説明

MRI装置

【課題】造影剤を投与すること無く血流を撮像でき、且つ流れの状態が変化する血流であっても、血流のインフロー効果を最大限活かして、その血流と実質部とのコントラストを向上させたMRA像を得ることである。
【解決手段】実施形態のMRI装置は、被検体の所望領域に対してイメージングを行うようにしたMRI装置において、前記所望領域を一度に励起して得られるエコー信号の強度をモニタするモニタ手段と、前記エコー信号の強度が一定値を超えた時点で前記所望領域のイメージング用MRスキャンを実行する手段と、前記イメージング用MRスキャンの実行によって収集されるエコー信号に対して再構成処理を施して画像を生成する画像生成手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MR造影剤を用いること無く血流を撮像するMRI装置に係り、特に、心電同期法を用いて、血流のインフローに拠る効果(すなわち、フレッシュな血流の撮像領域への流入に伴ってMR信号値が上がる効果:インフロー効果)を最大限に有用化したMRA(MAアンギオグラフィ)を行うことができるMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
【0003】
この磁気共鳴イメージングの分野において、肺野や腹部の血流像を得る場合、臨床的には、被検体にMR造影剤を投与することで血管造影を行うMRアンギオグラフィが行われ始めている。しかし、この造影MRアンギオグラフィ法は、造影剤を投与するための侵襲的な処置が必要であり、何よりもまず、患者の精神的、体力的な負担が大きい。また、検査コストも高い。さらに、患者の体質などによっては造影剤を投与できない場合もある。
【0004】
造影剤を投与できない又は投与しない場合、それに代わる手法の一つとして、タイム・オブ・フライト(time−of−flight:TOF)法などが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
このタイム・オブ・フライト法は、血流などの流れの効果を利用する手法である。一般に、流れの効果は、移動するスピンが有する2つの性質のいずれかによって起こる。1つは、スピンが単純に位置を移動させることで、2つ目は、傾斜磁場の中をスピンが移動することによって生じる横磁化の位相シフトに依る。この内、前者の位置移動に基づく手法がTOF法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−103429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来のTOF法を用いた撮像の一例として、頭部にTOF法を適用して3次元撮像が行なわれている。しかしながら、これにより得られる血流像にあっては、血流と実質部のコントラストが未だ十分ではなく、このコントラストを何とか改善して、分解能を高めて欲しいとする要求が臨床の現場からも出されていた。
【0008】
そこで、造影剤を投与すること無く血流を撮像でき、且つ流れの状態が変化する血流であっても、血流のインフロー効果を最大限活かして、その血流と実質部とのコントラストを向上させたMRA像を得ることができるMRI装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のMRI装置は、被検体の所望領域に対してイメージングを行うようにしたMRI装置において、前記所望領域を一度に励起して得られるエコー信号の強度をモニタするモニタ手段と、前記エコー信号の強度が一定値を超えた時点で前記所望領域のイメージング用MRスキャンを実行する手段と、前記イメージング用MRスキャンの実行によって収集されるエコー信号に対して再構成処理を施して画像を生成する画像生成手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態及び変形形態に係るMRI装置の構成例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態及び変形形態におけるECG−prepスキャン及びイメージングスキャンの時間的前後関係を説明する図。
【図3】実施形態においてホスト計算機が実行するECG−prepスキャンの手順を例示する概略フローチャート。
【図4】ECG−prepスキャンとk空間へのデータ配置との関係を例示するタイミングチャート。
【図5】ECG−prepスキャンのパルス列を説明するタイミングチャート。
【図6】ホスト計算機が実行するイメージングスキャンの概略フローチャート。
【図7】シーケンサが実行するイメージングスキャンの概略フローチャート。
【図8】イメージングスキャンとk空間へのデータ配置との関係を例示するタイミングチャート。
【図9】イメージングスキャンのパルス列を説明するタイミングチャート。
【図10】イメージングスキャンの3次元撮像領域を説明する図。
【図11】2次元のイメージングスキャンのパルス列を説明するタイミングチャート。
【図12】データの収集・配置に適用可能なスクロール法の概念を説明する図。
【図13】イメージングスキャンに空打ちパルスを用いたパルスシーケンスのタイミングチャート。
【図14】イメージングスキャンに複数の分割MTパルスを用いたパルスシーケンスのタイミングチャート。
【図15】イメージングスキャンの開始タイミングの制御を示す概略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を、図1〜図10を参照して説明する。
【0013】
この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0014】
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部とを備えている。
【0015】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0016】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもとで、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0017】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場GS、位相エンコード方向傾斜磁場GE、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場GRから成る論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場H0に重畳される。
【0018】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。この動作により、送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタルデータ(原データ)を生成する。
【0019】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、及び音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順(図示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0020】
このMRI装置は、図示しないメインプログラムを実行する中で、図2に示すように、最初に準備用スキャン(以下、ECG−prepスキャンという)を行ない、次いでイメージング用スキャン(以下、イメージングスキャンという)を行なうという2段階のスキャン方式を採る。ECG−prepスキャンでは、ECG信号を用いて準備用パルスシーケンスが実行され、その後のイメージングスキャンにおいてk空間の低周波領域に配置するエコーデータの心時相での収集開始タイミングが最適に定められる。この収集開始タイミングは、ここでは、ECG信号のR波のピーク値から遅延時間として決められる。イメージングスキャンでは、そのようにして決めたタイミングに同期したスキャンを含む心電同期法に拠るイメージング用パルスシーケンスが実行される。
【0021】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0022】
このパルスシーケンスとしては、2次元(2D)スキャンまたは3次元スキャン(3D)のものであり、またそのパルス列の形態としては、セグメンティド(segmented)FFE(高速FE)法、FE法など、各種の形態のものを採用できる。
【0023】
また、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したデジタルデータ(原データ又は生データとも呼ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリによるk空間(フーリエ空間または周波数空間とも呼ばれる)にそのデジタルデータを配置し、このデータを1組毎に2次元または3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また演算ユニットは、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理や差分演算処理も実行可能になっている。この合成処理には、画素毎に加算する処理、最大値投影(MIP)処理などが含まれる。また、上記合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1フレームの原データに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0024】
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は例えば再構成画像を表示するのに使用される。また入力器13を介して、術者が希望するパラメータ情報、スキャン条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関する情報などをホスト計算機6に入力できる。
【0025】
音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
【0026】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。このECG計測信号は、ECG−prepスキャンとイメージングスキャンを実行するときにシーケンサ5にて用いられる。これにより、心電同期法のための同期タイミングを最適に設定でき、この同期タイミングに基づく心電同期イメージングスキャンを行ってデータ収集できる。
【0027】
続いて、ECG−prepスキャンを図3〜6に基づき説明する。
【0028】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行している中で、例えば入力器13からの指令に応答して、図3に示すECG−prepスキャンの処理の実行を開始させる。
【0029】
最初に、ホスト計算機6は、ECG−prepスキャンを実行するためのスキャン条件及びパラメータ情報を入力器13から読み込む(同図ステップS1)。スキャン条件には、スキャンの種類、パルスシーケンス、位相エンコード方向などが含まれる。パラメータ情報には、心時相内のタイミングを決定する遅延時間TDLなどが含まれる。これらのパラメータは操作者が任意に設定できる。
【0030】
次いで、ホスト計算機6は音声発生器16にメッセージデータを送出して、例えば「息を止めて下さい」といった息止め指令を被検体(患者)に対して行わせる(ステップS2)。この息止めは、ECG−prepスキャン実行中の被検体の体動を抑制する観点から、実施する方が好ましいが、場合によっては、息止めを実施しない状態でECG−prepスキャンを実行するようにしてもよい。
【0031】
この後、ホスト計算機6はECG信号の読込みを開始する(ステップS3)。
【0032】
次いで、ECG信号中の参照波としてのR波のピーク値からの経過時間を計測するソフトウエアタイマTのカウント値をクリア(T=0)する(ステップS4)。
【0033】
そして、ホスト計算機6はECG信号においてR波のピーク値が出現したか否かを判断する(ステップS5)。この判断は、R波ピーク値が出現するまで継続される。
【0034】
このステップS5の判断でYES、すなわちR波ピーク値が出現すると、ホスト計算機はさらに、R波ピーク値から遅延時間TDL(=α1、α2、…、αnが経過したか否かをタイマTのカウント値に基づいて判断する(ステップS6)。ここで、遅延時間TDL=α1、α2、…、αnは、図4に示す如く、α1<α2、…、<αnに設定されており、心周期毎にセグメント化されたセグメント(セグメント数n=1〜所定数)の各々を形成する複数の時相(phase)(ここでは時相数m=1〜5;各時相は複数個のスキャンから成る;ここではスキャン数p=1〜4)の開始タイミングを規定する時間値である。このステップS6の判断も、設定した遅延時間TDL(=α1、α2、…、αn)が経過するまで継続される。
【0035】
このステップS6の判断がYES、すなわち遅延時間TDL(=α1α2、…、αn)が到来したと認識されると、ホスト計算機6はシーケンサ5に対して、例えば、2次元セグメンテッド(segmented)FFE法(以下、seg.FFE法と記す)に基づく各セグメント数nに対する時相数m且つ各時相を構成するスキャン数pに拠るスキャンの実行を指令する(スキャンS7)。
【0036】
このseg.FFE法は、ECG信号のR−R波間において、セグメントと呼ぶ一塊の連続データを得る手法である。このseg.FFE法に拠るECG−prepスキャンは「シングルスライス・マルチフェーズ」と呼ばれる方式に基づいて実施される。この「シングルスライス・マルチフェーズ」方式によれば、スライス用傾斜磁場GSおよびRF周波数で決まるシングルスライスに対して複数の時相のエコーデータを一度に収集することができる。このため、本実施形態では、ECG−prepスキャンにより例えば図4に示す如く、頭部のスライスがスキャンされ、そのスライスに撮像目的の血管が入るようにそのスライス厚さが決められる。
【0037】
本実施形態では、ECG−prepスキャンに用いるパルスシーケンスは2次元スキャンであり、後述するイメージングスキャンにおけるそれは3次元スキャンである。ECG−prepスキャンは画像自体を得ることが目的ではなく、心電同期法を実施するときの、血流部分が最も高信号値に描出される心時相を見つけることができればよいので、2次元スキャンでも十分である。ECG−prepスキャンを2次元スキャンで実行することにより、ECG−prepスキャンの時間を短縮することができる。
【0038】
ただし、ECG−prepスキャンとイメージングスキャンに使用するパルスシーケンスは同一種とすることが望ましく、その一例がseg.FFE法である。パルスシーケンスの種類が変われば、同一スキャン部位であっても画質が変化するので、これは当然のことと言える。また、ECG−prepスキャンとイメージングスキャンに使用するパルスシーケンスのエコー時間TE(図5及び後述する図7のTE=TE1参照)は同じであることが望ましい。これにより、血流のスピンのディフェーズ成分をほぼ同じにすることができる。
【0039】
なお、このECG−prepスキャンは、例えば、イメージングスキャン(本スキャン)が3次元(3D)法の場合、2次元(2D)スキャンで行ってもよいし、イメージングスキャンの領域に合わせた3次元スキャンで行ってもよい。
【0040】
一方、このECG−prepスキャンとECG信号の対応については、一例として図4及び図5に示す如く、心周期毎の5個の時相mが、R波からの遅延時間TDL=α1〜α5にほぼ対応した値に設定されている。このため、ECG−prepスキャンが実行されると、シーケンサ5の管理下において、図5に示す如く、時相毎に4回のスキャンがFFE法に拠り実行され、各時相毎に4個のエコー信号が収集される。
【0041】
k空間は図4に示す如く、その位相エンコード方向が4個の領域に分割されている。そして、位相エンコード方向傾斜磁場パルスGEによる位相エンコード量を適宜に設定することで、各心周期における一定番目の時相mにおける4回のスキャンのエコーデータが1つの2次元k空間を埋めるようになっている。このとき、セグメントn=1におけるm=1の時相で収集された4個のエコー信号が4個の分割領域それぞれにおける先頭の位相エンコード位置に、次いで、セグメントn=2におけるm=1の時相で収集された4個のエコー信号が4個の分割領域それぞれにおける次の位相エンコード位置に、といった具合に順に配置される。
【0042】
次いで、ホスト計算機6は所定セグメント数n分のスキャンが終了したか否かを判断し、NOの場合はステップS4に戻って、上述した処理を繰り返す(ステップS8)。
【0043】
このため、ステップS8でYESと判断されたときは、所定セグメント数n分のスキャンが完了したときである。それらのスキャンに係るエコー信号は受信器8Rにより受信されて受信処理され、エコーデータとしてシーケンサを介して演算ユニット10に送られる。このエコーデータは、演算ユニット10にて、各セグメントn内の時相数m=5に対応した、全部で5組の2次元k空間KS1〜KS5に充填されている。この5組のk空間KS1〜KS5を埋めたエコーデータは、それぞれ、R波からの遅延時間TDL=α1〜α5にほぼ同期して収集されたエコーデータ群であると見なすことができる。
【0044】
そして、ステップS8でYESの判断が下されたときはECG−prepスキャンが終了したときであるので、ホスト計算機6は、息止め解除の指令を音声発生器16に出力させる(ステップS9)。これにより、音声発生器16から息止めの音声メッセージが例えば「息をして結構です」の内容で出力される。
【0045】
上述の処理が順次実行されると、R波からの遅延時間TDLがそれぞれ、例えば、TDL=50msec,150msec,250msec,350msec,450msecである5フレーム分のエコーデータが演算ユニット10内に用意される。そこで、演算ユニット10により、これらのエコーデータが実空間の画像に夫々再構成され、記憶ユニット11に格納される。ホスト計算機6は、例えば入力器13からの操作信号に応答して、この再構成画像を記憶ユニット11から読み出し、MRA像として順次、シネ(CINE)表示する。
【0046】
したがって、オペレータは、これらのシネ表示像を目視観察することで、血流部分が最も高信号に描出されているMRA像を決定することができる。
【0047】
つまり、ECG−prepスキャンにより得られた複数枚のMRA像はそれぞれR波からの遅延時間TDLが異なっているので、拍動する血流が頭部スライス領域に流入するときのインフロー効果が最も大きいほど、再構成されたMRA像の血流は高い信号値で描出される。このため、画像の血流部分が最も明瞭で且つ高い信号である画像を特定することで、最適な遅延時間TDL、すなわち心電同期法の実施下において未飽和のフレッシュなインフロー(血流)を確実に捕捉できる同期タイミングを決めることができる。
【0048】
なお、この複数枚のMRA像から心電同期法の同期タイミングを決める処理は、必ずしもオペレータの画像目視観察に限定されるものではなく、表示画像上で血流部分にROIを設定し、そのROI内の信号強度分布を解析し、その解析結果を比較するなどの自動化処理で行なってもよい。また、目視観察や自動化処理の結果、最適と思われる画像が複数、すなわち最適と思われる遅延時間が複数個、存在する場合、それらの遅延時間間で補間などの別処理を行なって新たな遅延時間(同期タイミング)を演算するようにしてもよい。
【0049】
このようにECG−prepスキャンを介して最適設定された同期タイミングは、この後の心電同期法に拠るイメージングスキャンに反映される。
【0050】
続いて、心電同期法に基づくイメージングスキャンを図6〜図10を参照して説明する。
【0051】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行する中で、入力器13からの操作情報に呼応して図6に示す処理を実行する。
【0052】
これを詳述すると、ホスト計算機6は、最初に、前述したECG−prepスキャンの実行を通して決められた、心電同期法の最適遅延時間TDLを読み込む(図6、ステップS20)。この時間値の読込みは、入力器13を介してオペレータからの入力を受けてもよいし、記憶ユニット11内のメモリに記憶しておいた最適遅延時間TDLを自動的にワークエリアに読み出すことで行なってもよい。
【0053】
次いで、ホスト計算機6は操作者が入力器13から指定したスキャン条件(位相エンコードの方向、画像サイズ、スキャン回数、スキャン間の待機時間、スキャン部位に応じたパルスシーケンスの種類など)および画像処理法の情報(加算処理か最大値投影(MIP)処理かなど。加算処理の場合には、単純加算、加算平均処理、重み付け加算処理のいずれか等)を入力し、最適遅延時間TDLを含むそれらの情報を制御データに処理し、その制御データをシーケンサ5および演算ユニット10に出力する(ステップS21)。
【0054】
次いで、ホスト計算機6は、イメージングスキャン前の準備完了の通知があったと判断できると(ステップS22)、ステップS23で息止め開始の指令を音声発生器14に出力する(ステップS23)。これにより、音声発生器14は、ECG−prepスキャン時と同様に「息を止めて下さい」といった内容の音声メッセージを発するから、これを聞いた患者は息を止めることになる。
【0055】
この後、ホスト計算機6はシーケンサ5にイメージングスキャンの開始を指令する(ステップS27及び図7の処理参照)。
【0056】
このイメージングスキャンのパルスシーケンスの概要、心周期毎の血流信号強度(拍動)との時間関係、及びエコー信号の配置例を図8に、また、このパルスシーケンスのパルス列の詳細例を図9に示す。
【0057】
なお、このイメージングスキャンにより収集されるエコー信号の処理は、前述したECG−prepスキャンのときと同様である。つまり、エコー信号はRFコイル7で受信された後、受信器8Rに送られて受信処理される。この処理された信号はエコーデータとしてシーケンサ5を介して演算ユニット10に送られ、3次元k空間にスライスエンコード量及び位相エンコード量に応じて配置される。このため、以下の説明では、エコー信号の受信から配置までの詳細な説明は省略する。
【0058】
イメージングスキャンは、図8,9に示す如く、3次元のseg.FFE法に拠り、例えば頭部の3次元領域Rimaを撮像部位(図10参照)として実施される。この3次元seg.FFE法では、図8,9に示すように、1心周期毎に、セグメント化されたフィールドエコー収集用の複数のスキャン(セグメントn)と、この複数のスキャンの中程で印加されるMT(magnetic transfer)パルス:Pmt、CHESS(chemical shift selective)パルス:Pchess、及びスポイラパルス:SPs、SPr、SPeとが用いられる。なお、この3次元seg.FFE法のパルス列におけるエコー時間TE=TE1は、前述したECG−prepスキャンのそれと同じに設定されている。
【0059】
具体的には、シーケンサ5は、スキャン開始の指令を受けると、各心周期毎に、R波の出現後の所定タイミングで数個のFFE法に拠る前半グループのスキャンS1を実行する(図7のステップS24−1〜24−5)。この前半グループのスキャンS1によって収集されたエコー信号は、図8に示すように、3次元k空間のあるスライスエンコードGE2に対する高周波領域RH1に配置されるように位相エンコードGE1が設定されている(図9参照)。
【0060】
この高周波領域RH1及びこれと対象な位置の高周波領域RH2は、図8の例では、128の位相エンコード量を16ラインずつ8領域に分割した内の上下各々から位相エンコード量=0の中心部に向かう3つの領域を指す。このため、位相エンコード方向の中心部に位置する残りの2つの分割領域は、画像コントラストにとって重要な低周波領域RLとして設定されている。
【0061】
この前半グループのスキャンS1については、位相エンコード量SE1の値の設定によって、その1番目のスキャンで収集されるエコー信号がk空間のあるスライスエンコード量に対する高周波領域RH1の1番目の分割領域に、2番目のスキャンで収集されるエコー信号が同空間の高周波領域RH1の2番目の分割領域に、及び3番目のスキャンで収集されるエコー信号が同空間の高周波領域RH1の3番目の分割領域に夫々配置される。しかも、この前半グループのスキャンS1の内、最初の心周期のスキャンによって収集されたエコー信号は、高周波領域RH1の3つの分割領域夫々における最初の位相エンコード量の位置に配置され、以下、心周期毎に順に、次の位相エンコード量の位置に配置される。
【0062】
また、各心周期において、この前半グループのスキャンS1に続く適宜なタイミングでMTパルス:Pmt、CHESSパルス:Pchess、及びスポイラーパルス:SPs、SPr、SPeが順次印加される(図7のステップS24−6〜24−11参照)。MTパルスはMT(magnetic transfer)効果を生じさせて、実質部からの信号値を抑制するために印加される。また、CHESSパルスは脂肪抑制のために印加される。さらに、スポイラーパルスは、MTパルスやCHESSパルスの印加がその後のエコー信号収集に影響しないように、原子核スピンの位相を十分にディフェーズさせるために印加される。このスポイラーパルスはここではスライス方向、位相エンコード方向、及び読出し方向の3方向に印加される。
【0063】
この後、適宜なタイミングで、後半グループのスキャンS2がseg.FFE法で実行される(図7、ステップS24−12〜24−13及び図9参照)。このスキャンS2は、k空間の中心部に位置する低周波領域RL及び残りの高周波領域RH2に配置するエコー信号を収集するためのものである。
【0064】
とくに、この後半グループのスキャンS2の内、最初に実行されるスキャンの開始タイミングを、前述したようにECG−prepスキャンを介して最適設定された遅延時間TDLに一致させてある。後半グループのスキャンS2の各スキャンで収集されるエコー信号は、そのスキャン順に、低周波領域RL及び残りの高周波領域RH2に掛けて領域毎に配置される。
【0065】
すなわち、後半グループのスキャンS2における最初のスキャンによって収集されたエコー信号が低周波領域RLの最初の分割領域に、2番目のスキャンによって収集されたエコー信号が低周波領域RLの残りの分割領域に、3番目のスキャンによって収集されたエコー信号が高周波領域RH2の最初の分割領域に、4番目のスキャンによって収集されたエコー信号が高周波領域RH2の次の分割領域にといった具合に配置される。しかも、この後半グループのスキャンS2の内、最初の心周期のスキャンによって収集されたエコー信号は、各分割領域夫々における最初の位相エンコード量の位置に配置され、以下、心周期毎に順に、次の位相エンコード量の位置に配置される。
【0066】
前述した如く、最適設定された遅延時間TDLに一致させた心電同期タイミングは、撮像部位Rimaにおいて血流信号が最も高く描出されるタイミングであった。したがって、上述の如く収集することで、後半グループのスキャンS2における初期のスキャン(特に1、2番目のスキャン)により収集されるエコー信号は必ず優先的に低周波領域RLに配置されることになる。
【0067】
以上のseg.FFE法に拠るスキャンの実行及びそのほかのMTパルスの印加は、心周期毎に、例えば「16周期(n=16)×スライスエンコード量分」、繰り返される。この結果、3次元k空間へのエコーデータの配置が完了する(図7、ステップS24−14)。
【0068】
この後、シーケンサ5はスキャン完了の通知をホスト計算機6に通知する(ステップS24−15)。
【0069】
ホスト計算機6は、シーケンサ5からのスキャン完了通知を受けると(ステップS25)、息止め解除の指令を音声発生器16に出力する(ステップS26)。そこで、音声発生器16は、例えば「息をして結構です」といった音声メッセージを患者に向けて発し、息止め期間が終わる。
【0070】
この後、ホスト計算機6は演算ユニット10に画像再構成及び表示の指令を出す(ステップS27)。これに応答して、演算ユニット10は、k空間のデータに例えば3次元フーリエ変換を施して実空間の3次元画像データを生成するとともに、このデータを記憶ユニット11に格納する。演算ユニット10は、さらに、この3次元画像データに例えばMIP(最大値投影)処理を施すことで2次元画像データを生成し、それを表示器12に表示する。
【0071】
以上の画像生成法によれば、心電同期法の同期タイミングがECG−prepスキャンを介して事前に得た最適遅延時間TDLで規定されていること、及び、その同期タイミングの近傍で収集される信号強度が高いエコー信号をk空間の位相エンコード方向における中心部、すなわち低周波領域に優先的に配置している。このデータ収集・配置法は、上述した後半グループのスキャンS2により達成されるものであり、このグループのスキャンS2を中心に考えると、セントリック・オーダー(centric order)のデータ収集・配置法になっている。
【0072】
このため、MR造影剤を用いないで血流を画像化できることは勿論、拍動する血流であっても、再構成画像における実質部と血流のコントラストは非常に高く且つ安定したものとなる。すなわち、このような血流のインフロー効果を最大限に利用してエコーデータの収集及びk空間配置を行なうことができ、エンティティ(血流)の描出能に優れた画像生成法を提供することができる。
【0073】
なお、本発明者が行なった頭部のMRA像に関する比較実験によれば、本発明を適用した3Dseg.FFE法のイメージングスキャンの場合、通常の頭部用3DTOF法に拠るイメージングスキャンに比べて、得られた画像の血流の信号強度が約1.5倍向上し、描出能が確実に向上することが確認されている。
【0074】
また、本実施形態では、心電同期法を併用した3次元seg.FFE法に拠りイメージングスキャンを実行するとき、心周期毎に、心電同期タイミングに至る前の空き時間に、前半グループのスキャンS1によってk空間の高周波領域にマッピングするエコーデータを収集している。このように空き時間を無駄にせずにデータ収集を行なうことで、全体の撮像時間が極力短くすることができる。また、これにより、イメージングスキャン時の息止め期間がなるべく短く抑えられ、患者の負担が軽減される。
【0075】
さらに、心電同期タイミングは上述のように「シングルスライス・マルチフェーズ」方式で測定されるので、1回のECG−prepスキャンで複数の時相の画像を一度に得ることができる。つまり、複数回のECG−prepスキャンを行う必要がなく、全体の撮像時間を短縮でき、患者スループットを向上させる。
【0076】
なお、本実施形態のMRI装置に対しては更に種々の変形が可能である。以下に、この変形形態を説明する。
【0077】
(第1の変形形態)
上述した空き時間を利用した前半グループのスキャンS1は必ずしも実行せず、心周期毎に、MTパルス、CHESSパルス、及びスポイラーパルスを印加した後、最適な同期タイミングで始まるエコーデータ収集用の一連のスキャンが続くように構成しても勿論よい。
【0078】
(第2の変形形態)
また、上述した心電同期法を併用したイメージング・スキャンは、図11に示す如く、2次元seg.FFE法に拠り実行してもよい。このイメージング法は、図9に示したパルス列の内、スライスエンコード用傾斜磁場の印加を省き、エンコードとしては位相エンコード用傾斜磁場GEのみを印加するようにしたものである。この2次元のイメージングスキャンにおいても、前述した最適同期タイミングの事前設定とセントリック・オーダーのデータ収集及び配置の手法を好適に用いることができる。
【0079】
この場合、ECG−prepスキャンのスライスとイメージングスキャンのスライス(撮像領域)が異なっていてもよい。
【0080】
(第3の変形形態)
この変形形態は、エコーデータの収集及び配置をスクロール法に拠り実施することが特徴である。心電同期法の同期タイミング(遅延時間TDL)、k空間の位相エンコード数などに撮像条件によっては、前述した後半グループのスキャンS2の開始タイミングとR波との間に別のスキャンを行なうだけの空きが無いこともあり得る。そのような場合には、設定した同期タイミングで直ぐにスキャン(前述した実施形態では、後半グループのスキャンS2に相当)を開始し、そのエコー信号をセントリック・オーダー法に基づき収集・配置する。この場合、この開始した一連のスキャンの内、時間的に後の方のスキャンに拠るエコー信号は、図12の矢印で示す如く、k空間の高周波領域にスクロールして配置されるように、位相エンコード用傾斜磁場パルスが設定される。これによっても、撮像時間の短縮を図ることができる。
【0081】
(第4の変形形態)
さらに、前述した実施形態において、前半グループのスキャンS1の代わりに、エコー信号を収集しない励起パルス(空打ちパルス)を印加するようにしてもよい。このように、R波の出現からセントリック・オーダー法によるスキャンS2までの間において、空き時間には常に空打ちパルスが印加されるので、撮像領域の実質部からの信号値を抑え、スライスエンコード間又はスライス間の信号のばらつきを減らすことができる。
【0082】
(第5の変形形態)
この変形形態は、MTパルスの印加に関する。図14に示す如く、MTパルス:Pmtとして、複数個に分割したMTパルスを連続的に印加する。この分割MTパルス夫々のフリップ角は小さいが、その複数個の全体としては所定のフリップ角を確保できるようにそれらのパルス波形面積が設定されている。この分割した複数個のMTパルスによっても撮像領域の実質部の信号値をMT効果によって抑えることができ、同時に、この複数個のMTパルスの印加数を調整することで、スライスエンコード間又はスライス間の信号のばらつきを調整することができる。
【0083】
(第6の変形形態)
この変形形態は、イメージングスキャンの開始制御に関する。この制御の概要は図15に示される(同図の処理は、シーケンサ、ホスト計算機、及び演算ユニットが共同して行なわれる)。このイメージングスキャンを実施する場合、その前段階のスキャンとして、心電同期を使用せず、かつエンコード用傾斜磁場を印加しないseg.FFE法のパルスシーケンスにより、リアルタイムに撮像領域(ボクセル)全体からエコー信号を収集する(図15、ステップS41)。そして、このエコー信号の強度があるしきい値を超えた時点で、前述した心電同期法併用の3Dseg.FFE法に拠るイメージングスキャンを前述と同様に実行させる(ステップS42〜S44)。これにより、ダイナミックスキャンの開始タイミングを自動的に最適値に設定することができる。
【0084】
(第7の変形形態)
この変形形態は、前述した心電同期法の同期タイミングの事前最適設定及びセントリック・オーダー法によるデータ収集・配置の手法を通常のTOF法、すなわちFE法に実施することを特徴とする。この場合、例えば、ECG−prepスキャンは2D−FE法(通常の2D−TOF法)で実行され、イメージングスキャンは3D−FE法(通常の3D−TOF法)で実行される。勿論、イメージングスキャンを2D−FE法(通常の2D−TOF法)で実行してもよい。イメージングスキャンによるデータの収集及び配置は、前述と同様に、セントリック・オーダー法で実行される。
【0085】
この場合、とくに、ECG−prepスキャンが2D−FE法の場合、そのスキャン時間が長くなるので、これを回避するには、いわゆるキーホール(keyhole)撮像法を併用することが望ましい。すなわち、このECG−prepスキャンでは、2次元k空間の位相エンコード方向の中心部(低周波領域)のみを2D−FE法でデータ収集し、残りの高周波領域には一度撮像したデータを複写することで、各回のデータ収集を完了させる。これにより、2D−FE法に拠るECG−prepスキャンの時間を短縮させることができる。
【0086】
(第8の変形形態)
この変形形態は、ECG−prepスキャンを2次元の位相画像(2D−PS像)で行なう例である。前述した心電同期法の同期タイミング(遅延時間TDL)を計測する別の手法として、シングルスライス・マルチフェーズ法に拠り2次元位相画像を撮像し、心周期毎の各時相におけるフロー像を作成する。このフロー像を例えば比較観察すると、トリガとしてのR波から時間経過したときにフローがピークとなる像を決めことできる。すなわち、このピークフロー像を収集した時相を最適な同期タイミングとして設定し、この同期タイミングを前述と同様にイメージングスキャンに反映させることができる。
【0087】
実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は実施形態記載の構成に限定されるものではなく、当業者においては、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更、変形可能なものであり、それらの構成も本発明に含まれる。
【0088】
例えば、前述の実施形態及びその変形形態にあっては、心電同期法の同期タイミング(遅延時間)は後半グループのスキャンS2の開始タイミングと同義であるとして説明していたが、この同期タイミングは、ECG−prepスキャンを通して、k空間の位相エンコード量=0に配置するデータを収集するタイミングとして規定するようにしてもよい。すなわち、ECG−prepスキャンで得た最適な遅延時間と位相エンコード数、低周波領域の範囲などの条件とを考慮して、演算により決めてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の所望領域に対してイメージングを行うようにしたMRI装置において、
前記所望領域を一度に励起して得られるエコー信号の強度をモニタするモニタ手段と、
前記エコー信号の強度が一定値を超えた時点で前記所望領域のイメージング用MRスキャンを実行する手段と、
前記イメージング用MRスキャンの実行によって収集されるエコー信号に対して再構成処理を施して画像を生成する画像生成手段と、
を備えるMRI装置。
【請求項2】
前記画像生成手段は、高信号値を呈する高信号時相域で収集したエコー信号をk空間の中心部の所望低周波領域に配置し、前記再構成処理を施して画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のMRI装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−143282(P2011−143282A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98394(P2011−98394)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【分割の表示】特願2009−195222(P2009−195222)の分割
【原出願日】平成11年12月24日(1999.12.24)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】