説明

LED照明装置

【課題】LED照明装置において、照明用の光源が周囲を照らすと同時に、その照明方向とは異なる方向に文字、図形または記号等の模様を表示するようにすること。
【解決手段】複数の照明用LEDを装備した照明用基板11と、この複数の照明用LEDの点灯パターンを記憶した記憶手段と、当該点灯パターンを点灯するように前記複数の照明用LEDの点灯を制御する制御手段とを備え、
前記照明用基板の基板面に対し斜めから前記点灯パターンを見たときに、当該点灯パターンが文字、図形または記号等の模様として見えるように、前記照明用基板上における前記複数の照明用LEDの配置および前記点灯パターンを最適化した、LED照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode/発光ダイオード)照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLEDを照明用光源として用いたLED照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−129202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のLED照明装置において、照明用の光源は周囲を照らす機能を持つにとどまり、その照明用の光源自身が同時に情報を表示することはなかった。
【0005】
本発明は、LED照明装置において、照明用の光源が周囲を照らすと同時に、その照明方向とは異なる方向に文字、図形または記号等の模様を表示するようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、本発明は、複数の照明用LEDを装備した照明用基板を備え、さらに、複数の照明用LEDの点灯パターンを記憶した記憶手段と、点灯パターンを点灯するように複数の照明用LEDの点灯を制御する制御手段とを備える。そして、照明用基板の基板面に対し斜めから点灯パターンを見たときに、当該点灯パターンが文字、図形または記号等の模様として見えるように、照明用基板上における複数の照明用LEDの配置および前記点灯パターンを最適化する。
【0007】
ここで、上記「照明用基板の基板面に対し斜めから」という表現は、「照明用LEDによる照射方向に対し斜めから」、「照明用LEDによる照明方向に対し斜めから」または「照明用LEDによる照度が最も強い方向に対し斜めから」と表現してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、点灯した照明用LEDにより周囲の照明が行われると共に、その照射方向に対する斜めからの視線に対しては同じLEDによる点灯パターンが文字、図形または記号等の模様を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるLED照明装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、図1に示したLED照明の正面図、底面図および右側面図を示す。
【図3】図3は、点灯パターンの一例を示す状態図である。
【図4】図4は、点灯パターンを照射方向に対し斜めの視点から見た状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を説明する。図1に示すように、本実施形態によるLED照明装置は、LED照明10と、LED照明10を駆動制御する駆動制御部20と、LED照明の点灯パターンを記憶した点灯パターン記憶部30と、点灯パターンの選択指示等を駆動制御部20に対して行う設定部40とを備えている。
【0011】
LED照明10は、複数の照明用LEDを照明用基板に装備した構成となっており、その構成は後ほど述べる。駆動制御部20は、点灯パターン記憶部30に記憶された点灯パターンに応じて複数の照明用LEDに同時に電圧を印加して視覚的なパターンを点灯させる。また、駆動制御部20は、点灯パターンを経時的に変化させる機能を備えている。点灯パターン記憶部30は、その点灯パターンを複数記憶しているメモリである。設定部40は、駆動制御部20に点灯パターンの選択指示を入力するスイッチを備えている。
【0012】
図2は、LED照明10の構成図であり、正面図と右側面図と底面図とを示している。照明用基板11には、複数の照明用LED12が実装されている。照明用LED12の配置は任意であるが、本実施形態では一例として図2に示すような縦と横の規則的な配列により複数の照明用LED12を配置している。
【0013】
図3は、図2のLED照明において、所定の点灯パターンを点灯させた状態を示している。黒塗りの矩形12onは点灯状態の照明用LEDを示し、白抜きの矩形12offは消灯状態の照明用LEDを示している。駆動制御部20は、このように、予め記憶された点灯パターンに応じて照明用LEDを選択的に点灯させる。これにより、照明用LEDから照射された光がその指向性に応じた照射方向を照らし、LED照明として機能する。ここでは、照明用LEDから照射される光は照明用基板11の法線方向において照度が最大になるものとし、その方向を照射方向と呼ぶものとする。
【0014】
この照明用基板11を人の視線に対し傾けて設置すると、図4に示すように見える。この図4の例では、照明用LED12の照射方向から約60度傾いた視線により見た状態を示している。この視線で見ると、図3に示した点灯パターンから「365」という数字を認識することができる。
【0015】
つまり、照明用LED12が照射方向を照らすことによって照明機能を提供すると同時に、その照射方向から傾いた視線に対し文字、図形または記号等の模様を表示することができる。
【0016】
本実施形態で「365」という数字を表示したのは一例であって、表示する模様は任意であり、表示したい模様に合わせて、予め各照明用LEDの配置と点灯パターンとを最適化すればよい。
【0017】
例えば、複数の照明用LEDを点状光源としてマトリクスに配置すれば、LED照明に本来の照明機能を持たせると同時に、その照射方向から傾いた視線に対して電光掲示板の機能を提供することも可能である。この場合、駆動制御部20が、点灯パターンの変更、点滅およびスクロール等の表示制御を実行すればよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明用LEDを装備した照明用基板と、この複数の照明用LEDの点灯パターンを記憶した記憶手段と、当該点灯パターンを点灯するように前記複数の照明用LEDの点灯を制御する制御手段とを備え、
前記照明用基板の基板面に対し斜めから前記点灯パターンを見たときに、当該点灯パターンが文字、図形または記号等の模様として見えるように、前記照明用基板上における前記複数の照明用LEDの配置および前記点灯パターンを最適化した、LED照明装置。
【請求項2】
複数の照明用LEDを装備した照明用基板と、この複数の照明用LEDの点灯パターンを記憶した記憶手段と、当該点灯パターンを点灯するように前記複数の照明用LEDの点灯を制御する制御手段とを備え、
前記照明用LEDによる照射方向に対し斜めから前記点灯パターンを見たときに、当該点灯パターンが文字、図形または記号等の模様として見えるように、前記照明用基板上における前記複数の照明用LEDの配置および前記点灯パターンを最適化した、LED照明装置。
【請求項3】
複数の照明用LEDを装備した照明用基板と、この複数の照明用LEDの点灯パターンを記憶した記憶手段と、当該点灯パターンを点灯するように前記複数の照明用LEDの点灯を制御する制御手段とを備え、
前記照明用LEDによる照度が最も強い方向に対し斜めから前記点灯パターンを見たときに、当該点灯パターンが文字、図形または記号等の模様として見えるように、前記照明用基板上における前記複数の照明用LEDの配置および前記点灯パターンを最適化した、LED照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−18850(P2012−18850A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156152(P2010−156152)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(510189662)ヴイアールアイ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】