説明

PETボトルのリサイクル補助機

【課題】PETボトルのキャップとラベルを外す作業を自動的に行う装置は今までなかった。本発明はそれを行うと同時にボトル自体を圧縮梱包するためのPETボトルのリサイクル補助機を提供する。
【解決手段】固定されたPETボトルが筒側方内部に設けたラベルカッターとキャップカッターによって分解され、別々の容器に回収。ボトル本体は油圧式プレス機で圧縮された後、PETボトルの材質のヒモで梱包される。この一連の作業を全自動で行う機械。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全自動でPETボトルを解体し、パーツごとのリサイクルを可能にすると同時に、本体部分を圧縮梱包し回収を容易にするためのものである。
【背景技術】
【0002】
PETボトルをリサイクルゴミとして処分する際は、各ラベルをはがし、キャップをはずすという手間がかかる。また、単体や手動のPETボトルを潰す機械は存在するが、潰したPETボトルを圧縮梱包し、回収を容易にしたものはなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、以下のような問題があった。
(イ)公共の場にあるゴミ入れでは、ほとんどのPETボトルはキャップやラベルがついたまま捨てられる。きちんと解体されているものがあっても、されていないものと混ざっているので、結局は回収先で仕分ける必要がある。
(ロ)PETボトル潰し機の利用では、一つ一つの体積は小さくなるものの、バラバラのため、回収の際に不便が生じる。
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
PETボトル投入口からつながる筒内部側面に、PETボトル押さえ兼バキューム装置、ラベルカッター、キャップカッター、ホルダーセンサー、PETボトルを倒すバーを設け、筒側方にはラベルはがしを設ける。筒下方にはキャップ受け、飲み残し受けを設ける。投入されたPETボトルは、筒内部で固定され、ラベルカッター、キャップカッターによって、ラベルとキャップとボトル本体に分けられる。ラベルとキャップはそれぞれ別の容器に回収される。
【0005】
PETボトル本体は、ローラーの上に送り出され、フチの付いた台まで運ばれる。上部から油圧式プレス機が作動し、ボトルは潰される。その際ボトルが転がらないように、プレス機の可動部分にはカバーを設ける。
【0006】
プレス後、台に設置したフタが下方に開きPETボトルは落下する。側方より、移動機が作動してPETボトルは自動梱包機に送り込まれる。梱包機内部にバネ式ホルダーが設けてあり、脚部にはタイヤとレールを設けて移動可能である。
タイヤ前方にはストッパーを設ける。また梱包機の下にスロープを設置する。
PETボトルが一定量になると自動梱包機が作動する。その後ストッパーがはずれ、梱包機はレール上を前方に移動する。梱包機と台の間に隙間ができ、バネ式ホルダーのバネの力で梱包されたPETボトルは押し戻され、その隙間から落下する。スロープの上を滑り落ちた後、一定の位置に留まり、回収されるまで保管される。
【0007】
梱包の際に使用されるヒモはPETボトルの材質でつくられ、完全なリサイクル品をつくることを目的の一つとする。
以上を特徴とするPETボトルのリサイクル補助機である。
【発明の効果】
【0008】
PETボトルのキャップ、ラベルをはずして処分する人もいれば、そのまま処分する人もいる中で、この装置を利用すれば全てのPETボトルを確実に、完全にリサイクル品に仕分けることが可能になる。また、かさばるPETボトルを圧縮梱包することで、保管場所の縮小化をはかると同時に回収も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の全体図
【図2】本発明の側面図
【図3】キャップカットとラベルカット装置の斜視図
【図4】バキューム装置の可動部の上方から見た図
【図5】自動梱包機の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ) 筒(2)内部側面にPETボトル押さえ兼バキューム装置(3)、ラベルカッター(4)、ホルダーセンサー(7)、キャップカッター(8)、PETボトルを倒すバー(9)を設ける。
(ロ) 筒(2)下方にキャップ受け(10)、飲み残し受け(11)、側方にラベルはがし(5)を設ける。
(ハ) 筒(2)と台(14)の間にローラー(12)を設ける。
(ニ) PETをつぶす台(14)の下方に開くフタ(15)を設ける。台(14)の上方には油圧式プレス機(13)を設ける。さらに上方にモーター(24)を設ける。台(14)下方にPETボトルを潰す台(16)を設ける。側方に潰したPETボトルを自動梱包機(19)に押し込む移動機(17)を設置する。
(ホ) 自動梱包機(19)の脚部にタイヤ(20)を設け、レール(21)の上を可動できるようにする。タイヤ前方にストッパー(23)を設け、自動梱包機(19)下方にスロープ(22)を設ける。
本発明は以上のような構造である。
本発明を使用するときは、PETボトルを飲み口方向から投入口(1)に入れる。PETボトルは筒(2)に入り、ホルダーセンサー(7)がPETを感知すると、PET押さえ兼バキューム装置(3)が作動し、PETボトルを上部から押さえる。キャップカッター(8)によって、キャップは切断され、キャップ受け(10)に落下する。その際、残った液体は飲み残し受け(11)に入る。また、ラベルカッター(4)が上方に移動して、ラベルを2方向からカットする。筒側方より、ラベルはがし(5)が作動する。はがれたラベルはバキューム装置(3)によって、吸い上げられ、そのままラベル受け(6)まで移動し、バキュームが止まると、ラベルはラベル受け(6)に落下する。
PETボトルを倒すバー(8)が上方へ作動し、キャップをカットしたあとの切り口より、中に入る。バー(8)は前方に倒れ、PETボトルをローラー(12)の上に送り出す。
PETボトルはローラー(12)の上を転がり、台(14)で止まる。上部の油圧式プレス機(13)が作動しPETボトルは潰される。プレスの際、PETボトルが転がらないように、油圧式プレス機(13)にはカバーが設けてある。
プレス後、フタ(15)が開き、PETボトルは潰れたPETボトルを受ける台(16)に落下する。側方より、移動機(17)が作動して、PETボトルは自動梱包機(19)へ送り込まれる。バネ式ホルダー(18)が一定の位置まで到達すると、自動梱包機(19)が作動する。梱包の際に使用されるヒモはPETボトルの材質で作り、完全なリサイクル品を作ることを目的とする。
梱包後、ストッパー(23)がはずれ、梱包機(19)はレール(21)を移動する。その際、バネ式ホルダー(18)のバネの作用により、梱包されたPETボトルは押し出され、スロープ(22)の上を滑り落ちる。
【符号の説明】
【0011】
1投入口、2筒、3PETボトル押さえ兼バキューム装置、4ラベルカッター、5ラベルはがし、6ラベル受け、7ホルダーセンサー、8キャップカッター、9PETボトルを倒すバー、10キャップ受け、11飲み残し受け、12ローラー、13油圧式プレス機、14台、15フタ、16潰れたPETボトルを受ける台、17移動機、18バネ式ホルダー、19自動梱包機、20タイヤ、21レール、22スロープ、23ストッパー、24モーター、25ラベル、キャップ取出し口、26PETボトル取出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口からつながる筒側方内部にPETボトル押さえ兼バキューム装置、ラベルカッター、ホルダーセンサー、キャップカッター、PETボトルを倒すバーを設ける。PETボトルが挿入されると、ホルダーセンサーが感知し、PETボトル押さえがボトルを上部より固定する。その後、キャップカッターとラベルカッターが作動して、分離されたキャップとラベルは別々の容器に回収される。
【請求項2】
油圧式プレス機にて潰されたボトル本体は自動梱包機に送り込まれ、ある一定量に達すると梱包機が作動する。梱包の際使用されるヒモはPETボトルの材質でつくられ、完全なリサイクル品をつくることを目的の一つとする。
以上を特徴とするPETボトルのリサイクル補助機である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−176798(P2012−176798A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57192(P2011−57192)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(511033508)
【Fターム(参考)】