説明

Lactobacillussakei株を特徴付けするためのマーカー遺伝子の組み合わせ

本発明は、Lactobacillus sakei株を特徴付けるためのマーカー遺伝子の新しい組み合わせに関する。特に、本発明は、特徴付けすべき株を分類し同定する目的での、この株のゲノム内のマーカー遺伝子の存在または不在のパターンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Lactobacillus sakei株を特徴付けするためのマーカー遺伝子の組み合わせに関するものである。特に、本発明は、特徴付けすべき株を分類および同定するための、この株のゲノム内におけるマーカー遺伝子の存在または不在のパターンの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新鮮な肉および魚は、栄養価は高いもののきわめて腐りやすい食品である。生産および貯蔵中、これらの食品は、加工環境からの不可避的な微生物汚染に曝露されている。このような汚染には、腐敗性生物および病原体が含まれ得る。したがって、食品加工業者にとっては、汚染物質が潜在的に危険なレベルまで発達しないように、その成長を制限することが優先事項である。利用される方法の一つは、腐敗性および病原性の微生物の成長を食い止めるために安全な細菌を用いることである。この観点から見て、肉媒介性の乳酸菌であるLactobacillus sakeiは、優れた特性を示す。
【0003】
L.sakeiは、新鮮な肉上で生存および成長して、選択技術が適用された場合に優勢な個体群を形成する能力を有する。一部の株は、欧州において、その有用な防腐特性のため、発酵ソーセージの手工業的製造および大規模製造のために広く用いられている。しかし、これらを、望ましくない細菌の成長を防ぐことにより、肉の生物防腐剤として使用することも考えられ得る(Vermeiren et al.2004 Int.J.Food Microbiol.96:149−164)。
【0004】
L.sakeiの株は、表現型形質において大幅な可変性を示し得、長い間分類するのが困難であると考えられてきた。これまでの研究では、L.sakei株を分類するためのアプローチが開示されている。RAPDパターン(Berthier and Ehrlich 1999 Int.J.Syst.Bacteriol.49:997−1007)またはSDS−PAGE可溶性タンパク質の含有量パターンの数値的解析を用いた研究では、株を二つの下位群に分割することが示唆されたが、これは定義が軟弱であり研究に従った比較が不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、これらのアプローチを通して得られたL.sakei株の分類はなお、満足のいくものではない。本発明の一つの目的は、特に食品上または生物防腐剤として使用される細菌カクテル中に存在するL.sakei株を同定するために使用できる、L.sakei株を分類、特徴付け、および同定する、より優れた方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者らは、本明細書において、L.sakeiゲノムのin silicoでの研究、およびL.sakei株の大きなコレクションについての実験的検証に基づいて、これらの株を特徴付けおよび検出するためのマーカーの組み合わせを同定した。特に、組み合わせることでL.sakei株の最適な特徴付け法を提供する、29個のマーカー遺伝子が単離された。
【0007】
本発明は、したがって、LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも二つのマーカー遺伝子を含むL.sakei株の特徴付けを可能にするマーカーの組み合わせに関する。
【0008】
好ましい実施形態において、前記組み合わせは、配列番号1〜配列番号29のマーカー遺伝子の全てを含む。
【0009】
本発明はまた、前記L.sakei株中のLSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定することからなるステップを含む、L.sakei株を特徴付けするための方法にも関する。
【0010】
好ましい実施形態において、前記配列番号1〜配列番号29のマーカー遺伝子の全ての存在または不在が決定される。
【0011】
好ましくは、前記一つまたは複数のマーカー遺伝子の存在または不在は、増幅によって、または前記一つもしくは複数のマーカー遺伝子に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションによって決定される。
【0012】
好ましい実施形態において、前記L.sakei株の分類は、上述の一つまたは複数のマーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析すること、および、基準L.sakei株のセットに関してJacquard指数またはダイス係数または任意の2値距離行列を計算することによって実施される。
【0013】
本発明はまた、以上で定義されたマーカーの組み合わせを含むDNAアレイにも関する。
【0014】
本発明の別の態様は、少なくとも二つのL.sakei株を比較する方法であって、
a)第一のL.sakei株中のLSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定すること、および
b)第二のL.sakei株中の前記少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定すること、
からなるステップを含み、前記少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在のパターンが前記第一および第二のL.sakei株間で異なっている場合にはこれらのL.sakei株は異なっているとされる方法に関する。
【0015】
好ましい実施形態において、前記配列番号1〜配列番号29のマーカー遺伝子の全ての存在または不在が決定される。
【0016】
特定の実施形態において、少なくとも二つのL.sakei株を比較する上述の方法は、Jacquard指数またはダイス係数または任意の2値距離行列を計算することにより前記マーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の別の態様は、試料中の特定のL.sakei株を定量化する方法であって、
a)以上で定義した方法により前記試料中に存在するL.sakei株を同定および/または特徴付けすること、
b)前記試料中に存在するその他の株に関して前記特定のラクトバチルス株内に差次的に存在する一つまたは複数のマーカー遺伝子を決定すること、ならびに
c)定量PCRにより一つまたは複数の前記遺伝子を増幅すること、
からなるステップを含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】L.sakeiのゲノム多様性を示す図である。73個のL.sakei単離株および外集団の基準として考慮された二つのL.curvatus単離株の間の60個の遺伝子マーカーの分布。遺伝子は、23Kの染色体、すなわちLSA0088、LSA0118、LSA0157、LSA0165、LSA0172、LSA0178、LSA0212、LSA0216、LSA0217、LSA0218、LSA0219_b、LSA0306、LSA0439、LSA509、LSA510、LSA0530、LSA0564_ac、LSA0565、LSA0567、LSA0572、LSA724、LSA727、LSA1006、LSA1182/3、LSA1220、LSA1222、LSA1227、LSA1232、LSA1283、LSA1509、LSA1510、LSA1512、LSA1510_a、LSA1510_g、LSA1572、LSA1579/80、LSA1581、LSA1584、LSA1641、LSA1640、LSA1640、LSA1720、LSA1724、LSA1730、LSA1731、LSA1806、LSA1809、LSA1874、sspT、sspA、FGP21−0001、DrsA、FGP332−0001、FGP332−0002、FGP332−0003、FGP332−0006、FGP332−0005、lacC、lacG内のその位置によって表の左側に順序付けされている。色:白色は不在、黒色は存在。株のゲノム関係の推定値を示すデンドログラムは、完全連結階層分析によって作成した。スケールは、各ノードにおける距離を表す。1という係数は完全な独立性を表し、ゼロは絶対的な同一性を示す。ノードにおけるP値は、PVCLUSTプログラムを用いたマルチスケール・ブートストラップ・リサンプリングによるクラスタ化の信頼性を示す。株は、信頼性が90%超であり単離株間の最大距離が0.5であるクラスタ分岐に基づいてグループ化した。主要な株群は、全個体群中のそのそれぞれの百分率と共に示されている。亜種型株および基準株であるL.sakei 23Kは、垂直な長方形で示されている。
【図2A】L.sakei単離株間のゲノムサイズのヒストグラム分布を示す図である。株は、ゲノムサイズ軸の上のラグ状のバーにより表されている。ヒストグラムのバーは、30kbのゲノムサイズ枠内の株の数を表す(PFGE測定の平均標準偏差)。個体群中のゲノムサイズのガウス確率分布(右側の軸上の推定された密度)は、灰色の平滑な線で示されている。亜種型株および株23Kは、アスタリスクで示されている。
【図2B】L.sakei単離株の遺伝子型クラスタ化に従った、前記L.sakei単離株のゲノムサイズの分布を示すボックスプロットを示す図である。水平の黒い線は、2020kbの平均ゲノムサイズを示している。互いの間でほとんど変動を示していないクラスタEおよびFを、分析のために共にプールした。明確さを期して、未分類の株332、LTH2070、および21をクラスタHにグループ化した。
【図3】株のゲノム関係の推定値を示すデンドログラムを、完全連結階層分析によって作成した。スケールは、各ノードにおける距離を表す。株は、信頼性が90%超であり単離株間の最大距離が0.5であるクラスタ分岐に基づいてグループ化した。遺伝子含量のマトリクスにおいては、黒色が遺伝子の存在(1)を示し、白色が遺伝子の不在(0)を表す。左側の遺伝子は、表1におけるように順序付けされている。より詳細には、マトリクスの異なる線は、以下の遺伝子マーカーに対応する:1)LSA1641、2)LSA1182およびLSA1183_c、3)LSA0172、4)LSA1731、5)LSA0211およびLSA0212、6)LSA1579およびLSA1580、7)LSA0118、8)LSA0529、9)LSA0439、10)LSA0572、11)LSA0219b、12)LSA0564_a、LSA0564_bおよびLSA0564_c、13)FGP21−0001、14)sspAおよびspiA、15)FGP332−0001、16)FGP332−0002、17)FGP332−007、18)FGP332−0008、18)FGP332−0009、19)FGP332−0010、20)FGP332−0011、21)FGP332−0011、22)FGP332−0012、23)FGP332−0013。
【発明を実施するための形態】
【0019】
その他のL.sakei株と比較して一つのL.sakei株を具体的に特徴付けするために用い得るマーカー遺伝子を同定するために、発明者らは、種に応じて高い多様性を示す可変的遺伝子を含むと考えられるL.sakei 23Kのゲノム内の可変的ゲノムアイランドをまず同定した(実施例1に記載されているステップ)。次に発明者らは、先に同定されたゲノムアイランド由来の遺伝子の存在または不在に従ってL.sakei株の分類を実施し、そうして得た分類を、その他の複数のタイプ決定技術を用いて得た分類と比較した(実施例2に記載のステップ)。最終的に、発明者らは、多数の可変的遺伝子を用いて得られる分類と比較されるL.sakei株の信頼性のある分類を得るために使用可能である、ゲノムアイランド由来の最小数の遺伝子の最適な組み合わせを同定した(実施例3に記載のステップ)。
【0020】
したがって、本発明によると、L.sakei株の特徴付けを可能にするマーカーの組み合わせは、LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも二つのマーカー遺伝子を含む。
【0021】
本明細書で使用される「マーカー」という用語は、細菌株内の標的遺伝子の存在を同定できるようにし、かつ場合によってその発現を定量化できるようにする、あらゆる生物学的、化学的、または物理的手段を意味する。かかるマーカーは、当業者にとっては周知のものである。有利には、本発明に従ったマーカーは遺伝子マーカーである。
【0022】
表1は、マーカー遺伝子の上記の遺伝子座タグおよび配列ならびに遺伝子の名称の間の対応を示している。
【0023】
表1:遺伝子マーカーの遺伝子座タグおよび名称の対応
【表1−1】

【表1−2】

【0024】
これらの遺伝子の一つまたはいくつかの組み合わせの存在または不在を用いて、特定のL.sakei株を別の密に関係する株と区別することができる。
【0025】
実施例3に記載されているように、発明者らは、これらの29個のマーカー遺伝子がその他のL.sakei株の中で一つのL.sakei株を特徴付けるために最適であることを実証した。したがって、好ましい実施形態において、前記組み合わせは、配列番号1〜配列番号29のマーカー遺伝子で構成される。
【0026】
より詳細には、図3に例示されているとおり、以上で定義付けした29個のマーカー遺伝子の存在または不在のパターンと75個のL.sakei株との間の以下の対応が得られた。
− 株DSM20019中には、配列番号21のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC494中には、配列番号21のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株AGR46中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号11、配列番号13、配列番号14、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株156中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株AGR51中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号21、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF1048中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号21、配列番号24、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF2092中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号21、配列番号24、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株195中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号21、および配列番号25のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CIP105422中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC429中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH673中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号11、配列番号12、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号25、配列番号26、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株14中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株18中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV52中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号26、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV59中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号25、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV92中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CRL1467中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC335中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株SF842中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株SF770中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株SF771中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC287中には、配列番号1、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC041中には、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC427中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株YME344中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株V553中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、および配列番号17のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV34中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、および配列番号17のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株23K中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、および配列番号17のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株72中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、および配列番号17のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株504中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株TISTR911中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株YMW540中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号21、配列番号23、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株300中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、および配列番号23のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV5中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、および配列番号23のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH2070中には、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株JG3中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH1764中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号24、配列番号27および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC6626中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株SF841中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株SF843中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC163中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH5590中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC014中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株160K中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株AGR48中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH5589中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株112中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株YMH243中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株134中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株YMW557中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株L110中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH5588中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF2091中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF2089中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF2090中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株745中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株710中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株205中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株MF2088中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC494中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株331中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号22、配列番号23、配列番号24、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株AGR53中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号22、配列番号24、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株495中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号21、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株Lb706中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号13、配列番号22、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LV21中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号13、配列番号22、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH677中には、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株332中には、配列番号1、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、および配列番号29のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株33中には、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株64中には、配列番号6、配列番号7、配列番号10、配列番号13、配列番号18、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株CTC6469中には、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号18、配列番号21、配列番号22、配列番号24、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH5728中には、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、および配列番号27のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株21中には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号22、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株TISTR890中には、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号18、配列番号21、配列番号24、および配列番号28のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株ATCC15521中には、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号21、および配列番号24のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
− 株LTH675中には、配列番号6、配列番号7、配列番号13、配列番号14、配列番号18、配列番号21、および配列番号23のマーカー遺伝子が存在し、その他のマーカー遺伝子は不在である。
【0027】
本発明はまた、L.sakei株を特徴付けするための方法であって、前記L.sakei株中の、LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定することからなるステップを含む方法にも関する。
【0028】
細菌株内の遺伝子の存在または不在を決定できる数多くの方法が当業者にとって周知である。これらの方法には、一つまたは複数の前記マーカー遺伝子の発現産物によって構成される、抗原に特異的に結合する抗体の使用、一つまたは複数の前記マーカー遺伝子由来のmRNA、cDNA、もしくはポリペプチド、またはその断片の検出が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、一つまたは複数の前記マーカー遺伝子の存在または不在は、本発明によると、増幅によって、または一つもしくは複数の前記マーカー遺伝子に特異的なDNAプローブとのハイブリダイゼーションによって決定される。
【0029】
より好ましくは、配列番号1〜配列番号29の前記マーカー遺伝子の全ての存在または不在が決定される。
【0030】
特定の実施形態において、これらのマーカー遺伝子のプローブの組み合わせは、同じ支持体、好ましくは標準化された支持体上に集められる。これらの支持体は、当業者にとって公知である。そのサイズは、一つまたは複数の前記マーカー遺伝子の存在または不在を検出するために用いられる装置に応じて変動し得る。
【0031】
有利には、本発明に従ったマーカー遺伝子の組み合わせは、標的遺伝子にハイブリダイズすると考えられる核酸断片が好ましくは標準化された要領で被着している支持体を含む、DNAマトリクスの形をしている。このような支持体のサイズは、用いられる調製方法および検出方法に応じて変動する。このような小さい支持体は、DNAアレイとも呼ばれる。
【0032】
したがって、本発明の別の態様は、以上で定義されたマーカーの組み合わせを含むDNAアレイに関する。
【0033】
本明細書で使用される「DNAアレイ」という用語は、高密度で支持体(スライドガラス、ナイロン膜など)に被着された遺伝子、遺伝子断片、オリゴヌクレオチドのセットを意味する。DNAアレイの調製および使用に関する数多くの科学文献が入手可能である。
【0034】
本発明の別の態様において、前記L.sakei株の分類は、上述の一つまたは複数のマーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析すること、および基準L.sakei株のセットに関してJacquard指数またはダイス係数または任意の2値距離行列を計算することによって実施される。Jacquard指数は、JacquardおよびFeingold、1974年(Jacquard and Feingold、1974 Theor.Popul.Biol.6:21−34)に記載されているように計算することができる。ダイス係数は、Van Rijsbergen、1979年(Van Rijsbergen、1979、Information Retrieval、London: Butterworths)が記載したように計算することができる。
【0035】
本明細書で使用される「分類」という用語は、株をその遺伝子パターンに従って複数の異なるサブファミリーにまとめることを意味する。特に、同じ遺伝子パターンを示す株は同じサブファミリーに属する。
【0036】
本明細書で使用される「基準L.sakei株」という用語は、一つまたは複数の前記マーカー遺伝子の存在または不在が本発明に従ってすでに決定されており、分類すべき前記L.sakei株を比較する対象である、L.sakei株のセットまたはコレクションを意味する。すなわち、前記基準L.sakei株は、分類すべき前記L.sakei株をその中に位置付けることが意図されたL.sakei株のサブファミリーまたはクラスタを構成するために使用されたものである。
【0037】
好ましくは、本発明に従った基準L.sakei株のセットは、表2に開示される株を含む。とは言え、その他の公知のL.sakei株を基準株として使用することもでき、それらは当業者にとって周知である。
【0038】
好ましくは、前記基準L.sakei株により構成されたL.sakei株の前記サブファミリーは、実施例3で定義されているとおりである。しかしながら、当業者であれば、クラスタ化が新しい株の同定に従って進化し得るものであることが分かっている。したがって、本明細書中に具体的に記述されていないクラスタにL.sakei株を分類するための、本発明に従った方法の使用は、本発明の範囲内である。
【0039】
本明細書で使用される「Jacquard指数」という用語は、試料セットの類似性および多様性を比較するために用いられる統計値である。Jacquard指数は、J(A,B)=|A∩B|/|A∪B|という公式に従って共通集合のサイズを試料セットの和集合のサイズで除したものとして定義される。
【0040】
好ましくは、本発明に従ったJacquard指数の計算は、基準L.sakei株の異なるサブファミリー中の前記L.sakei株の場所を表示するクラスタリングツリーを最終的に提供するソフトウェアR(R Development Core Team、2006 R:A language and environment for statistical computing.Vienna、Austria.R Foundation for Statistical Computing)を介して実施される。
【0041】
本明細書で使用される「ダイス係数」という用語は、Jacquard指数に関連する類似性の尺度である。ダイス係数は、Jacquard指数と類似であるが、s=2|A∩B|/(|A|+|B|)という公式に従って、一致に二倍の重みを付与するものである。
【0042】
本発明の別の態様は、少なくとも二つのL.sakei株を比較する方法であって、
a) 第一のL.sakei株中のLSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)およびFGP332−0013(配列番号29)からなる群から選択される少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定すること、および
b) 以上で定義されたように、第二のL.sakei株中の前記少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在を決定すること、
からなるステップを含み、前記少なくとも一つのマーカー遺伝子の存在または不在のパターンが前記第一および第二のL.sakei株の間で異なっている場合にはこれらのL.sakei株は異なっているとされる方法に関する。
【0043】
好ましくは、少なくとも二つのL.sakei株を比較する上述の方法において、前記配列番号1〜配列番号29のマーカー遺伝子の全ての存在または不在が決定される。
【0044】
特に、少なくとも二つのL.sakei株を比較する上述の方法は、以上で定義されたJacquard指数、ダイス係数、または任意の2値距離行列を計算することにより前記マーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析するステップをさらに含む。
【0045】
本発明に従った以上で定義された方法は、肉および/または魚に対する生物防腐剤として使用できる株カクテル内でL.sakei株を同定するために特に有利である。このような株カクテルを特徴付けする別の論点は、前記カクテル内に存在する各々の株の定量化にある。
【0046】
したがって本発明の別の態様は、試料中の特定のL.sakei株を定量化する方法であって、
a)以上で定義されている方法により前記試料中に存在するL.sakei株を同定および/または特徴付けること、
b)前記試料中に存在するその他の株に関して前記特定のL.sakei株内に差次的に存在する、一つまたは複数のマーカー遺伝子を決定すること、ならびに
c)定量PCRにより一つまたは複数の前記遺伝子を増幅すること、
からなるステップを含む方法に関する。
【0047】
定量PCR法は、当技術分野において周知であり、リアルタイムPCR、競合PCR、および放射性PCRを含む。
【0048】
本明細書で使用される「試料」という用語は、一つまたは複数のL.sakei株が場合によっては他の細菌種と組み合わされた状態で中に存在する試料を包含する。
【0049】
したがって、試料中の特定のL.sakei株を定量化する上述の方法には、試料中に存在する他の株から前記株を区別する先行ステップが含まれ得る。
【0050】
以下の実施例は、本発明者らが前記マーカー遺伝子を同定した方法をさらに説明するものである。これらの実施例は、以上で定義した方法を例示するものであるが、限定するものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1:Lactobacillus sakei 23K染色体におけるゲノムアイランドの検出および分析
この実施例は、本発明においてマーカーとして使用される遺伝子を有するL.sakei 23K染色体におけるゲノムアイランドの、本発明者らによる同定について記載する。
【0052】
細菌染色体は、株間での維持を示すのに充分長い間にわたり種内に存続している遺伝子を含むコア遺伝子プールと、一般的にはアイランドにクラスタ化され遺伝子水平移動(HGT)により獲得されることの多い、可変的かつ補助的な遺伝子を含む、柔軟な遺伝子プールという、二つの遺伝子セットに分けられることが認められている。
【0053】
したがって、本研究の目的は、L.sakei 23Kのゲノム内の推定上の可変的ゲノムアイランドを同定し、HGTに原因があると考えられる、生態学的に重要であると推定される細胞機能を特徴付けすることにある。
【0054】
実験手順
コドン使用頻度の分析
発現度の高い遺伝子のコドン使用頻度の痕跡を、SharpおよびWeng−Hsiung(Sharp and Weng−Hsiung 1987 Nucleic Acids Res.15:1281−1295)により紹介されたCAIを使用して調べた。CAIの計算のために基準として用いたコドン頻度は、L.sakei 23Kゲノム内で見られるリボソームタンパク質およびアミノアシル−tRNA合成酵素をコードする遺伝子に基づいて推定した。第二に、コード配列(CDS)の非監視のクラスタ化を、本発明者らによって設計されたアルゴリズムを用いて、それらの同義語コドンの使用頻度に基づいて実施した。このアプローチは、異なる遺伝子クラスにおける同義語コドンの選択を説明する混合モデルの使用に基づくものである。簡単に言うと、ユーザーによって遺伝子クラスの数が定義づけされると、モデルは、反復アルゴリズムを用いて配列に適合され、最終的なクラスタ化によって、各CDSが、その最も確率の高いクラスに関連付けされる。
【0055】
以下では、混合モデルおよびクラスタ化手順をより形式的に記載する。すなわち、混合モデルのコドン使用頻度のクラス、または構成要素の数をnで表す。各クラスuは、混合物中のその発生率qとセット確率(fu,i,j)(1≦i≦20、1≦j≦s)により特徴付けされ、ここでfu,i,jは、アミノ酸iについてのj番目の同義語コドンを使用する確率に対応し、sはアミノ酸iについての同義語コドンの数を表す。モデルパラメータqおよびfu,i,jの最大尤度推定値は、期待値最大化アルゴリズムを用いて得られる。最後に、最終的なクラスタ化は、ベイズ式を用いて各々のCDSkについて各クラスuの確率を計算した後に得られる。すなわち、p(u)は、qΠfu,i,jc(k,i,j)(式中、p(u)はCDSkがクラスuに属する確率を表し、c(k,i,j)はCDSkにおけるアミノ酸iについてのj番目の同義語コドンの出現を計数する)に正比例する。混合モデルの枠組みの具体的な提示は、McLachlanおよびPeel(McLachlan and Peel 2000 In Finite mixture models.New York:Wiley−lnterscience)において見ることができる。最後に、Medigueら、1991年(Medigue et al.、1991 J.Mol.Biol.222:851−856)において記載されているものと類似の要領でCDSの集団のグラフ表示を可能にするよう、対応分析を実施した。短いCDS(300bpから100アミノ酸長未満)および二つのシステインコドンは、関連する相対的コドン頻度の正確な推定を可能にしないことから、対応分析から削除した。さらに、全ての計数に疑似計数1を加えることによって、コドン頻度の推定値を平滑化した。
【0056】
全ての分析は、A+T含有量およびCAIを計算するため、また上述の新たなクラスタ分析を実施するC++プログラムとMULTIVパッケージのCA機能を用いて対応分析を実施するRスクリプトとの両方を呼び出すために機能する、CODONUSAGE.PLという名称のアドホックPerlスクリプトで実施した(R Development Core Team 2006 R:A language and environment for statistical computing.Vienne、Austria:R Foundation for Statistical Computing)。全てのプログラムは、URL:http://genome.jouy.inra.fr/〜pnicolas/codonmixture/にてダウンロードすることができる。
【0057】
結果
L.sakeiのコドン使用頻度は、染色体の複製および翻訳の効率によって決定される。
考えられるHGT事象を検出する目的で、L.sakei 23K遺伝子プールの組成傾向を特徴付けするために、G+C含量分析、コドン適合指数(CAI)の計算、同義語コドン使用頻度の対応分析、および上述の同義語コドンの使用頻度の混合モデリングに基づく新たな方法を用いた遺伝子プールの非監視のクラスタ化を含む、統計学的測定値のアレイを用いた。
【0058】
完全な遺伝子プールの非監視のクラスタ化により、四つの遺伝子群の同定が可能となった。第一および第二の群の遺伝子は、遺伝子プール全体の74.5%を占める。これらの遺伝子は極めて選択的に染色体複製のリーディング鎖上に位置し(93%)、CAIで測定されるその発現レベルによって区別される(タンパク質の発現レベルを反映する)。すなわち、群1の遺伝子は低いまたは平均的なCAI値を有し、一方、群2の遺伝子は高いCAI値を示す。この第2の群は、典型的な発現度の高い遺伝子、例えばS層様タンパク質、Cpl様シャペロン、および発現度の高い代謝的に重要な酵素、例えば解糖経路の酵素を含む。群3は、遺伝子プール全体の18.5%を包含し、ラギング鎖上に位置する遺伝子を主に含む(87%)。
【0059】
したがって、染色体の複製に対するその配向およびその推定翻訳効率レベルによってそのコドンの使用頻度が強く決定される三つの遺伝子群を明らかにすることができた。
【0060】
より重要なことに、このモデルにより、非定型のA+Tに富んだ含有量および低いCAI値を有する第四の遺伝子群(遺伝子プール全体の7%)の区別が可能となった。この第四群の組成パターンは、低いG+C含有量を有する遺伝子が多くの細菌内でHGTと関連することが記載されているため(Medigue et al.、1991 J.Mol.Biol.222:851−856)、HGTによって決定されている可能性がある。
【0061】
非定型のA+Tに富んだL.sakei 23K遺伝子は、ゲノムアイランド内にクラスタ化される。
この第四の遺伝子群のHGT関連の由来源を確認するため、染色体におけるそれらの対応する遺伝学的状況をさらに、より詳細に考察した。現在のところ、これらの非定型のCDSの大部分が集合して、機能的に関連性のある遺伝子の大きなアイランドを形成することが第一に指摘され、前記アイランドは多くの場合に可動要素の近くに位置し、これは、水平移動される遺伝的クラスタの古典的な特徴である(Ochman et al.、2000 Nature 405:299−304)。
【0062】
さらに、非定型のコドン使用頻度を有する遺伝子は、多くの場合、系統発生的に遠い細菌属においてのみ見られるタンパク質に相同なコード産物であった。
【0063】
これらのデータから、本発明者らは、推定HGT遺伝子プールがこのようにして、27個のゲノムアイランド(7.3kbの平均サイズで1.6から28kb)および49個の単一遺伝子で構成され、全体で235kb(12.5%)のL.sakei 23K染色体をカバーするものであったことを実証した。また、27個のゲノムアイランドが、重要でないL.sakei 23Kのゲノムに関係する可能性があることが推測された。
【0064】
実施例2:肉媒介性の乳酸菌であるLactobacillus sakeiの種内のゲノム多様性および天然の個体群構造
この実施例は、本発明者らによる、マーカー遺伝子を用いたL.sakei株の分類について記載する。
【0065】
本研究において、本発明者らは、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)ゲノムマッピング、株の階層クラスタ化のための、本発明者らにより同定された(実施例1参照)可変的遺伝子プールから得た遺伝子マーカーのPCRに基づいた検出、そして最後に、それらのそれぞれの表現型多様性を評価するためのプロテオーム比較を含む、複数のタイプ決定技術の組み合わせを実施した。さまざまな地理的場所および肉または魚関連製品の様々な供給源に対応する、さまざまな研究所コレクションからの単離株が、これらの培養化されていない株が天然のL.sakei個体群の多様性を代表するという期待に基づいて、特定的に選択された。
【0066】
これらの結果は、L.sakei単離株の分子サブタイプのレパートリーを分類するための、ゲノムに基づいた統合的な枠組みを提供する。
【0067】
実験手順
細菌株および培養条件
この研究において使用される全てのL.sakeiおよびL.curvatus株は表2に記載されている。細菌株をMRS肉汁培地(Difco)内において30℃で中期の対数増殖期まで成長させた(De man et al.、1960 J.Appl.Bacteriol.23:133−135)。プロテオーム研究のために、細菌株を、0.5%グルコースを補った化学合成培地CDM(Lauret et al.、1996 Appl Environ Microbiol.62:1922−1927)内において30℃で成長させた。
【0068】
分子生物学的技術
L.sakei 332Fのサブトラクティブ抑制ハイブリダイゼーション(SSH)を以下のように実施した。すなわち、その内因性プラスミドpRV500(Alpert et al.、2003 Appl Environ Microbiol.69:5574−5584)から保存処理したテスター株332Fを調製するために、エリスロマイシン耐性を有し、pRV500レプリコンから誘導したpRV566プラスミド(Alpert et al.、2003 Appl.Envir.Microbiol.69:5574−5584)を用いて、Berthierらの方法(Berthier et al.、1996 Appl.Envir.Microbiol.62:3037−3041)により、親L.sakei 332をエレクトロポレーションした。
【0069】
さらに、抗生物質を含まないMRSブロスにおいて30℃で、一つのエリスロマイシン耐性クローンを200世代にわたり培養した。最終培養物から得た複数の希釈物をMRS寒天上に置いた。エリスロマイシン(5μg/ml)を含むかまたは含まないMRS寒天上に200個のクローンをレプリカ平板固定することによって、一つのエリスロマイシン感受性クローンを選択することができた。repA遺伝子に特異的なプローブを用いて、サザンブロッティング法(ECL(商標)direct nucleic acid labelling、Amersham Biosciences)により、pR566プラスミドの喪失を確認した。対応する株を332Fと名付けた。
【0070】
メーカーの推奨事項に従ってClontech PCR−selected(商標)細菌ゲノムサブトラクションキットを用いて、かつドライバーとしてL.sakei 23Kを用いて、SSH実験を実施した。この技術により、L.sakei 23Kには不在である8個の新たな遺伝子が同定された。L.sakei 21由来のFGP21−0001遺伝子を、PCR産物(LSA0565からLSA566)の配列決定後に同定し、その結果、予想外のサイズが得られ、新型のバクテリオシン免疫様のタンパク質をコードする遺伝子が明らかになった。
【0071】
表2:本研究において用いられるL.sakeiおよびL.curvatus株
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【0072】
PCRに基づいた遺伝子の検出
本発明者らが同定した柔軟な遺伝子プールの存在または不在を、以下の、株のクラスタ化のためのゲノムアイランドの従来のPCRに基づいた検出および検証を用いて調査した。
PCR鋳型は73個のL.sakei株および2個のL.curvatus株から抽出した100ngの染色体DNAであった。実験を二回行い、否定的な結果を確認した。増幅が微弱であるかまたは擬似である場合、PCR産物を配列決定して、株間のヌクレオチド多型を検査した。必要な場合には、プライマーを設計し直した。
【0073】
L.sakeiおよびL.curvatus由来の染色体DNAの抽出をAndersonおよびMcKayの方法(Anderson and McKay,1983 Appl Environ Microbiol.46:549−552)により実施した。各々のPCR増幅のために、プライマー対を、産物の予想された長さが2kb未満となるように設計した。
【0074】
PCRサイクリング条件は、94℃で4分間と、それに続く、94℃で1分間、55℃で1分間、および72℃で3分間の30サイクルであった。全てのPCR産物を、1%アガロースゲルを用いて検査し、エチジウムブロマイドで染色した。一部の遺伝子の切断または予想外のサイズの産物を確認するために、10μlの単位複製配列を、20mMのTris−HCl、pH8.0、10mMのMgCl緩衝液中の0.1単位のエビアルカリホスファターゼ(USB corporation)および1UのエキソヌクレアーゼI(E.coli)(Biolabs)で、37℃で1時間にわたり処理し、それに続いて、94℃で10分間不活性化した。その後、生成物を、標準的な技術を用いて配列決定した(http://www.the−mwg.com)。
【0075】
PFGE実験およびI−CeuIパターン分析
Dudezら、2002年(Dudez et al.,2002 Microbiology.148:421−31)により記載されているように、パルスフィールドゲル電気泳動法およびI−CeuI消化パターン分析を実施した。平均4個のゲルを各株について実施した。そのゲノムサイズにしたがった株の分布を、R統計パッケージのHIST関数および確率密度関数を用いて検査した(R Development Core Team 2006 R:A language and environment for statistical computing.Vienna、Austria:R Foundation for Statistical Computing)。分析のために、ガウス確率分布および30(ゲノムサイズ推定の平均標準偏差)という平滑化帯域幅を選択した。
【0076】
株のクラスタ化
試験した株の遺伝子含有量は、遺伝子の不在の場合は0、そして存在の場合は1という、2文字のマトリクス(遺伝子×単離株)を使用することにより記述された。ISエレメントにより切断された遺伝子は、それらの野生型対応物とは異なる遺伝子同一性とみなした。株間の類似性を、Jacquardの相関係数を用いて決定した(Jacquard and Feingold、1974 Theor Popul Biol.6:21−34)。非監視の階層クラスタ化を、類似性マトリクス上の完全な連結を用いて実施した。クラスタ化のデンドログラムを作成するために、R統計パッケージ(R Development Core Team 2006 R:A language and environment for statistical computing.Vienna、Austria:R Foundation for Statistical Computing)のDIST、HCLUST、およびDENDROGRAMという関数を使用した。各ノードの統計的安定性を評価する目的でのマルチスケール・ブートストラップ・リサンプリングのために、RパッケージのPVCLUST(SUZUKI and Shimodeira、2006 Bioinformatics、22:1540−1542)を使用した。ブートストラップ複製の数は1000であった。考えられる株クラスタを区別するために、90%以上の近似的に不偏なP値および50%以上のJacquard類似性係数を使用した。
【0077】
2Dゲル電気泳動およびペプチドマスフィンガープリンティングによるタンパク質の同定
標準的な方法により、細菌抽出物の調製および電気泳動を実施した(Jofre et al.,2007 Res.Microbiol.158:512−520)。Image Masterソフトウェア(Amersham Pharmacia Biotech)によってゲルを分析した。Marceauら(Marceau et al.,2004 Appl Environ Microbiol.70:7260−7268)により記載されているように、クマシー染色したゲルからスポットを切除し、Guillotら(Guillot et al., 2000 lnt J Food Microbiol. 55:47−51)によって以前に記載されたように、質量分析を実施した。ローカルサーバー上にインストールしたMS−Fit(University of California San Francisco Mass Spectrometry Facility、http://prospector.ucsf.edu)およびMascot(Matrix Science Inc.、Boston、MA、http://www.matrixscience.com/search_form_select.html)を用いて、ペプチドマスフィンガープリントからのタンパク質を同定した。全てのサーチを、L.sakei 23Kのデータベース(http://www.migale.jouy.inra.fr/sakei)に対して実施した。
【0078】
結果
L.sakei株の選択
天然のL.sakei個体群の生物学的多様性を入念に推定するため、発明者らは、さまざまな肉もしくは魚関連食品(生もしくは発酵)またはザウアークラウトおよびヒトの便を含むその他の供給源から単離した株を注意深く分析した。さらに、使用した単離手順または分析した食品原料のタイプが原因で、単一の研究所の細菌コレクション中にサンプリングバイアスが存在する可能性があるため、L.sakei株は、欧州、アジア、およびニュージーランド内に地理的に散在する、14個の異なる研究所のコレクションから選択した。合計73個のL.sakei株を、外部種基準(外集団基準)と考えられるL.sakei種に近い類縁である二つのLactobacillus curvatus株と同様に選択し、分析した(表2)。
【0079】
柔軟な遺伝子プールのPCRベースの検出による主要なL.sakei分子サブタイプの同定
L.sakei 23K染色体のin silico分析について記載する実施例1において、発明者らは、27個のゲノムアイランドおよび49個の独立した遺伝子を含むその推定柔軟遺伝子プールを同定した。発明者らは、L.sakei単離株のクラスタ化分析のために、従来のPCRを使用することにより、この遺伝子プールの存在または不在(株間で可変的であると仮定されている)を検査することを決定した。
【0080】
この戦略を、これらの遺伝子の種内変動を実証するために、20株のセットに対する予備的PCR実験で最初に試験した。5つのアイランドだけが良く保存されていることが明らかとなり、したがって分析からこれらを除外した。横方向移動の可能性が高い可動エレメント(挿入配列、ファージ、および制限/修飾系)に起因したクラスタ化の妨害を回避するために、これらの遺伝子も分析から外した。さらに、発明者らは、各ゲノムアイランド内部の大部分の遺伝子が類似の変動パターンを通常は示している(アイランド全体が通常は存在するかまたは不在である)ことを示した。したがって、大きなゲノムクラスタ(より小さなゲノムクラスタに比べてより多くの遺伝子を含むもの)からの偏向を避けるため、最大4個の遺伝子(異なる変動パターンを最終的に示すもの)を各クラスタについて選択した。
【0081】
さらに、L.sakei 23K染色体には不在であったその他のL.sakei株から得られる染色体にコードされた11個の遺伝子を分析に組み込んだ。これらの遺伝子は、以前に公表されたクラスタから一部選択し、その他のL.sakei株の部分的なゲノム配列決定から一部得た。したがって、この選抜の結果として、約80%の遺伝子がL.sakei 23K(21個のゲノムアイランドおよび4個の独立した遺伝子を表す)に由来し、約20%の遺伝子がその他の株に由来した。これらの60個の遺伝子の特徴は、表3および表4にまとめられている。
【0082】
60個の遺伝子のPCR分析に基づいて、発明者らは、非監視完全連結階層クラスタ化アルゴリズムを使用することおよびマルチスケール・ブートストラップ・リサンプリングを介してP値を推定してクラスタ化分析の不確実性を評価することによる、L.sakei天然単離株の分類を試みた(図1)。得られたデンドログラムから、発明者らは、三つの主要な群に分割される少なくとも11個のブートストラップ支持型の株クラスタを明確に同定した。
【0083】
クラスタAは基準株23Kを含み、クラスタBからDは、共に群1を形成している、このクラスタAに密に関係する株を含む。その他の群は、群1との関係性が階層的に低く、L.サケイ亜種carnosus型株CIP 105422T(クラスタG、群2)およびL.sakei亜種sakei型株ATCC 15521T(クラスタK、群3)を含む株クラスタであり、後者は、群1との関係が最も遠い。群3からの三つの株(332、21、およびLTH2070)は、クラスタHとクラスタIの間で確実にクラスタ化することができなかった。
【0084】
L.sakeiの遺伝子型クラスタ間の染色体サイズおよび幾何形状の変動
発明者らは次に、I−CeuIで消化された断片のPFGE分析による、L.sakei単離株間のゲノムサイズ変動の程度を調査した。L.sakei染色体のI−CeuIマッピングは、結果として、さまざまなサイズの七つのDNA断片をもたらし(Dudez et al.,2002 Microbiology.148:421−31)、L.sakei株間で全体的なゲノムサイズおよび幾何形状を決定する上での効率の良い手段である。
【0085】
この分析により、L.sakei株間のゲノムサイズの大きな差異が明らかとなった。平均染色体サイズは、種では2020±30kbであるが、サイズ範囲は、1814±30kb(株CTC427)から2309±79kb(株LTH677)までにわたっており、したがってこれは約25%のゲノム変動(約500kb)を表している。さらに特筆すべきは、L.sakei株の染色体サイズがこの範囲に沿って均質に分布しておらず(図2A)、ゲノムサイズデータのガウス確率分布が、株が亜個体群へ分割される可能性を示唆していたという観察結果である。
【0086】
PGFE亜個体群をさまざまな遺伝子型クラスタ内での株の分布により説明できるか否かを評価するために、発明者らは、11個のクラスタにわたるゲノムサイズ分布を分析した(図2B)。発明者らは、ゲノムサイズが株クラスタ間で比較的均一であることを実証した。発明者らは同様に、群1(クラスタA、B、C、およびD)由来のL.sakei単離株が小さなゲノム(平均サイズ1915kb±79kb)を通常は含み、一方、群2(クラスタE、F、およびG)ならびに群3(クラスタH、I、J、およびK)がより大きなゲノム(それぞれ平均サイズ2055kb±80kbおよび2080kb±80kb)を有する単離株の大部分を含むことも示した。
【0087】
遺伝子型クラスタとPGFE亜個体群との間で見られたこの優れた一致に促されて、発明者らは、染色体全体のゲノムサイズと73個のL.sakei単離株内のI−CeuIで消化された各断片のゲノムサイズとの間の相関関係を分析するに至った。これら二つのパラメータは最小のL.sakeiゲノムから最大のL.sakeiゲノムまでの比例的な増加を示していたため、優れた相関関係が観察された。
【0088】
表3:クラスタ化分析のために用いられるL.sakei 23K株の柔軟な遺伝子プール由来の遺伝子の説明
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0089】
表4:クラスタ化分析のために用いられる23K以外の株に由来する遺伝子の説明
【表4】

【0090】
異なるクラスタに由来するL.sakei単離株間の包括的なプロテオーム可変性
発明者らは次に、二次元電気泳動を用いて、クラスタ化の最終的な確認として、さまざまな遺伝子型クラスタA〜Kから選択された12個の選抜株のプロテオームを比較した。4〜7のPi範囲内で平均約400個のスポットが一般に観察されたが、発明者らは、株間で検出されたこのスポット数の20%超の著しい変動を認識した。
【0091】
MALDI−TOF質量分析を使用することにより、主要な差異を表すスポットを同定した。大部分の差異は、中程度もしくは低度に発現するタンパク質またはこの基準ゲノムからのタンパク質データベース中では同定できなかったことからL.sakei 23K内に存在しない遺伝子によりコードされると考えられるタンパク質の株特異的なスポットであることが明らかになった。2Dタンパク質パターンにおける幾分かの変動も同様に、高度に発現されるタンパク質の一部の株特異的なアイソフォームの泳動差の結果であることが発見された。L.sakeiの亜種を定義するためにその他の研究において用いられた技術であるSDS−PAGEタンパク質プロフィールの分析が主として高度に発現されるタンパク質の検出に基づいていることから、この情報は特に興味深いものであった。これらのデータは、図1に示されている階層クラスタ化をさらに確認するものであった。
【0092】
結論として、発明者らは、L.sakei種において考えられる分子サブタイプ数についての初めての洞察を提供した。以上の結果から、この天然個体群を三つの主要な株群として観察することができ、その各々は3から4個のクラスタにさらに分けられる。群1の単離株間のゲノムサイズ(平均1915kb)と群2および群3の単離株間のゲノムサイズ(両方について平均約2075kb)との間には、実質的な差が存在する。
【0093】
発明者らは、L.sakei種の種間のゲノム変動の程度を評価し、初めて、天然単離株の包括的な分類を生成した。
【0094】
実施例3
この実施例において、発明者らは、株の階層クラスタ化のために、可変遺伝子のプールから得られた29個の遺伝子マーカーのPCRベースの検出を実施した。
【0095】
この研究で使用したL.sakeiおよびL.curvatus株の全ては、表2に記載されている。
【0096】
試験した株の遺伝子含有量は、遺伝子の不在を0、存在を1とした、2文字のマトリクス(遺伝子×単離株)を使用することにより記述された。株間の類似性を、以上で定義されたようにJacquard相関係数(またはJacquard指数)を用いて決定した。
【0097】
発明者らは、実施例2に記載したものと類似したスクリーニングを実施し、その結果、表1にまとめた29個のマーカー遺伝子のみを選抜した。
【0098】
これらのわずか29個の遺伝子のPCR分析に基づいて、発明者らは、非監視完全連結階層クラスタ化アルゴリズムを使用すること、およびマルチスケール・ブートストラップ・リサンプリングを介してP値を推定してクラスタ化分析の不確実性を評価することによって、L.sakeiの天然単離株を分類した。得られたデンドログラムから、A〜Kと呼ばれる11個のブートストラップ支持型の株クラスタを明らかに同定した(図3)。これらの株クラスタは、約60個のマーカー遺伝子を用いて得られた、実施例2に記載したものときわめて類似している。
【0099】
したがって、本発明者らは、L.sakeiの天然単離株を正しく分類するために充分な29個の遺伝子を同定することができた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0100】
【非特許文献1】Vermeiren et al.2004 Int.J.Food Microbiol.96:149−164
【非特許文献2】Berthier and Ehrlich 1999 Int.J.Syst.Bacteriol.49:997−1007

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Lactobacillus sakei株を特徴付けするための方法であって、前記Lactobacillus sakei株内のマーカー遺伝子LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)の存在または不在を決定することからなるステップを含む方法。
【請求項2】
前記マーカー遺伝子の存在または不在が増幅により決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカー遺伝子の存在または不在が前記マーカー遺伝子に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションにより決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記Lactobacillus sakei株の分類が、前記マーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析すること、および基準Lactobacillus sakei株のセットに関してJacquard指数またはダイス係数または任意の2値距離行列を計算することによって実施される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
試料中の特定のLactobacillus sakei株を定量化する方法であって、
a)請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法により前記試料中に存在するLactobacillus sakei株を同定および/または特徴付けすること、
b)前記試料中に存在するその他の株に関して前記特定のLactobacillus sakei株内に差次的に存在する一つまたは複数のマーカー遺伝子を決定すること、ならびに
c)定量PCRにより一つまたは複数の前記遺伝子を増幅すること、
からなるステップを含む方法。
【請求項6】
試料中に存在するその他の株から前記株を区別する先行ステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
マーカー遺伝子LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)、およびFGP332−0013(配列番号29)を含む、Lactobacillus sakei株の特徴付けを可能にするマーカーの組み合わせ。
【請求項8】
請求項7に記載のマーカーの組み合わせを含むDNAアレイ。
【請求項9】
少なくとも二つのLactobacillus sakei株を比較する方法であって、
a)第一のLactobacillus sakei株中のマーカー遺伝子LSA1641(配列番号1)、LSA1182(配列番号2)、LSA1183_c(配列番号3)、LSA0172(配列番号4)、LSA1731(配列番号5)、LSA0211(配列番号6)、LSA0212(配列番号7)、LSA1579(配列番号8)、LSA1580(配列番号9)、LSA0118(配列番号10)、LSA0529(配列番号11)、LSA0439(配列番号12)、LSA0572(配列番号13)、LSA0219b(配列番号14)、LSA0564_a(配列番号15)、LSA0564_b(配列番号16)、LSA0564_c(配列番号17)、FGP21−0001(配列番号18)、sspA(配列番号19)、spiA(配列番号20)、FGP332−0001(配列番号21)、FGP332−0002(配列番号22)、FGP332−0007(配列番号23)、FGP332−0008(配列番号24)、FGP332−0009(配列番号25)、FGP332−0010(配列番号26)、FGP332−0011(配列番号27)、FGP332−0012(配列番号28)およびFGP332−0013(配列番号29)の存在または不在を決定すること、および
b)第二のLactobacillus sakei株中の前記マーカー遺伝子の存在または不在を決定すること、
からなるステップを含み、前記マーカー遺伝子の存在または不在のパターンが前記第一および第二のLactobacillus sakei株間で異なっている場合にはこれらのLactobacillus sakei株は異なっているとされる方法。
【請求項10】
Jacquard指数またはダイス係数または任意の2値距離を計算することにより前記マーカー遺伝子の存在または不在のパターンを分析するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−524158(P2011−524158A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548083(P2010−548083)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052075
【国際公開番号】WO2009/106491
【国際公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(507356305)アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック (インラ) (3)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA RECHERCHE AGRONOMIQUE (INRA)
【Fターム(参考)】