説明

PEG化された組換えヒト成長ホルモン化合物

ポリエチレングリコールを含んでいる一時的リンカーを結合させることによって調製される、化学的に修飾されたヒト成長ホルモン(rhGH)。化学的に修飾されたタンパク質は、修飾されていないrhGHのrhGH活性よりも極めて長く続くrhGH活性を有することができ、それによって、投与量の低減及び投与機会のスケジューリングが可能となる。化学的に修飾されたrhGHは、脂肪組織萎縮を引き起こすことが無いと思われる。さらに、成長ホルモンの使用が有益である疾患又は障害を治療及び/又は予防するための使用方法も包含される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
適切な医薬品賦形剤を含有し、さらに、ヒトのインビボにおいて臨床上有効な量の組換えヒト成長ホルモン(rhGH) PEG化プロドラッグコンジュゲート〔ここで、PEGは、自己加水分解可能な(自己切断)一時的リンカーを介してrhGHに結合している〕も含んでいる医薬組成物であって、ここで、当該プロドラッグコンジュゲートが:
(1): 該コンジュゲートは、PEGを有さない未変性の成長ホルモンの5%未満のGH活性しか有していないこと;及び、
(2): 該リンカーの自己加水分解速度は、インビボでの半減期が10時間〜600時間であるような速度であること;
を特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記自己加水分解速度が、インビボでの半減期が対応するhGH PEG化プロドラッグコンジュゲートのインビトロでの半減期よりも最大で5倍短いような速度である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記インビボでの半減期が、対応するhGH PEG化プロドラッグコンジュゲートのインビトロでの半減期よりも最大で3倍短い、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記インビボでの半減期が、対応するhGH PEG化プロドラッグコンジュゲートのインビトロでの半減期よりも最大で2倍短いか又は対応するhGH PEG化プロドラッグコンジュゲートのインビトロでの半減期と殆ど同じである、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記組成物が、皮下投与、筋肉内投与又は静脈内注射のための組成物である、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記PEG化プロドラッグが、成長ホルモン1分子当たり合計で少なくとも25kDaになる総PEG負荷を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記プロドラッグコンジュゲートが、化学構造(A):
【化1】

〔ここで、
NH-rhGHは、一時的なリンカーに結合しているrhGH残基を表し;
R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチルから選択され;
PEGは、一時的なリンカーに結合しているPEG化残基を表し;
nは、1又は2であり;及び、
Xは、C1〜C8アルキル又はC1〜C12ヘテロアルキルから選択される〕
を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項7の構造(A)の中の式(I)で表される部分構造〔ここで、該部分構造は、
【化2】

である〕
が、
【化3】

からなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項7の構造(A)の中の式(II)で表される部分構造〔ここで、該部分構造は、
【化4】

である〕
が、
【化5】

からなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項7の式(A)の中のPEG-Xが、式(III)
【化6】

で表されるPEG-Wであり、ここで、PEG-Wは、
【化7】

からなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記プロドラッグコンジュゲート構造が、
【化8】

である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記プロドラッグコンジュゲート構造が
【化9】

〔ここで、
PEG及びNH-rhGHは、請求項7で示されている意味を有し;
Rは、水素、メチル、エチル、プロピル及びブチルから選択され;及び、
Xは、C1〜C8アルキル又はC1〜C12ヘテロアルキルから選択される〕
である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
インビボにおける前記リンカー自己切断速度が、該インビボ半減期が20〜300時間であるような速度である、請求項1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
インビボにおける前記リンカー自己切断速度が、該インビボ半減期が20〜150時間であるような速度である、請求項1〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
インビボにおける前記リンカー自己切断速度が、該インビボ半減期が30〜100時間であるような速度である、請求項1〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
インビボにおける前記リンカー自己切断速度が、該インビボ半減期が30〜75時間であるような速度である、請求項1〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
ヒトにおけるGH関連疾患の治療方法において使用するための、臨床上有効量の請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
適切な医薬品賦形剤を含み、さらに、式(AA):
【化10】

〔式中、
hGH-NHは、hGH残基を表し;
Laは、自己切断を誘発する基Gaによって自己加水分解可能(自己切断可能)な官能基を表し;
及び、
S0は、少なくとも5kDaの分子量を有し且つ少なくとも第1の分枝構造BS1を含んでいるポリマー鎖であり、少なくとも第1の分枝構造BS1は少なくとも4kDaの分子量を有する少なくとも第2のポリマー鎖S1を含んでおり、ここで、S0、BS1、S1のうちの少なくとも1は自己切断を誘発する基Gaをさらに含んでおり、ここで、分枝構造BS1は少なくとも4kDaの分子量を有する少なくとも第3のポリマー鎖S2をさらに含んでいるか、又は、S0、S1のうちの少なくとも1は少なくとも4kDaの分子量を有する少なくとも第3のポリマー鎖S2を含んでいる少なくとも第2の分枝構造BS2を含んでおり、ここで、hGH-NHを除いたプロドラッグコンジュゲートの分子量は少なくとも25kDaで且つ最大で1000kDaである〕
で表されるヒト成長ホルモン(hGH)のプロドラッグコンジュゲートも含んでいる医薬組成物。
【請求項19】
hGH-NHを除いたプロドラッグコンジュゲートの前記分子量が、少なくとも30kDaで且つ最大で120kDaである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
hGH-NHを除いたプロドラッグコンジュゲートの前記分子量が、少なくとも40kDaで且つ最大で100kDaである、請求項18又は19に記載の組成物。
【請求項21】
hGH-NHを除いたプロドラッグコンジュゲートの前記分子量が、少なくとも40kDaで且つ最大で90kDaである、請求項18〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
LaがC(O)-O-及びC(O)-からなる群から選択されて、それらがhGHの第1級アミノ基と一緒にカルバメート基又はアミド基を形成し、結果として、(AA1)又は式(AA2)
【化11】

を生じる、請求項18〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
LaがhGHのアミノ基と一緒にカルバメート官能基を形成し、そのカルバメート官能基の切断がS0の1,4-ベンジル脱離又は1,6-ベンジル脱離を介してGaのヒドロキシル基又はアミノ基によって誘発される(ここで、Gaは、律速変換を受けるエステル結合、カルボネート結合、カルバメート結合又はアミド結合を含んでいる)、請求項18〜22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
Gaが、LaとhGHの第1級アミノ基によって形成されたカルバメート官能基に直接結合している芳香族環又はフルオレニルメチルである、請求項18〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
分枝構造BS1、BS2の少なくとも1が、少なくとも4kDaの分子量を有するさらなる第4のポリマー鎖S3を含んでいるか、又は、S0、S1、S2のうちの1が少なくとも4kDaの分子量を有する少なくとも第4のポリマー鎖S3を含んでいる第3の分枝構造BS3を含んでいる、請求項18〜24のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも3つの鎖S0、S1、S2が、独立して、ポリアルキルオキシポリマー、ヒアルロン酸とその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリオキサゾリン、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオルガノホスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリシアノアクリレート及びポリエステルからなる群から選択されるポリマーに基づく、請求項18〜25のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも3つの鎖S0、S1、S2が、ポリアルコキシポリマーに基づく、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
連結されている原子として測定される、Laに対するS0の結合部位と第1の分枝構造BS1の間の最短の距離が50原子未満である、請求項18〜27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
前記最短の距離が20原子未満である、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
S0が、式(AAA1)
【化12】

〔式中、
Gaは、請求項18で示されている意味を有し;
S00は、CH2又はC(O)であり;
S0Aは、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、ここで、該アルキレン鎖は、、場合により置換されていてもよいヘテロ環、O、S、C(O)及びNHからなる群から選択される1以上の基、環又はヘテロ原子で場合により中断又は終結されていてもよく;
BS1、BS2、BS3は、独立して、N及びCHからなる群から選択され;
S0B、S1Aは、独立して、1〜200個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、ここで、該アルキレン鎖は、場合により置換されていてもよいヘテロ環、O、S、C(O)及びNHからなる群から選択される1以上の基、環又はヘテロ原子で場合により中断又は終結されていてもよく;
S0C、S1Bは、(C(O))n2(CH2)n1(OCH2CH2)nOCH3〔ここで、各nは、独立して、100〜500の整数であり、各n1は、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、n2は、0又は1である〕であり;
S2、S3は、独立して、水素であるか、又は、(C(O))n2(CH2)n1(OCH2CH2)nOCH3〔ここで、各nは、独立して、100〜500の整数であり、各n1は、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、n2は、0又は1である〕であるが、但し、S2とS3の少なくとも一方は水素以外であり;
R2、R3は、式(A)に関して請求項5において定義されているように定義される〕
で表される、請求項18〜29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
Gaが、OC(O)-Rであり、Rが、請求項6に示されている式(I)の部分構造であり、その際、R1、R4、R5及びnは、請求項7で定義されているように定義される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
La-S0が、式(AAA2)
【化13】

〔式中、
点線は、LaとhGHの第1級アミノ基がアミド結合を形成するように、hGHの第1級アミノ基への結合を示しており;
Xは、C(R4R4a)、N(R4)、O、C(R4R4a)-C(R5R5a)、C(R5R5a)-C(R4R4a)、C(R4R4a)-N(R6)、N(R6)-C(R4R4a)、C(R4R4a)-O又はO-C(R4R4a)であり;
X1は、C又はS(O)であり;
X2は、C(R7, R7a)又はC(R7, R7a)-C(R8, R8a)であり;
R1、R1a、R2、R2a、R3、R3a、R4、R4a、R5、R5a、R6、R7、R7a、R8、R8aは、独立して、H及びC1-4アルキルからなる群から選択され;又は、
場合により、対R1a/R4a、R1a/R5a、R4a/R5a、R4a/R5a、R7a/R8aのうちの1つ以上は、化学結合を形成してもよく;
場合により、対R1/R1a、R2/R2a、R4/R4a、R5/R5a、R7/R7a、R8/R8aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になってC3-7シクロアルキル又は4〜7員のヘテロシクリルを形成してもよく;
場合により、対R1/R4、R1/R5、R1/R6、R4/R5、R7/R8、R2/R3のうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって環Aを形成してもよく;
場合により、R3/R3aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4〜7員のヘテロ環を形成してもよく;
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、4〜7員のヘテロシクリル及び9〜11員のヘテロビシクリルからなる群から選択され;並びに、
ここで、
S0は、1つの基L2-Zで置換され、場合によりさらに置換されていてもよいが、但し、式(I)中のアステリスクが付けられている水素は置換基で置き換えられず;ここで、
L2は、単一の化学結合又はスペーサーであり;及び、
Zは、式(AAA2a)
【化14】

[式中、S00、S0A、S0B、S0C、S1A、S1B、S2、S3、BS1、BS2及びBS3は、請求項30において式(AAA1)に関して示されている意味を有する]で表される〕
で表される、請求項18〜22及び25〜26のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
適切な医薬品賦形剤を含み、さらに、式(AB):
【化15】

〔式中、
nは、2、3又は4であり;
hGH(-NH)nは、hGH残基を表し;
各Lは、独立して、永続的な官能基Lpであるか、又は、自己切断を誘発する基Gaによって自己加水分解可能(自己切断可能)な官能基Laであり;
及び、
各S0は、独立して、少なくとも5kDaの分子量を有するポリマー鎖であり、ここで、S0は少なくとも第1の分枝構造BS1を含むことによって場合により分枝しており、少なくとも第1の分枝構造BS1は少なくとも4kDaの分子量を有する少なくとも第2のポリマー鎖S1を含んでおり、ここで、S0、BS1、S1のうちの少なくとも1は自己切断を誘発する基Gaをさらに含んでおり、ここで、hGH-NHを除いたプロドラッグコンジュゲートの分子量は少なくとも25kDaで且つ最大で1000kDaである〕
で表されるヒト成長ホルモン(hGH)のプロドラッグコンジュゲートも含んでいる、医薬組成物。
【請求項34】
nが2である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
請求項18〜34のいずれかで定義されているプロドラッグ。
【請求項36】
プロドラッグであって、
【化16】

〔ここで、mは、200〜250の整数であり、nは、100〜125の整数である〕
【化17】

〔ここで、nは、400〜500の整数である〕
【化18】

〔ここで、nは、400〜500の整数である〕
及び、
【化19】

〔ここで、nは、400〜500の整数である〕
からなる群から選択される、前記プロドラッグ。
【請求項37】
式hGH-NH-C(O)O-S0(AA1)〔式中、S0は、請求項18で示されている意味を有し、及び、少なくとも1の基
【化20】

を含んでいる〕
で表される化合物を調製する方法であって、ここで、該方法は、以下:
(a) 式ROC(O)O-S0'-SH(AA1')で表される化合物を、式
【化21】

で表される化合物と反応させて〔ここで、Rは、活性化カルボネート基のための適切な残部であり、S0'及びS0''は、少なくとも1の基
【化22】

を含んでいるS0を生成するように選択される〕、式ROC(O)O-S0で表される化合物を生成させる段階;及び、
(b) 式ROC(O)O-S0で表される化合物をhGH-NH2〔ここで、hGH-NH2は、その複数の第1級アミノ基のうちの1つを伴ったhGHを表している〕と反応させて、式(AA1)で表される化合物を生成させる段階;
を含んでいる、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−518863(P2011−518863A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506705(P2011−506705)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055194
【国際公開番号】WO2009/133137
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(510209133)アセンディス ファーマ エーエス (6)
【Fターム(参考)】