ＬＥＤ照射グロースティック
ＬＥＤ照射グロースティック装置は、少なくとも部分的に透明な柔らかいクッション部材により囲繞された光伝送管を照射するためにマルチカラーＬＥＤを用いている。 このＬＥＤ照射グロースティックは、種々の異なる色で発光することができる。 また、このＬＥＤ照射グロースティックは、再使用可能、再充電可能で子供にとっても安全である。 更に、このＬＥＤ照射グロースティックは、安全機器及び玩具としても有用である。 このＬＥＤ照射グロースティックは、ＬＥＤ懐中電灯を更に備えることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、グロースティックユニットの分野、特にＬＥＤ照射グロースティックに関する。
【背景技術】
【０００２】
グロースティックは、発光性の化学物質で充填された小型のプラスチック管として広く知られている。
化学物質ベースのグロースティックは、機械的に始動されると明るく発光し、通常、特に暗闇において直ちに視認できる単一の明るくて刺激的な色を発する。
【０００３】
化学物質ベースのグロースティックは、ユニット内での発光化学反応を開始することにより始動され、一般的には、柔軟性のあるプラスチック管を曲げることにより脆くしてある分離部を分離させて、管内で種々の化学物質を反応可能な状態としている。
一旦、かかる化学反応が始まると、完全に化学反応が終了してしまうまで途中で止めることはできない。
化学物質ベースのグロースティックは、通常、数時間のオーダーのある所定時間発光し続けるが、当該時間後には、グロースティックは消耗し、それ以上発光しなくなる。
消耗した化学物質ベースのグロースティックを再充電することはできず、一般的には一度の使用で廃棄されている。
【０００４】
明るくて刺激的な色で発光可能なことにより、グロースティックは、特に夜に使用されるときには乗り物や歩行者のための安全装置として非常に有用である。
更にまた、グロースティックは非常に娯楽性に富んでおり、通常、玩具やノベルティ製品として、あるいはこれらに組み込まれて使用されている。
【０００５】
有用で娯楽性に富んでいるものの、化学物質ベースのグロースティックは一度しか使用できず、使用後は廃棄されなければならない。
化学物質ベースのグロースティックのような使い捨て製品は、過剰な廃棄物処理というグローバルな問題を深刻化させている。
更に、プラスチック及び液体化学物質から構成されていることにより、化学物質ベースのグロースティックは容易に環境に対する脅威であると考えられてしまう。
また更に、化学物質ベースのグロースティックは繰り返しの始動・停止ができないため、交通標識及び自転車や自動車のような装置に組み込むには適していない。
【０００６】
また、種々の色のグロースティックが存在するものの、単一のグロースティックは一つの色しか発光できない。
このため、有用性及び装置の娯楽的価値が制約されている。
【０００７】
電子発光ライト（electroluminescent lights）はグロースティックと類似している。
電子発光ライトは通常、電子発光ガスが充填されたガラス管から作製される。
電流が流れると、この電子発光ライトは明るく発光する。
使用されるガスとガラス管表面にコーティングされる蛍光物質とを変化させることにより、電子発光ライトは多くの明るくて刺激的な色で発光できるように製造され得る。
例えば、ネオンライトは明るい赤色で発光する一方、蛍光灯は明るい白色で発光する。
【０００８】
電子発光ライトは始動・停止が可能であるので、発光する交通標識及び自動車等の装置に好適である。
しかしながら電子発光ライトは、緊急時の使用や玩具への応用には適していない。
電子発光ライトは一般に、電子発光効果を励起させるための高電圧を必要とする。
このような高電圧を発生させるために、一般に大きくて比較的重い出力変換器あるいは変圧器が必要とされる。
これらの出力変換器を必要とするため、電子発光ライトは小型の携帯機器に組み込むには不適切なものである。
更に、電子発光ライトは相対的に、高電圧であると共に電力消費も大きいので、小さなバッテリーで駆動させるには不適切なものである。
また、電子発光ライトは一般にガラス管から構成されている。
このため電子発光ライトには高電圧が必要であり、玩具に使用するのは危険である。
【０００９】
グロースティックを別の装置に組み込み、安全装置、玩具及び装飾的なアクセントとして用いることが可能である。
例えばグロースティックを、夜間に警察官が交通整理を行ったり、事故車が通行車両に注意を促したりするのに使用することが可能であると共に、夜間に歩行者や自転車に乗っている人が路上で使用することが可能である。
グロースティックは、特に暗い場所で子供達が玩具として使用することが可能である。
グロースティックは、自動車やコンピュータ内に取り付けて目立つアクセントとすることも可能である。
【００１０】
化学物質で充填されたプラスチック管から製造される化学物質ベースのグロースティックは、一度の使用しかできず、使用後は廃棄されなければならないという欠点を有している。
環境に優しくないことに加えて、グロースティックはしばしば毒性のある化学物質を用いて製造され、これにより子供が使用するには不適切であるとされている。
更に、かかる化学物質ベースのグロースティックは、点灯／消灯させたり点滅させたりすることはできない。
また更に、種々の色の化学物質ベースのグロースティックを製造することはできるが、単一のグロースティックは一つの固定した色でしか発光できないという制約がある。
化学物質ベースのグロースティックのこういった欠点は、娯楽的価値及び安全装置としての有用性を低下させるものである。
【００１１】
電子発光ライトは一般に、ガラスから製造されると共に高い作動電圧を必要とする。
その結果、このような装置は一般に、重くて割れやすい上、高電圧による電気ショックや割れたガラスにより負傷するといった危険性をもたらす。
従って、これらの装置は、携帯機器への応用やバッテリー駆動に好適なものではない。
更に、これらの装置は一般に、子供が使うには適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
一の実施例によれば、本発明は、再使用可能、再充電可能、複数色を発光可能、多数のパターンで発光可能、停止可能且つ再起動可能で、ＬＥＤ懐中電灯としても機能するものであると共に、ポータブルで子供にも使用可能なＬＥＤ照射グロースティックを提供することを目的としている。
更に、本発明によるＬＥＤ照射グロースティックは、複数を互いに連結可能とされており、安全性と娯楽的価値を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
上記の点に鑑み、本発明は、少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤと、該マルチカラーＬＥＤに近接して設けられ、前記マルチカラーＬＥＤが作動したときに照射する光伝送管と、前記マルチカラーＬＥＤを多色照射するよう制御する制御回路と、少なくとも部分的に透明とされ、前記光伝送管を囲繞するクッション部材とを備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置を提供する。
また、本発明は、ＬＥＤ懐中電灯を更に備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
図１は、本発明の好適な実施形態によるＬＥＤ照射グロースティックであって、一部を破断して示すことにより、グロースティックの内部構造を視認可能としている。
ハンドル１は、ＡＢＳ（商標）樹脂のような硬質材料により構成され得るものであって、このハンドル１は、柔軟なゴムのような柔らかいグリップ材料で覆っても良いものである。
該ハンドルは、手の形態に適用するよう、人間工学的に形成することができる。
この柔らかいグリップにより、操作性が向上される。
更には、このグリップは、手を握った形状により適合するように人間工学的に形成することができる。
柔らかいというハンドル１の特性により、触感的にも面白いものとなり、娯楽的価値を高めることができる。
【００１５】
少なくとも部分的に透明または半透明とされたクッション部材１１はハンドル１に取り付けられ、これにより長方形状、正方形状あるいはＤ字状を為す一体構造を形成している。
クッション部材１１もシリコーンのような柔らかい材料から形成され、これにより、クッション部材１１も光を伝送することができる一方で、装置の触感性を向上させることができる。
クッション部材１１内には、中実の伝送管１０が設けられている。
この発光管はＬＥＤ光源２及び９からの光を伝送することができるので、管１０の全体で光を照射することができる。
管１０は、照射の際に光を伝送することのできる材料、例えばアクリル系の材料で形成することができる。
【００１６】
本発明の一実施例によれば、グロースティックは、２つのマルチカラーＬＥＤ２及び９を備えており、これらは中実の管１０の一端と他端にそれぞれ設けられている。
マルチカラーＬＥＤの各々は、それぞれのＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８上に、赤色、青色及び緑色のＬＥＤを一緒に組み合わせた形で構成されている。
マルチカラーＬＥＤ２及び９の各々は、赤色、青色及び緑色の種々の組み合わせをオン・オフすることにより、複数の目立つ色を作り出すことができる。
従って、各個々の赤色、青色及び緑色のＬＥＤを全てオフにしたり、そのうちの１つあるいは２つをオンすることができるので、２つのマルチカラーＬＥＤ２及び９は協働して更に多様な色を作り出すことができる。
本発明の別の実施例によれば、２つよりも多いマルチカラーＬＥＤが使用される。
マルチカラーＬＥＤは、例えば６つまで使用することができる。
【００１７】
マルチカラーＬＥＤ２及び９は、別々のＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８上にそれぞれ取り付けられる。
これらＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８は、制御用プリント基板の回路基板６にそれぞれ電気的に接続されており、この回路基板６は、図示しないＩＣチップのような制御用の素子がワイヤで接続されている。
これに代えて、ＬＥＤ２及び９と制御用の素子とを、同一のプリント基板上に取り付けて印刷した回路配線で接続するようにすることもできる。
ＩＣチップにより、ＬＥＤ２及び９を制御して複数のパターンや効果を生成させることが可能であり、例えば、単一の静止色を生成したり、所定の範囲に亘って色をスムーズに変化させたり色の勾配を生じさせたり、単一の光を閃光（strobe）させたり、または一の色から他の色へと切り換えたりさせることができる。
【００１８】
懐中電灯用のＬＥＤ１３をケース１に組み込むことができる。
懐中電灯用のＬＥＤ１３は、懐中電灯としての使用が望まれるときに、暗闇の中を見渡すための光を提供するために使用され得る。
この懐中電灯用のＬＥＤ１３を多色ＬＥＤとして一以上の光を発するように構成することもできる。
例えば、懐中電灯用のＬＥＤ１３は白色の光を発するものとされる。
【００１９】
スイッチボタン４は、このボタンが押されたときの信号を図示しない制御用ＩＣが受け取ることができるよう、制御用プリント基板６に電気的あるいは機械的に接続されている。
このボタンは、複数のパターン及びモードと、電源オフあるいはスタンバイモードとの間を切り換えるために使用される。
【００２０】
グロースティックの機能を制御するために複数のボタン及びスイッチを使用することが可能であり、例えばバッテリー電源を切り離すためのスイッチ１４もこれに含まれる。
このスイッチ１４を、複数の切り換えポジションを備えるトグルスイッチとすることができる。
本発明の一の実施例によれば、スイッチ１４を３ポジションのトグルスイッチとすることができ、この場合、アップポジションでは懐中電灯用のＬＥＤ１３を起動し、ダウンポジションでは伝送管１０を起動し、センターポジションではバッテリー電源を切り離すことができる。
【００２１】
電源は図１に示されるように、ケース１内に収容された一以上のバッテリー７から供給される。
これらのバッテリーは、取り外し可能としても取り外し不能としても良く、また再充電可能としても再充電不能としても良い。
本発明の一の実施例によれば、取り外し不能で再充電可能な３つの単四電池が使用されている。
【００２２】
ケース１には、電源入力用ポート５が設けられている。
この電源入力用ポート５は、バッテリー７を充電し、あるいは装置に直接的に電源を供給するために、低電圧の直流電圧を受けることができる。
【００２３】
本発明の一の実施例によれば、タブ１２が装置から延在している。
このタブ１２には、例えばユーザの首周りに吊るされるストラップがネジ止めされる穴が形成されている。
更に、本装置をストラップに取り付けて、面白い光のパターンを生成するために転回させることも可能である。
【００２４】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックを別な方向から見た図を示すものである。
バッテリー７へのアクセスを容易にするために、ケース１は、ケース上部セクション２１とケース下部セクション２２とを備えている。
【００２５】
図３Ａ及び図３Ｂは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの追加的な特徴を示す図である。
図３Ａは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの第１の側部を示している。
ケース１には、上部穴３１と下部穴３２とが形成されている。
図３Ｂは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの第２の側部を示している。
ケース１には、上部ペグ（peg）３３と下部ペグ３４とが形成されている。
これらペグ３３及び３４と穴３１及び３２とは、ペグを穴に位置決めすることにより本発明による第１のＬＥＤ照射グロースティックを第２のＬＥＤ照射グロースティックに結合させることができるように構成されている。
このようにして、より大きな、視覚的により目立つ装置を形成するために２つ以上のＬＥＤ照射グロースティックを結合させることができ、これにより、本装置の安全性及び娯楽的価値の双方を高めることができる。
【００２６】
図４は、他の実施例によるＬＥＤ照射グロースティックを示している。
この実施例において小ケース４３は、図示しない制御用のプリント基板、図示しないバッテリー、ボタン４４、電源入力用ポート４５、及び一つ以上のマルチカラーＬＥＤ４１を内蔵している。
透明または半透明とされたクッション部材４０は、長方形状、正方形状あるいはＤ字状を為す一体構造を形成している。
小ケース４３はクッション部材４０内に取り付けられている。
あるいはこれに代えて、クッション部材を各端部で小ケース４３に取り付けることができるように、小ケース４３をクッション部材４０とほぼ等しい径を有するように構成しても良い。
クッション部材４０は、シリコーン（商標）のような柔らかい材料から形成され、これにより、光を発することができる一方で、装置の触感性を向上させることができる。
また、クッション部材４０内には光伝送器４２が設けられている。
この光伝送器は、光伝送器４２の本体全体を通じてＬＥＤ光源からの光を伝送することができるので、光伝送器の全体で光を照射することができる。
この光伝送器４２は、照射の際に光を伝送することのできる材料、例えばアクリル系の材料で形成することができる。
【００２７】
上述した内容は、単に例として示されたものであり、当業者であれば種々の改変及び適合を行うことが可能であることは理解されるべきである。
従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の一実施例のＬＥＤグロースティックの斜視図を一部破断して示したものである。
【図２Ａ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの側面図を示すものである。
【図２Ｂ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの正面図を示すものである。
【図２Ｃ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの別の斜視図を示すものである。
【図３Ａ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの斜視図を示すものである。
【図３Ｂ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの正面図を示すものである。
【図４】本発明の第２の施例のＬＥＤグロースティックの斜視図を一部破断して示したものである。
【符号の説明】
【００２９】
１ ケース
２，９，１３，４１ ＬＥＤ
３，８ ＬＥＤ用プリント基板
４ スイッチボタン
５，４５ 電源入力用ポート
６ 制御用プリント基板
７ バッテリー
１０ 伝送管
１１，４０ クッション部材
１２ タブ
１４ スイッチ
２１ ケース上部セクション
２２ ケース下部セクション
３１ 上部穴
３２ 下部穴
３３ 上部ペグ
３４ 下部ペグ
４３ 小ケース
４４ ボタン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、グロースティックユニットの分野、特にＬＥＤ照射グロースティックに関する。
【背景技術】
【０００２】
グロースティックは、発光性の化学物質で充填された小型のプラスチック管として広く知られている。
化学物質ベースのグロースティックは、機械的に始動されると明るく発光し、通常、特に暗闇において直ちに視認できる単一の明るくて刺激的な色を発する。
【０００３】
化学物質ベースのグロースティックは、ユニット内での発光化学反応を開始することにより始動され、一般的には、柔軟性のあるプラスチック管を曲げることにより脆くしてある分離部を分離させて、管内で種々の化学物質を反応可能な状態としている。
一旦、かかる化学反応が始まると、完全に化学反応が終了してしまうまで途中で止めることはできない。
化学物質ベースのグロースティックは、通常、数時間のオーダーのある所定時間発光し続けるが、当該時間後には、グロースティックは消耗し、それ以上発光しなくなる。
消耗した化学物質ベースのグロースティックを再充電することはできず、一般的には一度の使用で廃棄されている。
【０００４】
明るくて刺激的な色で発光可能なことにより、グロースティックは、特に夜に使用されるときには乗り物や歩行者のための安全装置として非常に有用である。
更にまた、グロースティックは非常に娯楽性に富んでおり、通常、玩具やノベルティ製品として、あるいはこれらに組み込まれて使用されている。
【０００５】
有用で娯楽性に富んでいるものの、化学物質ベースのグロースティックは一度しか使用できず、使用後は廃棄されなければならない。
化学物質ベースのグロースティックのような使い捨て製品は、過剰な廃棄物処理というグローバルな問題を深刻化させている。
更に、プラスチック及び液体化学物質から構成されていることにより、化学物質ベースのグロースティックは容易に環境に対する脅威であると考えられてしまう。
また更に、化学物質ベースのグロースティックは繰り返しの始動・停止ができないため、交通標識及び自転車や自動車のような装置に組み込むには適していない。
【０００６】
また、種々の色のグロースティックが存在するものの、単一のグロースティックは一つの色しか発光できない。
このため、有用性及び装置の娯楽的価値が制約されている。
【０００７】
電子発光ライト（electroluminescent lights）はグロースティックと類似している。
電子発光ライトは通常、電子発光ガスが充填されたガラス管から作製される。
電流が流れると、この電子発光ライトは明るく発光する。
使用されるガスとガラス管表面にコーティングされる蛍光物質とを変化させることにより、電子発光ライトは多くの明るくて刺激的な色で発光できるように製造され得る。
例えば、ネオンライトは明るい赤色で発光する一方、蛍光灯は明るい白色で発光する。
【０００８】
電子発光ライトは始動・停止が可能であるので、発光する交通標識及び自動車等の装置に好適である。
しかしながら電子発光ライトは、緊急時の使用や玩具への応用には適していない。
電子発光ライトは一般に、電子発光効果を励起させるための高電圧を必要とする。
このような高電圧を発生させるために、一般に大きくて比較的重い出力変換器あるいは変圧器が必要とされる。
これらの出力変換器を必要とするため、電子発光ライトは小型の携帯機器に組み込むには不適切なものである。
更に、電子発光ライトは相対的に、高電圧であると共に電力消費も大きいので、小さなバッテリーで駆動させるには不適切なものである。
また、電子発光ライトは一般にガラス管から構成されている。
このため電子発光ライトには高電圧が必要であり、玩具に使用するのは危険である。
【０００９】
グロースティックを別の装置に組み込み、安全装置、玩具及び装飾的なアクセントとして用いることが可能である。
例えばグロースティックを、夜間に警察官が交通整理を行ったり、事故車が通行車両に注意を促したりするのに使用することが可能であると共に、夜間に歩行者や自転車に乗っている人が路上で使用することが可能である。
グロースティックは、特に暗い場所で子供達が玩具として使用することが可能である。
グロースティックは、自動車やコンピュータ内に取り付けて目立つアクセントとすることも可能である。
【００１０】
化学物質で充填されたプラスチック管から製造される化学物質ベースのグロースティックは、一度の使用しかできず、使用後は廃棄されなければならないという欠点を有している。
環境に優しくないことに加えて、グロースティックはしばしば毒性のある化学物質を用いて製造され、これにより子供が使用するには不適切であるとされている。
更に、かかる化学物質ベースのグロースティックは、点灯／消灯させたり点滅させたりすることはできない。
また更に、種々の色の化学物質ベースのグロースティックを製造することはできるが、単一のグロースティックは一つの固定した色でしか発光できないという制約がある。
化学物質ベースのグロースティックのこういった欠点は、娯楽的価値及び安全装置としての有用性を低下させるものである。
【００１１】
電子発光ライトは一般に、ガラスから製造されると共に高い作動電圧を必要とする。
その結果、このような装置は一般に、重くて割れやすい上、高電圧による電気ショックや割れたガラスにより負傷するといった危険性をもたらす。
従って、これらの装置は、携帯機器への応用やバッテリー駆動に好適なものではない。
更に、これらの装置は一般に、子供が使うには適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
一の実施例によれば、本発明は、再使用可能、再充電可能、複数色を発光可能、多数のパターンで発光可能、停止可能且つ再起動可能で、ＬＥＤ懐中電灯としても機能するものであると共に、ポータブルで子供にも使用可能なＬＥＤ照射グロースティックを提供することを目的としている。
更に、本発明によるＬＥＤ照射グロースティックは、複数を互いに連結可能とされており、安全性と娯楽的価値を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
上記の点に鑑み、本発明は、少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤと、該マルチカラーＬＥＤに近接して設けられ、前記マルチカラーＬＥＤが作動したときに照射する光伝送管と、前記マルチカラーＬＥＤを多色照射するよう制御する制御回路と、少なくとも部分的に透明とされ、前記光伝送管を囲繞するクッション部材とを備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置を提供する。
また、本発明は、ＬＥＤ懐中電灯を更に備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
図１は、本発明の好適な実施形態によるＬＥＤ照射グロースティックであって、一部を破断して示すことにより、グロースティックの内部構造を視認可能としている。
ハンドル１は、ＡＢＳ（商標）樹脂のような硬質材料により構成され得るものであって、このハンドル１は、柔軟なゴムのような柔らかいグリップ材料で覆っても良いものである。
該ハンドルは、手の形態に適用するよう、人間工学的に形成することができる。
この柔らかいグリップにより、操作性が向上される。
更には、このグリップは、手を握った形状により適合するように人間工学的に形成することができる。
柔らかいというハンドル１の特性により、触感的にも面白いものとなり、娯楽的価値を高めることができる。
【００１５】
少なくとも部分的に透明または半透明とされたクッション部材１１はハンドル１に取り付けられ、これにより長方形状、正方形状あるいはＤ字状を為す一体構造を形成している。
クッション部材１１もシリコーンのような柔らかい材料から形成され、これにより、クッション部材１１も光を伝送することができる一方で、装置の触感性を向上させることができる。
クッション部材１１内には、中実の伝送管１０が設けられている。
この発光管はＬＥＤ光源２及び９からの光を伝送することができるので、管１０の全体で光を照射することができる。
管１０は、照射の際に光を伝送することのできる材料、例えばアクリル系の材料で形成することができる。
【００１６】
本発明の一実施例によれば、グロースティックは、２つのマルチカラーＬＥＤ２及び９を備えており、これらは中実の管１０の一端と他端にそれぞれ設けられている。
マルチカラーＬＥＤの各々は、それぞれのＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８上に、赤色、青色及び緑色のＬＥＤを一緒に組み合わせた形で構成されている。
マルチカラーＬＥＤ２及び９の各々は、赤色、青色及び緑色の種々の組み合わせをオン・オフすることにより、複数の目立つ色を作り出すことができる。
従って、各個々の赤色、青色及び緑色のＬＥＤを全てオフにしたり、そのうちの１つあるいは２つをオンすることができるので、２つのマルチカラーＬＥＤ２及び９は協働して更に多様な色を作り出すことができる。
本発明の別の実施例によれば、２つよりも多いマルチカラーＬＥＤが使用される。
マルチカラーＬＥＤは、例えば６つまで使用することができる。
【００１７】
マルチカラーＬＥＤ２及び９は、別々のＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８上にそれぞれ取り付けられる。
これらＬＥＤ用プリント基板の回路基板３及び８は、制御用プリント基板の回路基板６にそれぞれ電気的に接続されており、この回路基板６は、図示しないＩＣチップのような制御用の素子がワイヤで接続されている。
これに代えて、ＬＥＤ２及び９と制御用の素子とを、同一のプリント基板上に取り付けて印刷した回路配線で接続するようにすることもできる。
ＩＣチップにより、ＬＥＤ２及び９を制御して複数のパターンや効果を生成させることが可能であり、例えば、単一の静止色を生成したり、所定の範囲に亘って色をスムーズに変化させたり色の勾配を生じさせたり、単一の光を閃光（strobe）させたり、または一の色から他の色へと切り換えたりさせることができる。
【００１８】
懐中電灯用のＬＥＤ１３をケース１に組み込むことができる。
懐中電灯用のＬＥＤ１３は、懐中電灯としての使用が望まれるときに、暗闇の中を見渡すための光を提供するために使用され得る。
この懐中電灯用のＬＥＤ１３を多色ＬＥＤとして一以上の光を発するように構成することもできる。
例えば、懐中電灯用のＬＥＤ１３は白色の光を発するものとされる。
【００１９】
スイッチボタン４は、このボタンが押されたときの信号を図示しない制御用ＩＣが受け取ることができるよう、制御用プリント基板６に電気的あるいは機械的に接続されている。
このボタンは、複数のパターン及びモードと、電源オフあるいはスタンバイモードとの間を切り換えるために使用される。
【００２０】
グロースティックの機能を制御するために複数のボタン及びスイッチを使用することが可能であり、例えばバッテリー電源を切り離すためのスイッチ１４もこれに含まれる。
このスイッチ１４を、複数の切り換えポジションを備えるトグルスイッチとすることができる。
本発明の一の実施例によれば、スイッチ１４を３ポジションのトグルスイッチとすることができ、この場合、アップポジションでは懐中電灯用のＬＥＤ１３を起動し、ダウンポジションでは伝送管１０を起動し、センターポジションではバッテリー電源を切り離すことができる。
【００２１】
電源は図１に示されるように、ケース１内に収容された一以上のバッテリー７から供給される。
これらのバッテリーは、取り外し可能としても取り外し不能としても良く、また再充電可能としても再充電不能としても良い。
本発明の一の実施例によれば、取り外し不能で再充電可能な３つの単四電池が使用されている。
【００２２】
ケース１には、電源入力用ポート５が設けられている。
この電源入力用ポート５は、バッテリー７を充電し、あるいは装置に直接的に電源を供給するために、低電圧の直流電圧を受けることができる。
【００２３】
本発明の一の実施例によれば、タブ１２が装置から延在している。
このタブ１２には、例えばユーザの首周りに吊るされるストラップがネジ止めされる穴が形成されている。
更に、本装置をストラップに取り付けて、面白い光のパターンを生成するために転回させることも可能である。
【００２４】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックを別な方向から見た図を示すものである。
バッテリー７へのアクセスを容易にするために、ケース１は、ケース上部セクション２１とケース下部セクション２２とを備えている。
【００２５】
図３Ａ及び図３Ｂは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの追加的な特徴を示す図である。
図３Ａは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの第１の側部を示している。
ケース１には、上部穴３１と下部穴３２とが形成されている。
図３Ｂは、図１に示されるＬＥＤ照射グロースティックの第２の側部を示している。
ケース１には、上部ペグ（peg）３３と下部ペグ３４とが形成されている。
これらペグ３３及び３４と穴３１及び３２とは、ペグを穴に位置決めすることにより本発明による第１のＬＥＤ照射グロースティックを第２のＬＥＤ照射グロースティックに結合させることができるように構成されている。
このようにして、より大きな、視覚的により目立つ装置を形成するために２つ以上のＬＥＤ照射グロースティックを結合させることができ、これにより、本装置の安全性及び娯楽的価値の双方を高めることができる。
【００２６】
図４は、他の実施例によるＬＥＤ照射グロースティックを示している。
この実施例において小ケース４３は、図示しない制御用のプリント基板、図示しないバッテリー、ボタン４４、電源入力用ポート４５、及び一つ以上のマルチカラーＬＥＤ４１を内蔵している。
透明または半透明とされたクッション部材４０は、長方形状、正方形状あるいはＤ字状を為す一体構造を形成している。
小ケース４３はクッション部材４０内に取り付けられている。
あるいはこれに代えて、クッション部材を各端部で小ケース４３に取り付けることができるように、小ケース４３をクッション部材４０とほぼ等しい径を有するように構成しても良い。
クッション部材４０は、シリコーン（商標）のような柔らかい材料から形成され、これにより、光を発することができる一方で、装置の触感性を向上させることができる。
また、クッション部材４０内には光伝送器４２が設けられている。
この光伝送器は、光伝送器４２の本体全体を通じてＬＥＤ光源からの光を伝送することができるので、光伝送器の全体で光を照射することができる。
この光伝送器４２は、照射の際に光を伝送することのできる材料、例えばアクリル系の材料で形成することができる。
【００２７】
上述した内容は、単に例として示されたものであり、当業者であれば種々の改変及び適合を行うことが可能であることは理解されるべきである。
従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の一実施例のＬＥＤグロースティックの斜視図を一部破断して示したものである。
【図２Ａ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの側面図を示すものである。
【図２Ｂ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの正面図を示すものである。
【図２Ｃ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの別の斜視図を示すものである。
【図３Ａ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの斜視図を示すものである。
【図３Ｂ】図１のＬＥＤ照射グロースティックの正面図を示すものである。
【図４】本発明の第２の施例のＬＥＤグロースティックの斜視図を一部破断して示したものである。
【符号の説明】
【００２９】
１ ケース
２，９，１３，４１ ＬＥＤ
３，８ ＬＥＤ用プリント基板
４ スイッチボタン
５，４５ 電源入力用ポート
６ 制御用プリント基板
７ バッテリー
１０ 伝送管
１１，４０ クッション部材
１２ タブ
１４ スイッチ
２１ ケース上部セクション
２２ ケース下部セクション
３１ 上部穴
３２ 下部穴
３３ 上部ペグ
３４ 下部ペグ
４３ 小ケース
４４ ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤと、
該マルチカラーＬＥＤに近接して設けられ、前記マルチカラーＬＥＤが作動したときに照射する光伝送管と、
前記マルチカラーＬＥＤを多色照射するよう制御する制御回路と、
少なくとも部分的に透明とされ、前記光伝送管を囲繞するクッション部材と、
を備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項２】
前記少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤは、２つのマルチカラーＬＥＤであって、２つの該マルチカラーＬＥＤは、前記光伝送管の一端と他端にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項３】
前記制御回路が、所定の範囲に亘って光のスムーズな変化を生成するために前記光伝送管を照射させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項４】
前記制御回路が、複数色の任意の一色で連続的に前記光伝送管を照射させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項５】
前記制御回路が、複数色の任意の一色で前記光伝送管を閃光させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項６】
前記制御回路が、複数色の間で切り換えられながら前記光伝送管を閃光させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項７】
別のグロースティック装置と結合するための機構を更に備えていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項８】
前記制御回路は、ハンドルユニット内に囲繞されていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項９】
前記ハンドルユニットは、手を握った形状に適合するように人間工学的に形成されていることを特徴とする請求項８に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１０】
前記ハンドルユニットは柔らかいものとされていることを特徴とする請求項８に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１１】
ＬＥＤ照射グロースティックに取り付けられたタブを更に備えており、該タブには前記装置を紐で吊るすための穴が形成されていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１２】
ＬＥＤ懐中電灯を更に備えていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１】
少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤと、
該マルチカラーＬＥＤに近接して設けられ、前記マルチカラーＬＥＤが作動したときに照射する光伝送管と、
前記マルチカラーＬＥＤを多色照射するよう制御する制御回路と、
少なくとも部分的に透明とされ、前記光伝送管を囲繞するクッション部材と、
を備えていることを特徴とするＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項２】
前記少なくとも一つのマルチカラーＬＥＤは、２つのマルチカラーＬＥＤであって、２つの該マルチカラーＬＥＤは、前記光伝送管の一端と他端にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項３】
前記制御回路が、所定の範囲に亘って光のスムーズな変化を生成するために前記光伝送管を照射させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項４】
前記制御回路が、複数色の任意の一色で連続的に前記光伝送管を照射させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項５】
前記制御回路が、複数色の任意の一色で前記光伝送管を閃光させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項６】
前記制御回路が、複数色の間で切り換えられながら前記光伝送管を閃光させるように前記マルチカラーＬＥＤを制御することを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項７】
別のグロースティック装置と結合するための機構を更に備えていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項８】
前記制御回路は、ハンドルユニット内に囲繞されていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項９】
前記ハンドルユニットは、手を握った形状に適合するように人間工学的に形成されていることを特徴とする請求項８に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１０】
前記ハンドルユニットは柔らかいものとされていることを特徴とする請求項８に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１１】
ＬＥＤ照射グロースティックに取り付けられたタブを更に備えており、該タブには前記装置を紐で吊るすための穴が形成されていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【請求項１２】
ＬＥＤ懐中電灯を更に備えていることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照射グロースティック装置。
【図１】
【図４】
【図４】
【公表番号】特表２００６−５２３９４１（Ｐ２００６−５２３９４１Ａ）
【公表日】平成１８年１０月１９日（２００６．１０．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−５１７８６２（Ｐ２００６−５１７８６２）
【出願日】平成１６年８月２７日（２００４．８．２７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００４／０２７８４８
【国際公開番号】ＷＯ２００５／１０８８６１
【国際公開日】平成１７年１１月１７日（２００５．１１．１７）
【出願人】（５０５２５７１６５）
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成１８年１０月１９日（２００６．１０．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年８月２７日（２００４．８．２７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００４／０２７８４８
【国際公開番号】ＷＯ２００５／１０８８６１
【国際公開日】平成１７年１１月１７日（２００５．１１．１７）
【出願人】（５０５２５７１６５）
【Ｆターム（参考）】
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