説明

MRI装置

【課題】
被検体の灌流画像を短時間で取得することができるMRI装置を提供する。
【解決手段】
MRI装置1は、勾配コイル4および送信コイル6を制御する制御部16を有している。制御部16は、(A)飽和期間SATに、動脈血の上流側に位置する飽和領域FOSにおいて、動脈血の縦磁化が飽和し、(B)飽和期間SATの後の反転期間IRに、動脈血の下流側に位置する撮像領域FOVにおいて、動脈血の縦磁化の方向が反転し、(C)反転期間IRの後のデータ収集期間ACQに、撮像領域FOVから動脈血のMR信号が収集されるように、勾配コイル4および送信コイル6を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を流れる体液を撮像するMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば血管を流れる血液を撮像する場合に、MRI装置が使用されている。血液を撮像する方法として、血管を流れる血液の流入効果を利用する方法がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−082867
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の方法では、動静脈を分離して動脈のみを描出する場合、同じ撮像領域を2回撮像し、撮像された2つの画像の差分を求める必要がある。したがって、画像を取得するのに時間がかかるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、被検体の灌流画像を短時間で取得することができるMRI装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決する本発明のMRI装置は、被検体を流れる体液を撮像するMRI装置であって、
上記被検体に勾配パルスを印加する勾配コイル、
上記被検体にRFパルスを送信する送信コイル、および
上記勾配コイルおよび上記送信コイルを制御する制御部、
を有するMRI装置であって、
上記制御部は、
(A)飽和期間に、上記体液の上流側に位置する飽和領域において、上記体液の磁化が飽和し、
(B)上記飽和期間の後の反転期間に、上記体液の下流側に位置する撮像領域において、上記体液の縦磁化の方向が反転し、
(C)上記反転期間の後のデータ収集期間に、上記撮像領域から上記体液のMR信号が収集される、
ように、上記勾配コイルおよび上記送信コイルを制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、同じ撮像領域を2回撮像しなくても撮像対象の体液を強調して描出することができるので、体液の撮像を短時間で行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。尚、本発明は、発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。
【0008】
図1は、MRI装置1のブロック図である。このMRI装置1は発明を実施するための最良の形態の一例である。
【0009】
MRI装置1は、図1に示すように、主磁場コイル2、勾配コイル4、送信コイル6、および受信コイル8を有している。主磁場コイル2、勾配コイル4、および送信コイル6は、互いに同軸的に配置されている。受信コイル8は、被検体10の撮像部位10aに近接するように設置されている。
【0010】
MRI装置1は、更に、被検体10を支持するクレドール12と、クレドール12をz方向に移動させる駆動部(図示せず)と、を有している。この駆動部がクレドール12をz方向に移動させることにより、クレドール12は送信コイル6の内側の空間(ボア)14内に移動する。
【0011】
主磁場コイル2は、ボア14に、z方向の磁場(水平磁場)を形成する。
【0012】
勾配コイル4は、互いに垂直な3軸(スライス軸、位相軸、および周波数軸)の方向に、勾配磁場を印加する。
【0013】
送信コイル6は、ボア14にRFパルスを送信する。
【0014】
受信コイル8は、被検体10の撮像部位10aから受け取ったMR信号を電気信号に変換する。尚、送信コイル6が受信コイル8を兼ねるように構成されていてもよい。
【0015】
MRI装置1は、更に、勾配コイル4および送信コイル6を制御するコイル制御部16(図1に破線で囲まれている部分)を有している。
【0016】
制御部16は、勾配コイル駆動部18、送信部20、ベローズ22、呼吸信号解析部24、心拍センサ26、心電信号解析部28、およびシーケンサ30、を有している。
【0017】
ベローズ22は、被検体10の呼吸による体動を検出し、呼吸信号36を呼吸信号解析部24に送信する。呼吸信号解析部24は、呼吸信号36を解析し、呼吸同期信号38をシーケンサ30に出力する。呼吸同期信号38は、勾配コイル4が勾配パルスを印加するタイミングと、送信コイル6がRFパルスを送信するタイミングを、呼吸に同期させるために使用される信号である。
【0018】
心拍センサ26は、被検体10の心拍を検出し、心電信号40を心電信号解析部28に送信する。心電信号解析部28は、心電信号40を解析し、心拍同期信号42をシーケンサ30に出力する。心拍同期信号42は、勾配コイル4が勾配パルスを印加するタイミングと、送信コイル6がRFパルスを送信するタイミングを、心拍に同期させるために使用される信号である。
【0019】
シーケンサ30は、呼吸同期信号38および心拍同期信号42などに基づいて、勾配コイル駆動部18に制御信号44を供給する。勾配コイル駆動部18は、制御信号44に基づいて、勾配コイル4を駆動するための駆動信号32を勾配コイル4に供給する。
【0020】
また、シーケンサ30は、呼吸同期信号38および心拍同期信号42などに基づいて、送信部20に制御信号46を供給する。送信部20は、制御信号46に基づいて、送信コイル6を駆動するための駆動信号34を送信コイル6に供給する。
【0021】
MRI装置1は、更に、受信部48、データ処理部54、表示部56、および操作部58を有している。
【0022】
受信部48は、受信コイル8から、撮像部位10aに関するデータ信号50を受け取り、受け取ったデータ信号50をデジタル信号52に変換する。
【0023】
データ処理部54は、受信部48から出力されたデジタル信号52をメモリに記憶する。データ処理部54は、デジタル信号52から画像を再構成し、画像信号60を出力する。
【0024】
表示部56は、データ処理部54から画像信号60を受け取り、画像を表示する。
【0025】
操作部58はシーケンサ30に接続されている。操作部58は、MRI装置1を操作するオペレータによって操作される。オペレータは、操作部58を介して、各種の指令や情報等をシーケンサ30に送信する。オペレータは、表示部56および操作部58を通じてインタラクティブにMRI装置1を操作することができる。
【0026】
次に、上記のように構成されたMRI装置1の撮像動作について説明する。この撮像動作の説明に当たっては、MRI装置1で被検体10の動脈血を撮像する例を取り上げて説明する。
【0027】
図2は、被検体10の撮像領域FOVを概略的に示す図である。
【0028】
撮像領域FOVは、大腿動脈ARおよび大腿静脈VEを含んでいる。撮像領域FOV内を流れる動脈血および静脈血は、それぞれ矢印BAR’およびBVE’で示されている。撮像領域FOV以外の領域内を流れる動脈血および静脈血は、それぞれ矢印BARおよびBVEで示されている。
【0029】
MRI装置1は、撮像領域FOVを流れる動脈血を撮像するために、パルスシーケンスに従って勾配コイル4および送信コイル6を駆動する。
【0030】
図3は、MRI装置1が実行するパルスシーケンス100の説明図である。
【0031】
パルスシーケンス100は、飽和期間SAT、反転期間IR、およびデータ収集期間ACQを有している。図3には、送信コイル6が送信するRFパルスが示されているが、勾配コイル4が印加する勾配磁場は、説明の便宜上、図示省略されている。
【0032】
以下に、パルスシーケンス100について具体的に説明する。
【0033】
図4は、パルスシーケンス100の飽和期間SATおよび反転期間IRを具体的に示した図である。
【0034】
送信コイル6は、飽和期間SATの間に、空間前飽和パルスPssを送信する。空間前飽和パルスPssは、図4に示すように、スライス勾配パルスGsが印加されている間に、送信される。スライス勾配パルスGsが印加された後、キラー勾配パルスGkが印加される。パルスPss、Gs、およびGkの組合せは、飽和期間SATの間に、繰り返し送信(印加)される。飽和期間SATの長さは、例えば2秒間である。期間SATの長さが2秒間である場合、空間前飽和パルスPssは、例えば、50msecごとに40回送信される。
【0035】
これらのパルスPss、Gs、およびGkは、撮像領域FOVに隣接する飽和領域FOS(図2参照。撮像領域FOVに対して動脈血の上流側の領域)を流れる動脈血BARの縦磁化成分および横磁化成分が飽和するように、設定されている。したがって、動脈血BARは、撮像領域FOVに流入する前に、縦磁化成分および横磁化成分が飽和する。
【0036】
飽和期間SATが終了した後、反転期間IRが続く。
【0037】
反転期間IRの間に、反転パルスPirが送信される。反転パルスPirは、図4に示すように、スライス勾配パルスが印加されていない(すなわち、磁場勾配がゼロである)間に送信される。したがって、反転パルスPirはスライス非選択パルスである。反転パルスPirが送信された後、キラー勾配パルスGkが印加される。反転期間IRが終了した後、データ収集期間ACQが続く。
【0038】
図5は、パルスシーケンス100のデータ収集期間ACQを具体的に示した図である。
【0039】
データ収集期間ACQは、撮像領域FOV(図2参照)からMR信号を収集するための期間である。送信コイル6は、撮像領域FOV(図2参照)からMR信号が収集できるように設定されたRFパルス(以下、「データ収集パルス」という)Pdaを送信する。データ収集パルスPdaは、勾配コイル4がスライス勾配パルスGsを印加している間に、送信される。また、データ収集パルスPdaは、反転パルスPirを送信してから反転時間TIの経過後に送信されている(図3参照)。ここでは、反転時間TIは、反転パルスPirを送信してから静脈血の縦磁化成分がゼロになるまでの時間である。
【0040】
勾配コイル4は、更に、周波数勾配パルスGfと、位相勾配パルスGp1およびGp2と、を印加する。図5に示すようなパルスPda、Gs、Gf、Gp1、およびGp2がTR時間ごとに繰り返し送信(印加)される。
【0041】
MRI装置1は、このようなパルスシーケンス100を実行することによって、撮像領域FOVを流れる動脈血を撮像している。
【0042】
パルスシーケンス100は、図3に示すように、データ収集期間ACQの前に、飽和期間SATおよび反転期間IRを有している。飽和期間SATおよび反転期間IRは、静脈血BVE’の流入効果を低下させるために設けられた期間である。このように、パルスシーケンス100(図3参照)は、静脈血BVE’の流入効果を低下させるために、飽和期間SATだけでなく、反転期間IRを有していることに注意すべきである。パルスシーケンス100は、反転期間IRを有している点で、特開2007−082867号(特許文献1)に示されているパルスシーケンスとは異なっている(図6参照)。
【0043】
図6は、特開2007−082867号に示されているパルスシーケンスを概略的に示す図である。
【0044】
特開2007−082867号に示されているパルスシーケンス(以下、「従来のパルスシーケンス」と呼ぶ)100’は、図3に示すパルスシーケンス100と同様に、飽和期間SATおよびデータ収集期間ACQを有している。しかし、従来のパルスシーケンス100’は反転期間IRを有していない。
【0045】
図3に示すパルスシーケンス100を使用した場合、動脈血BAR’が静脈血BVE’よりも十分に強調された灌流画像を高速で撮像することができるという効果がある。これに対して、図6に示す従来のパルスシーケンス100’を使用した場合、動脈血BAR’が静脈血BVE’よりも十分に強調された灌流画像を撮像するには、時間がかかるという問題点がある。この問題点を具体的に説明するために、以下のシミュレーションS1を行った。
(S1)データ収集期間ACQの前に、飽和期間SATを設けるが、反転期間IRは設けない場合の動脈血および静脈血の縦磁化成分のシミュレーション。
以下に、このシミュレーションS1について説明する。
【0046】
図7は、シミュレーションS1のシミュレーション条件を説明する図である。シミュレーション条件は以下の通りである。
(a)動脈70および静脈74は直線状に延在している。
(b)動脈血72は動脈70を一定速度(1000mm/s)で流れる。
(c)静脈血76は、動脈血72とは反対方向に流れる。
(d)静脈血76の流速は、動脈血72の流速よりも十分に遅いので、静脈血76の流速をゼロとする。
(e)脈動は無視する。
(f)飽和期間SATの間に、x<0の範囲(飽和領域FOS)内の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分を飽和させる。
【0047】
図8は、シミュレーションS1の結果を示すグラフである。
【0048】
図8は、飽和期間SAT終了時点の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示している。
【0049】
横軸は、図7に示す動脈70(および静脈74)の原点からの距離x(mm)を示す。ここで、原点とは、動脈血72が領域FOSから流出する位置Foutである。縦軸は、動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mを示す。図8において、ラインA1は、動脈血72の縦磁化成分Mの変化を表しており、ラインV1は、静脈血76の縦磁化成分Mの変化を表している。以下に、動脈血72の縦磁化成分Mおよび静脈血76の縦磁化成分Mについて順に説明する。
【0050】
(1)動脈血72の縦磁化成分Mについて(ラインA1)
(i)−1000mm≦x<0mmの領域
動脈血72の縦磁化成分は、動脈血72が−1000mm≦x<0mmの領域を流れている間に飽和する(シミュレーション条件(f)参照)。したがって、動脈血72の縦磁化成分Mは、ゼロである。
(ii)0≦x≦2000mmの領域
上記のように、動脈血72の縦磁化成分Mは、−1000mm≦x<0mmの領域ではゼロである。したがって、動脈血72は、縦磁化成分Mがゼロの状態で、位置Foutから流出する。したがって、動脈血72の縦磁化成分Mは、位置Foutから流出した直後はゼロである。しかし、動脈血72の縦磁化成分Mは、位置Foutから流出した直後から徐々にT1回復し、動脈血72の縦磁化成分Mは、ラインA1で示すように、距離xが大きくなるに従って大きくなる。尚、図8では、動脈血72の縦磁化成分Mが完全にT1回復したときの動脈血72の縦磁化成分MをM=Mとしている。
【0051】
(2)静脈血76の縦磁化成分Mについて(ラインV1)
(i)0≦x≦2000mmの領域
静脈血76は、動脈血72とは反対方向に流れるので(シミュレーション条件(c)参照)、x<0の領域(飽和領域FOS)に流入する前に、0≦x≦2000mmの領域を流れる。したがって、0≦x≦2000mmの領域を流れる静脈血76の縦磁化成分Mは飽和しておらず、M=Mである。
(ii)−1000mm≦x<0mmの領域
静脈血76の縦磁化成分は、静脈血76が−1000mm≦x<0mmの領域を流れている間に飽和する(シミュレーション条件(f)参照)。したがって、静脈血76の縦磁化成分Mは、ゼロである。
【0052】
(3)図8のグラフの検討
動脈血72の縦磁化成分M(ラインA1)は、距離xが大きくなるに従って大きくなる。しかし、動脈血72の縦磁化成分M(ラインA1)は、静脈血76の縦磁化成分M(ラインV1)よりも小さい。したがって、データ収集期間ACQの前に飽和期間SATを設けただけでは、動脈血72よりも静脈血76が強調された灌流画像しか得られない。この図8に示すシミュレーションS1の結果から、従来のパルスシーケンス100’(図6参照)を使用して画像データを収集するだけでは、動脈血72が強調された灌流画像は得られないことが分かる。そこで、従来のパルスシーケンス100’を使用する場合は、従来のパルスシーケンス100’を使用して画像データを収集した後、別のパルスシーケンスを用いて画像データを再度収集し、これらの画像データの差分を求めている。画像データの差分を求めることによって、動脈血72が強調された灌流画像が得られる。しかし、画像データを再度収集する必要があるので、撮像時間が長くなるという問題がある。
【0053】
この問題を解決するために、本形態のMRI装置1で使用されるパルスシーケンス100は、飽和期間SATの後、データ収集期間ACQの前に、反転期間IRを有している(図3参照)。反転期間IRを設けることによって、動脈血72が強調された灌流画像を短時間で撮像することができる。以下に、動脈血72が強調された灌流画像を短時間で撮像することができる理由を説明する。この理由を説明するために、以下のシミュレーションS2を行った。
(S2)飽和期間SATの後、データ収集期間ACQの前に、反転期間IRを設けた場合の動脈血および静脈血の縦磁化成分のシミュレーション。
【0054】
シミュレーションS2のシミュレーション条件は、シミュレーションS1のシミュレーション条件(a)〜(f)と同じである。ただし、シミュレーションS2では、以下のシミュレーション条件(g)が加えられている。
(g)反転期間IRの間に、―1000mm<x<2000mmの範囲内の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分を反転させる。
【0055】
図9〜図11は、シミュレーションS2の結果を示すグラフである。尚、図9〜図11のグラフの横軸および縦軸は、図8の横軸および縦軸と同じである。
【0056】
図9は、飽和期間SAT終了時点の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【0057】
ラインA2は、動脈血72の縦磁化成分Mの変化を表しており、ラインV2は、静脈血76の縦磁化成分Mの変化を表している。図9は、飽和期間SAT終了時点でのシミュレーション結果を示しているので、図8と同じシミュレーション結果になる。
【0058】
図10は、反転期間IRに送信される反転パルスPirの送信終了時点の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【0059】
ラインA3は、動脈血72の縦磁化成分Mの変化を表しており、ラインV3は、静脈血76の縦磁化成分Mの変化を表している。尚、図10には、図9で示した2つのラインA2およびV2を破線で示してある。
【0060】
反転パルスPirが送信されると、動脈血72の縦磁化成分MはラインA2からA3に反転し、静脈血76の縦磁化成分MはラインV2からV3に反転する。
【0061】
図11は、反転パルスPirを送信してから反転時間TI経過時点での動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【0062】
ラインA4は、動脈血72の縦磁化成分Mの変化を表しており、ラインV4は、静脈血76の縦磁化成分Mの変化を表している。尚、図11には、図10で示した2つのラインA3およびV3を破線で示してある。以下に、ラインV4およびラインA4について順に説明する。
【0063】
[ラインV4について]
反転時間TIの間に、静脈血76の縦磁化成分Mは回復する。縦磁化成分Mが反転時間TIの間に回復する量は、反転時間TIの開始時点における縦磁化成分Mの大きさに依存する。したがって、反転時間TIの開始時点における縦磁化成分Mが、M=−Mである場合と、M=0(ゼロ)である場合とでは、縦磁化成分Mの回復量は異なる。シミュレーションS2では、反転時間TIの開始時点における縦磁化成分MがM=−Mであれば、Mは−Mから0(ゼロ)にまで回復するように、反転時間TIが設定されている。したがって、静脈血76の縦磁化成分Mは、0≦x≦2000mmの範囲では、−Mからゼロにまで回復する。
尚、−1000<x<0の範囲では、縦磁化成分Mは、0(ゼロ)からM/2に変化する。
したがって、反転時間TIの間に、静脈血76の縦磁化成分Mは、ラインV3からV4へと変化する。
また、静脈血76の流速はゼロであるので(シミュレーション条件(d)参照)、静脈血76の縦磁化成分MのラインV3からV4への縦磁化回復は、同一の距離x上で行われる。例えば、x=1000mmにおけるラインV3上の縦磁化成分Mv3は、x=1000mm上で縦磁化回復し、x=1000mmにおけるラインV4上の縦磁化成分Mv4に変化する。
【0064】
[ラインA4について]
反転時間TIの間に、動脈血72の縦磁化成分Mも回復する。しかし、動脈血72の縦磁化成分Mが縦磁化回復している間、動脈血72は一定速度(1000mm/s)で流れるので(シミュレーション条件(b)参照)、動脈血72の縦磁化成分Mの縦磁化回復は、同一の距離x上では行われない。例えば、x=−500mmにおけるラインA3上の縦磁化成分MA3_1は、動脈血72が一定速度(1000mm/s)で流れることにより、x=500mmにおけるラインA4上の縦磁化成分MA4_1に変化する。また、x=500mmにおけるラインA3上の縦磁化成分MA3_2は、x=1500mmにおけるラインA4上の縦磁化成分MA4_2に変化する。
したがって、反転時間TIの間に、動脈血72の縦磁化成分Mは、ラインA3からA4へと変化する。
【0065】
図11から分かるように、0<x<2000の範囲において、動脈血72の縦磁化成分Mは0(ゼロ)より大きい値を有しているが(ラインA4)、静脈血76の縦磁化成分Mは0(ゼロ)である(ラインV4)。したがって、飽和期間SATの後、データ収集期間ACQの前に、反転期間IRを設けることによって、静脈血76は実質的に描出されないが動脈血72が強調された灌流画像を得ることができる。この図11に示すシミュレーションS2の結果から、パルスシーケンス100(図3参照)を使用して画像データを収集することによって、静脈血76は実質的に描出されないが動脈血72が強調された灌流画像を得ることができることが分かる。また、パルスシーケンス100(図3参照)を使用すれば、別のパルスシーケンスを用いて画像データを再度収集しなくても、静脈血76が実質的に描出されずに動脈血72が強調された灌流画像を得ることができる。したがって、パルスシーケンス100(図3参照)を使用すれば、被検体10の動脈をより短時間で撮像することができる。
【0066】
図1に戻って説明を続ける。
【0067】
MRI装置1が図3に示すパルスシーケンス100を実行すると、受信コイル8は、動脈血BAR’(図2参照)の情報を含んだMR信号を電気信号に変換する。受信部48は、受信コイル8から、動脈血BAR’(図2参照)の情報を含んだデータ信号50を受け取る。受信部48は、受け取ったデータ信号50をデジタル信号52に変換し、データ処理部54に出力する。データ処理部54は、動脈血を含んだ画像を再構成し、この画像が表示部56に表示される。表示部56は、動脈血BAR’が強調された灌流画像を表示するが、静脈血BVE’は実質的に表示しないので、医師は、動脈ARの血流状態を正確に認識することができる。
【0068】
上述のように、MRI装置1は、動脈血BAR’が強調された灌流画像を高速で撮像することができる。
【0069】
また、MRI装置1は、反転パルスPirを送信するタイミングを決定するために、呼吸信号36および心電信号40を利用している。以下に、反転パルスPirを送信するタイミングを決定するやり方について、図1と図12を参照しながら説明する。
【0070】
図12は、呼吸信号36および心電信号40と、図3に示すRFパルスと、を示す図である。
【0071】
MRI装置1では、図1に示すように、ベローズ22が呼吸信号36を呼吸信号解析部24に出力する。呼吸信号解析部24は、呼吸信号36を解析し、呼吸同期信号38をシーケンサ30に出力する。呼吸信号36は、被検体10の呼吸による体動の大きい第1の呼吸期間Cα1、Cα2…と、被検体10の呼吸による体動の小さい第2の呼吸期間Cβ1、Cβ2、Cβ3…を有している。呼吸同期信号38は、呼吸信号36が第1の呼吸期間から第2の呼吸期間に遷移したことを表す信号である。
【0072】
更に、MRI装置1では、図1に示すように、心拍センサ26が心電信号40を心電信号解析部28に出力する。心電信号析部28は、心電信号40を解析し、心拍同期信号42をシーケンサ30に出力する。この心電同期信号42は、心電信号40がR波(R1、R2、R3、R4、R5…)に到達したことを表す信号である。
【0073】
シーケンサ30は、受け取った呼吸同期信号38および心拍同期信号42に基づいて、制御信号44および46を生成し、勾配コイル駆動部18および送信部20に送る。勾配コイル駆動部18および送信部20は、制御信号44および46に基づいて、コイル4および6を駆動する。ここでは、第1の呼吸期間(Cα1、Cα2…)から第2の呼吸期間(Cβ1、Cβ2、Cβ3…)に遷移した後に心電信号40に最初に発生するR波(図12では、R2)に同期して、反転パルスPirが送信されるように、送信コイル6が駆動されている。これによって、被検体10の呼吸による体動の小さい第2の呼吸期間(Cβ1、Cβ2、Cβ3…)にデータ収集を行うことができる。また、R波R2に同期して反転パルスPirを送信することによって、どの第2の呼吸期間(Cβ1、Cβ2、Cβ3…)であっても、R波R2からデータ収集期間ACQが始まるまでの時間RDが同じになる。したがって、どの第2の呼吸期間(Cβ1、Cβ2、Cβ3…)であっても、同じような血流状態でデータ収集を行うことができる。
【0074】
尚、呼吸と心拍とのうちの一方又は両方を検出せずにデータ収集することも可能である。
【0075】
MRI装置1は、空間前飽和パルスPssの後、データ収集パルスPdaの前に、反転パルスPirを送信しているが、空間前飽和パルスPssの前に反転パルスPirを送信するMRI装置が知られている(例えば、米国特許5842989号)。しかし、この米国特許のMRI装置では、図1に示すMRI装置1の効果を得ることはできない。その理由について以下に説明する。
【0076】
米国特許5842989号のMRI装置は、反転パルスを送信してから空間前飽和パルスを送信し、反転パルスを送信してからTI時間経過後に、データ収集を行っている。図13に、米国特許5842989号のMRI装置において、TI時間経過時点での動脈血および静脈血の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示す。
【0077】
図13では、ラインA5は動脈血の縦磁化成分Mを表しており、ラインV5は静脈血の縦磁化成分Mを表している。尚、図13には、図11で示したラインA4を破線で示してある。
【0078】
図13では、0<x<2000の範囲内では、静脈血の縦磁化成分MはM=0(ゼロ)であることがわかる。一方、動脈血の縦磁化成分Mは、0≦x≦1000の範囲ではM=Mであるが、1000≦x≦2000の範囲では、M=0である。したがって、1000≦x≦2000の範囲では、動脈の血流状態を視認することができない。
【0079】
これに対して、本形態のMRI装置1では、ラインA4で示されているように、1000≦x≦2000の範囲でも、縦磁化成分Mはゼロより大きい値を有している。したがって、MRI装置1は、米国特許5842989号のMRI装置よりも、動脈の下流側を広範囲に撮像できることがわかる。
【0080】
尚、米国特許5842989号(ラインA5)とMRI装置1(ラインA4)とを比較すると、0≦x<1000の範囲では、ラインA4により示される動脈血の縦磁化成分Mは、ラインA5により示される動脈血の縦磁化成分Mよりも小さい。したがって、0≦x<1000の範囲では、MRI装置1で撮像された動脈血は、米国特許5842989号の装置で撮像された動脈血よりも、視認しにくいのではないかとも考えられる。しかし、シミュレーションS2の結果によれば(図11参照)、0≦x<1000の範囲では、動脈血の縦磁化成分MはM/2の大きさを有するとともに、静脈血の縦磁化成分Mは0(ゼロ)である。したがって、静脈血は灌流画像の中に実質的に描出されないので、動脈の血流状態は十分に視認できると考えられる。
【0081】
尚、撮像された画像に筋肉組織が含まれており、筋肉組織が動脈の血流状態を認識する妨げになることがあり得る。この場合は、T2プリパレーションを行うことにより、筋肉組織を画像から実質的に消去することができる。T2プリパレーションとは、横緩和時間T2の違いに着目して筋肉の信号を血液の信号よりも小さくする処理である。T2プリパレーションは、反転パルスPirを送信した後、データ収集パルスPdaを送信する前の時刻Tt2(図12参照)で行われる。T2プリパレーションは当業者に周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0082】
また、撮像された画像に脂肪組織が含まれており、脂肪組織が動脈の血流状態を認識する妨げになることがあり得る。この場合は、反転パルスPirを送信した後、データ収集パルスPdaを送信する前に、CHESS(又はSPECIAL IR)を送信することにより、脂肪組織を画像から実質的に消去することができる。CHESS(又はSPECIAL IR)は当業者に周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。尚、筋肉組織と脂肪組織との両方を消去したい場合は、T2プリパレーションパルスを送信した後に、CHESS(又はSPECIAL IR)を送信すればよい。
【0083】
尚、上記の形態では、動脈血の灌流画像を取得する場合に、静脈血の縦磁化成分がゼロになるように反転時間TIを設定することによって、灌流画像に静脈血が描出されないようにしている(図11参照)。しかし、本発明を適用すれば、体液以外の組織(例えば、筋肉、脂肪)の縦磁化成分がゼロになるように反転時間TIを設定することによって、T2プリパレーションパルスなどを送信しなくても、体液以外の組織が描出されないようにすることも可能である。このように、反転時間TIは必要に応じて適宜変更してもよい。
【0084】
また、上記の形態では、動脈血を撮像する例について説明している。しかし、本発明は、動脈血以外の体液(例えば、静脈血や脊髄液など)を撮像する場合にも適用できる。例えば、静脈血を撮像したい場合は、動脈血の縦磁化成分がゼロになるように反転時間TIを設定することで、静脈血が強調された灌流画像を得ることが可能である。
【0085】
更に、上記の形態では、反転パルスPirはスライス非選択パルスである。しかし、撮像領域の動脈の血流状態が視認できるのであれば、反転パルスPirはスライス選択パルスであってもよい。また、本形態では、MRI装置100はパルスシーケンス100を実行しているが、本発明の効果が得られるのであれば、他のパルスシーケンスを実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】MRI装置1のブロック図である。
【図2】被検体10の撮像領域FOVを概略的に示す図である。
【図3】MRI装置1が実行するパルスシーケンス100の説明図である。
【図4】パルスシーケンス100の飽和期間SATおよび反転期間IRを具体的に示した図である。
【図5】パルスシーケンス100のデータ収集期間ACQを具体的に示した図である。
【図6】特開2007−082867号に示されているパルスシーケンスを概略的に示す図である。
【図7】シミュレーションS1のシミュレーション条件を説明する図である。
【図8】シミュレーションS1の結果を示すグラフである。
【図9】飽和期間SAT終了時点の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】反転期間IRに送信される反転パルスPirの送信終了時点の動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図11】反転パルスPirを送信してから反転時間TI経過時点での動脈血72および静脈血76の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図12】呼吸信号36および心電信号40と、図3に示すRFパルスと、を示す図である。
【図13】米国特許5842989号のMRI装置において、TI時間経過時点での動脈血および静脈血の縦磁化成分Mのシミュレーション結果を示す。
【符号の説明】
【0087】
1 MRI装置
2 主磁場コイル
4 勾配コイル
6 送信コイル
8 受信コイル
10 被検体
12 クレドール
14 ボア
16 制御部
18 勾配コイル駆動部
20 送信部
22 ベローズ
24 呼吸信号解析部
26 心拍センサ
28 心電信号解析部
30 シーケンサ
32、34 駆動信号
36 呼吸信号
38 呼吸同期信号
40 心電信号
42 心拍同期信号
44、46 制御信号
48 受信部
50 データ信号
52 デジタル信号
54 データ処理部
56 表示部
58 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を流れる体液を撮像するMRI装置であって、
前記被検体に勾配パルスを印加する勾配コイル、
前記被検体にRFパルスを送信する送信コイル、および
前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する制御部、
を有するMRI装置であって、
前記制御部は、
(A)飽和期間に、前記体液の上流側に位置する飽和領域において、前記体液の縦磁化が飽和し、
(B)前記飽和期間の後の反転期間に、前記体液の下流側に位置する撮像領域において、前記体液の縦磁化の方向が反転し、
(C)前記反転期間の後のデータ収集期間に、前記撮像領域から前記体液のMR信号が収集される、
ように、前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、MRI装置。
【請求項2】
前記送信コイルは、前記飽和期間に飽和パルスを送信し、前記反転期間に反転パルスを送信し、前記データ収集期間にデータ収集パルスを送信する、請求項1に記載のMRI装置。
【請求項3】
前記送信コイルは、前記反転パルスを送信してから、反転時間の経過時に、前記データ収集パルスを送信する、請求項2に記載のMRI装置。
【請求項4】
前記体液は動脈血であり、
前記反転時間は、前記反転パルスを送信してから、静脈血の縦磁化成分がゼロになるまでの時間である、請求項3に記載のMRI装置。
【請求項5】
前記勾配コイルは、前記飽和期間にスライス勾配パルスを印加し、
前記送信コイルは、前記勾配コイルがスライス勾配パルスを印加している間に、前記飽和パルスを送信する、請求項4に記載のMRI装置。
【請求項6】
前記勾配コイルは、前記飽和期間に、前記スライス勾配パルスを印加した後、キラー勾配パルスを印加する、請求項5に記載のMRI装置。
【請求項7】
前記反転パルスは、スライス非選択パルスである、請求項6に記載のMRI装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記被検体から呼吸信号を取得し、前記呼吸信号に基づいて、前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載のMRI装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記被検体から心電信号を取得し、前記心電信号に基づいて前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載のMRI装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記被検体から呼吸信号を取得するとともに、前記被検体から心電信号を取得し、前記呼吸信号および前記心電信号に基づいて、前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載のMRI装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記被検体の呼吸による体動を検出し、前記呼吸信号を出力するベローズ、および
前記呼吸信号を解析し、呼吸同期信号を出力する呼吸信号解析部、
を有し、
前記制御部は、前記呼吸同期信号に基づいて、前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、請求項8又は10に記載のMRI装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記被検体の心拍を検出し、前記心電信号を出力する心拍センサ、および
前記心電信号を解析し、心電同期信号を出力する心電信号解析部、
を有し、
前記制御部は、前記心電同期信号に基づいて、前記勾配コイルおよび前記送信コイルを制御する、請求項9又は10に記載のMRI装置。
【請求項13】
前記呼吸信号は、第1の呼吸期間と、前記第1の呼吸期間よりも前記体動が小さい第2の呼吸期間と、を有し、
前記制御部は、前記送信コイルが前記第2の呼吸期間の間に前記データ収集パルスを送信するように、前記送信コイルを制御する、請求項11に記載のMRI装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記心電信号のR波に同期して前記送信コイルが前記反転パルスを送信するように、前記送信コイルを制御する、請求項12に記載のMRI装置。
【請求項15】
前記呼吸信号は、第1の呼吸期間と、前記第1の呼吸期間よりも前記体動が小さい第2の呼吸期間と、を有し、
前記制御部は、前記呼吸信号が前記第1の呼吸期間から前記第2の呼吸期間に遷移した後に前記心電信号に最初に発生するR波に同期して、前記送信コイルが前記反転パルスを送信するように、前記送信コイルを制御する、請求項10に記載のMRI装置。
【請求項16】
前記送信コイルは、前記反転パルスを送信した後、前記データ収集パルスを送信する前に、T2プリパレーションパルスを送信する、請求項2〜15のうちのいずれか一項に記載のMRI装置。
【請求項17】
前記送信コイルは、前記反転パルスを送信した後、前記データ収集パルスを送信する前に、CHESS又はSPECIAL IRを送信する、請求項2〜16のうちのいずれか一項に記載のMRI装置。
【請求項18】
前記送信コイルは、前記被検体からのMR信号を受信する受信コイルを兼ねることを特徴とする請求項1〜17に記載のMRI装置。
【請求項19】
前記体液は静脈血である、請求項1に記載のMRI装置。
【請求項20】
前記体液は脊髄液である、請求項1に記載のMRI装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−56072(P2009−56072A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225298(P2007−225298)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】