説明

LEDユニットおよびそれを用いた照明器具

【課題】LEDチップを用いた発光装置が一表面側に配置されるベースの側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置の端子部と電線との接続信頼性を向上させることが可能なLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】ベース1の側縁に、電線4,4を導出可能な導出部1cを設けてある。ベース1に設けた各リブ1ha,1haと凹所1eの内周面において各リブ1ha,1haの各々に対向する部位とで、端子部3c,3cと導出部1cとの間で電線4,4を保持して電線4,4の上記一端部に上記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な第1の張力止め部を構成している。LEDユニット10は、2つのリブ1hd,1hdの各々とリブ1hcとで、端子部3c,3cと導出部1cとの間で電線4,4を保持して電線4,4の上記一端部に上記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な第2の張力止め部を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDユニットおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、LEDユニットを備えた照明器具が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1には、照明器具として、図19に示すようなダウンライトが開示されている。この照明器具は、LEDチップ(図示せず)を用いた複数の発光装置203がベース基板200の一表面側に配置されたLEDモジュール120と、ベース基板200の上記一表面側に配置されたカバー部材300とを具備した光源ユニット150を備えている。また、照明器具は、光源ユニット150が収納配置される金属製の灯具本体100を備えている。なお、この照明器具では、光源ユニット150が、LEDユニットを構成している。
【0004】
上述のLEDモジュール120は、各発光装置203の接続関係を規定する導体パターン(図示せず)が形成された回路基板400を備えている。回路基板400は、各発光装置1それぞれに対応する部位に窓孔403が形成されており、窓孔403の周部が実装基板203bにおけるLEDチップの実装面側における周部に重なる形でベース基板200の上記一表面から離間して配置される。
【0005】
灯具本体100は、下面に円形状の開口窓102を有した箱状に形成されている。灯具本体100の底壁の中央部には光源ユニット150への給電用の電線96,96を挿通する電線挿通孔104が貫設されている。ここで、各電線96,96における光源ユニット150の回路基板400に接続される一端側とは反対の他端側には、別置の電源ユニット(図示せず)の出力用の第1のコネクタに着脱自在に接続される第2のコネクタ97が設けられている。また、ベース基板200の中央部には、電線96,96を挿通する電線挿通孔204が形成されている。また、回路基板400の中央部には、電線96,96を挿通する電線挿通孔401が形成されている。
【0006】
LEDモジュール120のベース基板200は、円板状の形状であり、熱伝導性材料(例えば、Al,Cuなどの熱伝導率の高い金属など)により形成されている。各発光装置203は、LEDチップと、LEDチップへの給電用の一対のリードパターンが設けられLEDチップが実装された実装基板203bとを備えている。
【0007】
また、特許文献2には、図20および図21に示す発光体601が開示されている。この発光体601は、アルミニウム板からなる基板602の一面602aの全域に絶縁層607が形成されており、絶縁層607を介して基板602の一面602a側の全域に導電体層603が設けられている。また、発光体601は、導電体層603の表面に、青色光を放射するLEDベアチップ604が実装されている。LEDベアチップ604は、図21に示すように、4個が等間隔で列状に設けられ、4列で設けられている。
【0008】
また、発光体601は、基板602の一面602a側(導電体層603の表面側)に、基板602と同程度の大きさに形成され、四角形状の収納部617および略矩形状の切り欠き部618,618を有する絶縁性の被覆板619が貼り付けられている。被覆板619は、例えば、厚さ4mmのセラミック板からなっている。なお、上述のLEDベアチップ604は、収納部617内の導電体層603の表面側に設けられている。
【0009】
また、発光体601の切り欠き部618,618には、リード線(図示せず)が接続されて直流電源が供給される電源端子620がそれぞれ絶縁材を介して設けられている。電源端子620,620は、配線パターン616,616に接続され、LEDベアチップ604と電気接続されている。また、発光体601は、被覆板619の収納部617内に注入されて導電体層603の表面側においてLEDベアチップ604などを気密封止した透光性樹脂606を備えている。また、透光性樹脂606には、青色光を所定の光例えば黄色光に波長変換するYAG系蛍光体621が混合されている。
【0010】
また、特許文献2には、図22に示す照明器具622が開示されている。この照明器具622は、ダウンライトであり、略円筒状の器具本体623の下端側内部に、上述の発光体601を回転対称に4個配設してある。また、器具本体623の内部には、電源ユニット627が配設されている。この電源ユニット627には、交流電源を直流電源に変換し、発光体601のLEDベアチップ604に定電流を供給する電源回路などが収納されている。なお、この照明器具622では、発光体601が、LEDユニットを構成していると考えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−335420号公報
【特許文献2】特開2010−238973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図19に示した構成の光源ユニット150では、回路基板400におけるベース基板200側とは反対側で回路基板400に接続された電線96,96が回路基板400の中央部に形成された電線挿通孔401とベース基板200の中央部に形成された電線挿通孔とを通して導出されているので、光源ユニット150と器具本体100との間に電線96,96が入らないようにするためには、器具本体100の底壁の中央部に電線挿通孔104を貫設する必要がある。要するに、図19に示した光源ユニット150では、ベース基板200の側方へ電線96,96を導出することができない。また、図19に示した構成の光源ユニット150では、器具本体100の形態が制限されてしまう懸念がある。
【0013】
また、図20および図21に示した発光体601を用いた図22の照明器具622では、リード線を接続した発光体601の着脱時などにリード線に作用する張力に起因して、リード線と発光体601の電源端子620との接合部(図示せず)に応力が作用してクラックが生じたり断線が起こる懸念がある。そして、発光体601の電源端子620とリード線との接合部にクラックが生じると、接続信頼性の低下や光出力の低下の原因となってしまうことが考えられる。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、LEDチップを用いた発光装置が一表面側に配置されるベースの側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置の端子部と電線との接続信頼性を向上させることが可能なLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のLEDユニットは、LEDチップを用いた発光装置と、前記発光装置が一表面側に配置される板状のベースとを備え、前記発光装置が、実装基板の一面側に、前記LEDチップを用いた発光部と前記発光部への給電用の端子部とを有し、前記ベースの側縁に、前記端子部に一端部が接続された電線の他端部側を導出可能な導出部を設け、前記端子部と前記導出部との間で前記電線を保持して前記電線の前記一端部に前記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な張力止め部を、前記ベースに設けてなることを特徴とする。
【0016】
このLEDユニットにおいて、前記発光装置から放射される光を取り出すための窓孔を有し前記ベースとの間に前記実装基板を保持するホルダを備え、前記ホルダに、前記発光装置から離れた位置で前記ベースとの間に前記電線を挟持する挟持部を設けてなることが好ましい。
【0017】
このLEDユニットにおいて、前記ベースは、前記導出部が、前記電線を前記ベースの他表面側へも導出可能に形成されてなることが好ましい。
【0018】
本発明の照明器具は、前記LEDユニットと、前記LEDユニットが取り付けられた器具本体とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のLEDユニットにおいては、LEDチップを用いた発光装置が一表面側に配置されるベースの側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置の端子部と電線との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0020】
本発明の照明器具においては、LEDユニットからベースの側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置の端子部と電線との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1のLEDユニットを示し、(a)は分解斜視図、(b)は一部破断した要部概略平面図である。
【図2】同上のLEDユニットを示し、(a),(b)は電線の導出方向を異ならせた状態の斜視図である。
【図3】同上のLEDユニットを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
【図4】同上のLEDユニットを示し、(a)は図3(a)のA−A’断面図、(b)は図3(a)のB−B’断面に対応する断面図である。
【図5】同上のLEDユニットの要部説明図である。
【図6】同上のLEDユニットの要部斜視図である。
【図7】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図8】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図9】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図10】同上の照明器具の概略断面図である。
【図11】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図12】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図13】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図14】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図15】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図16】実施形態2のLEDユニットを示し、(a)は分解斜視図、(b)は一部破断した要部概略平面図である。
【図17】同上のLEDユニットを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)は縦断面図、(d)は(a)の横断面図である。
【図18】同上のLEDユニットの斜視図である。
【図19】従来例の照明器具を示し、(a)は要部概略断面図、(b)は要部拡大図である。
【図20】他の従来例の発光体の一部概略断面図である。
【図21】同上の発光体の概略上面図である。
【図22】他の従来例の照明器具の一部切り欠き概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態1)
以下、本実施形態のLEDユニットについて、図1〜図9を参照しながら説明する。
【0023】
本実施形態のLEDユニット10は、LEDチップ(図示せず)を用いた発光装置3と、発光装置3が一表面側に配置される板状(例えば、円板状)のベース1とを備えている。
【0024】
ここで、発光装置3は、実装基板3bの一面側に、LEDチップ(図示せず)を用いた発光部3aおよび発光部3aへの給電用の端子部3c,3cを有している。
【0025】
また、LEDユニット10は、発光装置3におけるベース1側とは反対側に配置されてベース1との間に実装基板3bを保持するホルダ2を備えている。また、LEDユニット10は、ホルダ2おけるベース1側とは反対側に配置されてベース1に取り付けられたカバー20と、カバー押え部材21とを備えている。ここで、ホルダ2は、発光装置3から放射される光を取り出すための窓孔2aを有している。また、カバー20は、発光装置3から放射された光を透過させる機能を有している。また、LEDユニット10は、ホルダ2に設けられたねじ挿通孔2d,2dの各々に挿通されホルダ2とベース1とを結合する2つの組立ねじ23d,23dを備えている。また、LEDユニット10は、発光装置3の端子部3c,3cの各々に電気的に接続された給電用の電線(リード線)4,4を備えている。
【0026】
さらに、LEDユニット10は、ベース1の上記一表面側においてベース1に重ねて配置された熱伝導性シート9を備えており、上述の発光装置3が、熱伝導性シート9におけるベース1側とは反対側で熱伝導性シート9に接するように配置されている。ここで、発光装置3は、実装基板3bの他面が熱伝導性シート9に接するように配置されている。
【0027】
ベース1は、樹脂に比べて熱伝導率の高い材料であるアルミニウムにより形成してある。ベース1の材料は、樹脂に比べて熱伝導率の高い材料が好ましく、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属や、セラミックなどを用いることができる。
【0028】
ベース1の周部には、LEDユニット10を照明器具12(図10参照)の器具本体11(図10参照)に着脱自在に取り付けるための取付ねじ(図示せず)を挿通するねじ挿通孔1bが貫設されている。ベース1には、ねじ挿通孔1bが2つ設けられており、ベース1の周方向に離間して設けられている。また、ベース1における各ねじ挿通孔1bの各々の周囲はベース1の上記一表面から凹ませてある。上述の取付ねじは、ベース1の上記一表面側からねじ挿通孔1bに挿通される。
【0029】
本実施形態のLEDユニット10では、ベース1の平面形状を円形状としているが、これに限らず、例えば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。
【0030】
発光装置3は、複数個のLEDチップを具備する発光部3aと、この発光部3aが実装された実装基板3bとを備えている。ここにおいて、複数個のLEDチップは、直列接続されているが、並列接続してもよいし、直並列接続してもよい。
【0031】
発光部3aは、上述の複数個のLEDチップと、これら複数個のLEDチップを覆う封止部3dとを有する。そして、発光部3aは、LEDチップが青色LEDチップで構成され、青色LEDチップから放射される青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体が封止部3dの透光性封止材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)に混合されており、白色光を得る白色LEDを構成している。なお、発光部3aの蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、発光部3aは、紫〜近紫外LEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを構成してもよい。さらに、発光部3aは、赤色LEDチップと緑色LEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを構成してもよい。
【0032】
実装基板3bは、例えば、金属ベースプリント配線板を用いて形成されており、発光部3aに電気的に接続された上述の端子部3c,3cが形成されている。各端子部3c,3cは、導体パターンにより構成されている。実装基板3bは、金属ベースプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、有機系絶縁基板に端子部3c,3cや端子部3c,3cとLEDチップとの接続関係を規定する導体パターンなどが形成されたものや、無機系絶縁基板に端子部3c,3cや端子部3c,3cとLEDチップとの接続関係を規定する導体パターンなどが形成されたものを用いてもよい。有機系絶縁基板の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、液晶ポリマーなどを用いることができる。また、無機系絶縁基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、シリコンカーバイドなどを用いることができる。また、各端子部3c,3cには、電線4,4が半田からなる接合部(図示せず)を介して電気的に接続されている。ここで、一方の電線4が発光部3aのプラス側に接続された端子部3c(図1(a)における左側の端子部3c)に接続され、他方の電線4が発光部3aのマイナス側に接続された端子部3c(図1(a)における右側の端子部3c)に接続されている。また、実装基板3bは、電線4の誤接続を防止するために、各端子部3c,3cの近傍に極性を示す“+”、“−”を表記してある。なお、実装基板3bの上記一面側には、発光部3aおよび各端子部3c,3c以外の部位を覆う白色系のレジスト層(樹脂層)などからなる反射層(図示せず)が形成されており、これにより、発光部3aから放射された光が実装基板3bに吸収されるのを抑制することが可能となる。
【0033】
ところで、実装基板3bは、平面形状が長方形状であり、長手方向の寸法が、円形状の平面形状を有するベース1の外径寸法よりも小さく設定されている。また、実装基板3bは、対角線の長さ寸法が、ベース1の外径寸法よりも小さく設定されている。そして、実装基板3bは、長手方向の両端部の各々に端子部3c,3cが設けられている。また、端子部3c,3cは、実装基板3の短手方向における位置をずらしてある。すなわち、一方の端子部3cは、実装基板3の短手方向の一端側に位置しているのに対し、他方の端子部3cは、実装基板3の短手方向の他端側に位置している。これにより、LEDユニット10は、端子部3c,3cと電線4,4との各接合部(図示せず)にかかる応力などに起因して実装基板3bが反るのを抑制することが可能となる。
【0034】
また、上述のベース1は、上記一表面側に、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4の一部を収納配置するための円形状の凹所1eが形成されており、この凹所1eの内底面の中央部に、突台部1fが突設されている。そして、LEDユニット10は、突台部1fの先端面1faと実装基板3bの上記他面との間に、上述の熱伝導性シート(放熱シート)9が介在している。ここにおいて、熱伝導性シート9は、電気絶縁性および熱伝導性を有している。熱伝導性シート9の材料は、電気絶縁性が高く且つ熱伝導率が高い材料であることが好ましい。
【0035】
突台部1fおよび熱伝導性シート9の平面形状は、それぞれ、発光装置3の実装基板3bよりも大きな長方形状に形成されている。本実施形態のLEDユニット10では、ベース1の中心に突台部1fの中心が位置しており、突台部1fの中心と発光装置3の中心とを揃えてある。要するに、LEDユニット10は、発光装置3の光軸とベース1の厚み方向に沿った中心線とを揃えてある。
【0036】
また、突台部1fの高さ寸法は、この突台部1fの高さ寸法と熱伝導性シート9の厚み寸法とを合わせた寸法が凹所1eの深さ寸法よりも大きくなるように設定されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3から放射された光が、ベース1の凹所1eの内面で反射されたり吸収されたりするのを抑制することが可能となる。
【0037】
熱伝導性シート9としては、電気絶縁性および熱伝導性を有するシリコーンゲルのシートを用いている。また、熱伝導性シート9として用いるシリコーンゲルのシートは、軟質なものが好ましい。この種のシリコーンゲルのシートとしては、例えば、サーコン(登録商標)などを用いることができる。これに対して、突台部1fの先端面1faの周部に窪部1qを設けておけば、LEDユニット10の組立時に、熱伝導性シート9を突台部1fの先端面1fa上に載置したときに、熱伝導性シート9の一部が窪部1qに入り込むことが可能となる。これにより、LEDユニット10は、組立時において発光装置3の実装基板3bおよび熱伝導性シート9をホルダ2とベース1とで挟持する前に、突台部1fと発光装置3との間に介在された熱伝導シート9の横方向への位置ずれを防止することが可能となる。なお、窪部1bは、長方形状の突台部1fの4辺の各々の長さ方向の中間部において直線状に形成してあるが、窪部1bの形状や配置は特に限定するものではない。
【0038】
また、熱伝導性シート9の材料は、シリコーンゲルに限らず、電気絶縁性および熱伝導性を有していれば、例えば、エラストマーでもよい。
【0039】
本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3で発生した熱を、熱伝導性シート9を通してベース1へ効率よく放熱させることが可能となる。また、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1を樹脂に比べて熱伝導率の高い材料により形成しているので、発光装置3で発生した熱を、熱伝導性シート9およびベース1を通して器具本体11(図10参照)側へ放熱することが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態のLEDユニット10では、実装基板3bの上記他面とベース1の上記一表面側との間に熱伝導性シート9を配置しているが、熱伝導性シート9の代わりに、電気絶縁性および熱伝導性を有する接着シートを配置してもよい。また、LEDユニット10は、熱伝導性シート9や接着シートを備えることが好ましいが、熱伝導性シート9や接着シートを設けない構成を採用することもできる。
【0041】
ホルダ2は、突台部1fとの間に発光装置3の実装基板3bを挟持して保持する押え板部2eと、押え板部2eの周縁から後方(ベース1側)に延設された周壁部2fとを有している。このホルダ2は、押え板部2eが円板状に形成されており、押え板部2eの中央部に、発光装置3の発光部3aを露出させるための窓孔2aが形成されている。窓孔2aは、開口形状が円形状である。この窓孔2aの内径は、円形状の発光部3aの外径よりも大きく設定してある。ホルダ2は、白色の合成樹脂により形成してある。
【0042】
また、ベース1における凹所1eの内底面には、突台部1fの短手方向の両側において、円柱状のボス部1rが1つずつ突設されている。各ボス部1rには、上述の組立ねじ23dが螺合するねじ孔1dが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、突台部1fの長手方向の両側にボス部1rが配置される場合に比べて、凹所1eの内径を小さくすることが可能となり、結果的にホルダ2およびベース1の小型化を図ることが可能となる。
【0043】
また、ホルダ2は、押え板部2eの周部において各電線4,4に対応する部位それぞれに、孔2b,2bが形成されている。各孔2b,2bは、発光装置3の各端子部3c,3cに電気的に接続された各電線4,4が押え板部2eに干渉するのを防止するために設けてある。また、各孔2b,2bは、窓孔2aに連通するように形成されている。したがって、LEDユニット10は、各孔2b,2bが形成されていることにより、ホルダ2の押え板部2eと実装基板3bとの距離が長くなるのを抑制可能となり、発光部3aから放射された光が、押え板部2eにおける実装基板3b側の面で反射されるのを抑制することが可能となる。
【0044】
また、ホルダ2は、押え板部2eにおいてベース1の各ねじ孔1dに対応する各々の部位からベース1側へ突出するボス部2g(図4参照)が突設されており、組立ねじ23dを挿通するねじ挿通孔2dがボス部2gを貫通するように形成されている。ここにおいて、各ねじ挿通孔2dの開口形状は円形状である。また、ホルダ2は、各ねじ挿通孔2dについて、押え板部2eにおけるベース1側とは反対側での第1内径が組立ねじ23dの頭部23daの外径よりもやや大きく、且つ、ベース1側での第2内径が組立ねじ23dの頭部23daの外径よりも小さくなるようにしてある。したがって、本実施形態のLEDユニット10では、組立ねじ23dをベース1のねじ孔1dに螺合させる際に、組立ねじ23dが過度にねじ込まれるのを抑制することが可能となり、ホルダ2が変形したり、発光装置3に過度の応力がかかるのを抑制することが可能となる。また、本実施形態のLEDユニット10では、ホルダ2のボス部2gのねじ挿通孔2dにおいて第2内径となっているところに、ベース1のボス部1rの先端部が挿入されている。また、ベース1は、一方のボス部1r(図1および図4(b)における右側のボス部1r)と一体に形成されている後述のリブ1hcによって、ホルダ2のベース1側への押し込み量が制限される。これらによっても、LEDユニット10は、ベース1のボス部1rのねじ孔1dに組立ねじ23dが過度にねじ込まれるのを抑制することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態のLEDユニット10は、組立ねじ23dをねじ孔1dに螺合させる際に、発光装置3にかかる応力を熱伝導性シート9により吸収して緩和することが可能となり、これによっても、発光装置3に不要な応力がかかるのを抑制することが可能となる。
【0046】
本実施形態のLEDユニット10では、ホルダ2の押え板部2eの形状を円形状とすることが好ましいが、これに限らず、例えば、多角形状(例えば、正六角形状、正八角形状など)であってもよいし、楕円形状であってもよい。ホルダ2の窓孔2aについても、円形状に限らず、例えば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。
【0047】
また、ベース1の側縁には、発光装置3に電気的に接続された電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出するための導出部1cが設けられている。
【0048】
導出部1cは、ベース1の側縁に形成された切欠き部であって、電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を変更することが可能となっている。
【0049】
導出部1cは、ベース1の周部においてベース1の上記一表面、他表面および側縁が開放されている。ただし、ベース1の周部においてベース1の上記一表面側には、上述のカバー押え部材21が配置される。したがって、LEDユニット10は、導出部1cを通して電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を、ベース1の上記他表面に沿った方向(つまり、側方)とベース1の上記他表面に交差する所定方向の間で変更することが可能となる(図5参照)。また、LEDユニット10は、図3に示すように、導出部1cから電線4,4をベース1の上記他表面に直交する方向へ導出した場合に、電線4,4がベース1の外周線よりも内側に配置されるように導出部1cを形成してある。したがって、LEDユニット10は、導出部1cから電線4,4をベース1の上記他表面に直交する方向へ導出することにより、LEDユニット10の正面側から電線4,4が見えるのを抑制することが可能となる。また、この場合には、例えば、LEDユニット10を取り付ける器具本体11(図10参照)が有底のテーパ円筒状であり器具本体11の底部11cにコネクタ4aを通す挿通孔(図示せず)が形成されていれば、器具本体11の底部11cの直径とLEDユニット1のベース1の直径(外径寸法)との差を小さくすることが可能となり、照明器具12の小型化を図ることが可能となる。
【0050】
LEDユニット10は、電線4,4を導出部1cからベース1の上記他表面側へ導出することもできるし、側方へ導出することもできるので、LEDユニット10に電源を供給する電源ユニット15(図10参照)との相対的な位置関係の自由度を高めることが可能となる。これによって、本実施形態のLEDユニット10は、電源ユニット15との相対的な位置関係の自由度を高めることができるので、様々な形態の器具本体11(例えば、図10〜図15参照)に取り付け可能となる。
【0051】
また、ベース1には、ベース1の凹所1eの内底面とベース1の導出部1cの内側面1gとの間に、面取り部1k(図5参照)が形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、この面取り部1kが形成されているので、各電線4をベース1の上記他表面側に曲げた時に各電線4にかかる応力を低減することが可能となる。また、LEDユニット10は、各電線4をベース1の上記他表面側に曲げた時に各電線4にかかる応力を低減することができるので、各電線4を断線するのを防止することが可能となる。
【0052】
カバー20は、透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなど)により形成されている。また、カバー20は、ベース1側が開口されベース1の外周線よりも内側で発光装置3などを覆う本体部20aと、この本体部20aの開口縁から外方へ延設されてなりカバー20をベース1に取り付けるための鍔部20bとを有する。本体部20aは、筒状(ここでは、円筒状)に形成された筒状部20aaと、筒状部20aaにおいてベース1から遠い一端側を塞ぐ形状(ここでは、円形状)に形成され発光装置3側からの光を外部へ出射させる光出射部20abとを有しており、全体として有底筒状(ここでは、有底円筒状)の形状となっている。なお、本体部20aは、筒状部20aaと光出射部20abとが、滑らかに連続するように形成されている。また、本体部20aの光出射部20abの一部ないし全部にレンズを形成してもよい。このレンズは特に限定するものではなく、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凹レンズ、両凹レンズ、フレネルレンズなどでもよい。また、本体部20aの形状は、有底筒状に限定するものではなく、例えば、ドーム状であってもよい。また、筒状部20aaの形状は、円筒状に限定するものではない。また、光出射部20abの形状は、円形状に限定するものではない。
【0053】
また、カバー20におけるホルダ2の押え板部2e側には、ホルダ2の各ねじ挿通孔2d,2dの各々に挿通された組立ねじ23d,23dと、ホルダ2の各孔2b,2bにより露出した各電線4,4とを覆う環状(例えば、円環状)の内カバー(化粧カバー)40が配置されている。
【0054】
内カバー40は、非透光性材料(例えば、白色不透明の樹脂、具体的には、PBTなど)により形成されており、カバー20の本体部20aに収納配置される。内カバー40は、カバー20に対して位置決めするための突起40bが外周縁から外方へ延設されている。ここにおいて、内カバー40は、突起40bを3つ備えており、これら3つの突起40bが、内カバー40の周方向において略等間隔で配置されている。一方、カバー20の筒状部20aaの内周面には、各突起40bの各々を、筒状部20aaにおいてベース1に近い他端側から案内して位置決めする溝20h(図4(b)参照)が形成されている。なお、筒状部20aaは、上記他端から上記一端にかけて内径が徐々に小さくなる円筒状(テーパー円筒状)であり、各溝20hが上記他端から筒状部20aaの途中まで形成されている。また、突起40bの数は、特に限定するものではないが、カバー20に対して安定して位置決めするために、複数が好ましく、3つ以上が好ましい。
【0055】
また、内カバー40の円形状の開口窓40aは、発光装置3の光軸方向において発光装置3の近傍では開口面積が一様となっているが、それ以外では発光装置3から離れるにつれて開口面積が徐々に大きくなる形状となっている。したがって、LEDユニット10は、発光装置3の発光部3aから本体部20aの筒状部20aaに向う方向へ放射された光の一部を、内カバー40の開口窓40aの内側面によって本体部20aの光出射部20abへ向って反射することが可能となっている。言い換えれば、内カバー40は、発光装置3から放射される光の配光を制御する反射体としての機能を有している。内カバー40は、内径が最小径となる小径部40dが実装基板3bの上記一面に接している。また、内カバー40は、小径部40dに連続して形成され、実装基板3bの厚み方向において小径部40dから離れるにつれて内径が徐々に大きくなるテーパー部40eが、上述の反射体としての機能を有している。また、内カバー40は、この内カバー40の周部に、ホルダ2の周部に接する接触部40fを有している。そして、内カバー40は、上述の各突起40bの各々がカバー20とホルダ2との間に保持されている。
【0056】
また、内カバー40は、テーパー部40eと接触部40fとの間の中間部40gにおけるベース1側の面に、ホルダ2の各ねじ挿通孔2dの各々に挿入される円筒状のリブ40cが突設されている。したがって、LEDユニット10は、このリブ40cを設けてあることによっても、組立ねじ23dの緩みが抑制される。
【0057】
本実施形態のLEDユニット10は、内カバー40を備えていることにより、カバー20を通して各組立ねじ23d,23dおよび各電線4,4が見えるのを防止することが可能となり、外観の意匠性を高めることが可能となる。
【0058】
また、カバー20は、鍔部20bにおけるベース1との対向面から、環状(ここでは、円環状)のリブ(突出部)20e(図4参照)がベース1側に突設されている。ここにおいて、ベース1の上記一表面側には、カバー20のリブ20eに対応する部位に、リブ20eを収納可能な環状(ここでは、円環状)の溝部1tが形成されている。この溝部1tは、導出部1cと連通している。LEDユニット10は、環状の溝部1cの幅寸法を環状のリブ20eの幅寸法よりも大きく設定してある。そして、LEDユニット10は、溝部1tの内面とカバー20の鍔部20とリブ20eとで囲まれた空間が、気密封止用の封止材(例えば、シリコーン樹脂など)からなるシール部(図示せず)により封止されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、LEDユニット10内への水分や不純物などの侵入を抑制することが可能となる。
【0059】
カバー押え部材21は、非透光性材料(例えば、アルミニウムなどの金属や、白色不透明の樹脂など)により形成されており、発光装置3から放射されてカバー20の本体部20aから出射される光をできるだけ妨げないように扁平な環状(ここでは、円環状)に形成されている。また、カバー押え部材21は、カバー20の鍔部20bをベース1との間に挟持する。なお、ベース1において導出部1cを通る1つの径方向に沿った導出部1cの長さ寸法は、カバー押え部材21の幅寸法よりも小さな寸法に設定されているが、同じ寸法に設定してもよいし、大きな寸法に設定してもよい。
【0060】
また、カバー押え部材21の周部には、ベース1の導出部1cに対応する部位に、LEDユニット10の組立時にベース1の溝部1tに充填される封止材が溢れた場合、溢れた封止材を溜めることが可能な凹所21a(図4(b)参照)が形成されている。ここにおいて、カバー20の鍔部20bの外周部には、カバー押え部材21の凹所21aに対応する部位に、溢れた封止材をカバー押え部材21の凹所21aに導くための切欠き部20fが形成されている。
【0061】
また、カバー押え部材21におけるベース1との対向面には、ベース1側へ突出する複数個(ここでは、4個)の円柱状のボス部21cが突設されている。ここにおいて、カバー20の鍔部20bの外周部には、カバー押え部材21の各ボス部21cに対応する部位に、各ボス部21cを挿通する半円状の切欠き部20dが形成されている。また、ベース1の周部には、カバー押え部材21の各ボス部21cに対応する部位に、ボス部21cを貫通させる貫通孔1aが形成されている。ここで、上述のカバー20をベース1に取り付ける場合は、カバー押え部材21の各ボス部21cをベース1の各貫通孔1aに挿通させてから、ベース1の上記他表面側から各ボス部21cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させてベース1の貫通孔1aよりも広げることによって、ベース1にカバー20が取り付けられる。要するに、ボス部21cは、最終的にはマッシュルーム状の形状となる。ここにおいて、ベース1の上記他表面側には、各貫通孔1aに対応する部位に、マッシュルーム状のボス部21cの頭部21ca(図3(b),(c)参照)が収納配置される収納部1jが、貫通孔1aに連通して形成されている。各収納部1jの深さ寸法は、ベース1の上記他表面を含む平面からボス部21cの頭部21caが突出しないように設定されている。
【0062】
本実施形態のLEDユニット10は、カバー20の鍔部20bをベース1とカバー押え部材21とで挟持することによって、カバー20に応力が加わるのを防止することが可能となる。また、LEDユニット10は、カバー押え部材21をベース1に対してねじを用いることなく取り付けているので、ねじの緩みなどの懸念がなくなる。また、LEDユニット10は、カバー押え部材21を扁平な円環状に形成しているので、このLEDユニット10を器具本体11(図10参照)に取り付けてLEDユニット10を点灯させた場合に、カバー20の本体部20aから出射される光の所望の配光および均斉度を阻害する要素が少なくなる。なお、カバー20をベース1に取り付ける方法は、特に限定するものではなく、例えば、組立ねじなどを用いてカバー20をベース1に取り付けてもよい。
【0063】
また、カバー押え部材21の外周部には、ベース1の周部の各ねじ挿通孔1bに対応する部位に、取付ねじ(図示せず)をカバー押え部材21におけるベース1側とは反対側から挿通する半円状の切欠き部21bが形成されている。また、カバー20の鍔部20bの外周部には、ベース1の周部の各ねじ挿通孔1b、カバー押え部材21の各切欠き部21bに対応する部位に、上記取付ねじをカバー押え部材21側から挿通する半円状の切欠き部20cが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、カバー押え部材21の外周部に各切欠き部21bが形成されるとともに、カバー20の鍔部20bの外周部に各切欠き部20cが形成されているので、ベース1をカバー20側から照明器具12(図10参照)の器具本体11(図10参照)に着脱自在に取り付けることが可能となる。
【0064】
また、LEDユニット10は、発光装置3の端子部3c,3cに一端部が接続された各電線4,4の他端部が接続された1つのコネクタ4aを備えている。このコネクタ4aは、例えば、図10に示すように、電源ユニット15に電気的に接続されている電源線13の先端部に設けられた電源ユニット15側のコネクタ14と着脱自在に接続することが可能である。
【0065】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、各電線4,4の上記他端部が接続されたコネクタ4aを備えているので、器具本体11などに対するLEDユニット10の着脱時の接続作業を容易に行うことができる。また、このLEDユニット10は、ベース1をカバー20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることができるので、ユーザによってLEDユニット10を容易に交換することが可能となる。
【0066】
ところで、ベース1の凹所1eの内底面には、導出部1cの近傍において各電線4,4の各々を凹所1eの内周面との間に挟持するリブ1ha,1haが突設されている。この2つのリブ1ha,1haは、ベース1の凹所1eの内底面に突設した連結片1heを介して連結されている。また、ベース1の凹所1eの内底面には、凹所1eの内周面における導出部1cの内周面1gとの境界付近に突設された2つのリブ1hd,1hd(図7(c)および図8(a)参照)の各々との間に電線4,4を挟持して保持する上述のリブ1hcが突設されている。本実施形態のLEDユニット10では、上述のように、ベース1の側縁に、端子部3c,3cに一端部が接続された電線4,4の他端部側を導出可能な1つの導出部1cを設けてある。そして、LEDユニット10は、ベース1に設けた各リブ1ha,1haと凹所1eの内周面において各リブ1ha,1haの各々に対向する部位とで、端子部3c,3cと導出部1cとの間で電線4,4を保持して電線4,4の上記一端部に上記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な第1の張力止め部を構成している。また、LEDユニット10は、凹所1eの内周面における導出部1cの内周面1gとの境界付近に突設された2つのリブ1hd,1hdの各々とリブ1hcとで、端子部3c,3cと導出部1cとの間で電線4,4を保持して電線4,4の上記一端部に上記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な第2の張力止め部を構成している。以上説明したように、LEDユニット10は、ベース1に、第1の張力止め部、第2の張力止め部を設けてある。
【0067】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4を、ベース1において保持することによって、別部品を追加することなく、電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。言い換えれば、上述のLEDユニット10は、電線4,4に作用する張力を低減するための別部品が不要であり、低コストで電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。また、このLEDユニット10は、電線4,4に作用する張力を低減することができるので、各電線4,4と発光装置3の各端子部3c,3cとの接合部(図示せず)に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
【0068】
要するに、本実施形態のLEDユニット10においては、LEDチップを用いた発光装置3が上記一表面側に配置されるベース1の側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置3の端子部3c,3cと電線4,4との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0069】
また、LEDユニット10は、ホルダ2の周壁部2fから、ベース1の導出部1c付近においてベース1との間に電線4,4を挟持する挟持部2cが延設されている。要するに、LEDユニット10は、ホルダ2に、発光装置3から離れた位置でベース1との間に電線4,4を挟持する挟持部2cを設けてある。したがって、LEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4を、ホルダ2の挟持部2cとベース1とで挟持することによって、別部品を追加することなく、電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。
【0070】
また、LEDユニット10は、ベース1の導出部1cが、電線4,4をベース1の上記他表面側へも導出可能に形成されているので、ベース1の側方だけでなくベース1の上記他表面側へも電線4,4を導出することが可能となり、電線4,4の導出方向を変更する際にも、電線4,4に作用する張力を低減することが可能となる。
【0071】
以下に、上述のLEDユニット10の組立工程について、図7〜図9を参照しながら説明する。
【0072】
まず、図7(a)に示したベース1の上記一表面側に熱伝導性シート9を載置する(図7(b)参照)。具体的には、ベース1の突台部1fの先端面1fa上に熱伝導性シート9を載置する。なお、この際に、突台部1fの先端面1faの窪部1qに熱伝導性シート9の一部が入り込む。また、本実施形態のLEDユニット10では、熱伝導性シート9を、突台部1fの先端面1faよりもやや大きな長方形状に形成してあり、熱伝導性シート9の位置が突台部1fの長手方向や短手方向へ各方向の公差よりもずれている場合に、窪部1qが露出するように窪部1qを突台部1fの4辺それぞれの近傍に形成してある。したがって、熱伝導性シート9を突台部1fに載置した後に、例えば、目視や撮像装置(例えば、CCDカメラなど)と画像処理装置とを備えた外観検査装置による外観検査を行うことによって、良否判定を行うことが可能となる。これにより、熱伝導性シート9の一部がベース1のボス部1r、凹所1eの内底面、凹所1eの周部上に重なっているものを不良品とし、熱伝導性シート9を一旦、突台部1fから離して、再度、突台部1f上に載置することが可能となる。
【0073】
上述の外観検査の後、熱伝導性シート9上に発光装置3を搭載する(図7(c)参照)。この際、発光装置3は、実装基板3bの長手方向が熱伝導性シート9の長手方向に揃うように搭載する。
【0074】
その後、各電線4,4をベース1の凹所1eに収納して保持することで張力止めを行い、続いて、各電線4,4と実装基板3bの端子部3c,3cとを半田からなる接合部(図示せず)を介して接合する(半田付けを行う)ことで電気的に接続させる(図8(a)参照)。なお、各電線4と各端子部3cとの接続を行った後に、各電線4,4をベース1の凹所1eに収納して保持することで張力止めを行ってもよい。
【0075】
次に、ホルダ2をベース1の上記一表面側から被せ、続いて、ねじ挿通孔2dに挿入した組立ねじ23dをボス部1rのねじ孔1dに螺合させることによって、ホルダ2をベース1に固定させる(図8(b)参照)。これにより、ホルダ2とベース1とによって発光装置3の実装基板3bおよび熱伝導性シート9が挟持されて保持される。
【0076】
その後、ベース1の溝部1tに適量の未硬化の封止材(例えば、シリコーン樹脂など)をディスペンサなどによって注入する。続いて、内カバー40の各突起40bが筒状部20aaの内周面の各溝20h(図4(b)参照)に位置決めされることで内カバー40を仮保持したカバー20を、カバー20のリブ20eが溝部1tに入り込むようにベース1の上記一表面側からベース1に載置する(図9(a)参照)。その後、上述の封止材を硬化させることによって、上述のシール部が形成される。要するに、カバー20がベース1に取り付けられる。なお、図8(c)は、ベース1に対する内カバー40の相対的な位置を示している。
【0077】
上述のようにベース1にカバー20を取り付けた後、カバー押さえ部21のボス21cをベース1の上記一表面側からベース1の貫通孔1aに挿通し、ベース1の上記他表面側でボス21cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させて頭部21caを形成することでLEDユニット10の組み立てが終了する(図9(b)参照)。
【0078】
本実施形態のLEDユニット10は、上述のベース1と、熱伝導性シート9と、発光装置3と、ホルダ2と、組立ねじ23dと、カバー20とを備え、実装基板3bの平面形状が長方形状であり、実装基板3bの長手方向の寸法がベース1の外径寸法よりも小さく設定され、熱伝導性シート9がベース1よりも小さく、組立ねじ23dが、実装基板3bの短手方向の両側で当該短手方向において実装基板3bから離れている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、円盤状のベース1の上記一表面側において発光装置3および熱伝導性シート9が配置されない空きスペースに、組立ねじ23dが螺合するねじ孔1dを設けることができるから、実装基板3bの長手方向の両側にねじ孔1dを設ける場合に比べて、LEDユニット10の小型化を図ることが可能となる。また、熱伝導性シート9がベース1よりも小さく、熱伝導性シート9の平面サイズの小型化を図れるので、低コスト化を図れる。また、LEDユニット10は、組立ねじ23dを実装基板3bに挿通する必要がないので、発光装置3の実装基板3bの端子部3c,3cと電線4,4との接合部や上記LEDチップと上記導体パターンとの接合部の信頼性(接続信頼性)の向上を図ることが可能となる。また、LEDユニット10は、実装基板3bの短手方向の両側に組立ねじ23dが配置されているので、実装基板3bの長手方向の両側に組立ねじ23dが配置される場合に比べて、組立ねじ23dの締め付けに起因して発光装置3にかかる応力を低減することが可能となる。しかして、本実施形態のLEDユニット10においては、小型化および低コスト化を図れ且つ信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0079】
また、本実施形態のLEDユニット10は、上述の説明から分かるように、熱伝導性シート9が、ホルダ2におけるねじ挿通孔2dの、ベース1の上記一表面側への投影領域に重ならない形状(ここでは、上記投影領域に重ならないように短手方向の寸法が設定された長方形状)としてある。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、熱伝導性シート9と突台部1fとの間に空隙が発生して熱抵抗が増大するのを抑制することが可能となる。また、LEDユニット10ごとに発光部3aから突台部1fまでの熱抵抗のばらつきを抑制することが可能となり、光出力の高出力化を図ることが可能となる。ひいては、例えば図10に示すような器具本体11に取り付けて用いる場合、LEDユニット10ごとに発光部3aから器具本体11までの熱抵抗のばらつきを抑制することが可能となり、照明器具12における光出力の高出力化を図ることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態のLEDユニット10においては、上述のように、ベース1の側縁に、端子部3c,3cに接続された電線4,4を外部へ導出可能な導出部1cが形成されている。これにより、例えば、図10に示すように、LEDユニット10と器具本体11との間に電線4,4が入らないようにすることが可能となり、LEDユニット10の発光装置3で発生した熱を器具本体11を通して放熱させる際の放熱性を向上させることが可能となる。また、本実施形態のLEDユニット10では、実装基板3bに組立ねじ23dを挿通させる必要がないので、実装基板3bの端子部3c,3cに接続する電線4,4の引き出し方向の制限が少なくなり、電線4,4をベース1の1箇所の導出部1cから導出するような場合に、電線4,4の引き回しが容易になる。
【0081】
以下に、上述のLEDユニット10を備えた照明器具12について、図10〜図15を参照しながら説明する。
【0082】
照明器具12は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた金属製の器具本体11とを備えている。この照明器具12は、器具本体11を金属製としてあるので、樹脂製の場合に比べて、LEDユニット10の発光装置3で発生した熱を、熱伝導性シート9、ベース1および器具本体11を通して効率よく放熱させることが可能となる。なお、器具本体11の材料としては、アルミニウムを採用しているが、アルミニウム以外の金属(例えば、銅など)を採用してもよい。また、器具本体11の材料は、金属以外の材料(例えば、セラミックなど)でもよい。
【0083】
器具本体11は、LEDユニット10を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。具体的に説明すると、器具本体11には、ベース1の周部の各ねじ挿通孔1bに対応する部位に、上記取付ねじを螺合する取付ねじ孔(図示せず)が形成されている。
【0084】
図10に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に埋め込み配置されるダウンライトである。この照明器具12の器具本体11は、LEDユニット10が収納配置される有底のテーパー円筒状に形成された本体部11aと、この本体部11aの下端部から外方へ延設された外鍔部11bとを有する。また、器具本体11は、天井材17に貫設された埋込穴17aに埋め込まれ、外鍔部11bが天井材17の下面における埋込穴17aの周部に当接する形で天井材17に取り付けられる。なお、照明器具12は、外鍔部11bとの間に天井材17における埋込穴17aの周部を挟持する取付ばね(図示せず)が器具本体11に取り付けられている。
【0085】
器具本体11は、本体部11aの底部11cの下側にLEDユニット10が取り付けられている。また、器具本体11は、本体部11aの上側に、電源ユニット15を収納配置する収納部11eが設けられており、電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。したがって、本実施形態の照明器具12は、電源ユニット15で発生した熱が器具本体11を通してLEDユニット10側に熱伝導するのを抑制することが可能となる。
【0086】
また、器具本体11の底部11cには、LEDユニット10のベース1から導出した一対の電線4,4およびコネクタ4aを収納部11e内へ引き出す引出孔(図示せず)が貫設されている。
【0087】
また、図11に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に固定され器具本体11を保持する保持具19に器具本体11が保持されるスポットライトである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。なお、図11に示した構成の照明器具12では、保持具19を天井材17に対して固定ねじ(図示せず)などにより固定しているが、これに限らず、例えば、保持具19を、配線ダクトに取付可能な構成としてもよい。
【0088】
器具本体11においてLEDユニット10が取り付けられる取付部11fには、LEDユニット10の一対の電線4,4およびコネクタ4aを器具本体11内へ引き出す引出孔(図示せず)が貫設されている。また、器具本体11の取付部11fには、LEDユニット10を覆う透光性カバー22が取り付けられている。ここで、透光性カバー22は、LEDユニット10から放射された光を拡散透過させる機能を有している。
【0089】
また、図12に示した構成の照明器具12は、例えば、器具本体11が壁面18に固定されるブラケットである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。また、器具本体11には、LEDユニット10のコネクタ4aと電源ユニット15側のコネクタ14とを収納する凹部11dが形成されている。また、器具本体11の取付部11fには、LEDユニット10を覆う透光性カバー22が取り付けられている。ここで、透光性カバー22は、LEDユニット10から放射された光を拡散透過させる機能を有している。
【0090】
上述の図10〜図12に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10では、電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の上記他表面側へ導出している。
【0091】
また、図13に示した構成の照明器具12は、下面が開放された箱状の器具本体11が天井材17に固定ねじ(図示せず)などにより直付けされるシーリングライトである。この図13に示した構成の照明器具12では、器具本体11内において電源ユニット15とLEDユニット10のベース1とが横並びで互いに離して配置されている。また、電源ユニット15およびLEDユニット10は、器具本体10に取り付けられている。また、器具本体11には、LEDユニット10および電源ユニット15を覆う透光性カバー22が取り付けられている。ここで、透光性カバー22は、LEDユニット10から放射された光を拡散透過させる機能を有している。なお、この照明器具12では、透光性カバー22を通して電源ユニット15が見えないように、透光性カバー22として、透光性を有する乳白色のものを用いている。
【0092】
また、図14に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に固定される吊り具16に器具本体11が吊り下げられたペンダントライトである。この図14に示した構成の照明器具12は、下面が開放された箱状の器具本体11内において電源ユニット15とLEDユニット10のベース1とが横並びで互いに離して配置されている。また、電源ユニット15およびLEDユニット10は、器具本体10に取り付けられている。また、器具本体11には、LEDユニット10および電源ユニット15を覆う透光性カバー22が取り付けられている。ここで、透光性カバー22は、LEDユニット10から放射された光を拡散透過させる機能を有している。なお、図14に示した構成の照明器具12は、器具本体11内に、LEDユニット10と電源ユニット15との組が複数組、収納されている。また、この照明器具12では、透光性カバー22を通して電源ユニット15が見えないように、透光性カバー22として、透光性を有する乳白色のものを用いている。
【0093】
また、図15に示した構成の照明器具12は、器具本体11が壁材18に固定される縦長のポーチライトである。この照明器具12は、平板状の器具本体11が壁材18に対して固定ねじ(図示せず)などにより固定される。そして、この器具本体11における壁材18側とは反対側にLEDユニット10および電源ユニット15が取り付けられている。ここで、LEDユニット10のベース1と電源ユニット15とは互いに離間して配置されている。図15の照明器具では、LEDユニット10が電源ユニット15の上方に配置されているが、これに限らず、LEDユニット10と電源ユニット15との上下関係を逆にしてもよい。また、器具本体11には、LEDユニット10および電源ユニット15を覆う透光性カバー22が取り付けられている。ここで、透光性カバー22は、LEDユニット10から放射された光を拡散透過させる機能を有している。なお、この照明器具12では、透光性カバー22を通して電源ユニット15が見えないように、透光性カバー22として、透光性を有する乳白色のものを用いている。
【0094】
上述の図13〜図15に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10は、電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の側方へ導出している。
【0095】
以上説明した各照明器具12は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10が取り付けられる器具本体11とを備えているので、LEDユニット10からベース1の側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置3の端子部3c,3cと電線4,4との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0096】
また、各照明器具12は、器具本体11に取り付けられるLEDユニット10の小型化および低コスト化を図れ且つ信頼性の向上を図ることが可能となる。また、各照明器具12は、LEDユニット10が、電線4,4の上記他端部が接続されたコネクタ4aを備えているので、LEDユニット10の着脱作業が容易であり、LEDユニット10の交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0097】
(実施形態2)
以下、図16〜図18に基づいて本実施形態のLEDユニット10について説明する。
【0098】
本実施形態のLEDユニット10の基本構成は実施形態1と同じであり、カバー20の構成が相違し、実施形態1において説明した内カバー40(図1参照)を備えていない点相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0099】
本実施形態のLEDユニット10におけるカバー20は、透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなど)により形成されたレンズ部7と、このレンズ部7を保持するとともにベース1に取り付けられるレンズ保持部8とで構成されている。ここにおいて、カバー20は、レンズ部7が、発光装置3から放射された光を透過させる機能を有する。
【0100】
レンズ部7は、発光装置3に向かって凸となる形状に形成されるとともに、先端部に発光部3aの平面サイズよりも開口サイズが大きな凹所7aが形成されている。また、レンズ部7は、このレンズ部7の光出射面7bから発光装置3側に近づくにつれて外径が徐々に小さくなるように形成されている。さらに、レンズ部7は、光出射面7b側の中央部に凹所7cが形成されている。なお、レンズ部7は、光出射面7b側の中央部に凹所7cを形成しているが、これに限らず、例えば、光出射面7bの中央部を発光装置3側とは反対側へ突出する凸曲面状に形成してもよい。
【0101】
また、レンズ部7は、凹所7aの内底面7fから入射した光を凹所7cの内底面7gに導く機能と、凹所7aの内側面7hから入射した光をレンズ部7の外側面7dで反射してレンズ部7の光出射面7b側に導く機能とを有するように設計されている。
【0102】
レンズ保持部8は、非透光性材料(例えば、黒色の樹脂、アルミニウムなどの金属など)により形成されており、レンズ部7が収納配置される円筒状の本体部8aと、この本体部8aのベース1側(図16では、下側)の端部から外方へ延設された鍔部8bとを有する。ここで、本実施形態のLEDユニット10は、レンズ保持部8が非透光性材料により形成されているので、レンズ部7の外側面7dから出射される光を遮光することが可能となり、発光装置3からの光をレンズ部7の光出射面7bから出射することが可能となる。言い換えれば、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3からの光を一定範囲に集光させることが可能となる。なお、レンズ部7の外側面7dは、回転放物面状に形成されている。
【0103】
本体部8aにおけるベース1側とは反対側の端部には、レンズ部7を保持するための保持突起8eが複数箇所に形成されている。本体部8aは、保持突起8eが3箇所に形成されている。ここにおいて、本体部8aは、周方向において3つの保持突起8eが等間隔で配置されている。この保持突起8eは、レンズ部7の外側面7dから外方へ延設された外鍔部7jを本体部8aの内側面に形成された段部8hとの間に保持する。なお、LEDユニット10は、レンズ部7の外鍔部7jと本体部8aとを接着剤などにより接合して気密性を確保することが好ましい。
【0104】
ところで、レンズ部7の外側面7dには、レンズ部7をレンズ保持部8に取り付ける際に位置決めを行うための突起7eが設けられている。ここにおいて、本体部8aの内周壁には、レンズ部7の突起7eに対応する部位に、突起7eを位置決めする凹部8k(図17(d)参照)が設けられている。
【0105】
また、レンズ保持部8の鍔部8bには、ベース1の導出部1cに対応する部位に、LEDユニット10の組立時にベース1の溝部1t内の封止材が溢れた場合、溢れた封止材を溜めるための凹所8g(図17(d)参照)が形成されている。
【0106】
また、レンズ保持部8の鍔部8bの周部には、ベース1の溝部1tに対応する部位に、円環状のリブ(突出部)8fがベース1側(図18では、下側)に突設されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、組立時に、レンズ保持部8のリブ8fを、未硬化の封止材が注入されたベース1の溝部1tに入れて、その後、封止材を硬化させることでシール部(図示せず)を形成することによって、LEDユニット10内への水分や不純物などの侵入を抑制することが可能となる。
【0107】
レンズ保持部8の鍔部8bの一表面(図16では、下面)には、ベース1の各貫通孔1aに対応する部位に、ベース1側へ突出する複数個(ここでは、4個)の円柱状のボス部8cが設けられている。ここで、上述のカバー20は、レンズ保持部8の鍔部8bにおける各ボス部8cをベース1の各貫通孔1aに貫通させ、その後、ベース1の上記他表面側から各ボス部8cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させてベース1の貫通孔1aよりも広げることによって、ベース1にカバー20が取り付けられる。要するに、ボス部8cは、最終的にはマッシュルーム状の形状となる。ここにおいて、ベース1の上記他表面側には、各貫通孔1aに対応する部位に、マッシュルーム状のボス部8cの頭部8caが収納配置される収納部1jが、貫通孔1aに連通して形成されている。ここで、各収納部1jの深さ寸法は、ベース1の上記他表面を含む平面からボス部8cの頭部8caが突出しないように設定されている。なお、カバー20をベース1に取り付ける方法は、特に限定するものではなく、例えば、組立ねじなどを用いてカバー20をベース1に取り付けてもよい。
【0108】
また、鍔部8bの外周部には、ベース1の周部の各ねじ挿通孔1bに対応する部位に、上記取付ねじを鍔部8bの他表面側(図16では、上面側)から挿通する半円状の切欠き部8dが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、鍔部8bの外周部に各切欠き部8dを形成しているので、図10〜図15に示した各照明器具12と同様に、ベース1をカバー20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることが可能となる。
【0109】
以上説明した本実施形態のLEDユニット10は、実施形態1と同様、LEDチップを用いた発光装置3が上記一表面側に配置されるベース1の側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置3の端子部3c,3cと電線4,4との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0110】
また、本実施形態のLEDユニット10を用いた各照明器具12は、LEDユニット10と、LEDユニット10が取り付けられる器具本体11とを備えているので、LEDユニット10からベース1の側方へ電線を導出可能であり、且つ、発光装置3の端子部3c,3cと電線4,4との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0111】
1 ベース
1e 凹所
1c 導出部
1ha リブ
1hc リブ
1hd リブ
2 ホルダ
2a 窓孔
2c 挟持部
3 発光装置
3a 発光部
3b 実装基板
3c 端子部
4 電線
10 LEDユニット
11 器具本体
12 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップを用いた発光装置と、前記発光装置が一表面側に配置される板状のベースとを備え、前記発光装置が、実装基板の一面側に、前記LEDチップを用いた発光部と前記発光部への給電用の端子部とを有し、前記ベースの側縁に、前記端子部に一端部が接続された電線の他端部側を導出可能な導出部を設け、前記端子部と前記導出部との間で前記電線を保持して前記電線の前記一端部に前記他端部側から張力が作用するのを抑制可能な張力止め部を、前記ベースに設けてなることを特徴とするLEDユニット。
【請求項2】
前記発光装置から放射される光を取り出すための窓孔を有し前記ベースとの間に前記実装基板を保持するホルダを備え、前記ホルダに、前記発光装置から離れた位置で前記ベースとの間に前記電線を挟持する挟持部を設けてなることを特徴とする請求項1記載のLEDユニット。
【請求項3】
前記ベースは、前記導出部が、前記電線を前記ベースの他表面側へも導出可能に形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のLEDユニット。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のLEDユニットと、前記LEDユニットが取り付けられた器具本体とを備えてなることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−181947(P2012−181947A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42399(P2011−42399)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】