OAMパケット変換方法及びOAMパケット変換装置
【課題】
従来は、異なるOAM方式の装置を接続した場合にパス監視ができなくなるという問題があった。
【解決手段】
本発明に係るOAMパケット変換方法は、MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送することを特徴とする。
従来は、異なるOAM方式の装置を接続した場合にパス監視ができなくなるという問題があった。
【解決手段】
本発明に係るOAMパケット変換方法は、MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OAMパケットの伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ATMやSDHと同等の伝送品質で通信サービスを提供するコネクションオリエンテッドな伝送技術として、MPLS−TP(Multi Protocol Label Switching−Transport Profile)が注目されている。MPLS−TPでは、IP網などで仮想パスを構築してOAM(Operation Maintenance, and Management)機能を実現することによって、同期網と同等の保守運用管理が可能である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
MPLS−TPは、ラベルスイッチドパス(LSP)上の装置間で制御用のパケット(MPLS−TP OAMパケット)を交換することによりパスの監視を行う。MPLS−TP OAM機能として、例えばCC/CV、RDI、AIS、LM、DM、CSFなどが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
MPLS−TPは、IETFやITU−Tなどの組織により標準化が進められているが、MPLS−TP OAMとしてベース技術が異なるY.1731ベースOAM(例えば、非特許文献3参照)とBFDベースOAM(例えば、非特許文献4から非特許文献7参照)の2つの方式が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】RFC 5921 (draft-ietf-mpls-tp-framework):A Framework for MPLS in Transport Networks
【非特許文献2】draft-ietf-mpls-tp-oam-framework:Operations, Administration and Maintenance Framework for MPLS-based Transport Networks
【非特許文献3】draft-bhh-mpls-tp-oam-y1731:MPLS-TP OAM based on Y.1731
【非特許文献4】draft-ietf-mpls-tp-cc-cv-rdi:Proactive Connectivity Verification, Continuity Check and Remote Defect indication for MPLS Transport Profile
【非特許文献5】draft-ietf-mpls-tp-on-demand-cv:MPLS On-demand Connectivity Verification and Route Tracing
【非特許文献6】draft-ietf-mpls-tp-fault:MPLS Fault Management OAM
【非特許文献7】draft-frost-mpls-tp-loss-delay:Packet Loss and Delay Measurement for the MPLS Transport Profile
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、Y.1731ベースOAMをサポートしている装置とBFDベースOAMをサポートしている装置とが混在しているネットワークにおいて、BFDベースOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合に、パス監視ができなくなるという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合でも、パス監視を行うことができるOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るOAMパケット変換方法は、MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送することを特徴とする。
【0009】
これにより、異なるOAM方式に対応するBFDベースOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置とが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0010】
特に、前記第2装置から受信するBFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第1装置に転送することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングすることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るOAMパケット変換装置は、前段の装置からパケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットをデータパケットと第1方式のOAMパケットとに分離するパケット分離部と、前記第1方式のOAMパケットを第2方式のOAMパケットに変換するための情報を保持するOAM変換データベースと、前記パケット分離部が分離した前記第1方式のOAMパケットを前記OAM変換データベースを参照して前記第2方式のOAMパケットに変換するOAM変換部と、前記OAM変換部が変換した前記第2方式のOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重するパケット多重部と、前記パケット多重部が多重したパケットを後段の装置に送信する送信部とを有することを特徴とする。
【0013】
これにより、異なるOAM方式に対応する装置が混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0014】
特に、前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとY.1731ベースのOAMパケットとに分離し、前記OAM変換データベースは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、前記OAM変換部は、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換した前記BFDベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信することを特徴とする。
【0015】
これにより、Y.1731ベースOAMしかサポートしていない装置からBFDベースOAMしかサポートしていない装置へのOAMパケットの変換を行うことができ、Y.1731ベースOAMとBFDベースOAMとが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0016】
または、前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとBFDベースのOAMパケットとに分離し、前記OAM変換データベースは、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、前記OAM変換部は、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換したY.1731ベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信することを特徴とする。
【0017】
これにより、BFDベースOAMしかサポートしていない装置からY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置へのOAMパケットの変換を行うことができ、BFDベースOAMとY.1731ベースOAMとが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0018】
特に、前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングすることを特徴とする。
【0019】
さらに、MPLS−TPに対応するパケットのLSPラベルに基づいてスイッチングするスイッチ部を更に設け、MPLS−TPスイッチとして動作することを特徴とする。
【0020】
また、OAMパケットのコマンドに基づいたOAM処理を行うOAM処理部を更に設け、前記パケット分離部は、OAM変換を行うパケットと、OAM変換を行わないパケットとを判別して、OAM変換を行うOAMパケットをOAM変換部に出力し、OAM変換を行わないOAMパケットは前記パケット多重部に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合でも、パス監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】BFDベースOAMからY.1731ベースOAMに変換する場合のネットワーク100の構成例を示す図である。
【図2】BFDベースOAMパケットと、Y.1731ベースOAMパケットのフォーマット例を示す図である。
【図3】OAM変換装置103の構成例を示す図である。
【図4】OAM変換装置103の処理を示すフローチャートである。
【図5】Y.1731ベースOAMからBFDベースOAMに変換する場合のネットワーク100の構成例を示す図である。
【図6】OAM変換装置103の処理を示すフローチャートである。
【図7】BFDベースのOn−demand CVパケットと、Y.1731ベースのLBパケットのフォーマット例を示す図である。
【図8】Target FEC TLV領域のフォーマット例を示す図である。
【図9】BFDベースのCCパケットと、Y.1731ベースのCCパケットのフォーマット例を示す図である。
【図10】OAM変換装置103の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置の実施形態について説明する。
【0024】
図1は本実施形態に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置を用いたネットワーク100の一例である。ネットワーク100はMPLS−TPに対応するネットワークで、図1では伝送装置101から伝送装置102にOAMパケットを送信する例を示している。ここで、ネットワーク100は、異なるOAM方式に対応する伝送装置が混在するネットワークで、OAMパケットを伝送装置間で直接伝送することができない。図1の例では、伝送装置101はBFDベースのOAMのみをサポートし、伝送装置102はY.1731ベースのOAMのみをサポートする。そこで、本実施形態では、伝送装置101と伝送装置102との間にOAM変換装置103を配置して、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して送信する。或いは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換して送信する。
【0025】
図2(a)は、BFDベースのOAMパケットのフォーマット例を示す図である。図2(a)において、BFDベースのOAMパケットは、LSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTL、0001、Version、reserved、Channel Type、OAM種別別情報フィールド、とで構成される。ここで、LSPはLabel Switched Pass、TCはTraffic Class、SはBottom of Stack Indicator、TTLはTime To Live、GALはG−ACh Labelである(詳細は非特許文献参照)。
【0026】
図2(b)は、Y.1731ベースのOAMパケットのフォーマット例を示す図である。図2(b)において、Y.1731ベースのOAMパケットは、LSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTL、0001、Version、reserved、Y.1731 Channel Type、MEL、Version、Opcode、Flags、TLV offset、OAM種別別情報フィールド、とで構成される。ここで、MELはMEG(Maintenance Entity Group) Level、TLVはType/Length/Valueである(詳細は非特許文献参照)。
【0027】
図2において、BFDベースのOAMパケットのOAM種別はCannel Typeの領域152に格納され、Y.1731ベースのOAMパケットのOAM種別はOpcodeの領域155に格納される。
【0028】
このように、OAM種別を示す情報が格納される領域が2つの方式で異なるので、いずれか一方のOAM方式にしか対応しない伝送装置101および伝送装置102の間で直接、OAMパケットを送受信して利用することができない。尚、各OAM種別に対応する情報は、両方の方式共にOAM PDUのOAM種別別情報フィールドに格納されるが、格納位置や情報が全く同じであるとは限らない。
【0029】
そこで、本実施形態に係るOAMパケット変換装置103は、伝送装置101から送信されたBFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して伝送装置102に送信する。逆に、伝送装置102から送信されたY.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換して伝送装置101に送信する。
【0030】
具体的には、OAMパケット変換装置103は、伝送装置101から送信されたBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に格納されているOAM種別をY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155に各規格に基づいて変換してマッピングする。また、OAMパケット変換装置103は、BFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納される情報をY.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納位置や値などを変換してマッピングする。
【0031】
逆に、伝送装置102から送信されたY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155に格納されているOAM種別をBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に各規格に基づいて変換してマッピングする。また、OAMパケット変換装置103は、Y.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納される情報をBFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納位置や値などを変換してマッピングする。
【0032】
尚、同じ情報が記憶されているBFDベースOAMパケットの領域151の情報は、そのままY.1731ベースOAMパケットの領域154にそのままコピーしてマッピングされる。
【0033】
このようにして、本実施形態に係るOAM変換装置103は、異なるOAM方式に対応する伝送装置101および伝送装置102が混在するネットワークにおいて、OAMパケットを相互に送受信して各伝送装置の運用・管理・保守を行うことができる。
【0034】
[OAM変換装置103の構成例]
次にOAM変換装置103の構成例について詳しく説明する。図3において、OAM変換装置103は、第1受信部201と、第1パケット分離部202と、第1OAM変換部203と、OAM変換データベース204と、第2パケット多重部205と、第2送信部206と、第2受信部207と、第2パケット分離部208と、第2OAM変換部209と、第1パケット多重部210と、第1送信部211と、で構成される。
【0035】
尚、本実施形態の説明では、わかり易いように、フレームとパケットを同様のものとしてパケットに統一して記載するが、実際にはヘッダ部分とデータパケット部分とで構成されるデータフレームまたはヘッダ部分とOAMパケット部分とで構成されるOAMフレームを前段から受信して、各OAMパケットの情報をBFDベースのOAMパケットとY.1731ベースのOAMパケットとの間で相互に変換を行った後、各OAMパケットにヘッダ部分が付加されたOAMフレームと、一旦分離しておいたデータフレームとを後段に送信する。
【0036】
図3のOAM変換装置103の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4のフローチャートは、図1のBFDベースのOAMパケットに対応する伝送装置101が送信するMPLS−TPパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して、Y.1731ベースのOAMパケットに対応する伝送装置102に送信する場合の処理を示している。
【0037】
(ステップS101)第1受信部201は、BFDベースのOAM方式に対応する前段の伝送装置101が送信するMPLS−TPに対応するパケットを受信する。
【0038】
(ステップS102)第1パケット分離部202は、第1受信部201から入力するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットであるか、OAM以外のデータパケットであるかを判別する。BFDベースOAMパケットである場合はステップS103に進み、BFDベースOAMパケットではないデータパケットである場合はステップS105に進む。尚、OAMパケットであるか否かの判別は、最も内側(最下段)のラベル値(GALラベル)に13が格納されているか否かで判別できる。OAMパケット以外のパケットは上記ラベル値が13以外に設定されている。
【0039】
(ステップS103)第1OAM変換部203は、図2(a)のCannel Type領域152のOAM種別と、PDU内のOAM別のデータフィールド153に格納されているOAM種別毎に設定される情報とを検出する。
【0040】
(ステップS104)第1OAM変換部203は、OAM種別を基にOAM変換データベース204を参照して、BFDベースOAMパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換して第2パケット多重部205に出力する。尚、変換方法は図2(a)および図2(b)で説明したように、BFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に格納されているOAM種別をY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155にマッピングし、BFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納される情報をY.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156にマッピングする。ここで、OAM種別毎の対応する変換内容や情報フィールドの位置などは、OAM変換データベース204に予め格納されており、第1OAM変換部203はOAM変換データベース204を参照して変換処理を実行する。また、OAM変換データベース204の情報は、保守端末や遠隔監視制御により、適宜、追加や変更を行うことができる。
【0041】
尚、2つの種類のOAMパケット間で対応関係が無い場合は、BFD規格やY.1731規格の標準規定による予め決められたデフォルト値を挿入する。後で説明するCCフレームの変換事例におけるBFD control packetの「My Discriminator」領域や「Your Discriminator」領域がこのケースに対応する。尚、各規格の標準規定により予め決められたデフォルト情報は、OAM変換データベース204に予め記憶されている。ここで、デフォルト情報の検索は、例えばポート、ラベル、OAM種別などの情報を基に行うことができる。
【0042】
(ステップS105)第1パケット分離部202は、分離したOAM以外のデータパケットは第2パケット多重部205に転送する。
【0043】
(ステップS106)第2パケット多重部205は、第1OAM変換部203が出力する変換処理後のY.1731ベースのOAMパケットと、第1パケット分離部202が分離したOAMパケット以外のデータパケットとを時間的に衝突しないように順番に多重する。
【0044】
(ステップS107)第2送信部206は、第2パケット多重部205が出力するMPLS−TPパケットをY.1731ベースのOAM方式に対応する伝送装置102に送信する。
【0045】
このようにして、OAM変換装置103は、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101が送信するMPLS−TPパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換して、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102に送信することができる。
【0046】
次に、図1および図4では、BFDベースOAMパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換する例について説明したが、ここでは、図5に示すように、Y.1731ベースOAMパケットをBFDベースOAMパケットに変換する例について説明する。尚、図5において、図1と同符号のものは同じブロックを示す。ここで、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102が送信するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットに変換して、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101に送信する場合の処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
(ステップS201)第2受信部207は、Y.1731ベースOAM方式に対応する前段の伝送装置102が送信するMPLS−TPに対応するパケットを受信する。
【0048】
(ステップS202)第2パケット分離部208は、第2受信部207から入力するMPLS−TPパケットがY.1731ベースOAMパケットであるか、OAM以外のデータパケットであるかを判別する。Y.1731ベースOAMパケットである場合はステップS203に進み、Y.1731ベースOAMパケットではないデータパケットである場合はステップS205に進む。尚、Y.1731ベースOAMパケットであるか否かの判別は、例えば図2(b)のOpcode領域155にOAM種別が格納されているか否かにより判別できる。
【0049】
(ステップS203)第2OAM変換部209は、図2(b)のOpcode領域155のOAM種別と、PDU内のOAM別のデータフィールド156に書き込まれている情報とを検出する。
【0050】
(ステップS204)第2OAM変換部209は、OAM種別を基にOAM変換データベース204を参照して、Y.1731ベースOAMパケットをBFDベースOAMパケットに変換して第1パケット多重部210に出力する。尚、変換の方法は図2(a)および図2(b)で説明したように、Y.1731ベースOAMパケットのOpcode155の領域に格納されているOAM種別をBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152にマッピングし、第2OAM変換部203は、Y.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納される情報をBFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153にマッピングする。尚、OAM種別毎に対応する変換内容や情報フィールドの格納位置などは、OAM変換データベース204に予め格納されており、第2OAM変換部209はOAM変換データベース204を参照して変換処理を実行する。
【0051】
ここで、2つの種類のOAMパケット間で対応関係が無い場合は、先に説明した図4のステップS104と同様に、BFD規格やY.1731規格の標準規定による予め決められたデフォルト値を挿入する。
【0052】
(ステップS205)第2パケット分離部208は、分離したOAM以外のデータパケットは第1パケット多重部210に転送する。
【0053】
(ステップS206)第1パケット多重部210は、第2OAM変換部209が出力する変換処理後のBFDベースOAMパケットと、第2パケット分離部208が分離したOAMパケット以外のデータパケットとを時間的に衝突しないように順番に多重する。
【0054】
(ステップS207)第1送信部211は、第1パケット多重部210が出力するMPLS−TPパケットをBFDベースOAM方式に対応する伝送装置101に送信する。
【0055】
このようにして、OAM変換装置103は、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102が送信するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットに変換して、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101に送信することができる。
【0056】
[On−demand CVパケットのマッピング例]
次に、On−demand CV(Connectivity Verification)パケットのマッピング例について説明する。図7(a)は、BFDベースのOAMパケットでOn−demand CVパケットのフォーマット例を示す図である。
【0057】
図7(a)において、BFDベースのOn−demand CVパケットは、図7(a)のBFDベースのOAMパケットにおいて、Channel Typeの領域162にOn−demand CVパケットを示す情報が格納されている。Channel Typeの領域162は16bitで構成され、例えばOn−demand CVパケットを示す情報として「0x0007(16進数)」のような値が格納される。そして、OAM PDUのフィールドは、Sequence Number領域163と、Time Stamp領域164と、LSP Target FEC TLV領域164とを有する。ここで、FECはForwarding Equivalance Class、TLVはType/Length/Valueをそれぞれ意味する(詳細は非特許文献参照)。例えば、Target FEC TLVのフォーマットは、図8に示すように、Source側とDestination側のGlobal ID、Node ID、Tunnel Numberなどがそれぞれ格納されている。
【0058】
図7(b)は、Y.1731ベースのLBパケットのフォーマット例を示す図である。尚、Y.1731ベースのOAMパケットにはCVパケットの種別が無いので、同等の機能を有するY.1731ベースのLB(Loop Back)パケットに変換する。
【0059】
図7(b)において、Y.1731ベースのLBパケットは、図2(b)で説明したOpcode領域168にLB機能を示す値が格納される。Opcode領域168は8bitで構成され、例えばLBパケットを示す情報として「0x02(16進数)」のような値が格納される。そして、OAM PDUのフィールドは、Transaction/Sequence Number領域169と、Target MEP/MIP ID TLV領域170とを有する。Target MEP/MIP ID TLV領域170は32bitで構成され、例えば「0x00000001(16進数)」のような値が格納される。ここで、MEPはMaintenance Entity Group End Point、MIPはMaintenance Entity Group Intermediate Pointをそれぞれ意味する(詳細は非特許文献参照)。
【0060】
図7(a)および図7(b)に示したBFDベースのOn−demand CVパケットとY.1731ベースのLBパケットとを相互に変換する例は、先に説明した図4のステップS104および図6のステップS204の各処理において第1OAM変換部203または第2OAM変換部209により実行される。
【0061】
例えば、図7(a)におけるBFDベースのOn−demand CVパケットのLSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTLとを有する領域161と、図7(b)におけるY.1731ベースのLSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTLとを有する領域167とは一対一に対応するので、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、そのまま各値をコピーして互いにマッピングされる。さらに、BFDベースのOn−demand CVパケットを示すChannel Type領域162の値(例えば「0x0007(16進数)」)と、Y.1731ベースのLBパケットを示すOpcode領域168の値(例えば「0x02(16進数)」)とはそのまま相互にマッピングできないので、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、OAM変換データベース204を参照して互いに変換した後、各領域にマッピングする。
【0062】
このようにして、本実施形態に係るOAM変換装置103は、異なるOAM方式に対応する伝送装置101および伝送装置102が混在するネットワークにおいて、OAMパケットを相互に変換して送受信するので、各伝送装置の運用・管理・保守を行うことができる。
【0063】
尚、図7(a)のOn−demand CVパケット内の領域165および領域166は対応する情報がないので、BFDベースのOAMパケットの規格に基づいたデフォルト情報をOAM変換データベース204を参照してマッピングされる。同様に、図7(b)のLBパケット内の領域171は、BFDベースのOAMパケットに対応する情報がないので、Y.1731ベースのOAMパケットの規格に基づいたデフォルト情報をOAM変換データベース204を参照してマッピングされる。
【0064】
[CCパケットのマッピング例]
次に、CC(Connectivity Check)パケットのマッピング例について説明する。図9(a)は、BFDベースのOAMパケットでCCパケットのフォーマット例を示す図である。尚、図9(a)および図9(b)では、図2(a)および図2(b)のフォーマットの領域151や領域154など、ここでの説明に関係しない領域は省略してある。
【0065】
図9(a)において、図2(a)のBFDベースのOAMパケットのChannel Type領域181にCC code pointとして0xHH(HHはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって予め割り当てられた値)が格納される。このChannel Type領域181の値は、図9(b)のY.1731ベースのOpCode領域185に変換されてマッピングされ、例えばY.1731ベースのCCパケットを示すCCM(Continuity Check Message)=1として格納される。
【0066】
尚、図9(a)のCCパケットにおいて、StaはStateの略で、現在のBFDセッションの状態を示す。Staは、例えば0:AdminDown、1:Down、2:Init、3:Upをそれぞれ示す。そして、BFDベースのCCパケットのSta領域182の値は、図9(b)に示すように、Y.1731ベースのCCパケットのFlags領域内のRDI(Remote Defect Indication:リモート障害表示)領域186の値に変換される。RDIは、例えばRDI=1(True:障害発生)、RDI=0(False:障害なし)のように障害状態を示す。そして、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、例えばSta=0または1をRDI=1に変換し、Sta=2または3をRDI=0に変換する。
【0067】
同様に、図9(a)のBFDベースのCCパケットにおける「Desired Min TX Interval」および「Required Min RX Interval」の領域183の値は、図9(b)のY.1731ベースのCCパケットで同様の機能を有するFlagsの「Period]領域187の値としてマッピングされる。ここで、「Desired Min TX Interval」はCCパケットの送信最小間隔を示す値で、「Required Min RX Interval」は、同様にCCパケットの許容できる受信最小間隔を示す値である。これらの値は、Y.1731ベースのCCパケットの「Period]領域のフォーマットに合う値に変換されてマッピングされる。例えば、ビット数が異なるので、表記できる時間の単位や大きさを調整してマッピングされる。また、送信と受信とで最小時間が異なる場合はいずれか大きい方または小さい方の値をマッピングしてもよい。
【0068】
このようにして、BFDベースのCCパケットとY.1731ベースのCCパケットとの間で対応関係がある情報は、対応関係にある領域に格納されている値をそのまま或いは変換してマッピングする。
【0069】
ここで、図9(a)の「My Discriminator」および「Your Discriminator」領域184は、Y.1731ベースのCCパケットに対応する領域が無いので、例えばY.1731ベースのCCパケットからBFDベースのCCパケットに変換する場合は、「My Discriminator」および「Your Discriminator」領域184にBFDベースのOAMパケットの標準規格に基づく0以外のユニークな値(例えば0x11111111など)をそれぞれ挿入する。さらに、対応関係が無く、標準規格にも定めされていない領域がある場合は、OAMパケットに直接無関係しない領域であると見なして0x00を挿入する。
【0070】
尚、図3で説明したOAM変換装置103の第1パケット分離部202および第2パケット分離部208は、OAM変換を行うOAMパケットと、OAM変換を行わないOAMパケットとを分離して、OAM変換を行うOAMパケットを第1OAM変換部203および第2OAM変換部209にそれぞれ出力し、OAM変換を行わないOAMパケットを第2パケット多重部205および第1パケット多重部210にそれぞれ出力する。
【0071】
例えばY.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換せずに転送する場合はY.1731ベースのOAMパケットを変換せずに後段の装置に転送し、同様に、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換せずに転送する場合はBFDベースのOAMパケットを変換せずに後段の装置に転送する。
【0072】
[変形例]
次に、図3で説明したOAM変換装置103の変形例について図10を用いて説明する。図3のOAM変換装置103では、異なる方式のOAMパケットを変換する機能のみについて説明したが、図10のOAM変換装置103は、図3のOAM変換装置103に、スイッチ部212(スイッチ部212a、212b)を設け、第1送信部211および第2送信部206の代わりに、複数の送信部211aから送信部211bおよび複数の送信部206aから送信部206bをスイッチ部212の後に配置している。
【0073】
図10において、スイッチ部212aは、第2パケット多重部205から入力するMPLS−TPパケットのLSPラベルに基づいてどの送信ポート(図10の例では送信部211aから送信部211bの複数の送信部)に転送すればよいかを判断し、該当する送信部211aから送信部211bのいずれかに出力する。同様に、スイッチ部212bは、第1パケット多重部210から入力するMPLS−TPパケットのLSPラベルに基づいてどの送信ポート(図10の例では送信部206aから送信部206bの複数の送信部)に転送すればよいかを判断し、該当する送信部206aから送信部206bのいずれかに出力する。
【0074】
このようにして、OAM変換装置103は、異なる方式のOAMパケットを変換するだけでなく、MPLS−TPスイッチとしても動作する。
【0075】
尚、図10で説明したOAM変換装置103の第1パケット分離部202および第2パケット分離部208は、OAM変換を行うOAMパケットと、OAM変換を行わないOAMパケットとを分離して、OAM変換を行うOAMパケットを第1OAM変換部203および第2OAM変換部209にそれぞれ出力し、OAM変換を行わないOAMパケットを第2パケット多重部205および第1パケット多重部210にそれぞれ出力する。
【0076】
例えばY.1731ベースのOAMパケットをY.1731ベース装置へ転送するパケットについては変換せずに転送を行い、BFDベース装置へ転送するパケットについてはOAM変換を行い、後段装置に転送する。同様に、BFDベースのOAMパケットをBFDベース装置へ転送するパケットについては変換せずに転送を行い、Y.1731ベース装置へ転送するパケットについてはOAM変換を行い、後段装置に転送する。
【0077】
以上、各実施形態で説明したように、本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置103は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とが混在するネットワークであっても異なる方式のOAMパケットを相互に変換して転送することにより、ネットワーク内のパス監視を行うことができる。
【0078】
尚、本発明に係るOAMパケット変換方法及びOAMパケット変換装置について、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0079】
100・・・ネットワーク
101・・・伝送装置
102・・・伝送装置
103・・・OAM変換装置
201・・・第1受信部
202・・・第1パケット分離部
203・・・第1OAM変換部
204・・・OAM変換データベース
205・・・第2パケット多重部
206・・・第2送信部
207・・・第2受信部
208・・・第2パケット分離部
209・・・第2OAM変換部
210・・・第1パケット多重部
211・・・第1送信部
206a、206b、211a、211b・・・送信部
212、212a、212b・・・スイッチ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、OAMパケットの伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ATMやSDHと同等の伝送品質で通信サービスを提供するコネクションオリエンテッドな伝送技術として、MPLS−TP(Multi Protocol Label Switching−Transport Profile)が注目されている。MPLS−TPでは、IP網などで仮想パスを構築してOAM(Operation Maintenance, and Management)機能を実現することによって、同期網と同等の保守運用管理が可能である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
MPLS−TPは、ラベルスイッチドパス(LSP)上の装置間で制御用のパケット(MPLS−TP OAMパケット)を交換することによりパスの監視を行う。MPLS−TP OAM機能として、例えばCC/CV、RDI、AIS、LM、DM、CSFなどが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
MPLS−TPは、IETFやITU−Tなどの組織により標準化が進められているが、MPLS−TP OAMとしてベース技術が異なるY.1731ベースOAM(例えば、非特許文献3参照)とBFDベースOAM(例えば、非特許文献4から非特許文献7参照)の2つの方式が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】RFC 5921 (draft-ietf-mpls-tp-framework):A Framework for MPLS in Transport Networks
【非特許文献2】draft-ietf-mpls-tp-oam-framework:Operations, Administration and Maintenance Framework for MPLS-based Transport Networks
【非特許文献3】draft-bhh-mpls-tp-oam-y1731:MPLS-TP OAM based on Y.1731
【非特許文献4】draft-ietf-mpls-tp-cc-cv-rdi:Proactive Connectivity Verification, Continuity Check and Remote Defect indication for MPLS Transport Profile
【非特許文献5】draft-ietf-mpls-tp-on-demand-cv:MPLS On-demand Connectivity Verification and Route Tracing
【非特許文献6】draft-ietf-mpls-tp-fault:MPLS Fault Management OAM
【非特許文献7】draft-frost-mpls-tp-loss-delay:Packet Loss and Delay Measurement for the MPLS Transport Profile
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、Y.1731ベースOAMをサポートしている装置とBFDベースOAMをサポートしている装置とが混在しているネットワークにおいて、BFDベースOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合に、パス監視ができなくなるという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合でも、パス監視を行うことができるOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るOAMパケット変換方法は、MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送することを特徴とする。
【0009】
これにより、異なるOAM方式に対応するBFDベースOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置とが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0010】
特に、前記第2装置から受信するBFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第1装置に転送することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングすることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るOAMパケット変換装置は、前段の装置からパケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットをデータパケットと第1方式のOAMパケットとに分離するパケット分離部と、前記第1方式のOAMパケットを第2方式のOAMパケットに変換するための情報を保持するOAM変換データベースと、前記パケット分離部が分離した前記第1方式のOAMパケットを前記OAM変換データベースを参照して前記第2方式のOAMパケットに変換するOAM変換部と、前記OAM変換部が変換した前記第2方式のOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重するパケット多重部と、前記パケット多重部が多重したパケットを後段の装置に送信する送信部とを有することを特徴とする。
【0013】
これにより、異なるOAM方式に対応する装置が混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0014】
特に、前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとY.1731ベースのOAMパケットとに分離し、前記OAM変換データベースは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、前記OAM変換部は、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換した前記BFDベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信することを特徴とする。
【0015】
これにより、Y.1731ベースOAMしかサポートしていない装置からBFDベースOAMしかサポートしていない装置へのOAMパケットの変換を行うことができ、Y.1731ベースOAMとBFDベースOAMとが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0016】
または、前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとBFDベースのOAMパケットとに分離し、前記OAM変換データベースは、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、前記OAM変換部は、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換したY.1731ベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信することを特徴とする。
【0017】
これにより、BFDベースOAMしかサポートしていない装置からY.1731ベースOAMしかサポートしていない装置へのOAMパケットの変換を行うことができ、BFDベースOAMとY.1731ベースOAMとが混在するネットワークでもパス監視を行うことができる。
【0018】
特に、前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングすることを特徴とする。
【0019】
さらに、MPLS−TPに対応するパケットのLSPラベルに基づいてスイッチングするスイッチ部を更に設け、MPLS−TPスイッチとして動作することを特徴とする。
【0020】
また、OAMパケットのコマンドに基づいたOAM処理を行うOAM処理部を更に設け、前記パケット分離部は、OAM変換を行うパケットと、OAM変換を行わないパケットとを判別して、OAM変換を行うOAMパケットをOAM変換部に出力し、OAM変換を行わないOAMパケットは前記パケット多重部に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とを接続した場合でも、パス監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】BFDベースOAMからY.1731ベースOAMに変換する場合のネットワーク100の構成例を示す図である。
【図2】BFDベースOAMパケットと、Y.1731ベースOAMパケットのフォーマット例を示す図である。
【図3】OAM変換装置103の構成例を示す図である。
【図4】OAM変換装置103の処理を示すフローチャートである。
【図5】Y.1731ベースOAMからBFDベースOAMに変換する場合のネットワーク100の構成例を示す図である。
【図6】OAM変換装置103の処理を示すフローチャートである。
【図7】BFDベースのOn−demand CVパケットと、Y.1731ベースのLBパケットのフォーマット例を示す図である。
【図8】Target FEC TLV領域のフォーマット例を示す図である。
【図9】BFDベースのCCパケットと、Y.1731ベースのCCパケットのフォーマット例を示す図である。
【図10】OAM変換装置103の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置の実施形態について説明する。
【0024】
図1は本実施形態に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置を用いたネットワーク100の一例である。ネットワーク100はMPLS−TPに対応するネットワークで、図1では伝送装置101から伝送装置102にOAMパケットを送信する例を示している。ここで、ネットワーク100は、異なるOAM方式に対応する伝送装置が混在するネットワークで、OAMパケットを伝送装置間で直接伝送することができない。図1の例では、伝送装置101はBFDベースのOAMのみをサポートし、伝送装置102はY.1731ベースのOAMのみをサポートする。そこで、本実施形態では、伝送装置101と伝送装置102との間にOAM変換装置103を配置して、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して送信する。或いは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換して送信する。
【0025】
図2(a)は、BFDベースのOAMパケットのフォーマット例を示す図である。図2(a)において、BFDベースのOAMパケットは、LSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTL、0001、Version、reserved、Channel Type、OAM種別別情報フィールド、とで構成される。ここで、LSPはLabel Switched Pass、TCはTraffic Class、SはBottom of Stack Indicator、TTLはTime To Live、GALはG−ACh Labelである(詳細は非特許文献参照)。
【0026】
図2(b)は、Y.1731ベースのOAMパケットのフォーマット例を示す図である。図2(b)において、Y.1731ベースのOAMパケットは、LSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTL、0001、Version、reserved、Y.1731 Channel Type、MEL、Version、Opcode、Flags、TLV offset、OAM種別別情報フィールド、とで構成される。ここで、MELはMEG(Maintenance Entity Group) Level、TLVはType/Length/Valueである(詳細は非特許文献参照)。
【0027】
図2において、BFDベースのOAMパケットのOAM種別はCannel Typeの領域152に格納され、Y.1731ベースのOAMパケットのOAM種別はOpcodeの領域155に格納される。
【0028】
このように、OAM種別を示す情報が格納される領域が2つの方式で異なるので、いずれか一方のOAM方式にしか対応しない伝送装置101および伝送装置102の間で直接、OAMパケットを送受信して利用することができない。尚、各OAM種別に対応する情報は、両方の方式共にOAM PDUのOAM種別別情報フィールドに格納されるが、格納位置や情報が全く同じであるとは限らない。
【0029】
そこで、本実施形態に係るOAMパケット変換装置103は、伝送装置101から送信されたBFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して伝送装置102に送信する。逆に、伝送装置102から送信されたY.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換して伝送装置101に送信する。
【0030】
具体的には、OAMパケット変換装置103は、伝送装置101から送信されたBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に格納されているOAM種別をY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155に各規格に基づいて変換してマッピングする。また、OAMパケット変換装置103は、BFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納される情報をY.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納位置や値などを変換してマッピングする。
【0031】
逆に、伝送装置102から送信されたY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155に格納されているOAM種別をBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に各規格に基づいて変換してマッピングする。また、OAMパケット変換装置103は、Y.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納される情報をBFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納位置や値などを変換してマッピングする。
【0032】
尚、同じ情報が記憶されているBFDベースOAMパケットの領域151の情報は、そのままY.1731ベースOAMパケットの領域154にそのままコピーしてマッピングされる。
【0033】
このようにして、本実施形態に係るOAM変換装置103は、異なるOAM方式に対応する伝送装置101および伝送装置102が混在するネットワークにおいて、OAMパケットを相互に送受信して各伝送装置の運用・管理・保守を行うことができる。
【0034】
[OAM変換装置103の構成例]
次にOAM変換装置103の構成例について詳しく説明する。図3において、OAM変換装置103は、第1受信部201と、第1パケット分離部202と、第1OAM変換部203と、OAM変換データベース204と、第2パケット多重部205と、第2送信部206と、第2受信部207と、第2パケット分離部208と、第2OAM変換部209と、第1パケット多重部210と、第1送信部211と、で構成される。
【0035】
尚、本実施形態の説明では、わかり易いように、フレームとパケットを同様のものとしてパケットに統一して記載するが、実際にはヘッダ部分とデータパケット部分とで構成されるデータフレームまたはヘッダ部分とOAMパケット部分とで構成されるOAMフレームを前段から受信して、各OAMパケットの情報をBFDベースのOAMパケットとY.1731ベースのOAMパケットとの間で相互に変換を行った後、各OAMパケットにヘッダ部分が付加されたOAMフレームと、一旦分離しておいたデータフレームとを後段に送信する。
【0036】
図3のOAM変換装置103の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4のフローチャートは、図1のBFDベースのOAMパケットに対応する伝送装置101が送信するMPLS−TPパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換して、Y.1731ベースのOAMパケットに対応する伝送装置102に送信する場合の処理を示している。
【0037】
(ステップS101)第1受信部201は、BFDベースのOAM方式に対応する前段の伝送装置101が送信するMPLS−TPに対応するパケットを受信する。
【0038】
(ステップS102)第1パケット分離部202は、第1受信部201から入力するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットであるか、OAM以外のデータパケットであるかを判別する。BFDベースOAMパケットである場合はステップS103に進み、BFDベースOAMパケットではないデータパケットである場合はステップS105に進む。尚、OAMパケットであるか否かの判別は、最も内側(最下段)のラベル値(GALラベル)に13が格納されているか否かで判別できる。OAMパケット以外のパケットは上記ラベル値が13以外に設定されている。
【0039】
(ステップS103)第1OAM変換部203は、図2(a)のCannel Type領域152のOAM種別と、PDU内のOAM別のデータフィールド153に格納されているOAM種別毎に設定される情報とを検出する。
【0040】
(ステップS104)第1OAM変換部203は、OAM種別を基にOAM変換データベース204を参照して、BFDベースOAMパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換して第2パケット多重部205に出力する。尚、変換方法は図2(a)および図2(b)で説明したように、BFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152に格納されているOAM種別をY.1731ベースOAMパケットのOpcodeの領域155にマッピングし、BFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153に格納される情報をY.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156にマッピングする。ここで、OAM種別毎の対応する変換内容や情報フィールドの位置などは、OAM変換データベース204に予め格納されており、第1OAM変換部203はOAM変換データベース204を参照して変換処理を実行する。また、OAM変換データベース204の情報は、保守端末や遠隔監視制御により、適宜、追加や変更を行うことができる。
【0041】
尚、2つの種類のOAMパケット間で対応関係が無い場合は、BFD規格やY.1731規格の標準規定による予め決められたデフォルト値を挿入する。後で説明するCCフレームの変換事例におけるBFD control packetの「My Discriminator」領域や「Your Discriminator」領域がこのケースに対応する。尚、各規格の標準規定により予め決められたデフォルト情報は、OAM変換データベース204に予め記憶されている。ここで、デフォルト情報の検索は、例えばポート、ラベル、OAM種別などの情報を基に行うことができる。
【0042】
(ステップS105)第1パケット分離部202は、分離したOAM以外のデータパケットは第2パケット多重部205に転送する。
【0043】
(ステップS106)第2パケット多重部205は、第1OAM変換部203が出力する変換処理後のY.1731ベースのOAMパケットと、第1パケット分離部202が分離したOAMパケット以外のデータパケットとを時間的に衝突しないように順番に多重する。
【0044】
(ステップS107)第2送信部206は、第2パケット多重部205が出力するMPLS−TPパケットをY.1731ベースのOAM方式に対応する伝送装置102に送信する。
【0045】
このようにして、OAM変換装置103は、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101が送信するMPLS−TPパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換して、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102に送信することができる。
【0046】
次に、図1および図4では、BFDベースOAMパケットをY.1731ベースOAMパケットに変換する例について説明したが、ここでは、図5に示すように、Y.1731ベースOAMパケットをBFDベースOAMパケットに変換する例について説明する。尚、図5において、図1と同符号のものは同じブロックを示す。ここで、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102が送信するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットに変換して、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101に送信する場合の処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
(ステップS201)第2受信部207は、Y.1731ベースOAM方式に対応する前段の伝送装置102が送信するMPLS−TPに対応するパケットを受信する。
【0048】
(ステップS202)第2パケット分離部208は、第2受信部207から入力するMPLS−TPパケットがY.1731ベースOAMパケットであるか、OAM以外のデータパケットであるかを判別する。Y.1731ベースOAMパケットである場合はステップS203に進み、Y.1731ベースOAMパケットではないデータパケットである場合はステップS205に進む。尚、Y.1731ベースOAMパケットであるか否かの判別は、例えば図2(b)のOpcode領域155にOAM種別が格納されているか否かにより判別できる。
【0049】
(ステップS203)第2OAM変換部209は、図2(b)のOpcode領域155のOAM種別と、PDU内のOAM別のデータフィールド156に書き込まれている情報とを検出する。
【0050】
(ステップS204)第2OAM変換部209は、OAM種別を基にOAM変換データベース204を参照して、Y.1731ベースOAMパケットをBFDベースOAMパケットに変換して第1パケット多重部210に出力する。尚、変換の方法は図2(a)および図2(b)で説明したように、Y.1731ベースOAMパケットのOpcode155の領域に格納されているOAM種別をBFDベースOAMパケットのCannel Typeの領域152にマッピングし、第2OAM変換部203は、Y.1731ベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド156に格納される情報をBFDベースOAMパケットのOAM種別別情報フィールド153にマッピングする。尚、OAM種別毎に対応する変換内容や情報フィールドの格納位置などは、OAM変換データベース204に予め格納されており、第2OAM変換部209はOAM変換データベース204を参照して変換処理を実行する。
【0051】
ここで、2つの種類のOAMパケット間で対応関係が無い場合は、先に説明した図4のステップS104と同様に、BFD規格やY.1731規格の標準規定による予め決められたデフォルト値を挿入する。
【0052】
(ステップS205)第2パケット分離部208は、分離したOAM以外のデータパケットは第1パケット多重部210に転送する。
【0053】
(ステップS206)第1パケット多重部210は、第2OAM変換部209が出力する変換処理後のBFDベースOAMパケットと、第2パケット分離部208が分離したOAMパケット以外のデータパケットとを時間的に衝突しないように順番に多重する。
【0054】
(ステップS207)第1送信部211は、第1パケット多重部210が出力するMPLS−TPパケットをBFDベースOAM方式に対応する伝送装置101に送信する。
【0055】
このようにして、OAM変換装置103は、Y.1731ベースOAMパケットに対応する伝送装置102が送信するMPLS−TPパケットをBFDベースOAMパケットに変換して、BFDベースOAMパケットに対応する伝送装置101に送信することができる。
【0056】
[On−demand CVパケットのマッピング例]
次に、On−demand CV(Connectivity Verification)パケットのマッピング例について説明する。図7(a)は、BFDベースのOAMパケットでOn−demand CVパケットのフォーマット例を示す図である。
【0057】
図7(a)において、BFDベースのOn−demand CVパケットは、図7(a)のBFDベースのOAMパケットにおいて、Channel Typeの領域162にOn−demand CVパケットを示す情報が格納されている。Channel Typeの領域162は16bitで構成され、例えばOn−demand CVパケットを示す情報として「0x0007(16進数)」のような値が格納される。そして、OAM PDUのフィールドは、Sequence Number領域163と、Time Stamp領域164と、LSP Target FEC TLV領域164とを有する。ここで、FECはForwarding Equivalance Class、TLVはType/Length/Valueをそれぞれ意味する(詳細は非特許文献参照)。例えば、Target FEC TLVのフォーマットは、図8に示すように、Source側とDestination側のGlobal ID、Node ID、Tunnel Numberなどがそれぞれ格納されている。
【0058】
図7(b)は、Y.1731ベースのLBパケットのフォーマット例を示す図である。尚、Y.1731ベースのOAMパケットにはCVパケットの種別が無いので、同等の機能を有するY.1731ベースのLB(Loop Back)パケットに変換する。
【0059】
図7(b)において、Y.1731ベースのLBパケットは、図2(b)で説明したOpcode領域168にLB機能を示す値が格納される。Opcode領域168は8bitで構成され、例えばLBパケットを示す情報として「0x02(16進数)」のような値が格納される。そして、OAM PDUのフィールドは、Transaction/Sequence Number領域169と、Target MEP/MIP ID TLV領域170とを有する。Target MEP/MIP ID TLV領域170は32bitで構成され、例えば「0x00000001(16進数)」のような値が格納される。ここで、MEPはMaintenance Entity Group End Point、MIPはMaintenance Entity Group Intermediate Pointをそれぞれ意味する(詳細は非特許文献参照)。
【0060】
図7(a)および図7(b)に示したBFDベースのOn−demand CVパケットとY.1731ベースのLBパケットとを相互に変換する例は、先に説明した図4のステップS104および図6のステップS204の各処理において第1OAM変換部203または第2OAM変換部209により実行される。
【0061】
例えば、図7(a)におけるBFDベースのOn−demand CVパケットのLSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTLとを有する領域161と、図7(b)におけるY.1731ベースのLSPラベル、TC、S、TTL、GALラベル、TC、S、TTLとを有する領域167とは一対一に対応するので、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、そのまま各値をコピーして互いにマッピングされる。さらに、BFDベースのOn−demand CVパケットを示すChannel Type領域162の値(例えば「0x0007(16進数)」)と、Y.1731ベースのLBパケットを示すOpcode領域168の値(例えば「0x02(16進数)」)とはそのまま相互にマッピングできないので、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、OAM変換データベース204を参照して互いに変換した後、各領域にマッピングする。
【0062】
このようにして、本実施形態に係るOAM変換装置103は、異なるOAM方式に対応する伝送装置101および伝送装置102が混在するネットワークにおいて、OAMパケットを相互に変換して送受信するので、各伝送装置の運用・管理・保守を行うことができる。
【0063】
尚、図7(a)のOn−demand CVパケット内の領域165および領域166は対応する情報がないので、BFDベースのOAMパケットの規格に基づいたデフォルト情報をOAM変換データベース204を参照してマッピングされる。同様に、図7(b)のLBパケット内の領域171は、BFDベースのOAMパケットに対応する情報がないので、Y.1731ベースのOAMパケットの規格に基づいたデフォルト情報をOAM変換データベース204を参照してマッピングされる。
【0064】
[CCパケットのマッピング例]
次に、CC(Connectivity Check)パケットのマッピング例について説明する。図9(a)は、BFDベースのOAMパケットでCCパケットのフォーマット例を示す図である。尚、図9(a)および図9(b)では、図2(a)および図2(b)のフォーマットの領域151や領域154など、ここでの説明に関係しない領域は省略してある。
【0065】
図9(a)において、図2(a)のBFDベースのOAMパケットのChannel Type領域181にCC code pointとして0xHH(HHはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって予め割り当てられた値)が格納される。このChannel Type領域181の値は、図9(b)のY.1731ベースのOpCode領域185に変換されてマッピングされ、例えばY.1731ベースのCCパケットを示すCCM(Continuity Check Message)=1として格納される。
【0066】
尚、図9(a)のCCパケットにおいて、StaはStateの略で、現在のBFDセッションの状態を示す。Staは、例えば0:AdminDown、1:Down、2:Init、3:Upをそれぞれ示す。そして、BFDベースのCCパケットのSta領域182の値は、図9(b)に示すように、Y.1731ベースのCCパケットのFlags領域内のRDI(Remote Defect Indication:リモート障害表示)領域186の値に変換される。RDIは、例えばRDI=1(True:障害発生)、RDI=0(False:障害なし)のように障害状態を示す。そして、第1OAM変換部203および第2OAM変換部209は、例えばSta=0または1をRDI=1に変換し、Sta=2または3をRDI=0に変換する。
【0067】
同様に、図9(a)のBFDベースのCCパケットにおける「Desired Min TX Interval」および「Required Min RX Interval」の領域183の値は、図9(b)のY.1731ベースのCCパケットで同様の機能を有するFlagsの「Period]領域187の値としてマッピングされる。ここで、「Desired Min TX Interval」はCCパケットの送信最小間隔を示す値で、「Required Min RX Interval」は、同様にCCパケットの許容できる受信最小間隔を示す値である。これらの値は、Y.1731ベースのCCパケットの「Period]領域のフォーマットに合う値に変換されてマッピングされる。例えば、ビット数が異なるので、表記できる時間の単位や大きさを調整してマッピングされる。また、送信と受信とで最小時間が異なる場合はいずれか大きい方または小さい方の値をマッピングしてもよい。
【0068】
このようにして、BFDベースのCCパケットとY.1731ベースのCCパケットとの間で対応関係がある情報は、対応関係にある領域に格納されている値をそのまま或いは変換してマッピングする。
【0069】
ここで、図9(a)の「My Discriminator」および「Your Discriminator」領域184は、Y.1731ベースのCCパケットに対応する領域が無いので、例えばY.1731ベースのCCパケットからBFDベースのCCパケットに変換する場合は、「My Discriminator」および「Your Discriminator」領域184にBFDベースのOAMパケットの標準規格に基づく0以外のユニークな値(例えば0x11111111など)をそれぞれ挿入する。さらに、対応関係が無く、標準規格にも定めされていない領域がある場合は、OAMパケットに直接無関係しない領域であると見なして0x00を挿入する。
【0070】
尚、図3で説明したOAM変換装置103の第1パケット分離部202および第2パケット分離部208は、OAM変換を行うOAMパケットと、OAM変換を行わないOAMパケットとを分離して、OAM変換を行うOAMパケットを第1OAM変換部203および第2OAM変換部209にそれぞれ出力し、OAM変換を行わないOAMパケットを第2パケット多重部205および第1パケット多重部210にそれぞれ出力する。
【0071】
例えばY.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換せずに転送する場合はY.1731ベースのOAMパケットを変換せずに後段の装置に転送し、同様に、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換せずに転送する場合はBFDベースのOAMパケットを変換せずに後段の装置に転送する。
【0072】
[変形例]
次に、図3で説明したOAM変換装置103の変形例について図10を用いて説明する。図3のOAM変換装置103では、異なる方式のOAMパケットを変換する機能のみについて説明したが、図10のOAM変換装置103は、図3のOAM変換装置103に、スイッチ部212(スイッチ部212a、212b)を設け、第1送信部211および第2送信部206の代わりに、複数の送信部211aから送信部211bおよび複数の送信部206aから送信部206bをスイッチ部212の後に配置している。
【0073】
図10において、スイッチ部212aは、第2パケット多重部205から入力するMPLS−TPパケットのLSPラベルに基づいてどの送信ポート(図10の例では送信部211aから送信部211bの複数の送信部)に転送すればよいかを判断し、該当する送信部211aから送信部211bのいずれかに出力する。同様に、スイッチ部212bは、第1パケット多重部210から入力するMPLS−TPパケットのLSPラベルに基づいてどの送信ポート(図10の例では送信部206aから送信部206bの複数の送信部)に転送すればよいかを判断し、該当する送信部206aから送信部206bのいずれかに出力する。
【0074】
このようにして、OAM変換装置103は、異なる方式のOAMパケットを変換するだけでなく、MPLS−TPスイッチとしても動作する。
【0075】
尚、図10で説明したOAM変換装置103の第1パケット分離部202および第2パケット分離部208は、OAM変換を行うOAMパケットと、OAM変換を行わないOAMパケットとを分離して、OAM変換を行うOAMパケットを第1OAM変換部203および第2OAM変換部209にそれぞれ出力し、OAM変換を行わないOAMパケットを第2パケット多重部205および第1パケット多重部210にそれぞれ出力する。
【0076】
例えばY.1731ベースのOAMパケットをY.1731ベース装置へ転送するパケットについては変換せずに転送を行い、BFDベース装置へ転送するパケットについてはOAM変換を行い、後段装置に転送する。同様に、BFDベースのOAMパケットをBFDベース装置へ転送するパケットについては変換せずに転送を行い、Y.1731ベース装置へ転送するパケットについてはOAM変換を行い、後段装置に転送する。
【0077】
以上、各実施形態で説明したように、本発明に係るOAMパケット変換方法およびOAMパケット変換装置103は、BFDベースのOAMしかサポートしていない装置とY.1731ベースのOAMしかサポートしていない装置とが混在するネットワークであっても異なる方式のOAMパケットを相互に変換して転送することにより、ネットワーク内のパス監視を行うことができる。
【0078】
尚、本発明に係るOAMパケット変換方法及びOAMパケット変換装置について、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0079】
100・・・ネットワーク
101・・・伝送装置
102・・・伝送装置
103・・・OAM変換装置
201・・・第1受信部
202・・・第1パケット分離部
203・・・第1OAM変換部
204・・・OAM変換データベース
205・・・第2パケット多重部
206・・・第2送信部
207・・・第2受信部
208・・・第2パケット分離部
209・・・第2OAM変換部
210・・・第1パケット多重部
211・・・第1送信部
206a、206b、211a、211b・・・送信部
212、212a、212b・・・スイッチ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、
前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送する
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項2】
請求項1に記載のOAMパケット変換方法において、
前記第2装置から受信するBFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第1装置に転送する
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項3】
請求項2に記載のOAMパケット変換方法において、
前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングする
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項4】
前段の装置からパケットを受信する受信部と、
前記受信部が受信したパケットをデータパケットと第1方式のOAMパケットとに分離するパケット分離部と、
前記第1方式のOAMパケットを第2方式のOAMパケットに変換するための情報を保持するOAM変換データベースと、
前記パケット分離部が分離した前記第1方式のOAMパケットを前記OAM変換データベースを参照して前記第2方式のOAMパケットに変換するOAM変換部と、
前記OAM変換部が変換した前記第2方式のOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重するパケット多重部と、
前記パケット多重部が多重したパケットを後段の装置に送信する送信部と
を有することを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載のOAMパケット変換装置において、
前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、
前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとY.1731ベースのOAMパケットとに分離し、
前記OAM変換データベースは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、
前記OAM変換部は、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、
前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換した前記BFDベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、
前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項6】
請求項4に記載のOAMパケット変換装置において、
前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、
前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとBFDベースのOAMパケットとに分離し、
前記OAM変換データベースは、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、
前記OAM変換部は、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、
前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換したY.1731ベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、
前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のOAMパケット変換装置において、
前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングする
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項8】
請求項4から7の何れか一項に記載のOAMパケット変換装置において、
MPLS−TPに対応するパケットのLSPラベルに基づいてスイッチングするスイッチ部を更に設け、MPLS−TPスイッチとして動作する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項9】
請求項4から8の何れか一項に記載のOAMパケット変換装置において、
前記パケット分離部は、OAM変換を行うパケットと、OAM変換を行わないパケットとを判別して、OAM変換を行うOAMパケットをOAM変換部に出力し、OAM変換を行わないOAMパケットは前記パケット多重部に出力する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項1】
MPLS−TPにおけるOAM方式が異なる第1装置と第2装置とが混在するネットワークで用いられるOAMパケット変換方法において、
前記第1装置から受信するY.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第2装置に転送する
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項2】
請求項1に記載のOAMパケット変換方法において、
前記第2装置から受信するBFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングして前記第1装置に転送する
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項3】
請求項2に記載のOAMパケット変換方法において、
前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングする
ことを特徴とするOAMパケット変換方法。
【請求項4】
前段の装置からパケットを受信する受信部と、
前記受信部が受信したパケットをデータパケットと第1方式のOAMパケットとに分離するパケット分離部と、
前記第1方式のOAMパケットを第2方式のOAMパケットに変換するための情報を保持するOAM変換データベースと、
前記パケット分離部が分離した前記第1方式のOAMパケットを前記OAM変換データベースを参照して前記第2方式のOAMパケットに変換するOAM変換部と、
前記OAM変換部が変換した前記第2方式のOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重するパケット多重部と、
前記パケット多重部が多重したパケットを後段の装置に送信する送信部と
を有することを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載のOAMパケット変換装置において、
前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、
前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとY.1731ベースのOAMパケットとに分離し、
前記OAM変換データベースは、Y.1731ベースのOAMパケットをBFDベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、
前記OAM変換部は、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドを、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、
前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換した前記BFDベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、
前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項6】
請求項4に記載のOAMパケット変換装置において、
前記受信部は、前段の装置からMPLS−TPに対応するパケットを受信し、
前記パケット分離部は、前記受信部が前段の装置から受信するMPLS−TPに対応するパケットをデータパケットとBFDベースのOAMパケットとに分離し、
前記OAM変換データベースは、BFDベースのOAMパケットをY.1731ベースのOAMパケットに変換するための情報を保持し、
前記OAM変換部は、BFDベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、Channel Type及びOAM種別別情報フィールドを、Y.1731ベースのOAMパケットのLSPラベル、GALラベル、TCおよびTTLで構成されるMPLS−TPラベルヘッダ、OpCode及びOAM種別別情報フィールドにそれぞれマッピングし、
前記パケット多重部は、前記OAM変換部が変換したY.1731ベースのOAMパケットと前記パケット分離部が分離したデータパケットとを多重し、
前記送信部は、前記パケット多重部が多重したMPLS−TPに対応するパケットを後段の装置に送信する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のOAMパケット変換装置において、
前記マッピング時にY.1731規格のOAMパケットとBFD規格のOAMパケットとの間に対応する情報が無いデータ領域に、予め設定されたデフォルトデータをマッピングする
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項8】
請求項4から7の何れか一項に記載のOAMパケット変換装置において、
MPLS−TPに対応するパケットのLSPラベルに基づいてスイッチングするスイッチ部を更に設け、MPLS−TPスイッチとして動作する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【請求項9】
請求項4から8の何れか一項に記載のOAMパケット変換装置において、
前記パケット分離部は、OAM変換を行うパケットと、OAM変換を行わないパケットとを判別して、OAM変換を行うOAMパケットをOAM変換部に出力し、OAM変換を行わないOAMパケットは前記パケット多重部に出力する
ことを特徴とするOAMパケット変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−5028(P2013−5028A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131263(P2011−131263)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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