説明

PLA表紙を有するボード複合材

本発明は、PLA表紙を有するボード複合材に関するもので、PLA樹脂を含む少なくとも一つの層を含む表紙材と、前記表紙材の下部に形成されるボードとを含み、前記ボードは、中質繊維板(Medium Density Fibreboard;MDF)、合板、無石綿繊維強化セメントボード、マグネシウムボード、集成材、高密度繊維強化ボード(High density fiberboard;HDF)、パーティクルボード(Particle Board;PB)、セラミックタイル、磁器タイル、セラミックボード及びクリック締結材から選択されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLA表紙を有するボード複合材に関し、環境にやさしい樹脂であるPLAを用いてボード複合材を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅、マンション、アパート、オフィス又は店鋪などの建築物で用いられる床材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)などの石油系樹脂を基盤とする床材が主に用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
前記ポリ塩化ビニルなどを用いた床材は、ポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂を使用して押出又はカレンダリング方式などで製造される。ところが、ポリ塩化ビニル樹脂の原料は石油資源を基盤とするので、石油資源の枯渇などによって今後の原材料の需給に大きな問題があり得る。
【0004】
また、ポリ塩化ビニル(PVC)系床材は、使用時又は廃棄時に多くの有害物質が発生し、親環境的な側面で使用を抑制する必要がある。
【0005】
ここで、最近は、ポリ塩化ビニル系床材の代わりに、環境にやさしい樹脂を基盤とするグリーン床材に関する関心が高まっている。
【0006】
しかし、一般的なグリーン床材の場合、自体の強度が低下し、成形や加工に多くの問題を有しており、また、使用時に暖房によって隙間が広がるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−125669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、PLA樹脂を含む表紙フィルムを中質繊維板(Medium Density Fibreboard;MDF)、合板、無石綿繊維強化セメント(Cellulose fiber Reinforced Cement)ボード、マグネシウムボード、集成材、高密度繊維強化ボード(High density fiberboard;HDF)、パーティクルボード(Particle Board;PB)、セラミックタイル、磁器タイル、セラミックボード及びクリック締結材などの材料に接合させることによって、環境にやさしい複合材を具現できるPLA表紙を有するボード複合材を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、PLA表紙にガラス繊維含浸構造の寸法安定層を通して暖房による寸法安定性を確保できるようにしたり、チップインレイド層に木粉、もみ殻、松脂などを添加し、従来には具現しにくかった天然感を向上できるようにするPLA表紙を有するボード複合材を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、熱可塑性のPLA表紙に熱硬化性のボードを接合させることによって、熱可塑性床材の短所である、床材下部の凹凸が床材の表面に転移されて凸凹に見える床転写問題を改善するPLA表紙を有するボード複合材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例に係るPLA(poly lactic acid)表紙を有するボード複合材は、PLA(poly lactic acid)樹脂を含む少なくとも一つの層を含む表紙材と、前記表紙材の下部に形成される接着層及びボードと、前記表紙材の上部に形成される表面処理層とを含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記ボードは、中質繊維板(Medium Density Fibreboard;MDF)、合板、無石綿繊維強化セメント(Cellulose fiber Reinforced Cement)ボード、マグネシウムボード、集成材、高密度繊維強化ボード(High density fiberboard;HDF)、パーティクルボード(Particle Board;PB)、セラミックタイル、磁器タイル、セラミックボード及びクリック締結材から選択されることを特徴とする。
【0013】
次に、前記表紙材は、透明層、印刷が付与された印刷可能層、チップインレイド層、非発泡層及び発泡層から選択される一つ以上の層を含むことを特徴とし、前記表面処理層は、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレートやワックスであることを特徴とする。ここで、表紙材とは、接着層、ボード及び表面処理層を除いた、PLA樹脂を含む樹脂層全体を示す。
【0014】
その次に、前記表紙材は、前記印刷可能層の下部又は前記チップインレイド層の下部に寸法安定層をさらに含むことを特徴とし、前記寸法安定層は、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びPLA樹脂から選択される1種以上の樹脂を含み、この樹脂にガラス繊維が含浸されていることを特徴とし、前記ガラス繊維は30〜150g/mの面積当たりの単位質量を有することを特徴とし、前記寸法安定層は、前記樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤40〜150重量部、粘度低下剤30重量部以下、炭酸カルシウム150重量部以下、及び二酸化チタン20重量部以下のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
その次に、前記透明層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜50重量部、加工助剤0.1〜20重量部を含むことを特徴とし、前記透明層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部、及び耐加水分解剤(anti―hydrolysis agent)10重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
その次に、前記印刷可能層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部及び加工助剤0.1〜20重量部を含むことを特徴とし、前記印刷可能層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)100重量部以下、及び二酸化チタン(TiO)50重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
その次に、前記チップインレイド層は、前記PLA樹脂に加えて、非フタレート系可塑剤、加工助剤としてアクリル系共重合体及び耐加水分解剤のうち1種以上をさらに含むことを特徴とし、前記アクリル系共重合体は、重量平均分子量(Mw)が80万〜600万であることを特徴とし、前記耐加水分解剤はカルボジイミド、オキサゾリンであることを特徴とする。
【0018】
その次に、前記チップインレイド層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜100重量部、前記アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)500重量部以下、二酸化チタン(TiO)50重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
その次に、前記非発泡層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部、前記アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム300重量部以下、二酸化チタン5重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上を含むことを特徴とする。
【0020】
その次に、前記ボードには、さねはぎ(Tongue and Groove)加工が行われていることを特徴とする。
【0021】
その次に、前記接着層は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂から選択される1種以上を含むことを特徴とし、前記接着層の厚さは0.01〜0.5mmであることを特徴とする。
【0022】
その次に、前記印刷が付与される位置は印刷可能層の上部であることを特徴とし、前記印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、ロータリースクリーン印刷、インクジェット印刷であることを特徴とする。
【0023】
その次に、前記透明層の厚さは0.1〜1mmであることを特徴とし、前記印刷可能層の厚さは0.05〜0.5mmであることを特徴とし、前記チップインレイド層の厚さは0.3〜3.0mmであることを特徴とし、前記非発泡層の厚さは0.2〜2.0mmであることを特徴とし、前記発泡層の厚さは0.5〜20.0mmであることを特徴とし、前記寸法安定層の厚さは0.1〜1.0mmであることを特徴とし、前記表面処理層の厚さは0.01〜0.1mmであることを特徴とする。
【0024】
併せて、本発明の他の実施例に係るPLA(poly lactic acid)表紙を有するボード複合材は、PLA樹脂を含む少なくとも一つの層を含む表紙材、及び前記表紙材の下部に形成されるボードを含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るボード複合材として、上から表面処理層、透明層、印刷が付与された印刷可能層、接着層及びボードを含み、前記透明層又は印刷可能層のうち少なくとも一つはバインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とする実施例がある。
【0026】
このとき、前記印刷可能層の下部には寸法安定層をさらに含むことを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るボード複合材として、上から表面処理層、透明層、印刷が付与された寸法安定層、接着層及びボードを含み、前記透明層又は印刷可能層のうち少なくとも一つはバインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とする実施例がある。
【0028】
このとき、前記接着層の上部に形成される非発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記接着層と非発泡層との間には発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記接着層の上部には発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記接着層と前記発泡層との間には非発泡層をさらに含むことを特徴とする。
【0029】
併せて、本発明に係る他のボード複合材として、上から表面処理層、チップインレイド層、接着層及びボードを含み、前記チップインレイド層は、バインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とする実施例と、上から表面処理層、印刷が付与されたチップインレイド層、接着層及びボードを含み、前記チップインレイド層は、バインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とする実施例とがある。
【0030】
ここで、前記チップインレイド層の下部には、発泡層、非発泡層、寸法安定層、織布のうち1種以上をさらに含むことを特徴とし、前記非発泡層の上部に前記発泡層が形成されることを特徴とし、前記チップインレイド層の下部には寸法安定層をさらに含むことを特徴とし、前記寸法安定層の上部には非発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記チップインレイド層の下部には非発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記チップインレイド層の下部には発泡層をさらに含むことを特徴とし、前記接着層の上部には織布をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施例によると、石油資源基盤のPVCの代わりに、植物資源基盤のPLA樹脂を用いることによって、石油資源の枯渇による原材料需給問題を解決することができる。
【0032】
また、本発明の一実施例によると、環境にやさしいボード複合材を具現しながらも、ガラス繊維含浸構造の寸法安定層を通して暖房による寸法安定性を確保することができ、チップインレイド層に木粉、もみ殻、松脂などを添加し、従来には具現しにくかった天然感を与えることができる。
【0033】
併せて、本発明は、熱可塑性のPLA表紙に熱硬化性のボードを接合させることによって、熱可塑性床材の短所である、床材下部の凹凸が床材表面に転移されて凸凹に見える床転写問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現される。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一構成要素を示す。
【0036】
以下では、添付の図面を参照して本発明の各実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材について詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材100の断面図である。
【0038】
図1を参照すると、上から表面処理層105、透明層110、印刷が付与された印刷可能層120、接着層125及びボード130が備えられる。
【0039】
このとき、上述したように、透明層110又は印刷可能層120のうち少なくともいずれか一つの層はPLA(poly lactic acid)樹脂を含む層として備えられる。
【0040】
また、表面処理層105のみが除かれた構造のボード複合材を使用することもできる。
【0041】
併せて、前記ボード130としては、中質繊維板(Medium Density Fibreboard;MDF)、合板、無石綿繊維強化セメントボード、マグネシウムボード、集成材、高密度繊維強化ボード(High density fiberboard;HDF)、パーティクルボード(Particle Board;PB)、セラミックタイル、磁器タイル、セラミックボード及びクリック締結材から選択されるものを使用し、これを用いて多様な形態の建築材を形成することができる。
【0042】
併せて、本発明に係るボードとしては、さねはぎ(Tongue and Groove、T/G)加工が行われているものを使用することができ、ボードの形態又は前記のような各物質に制限されることなく、ボード形態で使用可能な建築用内/外装材や床材などの多様な分野に活用することができる。
【0043】
ここで、表紙材に含まれるPLA樹脂は、ラクチド又は乳酸の熱可塑性ポリエステルであって、トウモロコシ、ジャガイモなどの再生可能な植物資源から抽出した澱粉を醗酵させて製造される乳酸を重合させて製造することができる。このようなPLA樹脂は、使用又は廃棄過程でCOなどの環境有害物質の排出量がポリ塩化ビニル(PVC)などの石油基盤素材に比べて遥かに少なく、廃棄時にも自然環境下で容易に分解できるという親環境的な特性を有する。
【0044】
前記のようなPLA樹脂は、通常、D―PLA、L―PLA、D、L―PLA又はmeso―PLAなどに区分できるが、本発明の一実施例に適用されるPLA樹脂では、PLA樹脂の種類に制限がなく、各種PLA樹脂を単独で又は2種以上混合して製造することができる。
【0045】
一方、PLA樹脂は、上述したように、乳酸又はラクチドを重合させて製造することができ、必要に応じては、乳酸又はラクチドと、エチレングリコール又はプロピレングリコールなどのグリコール化合物、エタン二酸又はテレフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸又は2―ヒドロキシベンゾ酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン又はプロピオラクトンなどのラクトン類などの適切な共重合成分とをさらに共重合することもできる。
【0046】
併せて、本発明では、PLA樹脂に合成樹脂などのその他樹脂を混合したブレンド形態で使用することができ、PLA樹脂を加工するために、次のような可塑剤を使用することを特徴とする。
【0047】
まず、非フタレート系可塑剤は、PLA樹脂を軟化して熱可塑性を増大させることによって、高温での成形加工を容易にする。本発明の一実施例では、非フタレート系可塑剤として非フタレート系可塑剤を使用することができ、特にATBC(Acetyl tributyl citrate)を用いることが望ましい。
【0048】
ここで、非フタレート系可塑剤がPLA樹脂100重量部に対して基準値未満で添加される場合、PLA樹脂の硬度が高くなり、加工性が低下するおそれがあり、非フタレート系可塑剤の添加量が各層で定められた範囲を超えると、前記各層を形成する他の成分との相溶性の低下によって加工性などの物性が劣化するおそれがある。
【0049】
その次に、加工助剤として、アクリル系共重合体を用いることができる。
【0050】
アクリル系共重合体は、溶融押出時に、自体としては溶融強度又は耐熱性が良くないPLA樹脂の強度を補強し、加工性を確保する役割をする。また、アクリル系共重合体は、実験結果、PLA樹脂のカレンダリング、プレス加工時などにも有用に適用することができた。
【0051】
このようなアクリル系共重合体の含量がPLA樹脂100重量部に対して基準値未満である場合、PLA樹脂の溶融効率及び溶融強度の向上が不十分であり、アクリル系共重合体の含量が基準値を超える場合、床材を構成する各層の製造費用が上昇し、各層を構成する他の物質との相溶性問題などで各層の全体的な物性が低下するおそれがある。
【0052】
前記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特別に制限されることはないが、加工時の溶融強度などの改善及び他の物質との相溶性などを考慮するとき、80万〜600万であることが望ましい。
【0053】
その次に、前記PLA樹脂には、溶融押出などで沈積物や架橋物が蓄積されることを防止するために活剤をさらに含ませることができる。
【0054】
活剤は、本発明の樹脂組成物の成形時にカレンダーローラーなどの金属設備の表面を潤滑させて流動性を改善し、金属設備と樹脂の粘着を防止し、スリップ性を向上させ、溶融粘度を調節し、成形加工性、特に、カレンダリング成形加工性を極大化することができる。
【0055】
このような活剤には多様な種類があるが、本発明の各実施例では、環境にやさしい活剤に該当する高級脂肪酸を利用し、具体的には、炭素数18の飽和高級脂肪酸であるステアリン酸又は高級脂肪酸を使用し、これらを単独で又は2種以上混用して使用することができる。
【0056】
PLA樹脂で活剤の使用量がPLA樹脂100重量部に対して基準値未満であると、活剤使用効果を得ることができなく、活剤の使用量がPLA樹脂100重量部に対して基準値を超えると、PLA樹脂の耐衝撃性、耐熱性、光沢度などを劣化させるという問題がある。
【0057】
また、PLA樹脂の加水分解を通して耐衝撃性などの機械的物性が低下することを防止するために、前記PLA樹脂には耐加水分解剤をさらに添加することができる。耐加水分解剤としては、カルボジイミド又はオキサゾリンを用いることができる。
【0058】
このような耐加水分解剤は、PLA樹脂100重量部に対して基準値を超える場合、成形加工性が低下するおそれがある。
【0059】
以上説明したように、本発明で、カレンダリング工法を適用してPLA表紙材を製造する方法は特別に制限されない。例えば、上述した各原料を混合して樹脂組成物を製造する段階と、混合された原料を適切な条件で加熱及び加圧して均一にゲル化する混練段階と、最終表紙材の形状にカレンダリング成形する段階とを経て製造することができる。
【0060】
このとき、前記原料の混合及び混練工程は、例えば、液状又は粉末状の原料をスーパーミキサー、押出機、混練機、2本又は3本ロールなどを使用して行うことができる。また、原料の混合及び混練工程では、より効率的な混合のために、配合された原料をバンバリーミキサーなどを使用して120〜200℃程度の温度で混練し、混練された原料を120〜200℃程度の温度で2本ロールなどを使用して1次及び2次ミキシングを行う方式のように、前記混合及び混練工程を多段階で繰り返して行うこともできる。
【0061】
一方、前記のように混合された原料をカレンダリング工法に適用して前記各層などを製造する方法にも特別に制限がなく、例えば、逆L型4本ロールカレンダーなどの通常の装置を使用して製造することができる。
【0062】
また、前記カレンダリング加工条件は、使用される樹脂組成物の組成などを考慮して適宜選択することができ、約120〜200℃程度の加工温度の範囲内でカレンダリング加工を実施することができる。
【0063】
本発明に係るボード複合材は、前記のような基本構成に基づいて多様な実施例を示すことができ、以下では、その具体的な一例を説明する。
【0064】
図2は、本発明の第2の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材200を示したもので、図3は、本発明の第3の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材300を示した断面図である。
【0065】
図2は、印刷が付与された印刷可能層220とボード240との間に非発泡層230を有することを示したもので、図3は、印刷が付与された印刷可能層320とボード340との間に発泡層330をさらに含むことを示したものでる。このとき、非発泡層230及び発泡層330にもPLA樹脂を含ませることができ、以下では、その具体的実施例を説明する。
【0066】
まず、透明層110、210、310は、共通的に前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜50重量部、加工助剤0.1〜20重量部を含む材質で形成することができる。
【0067】
このとき、透明層110、210、310は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部、及び耐加水分解剤10重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含んで形成することが望ましい。
【0068】
その次に、印刷可能層120、220、320は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部及び加工助剤0.1〜20重量部を含む材質で形成することができる。
【0069】
このとき、印刷可能層120、220、320は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)100重量部以下、及び二酸化チタン(TiO)50重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含んで形成することが望ましい。
【0070】
併せて、印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、ロータリースクリーン印刷、インクジェット印刷から選択された方法で行うことが望ましい。
【0071】
ここで、各含量に対する臨界的意義は、図1のPLA層製造法に従い、前記各範囲を逸脱する場合、成形加工性及び他の成分との結合力が低下するおそれがある。
【0072】
その次に、非発泡層230は、PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部、アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム300重量部以下、二酸化チタン5重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上を含む材質で形成することができる。
【0073】
その次に、発泡層は、上述した透明層、印刷可能層及び非発泡層の製造方法と同一に適用し、発泡剤を混合して形成することができる。
【0074】
しかし、前記のような各方法及び材質に常に制限されることはなく、PLA樹脂を含む加工方法による層材質は全て適用可能である。
【0075】
その一例としては、発泡層は、PLA樹脂100重量部に対して、加工助剤0.5重量部〜20重量部、可塑剤25重量部〜45重量部、及びフィラー(例えば、炭酸カルシウム)5重量部〜60重量部を含む樹脂組成物で製造することができ、この場合、前記樹脂組成物は発泡工程のための発布剤を適正量含むことができる。
【0076】
併せて、本発明に係る他の実施例として、上述した印刷可能層の代わりに、チップインレイド層又は印刷が付与されたチップインレイド層を形成することができ、以下では、その具体的な形態を説明する。
【0077】
図4は、本発明の第4の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材400の断面図で、図5は、本発明の第5の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材500の断面図で、図6は、本発明の第6の実施例に係るPLA表紙を有するボード複合材600の断面図である。
【0078】
まず、図4の実施例では、上から表面処理層405、チップインレイド層410、接着層415及びボード420の構成で使用可能な一例を見ることができる。
【0079】
次に、図5では、表面処理層505、チップインレイド層510、非発泡層520、接着層525及びボード530の構造で、チップインレイド層510と接着層525との間に非発泡層520が使用された例を見ることができる。そして、非発泡層520の上部に発泡層(図示せず)をさらに形成することもできる。
【0080】
その次に、図6では、表面処理層605、チップインレイド層610、発泡層620、接着層625及びボード630の構造で、接着層625の上部に発泡層640が使用された例を見ることができる。そして、発泡層620の上部に非発泡層(図示せず)をさらに形成することもできる。
【0081】
併せて、前記全ての場合において、チップインレイド層410、510、610は、印刷が付与されたチップインレイド層に取り替えることができる。
【0082】
また、非発泡層520の上部に寸法安定層をさらに追加することができ、発泡層620の下部には織布をさらに追加することができる。
【0083】
このとき、織布としては、T/C平織類又はメリヤス(knit)類を使用することができる。前記織布を作るのに使用される糸としては、100%純綿、ポリエステル、ポリエステルとナイロンの混紡などを使用することができる。
【0084】
以下では、まず、チップインレイド層410、510、610について説明する。
【0085】
本発明に係るチップインレイド層410、510、610は、自然なマーブルの外観を有するチップの形態を有して多様な形態に形成することができる。
【0086】
まず、チップインレイド層は、PLA樹脂と木粉などをシート状の成形体に加工し、粉砕してチップに製造した後、PLA樹脂などを含む原料に投入し、カレンダリング方式などでシート状の成形体に加工することによって製造することができる。
【0087】
また、チップインレイド層は、別途のチップを含むのではなく、木粉などをチップと仮定して、PLA樹脂と木粉などを含む原料をカレンダリング工法などでシート状の成形体に加工することによって製造することができ、床材の表面から見たとき、チップが内蔵されたように見える形態になり得る。
【0088】
また、チップインレイド層は、PLA樹脂と木粉などをシート状の成形体に加工し、粉砕してチップに製造した後、下側のガラス繊維含浸層130上に配列して圧延したり、別途のPLA樹脂で製造されたシート上に配列して圧延することによって製造することができる。
【0089】
このような形態を実現するための一例として、チップインレイド層410、510、610は、前記PLA樹脂に非フタレート系可塑剤としてATBC(Acetyl tributyl citrate)、加工助剤としてアクリル系共重合体及び耐加水分解剤のうち1種以上をさらに含むことができる。
【0090】
前記チップインレイド層110は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜100重量部、前記アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)500重量部以下、二酸化チタン(TiO)50重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上を含むことができる。
【0091】
ここで、前記アクリル系共重合体は、前記チップインレイド層110に、PLA樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の比率で使用することができる。
【0092】
前記活剤は、前記チップインレイド層110に、PLA樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部で使用することができる。
【0093】
前記耐加水分解剤は、前記チップインレイド層110に、PLA樹脂100重量部に対して10重量部以下の範囲内で添加することができる。
【0094】
ここで、前記炭酸カルシウム(CaCO)は、前記チップインレイド層に補強用無機系フィラーとして作用する。また、二酸化チタン(TiO)は、審美性付与などを目的とする白色顔料として添加することができ、天然木の質感及び木の固有の香りを付与するために、木粉及びもみ殻のうち1種以上、及び松脂をさらに含むことができる。
【0095】
このとき、木粉、もみ殻、松脂の場合、チップインレイド層に多く含まれるほど視覚的認知効果、天然木の質感、香り効果などをさらに付与できるが、前記範囲を超えて添加される場合、他の成分の結合力が低下し、PLA樹脂全体の加工性などが低下するおそれがある。
【0096】
併せて、図示していないが、チップインレイド層の上部にPLA樹脂が含まれる透明層又は印刷可能層をさらに形成することができ、非発泡層及び発泡層にもPLA樹脂を含ませることができる。
【0097】
また、上述した図1〜図6の実施例に示したPLA表紙を有するボード複合材の上部表面には耐スクラッチ性や耐磨耗性などの表面品質を向上させたり、耐汚染性を改善して掃除を容易にするための表面処理層を適用することができる。このとき、表面処理層は、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレートやワックスを含む材質で形成することができる。
【0098】
そして、印刷可能層又はチップインレイド層の下部には、ボード複合材の寸法安定性を補助するための寸法安定層をさらに含むことができる。
【0099】
本発明に係る寸法安定層は、PLA樹脂の寸法安定性を補完する役割をする。PLA樹脂を用いた床材の場合、暖房などによる温度変化で寸法が変化し、その結果、収縮によって床材間の連結部が広がる現象などが発生し得るが、前記寸法安定層は、このような寸法安定性を確保し、床材間の広がり現象などを防止できるようにする。
【0100】
前記のような本発明の寸法安定層は、ガラス繊維含浸構造を有する。すなわち、寸法安定層としては、アクリル樹脂にガラス繊維が含浸されている形態の材質が使用される。
【0101】
ここで、ガラス繊維は、30〜150g/mの面積当たりの単位質量を有することができる。ガラス繊維の単位面積当たりの質量が30g/m未満であると、寸法安定層の補強効果が不十分であり、ガラス繊維の単位面積当たりの質量が150g/mを超えると、前記チップインレイド層と前記寸法安定層との間の付着力が低下するという問題がある。
【0102】
また、寸法安定層は、使用目的や形態によって、アクリル樹脂に加えて、可塑剤としてATBC、粘度低下剤、原価節減のための無機質フィラーである炭酸カルシウム、白色顔料として二酸化チタンなどを単独で又は2種以上さらに含むことができる。
【0103】
このとき、ATBCの場合、前記アクリル樹脂100重量部に対して40〜150重量部で添加されることが望ましく、粘度低下剤の場合は30重量部以下、炭酸カルシウムの場合は150重量部以下、二酸化チタンの場合は20重量部以下で添加されることが望ましい。
【0104】
ATBCの場合、アクリル樹脂100重量部に対して40重量部未満で添加されると、前記寸法安定層の硬度が高くなり、加工性が低下するおそれがあり、その反対に150重量部を超えると、他の成分との相溶性問題によって寸法安定性を阻害するおそれがある。
【0105】
粘度低下剤の場合、アクリル樹脂100重量部に対して30重量部を超えて添加すると、過度な粘度低下によって成形性が低下するおそれがある。炭酸カルシウム、二酸化チタンの場合、前記範囲を超えて添加されると、他の成分との接着力が低下し、加工性が低下するおそれがある。
【0106】
以上の結果を総合すると、各層の厚さの範囲は次のように設定することが望ましい。特に、接着層の厚さは0.01〜0.5mmにし、透明層の厚さは0.1〜1mmにし、印刷可能層の厚さは0.05〜0.5mmにし、インレイド層の厚さは0.3〜3.0mmにし、非発泡層の厚さは0.2〜2.0mmにし、発泡層の厚さは0.5〜20.0mmにし、前記寸法安定層の厚さは0.1〜1.0mmにし、前記表面処理層の厚さは0.01〜0.1mmにすることが望ましい。
【0107】
前記各層の規定範囲未満に形成される場合、複合材の厚さが過度に薄くなるので、所望の特性を得ることができなく、前記最高範囲を超えると、複合材の厚さが厚くなるので、その機能を正常に行えなくなる。
【0108】
以下では、上述した各実施例に共通的に適用可能な透明層、印刷可能層、チップインレイド層、非発泡層及び発泡層に対する具体的な製造例について説明する。ただし、このような製造例は、本発明の一実施例として提示されたもので、これによって本発明が制限されることはない。したがって、ここに記載されていない内容は、この技術分野で熟練した者であれば十分に技術的に類推可能であるので、それについての説明は省略する。
【0109】
製造例
【0110】
透明層の製造
【0111】
PLA樹脂として2002D(Nature Works製造、溶融指数:3未満)100重量部、ATBC20重量部、アクリル共重合体10重量部、ステアリン酸5重量部、カルボジイミド5重量部を押出機を使用して1次混練し、バンバリーミキサーで140℃で混練した後、140℃の2本ロ−ルを使用して1次及び2次ミキシングを行った。その後、製造された原料に130℃の温度でカレンダリング加工を行い、厚さが約0.6mmのシートを製造した。
【0112】
印刷可能層の製造
【0113】
2002D100重量部、ATBC30重量部、アクリル共重合体10重量部、ステアリン酸5重量部、ジイソシアネート5重量部及びカルボジイミド5重量部、炭酸カルシウム50重量部、二酸化チタン20重量部を前記透明層の製造過程と同一の過程で加工し、厚さが0.2mmのシートを製造した。
【0114】
寸法安定層上に印刷可能層を150℃の温度で熱合板して印刷可能層―寸法安定層を形成した後、印刷可能層の表面にグラビア印刷を通してパターンを形成した。
【0115】
チップインレイド層の製造
【0116】
PLA樹脂として2002D(Nature Works製造)100重量部、ATBC40重量部、アクリル共重合体10重量部、ステアリン酸5重量部、カルボジイミド5重量部、木粉130重量部、もみ殻20重量部、炭酸カルシウム280重量部、二酸化チタン20重量部及び松脂10重量部で構成された厚さ2.8mm程度のシートを製造した。
【0117】
非発泡層の製造
【0118】
2002D100重量部、ATBC20重量部、アクリル共重合体10重量部、ステアリン酸5重量部、カルボジイミド5重量部、炭酸カルシウム150重量部、木粉130重量部、もみ殻30重量部、二酸化チタン2重量部及び松脂10重量部を押出機を使用して1次混練し、バンバリーミキサーで140℃で混練した後、140℃の2本ロールを使用して1次及び2次ミキシングを行った。その後、製造された原料に130℃の温度でカレンダリング加工を行い、厚さが1.4mmのシートを製造した。
【0119】
寸法安定層の製造
【0120】
アクリル樹脂100重量部、ATBC60重量部、粘度低下剤15重量部、炭酸カルシウム50重量部及び二酸化チタン5重量部を配合し、アクリル系ゾルを製造した。その後、ロールコーターを使用して製造されたアクリル系ゾルをガラス繊維(60g/m)に含浸処理した後、140℃の温度で3分間乾燥し、厚さ約0.6mmの寸法安定層を製造した。
【0121】
表面処理層の製造
【0122】
前記の製造されたチップインレイド層、ガラス繊維含浸層及び非発泡層―裏面繊維層をエンボスロールを用いて熱合板した後、チップインレイド層の表面にワックスを用いて厚さ約0.05mmの表面処理層を形成することによって最終的な表紙材を製造することができた。本実施例では、透明層、印刷可能層、チップインレイド層及び非発泡層がPLA樹脂を基盤として製造された。
【0123】
上述したように、本発明に係るPLA表紙を有するボード複合材は、表紙材を形成するにおいて、PLA樹脂(又はPLA樹脂とその他樹脂との混合樹脂)をバインダーとして用いることによって、既存のポリ塩化ビニルをバインダーとして用いた表紙材よりも環境にやさしく、印刷可能層、チップインレイド層、寸法安定層、非発泡層、発泡層、織布などを含み、遮音性能、緩衝性能及び断熱特性などを確保する建築材として多様に活用できるという長所がある。
【0124】
以上では、本発明の各実施例を中心に説明したが、これは、例示的なものに過ぎなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する技術者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するだろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、以下で記載される特許請求の範囲によって判断しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PLA(poly lactic acid)樹脂を含む少なくとも一つの層を含む表紙材と、
前記表紙材の下部に形成される接着層及びボードと、
前記表紙材の上部に形成される表面処理層と、を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項2】
前記ボードは、中質繊維板(Medium Density Fibreboard;MDF)、合板、無石綿繊維強化セメントボード、マグネシウムボード、集成材、高密度繊維強化ボード(High density fiberboard;HDF)、パーティクルボード(Particle Board;PB)、セラミックタイル、磁器タイル、セラミックボード及びクリック締結材から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項3】
前記表紙材は、透明層、印刷が付与された印刷可能層、チップインレイド層、非発泡層及び発泡層から選択される一つ以上の層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項4】
前記表面処理層は、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレートやワックスであることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項5】
前記表紙材は、前記印刷可能層の下部又は前記チップインレイド層の下部に寸法安定層をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項6】
前記寸法安定層は、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びPLA樹脂から選択される1種以上の樹脂を含み、前記樹脂にガラス繊維が含浸されていることを特徴とする、請求項5に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項7】
前記ガラス繊維は30〜150g/mの面積当たりの単位質量を有することを特徴とする、請求項6に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項8】
前記寸法安定層は、前記樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤40〜150重量部、粘度低下剤30重量部以下、炭酸カルシウム150重量部以下、及び二酸化チタン20重量部以下のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項9】
前記透明層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜50重量部、加工助剤0.1〜20重量部を含むことを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項10】
前記透明層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部及び耐加水分解剤10重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項11】
前記印刷可能層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部及び加工助剤0.1〜20重量部を含むことを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項12】
前記印刷可能層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、活剤として高級脂肪酸0.01〜10重量部、鎖延長剤0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)100重量部以下、及び二酸化チタン(TiO)50重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項13】
前記チップインレイド層は、前記PLA樹脂に加えて、非フタレート系可塑剤、加工助剤としてアクリル系共重合体及び耐加水分解剤のうち1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項14】
前記アクリル系共重合体は、重量平均分子量(Mw)が80万〜600万であることを特徴とする、請求項13に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項15】
前記耐加水分解剤は、カルボジイミド、オキサゾリンであることを特徴とする、請求項13に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項16】
前記チップインレイド層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜100重量部、前記アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム(CaCO)500重量部以下、二酸化チタン(TiO)50重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項17】
前記非発泡層は、前記PLA樹脂100重量部に対して、非フタレート系可塑剤5〜60重量部、前記アクリル系共重合体0.1〜20重量部、活剤としてステアリン酸及び高級脂肪酸のうち1種以上0.01〜10重量部、耐加水分解剤10重量部以下、木粉及びもみ殻のうち1種以上200重量部以下、炭酸カルシウム300重量部以下、二酸化チタン5重量部以下、及び松脂20重量部以下の組成物のうち一つ以上を含むことを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項18】
前記ボードには、さねはぎ加工が行われていることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項19】
前記接着層は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項20】
前記接着層の厚さは0.01〜0.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項21】
前記印刷が付与される位置は印刷可能層の上部であることを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項22】
前記印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、ロータリースクリーン印刷、インクジェット印刷であることを特徴とする、請求項21に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項23】
前記透明層の厚さは0.1〜1mmであることを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項24】
前記印刷可能層の厚さは0.05〜0.5mmであることを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項25】
前記チップインレイド層の厚さは0.3〜3.0mmであることを特徴とする、請求項5に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項26】
前記非発泡層の厚さは0.2〜2.0mmであることを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項27】
前記発泡層の厚さは0.5〜20.0mmであることを特徴とする、請求項3に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項28】
前記寸法安定層の厚さは0.1〜1.0mmであることを特徴とする、請求項5に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項29】
前記表面処理層の厚さは0.01〜0.1mmであることを特徴とする、請求項1に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項30】
PLA(poly lactic acid)樹脂を含む少なくとも一つの層を含む表紙材と、
前記表紙材の下部に形成されるボードと、を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項31】
上から表面処理層、透明層、印刷が付与された印刷可能層、接着層及びボードを含み、
前記透明層又は印刷可能層のうち少なくとも一つは、バインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項32】
前記印刷可能層の下部には寸法安定層をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項33】
上から表面処理層、透明層、印刷が付与された寸法安定層、接着層及びボードを含み、前記透明層又は印刷可能層のうち少なくとも一つはバインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項34】
前記接着層の上部に形成される非発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項31〜請求項33のうちいずれか1項に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項35】
前記接着層と非発泡層との間には発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項34に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項36】
前記接着層の上部には発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項31〜請求項33のうちいずれか1項に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項37】
前記接着層と前記発泡層との間には非発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項36に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項38】
上から表面処理層、チップインレイド層、接着層及びボードを含み、前記チップインレイド層はバインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項39】
上から表面処理層、印刷が付与されたチップインレイド層、接着層及びボードを含み、前記チップインレイド層はバインダーとしてPLA樹脂を含むことを特徴とするPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項40】
前記チップインレイド層の下部には発泡層、非発泡層、寸法安定層、織布のうち1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項38又は請求項39に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項41】
前記非発泡層の上部に前記発泡層が形成されることを特徴とする、請求項40に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項42】
前記チップインレイド層の下部には寸法安定層をさらに含むことを特徴とする、請求項38又は請求項39に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項43】
前記寸法安定層の上部には非発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項44】
前記チップインレイド層の下部には非発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項38又は請求項39に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項45】
前記チップインレイド層の下部には発泡層をさらに含むことを特徴とする、請求項38又は請求項39に記載のPLA表紙を有するボード複合材。
【請求項46】
前記接着層の上部には織布をさらに含むことを特徴とする、請求項38又は請求項39に記載のPLA表紙を有するボード複合材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−514915(P2013−514915A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545873(P2012−545873)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【国際出願番号】PCT/KR2011/002191
【国際公開番号】WO2011/122855
【国際公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(509286787)エルジー・ハウシス・リミテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
【住所又は居所原語表記】One IFC Building,10 Gukjegeumyung−ro,Yeongdeungpo−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】