説明

MIMOとDCHSDPAとの動的スイッチング

多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのために構成された通信デバイスが開示される。通信デバイスは、プロセッサと、メモリに記憶された命令とを含む。通信デバイスは、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始し、その1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得し、MIMOとDC HSDPAの共存を最適化する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2009年5月19日に出願された「Methods and Apparatus for Dynamic Switching Between MIMO and DC HSDPA」と題する米国仮出願61/179681号に関連し、その優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、通信システムに関する。より詳細には、本開示は、多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、音声、ビデオ、データのような様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開される。これらのシステムは、複数の端末が、1または複数の基地局と同時に通信することをサポートすることができる多元接続システムでありうる。
【0004】
本明細書で使用される場合、「モバイル局(mobile station)」という単語は、無線通信ネットワーク上の音声および/またはデータ通信に使用されうる電子デバイスを指す。モバイル局の例は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、無線モデム、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータなどを含む。モバイル局は、別名、アクセス端末、モバイル局、加入者局、リモート局、ユーザ端末、端末、加入者ユニット、ユーザ機器などと呼ばれうる。
【0005】
無線通信ネットワークは、各々が基地局によってサービス提供されうる多数の無線通信デバイスに通信を提供しうる。基地局は、別名、アクセスポイント、ノードB、または、ある別の用語で呼ばれうる。
【0006】
無線通信デバイスは、アップリンクまたはダウンリンク上の伝送を介して1または複数の基地局と通信しうる。アップリンク(または、逆方向リンク)は、モバイル局から基地局への通信リンクを指し、ダウンリンク(または、順方向リンク)は、基地局からモバイル局への通信リンクを指す。
【0007】
MIMOとDC HSDPAの両方を実施する無線通信ネットワークの動作に関連する、改善されたシステムおよび方法によって、利益が実現されうる。
【発明の概要】
【0008】
多重入力多重出力(MIMO)と、デュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのために構成された通信デバイスが開示される。通信デバイスは、プロセッサと、メモリに記憶された命令とを含む。通信デバイスは、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始し、その1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOとDC HSDPAの能力を獲得し、MIMOとDC HSDPAの共存(coexistence)を最適化する。
【0009】
通信デバイスは、基地局でありうる。通信デバイスは、ノードBでありうる。通信デバイスは、コントローラでありうる。通信デバイスは、無線ネットワークコントローラ(RNC)でありうる。MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って各セクタの無線通信デバイスを分類することと、負荷が増加した場合に、より高いEc/Ioを有し、DC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えることとを含みうる。
【0010】
各セクタに対っするアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、RLCスループット対サービングEc/Ioの比率が最大である無線通信デバイスを決定することと、RLCスループット対サービングEc/Ioの比率が最大である無線通信デバイスを1としてカウントすることと、その他の無線通信デバイスをカウントすることとを含み、各無線通信デバイスのカウントは、上の無線通信デバイスのRLCスループット対サービングEc/Io比で割られた無線通信デバイスのRLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされうる。
【0011】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、最後の測定報告の、サービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って各セクタの無線通信デバイスを分類することと、より低いEc/Ioを有し、MIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えることとを含みうる。
【0012】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、RLCスループット対サービングEc/Ioの比率が最大である無線通信デバイスを決定することと、RLCスループット対サービングEc/Ioの比率が最大である無線通信デバイスを1としてカウントすることと、その他の無線通信デバイスをカウントすることとを含み、各無線通信デバイスのカウントは、上の無線通信デバイスのRLCスループット対サービングEc/Io比で割られた無線通信デバイスのRLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされうる。
【0013】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定すること、平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って無線通信デバイスを分類すること、ここで、各無線通信デバイスの平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、負荷が増加した場合に、より高い平均CQIを有し、DC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することとを含みうる。コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)でありうる。
【0014】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、各決定期間の間に各無線通信デバイスの平均電力利用率(average power utilization)を計算することと、無線通信デバイスのリソース利用率に従って、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここで、電力利用率が最大である無線通信デバイスは、1としてカウントされ、その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここで、各無線通信デバイスの重みは、各無線通信デバイスの電力利用率によってスケーリングされうる、を含みうる。
【0015】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って無線通信デバイスを分類することと、ここで、各無線通信デバイスの平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有し、MIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することとを含みうる。コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)でありうる。
【0016】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、各決定期間の間に各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算することと、無線通信デバイスのリソース利用率に従って、各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここで、電力利用率が最大である無線通信デバイスは、1としてカウントされ、その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここで、各無線通信デバイスの重みは、各無線通信デバイスの電力利用率によってスケーリングされうる、を含みうる。
【0017】
多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのための方法がさらに開示される。方法は、通信デバイスにより、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始することを含む。方法は、さらに、その1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOとDC HSDPAの能力を獲得することと、MIMOとDC HSDPAの共存を、通信デバイスによって、最適化することとを含む。
【0018】
多重入力多重出力(MIMO)と、デュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのための装置が開示もされる。その装置は、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始するための手段と、その1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOとDC HSDPAの能力を獲得するための手段と、MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するための手段とを含む。
【0019】
多重入力多重出力(MIMO)と、デュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)の動的スイッチングのために構成されたコンピュータプログラムプロダクトも開示される。コンピュータプログラムプロダクトは、命令を有するコンピュータ可読媒体を含む。命令は、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始するためのコードと、その1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOとDC HSDPAの能力を獲得するためのコードと、MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するためのコードとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのためのシステムおよび方法が実施されうる無線通信システムの1つの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、無線通信システムの例を示すブロック図である。
【図3】図3は、無線通信システムの別の例を示すブロック図である。
【図3A】図3Aは、コントローラによる、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのための方法の1つの構成を示すフロー図である。
【図4】図4は、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのためのコントローラの1つの構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、コントローラによる、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのための方法の1つの構成を示すフロー図である。
【図6】図6は、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのための基地局の1つの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、基地局およびコントローラによる、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのための方法の別の構成を示すフロー図である。
【図8】図8は、通信デバイスに含まれうるあるコンポーネントを示す。
【詳細な説明】
【0021】
本明細書で使用される場合、「基地局(base station)」という用語は、一般的に、通信ネットワークへのアクセスを提供することができる通信デバイスを表す。通信ネットワークの例は、電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)のような「陸線(land-line)」ネットワークあるいはセルラ電話ネットワーク)、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などを含が、それに限定されない。基地局の例は、例えば、セルラ電話の基地局またはノード、アクセスポイント、無線ゲートウェイ、および無線ルータを含む。基地局は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)、3GPP LTE(Long Term Evolution)(例えば、基地局が、ノードB、発展型ノードB(eNB)などとも呼ばれうる)、およびIEEE 802.16(例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))のような、ある業界標準に従って動作しうる。基地局が満たしうる標準の別の例は、アメリカ電気電子学会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac(例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity))標準を含みうる。本明細書に開示されるシステムおよび方法のいくつかは、1または複数の標準に関して記述されうるが、そのシステムおよび方法は、多数のシステムおよび/または標準に適用可能でありうるため、これによって本開示の範囲が限定されるべきではない。
【0022】
本明細書で使用される場合、「無線通信デバイス(wireless communication device)」という用語は、一般的に、基地局に無線で接続しうる通信デバイス(例えば、アクセス端末、クライアントデバイス、クライアント局など)を表す。無線通信デバイスは、別名、モバイルデバイス、モバイル局、加入者局、ユーザ機器(UE)、リモート局、アクセス端末、モバイル端末、端末、ユーザ端末、加入者ユニットなどと呼ばれうる。無線通信デバイスの例は、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、セルラ電話、スマートフォン、無線モデム、電子リーダ(e-reader)、タブレットデバイス(tablet device)、ゲーミングシステムなどを含む。無線通信デバイスは、基地局に関して上に記述された1または複数の業界標準に従って動作しうる。このように、「無線通信デバイス」という一般用語は、業界標準に従った様々な名称(例えば、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、リモート端末など)を用いて記述される無線通信デバイスを含みうる。
【0023】
様々な構成が、同様の参照番号が機能的に類似したエレメントを示しうる図に関してここに記述される。本明細書において、図で全体的に記述および例示されるシステムおよび方法は、様々な異なる構成で配列および設計されうる。かくして、次に続く、図に表されるいくつかの構成のより詳細な記述は、請求される範囲の限定を企図せず、単に、システムおよび方法の代表にすぎない。
【0024】
図1は、多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのためのシステムおよび方法が実施されうる無線通信システム100の1つの構成を示すブロック図である。無線通信システム100は、基地局112、コントローラ116、および、1または複数の無線通信デバイス102a〜cを含む。基地局112は、1または複数のアンテナ120を使用して無線通信信号を送信および/または受信する。追加の基地局(図示されない)が、無線通信システム100に含まれうる。基地局112は、さらに、アクセスポイント、ブロードキャスト送信機、ノードB、発展型ノードBなどと呼ばれ、それらの機能性のうちのいくつかあるいは全てを含みうる。
【0025】
一般に、基地局112は、セル118に対応する。「セル(cell)」という用語は、一般に、基地局112によってサービス提供される特定の地理エリアを指す。セル118内の1または複数の無線通信デバイス102a〜cは、各々、1または複数のアンテナ104a〜cを使用して基地局112と無線で通信することができる。セル118は、さらに、1または複数のセクタ106a〜cに分割されうる。例えば、セル118は、セクタA 106a、セクタB 106b、および、セクタC 106cを含みうる。基地局112は、セクタ106a〜cの間で、通信リソース(例えば、電力、周波数、空間、時間など)を分割および/または再利用することができる。図1で例証されるように、各セクタ106a〜cは、1または複数の無線通信デバイス104a〜cを含みうる。例えば、1または複数の無線通信デバイスA 102aは、セクタA 106aに設置され、1または複数の通信デバイスB 102bは、セクタB 106bに設置され、1または複数の無線通信デバイスC 102cは、セクタC 106cに設置されうる。
【0026】
基地局112は、さらに、コントローラ116と通信することができる。コントローラ116は、基地局112の動作を制御しうる。例えば、コントローラ116は、リソース(例えば、時間、周波数、空間、電力など)を1または複数の無線通信デバイス102a〜cにスケジュールまたは割り当てうる。コントローラ116の1つの例は、3GPPの仕様に準拠した無線ネットワークコントローラ(RNC)である。基地局112および/またはコントローラ116は、通信デバイスと呼ばれうる。本明細書で使用される場合、「通信デバイス(communication device)」という用語は、コントローラ116、基地局112、1または複数のコントローラ116および/または1または複数の基地局112の組み合わせ、および/または、追加の無線通信システム100の構造を指しうる。例えば、1または複数のノードBおよび/または1または複数のRNCは、通信デバイスでありうる。
【0027】
無線通信デバイス102は、さらに、端末、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、局などと呼ばれ、且つ、それらの機能性のうちのいくつかあるいは全てを含みうる。無線通信デバイス102は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線デバイス、無線モデム、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータなどでありうる。無線通信デバイス102は、任意の所与の時間に、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)上で、0、1または複数の基地局112と通信しうる。ダウンリンク(または、順方向リンク)は、基地局112から無線通信デバイス102への通信リンクを指し、アップリンク(または、逆方向リンク)は、無線通信デバイス102から基地局112への通信リンクを指す。
【0028】
無線通信システム100(例えば、多元接続システム)の無線通信デバイス102と基地局112との間の通信は、順方向リンクおよび/または逆方向リンクから構成される無線リンク上の伝送を通して発生しうる。無線リンクは、単一入力単一出力(SISO)、多重入力単一出力(MISO)、あるいは、多重入力多重出力(MIMO)システムを使用して確立されうる。MIMOシステムは、データ送信のために、複数の送信アンテナを備える1または複数の送信機および複数の受信アンテナを備える1または複数の受信機を含む。SISOおよびMISOシステムは、MIMOシステムの特定の例である。MIMOシステムは、複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって作成される追加の次元性(dimensionality)が利用されると、改善された性能(例えば、より高いスループット、より大きい容量、または改善された信頼性)を提供することができる。
【0029】
無線通信システム100は、MIMOを利用することができる。送信機では、データストリームの各部分が、異なるアンテナから送信されうる。受信機では、データストリームの異なる部分が、異なるアンテナによって受信され、次に結合されうる。
【0030】
無線通信システム100は、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信電力など)を共有することによって、複数の無線通信デバイス102a〜cとの通信をサポートすることができる多元接続システムでありうる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、広域符号分割多元接続(W−CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、および、空間分割多元接続(SDMA)システムを含む。
【0031】
基地局112は、MIMOおよびDC HSDPAを利用しうる。これは、例えば、3GPP W−CDMAリリース8に従って実行されうる。DC HSDPAにおいて、ダウンリンクキャリアにわたり、同時リソース割当および負荷分散を使用することによって、改善されたリソース利用率およびスペクトル効率が達成されうる。無線通信システム100(例えば、3GPPリリース8のネットワーク)は、DC HSDPAとMIMOを同時に使用することができる。1または複数の無線通信デバイス102a〜cは、2つのサービス(MIMOまたはDC HSDPA)のいずれかを使用して基地局112からダウンリンク信号を受信することができる。しかしながら、無線通信デバイス102a〜cは、DC HSDPAとMIMOの両方を同時に使用することはできない。このように、コントローラおよび/または基地局(例えば、リリース8のネットワーク)は、MIMOサービスかDC HSDPAサービスのいずれかを、1または複数の無線通信デバイス102a〜cに割り当てうる。換言すると、各無線通信デバイス102a〜cは、DC HSDPA信号110またはMIMO信号108を基地局112から受信しうる。
【0032】
コントローラ116および/または基地局112は、動的スイッチングモジュール144a〜bを使用して、DC HSDPAサービス(例えば、DC HSDPA信号110を使用する)またはMIMOサービス(例えば、MIMO信号108を使用する)を無線通信デバイス102a〜cの各々に割り当てることができる。例えば、無線通信デバイス102が、現在、MIMO 108を使用して基地局112と通信している場合に、DC HSDPA 110を使用して基地局112と通信することは、無線通信デバイス102にとって有益となりうる。同様に、無線通信デバイス102が、現在、DC HSDPA 110を使用して基地局と112と通信している場合に、MIMO 108を使用して基地局112と通信することは、無線通信デバイス102にとって有益となりうる。コントローラ116および/または基地局112は、サービス割当のために特定のルールまたは手順に従いうる。各無線通信デバイス102のサービス割当は、動的スイッチングモジュールA 114aおよび/または動的スイッチングモジュールB 114bを使用して動的に変更されうる。
【0033】
MIMO 108およびDC HSDPA 110の利益は、容量利得という観点から分析されうる。MIMO 108およびDC HSDPA 110の利益は、さらに、または、あるいは、スペクトル効率改善という観点から分析されうる。公正な比較として、N個の無線通信デバイス102a〜cが各キャリアに存在する状態で、2×N個の無線通信デバイス102a〜cが、セクタ106a〜cに存在しうる。
【0034】
MIMO 108は、余剰の自由度から利得を提供することができる。例えば、MIMO 108は、ビームフォーミングおよび空間ダイバーシティの使用を可能にすることができる。MIMO 108を利用する利得は、チャネルタイプに依存しうる。MIMO 108の利得は、高い信号対干渉雑音比(SINR)における高散乱性(rich scattering)の静的チャネルで最大でありうる。MIMO 108は、セル118のエッジに近い無線通信デバイス102よりもセル118の中心に近い無線通信デバイス102(例えば、UE)に有益となりうる。MIMO 108において、マルチユーザ(例えば、無線通信デバイス102)ダイバーシティは、空間ダイバーシティにより減らされうる。
【0035】
DC HSDPA 110は、主に、マルチプルユーザ(例えば、無線通信デバイス102)ダイバーシティから利得を提供しうる。DC HSDPA 110の利得は、存在する無線通信デバイス102(例えば、UE)の数が少ない場合に最大でありうる。DC HSDPA 110の利得は、さらに、セル118のエッジにおいて大きくなりうる。セクタ106内の無線通信デバイス102の数が1よりも多くない場合、DC HSDPA 110は、余剰な自由度および余分な基地局112電力を提供することができる。
【0036】
各特徴の利益を示すために、MIMO 108とDC HSDPA 110との違いを比較するシミュレーションが使用されうる。シミュレーション条件(simulation assumption)は、ラップアラウンド型の19個の基地局(例えばノードB)の使用を含みうる。基地局は、1000メートル(m)のサイト間距離を有する。あるチャネル条件(channel assumption)が立てられる。1つの種類のチャネル(例えば、PA3チャネル)について、複数の周波数およびアンテナ対をまたぐ独立フェージングが発生しうることが仮定されうる。直交チャネル雑音シミュレータ(OCNS)=0であることが仮定されうる。ここで、基地局112(例えば、ノードB)は、データが利用可能な場合にのみ全電力で送信する。さらに、サービングセルとサービングセル以外との間に余分な分離が存在していないと仮定されうる。
【0037】
無線通信デバイス102(例えば、UE)の数が小さい場合には、DC HSDPA 110は、MIMO 108より性能が優れうる。例えば、セクタ106に対する無線通信デバイス102(例えば、UE)の数が1より多くない場合、DC HSDPA 110は、無線通信デバイス102に対して2倍の電力および帯域幅を有しているため、無線通信102により良いサービスを提供することができる。無線通信デバイス102の数が大きい場合、マルチユーザダイバーシティは極小であるか、あるいは減らされ、MIMO 108の利得が、DC HSDPA110の利得よりも極めて高くなりうる。DC HSDPA 110の利得は、セル118のエッジの無線通信デバイス102(例えば、UE)に対して、より高くなりうる。さらに、DC HSDPA 110の利得は、無線通信デバイス102(例えば、UE)の数と共に減少しうる。例えば、より多くの数の無線通信デバイス102がシミュレートされる場合には、結局、DC HSDPA 110よりもMIMO 108の性能が優れる。
【0038】
軽負荷の無線通信システム100において、DC HSDPA 110を使用する無線通信デバイス102(例えば、UE)は、MIMO 108を使用する無線通信デバイス102よりも多く存在しうる。1つの構成において、軽負荷の無線通信システム100は、DC HSDPA 110を使用する無線通信デバイス102(例えば、UE)のみを含みうる。負荷が増えるにつれ、セル118の中心にある無線通信デバイス102(例えば、UE)から開始して、ますます多くの無線通信デバイス102がMIMO 108に割り当てられうる。データトラフィックが本質的にバースト的でありうるため、負荷は、セクタ106内のアクティブ無線通信デバイス102(例えば、UE)の数で測定されうる。コントローラ116(例えば、RNC)は、ある期間の間のスループット統計値(例えば、無線リンク制御(RLC)のスループット統計値)と、無線通信デバイス102の間のスループット分布とを使用して、負荷を測定しうる。基地局112および/またはコントローラ116(例えば、リリース8のネットワーク)は、接続セットアップ(例えば、無線リソース制御(RRC)接続セットアップ)の間に、MIMO 108およびDC HSDPA 110の両方に対する各無線通信デバイス102の能力を獲得しうる。
【0039】
図2は、無線通信システム200の例を示すブロック図である。無線通信システム200は、1または複数のアンテナ220を使用して、無線通信デバイスA 202aおよび無線通信デバイスB 202bと通信する基地局212を含みうる。無線通信デバイスA 202aは、1または複数のアンテナ204aを含み、無線通信デバイスB 204bは、1または複数のアンテナ204bを含みうる。図2の無線通信システム200において、無線通信デバイスA 202aは、MIMO 208を使用して基地局212と通信しうる。無線通信デバイスB 202bは、DC HSDPA 210を使用して基地局212と通信しうる。コントローラ216(例えば、RNC)は、基地局212を制御しうる。例えば、RNCは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)無線アクセスネットワーク(UTRAN)においてノードBを制御しうる。コントローラ216は、動的スイッチングモジュールA 214aを含みうる。あるいは、または、さらに、基地局212は、動的スイッチングモジュールB 214bを含みうる。動的スイッチングモジュールA 214aおよび/または動的スイッチングモジュールB 214bは、無線通信デバイス202a〜bによって使用されるサービス(例えば、MIMO 208またはDC HSDPA 210)を切り替えるために使用されうる。
【0040】
図3は、無線通信システム300の別の例を示すブロック図である。図3の無線通信システム300は、異なる時間に、図2の無線通信システム200と同一でありうる。無線通信システム300は、コントローラ316(例えば、RNC)、基地局312(例えば、ノードB)、無線通信デバイスA 302a、および無線通信デバイスB 302bを含みうる。無線通信デバイスA 302aは、以前、MIMO 208を使用して基地局312(例えば、ノードB)と通信していた(図2参照)。しかしながら、コントローラ316および/または基地局312は、無線通信デバイスA 302aをDC HSDPA A 310aに割り当てていた。例えば、動的スイッチングモジュールA 314aは、無線通信デバイスA 302aを、MIMO 208からDC HSDPA A 310aに切り替えるために、コントローラ316によって使用していた。このように、無線通信デバイスA 302aは、現在、基地局312と、DC HSDPA A 310aを使用して通信しうる。別の構造において、基地局312の動的スイッチングモジュールB 314b並びに基地局316の動的スイッチングモジュールB 314aは、無線通信デバイスA 302aを、MIMO 208からDC HSDPA A 310aに切り替えていた。無線通信デバイスB 302bは、以前、DC HSDPA 210を使用して基地局312(例えば、ノードB)と通信しており(図2参照)、DC HSDPA B 310bを使用して基地局312と通信し続けうる。
【0041】
図3Aは、MIMOとDC HSDPAとの動的スイッチングのための方法300を示すフロー図である。方法300は、通信デバイスによって実行されうる。例えば、方法300は、コントローラ116(例えば、RNC)および/または基地局112(例えば、ノードB)によって実行されうる。通信デバイス112、116は、1または複数の無線通信デバイス102に対して接続セットアップを開始しうる。例えば、コントローラ116および/または基地局112は、無線リソース制御(RRC)接続セットアップを実行しうる。例えば、基地局112および/またはコントローラ116は、1または複数の無線通信デバイス102との無線接続を確立しうる。これは、基地局112と、1または複数の無線通信デバイス102との間でメッセージを送信および/または受信することによって(例えば、交渉することによって)達成されうる。
【0042】
通信デバイス112、116は、1または複数の無線通信デバイス102(例えば、UE)のためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得することができる。例えば、基地局112および/またはコントローラ116は、各無線通信デバイス102が、MIMOおよび/またはDC HSDPAで受信および/または動作できるか否かを示すメッセージを、その無線通信デバイスから要求および/または受信しうる。
【0043】
通信デバイス112、116は、無線通信システム100におけるMIMO 108とDC HSDPA 110の共存を最適化しうる(306)。例えば、通信デバイス112、116は、無線通信システム100の性能を改善しようとして、MIMO 108からDC HSDPA 110に、および/または、DC HSDPA 110からMIMO 108に、1または複数の無線通信デバイス102を動的に切り替えることができる。例えば、通信デバイス112、116は、最も有益となるように(例えば、各無線通信デバイス102および/または、全体として無線通信システムに対して)、MIMO 108またはDC HSDPA 110を各無線通信デバイス102に割り当てようとしうる。「最適化する(optimize)」という用語は、実際に最適な性能が達成されることを必ずしも意味するわけではないことに注意されたい。本明細書で使用される場合、「最適化する」という用語は、無線通信システム100の性能を改善する試みを表す。このように、最適化すること、および、別の類似した用語は、無線通信システムにおけるある程度の改善が実際に達成されたこと、あるいは、改善が達成されなかったことを意味しうる。MIMO 108とDC HSDPA 110の共存を最適化することが、より詳細に下に論述される。
【0044】
図4は、MIMO 108とDC HSDPA 110との動的スイッチングのためのコントローラ416の1つの構成を示すブロック図である。コントローラ416は、無線通信デバイス440のリスト438を含みうる。無線通信デバイス440のリスト438は、各セクタ106内で動作する無線通信デバイス440の一覧表を含みうる。無線通信デバイス440のリスト438は、アクティブおよび非アクティブの両方の無線通信デバイス440の一覧表を含みうる。各無線通信デバイス440の一覧表は、無線通信デバイス102の重み442を含みうる。各無線通信デバイス102の重み442は、有効なアクティブ無線通信デバイス440の数をカウントする際に使用されうる。各無線通信デバイス440の重み442は、無線通信デバイス102のリソース利用率444に従って調整されうる。各無線通信デバイス440の一覧表は、さらに、無線通信デバイス102のRLCスループット446を含みうる。各無線通信デバイス440の一覧表は、さらに、エネルギーまたは電力(Ec)(例えば、パイロットエネルギー)対トータルエネルギーまたはトータル電力スペクトル密度(Io)(Ec/Io)448を含みうる。いくつかの測定値または係数(例えば、RLCスループット、Ec/Ioなど)が、3GPP標準に従って記述されるが、別の無線通信システムにおいて、同様の測定値または係数が使用されうることに注意されたい。かくして、そのような名称の使用によって、本明細書の範囲が3GPPインプリメンテーションに限定されるべきではない。
【0045】
コントローラ416(例えば、RNC)は、各セクタ106に対するアクティブ無線通信デバイス102の有効数422を含みうる。コントローラ416は、さらに、現在、MIMO 108を使用している無線通信デバイス102のリスト424を含みうる。コントローラ416は、さらに、現在、DC HSDPA 110を使用している無線通信デバイス102のリスト426を含みうる。
【0046】
コントローラ416は、スループット閾値430を含みうる。スループット閾値は、シグナリングトラフィックスループットに基づきうる。コントローラ416は、アクティブ無線通信デバイス102の個数別に、1つのスループット閾値430を維持しうる。スループット閾値430は、無線通信デバイス102の数が増加すると下がる。
【0047】
コントローラ416は、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール432を含みうる。アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール432は、有効なアクティブ無線通信デバイス102の数を決定する際にコントローラ416を支援しうる。例えば、トータルRLCスループット446がスループット閾値430よりも高い無線通信デバイス102のみがカウントされうる。アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール432は、コントローラ416が利用できるサービングEc/Io 448(例えば、最後の測定報告からの)を用いて、各無線通信デバイス102のRLCスループット446を分割しうる。次に、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール432は、RLCスループット446対サービングEc/Io 448比が最大である無線通信デバイス102を見つけうる。次に、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール432は、この無線通信デバイス102を1としてカウントしうる。セクタ106内の別の無線通信デバイス102の各々は、上の無線通信デバイス102のRLCスループット446対(Ec/Io)448の比率で割られた、無線通信デバイス102のRLCスループット446対(Ec/Io)448の比率によってスケーリングされうる。Ec/Io 448の機能は、リソースに対する無線通信デバイス102の需要を、さらに一層説明するために使用されうる。
【0048】
コントローラ416は、さらに、分類モジュール434を含みうる。分類モジュール434は、各セクタ106の無線通信デバイス102を、最後の測定報告内のサービングEc/Io 448に従って分類しうる。コントローラ416は、さらに、スイッチングモジュール436を含みうる。スイッチングモジュールは、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、MIMO108からDC HSDPA 110を使用するように無線通信デバイス102を切り替え、および/または、DC HSDPA 110からMIMO 108を使用するように無線通信デバイス102を切り替える。
【0049】
図5は、コントローラ116による、MIMO 108とDC HSDPA 110との動的スイッチングのための方法の1つの構成500を例証するフロー図である。この方法500は、既存の情報に基づき、コントローラ116(例えば、RNC)によって実行されうる。コントローラ116(例えば、RNC)は、各セクタ106に対するアクティブ無線通信デバイス102(例えば、UE)の有効数を決定しうる(502)。例えば、閾値よりも高いトータルRLCスループットを有する無線通信デバイスのみがカウントされる。閾値は、シグナリングトラフィックスループットに基づきうる。トータルカウントの各無線通信デバイス102の重みは、そのリソース利用率に従って調整されうる。例えば、各無線通信デバイス102のスループットは、コントローラ116が利用できる、その無線通信デバイス102のサービングEc/Io(例えば、最後の測定報告からの)で割られうる。コントローラ116は、比率(例えば、スループット/(Ec/Io))が最大である無線通信デバイス102を決定し、その無線通信デバイス102を1としてカウントする。総数のアクティブユーザのうちの他の無線通信デバイス102の各カウントは、上の無線通信デバイス102の比率に対する無線通信デバイス102の比率(例えば、スループット/(Ec/Io))によってスケーリングされうる。このようにEc/Ioの機能を使用することは、リソースに対する無線通信デバイス102の需要を、さらに一層説明しうる。
【0050】
コントローラ116は、スループット閾値を維持することができる(504)。例えば、アクティブ無線通信デバイス102の個数別に、1つの閾値が存在しうる。この閾値は、無線通信デバイス102の数が増加すると下がりうる。
【0051】
コントローラ116は、最後の測定報告のサービングEc/Io 448を用いて、各セクタ106の無線通信デバイス102を分類しうる(506)。例えば、無線通信デバイス102の各々は、最新の測定報告で受信されたサービングEc/Io 448に従って分類されうるか、あるいは、ランク付けされうる。
【0052】
コントローラ116は、負荷が増大した場合に、より高いEc/Io 448を有し、DC HSDPA 110を使用する無線通信デバイス102を、MIMO 108を使用するように切り替えうる(508)。コントローラ116は、より低いEc/Io 448を有し、MIMO 108を使用する無線通信デバイス102を、DC HSDPA 110を使用するように切り替えうる(510)。Ec/Io 448の百分位数は、トータルスループットと、アクティブ無線通信デバイス102の数のスループット閾値との比率に比例しうる。
【0053】
図6は、MIMO 108とDC HSDPA 110との動的スイッチングのための基地局612の1つの構成を示すブロック図である。基地局612は、無線通信デバイス102のリスト650を含みうる。無線通信デバイス102のリスト650は、基地局612と通信する各無線通信デバイス102の一覧表652を含みうる。基地局612と通信する無線通信デバイス102のリスト650は、アクティブおよび非アクティブの無線通信デバイス102を含みうる。無線通信デバイス102の一覧表652の各々は、無線通信デバイス102の送信電力654、有効なアクティブ無線通信デバイス102の数を決定する際に各無線通信デバイス102に帰する重み656、および、無線通信デバイス102のリソース利用率658を含みうる。各無線通信デバイス102の重み656は、無線通信デバイス102のリソース利用率658に従って調整されうる。
【0054】
無線通信デバイス102の一覧表652の各々は、さらに、無線通信デバイス102によって消費される送信電力のパーセンテージ660を含みうる。無線通信デバイス102によって消費される送信電力のパーセンテージ660は、各無線通信デバイス102よって消費される送信電力のパーセンテージ決定モジュール672を使用して決定されうる。無線通信デバイス102の一覧表652の各々は、さらに、無線通信デバイス102による平均電力利用率662を含みうる。無線通信デバイス102による平均電力利用率662は、平均電力利用率決定モジュール678を使用して決定されうる。無線通信デバイス102の一覧表652の各々は、さらに、平均チャネル品質インジケータ(CQI)664を含みうる。CQIは、CQI決定モジュール680を使用して決定されうる。無線通信デバイス102の一覧表652の各々は、さらに、使用されるサービス666を含みうる。使用されるサービスは666、無線通信デバイス120が、現在、MIMO 108を使用して基地局612と通信しているか、DC HSDPA 110を使用して基地局612と通信しているかを示しうる。
【0055】
基地局612は、各セクタ106に対するアクティブ無線通信デバイス102の有効数668を含みうる。有効なアクティブ無線通信デバイス102の数668は、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール672によって決定されうる。各送信タイムインターバル(TTI)の間、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール672は、各無線通信デバイス102によって消費される送信電力のパーセンテージ660をカウントしうる。次に、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール672は、各決定期間の間に、各無線通信デバイス102の平均電力利用率662を計算しうる。平均電力利用率662が電力利用率閾値よりも高い無線通信デバイス102のみがカウントされうる。電力利用率閾値は、シグナリングトラフィックに基づきうる。アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール672は、無線通信デバイス102のリソース利用率658に従って、有効な数668のアクティブ無線通信デバイス102の各無線通信デバイス102の重み656を調整しうる。例えば、アクティブ無線通信デバイス102カウンティングモジュール672は、電力利用率が最大である無線通信デバイス102を発見し、この無線通信デバイス102を1としてカウントしうる。次に、総数のアクティブ無線通信デバイス102のうちのその他全ての無線通信デバイス102は、各無線通信デバイス102の電力利用率に従って縮小されうる。
【0056】
基地局612は、分類モジュール688を含みうる。分類モジュール688は、最後の測定報告からの平均CQI 664に従って、無線通信デバイス102の各々を分類しうる。使用されるサービスがMIMO 108である無線通信デバイス102について、CQIは、2つのストリームの合計でありうる。使用されるサービスがDC HSDPA 110である無線通信デバイス102について、CQIは、2つのキャリアについての平均でありうる。
【0057】
基地局612は、さらに、コントローラへの要求モジュール682を含みうる。コントローラへの要求モジュール682は、各無線通信デバイス102によって使用されるサービスに関するコントローラ116(例えば、RNC)への要求を生成および送信しうる。例えば、コントローラへの要求モジュール682は、負荷が増大した場合に、より高い平均CQIを有する、DC HSDPA 110の無線通信デバイス102を、MIMO 108に変更する要求を生成しうる。次に、コントローラへの要求モジュール682は、要求をコントローラ116に送信しうる。コントローラへの要求モジュール682は、さらに、負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有する、MIMO 108の無線通信デバイス102を、DC HSDPA 110に変更する要求を生成しうる。次に、コントローラへの要求モジュール682は、要求をコントローラ116に送信しうる。
【0058】
図7は、基地局112およびコントローラ116による、MIMO 108とDC HSDPA 110との動的スイッチングのための方法の別の構成700を示すフロー図である。図7に示される方法700は、図5に示されるコントローラだけの方法500よりも効果的に実行しうる。しかしながら、図7の方法700は、要求および決定のために、基地局112とコントローラ116との間で新しいシグナリングを要求しうる。
【0059】
基地局112(例えば、ノードB)は、各セクタ106に対するアクティブ無線通信デバイス102の有効数を決定しうる(702)。例えば、各送信タイムインターバル(TTI)の間、基地局112(例えば、ノードB)は、各無線通信デバイス102によって消費される送信電力のパーセンテージをカウントする。基地局112は、さらに、各決定期間の間に、各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算しうる。平均電力利用率が閾値よりも高い無線通信デバイスのみがカウントされうる。閾値は、シグナリングトラフィックに基づきうる。トータルカウントにおける各無線通信デバイスの重みは、そのリソース利用率に従って調整されうる。例えば、基地局112は、電力利用率が最大である無線通信デバイス102を決定し、その無線通信デバイス102を1としてカウントしうる。アクティブユーザの総数における他の無線通信デバイス102のカウントの各々は、それの電力利用率によってスケーリングされうる。
【0060】
基地局112は、電力利用率閾値を維持しうる(704)。例えば、アクティブ無線通信デバイス120の個数別に、1つの閾値が存在しうる。この閾値は、無線通信デバイス102の数が増加すると低下しうる。
【0061】
基地局112は、最後の測定報告の平均CQIに従って無線通信デバイス102を分類しうる(706)。現在、MIMO 108を使用している無線通信デバイス102について、CQIは、2つのストリームの合計でありうる。現在、DC HSDPA 110を使用している無線通信デバイス102について、CQIは、2つのキャリアについての平均でありうる。例えば、基地局112は、そのCQIに基づいて、各無線通信デバイス102をランク付けするか、あるいは、分類しうる(706)。
【0062】
次に、基地局112は、負荷が増大した場合に、より高い平均CQIを有し、DC HSDPA 110を使用する無線通信デバイス102を、MIMO 108を使用するように切り替えるための要求をコントローラ116に送信しうる(708)。基地局112は、さらに、負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有し、MIMO 108を使用する無線通信デバイス102を、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラ116に送信しうる(710)。CQI百分位数は、トータル電力利用率と、アクティブ無線通信デバイスの数におけるトータル電力利用率上の閾値との比率に比例しうる。
【0063】
図8は、通信デバイス801に含まれうるあるコンポーネントを示す。通信デバイス801は、基地局112(ノードB)またはコントローラ116(例えば、RNC)でありうる。
【0064】
通信デバイス801は、プロセッサ803を含む。プロセッサ803は、汎用の単一チップまたはマルチチッププロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイなどでありうる。プロセッサ803は、中央処理装置(CPU)と呼ばれうる。単一のプロセッサ803のみが図8の通信デバイス801に示されるが、代替の構成において、プロセッサの組み合わせ(例えば、ARMとDSP)も使用されうる。
【0065】
通信デバイス801は、さらに、メモリ805を含みうる。メモリ805は、電子情報を記憶することができる任意の電子コンポーネントでありうる。メモリ805は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、RAMのフラッシュメモリデバイス、プロセッサに含まれるオンボードメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタなど、並びに、それらの組み合わせとして組み込まれうる。
【0066】
データ807および命令809は、メモリ805に記憶されうる。命令809は、本明細書に記述された方法を実施するためにプロセサ803によって実行可能でありうる。命令809を実行することは、メモリ805に記憶されたデータ807の使用を含みうる。プロセッサ803が、命令807を実行すると、命令807aの様々な部分が、プロセッサ803にロードされ、データ809aの様々な部分が、プロセッサ803にロードされうる。
【0067】
通信デバイス801は、さらに、通信デバイス801への信号の送信と、そこからの信号の受信を可能にするために送信機811および受信機813を含みうる。送信機811および受信機813は、集合的に、トランシーバ815と呼ばれうる。アンテナ817は、電子的にトランシーバ815に結合されうる。通信デバイス801は、さらに、複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバ、および/または、複数のアンテナを含みうる(図示されない)。
【0068】
通信デバイス801の様々なコンポーネントは、電力バス、制御信号バス、状態信号バス、データバスなどを含みうる1または複数のバスによって互いに結合されうる。明瞭さのために、様々なバスが、図8ではバスシステム819として示されている。
【0069】
本明細書に記述された技術は、直交多重化スキームに基づく通信システムを含む様々な通信システムに使用されうる。そのような通信システムの例は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)システムなどを含む。OFDMAシステムは、システム帯域幅全体を複数の直交サブキャリアに分割する変調技術である直交周波数分割多重(OFDM)を利用する。これらのサブキャリアは、さらに、トーン、ビンなどとも呼ばれうる。OFDMの場合、各サブキャリアは、データで独立に変調されうる。SC−FDMAシステムは、システム帯域幅にわたって分散されたサブキャリア上で送信するためにインターリーブドFDMA(IFDMA)を、隣接サブキャリアのブロック上で送信するためにローカライズドFDMA(LFDMA)を、または、隣接サブキャリアの複数のブロック上で送信するためにエンハンスドFDMA(EFDMA)を利用しうる。一般的に、変調シンボルは、OFDMの場合に周波数ドメインで送信され、SC−FDMAの場合に時間ドメインで送信される。
【0070】
「決定すること(determining)」という用語は、広範囲の動作を含み、そのため、「決定すること」は、算出すること(calculating)、計算すること(computing)、処理すること(processing)、引き出すこと(deriving)、調べること(investigating)、ルックアップすること(looking up)(例えば、テーブル、データベース、または別のデータ構造でルックアップすること)、確かめること(ascertaining)などを含むことができる。さらに、「決定すること」は、受信すること(receiving)(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(accessing)(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含みうる。さらに、「決定すること」は、解決すること(resolving)、選定すること(selecting)、選択すること(choosing)、確立すること(establishing)などを含みうる。
【0071】
「〜に基づいて(based on)」という表現は、別段明白に特定されない限り、「〜にのみ基づいて(based only on)」を意味しない。換言すると、「〜に基づいて」という表現は、「〜にのみ基づいて」および「少なくとも〜に基づいて(based at least on)」の両方を記述しうる。
【0072】
「プロセッサ(processor)」という用語は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシンなどを包含するように広く解釈されるべきである。いくつかの状況下で、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを指しうる。「プロセッサ」という用語は、例えば、DSPとマクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、あるいは、別のそのような構成の組み合わせのような処理デバイスの組み合わせを指しうる。
【0073】
「メモリ(memory)」という用語は、電子情報を記憶することができる任意の電子コンポーネントを包含するために広く解釈されるべきである。メモリという用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶装置、レジスタなどのような様々なタイプのプロセッサ可読媒体を指しうる。メモリは、プロセッサが、メモリから情報を読み取り、および/または、メモリに情報を書き込むことができる場合、プロセッサと電子的に通信状態にあるとみなされる。プロセサに内蔵されたメモリは、プロセッサと電子的に通信する
「命令(instructions)」および「コード(code)」という用語は、あらゆるタイプのコンピュータ可読ステートメントを包含するために広く解釈されるべきである。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1または複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、機能、手順などを指しうる。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多くのコンピュータ可読ステートメントを備えうる。
【0074】
本明細書に記述される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせに実装されうる。ソフトウェアに実装された場合、その機能は、コンピュータ可読媒体上の1または複数の命令として記憶される。「コンピュータ可読媒体(computer-readable medium)」または「コンピュータプログラムプロダクト(computer-program product)」という用語は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体を指しうる。それに制限されない例として、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、コンピュータによってアクセスされることができ、命令やデータ構造形で所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用可能な任意の他の媒体を備えうる。ディスク(disk)とディスク(disc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスクを含む。ディスク(disk)は通常磁気作用によってデータを再生し、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。
【0075】
本明細書に記述された方法は、記述された方法を達成するための1または複数のステップまたは動作を備える。方法のステップおよび/または動作は、特許請求の範囲を逸脱することなく、互いに入れ替えられうる。換言すると、ステップまたは動作の特定の順序が、記述されている方法を適切に動作するために要求されない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、特許請求の範囲を逸脱することなく、変更されうる。
【0076】
さらに、図3、5、7によって示されたもののような、本明細書に記述された方法および技術を実行するためのモジュールおよび/または別の適切な手段が、デバイスによってダウンロードされ、および/または、そうでなれば、デバイスによって獲得されうることは認識されるべきである。例えば、デバイスは、本明細書に記述された方法を実行するための手段の移送を容易にするためにサーバに結合されうる。あるいは、本明細書に記述された様々な方法は、デバイスが、記憶手段をデバイスに結合あるいは提供することで、様々な方法を獲得できるように、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーのような物理記憶媒体)を介して提供されうる。さらに、本明細書に記述された方法および技術をデバイスに提供するための任意の別の適切な技術が利用されうる。
【0077】
特許請求の範囲が、上に記述された通り設定およびコンポーネントに限定されないことは理解されるべきである。様々な修正、変更、および変形は 、特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書に記述されたシステム、方法、および装置の配列、動作および細部において実施されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのために構成された通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子的通信状態にあるメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、
前記命令は、
1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始し、
前記1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得し、
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化する
ように、前記プロセッサによって実行可能である、通信デバイス。
【請求項2】
前記通信デバイスは、基地局である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項3】
前記通信デバイスは、ノードBである、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項4】
前記通信デバイスは、コントローラである、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項5】
前記通信デバイスは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項6】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って、各セクタの前記無線通信デバイスを分類することと、
負荷が減少した場合に、より高いEc/Ioを有し、DC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えることと、
を備える、請求項5に記載の通信デバイス。
【請求項7】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
前記サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、
RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する前記無線通信デバイスを決定することと、
前記RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する無線通信デバイスを1としてカウントすることと、
他の無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスのカウントは、前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比で割られた前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされる、
を備える、請求項6に記載の通信デバイス。
【請求項8】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って、前記各セクタの無線通信デバイスを分類することと、
より低いEc/Ioを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えることと、
を備える、請求項5に記載の通信デバイス。
【請求項9】
前記各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
前記サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、
RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する前記無線通信デバイスを決定することと、
前記RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する無線通信デバイスを1としてカウントすることと、
前記別の無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスのカウントは、前記上の無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比で割られた前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされる、
を備える、請求項8に記載の通信デバイス。
【請求項10】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って無線通信デバイスを分類することと、ここにおいて、各無線デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が増加した場合に、より高い平均CQIを有し、DC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと、
を備える、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項12】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、
各決定期間の間に、各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算することと、
前記無線通信デバイスのリソース利用率に従って、前記各セクタに対するアクティブ無線デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここにおいて、電力利用率が最大である前記無線通信デバイスは、1としてカウントされ、
その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、前記各無線通信デバイスの重みは、各無線通信デバイスの前記電力利用率によってスケーリングされる、
を備える、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項13】
前記MIMOとDC HSPDAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定すること、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って無線通信デバイスを分類することと、ここで、各無線通信デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと
を備える、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、
各決定期間の間に、各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算することと、
前記無線通信デバイスのリソース利用率に従って、各セクタに対するアクティブ無線デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここにおいて、電力利用率が最大である前記無線通信デバイスは、1としてカウントされ、
その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、前記各無線通信デバイスの重みは、前記各無線通信デバイスの電力利用率によってスケーリングされる、
を備える、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
多重入力多重出力(MIMO)と、デュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのための方法であって、
通信デバイスによって、1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始することと、
前記通信デバイスによって、前記1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得することと、
前記通信デバイスによって、MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することと
を備える、方法。
【請求項17】
前記通信デバイスは、基地局である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通信デバイスは、ノードBである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記通信デバイスは、コントローラである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記通信デバイスは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って、各セクタの前記無線通信デバイスを分類することと、
負荷が減少した場合に、より高いEc/Ioを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えることと
を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
前記サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、
RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する前記無線通信デバイスを決定することと、
前記RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する無線通信デバイスを1としてカウントすることと、
他の無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記カウントは、前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比で割られた前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされる、
を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って、各セクタの前記無線通信デバイスを分類することと、
より低いEc/Ioを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えることと、
を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
前記サービングEc/Ioを用いて、各無線通信デバイスの無線リンク制御(RLC)スループットを分割することと、
RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する前記無線通信デバイスを決定することと、
前記RLCスループット対サービングEc/Ioの最大比率を有する無線通信デバイスを1としてカウントすることと、
他の無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記カウントは、前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比で割られた前記無線通信デバイスの前記RLCスループット対サービングEc/Io比によってスケーリングされる、
を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って、無線通信デバイスを分類することと、ここにおいて、各無線デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が増加した場合に、高い平均CQIを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、
各決定期間の間に、各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算することと、
前記無線通信デバイスのリソース利用率に従って、前記各セクタに対するアクティブ無線デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここにおいて、電力利用率が最大である前記無線通信デバイスは、1としてカウントされ、
その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記重みは、各無線通信デバイスの前記電力利用率によってスケーリングされる、
を備える、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
MIMOとDC HSPDAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定すること、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)によって、無線通信デバイスを分類することと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記コントローラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することは、
各送信時間インターバル(TTI)の間に、各無線通信デバイスによって消費される送信電力のパーセンテージをカウントすることと、
各決定期間の間に、各無線通信デバイスの平均電力利用率を計算することと、
前記無線通信デバイスのリソース利用率に従って、各セクタに対するアクティブ無線デバイスの有効数における各無線通信デバイスの重みを調整することと、ここにおいて、電力利用率が最大である前記無線通信デバイスは、1としてカウントされ、
その他全ての無線通信デバイスをカウントすることと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記重みは、各無線通信デバイスの前記電力利用率によってスケーリングされる、
を備える、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのための装置であって、
1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始するための手段と、
前記1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得するための手段と、
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するための手段と
を備える、装置。
【請求項32】
前記装置は、基地局である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記装置は、コントローラである、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するための手段は、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定するための手段と、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)に従って、各セクタの前記無線通信デバイスを分類するための手段と、
負荷が減少した場合に、より高いEc/Ioを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための手段と
を備える、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するための前記手段は、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定するための手段と、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)によって、各セクタの前記無線通信デバイスを分類するための手段と、
より低いEc/Ioを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための手段と
を備える、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するための前記手段は、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定するための手段と、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)によって無線通信デバイスを分類するための手段と、ここにおいて、各無線デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が増加した場合に、高い平均CQIを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信するための手段と
を備える、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
MIMOとDC HSPDAの共存を最適化するための前記手段は、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定するための手段と、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)に従って無線通信デバイスを分類するための手段と、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信するための手段と、
を備える、請求項32に記載の装置。
【請求項38】
命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備えた、多重入力多重出力(MIMO)とデュアルセル高速ダウンリンクパケットアクセス(DC HSDPA)との動的スイッチングのために構成されたコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は、
1または複数の無線通信デバイスに対して接続セットアップを開始するためのコードと、
前記1または複数の無線通信デバイスのためにMIMOおよびDC HSDPAの能力を獲得するためのコードと、
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化するためのコード
を備える、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項39】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)によって、各セクタの前記無線通信デバイスを分類することと、
負荷が減少した場合に、より高いEc/Ioを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えることと、
を備える、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項40】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
最後の測定報告のサービングエネルギー対トータルエネルギー比(Ec/Io)によって各セクタの前記無線通信デバイスを分類することと、
より低いEc/Ioを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えることと、
を備える、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項41】
MIMOとDC HSDPAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定することと、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)によって無線通信デバイスを分類することと、ここにおいて、各無線デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が増加した場合に、より高い平均CQIを有するDC HSDPAを使用する無線通信デバイスを、MIMOを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと、
を備える、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項42】
MIMOとDC HSPDAの共存を最適化することは、
各セクタに対するアクティブ無線通信デバイスの有効数を決定すること、
平均チャネル品質インジケータ(CQI)によって無線通信デバイスを分類することと、ここにおいて、各無線通信デバイスの前記平均CQIは、最後の測定報告から獲得され、
負荷が減少した場合に、より低い平均CQIを有するMIMOを使用する無線通信デバイスを、DC HSDPAを使用するように切り替えるための要求をコントローラに送信することと、
備える、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−527839(P2012−527839A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512002(P2012−512002)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/035458
【国際公開番号】WO2010/135458
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】