説明

N−メチロールアクリルアミドの製造方法

【課題】 N−メチロールアクリルアミド結晶−特に、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、固結性が小さいN−メチロールアクリルアミド結晶の製造方法に関する。
【解決手段】 結晶状N-MAA を、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に曝露処理し、固結性の小さい N-MAA結晶を得る。実質的にホルムアルデヒド様臭がない結晶状N-MAA を、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に保持して貯蔵する。N-MAA結晶のホルムアルデヒド様臭を除去すると共に長期貯蔵における固結性を軽減することができ、使用場面での作業環境をより衛生的に改善すると共に、作業工程の簡略化を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-メチロールアクリルアミド結晶−特に、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、固結性が小さいN-メチロールアクリルアミド結晶およびその製造方法ならびに貯蔵方法に関する。本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶は、繊維処理、感光性樹脂・接着剤・塗料等の製造などに広く用いられる架橋性モノマーとして有用である。
【背景技術】
【0002】
ホルムアルデヒド様臭を低減させることを直接の目的としたN-メチロールアクリルアミドの製造方法は、いまだ報告されていない。また、貯蔵中のN-メチロールアクリルアミド結晶の固結性を軽減させることを目的とした、製造または貯蔵方法も知られていない。
【0003】
ホルムアルデヒドは、日本においては労働安全衛生法の規制対象の物質であり、同法施行令別表第3特定化学物質等(第3類物質)に指定されている。このようなことから、ホルムアルデヒド様臭を有するN-メチロールアクリルアミド結晶は、それを取り扱う際には脱臭装置の設置が必要とされたり、使用場面が制約されるという問題点があって、品質の改良が望まれていた。
【0004】
従来、N-メチロールアクリルアミドの製造方法として、反応溶媒としてアルコール, ジオキサン, 酢酸エチルなどを用いる方法(特開昭49-36615号公報)、または、反応溶媒として低級脂肪族アルコールを用い、生成したN-メチロールアクリルアミド粗結晶を酢酸エチル, 塩化エチレンなどの有機溶剤に溶解させた後に再結晶させる方法(特公昭38- 9266号公報)などが知られている。特に、特公昭38- 9266号公報には、有機溶剤を用いて再結晶させることによって、結果として結晶中に残存する遊離ホルムアルデヒドの量が低減していることを示唆する事項が記載されている。
【0005】
しかし、これら従来の製造方法は、使用する有機溶剤の量や種類が多く、得られる結晶に残留・付着している遊離ホルムアルデヒドを低減させることができても、他方、N-メチロールアクリルアミド結晶の長期貯蔵での安定性に関して重要なことであるが、そのような処理がN-メチロールアクリルアミド結晶の固結性を高めてしまい好ましいものではなかった。
【0006】
ここで固結性とは、製品が生産されてから各種の用途場面で使用されるまでの間に、生産された時点では粉末状または粒状の結晶であったものが、貯蔵中に包装袋の中で固結して硬い塊状となる性質をいう。固結性が高いと、使用に際して、塊状のまま取り扱うことには問題があることから、予め破砕−粉砕処理を行うこととなり、取り扱い工程が複雑になり余分の作業を要することとなる。このようなことから、従来の製造方法は、工業的に実施する方法として採用するには問題があり、改善が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、N-メチロールアクリルアミド結晶を取り扱う際に支障となるホルムアルデヒド様臭を低減させ、かつ、その固結性に関する問題点を改善したN-メチロールアクリルアミド結晶とその製造方法ならびに貯蔵方法を提供することにある。
【0008】
本発明の方法によって、N-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭を実質的に除去することができると共に、長期貯蔵中の結晶の固結性を軽減することができる。そしてまた、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、長期貯蔵における固結性が軽減された本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶を用いることによって、N-メチロールアクリルアミド結晶を使用する場面での作業環境が著しく改善されると共に、結晶の取り扱い性が向上し、余分な粉砕処理などの作業を省くことができ、工程の合理化が可能となるという効果がもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、従来の製造方法で得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の前記問題点を改善すべく検討を重ねた結果、たとえば、アクリルアミドとホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させて得られた結晶状N-メチロールアクリルアミドを、水または/および水溶性有機媒体を洗浄液として洗浄処理することによって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である、固結性の小さいN-メチロールアクリルアミド結晶が得られることを見出した。
【0010】
また、実質的にホルムアルデヒド様臭がない結晶状N-メチロールアクリルアミドを、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に曝露処理することによって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である、固結性の小さいN-メチロールアクリルアミド結晶が得られることを見出した。
【0011】
更に、実質的にホルムアルデヒド様臭がない結晶状N-メチロールアクリルアミドを、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に保持することによって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である、固結性の小さい状態で、N-メチロールアクリルアミド結晶を貯蔵できることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、結晶状N-メチロールアクリルアミドを、水、水溶性有機媒体またはその両方を洗浄液として洗浄処理し、N-メチロールアクリルアミド結晶に、その重量基準で少なくとも1ppm 相当量の塩基性物質または酸性物質を残留させることを含む、N-メチロールアクリルアミド結晶の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法によって、N-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭を除去すると共に、長期貯蔵における固結性を軽減することができた。実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、長期貯蔵における固結性が軽減された本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶を用いることによって、その使用場面での作業環境が著しく改善されてより衛生的な環境が得られると共に、N-メチロールアクリルアミド結晶の取り扱い性が向上し、作業の省力化・取り扱い工程の簡略化が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体的に説明する。本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶は、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である固結性の小さいN-メチロールアクリルアミド結晶である。
【0015】
本明細書中の「荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下であるN-メチロールアクリルアミド結晶」とは、N-メチロールアクリルアミド結晶が包装された状態で荷重 200g/cm2 の加圧下で堆積されたとき、二ケ月間が経過した時点における包装袋の内容物としてのN-メチロールアクリルアミド結晶の集合体の圧縮強度が3kg/cm2 以下であることを意味する。
【0016】
ここで「包装された状態」とは、N-メチロールアクリルアミド結晶(検体) 500gを、20cm×30cmのポリエチレン製の袋に入れ、結晶を均して20cm×20cmの領域に拡げた状態で空気を押し出して袋をシールし、この袋を更にクラフト紙袋に入れて封をした状態をいう。
【0017】
また、「圧縮強度」は、下記の方法で測定する。平らな板の上に、上記の検体を包装したクラフト紙袋を平らに置き、その上に板を載せ、この上に20kg分銅4個を載せ、検体に 200g/cm2 の荷重をかける。検体を温度20〜25℃に保持し、荷重をかけ始めてから二ヶ月間経過した時点で取り出した検体から、数個のテストピース (縦4cm×横4cm×高さ2cm) を切り出して、圧縮試験機(コンピュータ計測制御式精密万能試験機: 島津オートグラフAGS-100B, 最高加重: 100 kg, 加重速度: 2cm/分)により、テストピースに加重し、テストピースが破壊したときに試験機が示した最大荷重値を、テストピースの断面積で割った値をその圧縮強度とする。
【0018】
本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無についての試験方法ならびにその判定基準は、次のとおりである。
【0019】
<試験方法>>
N-メチロールアクリルアミド結晶(検体) 100gをポリエチレン製の袋に入れ、男女各10名の試験者が、室温において、順次その臭を嗅ぎ、その結果に基づいて下記の5段階の判定基準で、ホルムアルデヒド様臭を判定した。
【0020】
<判定基準><判定結果の表示>
・試験者全員が、ホルムアルデヒド様臭ありと認めたもの <++>
・試験者16名以上が、ホルムアルデヒド様臭を認めたもの <+>
・試験者5〜15名が、ホルムアルデヒド様臭を認めたもの <±>
・試験者16名以上が、ホルムアルデヒド様臭を認めなかったもの<−−>
・試験者全員が、ホルムアルデヒド様臭を認めなかったもの <−−>
本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶は、上記の判定基準による判定結果が<−−> または <−−> と表示されたものであり、このようなものを「実質的にホルムアルデヒド様臭がない」とする。
【0021】
本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶を取得するにあたって、本発明の方法の適用の対象となる結晶状N-メチロールアクリルアミドの製造方法は、制約されない。
【0022】
結晶状N-メチロールアクリルアミドは、通常、アクリルアミドとホルムアルデヒドとを反応させて得ることができ、その際に、触媒、好ましくは、塩基性の触媒を用いることができる。
【0023】
原料として用いられるアクリルアミドとホルムアルデヒドには、制約はなく、通常市販されているものを用いることができる。アクリルアミドは、結晶または水溶液のいずれの状態で用いてもよい。また、ホルムアルデヒドは、水溶液で用いても、またはパラホルムアルデヒドとして用いてもよい。アクリルアミドとホルムアルデヒドとの量比は、ホルムアルデヒド1モルに対して、アクリルアミド 0.8〜1.2 モル、好ましくは1.05〜1.1 の範囲がよい。
【0024】
塩基性触媒としては、水酸化リチウム, 水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム, 水酸化ルビジウム, 水酸化カルシウム, 水酸化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物; 炭酸ナトリウム, 炭酸カリウム, リン酸三ナトリウム, リン酸二ナトリウム, ピロリン酸ナトリウム, リン酸三カリウム, リン酸二カリウム, ホウ酸ナトリウム, アルミン酸ナトリウム, ケイ酸ナトリウムなどアルカリ金属の炭酸塩・リン酸塩・ホウ酸塩・アルミン酸塩・ケイ酸塩などの各種のアルカリ金属塩類; トリメチルアミン, トリエチルアミン, トリエタノールアミン, N-メチルモルホリン, N,N-ジエチルヒドロキシルアミンなどのアミン類; 水酸化テトラメチルアンモニウム, 水酸化テトラエチルアンモニウム, 水酸化テトラプロピルアンモニウム, 水酸化テトラブチルアンモニウム,水酸化トリメチルベンジルアンモニウム, 水酸化セチルエチルジメチルアンモニウム, 水酸化セチルジメチルベンジルアンモニウム, 水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム, 水酸化トリオクチルメチルアンモニウム, 水酸化セチルピリジニウムなどの水酸化四級アンモニウム化合物類; ナトリウムメトキシド, カリウムエトキシド, カリウムt-ブトキシドなどの金属アルコキシド類; アンバーライトIRA400 (商品名),アンバーリストA26(商品名) などの強塩基性陰イオン交換樹脂などを挙げることができる。これらの塩基性触媒は、単独で、または二種以上を任意の比率で組み合わせて、用いることができる。
【0025】
塩基性触媒の量は、ホルムアルデヒドの量に対して、0.01〜1モル%、好ましくは0.02〜0.2 モル%の範囲とするのがよい。
【0026】
反応温度は、20〜80℃、好ましくは30〜60℃の範囲がよく、また、反応溶液のpHは7以上、好ましくは8〜12の範囲とするのがよい。
【0027】
アクリルアミドとホルムアルデヒドとを反応させる際に、重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤としては、ヒドロキノン, P-メトキシフェノール, 4-ターシャリーブチルカテコール, フェノチアジン, クペロン, 硫酸ヒドロキシルアミン, 亜硝酸ナトリウム, 塩化第二銅, 硫酸銅, 硝酸銅, シュウ酸などを用いることができる。これらの重合禁止剤は、単独で、または二種以上を任意の比率で組み合わせて、用いることができる。
【0028】
反応終了後、反応液を冷却・濃縮など常法により処理して、生成したN-メチロールアクリルアミドを晶析させ、反応液 (母液) から分離して結晶状N-メチロールアクリルアミドを得ることができる。
【0029】
結晶状N-メチロールアクリルアミドを洗浄処理する工程について説明する。結晶状N-メチロールアクリルアミドの洗浄処理に用いられる洗浄液としては、洗浄性の観点から、残留する母液との混合性がよく、除去すべき物質に対する溶解力が大きいものであり、更に、N-メチロールアクリルアミド結晶からの分離性の観点から、揮発性を有し粘度の低いものが適する。
【0030】
本発明において、洗浄液として水または/および水溶性有機媒体を用いる。水溶性有機媒体としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコールまたは脂肪族ケトンを用いることができる。脂肪族アルコールは、メチルアルコール, エチルアルコール, n-プロピルアルコール, iso-プロピルアルコール, n-ブチルアルコール, iso-ブチルアルコールなどを、また脂肪族ケトンは、アセトン, エチルメチルケトンなどを、それぞれ包含する。洗浄液として水と水溶性有機媒体とを併用する場合には、その割合は任意でよいが、好ましくは水の割合が50%以下であることが好ましい。
【0031】
本発明の方法における洗浄処理操作の態様は、特に制約はなく、結晶状物質について通常行われる洗浄操作を選ぶことができる。このような操作としては、たとえば、濾過・遠心分離などの操作により、母液から分離された結晶状N-メチロールアクリルアミドの層に対して洗浄液を圧入・透過させ、残留している母液を洗浄液で置換洗浄(リンス洗浄ともいう)する方法、任意の結晶状N-メチロールアクリルアミドを洗浄液中にスラリー状に分散させ結晶に付着している物質を除去するケーク洗浄(リパルプ洗浄ともいう)による方法などを例示することができる。
【0032】
洗浄液の使用量は、置換洗浄方式によるときは、結晶状N-メチロールアクリルアミド 100重量部あたり、2〜300 重量部、好ましくは2〜100 重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲とすることがよい。また、ケーク洗浄方式によるときは、結晶状N-メチロールアクリルアミド 100重量部あたり、洗浄液量は少なくとも50重量部とし、上限値は特に制約はなく、たとえば、3000重量部でもよく、洗浄液は回収して再使用することができる。実用上、好ましくは 100〜500 重量部、より好ましくは 200〜300 重量部の範囲とすることがよい。
【0033】
本発明の方法における洗浄処理には、前記の洗浄操作のほかに、再結晶操作も含まれる。任意の結晶状N-メチロールアクリルアミドを、必要に応じて加熱して洗浄液中に溶解させ、ついで、冷却, 濃縮、あるいは使用した洗浄液と混和性を有するN-メチロールアクリルアミドに対する貧溶媒を加えるなど適宜の方法で晶析させて洗浄母液から分離し、必要に応じて前記の洗浄操作を組み合わせることにより、本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶を得ることができる。
【0034】
本発明の方法における洗浄処理の際に、洗浄液として、前記の水または/および水溶性有機媒体にN-メチロールアクリルアミドまたは/および重合禁止剤を、更にまた、塩基性物質もしくは酸性物質を、それぞれ任意の濃度で溶解させたものを用いることができる。
【0035】
洗浄処理を施すことによって、結晶状N-メチロールアクリルアミドのホルムアルデヒド様臭を実質的に低減することができる。しかし、本発明者らの研究により、過度の洗浄処理を施すと、N-メチロールアクリルアミド結晶の固結性が増大することが判明した。
【0036】
本発明の方法においては、洗浄処理後のN-メチロールアクリルアミド結晶に、本発明で規定する量の塩基性物質を残留させておくことが好ましく、あるいは、N-メチロールアクリルアミド結晶に規定量の塩基性物質または酸性物質を付着させておくことが好ましい。
【0037】
塩基性物質を残留させる方法としては、N-メチロールアクリルアミドの合成反応に際して塩基性の触媒を用い、生成した結晶状N-メチロールアクリルアミドを洗浄処理した後も、得られたN-メチロールアクリルアミド結晶に、用いた触媒成分が本発明で規定する量の塩基性物質として残るようにしておくことが挙げられる。また、規定量の塩基性物質または酸性物質を付着させる方法としては、塩基性物質または酸性物質を含む洗浄液を用いて、結晶状N-メチロールアクリルアミドを洗浄処理することが挙げられる。これによって、N-メチロールアクリルアミド結晶の固結強度を低減することができ、貯蔵中の結晶の固結性を軽減させる効果がもたらされる。
【0038】
洗浄処理後のN-メチロールアクリルアミド結晶に残留または付着させる塩基性物質または酸性物質の量は、N-メチロールアクリルアミド結晶に対する重量基準で、少なくとも1ppm 相当量とすることが好ましい。上限値は、特に限定しないが、N-メチロールアクリルアミド結晶の使用場面における品質上の制約に配慮して、0.2 重量%程度以下に抑えることが好ましい。このようなことから、N-メチロールアクリルアミド結晶に残留・付着させる塩基性物質または酸性物質の量は、N-メチロールアクリルアミド結晶に対する重量基準で、1〜2000 ppm, 好ましくは1〜100 ppm, より好ましくは1〜20 ppmの範囲とすることがよい。
【0039】
洗浄液に加えることができる塩基性物質は、水酸化リチウム, 水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム, 水酸化ルビジウム, 水酸化カルシウム, 水酸化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物; 炭酸ナトリウム, 炭酸カリウム, リン酸三ナトリウム, リン酸二ナトリウム, ピロリン酸ナトリウム, リン酸三カリウム, リン酸二カリウム, ホウ酸ナトリウム, アルミン酸ナトリウム, ケイ酸ナトリウムなどアルカリ金属の炭酸塩・リン酸塩・ホウ酸塩・アルミン酸塩・ケイ酸塩などの各種のアルカリ金属塩類; トリメチルアミン,トリエチルアミン, トリエタノールアミン, N-メチルモルホリン, N,N-ジエチルヒドロキシルアミンなどのアミン類; 水酸化テトラメチルアンモニウム, 水酸化テトラエチルアンモニウム, 水酸化テトラプロピルアンモニウム, 水酸化テトラブチルアンモニウム, 水酸化トリメチルベンジルアンモニウム, 水酸化セチルエチルジメチルアンモニウム, 水酸化セチルジメチルベンジルアンモニウム, 水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム, 水酸化トリオクチルメチルアンモニウム, 水酸化セチルピリジニウムなどの水酸化四級アンモニウム化合物類; ナトリウムメトキシド, カリウムエトキシド, カリウムt-ブトキシドなどの金属アルコキシド類などを挙げることができる。これらの塩基性物質は、単独で、または二種以上を任意の比率で組み合わせて、用いることができる。塩基性物質は、洗浄液のpHが7〜12、好ましくは7〜10の範囲になるように加える。
【0040】
洗浄液に加えることができる酸性物質は、塩酸, 硝酸, 硫酸, 亜硫酸, 無水硫酸, リン酸, 亜リン酸, 炭酸または二酸化炭素などの無機酸; 酢酸,シュウ酸, マロン酸, マレイン酸, トリクロル酢酸, パラトルエンスルホン酸,安息香酸, アクリル酸などの有機酸を挙げることができる。これらの酸性物質は、単独で、または二種以上を任意の比率で組み合わせて、用いることができ、洗浄液のpHが7〜4の範囲になるように加える。
【0041】
洗浄液に加える酸性物質として炭酸または二酸化炭素を用いる場合には、洗浄液中の二酸化炭素の濃度は、重量基準で5ppm 以上であることが好ましい。上限値は、特に限定しないが、飽和濃度までの範囲で適宜に選ぶことができる。
【0042】
洗浄液中の二酸化炭素の濃度を、上記の規定範囲に調整する手段としては、特に限定しないが、洗浄液中にガス状または液状の二酸化炭素を導入する方法、洗浄液中に固形炭酸を浸漬して昇華させる方法、あるいは、洗浄液中に炭酸塩を溶解させ酸性下で分解させる方法などを例示することができる。
【0043】
洗浄液に加えることができる重合禁止剤としては、ヒドロキノン,P-メトキシフェノール, 4-ターシャリーブチルカテコール, フェノチアジン, クペロン, 硫酸ヒドロキシルアミン, 亜硝酸ナトリウム, 塩化第二銅, 硫酸銅, 硝酸銅, シュウ酸などを用いることができる。これらの重合禁止剤は、単独で、または二種以上を任意の比率で組み合わせて、用いることができる。
【0044】
前記洗浄処理を施すか、またはその他任意の方法によってホルムアルデヒド様臭を低減させた結晶状N-メチロールアクリルアミドを、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に曝露処理することによって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下であるN-メチロールアクリルアミド結晶を得ることができる。
【0045】
また、実質的にホルムアルデヒド様臭がない結晶状N-メチロールアクリルアミドを、酸性ガスまたは塩基性ガスを含む雰囲気下に保持することにより、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である固結性の小さい状態で、N-メチロールアクリルアミド結晶を貯蔵することができる。
【0046】
前記曝露処理または貯蔵の際の雰囲気中に共存させる酸性または塩基性のガス成分は、前記の洗浄液に加えることができる酸性物質または塩基性物質として例示したものに対応するものであるが、好ましくは、酸性ガスは二酸化炭素であることがよく、塩基性ガスはトリメチルアミンなど活性水素を有しない有機アミンであることがよい。
【0047】
前記雰囲気中の酸性ガスまたは塩基性ガスの濃度は、 0.3〜100 容量%の範囲で適宜に選ぶことができる。
【0048】
本発明の方法において、曝露処理は常温で行うことができ、曝露処理を行う際の温度は特に限定しない。曝露処理の時間は、10分間から10時間の範囲で任意に選ぶことができる。また、貯蔵の際の温度は、低温でも常温でもよく、特に限定されない。
【実施例】
【0049】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。以下特記してない場合、「%」は「重量%」である。
【0050】
<実施例1>
撹拌機, 温度計, pH計を備えたジャケット付き反応容器(容量: 1リットル)に、水 170g, P-メトキシフェノール0.04g, 結晶アクリルアミド(純度97%)574 g(7.83モル),パラホルムアルデヒド(純度93%)230 g(7.12モル)を順次仕込み、ついで、触媒として10%トリメチルアミン水溶液(対ホルムアルデヒド: 0.03モル%相当量)を加えて、pH 8.5、反応温度50℃で6時間保持した。反応終了後、1%硫酸水溶液を加え、反応生成液のpHを 7.5に調整した。反応生成液を5℃まで徐冷して結晶状N-メチロールアクリルアミドを晶析させた後、遠心分離機により反応生成液から分離した。次いで、5℃に冷却しておいた洗浄液(組成: メタノール 22 g, 水4g, 10%トリメチルアミン水溶液 0.02 g, P-メトキシフェノール 0.002g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 20 g)46gを用いて、結晶状N-メチロールアクリルアミドのリンス洗浄を施した後、得られた結晶を乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 266gであり、分析結果は、純度: 98.6%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.05%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 5ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−>であった。
【0051】
得られたN-メチロールアクリルアミド結晶について、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における固結強度を、JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に準じた、下記の方法で測定した圧縮強度で表し、結晶の固結性を評価した。
【0052】
<圧縮強度の測定方法>
1) N-メチロールアクリルアミド結晶(検体) 500gを、20cm×30cmのポリエチレン製の袋に入れ、結晶を均して20cm×20cmの領域に拡げた状態で空気を押し出して袋をシールし、この袋を更にクラフト紙袋に入れて封をする。
【0053】
2) 平らな板の上に 1) のクラフト紙袋を平らに置き、その上に板を載せ、この上に、20kg分銅4個を載せ、検体に 200g/cm2 の荷重をかける。
【0054】
3) 温度20〜25℃に保持し、荷重をかけ始めてから二ヶ月間経過した時点で取り出した検体から、数個のテストピース (縦4cm×横4cm×高さ2cm) を切り出す。
【0055】
4) 圧縮試験機(コンピュータ計測制御式精密万能試験機: 島津オートグラフAGS-100B, 最高加重: 100 kg, 加重速度: 2cm/分)により、テストピースに加重し、テストピースが破壊したときに試験機が示した最大荷重値を、テストピースの断面積で割った値をその圧縮強度とする。
【0056】
測定の結果、テストピースは、圧縮強度が 2.0kg/cm2 であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。本実施例の洗浄処理によって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、固結性の小さいN-メチロールアクリルアミド結晶を得ることができた。
【0057】
<実施例2>
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: メタノール 220g, 水40g,10%トリメチルアミン水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 200g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 252gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.7kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0058】
<実施例3>
実施例-1で用いた洗浄液の組成から塩基性物質のみを除いた組成の洗浄液46gを用いたほかは実施例-1に準じてリンス洗浄を施し、得られた結晶を乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 271gであり、分析結果は、純度: 98.5%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.05%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−>であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0059】
<実施例4>
実施例-1のリンス洗浄に代えて、二酸化炭素濃度を高めた洗浄液 460gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。用いた洗浄液は、メタノール 220g, 水40g, P-メトキシフェノール0.02g,結晶状N-メチロールアクリルアミド 200gを配合した液に、固形炭酸20gを浸漬して昇華させることにより調製した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 255gであり、分析結果は、純度: 99.5%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.02%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0060】
<実施例5>
後述の比較例-2に記載した処理に準じた処理を行って得られた、ホルムアルデヒド様臭を消失させたN-メチロールアクリルアミド結晶 500gを、20cm×30cmのポリエチレン製の袋に入れ、袋の中の空気を押し出した後、炭酸ガスボンベから袋の中に炭酸ガスを吹き込んで袋を膨らませ、この状態で袋の口を閉じて袋内で結晶を振り混ぜた後、均して20cm×20cmに拡げた状態で袋内のガスを押し出してシールし、クラフト紙袋に入れて封をした。この後、実施例-1に記載した圧縮強度の測定方法の 2) 以降の処理を行った。N-メチロールアクリルアミド結晶の分析結果は、純度: 99.2%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0061】
<実施例6>
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: エタノール 290g, 水50g,10%水酸化ナトリウム水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 120g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 250gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は、 <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0062】
<実施例7>
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: アセトン 350g, 水50g, 10%水酸化ナトリウム水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 60 g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 240gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は、 <−−>であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.6kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0063】
本発明の方法の要件を満たす各実施例の処理によって、実質的にホルムアルデヒド様臭がなく、かつ、荷重 200g/cm2 の加圧下で二ケ月経過後における圧縮強度が3kg/cm2 以下である固結性の小さい、本発明が目的とするN-メチロールアクリルアミド結晶を得ることができた。
【0064】
<比較例1>
実施例-1において、反応・冷却晶析・分離して得られた結晶状N-メチロールアクリルアミドを、洗浄せずにそのまま乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 309gであり、分析結果は、純度: 97.9%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.23%, P-メトキシフェノール含量: 2 ppm, 塩基性物質含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <++> であった。結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 1.6kg/cm2 であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
【0065】
洗浄処理を行わず、本発明の方法の要件を満たさないときは、得られたN-メチロールアクリルアミド結晶は強いホルムアルデヒド様臭を有し、本発明が目的とするホルムアルデヒド様臭がないN-メチロールアクリルアミド結晶を得ることができなかった。
【0066】
<比較例2>
実施例-2で用いた洗浄液に代えて、前述の特公昭38- 9266号公報に記載されている再結晶溶媒としての酢酸エチルを主体とした洗浄液(組成: 酢酸エチル 227g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 3g, P-メトキシフェノール 0.01 g)230 gを用いてリパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 287gであり、分析結果は、純度: 99.2%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 酸性物質および塩基性物質の含量: 1 ppm以下であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。しかし、結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 4.5kg/cm2 と大きく、簡単に解砕できる状態ではなかった。
【0067】
過度の洗浄処理が施されて本発明の方法の要件を満たさないときには、得られたN-メチロールアクリルアミド結晶は、そのホルムアルデヒド様臭は消失するが、長期貯蔵中の結晶の固結性が増大し、本発明の目的が達成できなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶状N-メチロールアクリルアミドを、水、水溶性有機媒体またはその両方を洗浄液として洗浄処理し、N-メチロールアクリルアミド結晶に、その重量基準で少なくとも1ppm 相当量の塩基性物質または酸性物質を残留させることを含む、N-メチロールアクリルアミド結晶の製造方法。
【請求項2】
結晶状N-メチロールアクリルアミドが、アクリルアミドとホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させて得られたものである、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
水溶性有機媒体が、炭素数1〜4の脂肪族アルコールまたは脂肪族ケトンである請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
洗浄液が塩基性物質または酸性物質を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
塩基性物質が、水溶性であって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物; アルカリ金属の炭酸塩・リン酸塩・ホウ酸塩・アルミン酸塩・ケイ酸塩; 有機アミン; 水酸化四級アンモニウム化合物; 金属アルコキシドからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
酸性物質が、塩酸, 硝酸, 硫酸, 亜硫酸, 無水硫酸, 炭酸,二酸化炭素, リン酸, 亜リン酸, 酢酸, シュウ酸, マロン酸, マレイン酸, トリクロル酢酸, パラトルエンスルホン酸, 安息香酸, アクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項4又は5記載の製造方法。
【請求項7】
塩基性物質を含む洗浄液のpHが、7〜12の範囲である請求項4〜6のいずれか1項に記
載の製造方法。
【請求項8】
前記酸性物質を含む洗浄液のpHが、7〜4の範囲である請求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−35565(P2009−35565A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223362(P2008−223362)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【分割の表示】特願平7−260910の分割
【原出願日】平成7年9月14日(1995.9.14)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】