説明

P38阻害剤

本発明は、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)および/またはその成分を薬学的に許容可能なキャリヤー中に新規p38MAPK阻害剤、並びにその使用に関する。マイコバクテリウム・wおよび/またはその成分は哺乳類に投与されると、p38阻害を生じる。当該阻害は28日間以上持続することが判明している。また、それはTNF−αの阻害を誘導することが判明している。それは糖質コルチコイドと同一のパターンでサイトカインを抑制する。形質転換細胞において、それはまたアポトーシスを誘導する。P38に媒介される状態としては、炎症、細胞分化、細胞増殖、細胞阻害、細胞周期調節、抗炎症性反応、免疫調節、血管新生、外部刺激に対する応答、および血管新生が挙げられる。p38タンパク質キナーゼの阻害のための、すなわち(i)形質転換細胞においてアポトーシスを誘導するため、(ii)TNF−αの阻害のための、(iii)サイトカインの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規p38阻害剤、その調製製法、p38キナーゼに媒介される疾患の治療におけるその使用、および上記治療における使用のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)は、二重リン酸化によって基質を活性化するプロリン指向性セリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。当該キナーゼは、栄養ストレスおよび浸透圧ストレス、UV光、増殖因子、エンドトキシンおよび炎症性サイトカインを含む多様なシグナルによって活性化される。
【0003】
1つの特に興味深いMAPKはp38であり、別名サイトカイン抑制抗炎症薬結合タンパク質(CSBP)ともいう。p38キナーゼは、転写因子および他のキナーゼのリン酸化および活性化を担う。それらは、浸透圧、アニソマイシン、UVなどの物理的、化学的および照射ストレスによって活性化される。それらは、IL−1およびTNFなどの炎症性サイトカインおよび細菌リポ多糖によっても活性化される。より重要なことに、p38リン酸化活性化の産物は、TNF、IL−1、IL−6を含む炎症性サイトカイン、およびシクロオキシゲナーゼ−2の産生を媒介することが示されている。これらのサイトカインの各々は、多数の疾患状態および症状に関係している。
【0004】
p38に媒介される症状としては、アップレギュレーションされたp38がその症状の病因に関与するか、および/またはp38の阻害がその管理に有用である任意の疾患または有害な症状が挙げられる。p38に媒介される症状としては、炎症性疾患、自己免疫疾患、骨破壊疾患、腫瘍進行を含む増殖性疾患、感染症、神経変性疾患、アレルギー、脳卒中における再灌流/虚血、心臓発作、血管新生疾患、臓器低酸素症、血管増生癌性悪液質、心肥大、トロンビン誘導性血小板凝集、およびプロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2に関連する症状が挙げられる。p38は、癌、免疫不全疾患、細胞死および骨粗鬆症に関連している。
【0005】
p38キナーゼの阻害は、IL−1およびTNFの両方の産生の遮断に繋がる。IL−1およびTNFは、急性および慢性炎症性疾患および閉経後骨粗鬆症に関与している、IL−6およびIL−8などの他の炎症性サイトカインの産生を刺激する[R.B.キンブル(Kimble)他,Endocrinol.,136,pp.3054−61 (1995)]。これらのサイトカインの調節異常で特徴づけられる疾患は、p38阻害剤による治療に適している。
【0006】
IL−1に媒介される疾患または症状としては、関節リウマチ、変形性関節症、脳卒中、内毒血症および/または毒素性ショック症候群、エンドトキシンによって誘導される炎症性反応、炎症性腸疾患、結核、アテローム性動脈硬化、筋変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、糖尿病、膵ベータ細胞疾患およびアルツハイマー病が挙げられる。
【0007】
TNF−αレベルは各種医薬組成物によって変化させることができ、哺乳類において現在使用されているTNF−α拮抗薬活性を有するものは、インフリキシマブ(Infliximab)、アダルリム(Adalulimb)、エターンセプト(Etarncept)、サリドマイド(Thalidomide)などが挙げられる。それらは、関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、アフタ性潰瘍、全身性エリテマトーデス、骨髄腫、ブドウ膜炎などの管理に用いられる。
【0008】
糖質コルチコイドは公知の抗炎症性化合物である。一般的に用いられる糖質コルチコイドとしては、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン(prednisolene)、ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン(triaminolone)、メチルプレドニゾロン(prednisolene)、プレドニゾンが挙げられる。それらは、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−11、IL−12、TNF−αなどのサイトカイン及びCOX−2を抑制する。IL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IL−12、TNF−αは炎症性サイトカインとして知られ、一方、IL−4、IL−5などは抗炎症性サイトカインとして知られる。糖質コルチコイドは、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、喘息、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、通年性または季節性アレルギー性鼻炎、血清病、ヘルペス状水疱性皮膚炎、剥離性紅皮症、菌状息肉症(mycosis fungoids)、天疱瘡、重症型多型紅斑(スティーブンス(Stevenes))、潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病、赤芽球癆、側頭動脈炎、ブドウ膜炎、特発性腎炎におけるタンパク尿、特発性好酸球性肺炎、症候性サルコイドーシス、急性痛風性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性ループス、不応性多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、重症COPD、慢性肉芽腫症、血管新生、サルコイドーシスを含む広範囲の疾患の管理に用いられている。
【0009】
形質転換細胞は、分裂促進因子による刺激なしで増殖して連続培養になる細胞である。真核細胞は非形質転換細胞であり、連続培養で増殖しない。形質転換によって、真核細胞は静止/定常期からアップレギュレートされた増殖に転換し、連続培養で維持できるようになる。p38阻害剤は、これらの形質転換細胞の連続増殖を阻害し、アポトーシスを引き起こすことが知られている。
【0010】
下記の特許、特許出願には、p38 阻害剤およびその使用が記載されている。
特許/出願番号 表題 特許/出願番号 表題
US7186737B2 p38の阻害剤 US7169779B2 p38の阻害剤
US6635644B2 p38の阻害剤 US6608060B1 p38の阻害剤
US6632945B2 p38の阻害剤 US6528508B2 p38の阻害剤
US6509363B2 ヘテロ環式p38の阻害剤 US6147080A p38の阻害剤
US6800626B2 p38の阻害剤 US6093742A p38の阻害剤
US6949560B2 p38キナーゼ阻害剤として WO2000017175A1 p38の阻害剤
のイミダゾ置換化合物 WO2000017204A1 p38の阻害剤
WO1996021654A1 新規化合物 WO1999058502A1 p38のヘテロ環式阻害剤
WO1999000357A1 p38の阻害剤
WO1999064400A1 p38の阻害剤
US6162613A セリン/スレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼの阻害剤の設計方法
US7151010B2 高密度集積回路用スタックパッケージを組み立てるための方法
US6852740B2 p38キナーゼ阻害剤としてのピラゾール誘導体
US6982270B1 csbp/p38キナーゼ阻害剤としての3,4-ジヒドロ-(1h)キナゾリン-2-オン化合物
US6630485B2 p38 mapキナーゼ阻害剤
US7189400B2 mu-1の拮抗薬を用いる治療方法
US7115557B2 神経根傷害を治療するためのある種の薬剤の使用
US7078431B2 1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オン及びvcam-1媒介疾患を治療するためのその使用
US6759410B2 3,4-ジヒドロ-(1h)-キナゾリン-2オンおよびcsbp/p38キナーゼ阻害剤としてのその使用
US6696471B2 アミノピロール 化合物
US6696443B2 p38キナーゼのピペリジン/ピペラジン型阻害剤
US6649637B2 ピリジニルイミダゾールによる細胞内複製の阻害
US6638765B1 細胞の分化のためのプラットフォーム
US6509361B1 p38キナーゼ阻害剤としての1,5-ジアリール置換ピラゾール
US6479507B2 p38mapキナーゼ阻害剤
US6444696B1 ピラゾール誘導体p38mapキナーゼ阻害剤
US6410540B1 P38αキナーゼの阻害剤
US6376527B1 ピラゾール誘導体P38Mapキナーゼ阻害剤
US6316466B1 ピラゾール誘導体P38Mapキナーゼ阻害剤
US6316464B1 P38Mapキナーゼ阻害剤
US6096711A HSP72誘導および用途
US6414150B1およびUS6335336B1には、TNF-αの抑制による血管新生の阻害が転移の阻害または防止に有用であることが記載されている。
US6994981B2には、パラアポトーシスの調節因子および関連する方法が記載されている。MAPK阻害剤に基づいた複数の他の先行技術特許としては、EP1208748A1、WO2004089929、WO2006117567が挙げられる。
US6852740B2にはp38キナーゼ阻害剤としてのピラゾール誘導体が記載されている。WO95/31451には、MAPK、特にp38を阻害するピラゾール組成物が記載されている。これらの阻害剤のin vivoの効力はまだ調査中である。
【0011】
WO98/27098、WO99/00357、WO99/10291、WO99/58502、WO99/64400、WO00/17175およびWO00/17204に記載されたものを含めて、他のp38阻害剤が製造されている。さらに、WO97/24328、WO98/34920、WO98/35958およびUS5145857Aには、治療用途を有するアミノ置換ヘテロ環が開示されている。
【0012】
従って、p38に媒介される活性に伴う各種症状の治療に有用な、p38の阻害剤を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、 p38キナーゼ阻害のための Mw細胞 および/またはその成分を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、p38に媒介される症状の治療または予防のための方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、p38キナーゼ活性によって媒介される、またはp38キナーゼ活性によって産生されるサイトカインによって媒介される、症状または疾患状態の治療のための方法であって、治療上有効な量のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)および/またはその成分を対象(たとえば哺乳類)へ投与することを含む上記方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、p38キナーゼ活性によって媒介される、またはp38キナーゼ活性によって産生されるサイトカインによって媒介される、症状または疾患状態の治療のための薬剤の製造のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)および/またはその成分の使用を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、p38タンパク質キナーゼの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw)細胞および/またはその成分の使用に関する。
【0018】
本発明はまた、サイトカイン産生の阻害のための、Mw細胞 および/またはその 成分の使用を含む。
【0019】
本発明はまた、セリン/スレオニンキナーゼp38およびサイトカイン産生の阻害剤である、Mw細胞および/またはその成分を含む組成物を包含する。
【0020】
本発明によれば、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw)細胞および/またはその成分は、p38に媒介される疾患の治療において有用である。
【0021】
本発明は、 p38 キナーゼに媒介される疾患、TNFに媒介される疾患、炎症および/または 関節炎の治療のための、治療上有効な量のMw細胞 および/またはその成分を含む組成物を含む。
【0022】
本発明は、Mwおよび/またはその成分を含む組成物の有効なサイトカイン干渉量を投与することを含む、サイトカインに媒介される疾患を治療する方法を提供する。用途としては、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、喘息、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、通年性または季節性アレルギー性鼻炎、血清病、ヘルペス状水疱性皮膚炎、剥離性紅皮症、菌状息肉症(mycosis fungoids)、天疱瘡、重症型多型紅斑(スティーブンス(Stevenes))、潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病、赤芽球癆、側頭動脈炎(temporal arthritis)、ブドウ膜炎(uvetitis)、特発性腎炎におけるタンパク尿、特発性好酸球性肺炎、症候性サルコイドーシス、急性痛風性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性ループス、不応性多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、重症COPD、慢性肉芽腫症、血管新生、サルコイドーシスを含むが、それらに限定されない。
【0023】
Mw細胞は、炎症性疾患、自己免疫疾患、骨破壊疾患、腫瘍進行を含む増殖性疾患、感染症、神経変性疾患、アレルギー、再灌流、脳卒中における虚血、心臓発作、血管新生疾患、臓器低酸素症、血管増生癌性悪液質、心肥大、トロンビン誘導性血小板凝集、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2に関連する症状、癌、免疫不全疾患、細胞死、骨粗鬆症を含む、p38キナーゼに媒介される疾患の治療に有用である。
【0024】
Mw細胞は、関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、アフタ性潰瘍(apthous ulcer)、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematous)、骨髄腫ブドウ膜炎を含む、TNF−αに媒介される疾患または症状の治療に使用できる。
【0025】
本発明に含まれるMw細胞および/またはその成分はまた、一部または完全に、他の従来の抗炎症剤の代わりに、たとえばステロイド、デキサメタゾン、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、NSAID、DMARDS、免疫抑制剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、LTB4拮抗薬およびLTA、ヒドロラーゼ阻害剤と共に、同時治療に使用してもよい。
【0026】
本発明によれば、Mw細胞は、 p38 に媒介される症状の阻害に用いられ、ここで Mw細胞は下記の工程を含む製法によって調製される;
a:マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw)の培養、
b:採集および濃縮、
c:細胞を洗浄、
d:薬学的に許容可能なキャリヤーを添加、
e:保存料を添加、
f:最終滅菌、
g:品質管理、
h:Mwの成分の調製。
【0027】
当該製法はさらに詳細に下記の通り記載される。
A. Mwの培養:
i. LJ培地といった固体培地、またはミドルブルック培地またはソートン液体培地といった液体培地でMwを培養。より良い収量のために、ミドルブルック培地は強化される。それは好ましくはグルコース、バクトトリプトン、およびBSAの添加によって強化することができる。それらは好ましくは20:30:2の比で使用される。強化培地はミドルブルック培地へ添加される。それは好ましくは15:1から25:1の比で、より好ましくは20:1の比で行われる。培地は温度37±0.5℃にて、当初pH6.7から6.8にて調製する。
ii. バイオリアクター操作
a) 容器の準備:汚染を回避するため容器の内側接触部(ジョイント、メカニカルシール、oリング/ガスケット溝など)を清掃。容器を0.1N NaOHで満たし、24時間放置して発熱(pyrogenic)物質および他の汚染物質を除去。容器を酸性水、次いで水で清掃。容器を蒸留水でリンスする。
b) バイオリアクターの滅菌:蒸留水9L入りのバイオリアクターを蒸気で滅菌。ミドルブルック培地入りのバイオリアクターをさらに滅菌。瓶、入口/出口エアフィルターなどを121℃にて15分間オートクレーブする(2回)。容器を使用前に50℃のオーブンで乾燥。
B. 採集および濃縮:培養6日目の終わりに無菌条件下で細胞を採集。遠心分離によって細胞を濃縮(ペレット化(palletization))。
C. 細胞を洗浄:ペレットを生理食塩水で、好ましくは等張液で洗浄。
D. 薬学的に許容可能なキャリヤーを添加:発熱物質(pyrogen)フリー生理食塩水をペレットに添加。任意の他の発熱物質フリー等張液を医薬キャリヤーとして使用できる。キャリヤーは最終形で目的濃度が得られる量で添加される。
E. 保存料を添加:細胞/ペレットを汚染無しに保つために保存料を添加。好ましくは濃度0.01%w/vのチオメロサールを使用する。
F. 最終滅菌:熱またはイオン化放射または滅菌ろ過の適用などの各種物理的方法によって細胞/ペレットを滅菌。熱は乾熱または湿熱の何れの形態でもよい。熱は、沸騰または低温殺菌の形態でもよい。イオン化放射は、紫外線またはガンマ線またはマイクロ波または任意の他の形態でもよい。
G. 品質管理:細胞/ペレットの品質を検査するために、いくつかの処理を通す。
i. 細胞/ペレットの純度および無菌性を評価
ii. 生物をグラム染色後に抗酸性を検査
iii. LJ培地上で産物を培養して生細胞があれば見つけることにより不活性化試験を実施
iv. 細胞/ペレットの病原性および/または汚染を検査。培養生物をBalb/cマウスに注射する。すべてのマウスは体重が増加し、健常であることがわかった。マウスの肝臓、肺、脾臓または他の臓器には肉眼的または顕微鏡的病変は観察されない。
v. 生化学試験:生物を含む細胞/ペレットを下記の生化学試験に供する:
ウレアーゼ − ツイーン(Tween)80加水分解
ナイアシン試験 − 硝酸還元試験
当該生物は、ウレアーゼ、ツイーン80加水分解およびナイアシンで試験した場合、陰性結果を与える。当該生物は硝酸還元試験で陽性結果を与える。
H. マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)成分の調製:Mw成分は下記の方法によって調製できる。
i. 細胞破壊
ii. 溶媒抽出
iii. 酵素抽出
【0028】
細胞破壊は、超音波処理によって、または高圧フラクショノメーター(fractionometer)を用いて、または浸透圧を与えて、実施される。
【0029】
溶媒抽出は、クロロホルム、エタノール、メタノール、アセトン、フェノール、イソプロピルアルコール、酢酸、尿素、ヘキサンなどの任意の有機溶媒によって実施される。
【0030】
酵素抽出は、細胞壁/膜を消化できるタンパク質分解酵素によって実施される。リチカーゼ(Liticase)およびプロナーゼが好ましい酵素である。Mw細胞成分を、Mwの代わりに使用することができる。Mw細胞成分の添加は、産物の効力改善をもたらす。そのように調製されたMwを含む細胞/ペレットはさらに、そのp38阻害活性について評価される。
【0031】
本発明によれば、前述の製法によって調製されたMw細胞は、医薬組成物の調製に用いられる。
A. 治療剤は0.1ml用量当たり下記を含む:
マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(加熱殺菌)0.50x10
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
ツイーン(Tween)80 0.1% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v (保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1 mlとする

B. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む:
マイコバクテリウム・w.(加熱殺菌) 0.50 x 10
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
Triton x 100 0.1% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

C. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む:
マイコバクテリウム・w.,(加熱殺菌) 0.50 x 10
塩化ナトリウム I.P 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

D. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む
1x1010マイコバクテリウム・w由来超音波処理後のマイコバクテリウム・w 抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v (保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

E. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む
1x1010マイコバクテリウム・w のメタノール抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

F. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む:
1x1010マイコバクテリウム・wのクロロホルム抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

G. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む
1x1010マイコバクテリウム・wのアセトン抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

H. 治療剤は0.1 ml用量当たり下記を含む
1x1010マイコバクテリウム・wのエタノール抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

I. 治療剤は 0.1 ml用量当たり下記を含む
1x1010マイコバクテリウム・wのリチカーゼ(liticase)抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする

J. 治療剤は 0.1 ml用量当たり下記を含む
マイコバクテリウム・w (加熱殺菌) 0.5x10
1x10マイコバクテリウム・wの破壊,溶媒抽出または酵素抽出によって得られたマイコバクテリウム・w抽出物
塩化ナトリウム I.P. 0.90% w/v
チオメロサール I.P. 0.01% w/v(保存料として)
注射用水 I.P. 適量で0.1mlとする
【0032】
キャリヤー 材料と合わせて1用量剤形を生じうるMw細胞の量は、治療される宿主および具体的な投与様式に応じて変化する。
【0033】
投与経路は、皮内、静脈内、小胞内(intra vesicle)、腹腔内、関節内、脳内、筋肉内、皮下への注入または当該特定治療について本分野で公知の任意の他の経路とすることができる。経皮投与については、当該医薬組成物は、経皮イオン泳動パッチなどの経皮パッチの形態で投与することができる。
【0034】
上記のように製造された医薬組成物は、驚くべきことに下記の特性を有することがわかった。それらは、p38阻害剤、TNF−α阻害剤、サイトカイン(cytokinese)の抑制、および形質転換細胞の死を含む。
【0035】
形質転換細胞の死が生じる濃度は、脾細胞、PBMC、骨髄細胞、線維芽細胞(fiber blass)、マクロファージなどの正常細胞にとっては安全である。
【0036】
本発明の範囲を限定しない下記の実施例によって、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0037】
実施例1:皮内経路によるMwによるin vivo p38阻害:
未処理Balb/Cマウスを2つの無作為化群に分けた。すべてのマウスは皮内注射を受けた。第1群にはPBS100mcL(μL)を投与し、第2群にはMw100mcL(μL)10細胞)を投与した。8日目にマウスを屠殺し、全個体から脾臓を摘出した。脾細胞を各群から単離し、10%ウシ胎仔血清(FBS)および1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。培養48時間後、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番# DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0038】
表1に示す結果は、本発明の医薬組成物の皮内投与後のp38MAPKの顕著な阻害を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例2:静脈内経路によるMwによるin vivo p38阻害
未処理Balb/Cマウスを2つの無作為化群に分けた。すべてのマウスはMwのPBS (プラセボ)の静脈内注射を受けた。第1群にはPBS100mcL(μL)を投与し、第2群にはMw100mcL(μL)(10細胞)を投与した。8日目にマウスを屠殺し、全個体から脾臓を摘出した。脾細胞を各群から単離し、10%ウシ胎仔血清(FBS)および1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。培養48時間後、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット (品番# DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0041】
表1に示す結果は、静脈内経路によるMwの投与後のp38の顕著な阻害を示す。
【0042】
実施例3:Mwによるp38のin vitro阻害
未処理Balb/Cマウスを屠殺し、および脾臓を摘出した。脾細胞を単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。ウェルの数を2群に分け、一方をMw100mcL(μL)(10細胞)で刺激し、他方をプラセボ(PBS)100mcL(μL)で刺激した。インキュベート48時間後、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番#DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0043】
表2に示す結果は、マウス脾細胞とMwとのin vitroインキュベートの際におけるp38 MAPKの顕著なダウンレギュレーションを示す。
【0044】
【表2】

【0045】
実施例4:MwによるNFS−60細胞におけるp38阻害
NFS60細胞を、10%FBS、1%抗生物質およびIL−3 10nG/mLを含むダルベッコ最小イーグル培地(Dubalco’s Minimul Eagle’s Media)(DMEM) で培養した。細胞をマイクロタイターウェルに濃度1x10細胞にて播種した。ウェルの数を2群に分けた。第1群を対照としてPBSで刺激し、第2群を4 X 10 のMw細胞で刺激した。培養24時間目に、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番#DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0046】
表2に示す結果は、24時間目に対照(非刺激細胞)と比較したMw刺激細胞におけるp38レベルのダウンレギュレーションされたレベルを示す。4x10のMw細胞を上回るすべての濃度で、48時間にて細胞死が観察された。見られた細胞死はアポトーシスによるものであった。
【0047】
実施例5:MwによるMia−pa−ca2細胞におけるp38阻害
Mai−pa−ca2細胞(膵癌細胞株)をATCCから入手し、10%FBS、1%抗生物質を含むDMEM培地で培養した。細胞をマイクロタイターウェルに濃度1x10細胞にて播種した。ウェルの数を2群に分けた。第1群を対照としてPBSで刺激し、第2群を2X10のMw細胞で刺激した。培養48時間目に、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番#DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0048】
表2に示す結果は、48時間目における対照 (非刺激細胞)と比較したMw刺激細胞におけるp38レベルのダウンレギュレーションされたレベルを示す。10を上回るMw濃度では、Mia−pa−ca2細胞はアポトーシス細胞死が起こることが見出された。
【0049】
実施例6:マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)皮内投与の7回注射と比較した単回注射でのp38 MAPKの阻害
未処理Balb/Cマウスを3つの無作為化群に分けた。すべてのマウスに薬剤を皮内投与した。第1群にはPBS100mcL(μL)を投与し、第2群にはMw100mcL(μL)(10細胞)を1回のみ投与し、第3群にはMw100mcL(μL)(10細胞)で毎日7日間免疫した。最初の免疫化後8日目に、マウスを屠殺し、3群すべてについて脾臓を摘出した。脾細胞を各群から単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。
【0050】
培養48時間後、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット (品番# DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0051】
結果は、対照と比較してMwの単回注射の投与はp38MAPKを20%阻害し、7回注射はp38レベルを25%阻害することを示す。
【0052】
実施例7:Mwによるp38 阻害の持続期間
未処理Balb/Cマウスを6群に無作為化し、PBS1mLを第1群に静脈内投与し、第2〜6群にはMw1mL(10細胞)を投与した。第1群および第2群を1日目に、第3群を7日目に、第4群を14日目に、第5群を21日目に、第6群を28日目に屠殺し、脾臓を摘出した。脾細胞を単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。48時間後、細胞を採集し、MAPK ELISAをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット (品番# DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0053】
表3に示す結果は、24時間から第28日までのMw細胞での免疫化の際のダウンレギュレートされたp38レベルを示す(17.4%および17.3%)。p38の最大阻害は第14日に(25.1%)に生じる。p38レベルは試験の全期間(すなわち28日間)にわたって阻害されたままである。
【0054】
【表3】

【0055】
実施例8:Mwによるp38MAPKの阻害:用量依存作用
未処理Balb/Cマウスを屠殺し、脾臓を摘出した。脾細胞を単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。ウェルの数を3群に分け、第1群はプラセボ100mcL(μL)(PBS)で刺激した。第2群はMw100mcL(μL)(10細胞)で刺激した。第3群はMw100mcL(μL)(10細胞)で刺激した。48時間インキュベート後、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番#DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0056】
結果は、脾細胞とMw(10)細胞とのin vitroインキュベーションによりp38 MAPKが46%ダウンレギュレートする一方、Mw(10)細胞の場合は5%の阻害作用を有することを示す。
【0057】
実施例9:MwによるNFS−60細胞における用量依存性のp38MAPK阻害
NFS60細胞を、10%FBS、1%抗生物質およびIL−3 10nG/mLを含むDMEM培地で培養した。細胞をマイクロタイターウェルに濃度1x10細胞にて播種した。ウェルの数を5群に分けた。第1群を対照としてPBSで刺激し、第2群を6X10のMw細胞で、第3群を3X10のMw細胞で、第4群を7X10のMw細胞で、第5群を4X10のMw細胞で刺激した。培養24時間目に、細胞を採集し、細胞シグナル伝達アッセイをR&Dシステムズ社(R&D Systems)の市販キット(品番#DYC869−5)を用いて取扱説明書に従って実施した。
【0058】
表4に示す結果は、ダウンレギュレートされた24時間目に対照と比較したMwにおけるp38レベルの変化を示す。用量依存性はMw濃度と逆相関する。最大阻害は4X10Mw細胞で観察された。刺激のための4x10のMw細胞の使用を上回るすべての濃度で、NFS60細胞は48時間を越えて生存しない。細胞はアポトーシスによる細胞死を起こすことが見出される。
【0059】
【表4】

【0060】
実施例10:MwによるTNFα阻害
未処理Balb/Cマウスを2群に無作為化した。第1群および第2群を屠殺し、脾臓を摘出した。脾細胞を単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。第1群をPBSと共に培養し、第2群を10のMw細胞と共に培養した。48時間後、細胞上清を分離し、TNFαのレベルをR&Dシステムズ社(R&D Systems)(品番MTA00)の市販キットを用いて検査した。
【0061】
表5に示す結果は、Mwで刺激された群におけるTNF−αの阻害を示す。驚くべきことに、TNF−α阻害は約74%である一方、p38阻害は約47%だけであることが観察される。
【0062】
【表5】

【0063】
このように、本発明により治療できるTNFに媒介される疾患または症状は、関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、アフタ性潰瘍(apthous ulcer)、 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematous)、骨髄腫ブドウ膜炎を含むが、それらに限定されず、媒介される疾患の前記管理は、そのような疾患を有するかまたはそれに感受性である対象を、治療上有効な量のMwおよび/またはMw成分により処置することを含む。
【0064】
実施例11:Mwによるサイトカイン抑制
未処理Balb/Cマウスを2群に無作為化した。第1および2群を屠殺し、脾臓を摘出した。脾細胞を単離し、10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。第1群をPBSと共にインキュベートし、第2群を10のMw細胞と共にインキュベートした。48時間後、細胞上清を分離し、サイトカインのレベルを、R&Dシステムズ社(R&D Systems)(品番M2000、品番M4000B、品番M1240)の市販キットを用いて検査した。
【0065】
表6に示す結果は、Mwと共にインキュベートされた第2群におけるサイトカインIL−2、IL−4、IL−5およびIL−12p40の阻害を示す。
【0066】
驚くべきことに、全ての型のサイトカインが阻害されることが観察される。その作用はp38阻害の量を顕著に上回る(IL−12p40についての64%からIL−4についての95%。p38阻害活性は約47%である)。
【0067】
【表6】

【0068】
実施例12:サイトカイン抑制についてデキサメタゾンとの比較
未処理Balb/Cマウスを屠殺し、5つの群すべてについて脾臓を摘出した。脾細胞を各群から単離し、10%抗生物質を含むRPMI1640培地中でマイクロタイタープレートで培養した。細胞はマイクロタイタープレートに播種した。ウェルを5群に分けた。第1群は対照であり、第2群はMwで刺激し、第3群はデキサメタゾン10mMで、第4群はデキサメタゾン10μMで、そして第5群はデキサメタゾン1μMで刺激した。培養48時間後、細胞を採集し、サイトカインアッセイを、R&Dシステムズ社(R&D Systems)(品番M5000、品番M4000B、品番M2000、品番M1240)の市販キットを用いて実施した。
【0069】
表7に示す結果は、Mwはデキサメタゾンのようにすべてのサイトカインの抑制に有効であることを明らかにする。見られた抑制作用は、10mMデキサメタゾンで観察されるのと同一である。デキサメタゾンのこの濃度は、典型的には、デキサメタゾン200mgの静脈内投与後にCmaxとして見られる。デキサメタゾン200mgは非常に重度の炎症症状においてパルス療法として用いられる。一般的にデキサメタゾンは経口用量として顕著に低い用量で用いられる。一般的に成人は1日当たりデキサメタゾン4.0から8.0mgを経口または非経口経路で投与される。
【0070】
【表7】

【0071】
デキサメタゾンのような糖質コルチコイドは公知の抗炎症性化合物である。一般的に用いられる糖質コルチコイドとしては、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン(prednisolene)、ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン(triaminolone)、メチルプレドニゾロン(prednisolene)、プレドニゾンを挙げることができる。それらは抗炎症性および炎症性サイトカインを抑制する。それらは、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、喘息、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、通年性または季節性アレルギー性鼻炎、血清病、ヘルペス状水疱性皮膚炎、剥離性紅皮症、菌状息肉症(mycosis fungoids)、天疱瘡、重症型多型紅斑(スティーブンス(Stevenes))、潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病、赤芽球癆、側頭動脈炎(temporal arthritis)、ブドウ膜炎(uvetitis)、特発性腎炎におけるタンパク尿、特発性好酸球性肺炎、症候性サルコイドーシス、急性痛風性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性ループス、不応性多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、重症COPD、慢性肉芽腫症、血管新生、サルコイドーシスを含む幅広い疾患の管理に用いられる。このように、サイトカイン、インターロイキンおよびケモカインのアップレギュレーションを含むすべての疾患/疾患症状は、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)および/またはその成分を用いて、前記炎症性および抗炎症性サイトカイン抑制のより有効な抑制とともに、治療することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
p38 タンパク質キナーゼの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項2】
p38 タンパク質キナーゼが 正常細胞および形質転換細胞において阻害される、請求項1に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項3】
p38キナーゼに媒介される疾患の管理のための、請求項1に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項4】
p38キナーゼに媒介される疾患が炎症である、請求項3に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項5】
p38キナーゼに媒介される疾患が関節炎である、請求項3に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w Mycobacterium w)の使用。
【請求項6】
p38キナーゼに媒介される疾患が喘息である、請求項3に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項7】
p38キナーゼに媒介される疾患が、炎症性疾患、自己免疫疾患、骨破壊疾患、腫瘍進行を含む増殖性疾患、感染症、神経変性疾患、アレルギー、再灌流、脳卒中における虚血、心臓発作、血管新生疾患、臓器低酸素症、血管増生癌性悪液質、心肥大、トロンビン誘導性血小板凝集、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2に関連する症状、癌、免疫不全疾患、細胞死、骨粗鬆症から成る疾患の群から選択され、および媒介される疾患の前記管理が、そのような疾患を有するかまたはそれに感受性である対象を、治療上有効な量のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w) および/または マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w) 成分で処置することを含む、請求項3に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項8】
形質転換細胞においてアポトーシスを誘導するための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項9】
TNF−αの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項10】
TNF−αに媒介される疾患の管理のための、請求項8に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項11】
TNF−αに媒介される疾患が炎症である、請求項9に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項12】
TNF−αに媒介される疾患が関節炎である、請求項9に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項13】
TNF−αに媒介される疾患が喘息である、請求項9に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項14】
TNFに媒介される疾患または症状が、関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、アフタ性潰瘍(apthous ulcer)、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematous)、骨髄腫ブドウ膜炎を含み、および媒介される疾患の前記管理が、そのような疾患を有するかまたはそれに感受性である対象を、治療上有効な量のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w) および/または マイコバクテリウム・w成分で処置することを含む、請求項9に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項15】
サイトカインの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項16】
炎症性サイトカインの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項17】
抗炎症性サイトカインの阻害のための、マイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)(Mw) および/またはマイコバクテリウム・wの成分の使用。
【請求項18】
サイトカインに媒介される疾患の管理のための、請求項14に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w)の使用。
【請求項19】
サイトカインに媒介される疾患が、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、喘息、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、通年性または季節性アレルギー性鼻炎、血清病、ヘルペス状水疱性皮膚炎、剥離性紅皮症、菌状息肉症(mycosis fungoids)、天疱瘡、重症型多型紅斑(スティーブンス(Stevenes))、潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病、赤芽球癆、側頭動脈炎(temporal arthritis)、ブドウ膜炎(uvetitis)、特発性腎炎におけるタンパク尿、特発性好酸球性肺炎、症候性サルコイドーシス、急性痛風性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性ループス、不応性多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、重症COPD、慢性肉芽腫症、血管新生、サルコイドーシスから成る疾患の群から選択され、および媒介される疾患の前記管理が、そのような疾患を有するかまたはそれに感受性である対象を、治療上有効な量のMwおよび/またはMw成分で処置することを含む、請求項15に記載のマイコバクテリウム・w(Mycobacterium w Mycobacterium w)の使用。


【公表番号】特表2010−522155(P2010−522155A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554095(P2009−554095)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000633
【国際公開番号】WO2008/114119
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(507421393)カディラ ファーマシューティカルズ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】