説明

LIGHT標的分子およびその使用

LIGHT標的分子(例えば、LIGHT融合分子)、抗HER2抗体分子、組成物、例えば、その医薬組成物を開示する。過剰増殖性(例えば、新生物)障害または状態(癌および転移が挙げられるが、これらに限定されない)を治療、予防および/または診断するためのこれらの分子の使用方法も提供する。一実施形態において、本発明は、LIGHT標的分子を提供し、これは、ヒトLIGHTタンパク質もしくはその断片の少なくとも1つの細胞外ドメインを含み、ならびに癌細胞もしくは組織上の表面タンパク質に結合する抗体分子を標的とし、少なくとも2つの非隣接ポリペプチドを含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトLIGHTタンパク質もしくはその断片の少なくとも1つの細胞外ドメインを含み、ならびに癌細胞もしくは組織上の表面タンパク質に結合する抗体分子を標的とするLIGHT標的分子であり、少なくとも2つの非隣接ポリペプチドを含む前記LIGHT標的分子。
【請求項2】
軽鎖定常領域(C)に結合した軽鎖可変ドメイン(V)を有する第一のポリペプチド;および重鎖定常領域(C)に結合した重鎖可変ドメイン(V)を有する第二のポリペプチド、の配置であり、これらはリンカー(L)によりもしくはよらず、LIGHTタンパク質もしくはその断片のN末端に結合している非隣接ポリペプチドを少なくとも2つ含む、請求項1のLIGHT標的分子。
【請求項3】
前記抗体分子がFab断片である、請求項1または2のLIGHT標的分子。
【請求項4】
LIGHTタンパク質もしくはその断片とFab断片との、二量体もしくは三量体形態の融合物である、請求項1ないし3のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項5】
前記LIGHTタンパク質の細胞外ドメインが、(i)1つ以上のLIGHT受容体に結合すること;(ii)1種以上のケモカインもしくはサイトカイン、ケモカインもしくはサイトカイン受容体、接着分子、もしくは共刺激分子の発現を誘発すること;(iii)T細胞を活性化させること;(iv)T細胞を腫瘍細胞もしくは腫瘍組織中に動員すること;(v)腫瘍反応性T細胞増殖を活性化もしくは増強すること;(vi)腫瘍細胞もしくは組織にリンパ様微環境を生成すること;(vii)腫瘍細胞もしくは組織のアポトーシスを誘発すること;または(viii)対象における免疫応答を刺激すること、から選択される1つ以上のLIGHT関連活性を有する請求項1ないし4のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項6】
前記LIGHTタンパク質の細胞外ドメインが配列番号1の93〜240位のアミノ酸(ヒトLIGHTアイソフォーム1)、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ配列を含む、請求項1ないし5のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項7】
前記抗体分子がHER2/neu、HER3、HER4、上皮成長因子受容体(EGFR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、Met、Ron、Cripto;αvβ6、α6β4、ラミニン受容体(LAMR)、CD23、CD20、CD16、EpCAMおよびTweak受容体(FN14)からなる群から選択される癌細胞タンパク質に結合する、請求項1ないし6のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項8】
前記抗体分子がヒトHER2、CD23またはIGFRに結合する、請求項1ないし7のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項9】
以下のうちの1つ以上:
(i)少なくとも1×10−7Mの解離定数(Kd)を特徴とする親和性でHER2に結合すること;
(ii)他のHERファミリーメンバーとの有意な交差反応なくHER2に結合すること;
(iii)配列番号105の約1〜196位のアミノ酸(ヒトHER2)に対応するドメイン1のエピトープ(D1)、配列番号105の約197〜318位のアミノ酸に対応するドメイン2のエピトープ(D2)、配列番号105の約319〜508位のアミノ酸に対応するドメイン3のエピトープ(D3)、もしくは配列番号105の約508〜630位のアミノ酸に対応するドメイン4のエピトープ(D4)、あるいはそれらの組み合わせから選択されるHER2上の直線状もしくは立体構造エピトープに結合すること;
(iv)HER2、AKTもしくはMAPキナーゼの1つ以上のリン酸化反応を低減すること;またはHER2のホモ二量体化もしくはHER2およびHER3のヘテロ二量体化、および/もしくはEGFRを有するHER2を低減すること;
(v)インビトロおよびインビボでHER2発現細胞の活性を阻害するもしくは細胞死を誘発すること;
(vi)HER2依存性乳腫瘍細胞、結腸直腸腫瘍細胞もしくは胃腫瘍細胞保因の異種移植腫瘍モデルにおいて抗腫瘍免疫応答を誘発すること;または
(vii)単一療法後、もしくは腫瘍再発後に腫瘍増殖もしくは転移の長期の低減を誘発すること、
から選択される活性を有する、請求項1ないし8のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項10】
前記抗体分子が、配列番号11および13(BIIB71F10 VHおよびVL)、配列番号15および17(BIIB69A09 VHおよびVL)、配列番号19および21(BIIB67F10 VHおよびVL)、配列番号23および25(BIIB67F11 VHおよびVL)、配列番号27および29(BIIB66A12 VHおよびVL)、配列番号31および33(BIIB66C01 VHおよびVL)、配列番号35および37(BIIB65C10 VHおよびVL)、配列番号39および41(BIIB65H09 VHおよびVL)、ならびに配列番号43および45(BIIB65B03 VHおよびVL)からなる群から選択される重鎖および軽鎖可変(VHおよびVL)アミノ酸配列;またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むFab断片である、請求項9のLIGHT標的分子。
【請求項11】
1、2、3、4または5つの(GS)反復を含むリンカーを含む、請求項1ないし10のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項12】
配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号109のアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1ないし11のいずれかのLIGHT標的分子。
【請求項13】
配列番号101もしくは174のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号103のアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ配列を含む、請求項8のLIGHT標的分子。
【請求項14】
配列番号163のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号168のアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ配列を含む、請求項8のLIGHT標的分子。
【請求項15】
BIIB71F10(配列番号11、13)、BIIB69A09(配列番号15、17);BIIB67F10(配列番号19、21);BIIB67F11(配列番号23、25)、BIIB66A12(配列番号27、29)、BIIB66C01(配列番号31、33)、BIIB65C10(配列番号35、37)、BIIB65H09(配列番号39、41)およびBIIB65B03(配列番号43、45)からなる群から選択される抗体由来の全6つのCDR、または前記CDRと同一もしくは2つを超える改変を有することがないCDRを含むHER2に結合する精製した抗体分子。
【請求項16】
Fab、F(ab’)、Fv、単鎖Fv断片、および単一ドメイン抗体からなる群から選択される抗体断片である、請求項15の抗体分子。
【請求項17】
請求項1ないし12のいずれかのLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離核酸。
【請求項18】
請求項13のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離核酸。
【請求項19】
請求項14のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離核酸。
【請求項20】
請求項15または16の抗体分子をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
【請求項21】
請求項1ないし12のいずれかのLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項22】
請求項13のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項23】
請求項14のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項24】
請求項15または16の抗体分子をコードするヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項25】
請求項1ないし12のいずれかのLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含むベクター。
【請求項26】
請求項13のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含むベクター。
【請求項27】
請求項14のLIGHT標的分子をコードするヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含むベクター。
【請求項28】
請求項15または16の抗体分子をコードするヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項29】
組換えLIGHT標的分子の提供方法であり、請求項1ないし12のいずれかのLIGHT標的分子をコードする核酸を含む宿主細胞を提供すること、および組換えLIGHT標的分子が発現する条件下に宿主細胞を維持すること、を含む提供方法。
【請求項30】
宿主細胞または宿主細胞が維持されている培地からLIGHT標的分子を単離することをさらに含む、請求項29の方法。
【請求項31】
医薬組成物としてのLIGHT標的分子製剤の調製をさらに含む、請求項30の方法。
【請求項32】
組換えLIGHT標的分子の提供方法であり、請求項13のLIGHT標的分子をコードする核酸を含む宿主細胞を提供すること、および組換えLIGHT標的分子が発現する条件下に宿主細胞を維持すること、を含む提供方法。
【請求項33】
宿主細胞または宿主細胞が維持されている培地からLIGHT標的分子を単離することをさらに含む、請求項32の方法。
【請求項34】
医薬組成物としてのLIGHT標的分子製剤の調製をさらに含む、請求項33の方法。
【請求項35】
組換えLIGHT標的分子の提供方法であり、請求項14のLIGHT標的分子をコードする核酸を含む宿主細胞を提供すること、および組換えLIGHT標的分子が発現する条件下に宿主細胞を維持すること、を含む提供方法。
【請求項36】
宿主細胞または宿主細胞が維持されている培地からLIGHT標的分子を単離することをさらに含む、請求項35の方法。
【請求項37】
医薬組成物としてのLIGHT標的分子製剤の調製をさらに含む、請求項36の方法。
【請求項38】
HER2に結合する抗体分子の提供方法であり、請求項15もしくは16の抗体分子をコードする核酸を含む宿主細胞を提供すること、ならびに組換えLIGHT標的分子が発現する条件下に宿主細胞を維持すること、を含む提供方法。
【請求項39】
宿主細胞または宿主細胞が維持されている培地からLIGHT標的分子を単離することをさらに含む、請求項38の方法。
【請求項40】
医薬組成物としてのLIGHT標的分子製剤の調製をさらに含む、請求項38または39の方法。
【請求項41】
請求項1ないし12のいずれかのLIGHT標的分子および医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項42】
請求項13のLIGHT標的分子および医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項43】
請求項14のLIGHT標的分子および医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項44】
請求項15もしくは16の抗体分子および医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項45】
過剰増殖性状態もしくは障害の治療方法であり、前記状態もしくは障害を呈するまたはそのリスクがある対象に有効量の請求項1ないし14のいずれかのLIGHT標的分子を投与すること、それによって、過剰増殖性状態もしくは障害を治療すること、を含む方法。
【請求項46】
新生物の細胞または組織へのLIGHT標的分子の選択的な送達方法であり、新生物の細胞または組織の死滅または除去量で請求項1ないし14のいずれかのLIGHT標的分子を新生物の細胞または組織に接触させることを含み、ここで前記の接触工程が対象においてインビトロ、エクスビボ、またはインビボで生じる、送達方法。
【請求項47】
前記対象が乳癌、胃癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌または肝臓癌から選択される過剰増殖性状態または障害に罹患する患者である、請求項45の方法。
【請求項48】
前記対象がHER2発現乳癌、胃癌、肺癌、卵巣癌、または前立腺癌に罹患する患者である、請求項45の方法。
【請求項49】
前記患者が化学療法または抗体ベースまたは外科手術に対して部分的または完全に難治性である、請求項48の方法。
【請求項50】
過剰増殖性状態もしくは障害の治療方法であり、前記状態もしくは障害を呈するまたはそのリスクがある対象に有効量の請求項15または16の抗HER2抗体分子を投与すること、それによって、前記過剰増殖性状態もしくは障害を治療すること、を含む方法。
【請求項51】
試料中のHER2タンパク質の存在の検出方法であり、(i)試料を請求項15もしくは16の抗HER2抗体分子と接触させること;ならびに(ii)抗HER2抗体分子と試料との間の複合体形成を検出することを含み、前記試料中の複合体形成が試料中のHER2の存在を示す、検出方法。
【請求項52】
新生物の状態もしくは障害の診断方法であり、(i)対象から試料を得ること;(ii)試料を請求項15もしくは16の抗HER2抗体分子と接触させること;ならびに(iii)前記抗HER2抗体分子と前記試料との間の複合体形成を検出することを含み、前記試料中の複合体形成は試料中のHER2の存在を示し、基準値と比較して前記試料中のHER2タンパク質の上昇した発現レベルが新生物の状態もしくは障害を示す、診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【公表番号】特表2012−507299(P2012−507299A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534827(P2011−534827)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062870
【国際公開番号】WO2010/051502
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】