説明

MPEGクロマインターレース解除方法及びシステム

【課題】 クロマ要素に対して高い垂直解像度を保つために、インターレース映像信号はそのクロマ要素を垂直方向に拡張する前にインターレース解除する方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】 インターレースMPEG映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法では、クロマ要素がルマ要素のライン数の約1/2を特定するとき、ルマラインを特定するルマ要素及びクロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号が受信される。このインターレース映像信号はデコードされ、クロマラインの本数がルマラインの本数とほぼ等しくなるよう増加される。その後、この増加を実質的にリバースするようインターレース映像信号のクロマラインの本数が減少される。そしてこのインターレース映像信号はプログレッシブ映像信号を生成するようインターレース解除され、必要に応じてさらなる処理が加えられうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号の処理に関し、特に、インターレース映像フォーマット(interlaced video format)のインターレース解除(de-interlacing)として知られるプログレッシブ映像フォーマット(progressive video format)への変換に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、発信及び放送されているテレビ信号の多くはインターレースされている。これらの信号の多くはMPEG(Moving Picture Experts Group)形式で発信されている。例えば、ATSC(Advanced Television Systems Committee)は、ATSC信号と呼ばれるこれらの信号をMPEG形式で送信するデジタルテレビの基準つくりを行ってきた。ATSCフォーマットの中には、480iや1080iの映像信号のようなインターレース方式のものがある。これらMPEG信号はいわゆる4:2:0フォーマットである。したがってMPEG信号は、水平垂直両方向における半空間解像度(half-spatial resolution)のクロマ(chroma)、すなわち、映像信号の信号差部分を含む。映像信号のマトリックス化された赤、緑及び青部分である対応するルマ(luma)とともにこのクロマを表示するために、クロマは4:4:4フォーマットに再変換されねばならない。
【0003】
大部分のMPEGデコーダは、インターレースルマ出力に合うようにフォーマット化された後、このクロマ要素を出力する。典型的に、このようなMPEGデコーダはインターレース4:2:0クロマをインターレース4:2:2クロマに変換する。もしこの変換されたクロマとルマがインターレース解除され異なるライン数に変換されれば、クロマ垂直解像度は、このデコーダの通常のクロマ出力がインターレース解除されている場合、劣化する。
【0004】
プラズマ、液晶ディスプレイ(LCD)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)、あるいは他のマトリックスタイプディスプレイのような、本来的にプログレッシブな、すなわちインターレースでない多くの新しいディスプレイが開発されている。したがって、これら本来的にプログレッシブなディスプレイに映像信号を適切に表示するために、映像信号をデコードし、それを4:2:2フォーマットへ変換し、その後でインターレースを解除するということに加え、映像信号はさらに垂直フォーマット変換されねばならない。これによって、クロマ垂直解像度のさらなる劣化が生じうる。例えば、1080i信号が720pディスプレイに表示されるとき、大部分のMPEGデコーダは4:2:0クロマのフィールドあたり270ラインを垂直補間によりフィールドあたり540ラインに変換する。1080p信号を生成するのに、この信号のクロマ及びルマ要素の両方がインターレース解除される。このため垂直解像度が劣化する。さらに、ルマの1080から720への下方変換、及び540から720への上方変換では、垂直解像度はさらに劣化する。本発明は、この劣化を低減することを目的とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、インターレースMPEG映像信号をインターレース解除し、垂直フォーマット変換を行う方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、インターレース映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法からなる。インターレース映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法では、ルマライン(luma line)を特定するルマ要素(luma component)及びクロマライン(chroma line)を特定するクロマ要素(chroma component)を表すインターレース映像信号が受信される。ここでクロマ要素がルマ要素のライン数の約1/2を特定する。このインターレース映像信号はデコードされ、クロマラインの本数がルマラインの本数とほぼ等しくなるよう増加される。その後、この増加するステップを実質的にリバースするようインターレース映像信号のクロマラインの本数が減少される。そしてこのインターレース映像信号はプログレッシブ映像信号を生成するようインターレース解除される。この解除により、ルマラインを特定するルマ要素及びクロマラインを特定するクロマ要素を表すプログレッシブ映像信号が生成される。このプログレッシブ映像信号に必要に応じてさらなる処理が加えられうる。
【0007】
本発明はまた、インターレース4:2:0フォーマット映像信号を受信するステップを含むインターレースMPEG映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法からなる。インターレース4:2:0フォーマット映像信号はデコードされ、インターレース4:2:2フォーマット映像信号に変換される。このインターレース4:2:2フォーマット映像信号はインターレース4:2:0フォーマット映像信号に再変換され、その後インターレース解除され、4:2:0フォーマットプログレッシブ映像信号となる。この4:2:0フォーマットプログレッシブ映像信号は、必要に応じてさらなる処理が加えられる。
【0008】
本発明はまた、ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するステップを含むインターレース映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法からなる。このインターレース映像信号はデコードされ、非補間クロマライン(non-interpolated chroma line)は補間クロマライン(interpolated chroma line)及び非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素(processed chroma component)を生成するため補間される。デコードされたインターレース映像信号はルマライン及び非補間クロマラインに基づきインターレース解除される。このインターレース解除により、ルマラインを特定するルマ要素及びクロマラインを特定するクロマ要素を表すプログレッシブ映像信号が生成される。上述のように、この映像信号は必要に応じてさらに処理されてもよい。
【0009】
本発明はまた、ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するよう構成されたクロマ垂直補間器を有するMPEGデコーダからなる。このMPEGデコーダはインターレース映像信号をデコードし、補間クロマライン及び非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するよう非補間クロマラインを補間するよう構成される。この処理済クロマ要素は、非補間クロマラインのすべてを含むよう、補間クロマと非補間クロマを交互に特定する。
【0010】
本発明はまた、インターレースMPEG映像信号をプログレッシブ映像信号に変換するシステムからなる。このシステムは、ルマラインを特定するルマ要素及びクロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するよう構成されたデコーダを備える。ここで、このクロマ要素はルマ要素のライン数の約1/2を特定する。デコーダはインターレース映像信号をデコードし、ルマラインの本数とほぼ等しくなるようクロマラインの本数を増加させるよう構成される。本システムはまた、実質的にこの増加ステップをリバースするよう、まずインターレース映像信号のクロマラインの本数をルマラインの本数の約1/2まで減少させるよう構成されたインターレース解除装置を備える。このインターレース解除装置はその後インターレース映像信号をインターレース解除するよう構成される。デコーダとインターレース解除装置とを調整させるよう構成されたプロセッサが備えられる。
【0011】
本発明はまた、ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するよう構成されたデコーダを有するシステムからなる。このデコーダはインターレース映像信号をデコードし、補間クロマライン及び非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するよう非補間クロマラインを補間するよう構成される。この場合、ルマライン及び非補間クロマラインに基づき、デコードされたインターレース映像信号をインターレース解除するよう構成されたインターレース解除装置が備えられる。さらにデコーダとインターレース解除装置とを調整するよう構成されたプロセッサが備えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、クロマ要素に対して高い垂直解像度を保つために、インターレース映像信号はそのクロマ要素を垂直方向に拡張する前にインターレース解除される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、インターレースMPEG映像信号をインターレース解除し、垂直フォーマット変換を行う方法及びシステムに関する。本発明によると、インターレース映像信号はそのクロマ要素を垂直方向に拡張する前にインターレース解除される。これにより、インターレース解除及びクロマ垂直フォーマット変換を実行するとき、クロマ要素に対して高い垂直解像度(ルマ垂直解像度の約50%)を保つことができる。
【0014】
図1は、インターレース映像フォーマットをプログレッシブ映像フォーマットに変換するための一例となるシステム100を示す概略図である。図1に示されるように、システム100はMPEG2映像デコードモジュール(デコーダ)110、インターレースプログレッシブ映像処理システム(インターレース解除装置)120、及びプロセッサ105からなる。デコーダ110は受信したインターレース4:2:0フォーマットMPEG映像信号をインターレース4:2:2フォーマット映像信号にデコード及び変換する。インターレース解除装置120は映像信号をインターレース解除する前に、4:2:2フォーマット映像信号を4:2:0フォーマット映像信号に変換するよう構成される。変換前に、インターレース解除装置120はこのフォーマット変換された映像信号をプログレッシブ映像信号に変換することができる。プロセッサ105はデコーダ110とインターレース解除装置120の動作を調整する。上述の各要素はデータ通信バスや他の接続回路のような適当なデータ接続を通じて、通信可能なように接続されている。本発明によるシステムは、LCOSディスプレイや他の適切なプログレッシブ方式の画像装置を有する高品位テレビ(HDTV)受信機のような画像システムあるいはディスプレイ装置130を備えていてもよい。
【0015】
システム100は、インターレースMPEG信号を受け取り、この信号を高いクロマ垂直解像度を有するプログレッシブ映像信号に変換する。デコーダ110は、このインターレースMPEG4:2:0フォーマット映像信号を受け取り、このインターレースMPEG信号をデコードし、インターレース4:2:2フォーマット信号に変換する。本発明によると、インターレース解除装置120は、デコーダ110により実行される4:2:0から4:2:2への変換ステップの逆処理として、このインターレース4:2:2フォーマット信号をインターレース4:2:0フォーマット信号に再変換する。その後、インターレース解除装置120は、最適な順序でこのインターレース4:2:0フォーマット映像信号の処理を行う。具体的には、インターレース解除装置120はまずインターレース4:2:0フォーマット映像信号をインターレース解除し、これにより生成されるプログレッシブ4:2:0フォーマット映像信号をプログレッシブ4:2:2フォーマット映像信号に変換する。すなわち、生成されるプログレッシブ映像信号のクロマ要素のライン数がルマ要素のライン数に一致するよう拡張される。映像信号が供給されるディスプレイの垂直解像度に応じて、必要があればさらなる処理が与えられてもよい。
【0016】
クロマライン数の拡張あるいはインターレース解除された4:2:0映像信号の4:2:2フォーマット映像信号への変換が、4:2:0フォーマット1080p信号が720pディスプレイに表示される場合において示される。映像信号が上述のようにインターレース解除されたとすると、クロマラインは270から540に上方変換される。この映像信号に様々な方法を利用してさらなる処理が加えられる。1つの例としては、ルマラインが1080から720へ下方変換され、クロマラインが540から720へ上方変換される。また、クロマラインが540から720へ上方変換される代わりに、まずクロマラインが540から1080へ上方変換されてもよい。その後ルマラインが1080から720へ下方変換され、クロマラインもまた1080から720へ下方変換される。720pディスプレイが説明のために利用されているが、異なる解像度を有する様々な表示装置が利用されうる。したがって、ルマ及びクロマのそれぞれは、ルマラインの本数とクロマラインの本数とが実質的に等しくなるよう、必要に応じて上方及び下方変換されうる。ここでの処理は使用されている特定の表示装置の解像度に大きく依存する。
【0017】
図1のシステムを参照して、図2に示されるように、従来技術によるMPEGデコーダはインターレース出力するため受信したMPEG信号を処理する。そのルマはそのまま出力されるが、クロマは同一の垂直位置でルマと同じライン数に上方変換される。言い換えると、受信したインターレースMPEG4:2:0フォーマット映像信号はデコードされ、インターレース4:2:2フォーマット映像信号に変換される。ルマのライン3及び5に対してクロマを生成するため、デコーダによる一例となるプロセスは、ラインA及びCを使ってCr3及びCr5を導出する。例えば、MPEGデコーダは、
Cr3 = (5/8)A + (3/8)C Cr5 = (1/8)A + (7/8)C
として設定してもよい。
【0018】
MPEGデコーダは、4:2:0クロマラインの適当なペアから始めて、同様にしてトップフィールドに対し4:2:2クロマラインの残りを導出する。
【0019】
同様にして、MPEGデコーダは、ボトムフィールドに対して、
Cr4 = (7/8)B + (1/8)D Cr6 = (3/8)B + (5/8)D
と設定することにより、ラインBとDからCr4とCr6を導出することができる。
【0020】
本発明では、4:2:2インターレースラインが4:2:0インターレースラインに再変換される。例えば、AとCはCr3及びCr5から以下のようにして再構成されうる。
【0021】
A = (1/4)(7×Cr3−3×Cr5)
C = (1/4)(5×Cr5−Cr3)
ボトムフィールドに対して、B及びDは、Cr4とCr6から以下のように再構築されうる。
【0022】
B = (1/4)(5×Cr4−Cr6)
D = (1/4)(7×Cr6−3×Cr4)
もちろん、AがCr3とCr5から計算されうるのと同様に、Cは(図示されない)Cr7とCr9から計算されうる。このことは、1つのフィールドのすべてのクロマラインに1つの計算が実行し使われうるということを意味する。様々な方法で、これらの等式は実現されうる。もしデコーダによって異なる等式が4:2:2変換に関して使用されれば、その等式は4:2:2から4:2:0への変換のためリバースされうる。
【0023】
図3は、図1の発明により実行されるMPEGクロマインターレース解除の一例となる方法を示したフローチャート300である。この方法はインターレースMPEG映像信号が受け取られるステップ310から始まる。この映像信号は4:2:0フォーマット映像信号でありうる。具体的には、この映像信号のクロマ要素のクロマライン数は、その映像信号のルマ要素のルマライン数の約1/2となりうる。ステップ320において、インターレース4:2:0フォーマット映像信号はデコードされ、インターレース4:2:2フォーマット映像信号に変換される。すなわち、デコーダは受信した映像信号をデコードするだけでなく、クロマ要素のクロマライン数をルマ要素のルマライン数と実質的に等しくなるよう増加あるいは上方変換する。
【0024】
ステップ330で、生成されたインターレース4:2:2フォーマット映像信号がインターレース解除装置に供給される。ステップ340で、インターレース映像信号はインターレース4:2:0フォーマット映像信号に再変換される。図2に示されるように、インターレース解除装置はクロマを下方変換するか、あるいはデコーダのクロマ処理を効果的にリバースする。したがってクロマライン数はルマライン数の約1/2に減らされる。ステップ350で、インターレース4:2:0フォーマット映像信号はインターレース解除される。ステップ360で、垂直解像度の劣化を避けるために、生成されたプログレッシブ映像信号は必要に応じてさらなる処理がなされてもよい。例えば、生成されたプログレッシブ映像信号は、4:2:2フォーマット映像信号あるいは4:4:4映像信号に変換されてもよい。信号は使用されているディスプレイの垂直解像度に基づき、上述のように垂直フォーマット変換されてもよい。ステップ370で、すべての必要な処理の後、映像信号は表示のため表示装置に供給される。ステップ370の完了後、本発明によるシステムは映像信号のさらなる処理のため必要に応じて繰り返されてもよい。
【0025】
図4は、インターレース映像フォーマットをプログレッシブ映像フォーマットに変換するもう1つのシステム400の概略図である。システム400は、それがデコーダ410、インターレース解除装置420、プロセッサ405及び表示装置430を備えているという点で、図1に示されたシステムと実質的に同一のものである。しかしながら、デコーダ410は、修正MPEGデコーダクロマ垂直補間装置(modified MPEG decoder chroma
vertical interpolator)415を備えている。本発明によると、デコーダは、クロマ出力ラインのいくつかが補間されず、もとの4:2:0クロマラインのすべてが非補間ラインとして出力信号中の選ばれた時点で出力される。この場合、インターレース解除装置420はクロマライン数をルマライン数に実質的に等しくなるまで減らす(4:2:2フォーマット信号を4:2:0フォーマット信号に変換する)ことができるよう構成される必要はない。本発明による実施例では、この映像信号を再変換せずに、デコーダの出力クロマラインが1本おきにもとの4:2:0クロマラインから取られ、その間のラインが補間ラインから取られる。これによって、インターレース解除装置420は補間されたクロマラインを無視し、もとのクロマラインを維持するよう構成されうる。このようにして、静止画像の最大クロマ垂直解像度はインターレースされた出力の中に保持される。
【0026】
図5は、図4の発明により実行されるMPEGクロマインターレース処理の一例となる方法を示したフローチャート500である。この方法は、インターレースMPEG映像信号が受信されるステップ510から開始される。この映像信号は、クロマ要素のクロマライン数がルマ要素のルマライン数の約1/2である4:2:0フォーマット映像信号である。クロマライン数は補間により増やすことができる。クロマの上方変換と呼ばれるこのプロセスは、ルマラインとほぼ同数のクロマラインをもつ映像信号、例えば、インターレース4:2:2フォーマット映像信号を生成する。生成された映像信号は、オリジナルクロマライン、すなわち非補間クロマラインを含んでいる。本発明の実施例では、オリジナル4:2:0クロマラインのすべてが、非補間ラインとして出力信号中に選ばれた時点で出力される。例えば、デコーダの出力クロマラインは1本おきにオリジナルの非補間クロマラインから取られ、その間のラインは補間ラインから取られる。
【0027】
ステップ530で、映像信号がインターレース解除される。しかしながら、補間されたクロマラインはこのプロセスにおいては、破棄あるいは無視される。したがって、非補間クロマラインのみがルマラインに加えて処理される必要がある。ステップ540で、垂直解像度の劣化を防ぐため、インターレース解除された映像信号が上述のようなさらなる処理が加えられてもよい。例えば、プログレッシブ映像信号が4:2:2あるいは4:4:4フォーマット映像信号に変換されてもよい。さらに、映像信号を表示するための使用されているディスプレイに基づき、この信号は垂直フォーマット変換されてもよい。ステップ550で、生成された映像信号は画像システムや表示装置に供給される。本発明による方法は、さらなる映像信号の処理のため必要に応じて繰り返されてもよい。
【0028】
ここで開示された発明は、発明の精神や本質的属性から逸脱することなく、他の形態で実現されうる。したがって、上述の記述よりも本発明の範囲を示す請求項を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明によるインターレース映像フォーマットをプログレッシブ映像フォーマットに変換する一例となるシステムを示す模式図である。
【図2】図2は、デコードされたルマラインに対して、デコーダにおいて生成される4:2:0クロマラインを示す空間垂直図である。
【図3】図3は、本発明によるMPEGクロマインターレース解除を行う一例となる方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明によるインターレース映像フォーマットをプログレッシブ映像フォーマットに変換する他の一例となるシステムを示す模式図である。
【図5】図5は、本発明によるMPEGクロマインターレース解除を行う他の一例となる方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
100、400 システム
105、405 プロセッサ
110、410 デコーダ
120、420 インターレース解除装置
130、430 ディスプレイ
415 クロマ垂直補間器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターレース映像信号をプログレッシブ映像信号に変換する方法であって:
ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するステップ;
該補間映像信号をデコードし、補間クロマライン及び前記非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するため前記非補間クロマラインを補間するステップ;
ルマラインを特定するルマ要素及びクロマラインを特定するクロマ要素を表すプログレッシブ映像信号を生成するため、前記ルマライン及び前記非補間クロマラインに基づきデコードされた前記インターレース映像信号をインターレース解除するステップ;及び
前記プログレッシブ映像信号をさらに処理するステップ;
からなることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記ルマライン及び前記非補間クロマラインに基づきデコードされた前記インターレース映像信号をインターレース解除するステップは、前記補間クロマラインを無視する処理を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記プログレッシブ映像信号をさらに処理するステップは、さらに、前記プログレッシブ映像信号の前記ルマラインの本数と前記クロマラインの本数とをほぼ等しくする処理を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、プログレッシブ映像信号をさらに処理するステップは、さらに、前記プログレッシブ映像信号と異なる垂直解像度を有するディスプレイに表示するため、前記プログレッシブ映像信号を垂直フォーマット変換する処理を備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、プログレッシブ映像信号をさらに処理するステップは、さらに、垂直フォーマット変換された前記プログレッシブ映像信号を画像システムに供給する処理を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法であって、前記画像システムはLCOS画像装置を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5記載の方法であって、前記画像システムは、さらに、高品位テレビ受信機を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、前記ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信するステップにおける該インターレース映像信号は、4:2:0フォーマット映像信号であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記補間映像信号をデコードし、補間クロマライン及び前記非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するため前記非補間クロマラインを補間するステップは、前記処理済クロマ要素が前記非補間クロマラインのすべてを含むよう、前記補間クロマと前記非補間クロマを交互に特定する前記処理済クロマ要素の少なくとも一部を表す4:2:2フォーマット映像信号を生成することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、前記ルマライン及び前記非補間クロマラインに基づきデコードされた前記インターレース映像信号をインターレース解除するステップは、4:2:0フォーマット映像信号を生成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、前記プログレッシブ映像信号をさらに処理するステップは、前記4:2:0フォーマットプログレッシブ映像信号を4:2:2フォーマット映像信号に変換する処理を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信し、前記インターレース映像信号をデコードし、前記補間クロマライン及び前記非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するため前記非補間クロマラインを補間するよう構成されたクロマ垂直補間器からなることを特徴とするMPEGデコーダ。
【請求項13】
請求項12記載のMPEGデコーダであって、前記処理済クロマ要素は、前記非補間クロマラインのすべてを含むよう、前記補間クロマライン及び前記非補間クロマラインを交代で特定することを特徴とするMPEGデコーダ。
【請求項14】
インターレースMPEG映像信号をプログレッシブ映像信号に変換するシステムであって:
ルマラインを特定するルマ要素及び非補間クロマラインを特定するクロマ要素を表すインターレース映像信号を受信し、該インターレース映像信号をデコードし、補間クロマライン及び前記非補間クロマラインを特定する処理済クロマ要素を生成するため前記非補間クロマラインを補間するよう構成されたデコーダ;及び
前記ルマライン及び前記非補間クロマラインに基づき、デコードされた前記インターレース映像信号をインターレース解除するよう構成されたインターレース解除装置;
からなることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムは、さらに、前記インターレース解除された映像信号を表示するためのLCOS画像装置を備えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14記載のシステムは、さらに、前記インターレース解除された映像信号を表示するためのLCOS画像装置を有する高品位テレビ受信機を備えることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−187033(P2006−187033A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32855(P2006−32855)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【分割の表示】特願2002−553823(P2002−553823)の分割
【原出願日】平成13年12月10日(2001.12.10)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】