説明

NO供与体およびジチオランを含む組成物ならびに性機能の改善のためのそれらの使用

本発明は、一酸化窒素(NO)の利用性を改善する物質、NO供与体または一酸化窒素の生合成の前駆体または直接的なもしくは間接的なNOアゴニスト(好ましくは、アルギニン)を、ジチオラン(好ましくはα−リポ酸)との組み合わせで含む固体組成物、および性機能の改善のためのその使用に関する。本発明による組成物は、成分のモル量に基づいて、NO供与体またはその前駆体を過剰に含む。組成物はまた、性機能の改善に適している。特に、本発明は、性障害の治療ための薬物の製造のための、NO供与体またはその前駆体との組み合わせによるジチオランの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、一酸化窒素(NO)の利用性を改善する物質、NO供与体または一酸化窒素の生合成の前駆体または直接的なもしくは間接的なNOアゴニスト(好ましくは、アルギニン)を、ジチオラン(好ましくはα−リポ酸)との組み合わせで含む固体組成物、および性機能の改善のためのその使用に関する。本発明による組成物は、成分のモル量に基づいて、NO供与体またはその前駆体を過剰に含む。組成物はまた、性機能の改善に適している。特に、本発明は、性障害の治療ための薬物の製造のための、NO供与体またはその前駆体との組み合わせによるジチオランの使用に関する。
【0002】
性機能は、成人の人間の生活において中心的な生物学的および社会的因子である。それは、パートナーシップの質に寄与し、個々の生殖目的を達成するために必須である。それは、外的な影響およびストレスを償いうる。それゆえ、完全なまたは肯定的に経験を積んだ性機能は、その他の器質的機能に肯定的なフィードバックをもたらし、一般的に健康を改善する。大部分の人々は、完全な性生活を、肯定的な生活の質のための鍵となる因子として認めている。
【0003】
性的健康および性機能は、多くの方法で損なわれ得る。それは、性欲の欠如または器質的性機能の低下となりうる。男性および女性は、しばしば異なる状態でわずらう。にもかかわらず、利用可能な治療または改善方法は、現在のところ主に男性の勃起障害(ED)に向けられ、および多くの場合に当該障害に限定されている。
【0004】
勃起には、正確な一連の現象が要求されるため、これらの現象の何れかが乱された場合にEDは発生し得る。その一連の現象には、脳、脊柱およびペニス周辺の神経インパルス、並びに、陰核海綿体中およびその周辺の筋肉、繊維組織、静脈および動脈の応答が含まれる。
【0005】
しばしば疾病に起因する神経、動脈、平滑筋および繊維組織のダメージは、最も共通したEDの原因である。疾患(例えば糖尿病、腎臓病、慢性アルコール症、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、血管病および神経学的疾患)は、身体的な勃起障害の原因となる。糖尿病を患う男性の35から50パーセントが、EDを経験する。
【0006】
また、手術(特に、根本的な前立腺および膀胱癌手術)は、ペニス周辺の神経および動脈を損傷し、EDを生じさせ得る。陰茎、脊髄、前立腺、膀胱および骨盤の傷害は、陰核海綿体の神経、平滑筋、動脈および線維組織を害することでEDをもたらし得る。
【0007】
加えて、多くの一般の薬剤(例えば、血圧剤、抗ヒスタミン剤、抗うつ薬、精神安定剤、食欲抑制剤およびシメチジン(潰瘍剤))は、副作用としてEDをもたらし得る。
【0008】
専門家は、ストレス、不安、罪責感、うつ病、低い自尊心および性的失敗の恐れといった心理的因子もEDの原因となると考えている。EDの身体的原因をもつ男性は、しばしば同じ種類の心理的反応(ストレス、不安、罪責感、うつ病)を経験する。
【0009】
その他の考えられ得る原因は喫煙であり、これは、静脈および動脈の血流、ならびにホルモン異常(例えばテストステロンの不足)に影響をおよぼす。
【0010】
EDは、勃起機能の国際指標(International Index of Erectile Function)(IIEFスケール)の適用によって臨床的に評価される。スケールは、全くない(never)(1ポイント)から常に(always)(5ポイント)までで記録される、勃起機能に関する5つの項目から成る。21−25ポイントの場合EDではないとされ、16−20ポイントの場合穏やかなEDに関するとされ、11−15ポイントの場合中程度のEDに関するとされ、および5−10ポイントの場合重症のEDとされる。
【0011】
女性の性機能は、女性性機能指標(Index of Female Sexual Function)(IFSF)(9項目の自己評価アンケート)によって評価できる。IFSFは、IIEFと比較して性機能評価に関してずっと総合的である。評価されるパラメータは、性交中の不快感、腟乾燥の程度、性交の試みの回数、性的な願望の割合および程度、性生活および関係に対する満足感のレベル、陰核の感覚の程度およびオルガスムの質である。
【0012】
現在のED治療の顕著な1つは、シルフェナディル(Silfenadil)、バルデナフィル(Vardenafil)またはタダラフィル(Tadalafil)のような5型ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE5−I)の適用である。それらの作用機序によると、PDE5−Iは勃起の誘導を行わず、むしろ勃起の改善を行う。しかしながら、それらは性的興奮の生じている場合に作用できるだけであり、性的興奮を誘導することはできない。作用様式によると、PDE5−Iは心臓または脈管の疾患の条件では使用できない。特に、それらが、硝酸塩薬物と共に摂取された場合、致命的な副作用を引き起こし得る。それらは、NO供与体(例えば、硝酸アルキル(alkylnitrates)および亜硝酸アルキル(alkylninitrites))といった性的刺激剤と共に摂取することができない。
【0013】
異なる作用様式であるが同様の制限を有するその他の薬物は、アポモルヒネおよびヨヒンビンである。局所薬物としては、プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)が存在し、これはペニスに注射する必要があり、勃起を誘導できる。そのような処理は、しかしながら、患者にとって全く都合がよいものではない。
【0014】
前述した薬物は、勃起の改善または誘導を助けるであろう。これらの薬物は何れも、性機能のその他の徴候および症状、特に性欲の欠如または早漏を改善せず、女性の助けになることもない。それらは、心因性のEDの場合、助けにすらならない。
【0015】
α−リポ酸は、医療、栄養および製薬における使用において、数十年来既知である。その使用は、ラセミ混合物として、鏡像異性体の1つとして、または鏡像異性体の混合物としての何れかが提唱されている(DE4035442A1)。また、化学的に修飾することも提唱された(例えば:還元型ジチオール、US6,387,945B2に記載されるようなリポナミド(liponamide)およびその誘導体、β−リポ酸、メチルリポ酸、ビス−およびテトラノルリポ酸(bis− and tetratnorlipoic acid)、チオ硫酸塩(thiosulfonates)、シルフィニルスルホン(silfinyl sulfones)、ジスルホン(disulfones)およびスルホン酸、並びにEP089126A1に記載されるその他の誘導体、グリセリンに結合したエステル、エステルおよびアミドおよび一般的塩その他への修飾)。塩および代謝産物の使用も、同様に提案された。−0.325ボルトの酸化還元電位を有するジチオラン基の酸化還元部位は、これらの全ての化学修飾の活性成分である。それゆえ、ジチオラン部分は、全ての細胞内酸化還元系を還元し、NADH−およびNADPH酸化還元等価物によって酵素的におよび非酵素的に再利用され得る。ジチオラン部分の分子誘導体は、全て薬力学的にこの基礎的機構に依存する。しかしながら、化学誘導体化は、酸化還元再利用の代謝、分布および回転速度に影響する。
【0016】
製剤は、単独でおよび組合せによる、錠剤、カプセル剤、注入およびすぐ使用できる(ready−to−use)注入のためのアンプルならびに経皮の、皮下のおよび直腸の適用のための製剤、ならびに吸入のための製剤を含む。迅速放出(Quick release)、調節放出(controlled release)および低速放出(slow release)製剤が記述されている。文献によると、化合物は、さまざまな状態および疾病(例えば糖尿病性多発ニューロパシー、肝疾患、キノコ中毒、重金属中毒、放射能障害、糖尿病、高脂血症、皮膚障害、片頭痛など)のために提案されている。また、アルツハイマー病およびその他の状態におけるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤との併用法が提案されている。
【0017】
化合物アルギニンは、一時的な疲労の状況で使用され、および慢性的摂取の後、低密度コレステロールを正常化することが提案された。また更に、それがNO合成の前駆体であるため、勃起障害での使用が提案された。NOが陰茎循環を改善し、そのため勃起の張力を改善すると仮定される。そのような仮定は、しかしながら、臨床的にはまだ確認されていない。しかしながら、アルギニンのようなNO供与体化合物またはNOアゴニスト化合物と、PDE5阻害剤とを、勃起障害を治療するために組み合わせるという提案が存在する。
【0018】
血管緩和の1つの修飾因子は、一酸化窒素(NO)、いわゆる内皮由来弛緩因子である。まさに一般的仮説として、全ての酸化防止剤(すなわちまた、α−リポ酸のようなジチオラン)は、一酸化窒素(NO)の利用性に対して有効であることが提唱された。試験管において、活性酸素種の1つ、スーパーオキサイド陰イオンは、NOと反応し、パーオキシナイトライトを形成する(Duら)。α−リポ酸のような抗酸化物は、遊離活性酸素を除去し、そのためNOの生物学的利用能を増加させる。しかしながら、細胞試験システムからのその他のデータによると、潜在的にNO利用能を増加させるというこの提案された機構は、反証された。LiangおよびAkaikeは、α−リポ酸が肝細胞にてNO合成を抑制すること、サイトカインに誘導されるNO形成が、α−リポ酸を含むチオールによって還元されること(Tabatabaieら)および炎症誘発性刺激によるNO生産(Guoら)を報告した。結論として、α−リポ酸を含むチオールは、一酸化窒素合成酵素(NOS)の活性を減少させることが示された。従って、α−リポ酸の誘導体は、NO合成酵素阻害剤としての使用のために開発されている(US6,605,637;US2004/00190084A1)。さらに、一酸化窒素合成酵素およびNO合成のその他の阻害剤(例えばニトロアルギニン)は、同様の方向性の薬理作用のために、チオールを含むα−リポ酸との組み合わせが提唱されている(WO03/028714A2;WO00/59448)。
【0019】
結論として、NO生物学的利用能に対するα−リポ酸およびジチオランのin vivoの刺激効果の原理は明確なものにできていない。対照的に、阻害作用は先行技術である。従って、これまで、勃起障害の状態を改善するために、アルギニンとα−リポ酸とを同時に適用しまたは両化合物の組成物を適用するという報告はなく、添加物またはNO生物学的利用能に対する両成分の相乗効果についての試験結果は報告されていない。勃起障害の症状において両化合物を組み合わせることの唯一の提案は、抗酸化物によってアルギニン依存性副作用(遊離活性酸素の発生)を減少させることであり、および、カルニチンおよび補酵素Q10の同時適用に向けられる(WO 03/032751)。
【0020】
特に、一般的に性機能(一酸化窒素に依存しない機能を含む)を改善するために、アルギニンとα−リポ酸とを合わせて適用することは、文献で言及されない。対照的に、α−リポ酸を含む抗酸化物の組合せは、WO03/028714で述べられるように、肺毒性のようなアルギニンに依存する副作用を予防する目的で、アルギニン補充により生じる活性酸素を除去するために提唱されているだけである。
【0021】
WO03/032751A1は、男性の性障害(精子移動性および勃起障害)における、カルニチンの塩および塩化亜鉛さらに1−3g、80−100mgおよび20−50mgの比率のアルギニン、補酵素Q10およびα−リポ酸の固体混合物の使用について記述している。Q10およびα−リポ酸は、アルギニンの副作用(フリーラジカル生産)を低減するため、薬理作用を改善させないため、または薬理作用を付加するために添加された。
【0022】
EP1273295A1において、α−リポ酸およびアルギニンとオゾン化油(ozonized oils)との組合せは、アルギニンの質量を基準に25%の最大量であることが記述された。EP947194B1は、共に固体塩を形成する、α−リポ酸とアルギニンとの混合物を記述している。DE3840076A1に記述されるように、α−リポ酸とアルカリアミノ酸との間の塩形成はまた、注射および注入のための液体組成物のために記述された。US5,281,722といった一部の特許文献は、ラセミ混合物からのα−リポ酸の鏡像異性体の分離を言及している。R(+)α−リポ酸およびアルギニンの固体塩の形成は、等モルの比率でのみ記述された。DE4317646は、アルギニンを含むアルカリ化合物とα−リポ酸との混合物を開示しているが、組成物中α−リポ酸は過剰に存在する。
【0023】
これらの組成物の全てが、適当量でおよび必須の比率で組合せパートナー(combination partners)を含むというわけではないので、これらの組成物のいずれも性障害の状態における適用にふさわしくない。これらの記述に従って製造する場合、意図した使用に要求される組成物の製剤は作用しないだろう。提案された組成物は、経口液体摂取にふさわしくない。
【0024】
要約すると、男性および女性の両方における性機能の改善または性障害の治療のために、重篤な副作用の危険性のない満足いく治療法はまだ提供されていない。従って、何れの重篤な副作用の危険性なく適用できる組成物であって、男性ならびに女性において性機能を改善するために栄養補助食品として適用してもよい組成物であって、性障害の治療のための薬物として有用とも成りうる組成物の強い必要性が存在する。好ましくは、組成物は、簡単な適用に適していなければならず、最も好ましくは経口ルートを介すものであり、さらにより好ましくはよい味覚の液体の摂取によるものである。この為、高齢患者にとっても、患者の良好なコンプライアンスが達成される。特に、通常更なる薬物を必要とするこの群にとって、性機能の改善のための上述の薬物(例えば、PDE阻害剤)は、2以上の薬物の望ましくない起こりうる相互作用のために、回避しなければならない。
【0025】
驚くべきことに、全ての上記の目的は、NO供与体またはその前駆体(好ましくは、アルギニン)とジチオラン(好ましくはα−リポ酸)との組み合わせを含む組成物、および性機能の改善のためのその使用によって解決される。本発明による組成物は、モル比でジチオランよりも過剰量で、NO供与体またはその前駆体を含む。一例として、アルギニン量は、モル数に基づいて2.1−40倍、好ましくは4−20倍で、α−リポ酸の量を上回る。組成物は、また、性障害の症候および症状の効果的治療に適している。
【0026】
一実施態様によると、本発明は、性障害の治療のための薬物の製造のためのNO供与体またはその前駆体との組み合わせによるジチオランの使用に関する。
【0027】
NO供与体または前駆体またはアゴニストは、例えば、エンドセリン、サイトカイン、ブラジキニン、カルレティキュリン、ビサコジル、フェノールフタレイン、揮発性硝酸アルキル製剤などを含む有機硝酸塩および亜硝酸塩である。α−アドレナリン遮断薬(α−Adrenergic blockers)、例えばフェントラミン、パパベリンおよびプロスタグランジンもまた使用される。好ましい化合物の1つは、アルギニンである。本発明に適したジチオラン化合物は、例えば、α−リポ酸、β−リポ酸、ジヒドロリポ酸、リポナミド、ビス−およびテトラノルリポ酸、メチルリポ酸(methyllipoic acid)、7,8ジチオヘプタン酸(7,8 dithioheptanoic acid)、7,8ジチオノナン酸(7,8 dithiononanoic acid)およびその他の多くのもの(US6,387,945B2,EP089126A1参照)であり、α−リポ酸が、好ましい前駆体、プロドラッグおよびグルタチオンの機能的アゴニストであり、およびこの目的に十分に使用することが可能である。
【0028】
本発明によるそのような組成物において、2つの構成成分とはアルギニンおよびα−リポ酸であり、さらに、NO供与体またはその前駆体(ここでは:アルギニン)が、ジチオランα−リポ酸のモル量に基づいて過剰に存在し、好ましくは、組成物における化合物の量の範囲は、200mgから15gのアルギニンおよび25mgから1.2gのα−リポ酸であるという必要条件が存在する。好ましい量は、500mgから10gのアルギニンおよび55mgから800mgのα−リポ酸であり、最も好ましくは3.5gから5gのアルギニンおよび100mgから600mgのα−リポ酸である。個々の製剤において、2つの化合物の総摂取量およびそれによるそれぞれの比率は、薬物動態学的および薬力学的違い、患者の症状および個々の共投与(co−medication)および共栄養摂取(co−nutrition)を考慮に入れて、それぞれの必要性に従って調節することができる。
【0029】
一般に、本発明による組成物は、少なくともNO供与体またはその前駆体(一酸化窒素の誘導物質)およびジチオランを含む。好ましくは、NO供与体は、NO合成の前駆体として天然アミノ酸アルギニンであり、ジチオランは、天然補助因子α−リポ酸である。より好ましくは、アルギニンの生物学的「L」体が使用され、α−リポ酸の生物学的R(+)鏡像異性体が使用される。本発明による請求される使用に関して、性機能の改善のための摂取が2つの物質の組合せに生ずる限り、2つの化合物「NO供与体またはその前駆体」および「ジチオラン」は別々の組成物中に存在し得る。本発明による請求される使用に関して、2つの組合せパートナー(two combination partners)の個々の用量の調節が個々に意図される使用のために必要である場合に、別々の組成物からの摂取が有益となりうる。
【0030】
好ましい実施態様によると、本発明による組成物は、経口的に適用される。好ましい用量計画は1日に1回であるが、1日に1以上の用量による、1日分の摂取の個々に調節した分割が有益であってもよい。
【0031】
通常、NO供与体またはその前駆体(特にアルギニン)と比較して組成物中のジチオランの量はより低いため、医薬的に許容可能な有機塩または無機塩のパートナーを添加しなければならない。アルギニンおよびα−リポ酸の可溶性が非常に限られているため、そのような塩は溶液製剤において特に必要とされる。塩の形成は、特に溶液製剤において、活性パートナーの要求される濃度を達成するために必要である。しかしながら、完全で再現性のある腸管溶解が要求される場合、同じことが固体経口製剤に有効である。好ましくは、有機酸が、塩のパートナーとしてアルギニンの余剰(surplus)のために使用でき、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、ピルビン酸塩、安息香酸、乳酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸またはポリアニオンまたは一般にカルボン酸が使用できる。好ましくは、アルギニンの余剰のための付加的な塩のパートナーは、α−リポ酸(pKa5.3)より強い酸でなければならず、例えばアスコルビン酸、マロン酸、クエン酸等が使用できる。溶液中の活性化合物の要求される高い濃度がより容易に達成できるため、このことは液体組成物に利益を提供する。通常、α−リポ酸の非常に悪い味は溶液プレゼンテーション(presentation)においてはその経口摂取のために避けられるものであるが、提案される組成物の範囲内では液体組成物の経口での適用が可能である。摂取後の活性塩パートナーの可溶性が増大するため、好ましくは経口摂取に適した固体組成物にも利益を提供する。味に関して、アルギニンのアルカリ余剰を補うために必要とされる量に加えてわずかな余剰で付加的な酸を有することは、組成物にとっての一部の利点でありえる。しかしながら安定性の理由のため、より高い量のリポ酸(例えば100mg以上)による組成物は、アルカリ成分のわずかな余剰でよりよく処方することができる。この余剰は、好ましくはエタノールアミンまたはトロメタミンまたは有機アルカリ化合物が有するようなより高いpKで、アルギニンまたはより良い付加的なアルカリ成分のどちらかによって達成することができる。
【0032】
固体マトリックスまたはコロイド分散ゲルポリイオンマトリックスを、分散する固体形態のために使用することができる。あるいは、液体形態のためのコロイド分散ゾルとしてマトリックスが適している。本発明による組成物は調節性放出の状態であってもよい。当業者は、標準化された剤形を達成するために、既知の薬務に従って適した賦形剤を選択するだろう。
【0033】
本発明によって検討される2つの成分の他に、更に適した化合物、例えば、医薬的もしくは薬理学的もしくは栄養的使用のためのビタミンおよびミネラル、代謝中間体、炭水化物、脂質、脂肪酸、アルコール類、アミノ酸およびペプチド、または味もしくはにおいを改善するための化合物を添加することができる。
【0034】
固体経口剤形において、単一用量の全重量は容易に飲み込みことができる範囲である。このことは、一度でのまたは一日にわたる、多数の単位の摂取となり得る。溶液トニック(liquid tonics)または溶解するための発泡性組成物にて、一日当りの全摂取が、容易に一回の単一単位で達成できる。固体は、飲み込みの前に溶液とするのに適しており、好ましくは口内で急速に崩壊する。
【0035】
溶液プレゼンテーションの消費は、甘味料および香料および着色剤の添加によって促進することができる。好ましくは、1用量は1単位で提供される。最も好ましくは、両化合物(NO供与体およびジチオラン)は、固定比率で、1用量単位で示される。予めの包装(prepackaging)は、分配の場所での組成物の個々の投薬を可能とする。液体組成物の例は、ジチオラン化合物として10gのR(+)−α−リポ酸、NO供与体化合物として300gのアルギニン、付加的な陰イオン性塩パートナーとして199.5gのアスパラギン酸を含んでよい。化合物は、総体積5Lで、水/エタノール 95/5 w/wの混合物中で2%のショ糖と共に撹拌しながら溶解され、注射のために殺菌され、および0.2μmの孔を有する膜フィルターを通してろ過されるだろう。50mlの部分(portions)は、無菌条件の下で飲料用アンプルに満たされるだろう。
【0036】
本発明の組成物において、2つの化合物が、イオン結合以外の別の化学結合によって化学的に結合することがあってもよい。この目的のために、両活性パートナーを官能基スペーサーでつないでよく、このとき、当該スペーサーは、化学的に活性な部位を解して両パートナーを結合する(例えば、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合またはエーテル結合)。
【0037】
本発明はまた、本発明による1以上のそれぞれの剤形を含む医薬的または栄養的パッケージを提供する。パッケージは、政府または公共機関による通知を付随させることができ、これは、医薬的、生物学的、または栄養的生成物の製造、分配、促進、貯蔵または使用を調整および反映する。パッケージはまた、パッケージの中身および組成、安定性および適用の方法ならびに投薬および摂取の条件ならびに使用の目的を公表する通知を含むことができる。通知は、パンフレットへの追加、またはパッケージ材料への印刷の何れかにすることができる。
【0038】
本発明による組成物によって初めて、天然由来(naturally occuring)の化合物を利用することによる勃起機能の改善が認められ、ほとんどの場合機能が正常化された。NO供与体およびジチオランの提案された総量および比率による組合せは、高用量のアルギニンまたはα−リポ酸を単独で用いても治療効果が得られない勃起障害に効果的である。従って、提案される組合せの勃起障害に対する効果は、相乗的であると考えることができ、チオールによるアルギニン依存的副作用の低下に起因し得ない。最も驚くべきことに、認められた効果は、身体的な勃起障害に限られず、診断された心因性の勃起障害ならびに減弱または欠落した性欲、弱いまたは欠落したオルガスムを経験する能力、流涎(salivation)の減少または欠落、陰核勃起および興奮性の低下または欠落および低下した陰唇および膣の充血といったED以外の性的機能不全の症候および症状にも認められる。性機能への効果に対するアルギニンの寄与はNO代謝に基づくことが知られているため、このことは驚くべきことである。それ故、どんな潜在的な結合的効果も、身体的な勃起障害に制限されなければならない。驚くべきことに、前述のように、NO供与体およびジチオランの組合せの効果は、NO依存的薬理学に制限されない。そのような知見は、当該分野の偏見を克服する。本発明がそのような仮説に制限されないにもかかわらず、本発明による組成物の相互作用は、一酸化窒素代謝に対する効果から部分的に独立していなければならないと考えられる。そのような仮説は、勃起機能に加えて、男性および女性の両方における性欲を含む性機能を一般に改善するという知見に支持される。組成物の認められた臨床効果の機構はまだ完全に理解されていないが、有効性は、2つの化合物(好ましくは、余剰のアルギニンとの、アルギニンおよびα−リポ酸)の記述された比率に基づくようである。
【0039】
本発明による組成物によって、PDE5−阻害薬による治療が失敗する場合でも、EDを効果的に治療することができることに留意すべきである。
【0040】
特に、本発明は以下のことに関する。
【0041】
NO供与体またはその前駆体およびジチオランを含む組成物であって、前記NO供与体またはその前駆体がモル比に基づいて過剰に存在する組成物。
【0042】
前述の組成物であって、前記NO供与体またはその前駆体がアルギニンであり、および前記ジチオランがα−リポ酸誘導体である組成物。
【0043】
前述の組成物であって、前記α−リポ酸誘導体が、α−リポ酸である組成物。
【0044】
前述の組成物であって、更に酸が添加され、当該酸が、好ましくは医薬的に許容可能であり、例えば、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、ピルビン酸塩、乳酸、安息香酸、マロン酸、クエン酸、アスコルビン酸等である組成物。
【0045】
前述の組成物であって、α−リポ酸および/またはアルギニンの化学的誘導体が、塩、エステル、アミド、エーテルおよびその他の化学的誘導体のように使用され、前記誘導体が、直接のまたは共役成分(conjugating moiety)を介した化学結合のどちらかによって形成される組成物。
【0046】
薬剤、医学的食物、食物補助食品、機能性食品または食物として有用な、前述の組成物。
【0047】
NO供与体またはその前駆体(好ましくはアルギニン)に対する対イオンとして、α−リポ酸以外に付加的な陰イオン塩パートナーを含む、液体の形態の前述の組成物。
【0048】
NO供与体またはその前駆体(好ましくはアルギニン)に対する対イオンとして、α−リポ酸以外に付加的な陰イオン塩パートナーを含む、経口摂取のための液体の形態の前述の組成物。
【0049】
NO供与体またはその前駆体(好ましくはアルギニン)に対する対イオンとして、α−リポ酸以外に付加的な陰イオン塩パートナーを含む、固体の前述の組成物。
【0050】
固体または液体のどちらかの形態で前述した組成物を含む、包装された剤形。
【0051】
2つの分離した投与単位を含むパッケージ剤形であって、一緒に摂取された場合に、ここに記載されるような組成物の摂取がもたらされる剤形。単位の1つにおいて、付加的な塩パートナーが付加されてよい。
【0052】
性機能の改善のための、ここに記載されるような組成物の使用。
【0053】
男性における性機能の改善のための、ここに記載されるような組成物の使用。
【0054】
女性における性機能の改善のための、ここに記載されるような組成物の使用。
【0055】
性障害が勃起障害である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0056】
性障害が心因性の勃起障害である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0057】
性障害が身体的な勃起障害である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0058】
性障害が男性における性欲の消失である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0059】
性障害が女性における性欲の消失である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0060】
性障害が身体的な理由に基づく、ここに記載されるような組成物の使用。
【0061】
性障害が心因性の理由に基づく、ここに記載されるような組成物の使用。
【0062】
性障害が、性不感症、オルガスムに達することの障害、精液早漏、許容できない短時間の性交、唾液分泌(salivation)の欠落、低下もしくは欠落した陰核勃起または興奮性ならびに低下した陰唇および膣の充血である、ここに記載されるような組成物の使用。
【0063】
性障害の治療のための薬物の製造のための、ここに記載されるような組成物の使用。
【0064】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が勃起障害である使用。
【0065】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が男性または女性のどちらかにおける性欲の消失である使用。
【0066】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が身体的に理由に基づく使用。
【0067】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が性不感症である使用。
【0068】
前述のような治療のための使用であって、性不感症がオルガスムに達することの障害をもたらす使用。
【0069】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が心因性の理由に基づく使用。
【0070】
男性における前述のような治療のための使用。
【0071】
女性における前述のような治療のための使用。
【0072】
前述のような治療のための使用であって、前記性障害が精液早漏である使用。
【0073】
前述のような治療のための使用であって、精液早漏が許容できない短時間の性交をもたらす使用。
【0074】
前述のような使用であって、α−リポ酸およびアルギニンまたは関連する化合物が、固体または液体の何れかのプレゼンテーション形態にて、経口的にまたは非経口的に摂取される使用。
【0075】
前述のような使用であって、α−リポ酸が鏡像異性体(R(+)またはS(−))として、またはラセミ混合物を含む鏡像異性体の混合物として使用される使用。
【0076】
前述のような使用であって、アルギニンがL−もしくはD−異性体または両者の混合物として使用される使用。
【0077】
前述のような使用であって、勃起障害の基礎治療のための薬物の用量を減少することが可能な使用。基礎的薬物は、PDE5阻害剤、血流促進剤、勃起の刺激剤、ホルモン置換療法とすることができる。
【0078】
性障害の治療のための薬物の製造のためであって、一方で、同時に、基礎薬物で生じる有害副作用を回避するために勃起障害の治療のための薬物の用量を減少する、ここに記載されるような組成物の使用。
【0079】
硝酸アルキル(例えば揮発性硝酸アルキルまたはその他の性的刺激剤)の基礎摂取に加えて、ここに記載されるような組成物または両成分の使用。
【実施例】
【0080】
医薬例:
以下の例1−4は、本発明による一般的な組成物を示す。組成物を製造する場合、それは、特に天然の形態の場合には、遊離酸または塩基を直接溶解するよりも、リポ酸またはアルギニンの塩を溶解するほうが有利である。アルギニンの余剰の比率は、安定性および許容可能な味に関与する。水は、優先的に10℃でなければならず、殺菌および脱気されていなければならない。アスコルビン酸のような酸化防止剤は、安定性を改善するために役立ち、味を改善しうる。外れた風味(off−flavours)は、残留する少量のいやな匂いを覆うことに寄与する。合成または生物由来の複合糖質は、いやな味を防ぐことに寄与する。
【0081】
以下の例は、特別な実施態様のみを意味し、本発明による範囲を限定するものではない。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0082】
臨床例:
ケース1
37歳の男性は、勃起(陰茎の張力の減少)および性欲のわずかな減少の悪化に3ヵ月苦しんだ。検査によると、彼のIIEFカウントは9であった。全ての生化学的パラメータおよびホルモンは、正常範囲の範囲内であった。陰茎血管のドップラー断層撮影は正常であった。シルフェナディルによる負荷試験は陽性であり、そのため、勃起障害(ED)の器質的病理学は除外された。シルフェナディルの投与は重篤な顔面発赤を呼び起こし、患者に不快な感覚を引き起こした。検査後、心因性のEDと診断された。600mgのα−リポ酸の経口摂取は、IIEFスコアを変化させなかった。アルギニン(5g)および600mgのα−リポ酸は、性交前30分に経口摂取された。治療の後、勃起は正常化した。IIEFスコアは、9から21ポイントまで改善した。
【0083】
ケース2
23歳の男性は、不十分な勃起について1週間不満を感じた。男性は、18歳のときに性生活を始め、定期的に週に2回性交を行ってきた。3ヵ月前、彼は性的パートナーを変えた。新たなパートナーとの最初の性交で、彼は過度な興奮を経験した。その時から勃起は悪化し、IIEFスコアは8ポイントとなった。生化学的値およびホルモンの値は正常範囲内であった。診断は、心因性のEDおよび失敗予想症候群(failure expectation syndrome)であった。4gのアルギニンの経口摂取は、IIEFスコアを変化させなかった。また、性交前30分における600mgのα−リポ酸との併用による1gのアルギニンの摂取は、何れの改善ももたらさなかった。4gのアルギニンおよび300mgのα−リポ酸への変化の後、勃起は改善した。IIEFスコアは、8から12ポイントまで改善した。一方、患者は、毎日1gのアルギニン+100mgのα−リポ酸の常習的摂取に変更した。時折、彼は、性交前に付加的な4gのアルギニン+300mgのα−リポ酸を要求に応じて摂取した。
【0084】
ケース3
35歳の男性患者は、7年前から勃起の悪化に関して不満を感じていた。性交は、選択した位置でのみ可能であった。加えて、彼は早漏で苦しんだ。彼の性欲は完全なままだった。診断時のIEFFスコアは11であった。診断は身体的なEDおよび早漏であった。600mgのα−リポ酸が単一用量として投与し、アルギニンを1日にわたって4回の単一用量で2g与えた。勃起は改善し、性交は1−2分から7分まで長くなった。IEFFスコアは11から15ポイントまで変化した。4回の単一用量は、α−リポ酸との併用による10gのアルギニンの単一用量に変えられた。
【0085】
ケース4
44歳の患者(関連する精神的ストレスをもつ会社経営者)は、この13年間、低下した勃起および低下した性欲について不満を持っていた。朝の反応は維持していた。性的接触は、週に3回から月に3回の頻度であった。診断は、心因性のEDおよび経営者症候群(manager syndrome)であった。200mgのα−リポ酸の単一用量投与は何れの効果も奏せず、600mgへの増加が状況を改善した。しかしながら、5gのアルギニンとの併用による200mgのα−リポ酸は、完全に勃起を正常化した。IIEFスコアは、9から24ポイントまで改善した。常習的な摂取のために、アルギニンの一日量は、α−リポ酸の摂取の変更なく、2gまで低下した。
【0086】
ケース5
37歳の患者は、勃起および早漏の悪化について不満をもっていた。シルフェナディルおよびバルデナフィル(Verdenafil)の投与後、勃起は改善された;しかしながら、早漏はそのままであった。診断は心因性のEDおよび早漏であった。この基本的治療に加えて、10gのアルギニンを投与したが、何れの効果もなかった。しかしながら、10gのアルギニンとの併用による200mgのチオクト酸は、8から20ポイントまでIIEFの改善をもたらした。性交時間は、1分から4分まで延長された。
【0087】
ケース6
32歳の女性は、第一子の出産後、性欲の消失を経験した。性交は、唾液分泌(salivation)の減少のためにしばしば痛みを伴った。性欲の消失を感じて以来、彼女は少しのオルガスムも経験しなかった。2年前より、彼女は、彼女の夫の結婚カウンセリングに定期的に参加している。彼女は、一日当り3gのアルギニンの摂取を開始し10gまで増加したが、状況は改善しなかった。α−リポ酸の追加を、一日当り100mgから始めた。用量を毎週100mg増加させた。300mgのα−リポ酸を受けた後、彼女は第1の性欲の感覚を報告した。彼女は、現在、300gのα−リポ酸および5gのアルギニンを一緒に摂取しており、正しくオルガスムに達する能力を回復した。ISFS質問表は改善した(10ポイント)。彼女は、彼女のパートナーシップが改善したことを報告した。結婚カウンセリングは中止された。
【0088】
ケース7
55歳の男性は、5年前から、亜硝酸イソアミル(isoamylnitrite)の経鼻摂取後にだけ、性交を行うことが可能であった。しかしながら、性交は、予測不可能な勃起および早漏のためにまだ不満足だった。診断は、身体的な勃起障害および早漏であった。10gのアルギニンおよび600mgのα−リポ酸の摂取の導入の後、性交の典型的な時間を2分から5分まで延長することができ、亜硝酸アミル(amylnitrite)の用量は減らすことができた。アルギニン+α−リポ酸の常習的な摂取の間、組合せの摂取は、5g+300mgまで低下した。硝酸イソアミル(isoamylnitrate)の摂取は、もう必要としなくなった。
【0089】
何れのケースにおいても、組合せパートナーの摂取による有害事象は報告されなかった。心血管性の機能障害への寄与は認められなかった。急性的に経口溶液プレゼンテーションが適用され、慢性的に液体および固体の両プレゼンテーションが適用された。
【0090】
組合せは勃起障害の症候および症状に効果的であるが、身体的な(器質的な)勃起障害に限られない。男性および女性の両方において、性機能および性欲のその他の特質もまた改善される。結論として、組合せの摂取は、一酸化窒素に仲介されるような効果を含むが、一酸化窒素に依存する薬理学に限られない、治療効果を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
NO供与体またはその前駆体およびジチオランを含む組成物であって、前記NO供与体またはその前駆体が、前記組成物中に存在するジチオランのモル量に基づいて過剰に存在する組成物。
【請求項2】
NO供与体またはその前駆体およびジチオランを含む組成物であって、前記NO供与体またはその前駆体が、前記組成物中に存在するジチオランのモル量に基づいて過剰に存在し、前記組成物が、液体であり経口摂取に適しており、または固体であり液体としての経口摂取の専用である組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物であって、前記組成物が発泡性であり及び/又はサッシェ(sachet)に充填される組成物。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の組成物であって、前記過剰が、ジチオランのモル量の2.1から50倍である組成物。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の組成物であって、陰イオンジチオランとの関係における陽イオンNO供与体の過剰が、付加的な陰イオン塩パートナーによって補われる組成物。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の組成物であって、前記NO供与体またはその前駆体がアルギニンであり、および前記ジチオランがα−リポ酸である組成物。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の組成物であって、アルギニンが200mgから15gの量で存在し、およびα−リポ酸が25mgから1200mgの量で存在する組成物。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の組成物であって、アルギニンが500mgから10gの量で存在し、およびα−リポ酸が55mgから1200mgの量で存在する組成物。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の組成物であって、アルギニンがL−アルギニンである組成物。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の組成物であって、α−リポ酸がR−α−リポ酸である組成物。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載の組成物であって、アルギニンがL−アルギニンであり、およびα−リポ酸がR−α−リポ酸である組成物。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載の組成物であって、前記組成物が固体である組成物。
【請求項13】
男性および女性における性機能の改善のための請求項1から12の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
請求項13に記載の成分の使用であって、2つの活性成分が、自由な組み合わせで一緒に摂取されるが、少なくとも2つの分離したプレゼンテーション形態(presentation forms)から摂取され、前記形態は、独立したパッケージ単位から摂取することが可能でありまたは単一の相互に結び付けられたパッケージ単位から摂取することが可能である使用。
【請求項15】
請求項13または14に記載の使用であって、性障害が勃起障害である使用。
【請求項16】
請求項13から15の何れかの1項に記載の使用であって、性障害が男性または女性の何れかにおける性欲の消失である使用。
【請求項17】
請求項13から16の何れか1項に記載の使用であって、性障害が、身体的な理由および/または心因性の理由の何れかに基づく使用。
【請求項18】
請求項13から17の何れか1項に記載の使用であって、性障害が、性不感症、オルガスムに達することの不能または遅延性のオルガスム、生殖器感覚の障害、精液早漏、許容できない短時間の性交、唾液分泌の欠落、低下もしくは欠落した陰核勃起または興奮性ならびに低下した陰唇および膣の充血である使用。

【公表番号】特表2009−508810(P2009−508810A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524446(P2008−524446)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007733
【国際公開番号】WO2007/017191
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(508036592)エクスタルマ・アーゲー (1)
【氏名又は名称原語表記】Extarma AG
【Fターム(参考)】