説明

LCDパネルのソースドライバ

【課題】LCDパネルのソースドライバの提供。
【解決手段】本液晶ディスプレイパネルのソースドライバは、正極性チャネルと負極性チャネルを包含しそれぞれ正極性の出力電圧と負極性の出力電圧を第1ソース走査線と第2ソース走査線に提供する。該ソースドライバが極性変換モードに進入する時、該正極性チャネルのデータバッファと該負極性チャネルのデータバッファの出力はそれぞれ該負極性チャネルのレベルシフタと該正極性チャネルのレベルシフタに切り換えられ、該正極性チャネルの正極性デジタルアナログ変換器及び該負極性チャネルの負極性デジタルアナログ変換器の出力がそれぞれ該負極性チャネルの入力増幅器及び該正極性チャネルの入力増幅器に切り換えられ、該正極性チャネルの出力バッファの出力する正極性の出力電圧及び該負極性チャネルの出力バッファの出力する負極性の出力電圧がそれぞれ該第2ソース走査線及び該第1ソース走査線に提供され、こうして液晶分子の分極を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の液晶ディスプレイ(LCD)パネルのソースドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
LCDの表示原理は、電圧を利用して液晶分子の回転角度を制御することでその透光度を変化させ、これにより異なる輝度を発生させることにある。図1は一つのLCD画素の等価回路であり、その内、MOSFET M1のゲート及びドレインはそれぞれゲート走査線10及びソース走査線12を介してゲートドライバ16及びソースドライバ20に接続され、コンデンサCsがMOSFET M1のソース及び共同電圧端Vcomの間に接続され、ゲートドライバ16がMOSFET M1のオン或いはオフを制御し、ソースドライバ20はコンデンサCsに印加される電圧Vsを決定する。MOSFET M1がオン状態の時、コンデンサCsの両端の電圧差(Vs−Vcom)が液晶分子の回転角度を決定し、これによりこの画素の透光度が決定され、これにより電圧差(Vs−Vcom)の大きさを制御することで該画素の輝度を制御できる。この電圧差(Vs−Vcom)は正の値或いは負の値となり得て、電圧Vsが共同電圧端Vcomより高い時、正極性と称され、電圧Vsが共同電圧端Vcomより小さい時、負極性と称される。正極性、負極性の違いは液晶分子の回転方向の違いをもたらすが、ただし、電圧差(Vs−Vcom)の絶対値が等しければ、同じ透光量を得ることができる。たとえば、+1V及び−1Vの電圧差は同じ透光量を有し得る。しかし、液晶分子はある特性を有しており、すなわち、長時間に同一の電圧が印加される時に分極して、電圧の変化に基づいて回転不能となってしまうことである。そのため、長時間同一の輝度を表示する必要があれば、反復して正極性と負極性の電圧を交替させることで液晶分子の分極を防止できる。
【0003】
ソースドライバ20内は、多くのチャネルで構成され、チャネルの出力はソース走査線、たとえば符号12、14に接続される。図2は二つのチャネルの表示図であり、データバッファ22、レベルシフタ24、正極性デジタルアナログ変換器26、入力増幅器28及び出力バッファ30で正極性チャネルが構成され、正極性の出力電圧VsPをソース走査線12に提供するのに用いられる。データバッファ32、レベルシフタ34、負極性デジタルアナログ変換器36、入力増幅器38及び出力バッファ40で構成された負極性チャネルが、負極性の出力電圧VsNをソース走査線14に提供するのに用いられる。
【0004】
正常な動作モードでは、ソースドライバ20のデータバッファ22及び32はそれぞれデジタルグレースケール信号Dgray1及びDgray2を受け取り、レベルシフタ24及び34はそれぞれデータバッファ22及び32よりデジタルグレースケール信号Dgray1及びDgray2を取得し、並びにそれぞれデジタルグレースケール信号Dgray1及びDgray2を比較的ハイレベルのデジタルグレースケール信号Dgray3及びDgray4に変換する。
【0005】
正極性デジタルアナログ変換器26はデジタルグレースケール信号Dgray3を正極性アナログ電圧VIPに変換し、負極性デジタルアナログ変換器36はデジタルグレースケール信号Dgray4を負極性アナログ電圧VINに変換する。
【0006】
入力増幅器28及び38はそれぞれ出力バッファ30及び40とシングルゲインバッファ31及び41を構成する。
【0007】
そのうち、入力増幅器28は電源電圧端VDDA及びGNDAを具え、正極性アナログ電圧VIPとシングルゲインバッファ31の出力電圧VsPの間の差の値を信号Sd1となすのに用いられる。入力増幅器38は電源電圧端VDDA及びGNDAを具え、負極性アナログ電圧VINとシングルゲインバッファ41の出力電圧VsNの間の差の値を信号Sd2となすのに用いられる。
【0008】
出力バッファ30は電源電圧端VDDA及びGNDAを具え、信号Sd1に基づき正極性の出力電圧VsPを発生してソース走査線12に提供し、出力バッファ40は電源電圧端VDDA及びGNDAを具え、信号Sd2に基づき負極性の出力電圧VsNを発生してソース走査線14に提供する。
【0009】
LCDパネル上の画面が所定の時間静止状態を続ける時、液晶分子の分極を防止するため、ソースドライバ20は極性変換モードに進入する。図3に示されるように、データバッファ22に保存されたデジタルグレースケール信号Dgray1はレベルシフタ34に送られるように改められて、これによりデジタルグレースケール信号Dgray3を生成し、データバッファ32に保存されたデジタルグレースケール信号Dgray2はレベルシフタ24に送られるように改められて、これによりデジタルグレースケール信号Dgray4を生成する。
【0010】
正極性デジタルアナログ変換器26は、デジタルグレースケール信号Dgray4を正極性アナログ電圧VIPへと変換し、負極性デジタルアナログ変換器36はデジタルグレースケール信号Dgray3を負極性アナログ電圧VINへと変換する。
【0011】
シングルゲインバッファ31は負極性アナログ電圧VINに基づき負極性の出力電圧VsNを発生してソース走査線12に提供し、シングルゲインバッファ41は正極性アナログ電圧VIPに基づき正極性の出力電圧VsPを発生してソース走査線14に提供する。
【0012】
図1及び図2を参照されたい。共同電圧Vcomの大きさは、ソースドライバ20の高電圧源VDDA及び低電圧源GNDAの間であり、正極性アナログ電圧VIP及び正極性の出力電圧VsPはVcomからVDDAの範囲にあり、負極性アナログ電圧VIN及び負極性の出力電圧VsNはGNDAからVcomの範囲にある。図2中、出力バッファ30は正極性の電圧VsPを発生し、それはVcomからVDDAの範囲にある。図3中、出力バッファ30は負極性の電圧VsNを発生し、それはGNDAからVcomの範囲にある。これにより、出力バッファ30が発生しなければならない電圧はGNDAからVDDAの範囲にあり、その内部のMOSFETは、電圧差(VDDA−GNDA)に耐えられなければならず、このため、出力バッファ30及び40は比較的大きなチップ面積を必要とし、製造コストも比較的高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的の一つは、LCDパネルのソースドライバを提供することにある。
【0014】
本発明の目的の一つは、製造コストとチップ面積が減らされたソースドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、LCDパネルのソースドライバは、第1電圧範囲内の第1出力電圧及び第2電圧範囲内の第2出力電圧をLCDパネルの二つのソース走査線に提供する。該ソースドライバは、
正常動作モード及び極性変換モードにおいて第1デジタルグレースケール信号及び第2デジタルグレースケール信号をそれぞれ高レベルの第3及び第4デジタルグレースケール信号に変換する第1レベルシフタと、
該正常動作モード及び該極性変換モードにおいて該第2デジタルグレースケール信号及び該第1デジタルグレースケール信号をそれぞれ高レベルの該第4及び第3デジタルグレースケール信号に変換する第2レベルシフタと、
該第1レベルシフタの出力を正極性アナログ電圧に変換する正極性デジタルアナログ変換器と、
該第2レベルシフタの出力を負極性アナログ電圧に変換する負極性デジタルアナログ変換器と、
該正常動作モードにおいて該正極性アナログ電圧と該第1出力電圧との差の値を増幅し、該極性変換モードにおいて該負極性アナログ電圧と該第2出力電圧との差の値を増幅する第1入力増幅器と、
該正常動作モードにおいて該負極性アナログ電圧と該第2出力電圧との差の値を増幅し、該極性変換モードにおいて該正極性アナログ電圧と該第1出力電圧との差の値を増幅する第2入力増幅器と、
該正常動作モードにおいて該第1入力増幅器の出力に基づき該第1出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうち第1ソース走査線に提供し、該極性変換モードにおいて、該第2入力増幅器の出力に基づき該第1出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうち第2ソース走査線に提供する第1出力バッファと、
該正常動作モードにおいて該第2入力増幅器の出力に基づき該第1出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうち第2ソース走査線に提供し、該極性変換モードにおいて、該第1入力増幅器の出力に基づき該第2出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうち第1ソース走査線に提供する第2出力バッファと、
を包含する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、LCDパネルのソースドライバを提供し、それは、製造コストとチップ面積が減らされたソースドライバである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一つのLCD画素の等価回路である。
【図2】ソースドライバの正常動作モードにおける表示図である。
【図3】周知の極性変換モードにおけるソースドライバ表示図である。
【図4】本発明のソースドライバの極性変換モードにおける二つのチャネルの表示図である。
【図5】図4中の入力増幅器と出力バッファの経路切換え制御回路表示図である。
【図6】図5中の入力増幅器と出力バッファの実施例図である。
【図7】図5中の入力増幅器と出力バッファの実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
【0019】
図4は本発明のソースドライバ20の極性変換モードでの二つのチャネルの表示図である。該ソースドライバ20は、正常動作モードでは図2と同様であるが、極性変換モードに進入した後は、図4のようであり、データバッファ22に保存されたデジタルグレースケール信号Dgray1をレベルシフタ34に伝送し、データバッファ32に保存されたデジタルグレースケール信号Dgray2をレベルシフタ24に伝送する。
【0020】
正極性デジタルアナログ変換器26はデジタルグレースケール信号Dgray4を変換してなる正極性アナログ電圧VIPを入力増幅器38に提供し、負極性デジタルアナログ変換器36はデジタルグレースケール信号Dgray3を変換してなる負極性アナログ電圧VINを入力増幅器28に提供する。
【0021】
入力増幅器28は負極性アナログ電圧VINと負極性の出力電圧VsNとの間の差の値を増幅して信号Sd1を生成し、出力バッファ40と入力増幅器28が構成するシングルゲインバッファが、信号Sd1に基づき負極性の出力電圧VsNを発生してソース走査線12に提供する。入力増幅器38は正極性アナログ電圧VIPと正極性の出力電圧VsPとの間の差の値を増幅して信号Sd2を生成し、出力バッファ30と入力増幅器38が構成するシングルゲインバッファが、信号Sd2に基づき正極性の出力電圧VsPを発生してソース走査線14に提供する。
【0022】
図4中、入力増幅器28及び38の電源電圧端VGHP及びVGHNはソースドライバ20の高電圧源VDDAに接続され、入力増幅器28及び38の電源電圧端VGLP及びVGLNはソースドライバ20の低電圧源GNDAに接続される。ただしこの二組の電源電圧端は各自異なるレベルの電圧源に接続されてもよく、ただその提供する電圧が正極性デジタルアナログ変換器26及び負極性デジタルアナログ変換器36の出力する電圧区間より大きい必要がある。
【0023】
図2及び図4を参照されたい。正常動作モード或いは極性変換モードのいずれであっても、出力バッファ30はVcomからVDDAの電圧範囲内の正極性の出力電圧VsPを出力し、出力バッファ40はGNDAからVcomの電圧範囲内の負極性の出力電圧VsNを出力する。これにより出力バッファ30、40内部に、耐えられる電圧が比較的小さいMOSFETを使用でき、これにより出力バッファ30及び40のチップ面積を縮小できる。このほか、出力バッファ30はただ正極性の出力電圧VsPを出力し、これにより電源電圧端VOLPは異なるレベルの電圧源に接続可能であり、ただその電圧が正極性デジタルアナログ変換器26の出力する最低電圧より小さければよい。同様に、出力バッファ40はただ負極性の出力電圧VsNを出力し、これにより電源電圧端VOHNは異なるレベルの電圧源に接続可能で、ただその電圧が負極性デジタルアナログ変換器36の出力の最高電圧より大きければよい。
【0024】
図5は図4中の入力増幅器28及び38と出力バッファ30及び40の経路切換え制御回路を示す。そのうち、スイッチS1は入力増幅器28の入力端42と出力バッファ30の出力端VsPの間に接続される。スイッチS2は入力増幅器28の入力端42と出力バッファ40の出力端VsNの間に接続される。スイッチS3は入力増幅器38の入力端48と出力バッファ40の出力端VsNの間に接続される。スイッチS4は、入力増幅器38の入力端48及び出力バッファ30の出力端VsPの間に接続される。スイッチS5は入力増幅器28の出力端と出力バッファ30の入力端の間に接続される。スイッチS6は入力増幅器28の出力端と出力バッファ40の入力端の間に接続される。スイッチS7は入力増幅器38の出力端と出力バッファ40の入力端の間に接続される。スイッチS8は入力増幅器38の出力端と出力バッファ30の入力端の間に接続される。
【0025】
正常動作モードにおいて、入力増幅器28及び38の入力端44及び46はそれぞれ正極性アナログ電圧VIPと負極性アナログ電圧VINを受け取り、スイッチS1、S3、S5、S7が導通(on)し、スイッチS2、S4、S6、S8が切断(off)される。極性変換モードにおいて、入力増幅器28及び38の入力端44及び46がそれぞれ負極性アナログ電圧VIN及び正極性アナログ電圧VIPを受け取り、スイッチS1、S3、S5、S7が切断(off)され、スイッチS2、S4、S6、S8が導通(on)する。
【0026】
図6は図5中の入力増幅器28及び出力バッファ30の実施例を示す。正常動作モードにおいて、入力増幅器28の出力端50及び52はそれぞれスイッチS5A及びS5Bを介して出力バッファ30の入力端XP1及びXP2に接続される。極性変換モードにおいて、入力増幅器28の出力端50及び52はそれぞれスイッチS6A及びS6Bを介して出力バッファ40の入力端XN1及びXN2に接続される。
【0027】
入力増幅器28は差動入力対60及び62、電流ミラー回路64及び66、及び、該電流ミラー回路64及び66の参考分岐の間に接続されたバイアス電流源68を包含する。
【0028】
差動入力対60はNMOSFET PN1、PN2及びPN3を包含する。NMOSFET PN1のゲートはバイアス電圧VBN1を受け取り、NMOSFET PN2のゲートは差動入力対60の二つの入力端のうち一つであり、入力増幅器28の入力端42に接続され、NMOSFET PN2のソースはNMOSFET PN1のドレインに接続され、NMOSFET PN2のドレインは差動入力対60の二つの出力端のうち一つであり、電流ミラー回路64に節即される。NMOSFET PN3のゲートは差動入力対60のもう一つの入力端であり、入力増幅器28の入力端44に接続され、NMOSFET PN3のソースはNMOSFET PN1のドレインに接続され、NMOSFET PN3のドレインは差動入力対60のもう一つの出力端であり、電流ミラー回路64に接続される。
【0029】
差動入力対62はPMOSFET PP1、PP2及びPP3を包含する。PMOSFET PP1のソースは電源電圧端VGHPに接続され、PMOSFET PP1のゲートはバイアス電圧VBP1を受け取り、PMOSFET PP1のドレインはPMOSFET PP2及びPMOSFET PP3のソースに接続され、PMOSFET PP2のゲートは差動入力対62の二つの入力端のうち一つであり、入力増幅器28の入力端42に接続され、PMOSFET PP2のドレインは差動入力対62の二つの入力端の一つであり、電流ミラー回路66に接続され、PMOSFET PP3のゲートは差動入力対62のもう一つの入力端であり、入力増幅器28の入力端44に接続され、PMOSFET PP3のドレインは差動入力対62の別の出力端であり、電流ミラー回路66に接続される。
【0030】
電流ミラー回路64はPMOSFET PP4、PP5及びPP6を包含し、PMOSFET PP4及びPP5のソースは電源電圧端VGHPに接続され、PMOSFET
PP4のゲートはPMOSFET PP5のゲート及びPMOSFET PP6のドレインに接続される。PMOSFET PP4のドレインはNMOSFET PN2のドレイン及びPMOSFET PP6のソースに接続され、PMOSFET PP5のドレインはNMOSFET PN3のドレイン及び入力増幅器28の出力端50に接続される。PMOSFET PP6のゲートはバイアス電圧VBP2を受け取る。そのうちPMOSFET PP4及びPP5はそれぞれ電流ミラー回路64の参考分岐及びミラー分岐とされる。
【0031】
電流ミラー回路66はNMOSFET PN4、PN5及びPN6を包含し、NMOSFET PN4及びPN5のソースは電源電圧端VGLPに接続され、NMOSFET
PN4のゲートはNMOSFET PN5のゲート及びNMOSFET PN6のドレインに接続される。NMOSFET PN4のドレインはPMOSFET PP2のドレイン及びNMOSFET PN6のソースに接続され、NMOSFET PN5のドレインはPMOSFET PP3のドレイン及び入力増幅器28の出力端52に接続される。NMOSFET PN6のゲートはバイアス電圧VBN2を受け取る。そのうち、NMOSFET PN4及びPN5はそれぞれ電流ミラー回路66の参考分岐及びミラー分岐とされる。差動入力対60及び62は入力増幅器28の入力端42及び44上の電圧差に基づき、電流I1、I2、I3及びI4を決定し、さらには入力増幅器28の出力端50及び52の信号Sd1−1及び信号Sd1−2を決定する(図中、符号中に用いられる下線は発明の詳細な説明においてハイフン「−」で表示している。)。
【0032】
図6の実施例中、出力バッファ30はPMOSFET PP7及びPP8、NMOSFET PN7及びPN8及びバイアス電流源70を包含する。PMOSFET PP7のソースは出力バッファ30の入力端XP1に接続され、PMOSFET PP7のゲートはバイアス電圧VBP2を受け取り、PMOSFET PP7のドレインはバイアス電流源70及びPMOSFET PP8のドレインに接続され、PMOSFET PP7のソースは出力バッファ30の入力端XP2に接続される。NMOSFET PN7のゲートはバイアス電圧VBN2を受け取り、NMOSFET PN7のドレインはバイアス電流源70及びNMOSFET PN8のゲートに接続される。PMOSFET PP8のソースは電源電圧端VOHPに接続され、PMOSFET PP8のドレインは出力バッファ30の出力端VsPに接続され、NMOSFET PN8のソースは電源電圧端VOLPに接続され、NMOSFET PN8のドレインは出力バッファ30の出力端VsPに接続される。出力バッファ30の入力端XP1及びXP2上の電圧はそれぞれPMOSFET PP8及びNMOSFET PN8の切換えを制御し、これにより出力電圧VsPを発生する。
【0033】
図7は図5中の入力増幅器38及び出力バッファ40の実施例を示す。正常動作モード期間に、入力増幅器38の出力端54及び56はそれぞれスイッチS7A及びS7Bを介して出力バッファ40の入力端XN1及びXN2に接続される。極性変換モード期間に、入力増幅器38の出力端54及び56はそれぞれスイッチS8A及びS8Bを介して出力バッファ30の入力端XP1及びXP2に接続される。
【0034】
入力増幅器38は差動入力対72及び74、電流ミラー回路76及び78、及び電流ミラー回路76及び78の参考分岐の間に接続されたバイアス電流源80を包含する。
【0035】
差動入力対72はNMOSFET NN1、NN2及びNN3を包含する。NMOSFET NN1のソースは電源電圧端VGLNに接続され、NMOSFET NN1のゲートはバイアス電圧VBN3を受け取る。NMOSFET NN2のゲートは差動入力対72の二つの入力端のうち一つであり、入力増幅器38の入力端48に接続され、NMOSFET NN2のドレインは差動入力対72の二つの出力端のうち一つであり、電流ミラー回路76に接続される。NMOSFET NN3のゲートは差動入力対72のもう一つの入力端であり、入力増幅器38の出力端46に接続され、NMOSFET NN3のドレインは差動入力対72のもう一つの出力端であり、電流ミラー回路76に接続される。
【0036】
差動入力対74はPMOSFET NP1、NP2及びNP3を包含する。PMOSFET NP1のソースは電源電圧端VGHNに接続され、PMOSFET NP1のゲートはバイアス電圧VBP3を受け取り、PMOSFET NP1のドレインはPMOSFET NP2及びNP3のソースに接続される。PMOSFET NP2のゲートは差動入力対74の二つの入力端のうち一つであり、入力増幅器38の入力端48に接続され、PMOSFET NP2のドレインは差動入力対74の二つの出力端の一つであり、電流ミラー回路78に接続される。PMOSFET NP3のゲートは差動入力対74の別の入力端であり、入力増幅器38の入力端46に接続され、PMOSFET NP3のドレインは差動入力対74の別の出力端であり、電流ミラー回路78に接続される。
【0037】
電流ミラー回路76はPMOSFET NP4、NP5及びNP6を包含する。PMOSFET NP4及びNP5のソースは電源電圧端VGHNに接続され、PMOSFET NP4のゲートはPMOSFET NP5のゲート及びPMOSFET NP6のドレインに接続され、PMOSFET NP4のドレインはNMOSFET NN2のドレイン及びPMOSFET NP6のソースに接続される。PMOSFET NP5のドレインはNMOSFET NN3のドレイン及び入力増幅器38の出力端54に接続され、PMOSFET NP6のゲートはバイアス電圧VBP4を受け取る。そのうち、PMOSFET NP4及びNP5はそれぞれ電流ミラー回路76の参考分岐及びミラー分岐とされる。
【0038】
電流ミラー回路78はNMOSFET NN4、NN5及びNN6を包含する。NMOSFET NN4及びNN5のソースは電源電圧端VGLNに接続され、NMOSFET NN4のゲートはNMOSFET NN5のゲート及びNMOSFET NN6のドレインに接続され、NMOSFET NN4のドレインはPMOSFET NP2のドレイン及びNMOSFET NN6のソースに接続される。NMOSFET NN5のドレインはPMOSFET NP3のドレイン及び入力増幅器28の出力端56に接続される。NMOSFET NN6のゲートはバイアス電圧VBN4を受け取る。そのうち、NMOSFET NN4及びNN5はそれぞれ電流ミラー回路78の参考分岐及びミラー分岐とされる。差動入力対72及び74は入力増幅器38の入力端46及び48上の電圧差に基づき電流I5、I6、I7及びI8を決定し、ひいては入力増幅器38の出力端54及び56の信号Sd2−1及びSd2−2を決定する。
【0039】
図7の実施例中、出力バッファ40はPMOSFET NP7及びNP8、NMOSFET NN7及びNN8及びバイアス電流源82を包含する。PMOSFET NP7のソースは出力バッファ40の入力端XN1に接続され、PMOSFET NP7のゲートはバイアス電圧VBP4を受け取り、PMOSFET NP7のドレインはバイアス電流源82及びPMOSFET NP8のゲートに接続され、NMOSFET NN7のソースは出力バッファ40の入力端XN2に接続され、NMOSFET NN7のゲートはバイアス電圧VBN4を受け取り、NMOSFET NN7のドレインはバイアス電流源82及びNMOSFET NN8のゲートに接続される。PMOSFET NP8のソースは電源電圧端VOHNに接続され、PMOSFET NP8のドレインは出力バッファ40の出力端VsNに接続され、NMOSFET NN8のソースは電源電圧端VOLNに接続され、NMOSFET NN8のドレインは出力バッファ40の出力端VsNに接続される。出力バッファ40の入力端XN1及びXN2上の電圧はそれぞれPMOSFET NP8及びNMOSFET NN8の切換えを制御し、これにより出力電圧VsNを発生する。
【符号の説明】
【0040】
10 ゲート走査線
12 ソース走査線
14 ソース走査線
16 ゲートドライバ
20 ソースドライバ
22 データバッファ
24 レベルシフタ
26 正極性デジタルアナログ変換器
28 入力増幅器
30 出力バッファ
31 シングルゲインバッファ
32 データバッファ
34 レベルシフタ
36 負極性デジタルアナログ変換器
38 入力増幅器
40 出力バッファ
41 シングルゲインバッファ
42 入力増幅器28の入力端
44 入力増幅器28の入力端
46 入力増幅器38の入力端
48 入力増幅器38の入力端
50 入力増幅器28の出力端
52 入力増幅器28の出力端
54 入力増幅器38の出力端
56 入力増幅器38の出力端
60 差動入力対
62 差動入力対
64 電流ミラー回路
66 電流ミラー回路
68 バイアス電流源
70 バイアス電流源
72 差動入力対
74 差動入力対
76 電流ミラー回路
78 電流ミラー回路
80 バイアス電流源
82 バイアス電流源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LCDパネルのソースドライバにおいて、該ソースドライバは第1電圧範囲内の第1出力 電圧及び第2電圧範囲内の第2出力電圧を該LCDパネルの二つのソース走査線に提供し、
該第1電圧範囲は該第2電圧範囲とは異なり、該ソースドライバは、
第1デジタルグレースケール信号を受け取り保存する第1データバッファと、
第2デジタルグレースケール信号を受け取り保存する第2データバッファと、
正常動作モードにおいて、該第1データバッファに接続されて該第1デジタルグレースケール信号を取得し、極性変換モードにおいて、該第2データバッファに接続されて該第2デジタルグレースケール信号を受け取り、取得した該第1及び第2デジタルグレースケール信号を、よりハイレベルの第3及び第4デジタルグレースケール信号にそれぞれ変換する第1レベルシフタと、
該正常動作モードにおいて、該第2データバッファに接続されて該第2デジタルグレースケール信号を取得し、該極性変換モードにおいて、該第1データバッファに接続されて該第1デジタルグレースケール信号を受け取り、取得した該第1及び第2デジタルグレースケール信号を、よりハイレベルの該第3及び第4デジタルグレースケール信号にそれぞれ変換する第2レベルシフタと、
該第1レベルシフタに接続されて、該第1レベルシフタの出力を正極性アナログ電圧に変換する正極性デジタルアナログ変換器と、
該第2レベルシフタに接続されて、該第2レベルシフタの出力を負極性アナログ電圧に変換する負極性デジタルアナログ変換器と、
該正常動作モードにおいて、該正極性アナログ電圧と該第1出力電圧の間の差の値を増幅し、該極性変換モードにおいて、該負極性アナログ電圧と該第2出力電圧の間の差の値を増幅する第1入力増幅器と、
該正常動作モードにおいて、該負極性アナログ電圧と該第2出力電圧の間の差の値を増幅し、該極性変換モードにおいて、該正極性アナログ電圧と該第1出力電圧の間の差の値を増幅する第2入力増幅器と、
該正常動作モードにおいて、該第1入力増幅器に接続され、該第1入力増幅器の出力に基づき該第1出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうちの第1ソース走査線に提供し、該極性変換モードにおいて、該第2入力増幅器に接続され、該第2入力増幅器の出力に基づき該第1出力電圧を発生して該二つのソース走査線のうちの第2ソース走査線に提供する第1出力バッファと、
該正常動作モードにおいて、該第2入力増幅器に接続され、該第2入力増幅器の出力に基づき該第2出力電圧を発生して該第2ソース走査線に提供し、該極性変換モードにおいて、該第1入力増幅器に接続され、該第1入力増幅器の出力に基づき該第2出力電圧を発生して該第1ソース走査線に提供する第2出力バッファと、
を包含したことを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項2】
請求項1記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、
該第1入力増幅器の入力端及び該第1出力バッファの出力端の間に接続され、該正常動作モードにおいて導通させられる第1スイッチと、
該第1入力増幅器の入力端及び該第2出力バッファの出力端の間に接続され、該極性変換モードにおいて導通させられる第2スイッチと、
該第2入力増幅器の入力端及び該第2出力バッファの出力端の間に接続され、該正常動作モードにおいて導通させられる第3スイッチと、
該第2入力増幅器の入力端及び該第1出力バッファの出力端の間に接続され、該極性変換モードにおいて導通させられる第4スイッチと、
該第1入力増幅器の出力端及び該第1出力バッファの入力端の間に接続され、該正常動作モードにおいて導通させられる第5スイッチと、
該第1入力増幅器の出力端及び該第2出力バッファの入力端の間に接続され、該極性変換モードにおいて導通させられる第6スイッチと、
該第2入力増幅器の出力端及び該第2出力バッファの入力端の間に接続され、該正常動作モードにおいて導通させられる第7スイッチと、
該第2入力増幅器の出力端及び該第1出力バッファの入力端の間に接続され、該極性変換モードにおいて導通させられる第8スイッチと、
をさらに包含したことを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項3】
請求項1記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、
該第1入力増幅器はそれぞれ第1電圧及び該第1電圧より小さい第2電圧を受け取る二つの電源電圧端を具え、
該第2入力増幅器はそれぞれ該第1電圧及び該第2電圧を受け取る二つの電源電圧端を具え、
該第1出力バッファはそれぞれ該第1電圧及び第3電圧を受け取る二つの電源電圧端を具え、該第3電圧は該第1電圧より小さく且つ該第2電圧と等しいか該第2電圧より大きく、
該第2出力バッファは第4電圧と該第2電圧を受け取る二つの電源電圧端を具え、該第4電圧は該第1電圧と等しいか或いは該第1電圧より小さく且つ該第2電圧より大きいことを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項4】
請求項1記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、
該第1入力増幅器の第1入力端は、該正常動作モードにおいて該第1出力電圧を受け取り、該極性変換モードにおいて該第2出力電圧を受け取り、該第1入力増幅器の第2入力端は該正常動作モードにおいて該正極性アナログ電圧を受け取り、該極性変換モードにおいて該負極性アナログ電圧を受け取り、該第1入力増幅器の第1出力端は、該正常動作モードにおいて該第1出力バッファの第1入力端に接続され、該極性変換モードにおいて該第2出力バッファの第1入力端に接続され、該第1入力増幅器の第2出力端は、正常動作モードにおいて該第1出力バッファの第2入力端に接続され、該極性変換モードにおいて該第2出力バッファの第2入力端に接続され、
該第2入力増幅器の第1入力端は、該正常動作モードにおいて該第2出力電圧を受け取り、該極性変換モードにおいて該第1出力電圧を受け取り、該第2入力増幅器の第2入力端は該正常動作モードにおいて該負極性アナログ電圧を受け取り、該極性変換モードにおいて該正極性アナログ電圧を受け取り、該第2入力増幅器の第1出力端は、該正常動作モードにおいて該第2出力バッファの第1入力端に接続され、該極性変換モードにおいて該第1出力バッファの第1入力端に接続され、該第2入力増幅器の第2出力端は、該正常動作モードにおいて該第2出力バッファの第2出力端に接続され、該極性変換モードにおいて該第1出力バッファの第2出力端に接続されることを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項5】
請求項4記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、該第1入力増幅器は、
それぞれ該第1入力増幅器の第1入力端及び第2入力端に接続された二つの入力端を具えた第1差動入力対と、
それぞれ該第1入力増幅器の第1入力端及び第2入力端に接続された二つの入力端を具えた第2差動入力対と、
該第1差動入力対の第1出力端に接続された参考分岐と、該第1差動入力対の第2出力端及び該第1入力増幅器の第1出力端に接続されたミラー分岐とを具えた第1電流ミラー回路と、
該第2差動入力対の第1出力端に接続された参考分岐と、該第2差動入力対の第2出力端及び該第1入力増幅器の第2出力端に接続されたミラー分岐とを具えた第2電流ミラー回路と、
該第1電流ミラー回路の参考分岐と該第2電流ミラー回路の参考分岐の間に接続されたバイアス電流源と、
を包含することを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項6】
請求項5記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、該第1出力バッファは、
該第1出力バッファの第1入力端及び第2入力端の間に接続された第2バイアス電流源と、
該第1出力バッファの第1電源電圧端及び該第1出力バッファの出力端の間に接続されて、該第1出力バッファの第1入力端の電圧に制御される第1スイッチと、
該第1出力バッファの第2電源電圧端及び該第1出力バッファの出力端の間に接続されて、該第1出力バッファの第2入力端の電圧に制御される第2スイッチと、
を包含することを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項7】
請求項4記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、該第2入力増幅器は、
それぞれ該第2入力増幅器の第1入力端及び第2入力端に接続された二つの入力端を具えた第1差動入力対と、
それぞれ該第2入力増幅器の第1入力端及び第2入力端に接続された二つの入力端を具えた第2差動入力対と、
該第1差動入力対の第1出力端に接続された参考分岐と、該第1差動入力対の第2出力端及び該第2入力増幅器の第1出力端に接続されたミラー分岐とを具えた第1電流ミラー回路と、
該第2差動入力対の第1出力端に接続された参考分岐と、該第2差動入力対の第2出力端及び該第2入力増幅器の第2出力端に接続されたミラー分岐とを具えた第2電流ミラー回路と、
該第1電流ミラー回路の参考分岐と該第2電流ミラー回路の参考分岐の間に接続されたバイアス電流源と、
を包含することを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。
【請求項8】
請求項7記載のLCDパネルのソースドライバにおいて、該第2出力バッファは、
該第2出力バッファの第1入力端及び第2入力端の間に接続された第2バイアス電流源と、
該第2出力バッファの第1電源電圧端及び該第2出力バッファの出力端の間に接続されて、該第2出力バッファの第1入力端の電圧に制御される第1スイッチと、
該第2出力バッファの第2電源電圧端及び該第2出力バッファの出力端の間に接続されて、該第2出力バッファの第2入力端の電圧に制御される第2スイッチと、
を包含することを特徴とする、LCDパネルのソースドライバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−215805(P2012−215805A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173293(P2011−173293)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(510298126)天▲ギョク▼科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】