説明

LEDライト及びその製造方法

【課題】LEDライト及びその製造方法の提供。
【解決手段】伝統的なタングステン、ハロゲン、省エネ電球を直接代替できるLEDライトは、少なくとも一つのLED装置を備えるライト芯と、口金の中空内に充填する熱伝導絶縁材と、ライト芯と口金に機械的に接触する一つの電極を含む。前記LED装置の通電時、前記熱伝導絶縁材は熱通路を提供し、熱エネルギーをライト芯から電極に伝えて放熱させる。本発明のLEDライトは、一般のライト器具の電球ソケットに直接挿入でき、元来のライト器具システムを取り替えたり、アダプタ(adapter)を追加する必要のないものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライト(lamp)に関し、特に、伝統的なタングステン、ハロゲン、省エネ電球を直接代替できる発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)ライトに係る。
【背景技術】
【0002】
直流LED装置をライト芯材としたLEDライトは、整流器(rectifier)またはコンバーター(power converter)を使用して交流電力を直流電力に変換して直流LED装置に供給しなければならないため、LEDライトのコスト高となっている。また、コンバーターの体積が大きいために、伝統的な電球(bulb)の標準口金(base)内に完全に隠すのが非常に難しく、別にモールドを開発し、伝統的な電球とは異なる構成要素を製作する必要がある。よって、コスト高となるほか、LEDライトの体積増加にもなる。直流LED装置を通電する場合には熱エネルギーが発生するため、別に放熱メカニズムを設計して熱エネルギーを処理する必要がある。効果的な放熱ができない場合は、高温が起因して、LEDの発光効率の低下、寿命減少、波長偏移等の不利効果を生じさせる。コンバーターは、交流電力を直流電力に変換する過程において、やはり熱エネルギーを発生するため、特に、その内のインダクタ(inductor)と集積回路(Integrated Circuit,IC)は、高温によって損傷を受けると、商品が動作しなくなることもある。高効率の応用における、例えば、照明用途のライトは、直流LED装置の生じさせる熱エネルギーが比較的高いため、放熱不足によって引き起こされる問題が更に深刻である。ある商品においては、二つの低効率ランプタイプ(lamp type)のLEDと、簡単なブリッジ整流器(bridge rectifier)を使用し、小体積の伝統的な口金への適応に利便をはかっている。しかし、低効率のLEDは、通常明るさが低く、市場受け入れ度にも限りがあり、しかも、この種の製品は往々にして放熱が良好でないため、光衰現象が深刻である。
【0003】
近年、交流LED装置を使用した技術は日々成熟し、その明るさも日に日に上昇し、既に商業利用価値を備えている。交流LED装置は直列、並列の複数のLED装置を同一のエピタキシャルチップ(epitaxial chip)に製作し、前記エピタキシャルチップのパッケージ後、あるレジスト値を備える直列のレジスターは、110ボルトや220ボルト等の高電圧使用を直接受け入れられるため、直流LED装置の必要とするコンバーター或いは整流器は不要で、コストを効果的に削減し、回路による品質問題を減少させる。交流LED装置は小体積の空間内に便利に応用できるものの、解決すべき放熱問題が依然として存在する。特に、高効率の応用においては、例えば、照明用途のライトの発生する熱エネルギーは比較的高く、ヒートシンク(heat sink)を増設したならば、LEDライトの体積とコストを拡大することになる。交流LED装置の放熱をサポートしないのなら、LEDの発光効率を低下させ、寿命を減少させ、波長を偏移させ、ひどい場合にはLEDエピタキシャルチップを熱で損傷させることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、LED装置の放熱を強化するLEDライトを提供することにある。
【0005】
次の本発明の目的の一つは、伝統的なタングステン、ハロゲン、省エネ電球を直接代替できるLEDライトを提供することにある。
【0006】
更なる本発明の目的の一つは、LEDライトの製造方法を提供することにある。本発明に基づくLEDライトは、少なくとも一つのLED装置を備えるライト芯と、中空(cavity)を備える口金と、熱伝導絶縁材(thermally conductive electric insulator)を前記ライト芯内に充填し、前記ライト芯と口金に機械的に接触する一つの電極(electrode)とを備える。前記LED装置を通電させた時、熱伝導絶縁材は熱通路(thermal channnel)を提供し、前記ライト芯から前記電極に伝えられる熱エネルギーを放熱する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の口金は、伝統的な電球の口金を使用するため、前記LEDライトは直接一般のライト器具のソケットに直接挿入し、元来のライト器具システムを取り替えたりアダプタを追加取り付けする必要がない。
【0008】
また、本発明は、LEDライトを製造するための数種の方法を提供する。それは、回路部材を口金に行うハンダ接合と、熱伝導絶縁材を口金の中空内にする充填を含む。前記熱伝導絶縁材は、ライト芯と口金の一つの電極に機械的に接触させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のLEDライト及びその製造方法は、特に、伝統的なタングステン、ハロゲン、省エネ電球を直接代替できる効果を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施例図である。
【図2】図1のLEDライトの等価回路図である。
【図3】数種の交流LEDエピタキシャルチップ図である。
【図4】本発明の第二実施例図である。
【図5】本発明の第三実施例図である。
【図6】多数のエピタキシャルチップのライト芯図である。
【図7】本発明の第四実施例図である。
【図8】本発明の第五実施例図である。
【図9】本発明の第六実施例図である。
【図10】本発明の第七実施例図である。
【図11】本発明の第八実施例図である。
【図12】図11のLEDライト等価回路図である。
【図13】本発明の第九実施例図である。
【図14】図13のLEDライト等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に本発明の第一実施例図を示す。本発明の特徴を明らかにするために、本実施例では、小電球用の標準口金10を使用し、それに備える電極12と電極14を交流電源に接続する。本技術分野の通常知識を備える者が熟知しているとおり、電極12は螺旋状外形16を備える金属外殻であり、その内側には中空18を設ける。本実施例は、交流LED装置20をライト芯としたものを使用し、それは、交流LEDエピタキシャルチップ22をサポート部24上に固定し、その上にはシール26を被覆する。LEDのパッケージは公知技術とし、図面を簡略化するために、ここでは交流LED装置20のパッケージ構造の詳細は未図示とした。レジスター30の一端は電極14にハンダ付けし、もう一端は導入線32によってLED装置20にハンダ付けし、導入線34の両端をそれぞれ電極12及び交流LED装置20にハンダ付けする。前記LEDライトの等価回路は図2に示すとおりであり、交流LEDエピタキシャルチップ22とレジスター30は電極12と電極14間に並列接続される。本技術分野の通常知識を有する者が熟知するとおり、いわゆる交流LEDエピタキシャルチップは、相反する方向に配置する二つのLEDを二つの接合足部の間に並列し、前記各方向には少なくとも一つのLEDを備え、相反する方向に配置する二つのLEDをそれぞれ、交流電源の正負半周期において光らせる。レジスター30のレジスト値Rの大きさは設計が要求する電流値に基づき選択する。レジスター30にも、交流LEDエピタキシャルチップ22を保護する機能が備えられ、電極12と電極14に接続する交流電源が超えた時、レジスター30はサージ電圧の大部分を吸収する。図1に戻り、本発明の特徴の一つは、中空18内に熱伝導絶縁材36を充填することにあり、サポート部24と電極12に機械的に接触し、熱通路を提供し、交流LEDエピタキシャルチップ22が通電発光により生じさせた熱エネルギーを電極12に伝えて放熱を行なう。本技術分野の通常知識を有する者が熟知するとおり、サポート部24は通常、交流LEDエピタキシャルチップ22放熱を助ける金属片を含む。そこで、サポート部24を熱伝導絶縁材36上に貼り合わせて、良好な熱伝導効果を獲得する。交流LEDエピタキシャルチップ22の放熱を助けるほか、熱伝導絶縁材36は、レジスター30の放熱も助けるため、レジスター30を熱伝導絶縁材36内に埋め込む。
【0012】
熱伝導絶縁材36は、エポキシ樹脂、例えば酸化アルミニウム(aluminum oxide)、窒化アルミニウム(aluminum nitride)、窒化ホウ素(boron nitride)、その他熱伝導材料の何れかの熱伝導粉末、或いは、エポキシ樹脂と熱伝導粉末の混合物とする。表1には、図1のLEDライトに三種の異なる熱伝導材料を使用し、実際に測定された結果を示す。
【表1】

【0013】
表1の測定結果からわかるとおり、エポキシ樹脂を採用した熱伝導絶縁材36は、熱伝導係数が劣るため、通電後の全体温度が比較的高くなる。エポキシ樹脂と熱伝導粉末を混合した熱伝導絶縁材36は、熱伝導効果が良好であるため、点灯テストにおいて、異常は見られなかった。熱伝導粉末を直接使用してしっかりと充填した熱伝導絶縁材36は、良好な熱伝導効果が得られた。全体的に言えば、LEDライトは、出力される光の明るさが良好で、連続1000時間点灯しても異常発生はみられなかった結果が出ている。また、その他の材料を熱伝導絶縁材36として選択することも可能であり、その熱伝導係数(thermal conductivity)は、0.25乃至30W/mk間である。
【0014】
伝統的な電球を使用するのは標準口金で、例えば、E12、E14、E17、E26及びE27は伝統的なタングステン電球(tungsten light bulb)の口金、MR16及びGU10は伝統的なハロゲン電球(halogen light bulb)の口金である。表2は、図1のLEDライト中に標準口金のE12及びE27を使用し、実際の測定結果を示したものである。
【表2】

【0015】
表2に示すとおり、図1のLEDライトは、通常みられる体積の比較的小さいE12の口金、或いは体積の比較的大きいE27の口金の何れも、出力される光の明るさが良好で、連続1000時間点灯した場合も異常の発生は見られなかった。よって、交流LEDエピタキシャルチップ22の生じる熱エネルギーは電極12に効果的に伝えられ、放熱が行なわれる。図1に示す通り、本LEDライトの大きさは標準口金10とほぼ同様で、良好な放熱能力を備え、公知技術が達成できなかった高効率の応用を実現する。伝統的なハロゲン電球の口金内において、一つの電極は柱状の金属外殻で、被絶縁物ともう一つの電極とを分離している。標準口金には、相互に絶縁状態にある二つの針状(pin)電極を使用するものもある。伝統的なタングステン電球、ハロゲン電球の口金或いはその他標準口金には、いずれにも中空があり、熱伝導絶縁材を充填できるため、少なくとも一つの電極は、LEDライトのライト芯の放熱を助ける。口金の電極は外側方向に露出しており、良好な放熱効果を提供する。
【0016】
図1のLEDライトは、各種工程を用いて製造される。一実施例において、まず、全ての回路部品をハンダ付けした後、更に熱伝導絶縁材36を中空18内に充填する。熱伝導絶縁材36の用量は、サポート部24の底部まで充填するまでとし、サポート部24底部の平面を超えるまで若干増やすことも可能である。エポキシ樹脂或いはエポキシ樹脂と熱伝導粉末の混合物を熱伝導絶縁材36として選択するなら、それを中空18に注入した後、加熱して固化(cured)させる。熱伝導粉末を熱伝導絶縁材36として選択するなら、それを中空18に充填した後、圧力をかけて緊密になるようにし、熱伝導粉末をシリコン接着剤に混合して接着剤体を作り、中空18に注入した後、加熱し、固化することも可能である。もう一つの実施例において、まず、導入線34とレジスター30を電極12と電極14にハンダ付けした後、熱伝導絶縁材36を中空18内に充填する。導入線(wire)32と導入線34の末端は熱伝導絶縁材36外に露出させ、更に、交流LED装置20を熱伝導絶縁材36の上表面に貼り合わせ、最後に、導入線32と導入線34を交流LED装置20にハンダ付けする。熱伝導絶縁材36を固化する必要がある場合は、交流LED装置20への貼り合わせ前或いは貼り合わせ後に、加熱を行なうことも可能である。
【0017】
LEDを多数量含む交流LEDエピタキシャルチップ22の選択によってLEDライトの明るさを向上させることも可能である。図3には、数種の交流LEDエピタキシャルチップ22図を示した。第一種目は、二本の接合足部の間に逆方向の二本のLEDを並列させ、それぞれには、二つ以上のLEDを備える。第二種目は、二本の接合足部の間に二組以上のLEDの一対を直列し、それぞれのLEDの一対には逆方向の二つのLEDを共に並列する。第三種目は、五つ以上のLEDをブリッジ式構造に配列したものである。全て商品化されたこれらの商品を選択使用可能である。
【0018】
図4は、本発明の第二実施例図である。本実施例のライト芯には、回路板28とその上の交流LED装置20を含み、交流LED装置20には少なくとも一つの交流LEDエピタキシャルチップ22を含む。直列レジスター(series resistor)38を変更して回路板28上に取り付け、並びに、導入線34と導入線32によって回路板28を電極12と電極14の間に接続する。回路板28は、強化ガラス繊維(FR4)或いは金属基板(IMS)の部材を選択可能である。交流LED装置20と直列レジスター38は、表面実装タイプの部品(Surface Mounted Device;SMD)を選択し、表面実装技術(Surface Mounting Technology;SMT)を用いて回路板28上に取り付ける。レジスター38は回路板28上にハンダ付けするため、可変レジスターを使用して、例えば、交流LED装置20を経由する電流値を便利に調整するなど、応用の弾力性を拡大することができる。本LEDライトの製造時は、まず、交流LED装置20と直列レジスター38を回路板28上にハンダ付けし、更に、口金10に接合する。一実施例において、まず、導入線34と導入線32を電極12と電極14及び回路板28にハンダ付けし、更に熱伝導絶縁材36を中空18内に充填する。熱伝導絶縁材36の充填量は、それが回路板28の底部に接触するまでとし、回路板28底部の平面を超えるまで若干増加可能である。必要に応じて、更に熱伝導絶縁材36を加熱して固化する。もう一つの実施例においては、まず、導入線34と導入線32を電極12と電極14にハンダ付けした後、熱伝導絶縁材36を中空18内に充填する。導入線32と導入線34の末端を熱伝導絶縁材36外に露出させ、更に、回路板28を熱伝導絶縁材36の上表面に貼り合わせ、最後に、導入線32と導入線34とを回路板28にハンダ付けする。必要であれば、熱伝導絶縁材36は、回路板28の貼り合わせ前か貼り合わせ後に加熱して固化することも可能である。熱伝導絶縁材36の選択と製作は、図1の実施例と同様である。本技術分野において通常知識を備える者が熟知するとおり、回路板28の底部には通常、放熱を助ける金属層を含む故に、回路板28は熱伝導絶縁材36上に貼り合わせることで、良好な熱伝導効果を発揮することができる。
【0019】
ライト芯と口金10を接合した後は、更にライトカバー40を加える。ライトカバー40は、ガラスキャップ(cap)、プラスチックキャップ、エポキシ樹脂、シリコン(silicone)から選択する。ガラスキャップ或いはプラスチックキャップを選択した場合は、接着剤接合、ホゾ組み、ネジ山等の機械方式によってそれを標準口金10の末端上に接合する。エポキシ樹脂或いはシリコンを選択した場合は、ライト芯上にそれを塗布する。その用量が十分なら完全に回路板28及びその上の全ての部品を包み込むことができる。必要に応じて、加熱をくわえ、固化させる。ライトカバー40は保護を目的とし、水分、塵、或いはLEDライトの内部部品にかかる外力を防止する。ライトカバー40は、光学部品の機能を備え、霧化、幾何学形状設計等の方式を通して、各種必要な光学効果を生じさせる。ライトカバー40の霧状構造は、砂吹き(sand blasting)、エッチング(etching)、静電粉体塗装(electro−static powder coating)、シリコン塗布、スプレーペイント、或いは射出成型(injection molding)方式によって製作される。表3は、数種の異なる材質のライトカバー40を実際に測定して得られた結果である。
【表3】

【0020】
表3に示すとおり、ライトカバー40に、ガラスキャップ、プラスチックキャップ、エポキシ樹脂、シリコンの何れを使用しても良好な光出力が得られ、点灯テストにおいては、異常の発生がみられないことが明らかに理解される。これは、通電後の交流LEDエピタキシャルチップ22の生じさせる熱エネルギーが熱伝導絶縁材36及び電極12を通して外部に効果的に伝えられ、ライトカバー40を取り付けても放熱に明らかな影響を及ぼさないことを示している。
【0021】
図5には、本発明の第三実施例図を示す。本実施例のLEDライトのライト芯には、交流LED装置20、回路板28、熱伝導部品50(thermally conductive member)を備える。交流LED装置20、レジスター38、及び回路板28と図4の実施例とは同様で、熱伝導部品50の一端に備えた盤面は回路板28の底部表面上に貼り合わせ、もう一端は熱伝導絶縁材36内に埋め込む。熱伝導部品50の軸方向長さは0.1乃至10センチとし、最良を0.5乃至3.0センチとする。それを熱伝導絶縁材36に埋め込む深さを利用して交流LED装置20の高さを調整する。熱伝導部品50は、高熱伝導率材質により作製される。それは例えば、銅やその他金属とし、その形状は、柱状(rod)、片状(strip)、或いはその他形状とする。ライトカバー40には、ガラスキャップ或いはプラスチックキャップを選択する。本実施例のLEDライトの製造工程については、まず、導入線34と導入線32を電極12及び電極14にハンダ付けした後、熱伝導絶縁材36を中空18内に注入し、導入線34と導入線32の末端を熱伝導絶縁材36外に露出させ、熱伝導部品50の一端を熱伝導絶縁材36内に挿入し、必要に応じて、加熱をくわえて熱伝導絶縁材36を固化する。更に、既に交流LED装置20及びレジスター38を取り付けた回路板28を熱伝導部品50の盤面上にハンダ付けし、導入線34と導入線32を回路板28にハンダ付けし、最後に、ライトカバー40を口金10の末端上に接合する。
【0022】
LEDライトの明るさを向上させたいなら、更に多くの交流LED装置20を直列、並列、或いは直並列させることも可能である。図6に示した多数のエピタキシャルチップライト芯は、回路板28のハンダパッド52とハンダパッド54の間に三列の交流LED装置20を並列させ、各列には三つの交流LED装置20を備えている。各交流LED装置20のパワーが1Wであるなら、このライト芯は9Wに達する。
【0023】
図4、図5、図6のライト芯は、交流LED装置20を回路板28上に貼り合わせたが、それを変更し、回路板28上にチップオンボード(Chip on board;COB)で交流LEDエピタキシャルチップ22を搭載することも可能である。それは、交流LEDエピタキシャルチップ22の裸チップを直接回路板28上に貼り合わせるもので、ワイヤボンディング(wire bonding)後は、更にシール26を被覆する。
【0024】
図7に示した本発明の第四実施例図では、レジスター30の他に、回路板28上に取り付けたレジスター38を追加し、レジスター30と交流LED装置20に並列させる。回路板28、レジスター38、及び交流LED装置20は一つのモジュール(module)とし、レジスター38のレジスト値の大きさを交流LED装置20の設計に対応させ、レジスター30及び口金10を他のモジュールとする。モジュールの結合が異なれば、異なる規格のLEDライトが得られる。例えば、同様のレジスター30と口金10のモジュールを使用するなら、異なるライト芯及びレジスター38のモジュールを組み合わせるだけで、明るさ及び電流値の異なるLEDライトを製作できる。レジスター38もまた、可変レジスターを採用可能であり、要求に応じてそのレジスト値を調整する。
【0025】
図8に示した本発明の第五実施例図では、交流LED装置20を熱伝導部品50の盤面上にハンダ付けし、熱伝導部品50の他の一端を熱伝導絶縁材36内に埋め込み、それを熱伝導絶縁材36内に埋め込んだ深さによって、交流LED装置20の高さを調整する。表4では、熱伝導部品50に銅柱及び銅片を用いた効果を比較してみた。
【表4】

【0026】
表4のテスト結果から理解されるとおり、銅柱或いは銅片を追加した設計は、交流LED装置20の通電により生じる熱エネルギーを更に迅速に外部に伝えることができ、光源が出力する明るさを良好にし、連続1000時間点灯しても異常がみられなかった。LEDライトの製造方法において、先ず、導入線34及びレジスター30を電極12及び電極14にハンダ付けした後、熱伝導絶縁材36を中空18内に注入し、導入線34と導入線32の末端を熱伝導絶縁材36外に露出させ、熱伝導部品50の一端を熱伝導絶縁材36内に挿入し、必要に応じて、加熱をくわえて熱伝導絶縁材36を固化する。更に、既に交流LED装置20を熱伝導部品50の盤面上にハンダ付けした後、導入線34と導入線32を交流LED装置20の接合足部66にハンダ付けし、最後に、ライトカバー40を口金10の末端上に接合する。また、別の実施例では、熱伝導部品50を熱伝導絶縁材36に挿入する以前に、まず、交流LED装置20を熱伝導部品50の盤面上にハンダ付けすることも可能である。
【0027】
図9に示した本発明の第六実施例図では、穿孔(through hole)60を備える回路板28を使用し、熱伝導部品50の一端を回路板28の上方に配置し、他の一端を穿孔60を経由させて熱伝導絶縁材36内に埋め込み、交流LED装置20を熱伝導部品50の露出する一端上にハンダ付けする。熱伝導部品50には長い片(strip)56と側面翼58とを備え、長い片56の軸方向の長さは0.1乃至10センチ間、最良を0.5乃至3.0センチ間とし、側面翼58を交流LED装置20と回路板28との間に配置する。交流LED装置20の接合足部(pin)66は、ハンダ68を用いて回路板28の貫通孔62に接合し、ハンダ70で回路板28の貫通孔64を電極12に接合する。貫通孔62及び貫通孔64はブラインドビア(blind hole)或いはその他構造に変更可能とし、これらは回路板の公知技術の範囲である。レジスター30を電極14及び回路板28間にハンダ付けするため、レジスター30と交流LED装置20は電極12と電極14との間に直列する。回路板28は強化ガラス繊維或いは金属基板の部材を選択可能であるが、良好であるのは、回路板28もまた熱伝導絶縁材36に機械的に接触させることである。他の実施例では、レジスター30を回路板28上のレジスターに変更するか、回路板28上に追加するレジスターとレジスター30とを直列させることも可能であり、これは前述の実施例と同様である。必要に応じて、ライトカバーを追加取り付けすることも可能であり、これは前述の実施例と同様である。本LEDライトの製造時、まず、レジスター30を電極14及び回路板28にハンダ付けし、更に回路板28を電極12にハンダ付けした後、穿孔60から熱伝導絶縁材36を中空18内に挿入し、熱伝導部品の一端を穿孔60を経て熱伝導絶縁材36内に埋め込み、その後、交流LED装置20にハンダ付けする。必要に応じて、加熱し熱伝導絶縁材36を固化する。
【0028】
図10に示した本発明の第七実施例図では、金属基板を備える回路板28を熱伝導絶縁材36上に貼り合わせる。この種の回路板28に備えるアルミニウム層28a、銅層28c、熱伝導層28bは、二者間に配置され、放熱能力は、強化ガラス繊維基板を超える。交流LED装置20は、COBパッケージ構造によって回路板28上にハンダ付けされ、ハンダは回路板28を電極12にハンダ付けし、レジスター30は電極14と回路板28の間にハンダ付けするため、レジスター30と交流LED装置20は電極12と電極14の間に直列する。別の実施例においては、レジスター30を回路板28上のレジスターにハンダ付けするよう変更するか、回路板28上に追加したレジスターとレジスター30を直列することも可能であり、前述の実施例と同様である。必要に応じて、ライトカバーを取り付けることも可能であり、これらと前述の実施例とは同様である。本実施例のLEDライトの製造方法は、先ずレジスター30を電極14にハンダ付けし、更に熱伝導絶縁材36を中空18内に充填した後、レジスター30を回路板28にハンダ付けし、回路板28を電極12にハンダ付けし、最後に回路板28上に交流LED装置20をパッケージする。必要に応じて、加熱し熱伝導絶縁材36を固化する。交流LED装置20をパッケージする時、まず、交流LEDエピタキシャルチップ22を回路板28上にハンダ付けした後、ワイヤボンディングし、更にシール26を塗布する。ライトカバーを付加したい場合は、シール26の塗布は必要ない。
【0029】
前述の各実施例においては、実際の応用に基づき、採用される交流LED装置20のパワーは0.3乃至5W間とし、良好であるのは、1乃至3W、50乃至50000Ωのレジスター30或いはレジスター38を選択する。交流LED装置20の使用電圧は、12乃至240ボルト間とし、単一の交流LED装置20を使用する場合は、その使用電圧は交流電源に基づき、110Vまたは220Vを選択する。多数の交流LED装置20を直列する場合は、その使用する電圧は、例えば12Vのような比較的低いものを選択可能である。
【0030】
図11には本発明の第八実施例図を、図12には等価回路図を示す。本実施例は、直流LED装置72をライト芯に変更し、ブリッジ式整流器74を追加する。レジスター38とブリッジ式整流器74は何れも回路板28上にハンダ付けする。図12に示すとおり、直流LED装置72中の直流LEDエピタキシャルチップ76は、一つのLED或いはLED列(string)を備え、良好であるのは、直流LED装置72が高圧直流LED装置となるものである。ブリッジ式整流器74には、二つの入力端78及び入力端80を備え、それぞれを電極12と電極14に接続し、二つの出力端82と出力端84は、整流後の電源を直列した直流LED装置72とレジスター38に供給する。
【0031】
図13には本発明の第九実施例図を、図14には等価回路図を示す。本実施例のライト芯もまた直流LED装置72を使用する。レジスター30は熱伝導絶縁材36内に埋め込み、ブリッジ式整流器74は回路板28上にハンダ付けする。図14に示すとおり、レジスター30は14とブリッジ式整流器74の入力端80の間に移動し、直流LEDエピタキシャルチップ76はブリッジ式整流器74の出力端82と出力端84の間に接続する。レジスター30を電極12とブリッジ式整流器74の入力端78の間に変更するか、エピタキシャルチップ76とレジスター30の位置を交換することも可能である。図11から図14までの実施例の他、直流LED装置を使用するLEDライトは、図1、図5、図8から図10に開示された各種構造及び配置に基づき、異なる実施例を構成することも可能である。
【0032】
前述した各実施例の交流LED装置20及び直流LED装置72は、砲弾型部品とプラスチックリードチップキャリア(PLCC)、表面実装構造(SMD)、及びチップオンボード(COB)を示しただけであるが、その他各種の異なるタイプ或いはパッケージの交流LED装置と直流LED装置もまた本発明に適用可能とする。
【符号の説明】
【0033】
10 口金
12 電極
14 電極
16 螺旋状外形
18 中空
20 交流LED装置
22 交流LEDエピタキシャルチップ
24 サポート部
26 シール
28 回路板
28a アルミニウム層
28b 熱伝導層
28c 銅層
30 レジスター
32 導入線
34 導入線
36 熱伝導絶縁材
38 レジスター
40 ライトカバー
50 熱伝導部品
52 ハンダパッド
54 ハンダパッド
56 長い片
58 側面翼
60 穿孔
62 貫通孔
64 貫通孔
66 接合足部
68 ハンダ
70 ハンダ
72 直流LED装置
74 ブリッジ式整流器
76 エピタキシャルチップ
78 ブリッジ式整流器入力端
80 ブリッジ式整流器入力端
82 ブリッジ式整流器出力端
84 ブリッジ式整流器出力端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDライトに備えられるライト芯において、0.3乃至5W間のパワーを有する、少なくとも一つの交流LED装置を含み、
第一電極と第二電極を備える口金は、中空を備え、第一電極には、螺旋状、柱状、或いは針状外形を備え、
レジスト値が50乃至50000Ω間であるレジスターと前記ライト芯を第一電極と第二電極の間に直列し、
熱伝導係数が0.25乃至30W/mk間である熱伝導絶縁材は、前記中空内に充填し、ライト芯と第一電極に機械的に接触し、第一電極へのライト芯の放熱を助ける熱通路の提供を特徴とするLEDライト。
【請求項2】
前記ライト芯には少なくとも一つの交流LED装置を搭載する回路板を備え、しかも、前記熱伝導絶縁材に機械的に接触することを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項3】
前記ライト芯には少なくとも一つの交流LED装置をハンダ付けする熱伝導部品を備え、しかも一端を熱伝導絶縁材内に埋め込むことを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項4】
前記ライト芯には、
穿孔を備え、少なくとも一つの交流LED装置を搭載する回路板と、
交流LED装置にハンダ付けする第一端と、穿孔を経て熱伝導絶縁材内に埋め込む第二端とを有する熱伝導部品とを備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項5】
前記回路板は、熱伝導絶縁材に機械的に接触することを特徴とする請求項4に記載のLEDライト。
【請求項6】
前記レジスターを前記回路板にハンダ付けすることを特徴とする請求項4に記載のLEDライト。
【請求項7】
前記熱伝導絶縁材は、エポキシ樹脂、熱伝導粉末、二者の混合物の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項8】
前記口金は伝統的なタングステン電球の標準口金とすることを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項9】
前記口金は伝統的なハロゲン電球の標準口金とすることを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項10】
前記交流LED装置は、12乃至240ボルトを含む電圧を使用することを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項11】
前記交流LED装置のパワーは1乃至3Wとすることを特徴とする請求項1に記載のLEDライト。
【請求項12】
口金の中空内に熱伝導絶縁材を充填し、
少なくとも一つの交流LED装置を含むライト芯及びレジスターを取り付けて、それを前記口金の二つの電極間に直列させる方法を含むことを特徴とするLEDライトの製造方法。
【請求項13】
前記製造方法には、更に加熱し熱伝導絶縁材を固化する方法を含むことを特徴とする請求項12に記載のLEDライトの製造方法。
【請求項14】
LEDライトに備えられるライト芯において、0.3乃至5W間のパワーを有する、少なくとも一つの直流LED装置を含み、
レジスト値が50乃至50000オーム間であるレジスターと前記ライト芯を直列させ、第一電極と第二電極を備える口金は、中空を備え、前記第一電極には、螺旋状、柱状、或いは針状外形を備え、
ブリッジ式整流器に備える二つの入力端は、それぞれを第一電極及び第二電極に接続し、二つの出力端は、整流後の電源を少なくとも一つの直流LED装置に提供し、
熱伝導係数が0.25乃至30W/mk間である熱伝導絶縁材は、前記中空内に充填し、ライト芯と第一電極に機械的に接触し、第一電極へのライト芯の放熱を助ける熱通路の提供を特徴とするLEDライト。
【請求項15】
前記ライト芯には少なくとも一つの直流LED装置を搭載する回路板を備え、しかも、前記熱伝導絶縁材に機械的に接触することを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項16】
前記ライト芯には、少なくとも一つの直流LED装置をハンダ付けする熱伝導部品を備え、しかも、一端を熱伝導絶縁材内に埋め込むことを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項17】
前記ライト芯には、
穿孔を備え、少なくとも一つの直流LED装置を搭載する回路板と、
直流LED装置にハンダ付けする第一端と、穿孔を経て熱伝導絶縁材内に埋め込む第二端とを有する熱伝導部品とを備えることを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項18】
前記回路板は、熱伝導絶縁材に機械的に接触することを特徴とする請求項17に記載のLEDライト。
【請求項19】
前記レジスター及びブリッジ式整流器を前記回路板上にハンダ付けすることを特徴とする請求項17に記載のLEDライト。
【請求項20】
前記熱伝導絶縁材は、エポキシ樹脂、熱伝導粉末、二者の混合物の何れかを含むことを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項21】
前記口金は伝統的なタングステン電球の標準口金とすることを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項22】
前記口金は伝統的なハロゲン電球の標準口金とすることを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項23】
前記直流LED装置は、14乃至240ボルトを含む電圧を使用することを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項24】
前記直流LED装置のパワーは1乃至3Wとすることを特徴とする請求項14に記載のLEDライト。
【請求項25】
口金の中空内に熱伝導絶縁材を充填し、
少なくとも一つの直流LED装置を含むライト芯、レジスター、及びブリッジ式整流器を取り付けて、それによって前記口金の二つの電極間に回路を形成させることを特徴とするLEDライトの製造方法。
【請求項26】
前記製造方法には、更に加熱し熱伝導絶縁材を固化する方法を含むことを特徴とする請求項25に記載のLEDライトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−156050(P2012−156050A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15216(P2011−15216)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511025237)
【Fターム(参考)】