説明

PET中への窒素含有メチン光吸収剤の組み入れ方法及びその光吸収剤を含む組成物

本発明は、ポリエステル樹脂中に窒素含有メチン光吸収剤を効率的に組み入れる方法である。この方法は、ジオール成分;ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分;アンチモン含有化合物;燐含有化合物;金属含有化合物;並びに窒素含有メチン光吸収剤を合わせて含む反応混合物を形成することを含む。この反応混合物を重縮合反応系において重合させる。別の実施態様において、光吸収剤は重縮合反応系において1つの反応器の反応生成物が次の反応器に運ばれている間に添加する。本発明はまた、ポリエステル樹脂から製造された製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル組成物中に光吸収性化合物を効率的に組み入れる方法に関する。更に詳しくは、本発明方法は、ポリエステル組成物中への窒素含有メチン光吸収性化合物の組み入れに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、包装及び繊維に基づく多数の用途に広く使用されるポリマー樹脂である。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)又は改質PETは、炭酸飲料、水、ジュース、食品、洗剤、化粧品及び他の製品に使用されるプラスチックボトル及びジャーのような飲料及び食品用容器の製造に最適のポリマーである。
【0003】
典型的なポリエステル形成性重縮合反応においては、エチレングリコールのようなジオールを、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルと反応させる。反応は、適当な反応触媒の添加によって促進される。ポリエステル縮合反応の生成物は元に戻り得る傾向があるため、また、ポリエステルの分子量を増加させるために、この反応は、直列で運転されるいくつかの反応室を有する多室重縮合反応系で実施されることが多い。典型的には、ジオール及びジカルボン酸成分は比較的高圧の第1反応器に投入される。高温で重合させた後、得られたポリマーは、次に、第1反応室よりも低圧で運転される第2反応室に移される。ポリマーはこの第2反応室中で、揮発性化合物が除去されながら、生長し続ける。このプロセスが、各反応器について逐次繰り返される。各反応器の運転圧力は次第に低くなる。この段階的縮合の結果、より高い分子量及びより高いインヘレント粘度を有するポリエステルが形成される。
【0004】
重縮合プロセスの間に、着色剤及び光吸収剤のような種々の添加剤を添加することができる。光吸収剤は、ポリマーに安定性を与えるために、及びPET容器中に包装された製品を可視光線及び紫外(UV)線への暴露によって惹起される分解から保護するために、重要な添加剤である。特許文献1は、重縮合過程においてポリエステル又はポリカーボネートに組み入れることができるいくつかのUV線吸収メチン化合物を使用することを開示している。これらの化合物は紫外線又は可視光線の吸収を増大させ、約320nm〜約380nmの範囲内に最大吸光度を有する。官能基的には、これらの化合物は、停止剤としてポリマー鎖上に縮合される酸又はエステル基を含む。更に、特許文献1のUV吸収剤は、ポリ(エチレンテレフタレート)並びにポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)のコポリマーのようなポリエステルの製造において有用であることがわかっている。しかし、いくつかの光吸収性化合物は若干揮発性で、形成されるポリエステル中のこれらの光吸収剤の収率を100%より多少低くする(80〜85%の値が典型的である)ことが観察されている。更に、これらの化合物は、プロセスラインにおける縮合によって装置を閉塞させるおそれがある。光吸収剤の損失によって、プロセスラインの清浄に必要な停止時間のため及びこれらの化合物の比較的高いコストのために、ポリエステル形成コストが増す。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,617,374号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、溶融相重縮合方法によって製造されるポリエステル組成物中に光吸収性化合物を組み入れるための改良方法及び/又は光吸収剤を含む改良されたポリエステル組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポリエステル樹脂中への光吸収剤の組み入れ方法を提供することによって先行技術の問題を克服する。
【0008】
一実施態様において、方法は、チタン含有エステル交換触媒化合物を実質的に含まず且つジオール;ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分;反応混合物の総重量の0.1%未満の量のアンチモン含有化合物;反応混合物の総重量の約0.1%未満の量で存在する燐含有化合物;約10ppm〜約300ppmの量で存在する亜鉛含有化合物及び/又はマンガン含有化合物からなる群から選ばれた金属含有化合物;並びにポリエステル反応性部分を有する光吸収剤を合わせて含む反応混合物を形成することを含む。アンチモン含有化合物、燐含有化合物及び金属含有化合物は、本発明の方法において行われる縮合重合を促進するのに使用される触媒系を構成する。次いで、反応混合物を、重縮合反応系においてチタンエステル交換触媒化合物の不存在下において重合させる。この重縮合反応系は、第1反応室、最終反応室及び、場合によっては、更に、第1反応室と最終反応室との間の1個又はそれ以上の中間反応室を有することを特徴とする。この反応系は、反応混合物が第1反応室、1個又はそれ以上の中間反応室及び最終反応室中で順次重合されるように直列で運転する。従って、反応混合物が一連の反応室を通って進むにつれて、重合が起こり、ジオールと二酸成分との縮合反応によってポリエステルが形成される。更に、逐次反応室の反応圧を低下させることによって、揮発性化合物は各反応室で除去され、ポリエステルの平均分子量は反応器毎に増加する。
【0009】
本発明の別の実施態様においては、ポリエステル組成物中への光吸収剤の組み入れ方法が提供される。この実施態様の方法は、
a)反応室RC1と称する第1反応室、反応室RCkと称する最終反応室及び1個又はそれ以上の中間反応室を有する反応室RCiと称する一連の反応室を含む重縮合反応系において、ジオール、ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分を合わせて含む反応混合物を形成せしめ;
b)反応室RCiを反応室RCi+1に接続する導管Ciと称する導管によって反応室RCiからの生成物Piと称する反応生成物が反応室RCi+1に輸送可能なように直列で運転される多室重合反応系中で、前記反応混合物を逐次重合させ;そして
c)反応室RCiから反応室RCi+1に輸送される際に反応生成物Piに光吸収剤を添加することを含んでなる(i及びkは整数であり、kは反応室の総数である)。
【0010】
本発明の別の実施態様においては、チタン金属を含まないポリエステル組成物が提供される。この実施態様のチタンを含まないポリエステル組成物は、ジオール残基、二酸残基、光吸収剤残基、アンチモン原子、燐原子並びに亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属原子を含む。アンチモン、燐及び金属原子は、ポリエステル組成物を形成する縮合重合を促進するのに用いられた触媒系の残基に相当する。
【0011】
本発明の更に別の実施態様において、ポリエステルから製造された製品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者らが現在承知している本発明を実施するための最良の形態を構成する、本発明の現在好ましい組成物又は実施態様及び方法についてこれから詳細に言及する。
【0013】
本明細書中で使用する用語「残基(又は残渣)(residue)」は、ポリエステル組成物中に組み入れる化合物の部分を意味する。
【0014】
本発明に一実施態様においては、ポリエステル樹脂への光吸収剤の組み入れ方法が提供される。この実施態様の方法は、チタン含有エステル交換触媒化合物を実質的に含まず且つジオール;ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分;反応混合物の総重量の0.1%未満の量のアンチモン含有化合物;反応混合物の総重量の約0.1%未満の量で存在する燐含有化合物;約10ppm〜約300ppmの量で存在する亜鉛含有化合物、マンガン含有化合物からなる群から選ばれた金属含有化合物;並びに光吸収剤を含む反応混合物を形成することを含んでなる。本発明者らは、チタン含有エステル交換触媒を実質的に含まない反応混合物からポリエステル組成物を製造できることを見出した。本明細書中で使用する「実質的に含まない」又は「不存在下において」は、微量のチタン含有化合物の存在を妨げず、これに関連して、0〜約5ppmのチタン金属の存在は、チタン含有エステル交換触媒の不存在下で実施される方法と見なされる方法によって製造されるポリエステル組成物中に検出され得る微量と見なす。好ましくは、この方法は、2ppm又はそれ以下のチタン金属を含む化合物を用いて実施し、より好ましくは0.0ppmのチタン金属含有化合物を本発明の方法に用いる。チタン金属は0〜約5ppmの最小に保つことが望ましいが、望ましくは、2ppm未満ならばポリエステル組成物に添加でき、本発明に従って存在することもできる。ポリエステル組成物に添加されるチタン金属は0.0ppmであるのがより望ましい。
【0015】
この実施態様において、次に、反応混合物を多室重合系において重合する。重縮合反応系は、第1反応室、最終反応室及び第1反応室と最終反応室との間の1個又はそれ以上の中間反応室を有することを特徴とする。この反応系は、反応混合物が第1反応室、1個又はそれ以上の中間反応室及び最終反応室中で順次重合されるように直列で運転する。光吸収剤は溶融相の任意の点で添加できる。最終反応室から取り出されるポリエステルは、約0.2〜約0.75dL/gのインヘレント粘度を有する。最終的に、反応混合物は更に、0.0〜約5ppmのチタンを含む原子を有することを特徴とする。
【0016】
広範には、本発明の実施に有用な光吸収剤は、米国特許第4,981,516号;第5,030,708号;第5,401,438号;第4,661,566号;第4,617,373号;第5,106,942号;第5,274,072号;第5,456,725号;第6,207,740号;及び第6,559,216号に開示されている。これらの特許の開示全体を引用することによって本明細書中に組み入れる。更に詳しくは、本発明の実施に有用なUV−可視光線吸収性化合物は、本明細書中で、「共役芳香族又は複素芳香族系と結合した
【0017】
【化1】

【0018】
の基」と定義される少なくとも1つのメチン部分を有する。この部分は、一般的には約350〜650ナノメーター(nm)の範囲内の紫外線及び/又は可視光線を吸収する性質を与える。より好ましくは、これらの化合物は、約350〜550nmの範囲内の光を吸収する。メチン化合物は通常約200〜約600ダルトンの分子量を有するが、これより低分子量及び高分子量も有用である。光吸収性化合物は更にポリエステルの製造過程においてポリエステルをポリマー鎖中に生成する官能基の少なくとも1つと反応するであろう少なくとも1つのポリエステル反応性基を有することを特徴とする。このようなポリエステル反応性基は、ヒドロキシル、カルボキシ、アミノ、C1〜C6−アルコキシカルボニル、C1〜C6−アルコキシカルボニルオキシ及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれる。これらの光吸収性化合物は、約300℃までのポリマー加工温度において熱安定性である。
【0019】
本発明の実施において有用な好ましいメチン光吸収性化合物又はモノマーは、下記一般式を有する。
【0020】
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
[式中、Aは結合された二重結合と共役しており、且つ下記式:
【0023】
【化4】

【0024】
を有する窒素含有部分から選ばれ;
R及びR’は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンから選ばれ;
nは1又は2であり;
1はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル及び−(CHR13CHR14O)m−R15(式中、mは1〜約500、好ましくは1〜約100、より好ましくは1〜8、最も好ましくは1〜3の整数である)から選ばれ;且つ
2はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、−(CHR13CHR14O)m−R15、並びに−COR16、―CO216、−CONHR16−及び−SO216から選ばれるアシル基から選ばれるが、但し、R2がアシル基である場合には、R1は水素であることができ;又は
1とR2とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドから選ばれた環状構造を形成することができ;
3はC1〜C6−アルキレン、及び−(CHR13CHR14O)m−CHR13CHR14−から選ばれ;
4、R5及びR6は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルから選ばれ;
7は水素、C1〜C6−アルキル及びアリールから選ばれ;
8及びR9は、独立して、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、アリール、C3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルから選ばれるか、又はR8とR9とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ及びモルホリノのような環状構造を形成でき;
10及びR11は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、ヒドロキシル及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれ;
12はカルボキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニル又は(R)nであり;
13及びR14は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルから選ばれ;
15は水素、アリール、C1〜C12−アルキル及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれ;
16はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール及びC3〜C8−シクロアルキルから選ばれ;
Xは−O−、−NH及び−N(R16)−から選ばれ;
Lは二価、三価又は四価結合基であり;
1は直接単結合又は二価結合基から選ばれ;
P及びQは、独立して、シアノ、−COR16、−CO216、−CON(R17)R18、アリール、ヘテロアリール及び−SO216から選ばれ;又は
PとQとが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、以下の環状二価基:
【0025】
【化5】

【0026】
を形成でき;
17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルから選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【0027】
【化6】

【0028】
から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールから選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNから選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−から選ばれ;
21は水素、又はC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【0029】
【化7】

【0030】
から選ばれる場合にはQは水素であることができる]。
【0031】
ポリエステル反応性基を有さない、ここに記載したメチン化合物のいくつかは、本発明に記載された条件下で用いられる場合に、カラーイールドを増大することができる。しかし、本発明において有用なメチン化合物は、製造過程においてポリエステル組成物中に反応できる、カルボキシ、−CO216、−OCOR16、−OCON(R17)R18、−OCO216、ヒドロキシル及びクロロカルボニルから選ばれた少なくとも1つの反応性基を有するのが好ましい。
【0032】
用語「C1〜C12−アルキル」はここでは、1〜12個の炭素原子を含み且つ直鎖又は分岐鎖である脂肪族炭化水素基を示すのに用いる。
【0033】
用語「置換C1〜C12−アルキル」は、ここではハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、スクシンイミド、フタルイミド、2−ピロリジノ、C3〜C8−シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ビニルスルホニル、フタルイミジノ、o−安息香酸スルフィミド、−OR22、−SR23、−SO224、−SO2CH2CO2SR23、−CON(R25)R26、−SO2N(R25)R26、−O2CN(R25)R26、−OCOR24、−O2CR24、−OCO224、−OCR24、−N(R25)SO224、−N(R25)COR24
【0034】
【化8】

【0035】
[式中、R22はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル及びアリールから選ばれ;
23はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールから選ばれ;
24はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ;
25及びR26は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ;
27はヒドロキシ及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれ;
Yは−O−、−S−及び−N(R24)−から選ばれ;
1はC2〜C4−アルキレン、−O−、−S−及び−N(R25)−から選ばれる]
から選ばれた1〜3個の基で置換されたC1〜C12−アルキルを示すのに用いる。
【0036】
用語「C1〜C6−アルキル」はヒドロキシル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、アリール、アリールチオ、アリールスルホニル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、C1〜C6−アルキルスルホニル、C1〜C6−アルコキシカルボニル、C1〜C6−アルコキシカルボニルオキシ及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれた2個以下の基で場合によっては置換されることもできる、直鎖及び分岐鎖炭化水素基を示すのに用いる。
【0037】
用語「C1〜C6−アルコキシ」、「C1〜C6−アルキルチオ」、「C1〜C6−アルキルスルホニル」、「C1〜C6−アルコキシカルボニル」、「C1〜C6−アルコキシカルボニルオキシ]及び「C1〜C6−アルカノイルオキシ」は、それぞれ、−OC1〜C6−アルキル、−S−C1〜C6−アルキル、−O2S−C1〜C6−アルキル、−CO2−C1〜C6−アルキル、−O2C−O−C1〜C6−アルキル及び−O2C−C1〜C6−アルキルの構造を表し、前記C1〜C6−アルキル基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、アリール、−OC1〜C4−アルキル、−OCOC1〜C4−アルキル及びCO21〜C4−アルキルから選ばれた2個以下の基で場合によっては置換されることができ、基のC1〜C4−アルキル部分は、1〜4個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表す。
【0038】
用語「C3〜C8−シクロアルキル」及び「C3〜C8−アルケニル」はそれぞれ、飽和脂環式基及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む及び直鎖又は分岐鎖炭化水素基を示すのに用い、各区基は3〜8個の炭素原子を含む。
【0039】
Lに関する二価結合基はC1〜C12−アルキレン、−(CHR13CHR14O)mCHR13CHR14−、C3〜C8−シクロアルキレン、−CH2−C3〜C8−シクロアルキレン−CH2−、及びC3〜C8−アルケニレンから選ばれることができる。C1〜C12−アルキレン結合基は、主鎖ヘテロ原子内に、例えば酸素、硫黄及び窒素並びに置換窒素、(−N(R17)−)[式中、R17は前に定義した通りである]及び/又は環状基、例えばC3〜C8−シクロアルキレン、アリーレン、二価複素芳香族基若しくはエステル基、例えば
【0040】
【化9】

【0041】
【化10】

【0042】
を含むことができる。
【0043】
1〜C12−アルキレンの原子鎖中に組み込むことができる環状部分のいくつかとして、
【0044】
【化11】

【0045】
を挙げることができる。
【0046】
Lに関する三価及び四価基は3個又は4個の共有結合を含むC3〜C8−脂肪族炭化水素部分から選ばれる。三価及び四価基の例としては、それぞれ、−HC(CH2−)2、C(CH2−)4が挙げられる。
【0047】
1に関する二価基は−O−、−S−、−SO2−、=N−SO21、−S−S−、−CO2−、−OCO2−、アリーレン、−O−アリーレン−O−、C3〜C8−シクロアルキレン、−O2C−C1〜C12−アルキレン−CO2−、−O2C−アリーレン−CO2−、−O2C−C3〜C8−シクロアルキレン−CO2−、−O2CNH−C1〜C12−アルキレン−NHCO2−及び−O2CNH−アリーレン−NHCO2−から選ぶことができる。
【0048】
用語「C2〜C4−アルキレン」、「C1〜C6−アルキレン」及び「C1〜C12−アルキレン」は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール及びC1〜C6−アルカノイルオキシから選ばれた2個以下の基で場合によっては置換することができる、それぞれ2〜4個、1〜6個及び1〜12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖二価炭化水素基を示す。
【0049】
用語「C3〜C8−シクロアルキレン」及び「C3〜C8−アルキレン」は、それぞれ、3〜8個の炭素原子を含む二価飽和環状炭化水素基及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み且つ3〜8個の炭素原子を有する二価炭化水素基を示す。
【0050】
用語「アリール」は、ここではC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、ヒドロキシル、C1〜C6−アルコキシカルボニル、C1〜C6−アルキルスルホニル、C1〜C6−アルキルチオ、チオシアノ、シアノ、ニトロ及びトリフルオロメチルから選ばれた1個又はそれ以上の基で置換されたフェニル並びに非置換のフェニルを示すのに用いる。
【0051】
用語「ヘテロアリール」において、基のヘテロアリール基又はヘテロアリール部分は、酸素、硫黄及び窒素又はこれらの原子の組合せからなる群から選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を、複素芳香族環を完成する炭素と結合して含むモノ又はビシクロ複素芳香族基である。適当なへテロアリール基の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない。フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル及びトリアゾリル並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、アリール、C1〜C6−アルコキシ、カルボニル、ハロゲン、アリールチオ、アリールスルホニル、C1〜C6−アルキルチオ、C1〜C6−アルキルスルホニル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選ばれた1個又はそれ以上の基で場合によってはこれらの置換された基。
【0052】
用語「アリーレン」は、1,2−;1,3−;1,4−フェニレン、ナフチル、並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、ヒドロキシル、C1〜C6−アルコキシカルボニル、C1〜C6−アルキルスルホニル、C1〜C6−アルキルチオ、チオシアノ、シアノ、ニトロ及びトリフルオロメチルから選ばれた1個又はそれ以上の基で場合によってはこれらの置換された基を示すのに用いる。
【0053】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示すのに用いる。
【0054】
式−(CHR13CHR14O)m−R15及び−(CHR13CHR14O)m−CHR13CHR14−によって定義されるアルコキシル化部分は、mが1〜500、好ましくは1〜約100、より好ましくは8未満、最も好ましくは1〜3である鎖長を有する。好ましい実施態様において、アルコキシル化部分はエチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基又は両者の残基である。
【0055】
用語「ピロリジノ」、「ピペリジノ」、「ピペラジノ」、「モルホリノ」、「チオモルホリノ」及び「チオモルホリノ−s,s−ジオキシド」は、ここでは、それぞれ、以下の環状基を示すのに用いる。
【0056】
【化12】

【0057】
[式中、R1は前に定義した通りである]。
【0058】
当業者ならば、C1〜C4−アルキル、C1〜C6−アルキル、C1〜C12−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C1〜C12−アルキレン、C1〜C6−アルキレンのような、記載した範囲の炭素原子を有する基又は部分へのここでの言及が、それぞれ、その範囲内の記載した炭素原子数の全ての部分を含むことがわかるであろう。例えば、用語「C1〜C6−アルキル」は、端点であるC1基(メチル)及びC6基(ヘキシル)のみならず、対応するC2、C3、C4及びC5基のそれぞれを含み、それらの異性体も含む。更に、記載した炭素原子範囲内の個々の点の、それぞれを、更に組合せて、記載した全範囲内に本質的に含まれる部分的範囲を記載することができることもわかるであろう。例えば、用語「C3〜C8−シクロアルキル」は、個々の環状部分C3〜C8のみならず、C4〜C6−シクロアルキルのような部分的範囲も意図する。
【0059】
これらの実施態様のいずれかの成分として添加する光吸収剤のレベルは、ポリエステル製品の用途;予想される露光レベル;ポリエステルによって密閉される製品の光に対する感受性;選択された特定の光吸収剤のモル吸光係数;ポリエステルから製造される製品の厚さ;重合前、重合中又は重合後にいずれにおいて添加されるにせよ、着色剤、乳白剤、触媒残渣、再加熱剤、成核剤、嵌め外し剤、スリップ剤などを含む、ポリエステル中に存在する他の添加剤の性質;及びとりわけ、ポリエステル反復単位の組成によって異なる。一般に、ほとんどの包装用途に関しては、必要とされる光吸収剤の予想レベルは、ポリマーの重量に基づき、0〜5重量%、より好ましくは0.001〜2重量%であろう。記載したこれらの範囲は、例示を目的として示すのであって、本発明の範囲を限定することを目的としない。
【0060】
重合は、第1反応室中の反応圧が約20〜50psiであり且つ最終反応室の反応圧が約0.1mmHg〜約2mmHgであるように実施する。中間反応器中の圧力は順次低下し、1個又はそれ以上の中間反応器のそれぞれの内部の反応圧は50psiと0.1mmHgの間である。各反応室の反応温度は約200℃〜約300℃である。
【0061】
本発明の方法において使用する反応混合物はジオール成分を含む。好ましくは、ジオール成分はグリコールである。適当なジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール;X,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ−[5.2.1.0]−デカン[Xは3、4又は5を表す]及び鎖中に1個又はそれ以上の酸素原子を含むジオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど;各脂肪族部分に約2〜約18個、好ましくは2〜12個の炭素原子を含むジオールが挙げられる。脂環式ジオールは、それらのシス若しくはトランス配置で又は両形態の混合物として使用できる。より好ましくは、ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はそれらの混合物からなる群から選ばれた成分を含んでなる。多くの場合、ジオールは多量のエチレングリコール並びに改質量のシクロヘキサンジメタノール及び/又はジエチレングリコールを含むことができる。
【0062】
反応混合物はまた脂肪族、脂環式又は芳香族ジカルボン酸及びこのようなジカルボン酸のエステルからなる群から選ばれた二酸成分を含む。適当な二酸成分は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸など;及びこれらのジカルボン酸のエステルからなる群から選ばれる。ポリマーの製造において、ジカルボン酸のジメチル、ジエチル又はジプロピルエステルのようなそれらの官能性酸誘導体を用いるのが好ましい場合が多い。これらの酸の無水物も使用できる。好ましくは、二酸成分はジカルボン酸エステルを含む。より好ましくは、二酸成分はテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルである。最も好ましくは、二酸成分はテレフタル酸ジメチルを含む。二酸成分に対するジオール成分のモル比は約0.5〜約4である。より好ましくは、二酸成分に対するジオール成分のモル比は約1〜約3である。最も好ましくは、二酸成分に対するジオールの比は約2である。
【0063】
反応混合物は、更に亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属を含む成分、アンチモン含有成分並びに燐含有成分を含む。典型的には、金属含有成分は、酢酸亜鉛又は酢酸マンガンであり、アンチモン含有成分は三酸化アンチモンであり、燐含有成分は燐酸又はそのアルキルエステルである。好ましくは、金属含有成分は酢酸亜鉛であって、約10〜約200ppmの量で存在し、三酸化アンチモンは約20〜約500ppmの量で存在し、燐は約5〜約200ppmの量で存在する。
【0064】
反応混合物は場合によっては、鉄含有化合物、トナー、コバルト含有化合物及びそれらの混合物からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の成分を含む。例えば、本発明の反応混合物及びポリエステル組成物は、1ppm〜50pm又は1ppm〜10ppmの範囲の量で黒色酸化鉄を含むことができる。
【0065】
本発明の別の実施態様において、チタン含有エステル交換触媒を含む又は含まないポリエステル組成物中に光吸収剤を組み入れる方法が提供される。この実施態様の方法は、ジオール、ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分を含む反応混合物を重縮合反応系中で形成することを含む。この重縮合反応系は、一連の反応室を含む。反応室のそれぞれを区別するために、各反応室にラベルRCiを割り当てることができる。従って、各反応室は、反応室RCiと表すことができる。この重合系は、反応室RC1と表すことができる第1反応室、反応室RCkと表すことができる最終反応室及び1個又はそれ以上の中間反応室を有する。ここで使用する「i」及び「k」は整数であり、kは反応室の総数である。この重縮合系は、反応室RCiからの生成物Piと表すことができる反応生成物が、反応室RCiを反応室RCi+1に接続する導管Ciと表すことができる導管によって反応室RCi+1に、直接的に又は間接的に、輸送可能なように直列で運転される(即ち、各反応室からの重合生成物は次の反応室に直列で輸送される)。ここで使用する「間接的に輸送可能な」は、反応室RCiからの生成物が反応室RCi+1から物理的には分断されているが、それにもかかわらず、例えばタンク車又は軌道車によって、供給原料を反応室に供給することを認める。しかし、簡潔にするため、このような反応室及び導管は流体連通していることがここでは前提とされるが、本発明の範囲は直接的及び間接的な生成物の輸送を共に含む。従って、反応混合物は、重縮合系を通って進む際に逐次重合される。好ましくは、光吸収剤は、反応生成物RCk-2が反応室RCk-2と反応室RCk-1との間を輸送されている間に、反応生成物Pk-2に添加される(即ち、光吸収剤は、最終反応室から3番目の反応室を、最終反応室から2番目の反応室に接続する導管中で添加される)。光吸収剤、ジオール及び二酸成分は前述と同様であり、その量も前述と同様である。光吸収剤は純粋な形態で添加してもよいし、又はRC1中で使用されるのと同一又は異なるジオールのようなキャリヤー中に添加してもよい。光吸収剤を導管中に供給することによって、ポリエステル組成物中の光吸収剤の収率を増大させることが可能である。理論に拘束するものではないが、反応室への光吸収剤の添加が典型的には、光吸収剤がジオールのフラッシュに伴って運び去られるような、光吸収剤の損失を促進する条件下で行われるのとは著しく異なり、光吸収剤を導管中に供給することによって、光吸収剤はメルト中に溶解する、又はポリマー上に吸収される、又はそうでなければメルト中に残留するのに充分な滞留時間を有すると考えられる。この実施態様において、反応は好ましくは0.0〜5ppmのチタン含有エステル交換触媒の存在下で、より好ましくは0.0ppmのチタン含有化合物を用いて実施する。
【0066】
本発明の更に別の実施態様において、チタン非含有組成物が提供される。好ましくは、ポリエステル組成物は、本発明の方法のいずれか1つによって製造する。この実施態様のチタン非含有ポリエステル組成物は、ジオール残基;二酸残基;光吸収剤残基;0.1%未満の量で存在するアンチモン原子;約0.1%未満の量で存在する燐原子;約5ppm〜約300ppmの量の亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属原子;並びに0.0〜5ppmの範囲の量で存在するチタン原子を含む。チタン非含有ポリエステル組成物とは、0.0〜5ppmのチタン金属を含むものを意味する。光吸収剤残基は、前述の光吸収性化合物の残渣である。より好ましくは、アンチモン原子は約20〜約500ppmの量で存在し、燐原子は約10〜約200ppmの量で存在し、組成物は2ppm、最も好ましくは0.0ppmのチタン金属を含む。
【0067】
二酸残基は好ましくは、ジカルボン酸残基、ジカルボン酸誘導体残基及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、二酸残基はジカルボン酸エステル残基である。最も好ましくは、二酸残基はテレフタル酸ジメチル残基である。ジオール残基は好ましくはグリコール残基である。ジオール残基は、エチレングリコール残基、ジエチレングリコール残基、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。二酸残基に対するジオール残基の比は約0.5〜約4である。更に、本発明のポリエステル組成物は、約20meq/gのカルボキシル末端を有する。
【0068】
当業者ならば、内容物の優れた光保護が重要な種々の熱可塑性樹脂製品を本発明のポリエステルから製造できることがわかるであろう。このような製品の例としては、ボトル、貯蔵容器、シート、フィルム、繊維、プラック、ホース、チューブ、シリンジなどが挙げられる。基本的には、色の薄い低移行性光吸収剤を含むポリエステルに可能な用途は多く、容易には網羅できない。
【0069】
本発明を詳細に説明したが、当業者ならば、本明細書中に開示及び説明した本発明の範囲及び精神から逸脱しなければ、本発明の種々の態様に変更を行えることがわかるであろう。従って、本発明の範囲は例示及び説明した具体的な実施態様に限定されるものではなく、本発明の範囲は添付した「特許請求の範囲」及びその相当物によって決定されるものとする。更に、本明細書中に示した全ての特許、特許出願、刊行物及び参考文献は、本発明の実施に関係する全ての開示に関してそれら全体を引用することによって本明細書に組み入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ジオール、
ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分、
反応混合物の総重量の0.1%未満の量のアンチモン含有化合物、
反応混合物の総重量の約0.1%未満の量で存在する燐含有化合物、
約10ppm〜約300ppmの量で存在する亜鉛含有化合物、マンガン含有化合物からなる群から選ばれた金属含有化合物並びに
下記式を有する化合物からなる群から選ばれ且つポリエステル反応性基を含む光吸収性化合物:
【化1】

【化2】

{式中、Aは結合した二重結合と共役しており、且つ下記式:
【化3】

を有する窒素含有部分からなる群から選ばれ;
R及びR’は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選ばれ;
nは1又は2であり;
1はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル及び−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約500の整数である]からなる群から選ばれ;且つ
2はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約500の整数である]並びに−COR16、―CO216、−CONHR16−及び−SO216から選ばれるアシル基からなる群から選ばれるが、但し、R2がアシル基である場合には、R1は水素であることができ;又は
1とR2とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドからなる群から選ばれた環状構造を形成することができ;
3は、C1〜C6−アルキレン及び−(CHR13CHR14O)m−CHR13CHR14−[式中、mは1〜約500の整数である]からなる群から選ばれ;
4、R5及びR6は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
7は水素、C1〜C6−アルキル及びアリールからなる群から選ばれ;
8及びR9は、独立して、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、アリール、C3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;又は
8とR9とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ及びモルホリノからなる群から選ばれた環状構造を形成でき;
10及びR11は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、ヒドロキシル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
12は、カルボキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニル及び(R)nからなる群から選ばれ;
13及びR14は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
15は水素、アリール、C1〜C12−アルキル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
16はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選ばれ;
Xは−O−、−NH及び−N(R16)−からなる群から選ばれ;
Lは二価、三価又は四価結合基であり;
1は直接単結合又は二価結合基からなる群から選ばれ;
P及びQは、独立して、シアノ、−COR16、−CO216、−CON(R17)R18、アリール、ヘテロアリール及び−SO216からなる群から選ばれ;又は
PとQとが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式からなる群から選ばれた二価基を形成できる:
【化4】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化5】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化6】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]}
を含む、チタン含有エステル交換触媒化合物を実質的に含まない反応混合物を形成し;そして
b)第1反応室、最終反応室及び第1反応室と最終反応室との間の1個又はそれ以上の中間反応室を有し且つ前記混合物が第1反応室、1個又はそれ以上の中間反応室及び最終反応室中で順次重合されるように直列に運転される重縮合反応系中で前記反応混合物を重合させることを含んでなるポリエステル樹脂中への光吸収剤の組み入れ方法。
【請求項2】
前記R1及びR2が結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドからなる群から選ばれた環状構造を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記R8及びR9が結合して、ピロリジノ、ピペリジノ及びモルファリノからなる群から選ばれた環状構造を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記P及びQが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式:
【化7】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化8】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化9】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]
からなる群から選ばれた環状二価基を形成し、且つ前記光吸収性化合物がポリエステル反応性基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
0.0〜2ppmのチタン金属を反応混合物に添加する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1反応室中の反応圧が約20〜50psiであり、最終反応室中の反応圧が約0.1mmHg〜約2mmHgであり且つ1個又はそれ以上の中間反応器のそれぞれの反応圧が50psiと0.1mmHgとの間であるような反応圧を各反応室が有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
0.0ppmのチタン金属を前記反応混合物に添加する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ジオール成分がエチレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−プロパンジオール;1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール;1,3−シクロヘキサンジメタノール;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール;X,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ−[5.2.1.0]−デカン[Xは3、4又は5を表す];鎖中に1個又はそれ以上の酸素原子を含むジオール;及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記二酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸及びこれらの酸のエステル、並びにそれらの混合物からなる群から選ばれる成分を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記二酸成分がテレフタル酸ジメチルを含む請求項7に記載に方法。
【請求項11】
二酸成分に対するジオール成分のモル比が約0.5〜約4である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記反応混合物が更に亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属を含む成分、アンチモン含有成分並びに燐含有成分を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記金属含有成分が酢酸亜鉛又は酢酸マンガンであり、前記アンチモン含有成分が三酸化アンチモンであり、且つ前記燐含有成分が燐酸である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属含有成分が約10〜約200ppmの量で存在する酢酸亜鉛である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記三酸化アンチモンが約20〜約500ppmの量で存在する請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記燐酸が約5〜約200ppmの量で存在する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
鉄含有化合物、トナー、コバルト含有化合物及びそれらの混合物からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の成分を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
式(CHR’CHR”O−)mで表される前記アルコキシル化部分がエチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基又は両者の残基からなる群から選ばれ且つmが約50未満である請求項1に記載の方法。
【請求項19】
mが8未満である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
mが1〜3である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
a)反応室RC1と表すことができる第1反応室、反応室RCkと表すことができる最終反応室及び1個又はそれ以上の中間反応室を有する反応室RCiと表すことができる一連の反応室を含む重縮合反応系において、
ジオール、
ジカルボン酸、ジカルボン酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選ばれた二酸成分を合わせて含む反応混合物を形成せしめ;
b)反応室RCiを反応室RCi+1に接続する導管Ciと表すことができる導管によって反応室RCiからの生成物Piと表すことができる反応生成物が反応室RCi+1に輸送可能なように直列で運転される多室反応重合系中で、前記反応混合物を逐次重合させ;そして
c)反応室RCiから反応室RCi+1に輸送される際に反応生成物Piに光吸収剤を添加する(式中i及びkは整数であり、kは反応室の総数である)
ことを含んでなり;前記光吸収性化合物が下記式:
【化10】

【化11】

{式中、Aは結合した二重結合と共役しており、且つ下記式:
【化12】

を有する窒素含有部分からなる群から選ばれ;
R及びR’は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選ばれ;
nは1又は2であり;
1はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル及び−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約100の整数である]からなる群から選ばれ;且つ
2はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約100の整数である]並びに−COR16、―CO216、−CONHR16−及び−SO216から選ばれるアシル基からからなる群から選ばれるが、但し、R2がアシル基である場合には、R1は水素であることができ;又は
1とR2とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドからなる群から選ばれた環状構造を形成することができ;
3は、C1〜C6−アルキレン、及び−(CHR13CHR14O)m−CHR13CHR14−[式中、mは1〜約100の整数である]からなる群から選ばれ;
4、R5及びR6は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
7は水素、C1〜C6−アルキル及びアリールからなる群から選ばれ;
8及びR9は、独立して、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、アリール、C3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;又は
8とR9とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ及びモルホリノからなる群から選ばれる環状構造を形成でき;
10及びR11は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、ヒドロキシル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
12はカルボキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニル及び(R)nからなる群から選ばれ;
13及びR14は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
15は水素、アリール、C1〜C12−アルキル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
16はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選ばれ;
Xは−O−、−NH及び−N(R16)−からなる群から選ばれ;
Lは二価、三価又は四価結合基であり;
1は直接単結合又は二価結合基からなる群から選ばれ;
P及びQは、独立して、シアノ、−COR16、−CO216、−CON(R17)R18、アリール、ヘテロアリール及び−SO216からなる群から選ばれ;又は
PとQとが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式からなる群から選ばれた二価基を形成できる:
【化13】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化14】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化15】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]}を有する化合物からなる群から選ばれ且つポリエステル反応性基を含むポリエステル樹脂中への光吸収剤の組み入れ方法。
【請求項22】
前記R1及びR2が結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドからなる群から選ばれた環状構造を形成する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記P及びQが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式:
【化16】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化17】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化18】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]
からなる群から選ばれた環状二価基を形成する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
反応生成物RCk-2が反応室RCk-2と反応室RCk-1との間を輸送されている間に、前記光吸収剤を反応生成物Pk-2に添加する請求項21に記載の方法。
【請求項25】
0.0〜2ppmのチタン金属を前記反応混合物に添加する請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記ジオール成分がエチレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−プロパンジオール;1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール;1,3−シクロヘキサンジメタノール;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール;X,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ−[5.2.1.0]−デカン[Xは3、4又は5を表す];鎖中に1個又はそれ以上の酸素原子を含むジオール;及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記二酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、及びこれらの酸のエステル、並びにそれらの混合物からなる群から選ばれた成分を含んでなる請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記二酸成分がテレフタル酸ジメチルを含む請求項27に記載に方法。
【請求項29】
二酸成分に対するジオール成分のモル比が約0.5〜約4である請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記反応混合物が更に亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属を含む成分、アンチモン含有成分並びに燐含有成分を含む請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記金属含有成分が酢酸亜鉛又は酢酸マンガンであり、前記アンチモン含有成分が三酸化アンチモンであり、且つ前記燐含有成分が燐酸である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記金属含有成分が約10〜約200ppmの量で存在する酢酸亜鉛である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記三酸化アンチモンが約20〜約500ppmの量で存在する請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記燐酸が約5〜約200ppmの量で存在する請求項31に記載の方法。
【請求項35】
鉄含有化合物、トナー、コバルト含有化合物及びそれらの混合物からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の成分を更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項36】
0.0ppmのチタン金属を前記反応混合物に添加する請求項21に記載の方法。
【請求項37】
式(CHR’CHR”O−)mで表される前記アルコキシル化部分がエチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基又は両者の残基からなる群から選ばれ且つmが約50未満である請求項22に記載の方法。
【請求項38】
mが8未満である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
mが1〜3である請求項37に記載の方法。
【請求項40】
二酸残基;
ジオール残基;
下記式を有する化合物からなる群から選ばれ且つポリエステル反応性基を含む光吸収性化合物又はその残基:
【化19】

【化20】

{式中、Aは結合した二重結合と共役しており、且つ下記式:
【化21】

を有する窒素含有部分からなる群から選ばれ;
R及びR’は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンからなる群から選ばれ;
nは1又は2であり;
1は、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル及び−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約500の整数である]からなる群から選ばれ;且つ
2はC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、−(CHR13CHR14O)m−R15[式中、mは1〜約500の整数である]並びに−COR16、―CO216、−CONHR16−及び−SO216から選ばれるアシル基からなる群から選ばれるが、但し、R2がアシル基である場合には、R1は水素であることができ;又は
1とR2とは、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−S,S−ジオキシド、スクシンイミド及びフタルイミドからなる群から選ばれた環状構造を形成することができ;
3はC1〜C6−アルキレン、及び−(CHR13CHR14O)m−CHR13CHR14−[式中、mは1〜約500の整数である]からなる群から選ばれ;
4、R5及びR6は、独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
7は水素、C1〜C6−アルキル及びアリールからなる群から選ばれ;
8及びR9は独立して、C1〜C12−アルキル、置換C1〜C12−アルキル、アリール、C3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;又は
8とR9とが、それらが結合している窒素原子と結合して、ピロリジノ、ピペリジノ及びモルホリノからなる群から選ばれた環状構造を形成でき;
10及びR11は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、ヒドロキシル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
12はカルボキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニル及び(R)nなる群から選ばれ;
13及びR14は独立して、水素及びC1〜C6−アルキルからなる群から選ばれ;
15は水素、アリール、C1〜C12−アルキル及びC1〜C6−アルカノイルオキシからなる群から選ばれ;
16はC1〜C6−アルキル、C3〜C8−アルケニル、アリール及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選ばれ;
Xは−O−、−NH及び−N(R16)−からなる群から選ばれ;
Lは二価、三価又は四価結合基であり;
1は直接単結合又は二価結合基からなる群から選ばれ;
P及びQは、独立して、シアノ、−COR16、−CO216、−CON(R17)R18、アリール、ヘテロアリール及び−SO216からなる群から選ばれ;又は
PとQとが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式からなる群から選ばれた二価基を形成できる:
【化22】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化23】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化24】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]}
0.1%未満の量で存在するアンチモン原子;
約0.1%未満の量で存在する燐原子;
約10ppm〜約300ppmの量の、亜鉛、マンガン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた金属原子;並びに
場合によっては、0.0〜5ppmの量で存在するチタン原子
を含んでなるポリエステル組成物。
【請求項41】
前記P及びQが、それらが結合している共役二重結合炭素原子と結合して、下記式:
【化25】

[式中、R17及びR18は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、アリールC3〜C8−シクロアルキル及びC3〜C8−アルケニルからなる群から選ばれ;
19はシアノ、カルボキシ、−CO216、−CON(R17)R18及び式:
【化26】

からなる群から選ばれ;
20はアリール及びヘテロアリールからなる群から選ばれ;
2及びX3は、独立して、酸素及び=C(CN)CNからなる群から選ばれ;
4は−O−、−S−、−N(R17)−からなる群から選ばれ;
21は水素並びにC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ及び−CO216から選ばれた2個以下の基からなる群から選ばれるが、但し、Pが−カルボキシ、−CO216、−C(R20)=C(CN)CN及び
【化27】

からなる群から選ばれる場合にはQは水素であることができる]
からなる群から選ばれた環状二価基を形成する請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項42】
前記二酸残基がジカルボン酸残基、ジカルボン酸誘導体残基及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項43】
前記二酸残基がジカルボン酸エステル残基である請求項42に記載のポリエステル組成物。
【請求項44】
前記二酸残基がテレフタル酸ジメチル残基である請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項45】
前記ジオール残基がグリコール残基である請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項46】
前記ジオール残基成分がエチレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−プロパンジオール;1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール;1,3−シクロヘキサンジメタノール;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール;X,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ−[5.2.1.0]−デカン[式中、Xは3、4又は5を表す];鎖中に1個又はそれ以上の酸素原子を含むジオール;及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項45に記載のポリエステル組成物。
【請求項47】
前記二酸残基がテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸及びこれらの酸のエステルの残基、並びにそれらの混合物からなる群から選ばれた成分を含む請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項48】
約20meq/g未満のカルボキシル末端を有する請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項49】
アンチモン原子が約20〜約500ppmの量で存在する請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項50】
燐原子が約10〜約200ppmの量で存在する請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項51】
ポリエステルに添加されたチタン金属の量が0.0ppmである請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項52】
黒色酸化鉄を更に含む請求項40に記載のポリエステル組成物。
【請求項53】
黒色酸化鉄の量が1ppm〜10ppmの範囲である請求項52に記載のポリエステル組成物。
【請求項54】
請求項40に記載のポリエステル組成物から製造された熱可塑性樹脂製品。
【請求項55】
前記製品がボトル、貯蔵容器、シート、フィルム、繊維、プラック、ホース、チューブ及びシリンジからなる群から選ばれる請求項54に記載の熱可塑性樹脂製品。
【請求項56】
式(CHR’CHR”O−)mで表される前記アルコキシル化部分がエチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基又は両者の残基からなる群から選ばれ且つmが約50未満である請求項54に記載の熱可塑性樹脂製品。
【請求項57】
mが8未満である請求項56に記載の熱可塑性樹脂製品。
【請求項58】
mが1〜3である請求項56に記載の熱可塑性樹脂製品。

【公表番号】特表2008−500429(P2008−500429A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515181(P2007−515181)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/017427
【国際公開番号】WO2005/118674
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】