIPアドレスのリース時間が更新されることになる。これ以降、WAN回線102へのユーザデータが一定時間存在しなくなるまで、この状態が継続する。以上説明したようにDHCP変換装置103は、WAN側DHCPサーバ104の代理としてCPE101との間のIPアドレスのリース時間の更新処理をリース時間を変更して繰り返し行うことになる。
【0066】
図9は、DHCP変換装置におけるユーザデータの送信終了時のWAN接続部の処理を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0067】
WAN接続部115は、WAN回線102へのユーザデータの送信が終了すると(ステップS271:Y)、起動後経過タイマ120の値を退避して(ステップS272)、送信処理を終了する(エンド)。このようにしてWAN接続部115がWAN回線102へユーザデータを送信するたびに、CPE101が起動してから送信終了までの経過時間が記録されることになる。
【0068】
図10は、DHCP変換装置におけるDHCPリリースパケットの送信処理の様子を表わしたものである。図5および図9と共に説明する。
【0069】
DHCP変換装置103のWAN接続部115は、前回起動してから一定時間(たとえば10秒)経過すると(ステップS291:Y)、起動して起動後経過タイマ120のそのときの値を取得する(ステップS292)。そして、図9のステップS272で退避させた起動後経過タイマ120の値との差を求める(ステップS293)。
【0070】
WAN接続部115は、求めた差が無通信タイマ設定時間より大きいかを比較する(ステップS294)。ここで無通信タイマ設定時間はユーザが任意の範囲で設定できる時間であり、たとえば10分程度の時間に設定される。比較の結果、ステップS293で求めた差が無通信タイマ設定時間より大きい場合(Y)、WAN接続部115はWAN回線102への「送信データ不在」であると判定する。この場合、WAN接続部115はDHCPリリース(DHCP RELEASE)パケットを生成する(ステップS295)。そしてDHCPリリースパケットをWAN側DHCPサーバ104に送信する(ステップS296)。
【0071】
これにより、CPE101に払い出されていたIPアドレスがDHCPリリースパケットを受信したWAN側DHCPサーバ104に返却される。その後、WAN接続部115はWAN回線102との接続を切断して(ステップS297)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0072】
一方、ステップS293で求めた差が無通信タイマ設定時間以下であると判別した場合(ステップS294:N)、WAN接続部115は処理をステップS291に戻す。そして、これから一定時間が経過した時点で先に説明したようにステップS292以降の処理に進むことになる。
【0073】
図11は、DHCP変換装置が送信データ不在と判定したときのIPアドレス管理システムの処理の様子を表わしたものである。図11で図6および図10と同一部分には同一のステップ番号を付けている。図5と共に説明する。
【0074】
DHCP変換装置103がステップS295で「送信データ不在」であると判定すると、WAN接続部115はWAN回線102を用いてDHCPリリースパケットをWAN側DHCPサーバ104に送信する(ステップS296)。そして、その後にWAN回線102との接続を切断する(ステップS297)。
【0075】
この後、CPE101からDHCP変換装置103にDHCPリクエストパケットが送られてきたとする(ステップS311)。この時点でCPE101はDHCP変換装置103がWAN回線102と切断したことを知らない。そこでDHCP変換装置103のDHCP処理部121はDHCPリクエストパケットに対して要求を拒絶することを意味するDHCPネガティブ・アクノリッジメント(DHCP NAK)を返信する(ステップS312)。これによりCPE101はWAN回線102との接続が切断したことを知り、IPアドレスを保持しない状態になる。
【0076】
したがって、この後はCPE101がWAN回線102とユーザデータの通信を行おうとする際に、IPアドレスを取得するために、DHCPディスカバーパケットをDHCP変換装置103に送信することになる(ステップS201)。以下、図6のステップS202以降として説明した通りである。
【0077】
以上説明したように本実施の形態のIPアドレス管理システム100によれば、第1の効果としてユーザが従量料金制を選択した場合に利用代金の低減を図ることができる。本実施の形態では、CPE101がパケットを送信する必要のある場合だけWAN回線102と接続することができるからである。従来では、IPアドレスの更新のための制御パケットを送受信する処理が定期的に行われたので、制御パケットにまで課金が行われる欠点があった。
【0078】
また、本実施の形態では、第2の効果としてWAN回線102側からの不正アクセスの可能性を低減することができる。パケットを送信する必要のある場合だけCPE101がDHCP変換装置103を介してWAN回線102と接続するので、WAN側からの不正アクセスが行われる機会が減少するからである。
【0079】
<発明の変形可能性>
【0080】
図12は、DHCP変換装置が送信データ不在と判定したときのIPアドレス管理システムの処理の他の例を示したものである。この変形例のIPアドレス管理システムで、図11と同一部分には同一のステップ番号を付しており、これらの説明を適宜省略する。図5と共に説明する。
【0081】
DHCP変換装置103がステップS295で「送信データ不在」であると判定すると、WAN接続部115はWAN回線102を用いてDHCPリリースパケットをWAN側DHCPサーバ104に送信し(ステップS296)、その後にWAN回線102との接続を切断する(ステップS297)。
【0082】
このWAN回線102の切断時のシーケンスで、この変形例ではDHCP変換装置103がWAN回線102との接続を切断した時点でLAN接続部114の物理リンクを一定時間ダウンさせる(ステップS401)。物理リンクをダウンさせる時間は、たとえば10秒間といった長さである。この後、LAN接続部114の物理リンクをアップさせる(ステップS402)。これにより、CPE101のDHCPクライアントを初期化して、IPアドレスを開放させる。
【0083】
図11で説明したようにCPE101からDHCP変換装置103にDHCPリクエストパケットが送られてきた時点(ステップS311)にDHCP処理部121がDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するようにしても、DHCPクライアントの処理方式によってはCPE101がDHCPディスカバーパケットを返送しない場合がある。このような場合には、図12で示した変形例のようにCPE101のDHCPクライアントを初期化する手法が有効となる。
【0084】
DHCP変換装置103がLAN接続部114の物理リンクをアップした後にCPE101がステップS201でDHCPディスカバーパケットを送信した後の処理は、この変形例でも先の実施の形態と変わらない。
【0085】
したがって、この変形例のIPアドレス管理システムでは、DHCP変換装置103がWAN回線102との接続を切断したとき、CPE101にIPアドレスを取得させるためのDHCPディスカバーパケットの送信をDHCPクライアントの処理方式の相違にかかわらず確実に行わせることができる。

【0086】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0087】
(付記1)
WAN(Wide Area Network)側に配置され、要求のあった装置に対してIPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを行うDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバと、
このDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出するDHCPディスカバー送出手段と、このDHCPディスカバー送出手段の送出したDHCPディスカバーに対して提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)が送り返されてきたときこの条件を受け入れ可能である場合にDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を前記DHCPサーバに向けて送出する条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段と、この条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段の送出したDHCPリクエストに対してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)が送り返されてきたとき前記DHCPオファで提示されたIPアドレスを使用してデータの通信を開始可能とする通信開始手段と、前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間が経過する前にリース時間更新時DHCPリクエストを送信するリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段と、このリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段によって前記リース時間更新時DHCPリクエストを送出したときこの更新要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントが返送されてきたとき前記DHCPオファで提示されたIPアドレスを破棄するIPアドレス破棄手段とを備えたCPE(Customer Premises Equipment)と、
このCPEと前記DHCPサーバの接続されたWAN回線との間に配置され、このWAN回線との接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、このWAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態で前記CPEが前記DHCPディスカバーを送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行しこのIPアドレスを含んだDHCPオファを前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記CPEが前記DHCPリクエストを送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、このWAN回線接続要求手段の要求によって前記WAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記CPEが前記リース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線を接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段とを備えたDHCP変換装置
とを具備することを特徴とするIPアドレス管理システム。
【0088】
(付記2)
前記DHCP変換装置は、前記CPEが前記データの通信を予め定めた時間以上行わないとき送信データが不在であると判別する送信データ不在判別手段と、この送信データ不在判別手段が送信データの不在を判別したとき払い出した前記IPアドレスを返却するためのDHCPリリース(DHCP RELEASE)を前記DHCPサーバに送信するDHCPリリース送信手段と、このDHCPリリース送信手段が前記DHCPリリースを送信した後、前記WAN回線との接続を切断するWAN回線接続切断手段とを更に具備することを特徴とする付記1記載のIPアドレス管理システム。
【0089】
(付記3)
前記DHCP変換装置は、前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEから前記DHCPリクエストが送られてきたときこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するDHCPネガティブ・アクノリッジメント返信手段を更に具備することを特徴とする付記2記載のIPアドレス管理システム。
【0090】
(付記4)
前記DHCP変換装置は、前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEと自装置の物理リンクを一定時間ダウンさせるリンクダウン手段を更に具備することを特徴とする付記2記載のIPアドレス管理システム。
【0091】
(付記5)
前記DHCPアクノリッジメント返送手段は、前記前記DHCPサーバが前記DHCP変換装置に送ってきたDHCPアクノリッジメントの中に含まれるリース時間を自装置が前記CPEに対して示したリース時間に変更して前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメントとするリリース時間変更手段を具備することを特徴とする付記1記載のIPアドレス管理システム。
【0092】
(付記6)
前記DHCP変換装置は前記WAN回線から受信し前記CPEへ送信するDHCPに関係しないパケットのMACアドレスを書き換えて前記CPEへ転送するMACアドレス変更手段を具備することを特徴とする付記1記載のIPアドレス管理システム。
【0093】
(付記7)
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)と、この要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバの接続されたWAN(Wide Area Network)回線との間に配置され、前記WAN回線と自装置の接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、
このWAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行手段と、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行手段の発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、
この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、
このWAN回線接続要求手段の要求によって前記WAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、
前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線を接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段
とを具備することを特徴とするDHCP変換装置。
【0094】
(付記8)
前記CPEが前記データの通信を予め定めた時間以上行わないとき送信データが不在であると判別する送信データ不在判別手段と、この送信データ不在判別手段が送信データの不在を判別したとき払い出した前記IPアドレスを返却するためのDHCPリリース(DHCP RELEASE)を前記DHCPサーバに送信するDHCPリリース送信手段と、このDHCPリリース送信手段が前記DHCPリリースを送信した後、前記WAN回線との接続を切断するWAN回線接続切断手段とを更に具備することを特徴とする付記7記載のDHCP変換装置。
【0095】
(付記9)
前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEから前記DHCPリクエストが送られてきたときこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するDHCPネガティブ・アクノリッジメント返信手段を更に具備することを特徴とする付記8記載のDHCP変換装置。
【0096】
(付記10)
前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEと自装置の物理リンクを一定時間ダウンさせるリンクダウン手段を更に具備することを特徴とする付記8記載のDHCP変換装置。
【0097】
(付記11)
前記DHCPアクノリッジメント返送手段は、前記前記DHCPサーバが前記DHCP変換装置に送ってきたDHCPアクノリッジメントの中に含まれるリース時間を自装置が前記CPEに対して示したリース時間に変更して前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメントとするリリース時間変更手段を具備することを特徴とする付記7記載のDHCP変換装置。
【0098】
(付記12)
前記WAN回線から受信し前記CPEへ送信するDHCPに関係しないパケットのMACアドレスを書き換えて前記CPEへ転送するMACアドレス変更手段を具備することを特徴とする付記7記載のDHCP変換装置。
【0099】
(付記13)
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行ステップと、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行ステップで発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答ステップと、
この代理DHCPオファ返答ステップで行った返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答ステップと、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求ステップと、
このWAN回線接続要求ステップによる要求によって前記WAN回線と自装置が接続するまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信ステップと、
前記WAN回線接続要求ステップによって前記WAN回線と自装置が接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップと、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップで送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送ステップ
とを具備することを特徴とするIPアドレス管理方法。
【0100】
(付記14)
前記CPEが前記データの通信を予め定めた時間以上行わないとき送信データが不在であると判別する送信データ不在判別ステップと、この送信データ不在判別ステップで送信データの不在を判別したとき払い出した前記IPアドレスを返却するためのDHCPリリース(DHCP RELEASE)を前記DHCPサーバに送信するDHCPリリース送信ステップと、このDHCPリリース送信ステップで前記DHCPリリースを送信した後、前記WAN回線との接続を切断するWAN回線接続切断ステップとを更に具備することを特徴とする付記13記載のIPアドレス管理方法。
【0101】
(付記15)
前記WAN回線接続切断ステップで自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEから前記DHCPリクエストが送られてきたときこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するDHCPネガティブ・アクノリッジメント返信ステップを更に具備することを特徴とする付記14記載のIPアドレス管理方法。
【0102】
(付記16)
前記WAN回線接続切断ステップで自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEと自装置の物理リンクを一定時間ダウンさせるリンクダウンステップを更に具備することを特徴とする付記14記載のIPアドレス管理方法。
【0103】
(付記17)
前記DHCPアクノリッジメント返送ステップでは、前記前記DHCPサーバが前記DHCP変換装置に送ってきたDHCPアクノリッジメントの中に含まれるリース時間を自装置が前記CPEに対して示したリース時間に変更して前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメントとするリリース時間変更ステップを具備することを特徴とする付記13記載のIPアドレス管理方法。
【0104】
(付記18)
コンピュータに、
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行処理と、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行処理で発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答処理と、
この代理DHCPオファ返答処理で行った返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答処理と、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求処理と、
このWAN回線接続要求処理による要求によって前記WAN回線と自装置が接続するまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信処理と、
前記WAN回線接続要求処理によって前記WAN回線と自装置が接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理と、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理で送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送処理
とを実行させることを特徴とするIPアドレス管理プログラム。
【0105】
(付記19)
前記CPEが前記データの通信を予め定めた時間以上行わないとき送信データが不在であると判別する送信データ不在判別処理と、この送信データ不在判別処理で送信データの不在を判別したとき払い出した前記IPアドレスを返却するためのDHCPリリース(DHCP RELEASE)を前記DHCPサーバに送信するDHCPリリース送信処理と、このDHCPリリース送信処理で前記DHCPリリースを送信した後、前記WAN回線との接続を切断するWAN回線接続切断処理とを更に実行させることを特徴とする付記18記載のIPアドレス管理プログラム。
【0106】
(付記20)
前記WAN回線接続切断処理で自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEから前記DHCPリクエストが送られてきたときこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するDHCPネガティブ・アクノリッジメント返信処理を更に実行させることを特徴とする付記19記載のIPアドレス管理プログラム。
【0107】
(付記21)
前記WAN回線接続切断処理で自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEと自装置の物理リンクを一定時間ダウンさせるリンクダウン処理を更に実行させることを特徴とする付記19記載のIPアドレス管理プログラム。
【0108】
(付記22)
前記DHCPアクノリッジメント返送処理では、前記前記DHCPサーバが前記DHCP変換装置に送ってきたDHCPアクノリッジメントの中に含まれるリース時間を自装置が前記CPEに対して示したリース時間に変更して前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメントとするリリース時間変更処理を実行させることを特徴とする付記18記載のIPアドレス管理プログラム。
【符号の説明】
【0109】
10、100 IPアドレス管理システム
11 DHCPサーバ
12、101 CPE
12a DHCPディスカバー送出手段
12b 条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段
12c 通信開始手段
12d リース時間更新時DHCPリクエスト送出手段
12e IPアドレス破棄手段
13、103 DHCP変換装置
13a WAN回線接続オン・オフ手段
13b 代理DHCPオファ返答手段
13c 代理DHCPアクノリッジメント返答手段
13d WAN回線接続要求手段
13e ネガティブ・アクノリッジメント返信手段
13f DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段
13g DHCPアクノリッジメント返送手段
20 DHCP変換装置
21 WAN回線接続オン・オフ手段
22 仮のIPアドレス発行手段
23 代理DHCPオファ返答手段
24 代理DHCPアクノリッジメント返答手段
25 WAN回線接続要求手段
26 ネガティブ・アクノリッジメント返信手段
27 DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段
28 DHCPアクノリッジメント返送手段
30 IPアドレス管理方法
31 仮のIPアドレス発行ステップ
32 代理DHCPオファ返答ステップ
33 代理DHCPアクノリッジメント返答ステップ
34 WAN回線接続要求ステップ
35 ネガティブ・アクノリッジメント返信ステップ
36 DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップ
37 DHCPアクノリッジメント返送ステップ
40 IPアドレス管理プログラム
41 仮のIPアドレス発行処理
42 代理DHCPオファ返答処理
43 代理DHCPアクノリッジメント返答処理
44 WAN回線接続要求処理
45 ネガティブ・アクノリッジメント返信処理
46 DHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理
47 DHCPアクノリッジメント返送処理
102 WAN回線
104 WAN側DHCPサーバ
105 LANケーブル
111 制御部
112 CPU
113 メモリ
114 LAN接続部
115 WAN接続部
116 転送処理部
117 DHCP検出部
118 送信待機フラグ格納部
119 WAN接続処理部
120 起動後経過タイマ
121 DHCP処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WAN(Wide Area Network)側に配置され、要求のあった装置に対してIPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを行うDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバと、
このDHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出するDHCPディスカバー送出手段と、このDHCPディスカバー送出手段の送出したDHCPディスカバーに対して提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)が送り返されてきたときこの条件を受け入れ可能である場合にDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を前記DHCPサーバに向けて送出する条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段と、この条件受け入れ可能時DHCPリクエスト送出手段の送出したDHCPリクエストに対してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)が送り返されてきたとき前記DHCPオファで提示されたIPアドレスを使用してデータの通信を開始可能とする通信開始手段と、前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間が経過する前にリース時間更新時DHCPリクエストを送信するリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段と、このリース時間更新時DHCPリクエスト送出手段によって前記リース時間更新時DHCPリクエストを送出したときこの更新要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントが返送されてきたとき前記DHCPオファで提示されたIPアドレスを破棄するIPアドレス破棄手段とを備えたCPE(Customer Premises Equipment)と、
このCPEと前記DHCPサーバの接続されたWAN回線との間に配置され、このWAN回線との接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、このWAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態で前記CPEが前記DHCPディスカバーを送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行しこのIPアドレスを含んだDHCPオファを前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記CPEが前記DHCPリクエストを送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、このWAN回線接続要求手段の要求によって前記WAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記CPEが前記リース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線を接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段とを備えたDHCP変換装置
とを具備することを特徴とするIPアドレス管理システム。
【請求項2】
前記DHCP変換装置は、前記CPEが前記データの通信を予め定めた時間以上行わないとき送信データが不在であると判別する送信データ不在判別手段と、この送信データ不在判別手段が送信データの不在を判別したとき払い出した前記IPアドレスを返却するためのDHCPリリース(DHCP RELEASE)を前記DHCPサーバに送信するDHCPリリース送信手段と、このDHCPリリース送信手段が前記DHCPリリースを送信した後、前記WAN回線との接続を切断するWAN回線接続切断手段とを更に具備することを特徴とする請求項1記載のIPアドレス管理システム。
【請求項3】
前記DHCP変換装置は、前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEから前記DHCPリクエストが送られてきたときこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するDHCPネガティブ・アクノリッジメント返信手段を更に具備することを特徴とする請求項2記載のIPアドレス管理システム。
【請求項4】
前記DHCP変換装置は、前記WAN回線接続切断手段が自装置と前記WAN回線の間の接続を切断した後、前記CPEと自装置の物理リンクを一定時間ダウンさせるリンクダウン手段を更に具備することを特徴とする請求項2記載のIPアドレス管理システム。
【請求項5】
前記DHCPアクノリッジメント返送手段は、前記前記DHCPサーバが前記DHCP変換装置に送ってきたDHCPアクノリッジメントの中に含まれるリース時間を自装置が前記CPEに対して示したリース時間に変更して前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメントとするリリース時間変更手段を具備することを特徴とする請求項1記載のIPアドレス管理システム。
【請求項6】
前記DHCP変換装置は前記WAN回線から受信し前記CPEへ送信するDHCPに関係しないパケットのMACアドレスを書き換えて前記CPEへ転送するMACアドレス変更手段を具備することを特徴とする請求項1記載のIPアドレス管理システム。
【請求項7】
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)と、この要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバの接続されたWAN(Wide Area Network)回線との間に配置され、前記WAN回線と自装置の接続をオン・オフするWAN回線接続オン・オフ手段と、
このWAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行手段と、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行手段の発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答手段と、
この代理DHCPオファ返答手段の返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答手段と、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線と接続していない状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線接続オン・オフ手段に対してWAN回線との接続を要求するWAN回線接続要求手段と、
このWAN回線接続要求手段の要求によって前記WAN回線接続オン・オフ手段がWAN回線との接続をオンにするまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信手段と、
前記WAN回線接続オン・オフ手段が前記WAN回線を接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段と、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信手段の送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送手段
とを具備することを特徴とするDHCP変換装置。
【請求項8】
前記WAN回線から受信し前記CPEへ送信するDHCPに関係しないパケットのMACアドレスを書き換えて前記CPEへ転送するMACアドレス変更手段を具備することを特徴とする請求項7記載のDHCP変換装置。
【請求項9】
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行ステップと、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行ステップで発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答ステップと、
この代理DHCPオファ返答ステップで行った返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答ステップと、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求ステップと、
このWAN回線接続要求ステップによる要求によって前記WAN回線と自装置が接続するまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信ステップと、
前記WAN回線接続要求ステップによって前記WAN回線と自装置が接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップと、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信ステップで送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送ステップ
とを具備することを特徴とするIPアドレス管理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
IPアドレス(Internet Protocol Address)の払い出しを要求するCPE(Customer Premises Equipment)の要求に応じてIPアドレスを前記CPEに払い出すDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを接続したWAN(Wide Area Network)回線と自装置の接続がオフとなっている状態で前記CPEが前記DHCPサーバに向けて自装置へのIPアドレスの払い出しを要求するDHCPディスカバー(DHCP DISCOVER)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信して仮のIPアドレスを発行する仮のIPアドレス発行処理と、
前記DHCPディスカバーに対して前記仮のIPアドレス発行処理で発行したIPアドレスを含む提示条件としてのDHCPオファ(DHCP OFFER)を前記CPEに返答する代理DHCPオファ返答処理と、
この代理DHCPオファ返答処理で行った返答に対して前記CPEが返答に示す条件を受け入れ可能であることを示すDHCPリクエスト(DHCP REQUEST)を送出してきたときこれを前記DHCPサーバの代理として受信してDHCPアクノリッジメント(DHCP ACK)を前記CPEに返答する代理DHCPアクノリッジメント返答処理と、
前記CPEから前記WAN回線に向けたデータが送られてきたとき前記WAN回線と自装置の接続がオフとなっている状態でデータの送信を待機する状態に移行すると共に前記WAN回線と自装置の接続を要求するWAN回線接続要求処理と、
このWAN回線接続要求処理による要求によって前記WAN回線と自装置が接続するまでの間、前記CPEが前記DHCPオファで提示された前記IPアドレスのリース時間を更新するためにリース時間更新時DHCPリクエストを送信してくるとこの要求を拒絶するDHCPネガティブ・アクノリッジメントを返信するネガティブ・アクノリッジメント返信処理と、
前記WAN回線接続要求処理によって前記WAN回線と自装置が接続し前記DHCPサーバが提示したリース時間内の所定の時間が経過した後に初めて前記リース時間更新時DHCPリクエストが送られてきたとき前記DHCPサーバに前記CPEの代理でDHCPリクエストを送信するDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理と、
このDHCPサーバ宛DHCPリクエスト送信処理で送出したDHCPサーバ宛DHCPリクエストに対して前記DHCPサーバが引き続き同一のIPアドレスを払い出すことが可能なことを意味するDHCPアクノリッジメントを返送してきたときこのDHCPアクノリッジメントを前記CPEに返送するDHCPアクノリッジメント返送処理
とを実行させることを特徴とするIPアドレス管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−222542(P2012−222542A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85258(P2011−85258)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】