説明

LED光源ユニットチェッカ

【課題】LED自体の自己発熱の影響を受けずにLED光源ユニットの良否を適切に行えるLED光源ユニットチェッカを提供する。
【解決手段】LED光源ユニットチェッカ1は、LEDを有するLED光源ユニット2へ、所定の期間だけ所定の定電流を供給するための定電流電源14と、LED光源ユニット2へ所定の定電流を供給した場合の、LED光源ユニット2に発生する順電圧を検知して、検知した順電圧が所定の範囲にあるか否かを判定する電圧判定部18と、電圧判定部18において判定された判定結果を表示する判定表示部19とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED光源ユニットチェッカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光ダイオード(以下、LEDという)を用いた標識灯が種々の分野で用いられている。標識灯の一つに、空港などに用いられる航空標識灯がある。標識灯は、例えば、1又は複数のLEDを有するLED光源ユニットと、LEDユニットのLEDを点灯させる回路を有する点灯ユニットを含んで構成されている。
【0003】
標識灯は、LED光源ユニットが点灯したときに、標識が適切に見えるように、所定の明るさを保持しなければならない。例えば、上述した航空標識灯は、その標識がパイロットに常に適切に見えなければならないため、標識灯が発する光量を定期的にチェックすることが行われる。
【0004】
従来は、標識灯が発する光量を定期的にチェックすることは行われるが、LED光源ユニット自体のチェック、すなわちLED光源ユニットの良否判定は行われていない。LED自体は、例えば経時劣化するが、LED光源ユニット自体の良否の判定は行われていない。
【0005】
そこで、LED光源ユニットのチェック装置として、LED光源ユニットに定格電流を流して、そのときのLED光源ユニットの順電圧を検定することのよって、LED光源ユニットの良否を判定することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−139755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、LED光源ユニットに定格電流を流した場合、LED自体の自己発熱によりLED順電圧が変化する虞があり、LED光源ユニットの良否判定が困難になるという問題がある。
【0008】
そこで、本実施形態は、LED自体の自己発熱の影響を受けずにLED光源ユニットの良否を適切に行えるLED光源ユニットチェッカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のLED光源ユニットチェッカは、LEDを有するLED光源ユニットへ、所定の第1の期間だけ所定の定電流を供給するための定電流電源と、前記LED光源ユニットへ前記所定の定電流を供給した場合の、前記LED光源ユニットに発生する順電圧を検知して、検知した順電圧が前記所定の範囲にあるか否かを判定する電圧判定部と、前記電圧判定部において判定された判定結果を告知する告知部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態によれば、LED自体の自己発熱の影響を受けずにLED光源ユニットの良否を適切に行えるLED光源ユニットチェッカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係わるLED光源ユニットチェッカの構成を説明するための回路図である。
【図2】実施形態に係わる、LED光源ユニットチェッカと、LEDユニットとの接続を説明するための図である。
【図3】実施形態に係わる判定表示部19の表示部19Aの例を示す図である。
【図4】実施形態に係わるLED光源ユニットチェッカ1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態のLED光源ユニットチェッカは、LEDを有するLED光源ユニットへ、所定の第1の期間だけ所定の定電流を供給するための定電流電源と、前記LED光源ユニットへ前記所定の定電流を供給した場合の、前記LED光源ユニットに発生する順電圧を検知して、検知した順電圧が前記所定の範囲にあるか否かを判定する電圧判定部と、前記電圧判定部において判定された判定結果を告知する告知部と、を有する。
このような構成によれば、LED自体の自己発熱の影響を受けずにLED光源ユニットの良否を適切に行えるLED光源ユニットチェッカを提供することができる。
本発明及び各請求項の各発明において、特に指定しない限り、用語の定義及び技術的意味は次による。
【0013】
なお、LED光源ユニットチェッカは、例えば航空標識灯のLED光源ユニットのためのチェッカであるが、これに限定されない。
【0014】
また、告知部は、前記検知した順電圧が前記所定の範囲を上回る場合と、前記検知した順電圧が前記所定の範囲内にある場合と、前記検知した順電圧が前記所定の範囲を下回る場合とを告知するための、表示器を有することが好ましい。
これにより、ユーザは、LED光源ユニットの検定結果を把握し易い。
告知部は、例えば3つのLED表示器を有するものであるが、これに限定されない。
【0015】
また、電圧判定部は、前記LED光源ユニットの種類に応じた複数の電圧判定回路を有し、前記電圧判定部において、前記LED光源ユニットの種類に応じて前記複数の電圧判定回路の中の1つが選択されることが好ましい。
これにより、LED光源ユニットの種類に応じた検定を行うことができる。
電圧判定部は、複数の電圧判定回路を有するが、これに限定されない。
【0016】
また、LED光源ユニットチェッカは、前記所定の第1の期間をカウントする第1のタイマを有し、前記第1のタイマは、前記LED光源ユニットの検定の開始を指示する信号が入力されると前記所定の第1の期間のカウントを開始することが好ましい。
これにより、LED光源ユニットチェッカは、所定の第1の期間をカウントすることができる。
なお、所定の第1の期間は、第1のタイマによりカウントされるが、これに限定されない。
【0017】
また、LED光源ユニットチェッカは、所定の第2の期間をカウントする第2のタイマを有し、前記第2のタイマは、前記LED光源ユニットの検定の開始を指示する信号が入力されると前記所定の第2の期間のカウントを開始し、前記告知部は、前記第2のタイマが前記所定の第2の期間が終了するまで前記判定結果を告知することが好ましい。
【0018】
これにより、LED光源ユニットチェッカは、所定の第2の期間をカウントすることができる。
なお、所定の第2の期間は、第2のタイマによりカウントされるが、これに限定されない。
【0019】
また、前記告知部は、前記判定結果を記憶するメモリ機能を有することが好ましい。
これにより、ユーザは、検定結果の確認を容易に行うことができる。
なお、告知部が判定結果を記憶するメモリ機能を有するが、これに限定されない。
【0020】
また、前記LED光源ユニットは、航空標識灯のためのLED光源ユニットであることが好ましい。
これにより、航空標識灯においてLED光源ユニットの検定を適切に行うことができる。
なお、LED光源ユニットチェッカは、航空標識灯のLED光源ユニットのためのチェッカであるが、これに限定されない。
【0021】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係わるLED光源ユニットチェッカの構成を説明するための回路図である。図2は、LED光源ユニットチェッカと、LEDユニットとの接続を説明するための図である。
【0022】
本実施形態では、航空標識灯の例で説明する。LED光源ユニットチェッカ1は、LEDユニット2に接続して使用される。図2に示すように、航空標識灯10は、LEDユニット2とLED点灯ユニット3とを含んでいる。LEDユニット2は、LED点灯ユニット3により点灯される光源ユニットである。LED点灯ユニット3は、パルス幅変調によるLEDユニット2への制御信号を出力して、LEDユニット2の調光制御を行う。
【0023】
LEDユニット2は、チェック時には航空標識灯10から取り外され、LED光源ユニットチェッカ1に接続されて、LEDユニット2の良否判定が行われる。ここでは、LEDユニット2の良否判定は、LEDユニット2に所定の定格電流を流したときに、所定のLED順電圧が発生するか否かを検査することである。
【0024】
図1に示すように、LED光源ユニットチェッカ1は、例えば商用電源に接続するためのプラグ11、電源スイッチ12、DC化電源13、定電流電源14、出力スイッチ15、種類選択スイッチ16、電圧検知回路17、電圧判定部18、判定表示部19及びタイマ部20を含んで構成されている。LEDユニット2の電源用の端子あるいはケーブルが、LED光源ユニットチェッカ1の接続端子21,22に接続される。LEDユニット2は、直列接続された2つのLED2a、2bを含む。
【0025】
プラグ11が商用電源に接続され、電源スイッチ12がオンされると、DC化電源13は、所定の直流電圧を2本の信号線L1,L2間に供給することによって、各回路に動作電源を供給する。
定電流電源14は、供給された所定の電圧から所定の定格電流Isを生成し、スイッチ15を介してLEDユニット2へ供給する。ここでは、スイッチ15がオンすると、LEDユニット2には、所定の定格電流Is、例えば350mAの電流、が供給される。すなわち、定電流電源14は、2つのLED2a、2bを有するLED光源ユニットへ、後述する所定の期間(T2)だけ所定の定電流である定格電流Isを供給する。
【0026】
種類選択スイッチ16は、検定する航空標識灯あるいは検定するLEDユニットの種類をユーザが選択するためのスイッチである。例えば、航空標識灯には、その機能に応じて、灯火色が異なるので、種類選択スイッチ16は、色別の選択スイッチ、種別の選択スイッチである。
【0027】
電圧検知回路17は、接続端子21と22間の電圧を検知し、電圧判定部18に、検知した電圧Vdを出力する。
電圧判定部18は、3つの電圧判定回路18a、18b、18cを含む。電圧検知部18からの検知電圧Vdは、3つの電圧判定回路18a、18b、18cに供給される。3つの電圧判定回路18a、18b、18cは、入力された検知電圧Vdが、それぞれに設定された所定の電圧範囲にあるか否かを判定し、その判定結果信号DSを出力する。LEDユニットチェッカ1は、異なる種類の標識灯をチェックできるように、ここでは3つの種類のLEDユニットをチェックできるように、電圧判定部18は、3つの電圧判定回路18a、18b、18cを有している。すなわち、電圧判定部18は、LED光源ユニット2の種類に応じた複数の電圧判定回路を有し、LED光源ユニット2の種類に応じて複数の電圧判定回路の中の1つが選択される。
【0028】
以上のように、電圧判定部18は、LED光源ユニット2へ所定の定電流を供給したときの、LED光源ユニット2に発生する順電圧を検知して、検知した順電圧が所定の範囲にあるか否かを判定する。
【0029】
3つの電圧判定回路18a、18b、18cは、種類選択スイッチ16を介して信号線L1に接続されており、ユーザは、種類選択スイッチ16を切り替えることによって、検定する標識灯の種類を選択することができる。電圧判定部18の各電圧判定回路は、判定表示部19に接続されている。
【0030】
種類選択スイッチ16が切り換えられて、電圧判定回路18aを選択すると、電圧判定回路18aは、電圧検知回路17からの検知電圧値Vdが設定された所定の範囲R1内にあるか否かを判定し、検知電圧Vdが所定の範囲R1を上回った場合又は所定の範囲R1を下回った場合に、判定結果信号DSとして、それぞれ異常検知信号Hi又はLoを出力する。すなわち、LEDユニット2に所定の定格電流を流し、そのときのLED順電圧が規定の範囲である所定の範囲R1にあるか否かが判定され、LED順電圧が所定の範囲R1を上回った場合は、電圧判定回路18aはHi信号を出力し、LED順電圧が所定の範囲R1を下回った場合は、電圧判定回路18aはLo信号を出力する。
【0031】
同様に、電圧判定回路18bが選択されると、電圧判定回路18bは、電圧検知回路17からの検知電圧値Vdが設定された所定の範囲R2内にあるか否かを判定し、検知電圧Vdが所定の範囲R2を上回った場合又は所定の範囲R2を下回った場合に、それぞれ異常検知信号Hi又はLoを出力する。
【0032】
同様に、電圧判定回路18cが選択されると、電圧判定回路18cは、電圧検知回路17からの検知電圧値Vdが設定された所定の範囲R3内にあるか否かを判定し、検知電圧Vdが所定の範囲R3を上回った場合又は所定の範囲R3を下回った場合に、それぞれ異常検知信号Hi又はLoを出力する。
【0033】
各電圧判定回路18a、18b、18cの判定結果信号DSは、判定表示部19に供給され、判定表示部19は、種類選択スイッチ16において選択された電圧判定回路からの判定結果信号DSに応じた表示を行うための表示部19Aを有する。
【0034】
図3は、判定表示部19の表示部19Aの例を示す図である。表示部19Aは、3つの表示器19Aa,19Ab,19Acを有する。各表示器は、例えばLEDである。表示器19Aaは、Hi信号に対応するものであり、電圧判定回路が判定結果信号DSとしてHi信号を出力したときに、点灯する。表示器19Abは、Lo信号に対応するものであり、電圧判定回路が判定結果信号DSとしてLo信号を出力したときに、点灯する。表示器19Acは、Hi信号とLo信号が出力されなかったときに、点灯する。
【0035】
以上のように、告知部である判定表示部19の表示部19Aは、検知した順電圧が所定の範囲を上回る場合と、検知した順電圧が所定の範囲内にある場合と、検知した順電圧が所定の範囲を下回る場合とを告知するための、表示器を有する。
なお、各電圧判定回路は、検知電圧Vdがそれぞれの所定の範囲内にある場合に、所定の信号を出力して、その所定の信号に応じて、表示器19Acを点灯するようにしてもよい。
【0036】
また、判定表示部19は、判定結果を記憶するメモリ型であり、判定結果信号DSを入力すると、その判定結果信号DSを記憶する。すなわち、判定表示部19は、電圧判定部18において判定された判定結果をユーザに告知するための告知部を構成する。
【0037】
図1において点線で示すように、限時信号回路部としてのタイマ部20は、スタートスイッチ23、及びタイマ24、25、26を含んで構成される。スタートスイッチ23は、ユーザにより、操作されるスイッチであり、検定スタートのためのスイッチである。
【0038】
タイマ24は、スタートスイッチ23に接続され、スタートスイッチ23がオンされると、所定の期間T1だけHi信号のスタート信号SSを出力するワンショットタイマ回路である。
タイマ24の出力は、タイマ25と26に供給される。タイマ24の出力により、タイマ25と26が同時に起動される。タイマ25は、タイマ24からスタート信号SSが入力されると、所定の期間T2だけHi信号の動作信号OSを出力する回路である。タイマ25からの動作信号OSは、スイッチ15をオンにする信号として、スイッチ15へ供給される。すなわち、タイマ25は、所定の期間T2をカウントするタイマであり、LED光源ユニット2の検定の開始を指示する信号が入力されると所定の期間T2のカウントを開始する。
【0039】
タイマ26は、タイマ24からスタート信号SSが入力されると、所定の期間T3だけHi信号のリセット信号RSを出力する回路である。タイマ26のリセット信号RSは、判定表示部19をリセットする信号として、判定表示部19へ供給される。
【0040】
所定の期間T3は、所定の期間T2よりも短く、リセット信号RSの出力が終了した後に、判定表示部19は、電圧判定部18の判定結果信号DSを保持すると共に、判定結果信号DSに応じた表示部19Aの表示器19Aa,19Ab,19Acのいずれか1つを点灯する。表示器の点灯は、所定の期間T2が終了するまでである。しかし、上述したように、判定表示部19は、次のリセット信号RSが入力されるまで、そのメモリ機能により表示状態を記憶する。
【0041】
タイマ24は、ユーザがスタートスイッチ23を押したときに、チャタリングのない操作信号を生成するための回路であり、所定の期間T1は、例えば0.1秒である。
タイマ25の動作信号OSは、LEDユニット2へ所定の定格電流Isを所定の期間T2だけ供給するために、スイッチ15をオンにするための信号である。タイマ25には、所定の期間T2として、LED自体が自己発熱により温度上昇しないような時間が設定される。所定の期間T2は、例えば5秒である。すなわち、この所定の期間T2は、LEDユニット2のLED自体が自己発熱により順電圧が変化しない時間であり、LEDユニット2には、この所定の期間T2だけ定格電流Isが通電される。
【0042】
タイマ26のリセット信号RSは、判定表示部19のメモリ内容をリセットするために所定の期間T3だけ供給する。所定の期間T3は、例えば2秒である。
後述するように、所定の期間T3の後、所定の期間T2が終了するまで、表示部19Aの表示器が点灯するので、所定の期間T2は、ユーザが表示部19Aの表示状態を確認できる時間に設定される。なお、上述したように、判定表示部19には、メモリ機能があるので、ユーザによる所定の操作に応じて、その記憶された判定結果信号DSに応じた表示が可能となっている。すなわち、タイマ26は、所定の期間T3をカウントするタイマであり、LED光源ユニット2の検定の開始を指示する信号が入力されると所定の期間T3のカウントを開始し、告知部である判定表示部19の表示部19Aは、タイマ26が所定の期間T3が終了するまで判定結果を告知する。
【0043】
次に、上述したLED光源ユニットチェッカ1の動作を説明する。図4は、LED光源ユニットチェッカ1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
まず、標識灯のチェックを行うユーザは、LED光源ユニットチェッカ1にLEDユニット2に接続し、種類選択スイッチ16を操作して、検定を行うLEDユニット2の種類を選択する。ユーザが電源スイッチ12をオンにした後にスタートスイッチ23をオンにすると、タイマ24は、スタート信号SSを所定の期間T1の間だけ出力する。
【0044】
タイマ24からのスタート信号SSに応じて、タイマ26が所定の期間T3だけリセット信号RSを判定表示部19へ供給する。これにより、判定表示部19のメモリ機能により記憶されていた前回の判定結果信号DSの内容はリセットされ、判定表示部19の表示部19Aの各表示器19Aa,19Ab,19Acの表示状態もリセットされて、いずれの表示器も消灯状態となる。従って、例えば、連続して検定をする場合においても、新たな検定の度に、各表示器の表示状態はリセットされて一旦消灯するので、ユーザは毎回の検定を確実に行うことができる。
【0045】
また、タイマ25は、タイマ24からのスタート信号SSに応じて、動作信号OSをスイッチ15へ供給して、スイッチ15は、所定の期間T2だけオン状態になる。スイッチ15がオンになると、LEDユニット2へ定格電流Isが供給され、LEDユニット2は通電状態となる。
【0046】
定格電流Isが流れているときのLEDユニット2の順電圧が電圧検知回路17において検出され、ユーザによって選択された電圧判定回路は、電圧検知回路17からの検知電圧値Vdが設定された所定の範囲内にあるか否かを判定する。定格電流Isは、LEDユニット2自体が自己発熱して順電圧が変化しないような所定の期間T2だけLEDユニット2へ供給されるので、LEDユニット2の正確な順電圧を検定することができる。
【0047】
例えば、電圧判定回路18aが選択されている場合、電圧判定回路18aは、検知電圧値Vdが設定された所定の範囲R1内にあるか否かを判定する。検知電圧値Vdが所定の範囲R1内にある場合は、電圧判定回路18aはHi信号もLo信号も出力しないので、判定表示部19の表示部19Aの表示器19Acが点灯する。表示機19Acの点灯状態は、タイマ25の動作信号OSが出力されなくなるまで継続する。
【0048】
検知電圧値Vdが所定の範囲R1を超えて上回っている場合は、電圧判定回路18aはHi信号を出力するので、判定表示部19の表示部19Aの表示器19Aaが点灯する。検知電圧値Vdが所定の範囲R1を下回っている場合は、電圧判定回路18aはLo信号を出力するので、判定表示部19の表示部19Aの表示器19Abが点灯する。表示器19Aa及び19Abの点灯状態は、タイマ25の動作信号OSが出力されなくなるまで継続する。
判定表示部19はメモリ型なので、検定の結果である判定結果信号DSは、タイマ25からの動作信号OSの出力がなくなっても判定表示部19に保持される。そして、上述したように、ユーザによる所定の操作に応じて、その記憶された判定結果信号DSに応じた表示が可能である。例えば、所定のスイッチ(図示です)を押すと、その記憶されている判定結果信号DSに応じた表示が、表示部19Aにおいてなされる。
【0049】
以上のように、定格電流Isは、所定の期間T2だけしかLEDユニット2へ供給されないので、LEDユニット2内の各LED自体の自己発熱による温度上昇を抑えて、LED順電圧を正確に検定することができる。特に、LEDユニット2に用いられる赤LED、黄LEDなどのAlInGaP系のものは、温度ドリフトが大きく、LED自体の温度に応じて順電圧が大きく変化するので、LED自体が自己発熱により温度上昇しないような時間が、所定の期間T2として設定される。
【0050】
さらに、検定の結果の判定結果信号DSは、判定表示部19に記憶されるので、LED光源ユニットチェッカ1は、検定を行うユーザに正確なLEDユニットの良否判定の結果を確実に与えることができる。
【0051】
また、LEDユニット2には、灯火色が異なるものなど、灯火品種別に種々のものがあるが、LED光源ユニットチェッカ1がLEDユニットの種類に応じた電圧判定回路を複数有しているので、ユーザが種類選択スイッチ16によって検定するLEDユニットの種類を選択し、スタートスイッチ23を操作にするだけで、LEDユニット2の検定を簡単に行うことができる。
【0052】
本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 LED光源ユニットチェッカ、2 LEDユニット、3 LED点灯ユニット、10 航空標識灯、11 プラグ、12 電源スイッチ、13 DC化電源、14 定電流電源、15 出力スイッチ、16 種類選択スイッチ、17 電圧検知回路、18 電圧判定部、19 判定表示部、19A 表示部、20 タイマ部、21、22 接続端子、23 スタートスイッチ、24,25,26 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを有するLED光源ユニットへ、所定の第1の期間だけ所定の定電流を供給するための定電流電源と、
前記LED光源ユニットへ前記所定の定電流を供給した場合の、前記LED光源ユニットに発生する順電圧を検知して、検知した順電圧が前記所定の範囲にあるか否かを判定する電圧判定部と、
前記電圧判定部において判定された判定結果を告知する告知部と、
を有することを特徴とするLED光源ユニットチェッカ。
【請求項2】
前記告知部は、前記検知した順電圧が前記所定の範囲を上回る場合と、前記検知した順電圧が前記所定の範囲内にある場合と、前記検知した順電圧が前記所定の範囲を下回る場合とを告知するための、表示器を有することを特徴とする請求項1に記載のLED光源ユニットチェッカ。
【請求項3】
前記電圧判定部は、前記LED光源ユニットの種類に応じた複数の電圧判定回路を有し、
前記電圧判定部において、前記LED光源ユニットの種類に応じて前記複数の電圧判定回路の中の1つが選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED光源ユニットチェッカ。
【請求項4】
前記所定の第1の期間をカウントする第1のタイマを有し、
前記第1のタイマは、前記LED光源ユニットの検定の開始を指示する信号が入力されると前記所定の第1の期間のカウントを開始することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のLED光源ユニットチェッカ。
【請求項5】
所定の第2の期間をカウントする第2のタイマを有し、
前記第2のタイマは、前記LED光源ユニットの検定の開始を指示する信号が入力されると前記所定の第2の期間のカウントを開始し、
前記告知部は、前記第2のタイマが前記所定の第2の期間が終了するまで前記判定結果を告知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のLED光源ユニットチェッカ。
【請求項6】
前記告知部は、前記判定結果を記憶するメモリ機能を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のLED光源ユニットチェッカ。
【請求項7】
前記LED光源ユニットは、航空標識灯のためのLED光源ユニットであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のLED光源ユニットチェッカ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−204176(P2012−204176A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68461(P2011−68461)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】