説明

PONシステム及び端末装置の登録方法

【課題】 PONシステムに加入しようとする端末装置を迅速かつ確実に登録する。
【解決手段】 光ファイバ5,7〜9を介して局側装置1と接続された複数の端末装置2〜4から上り方向へ複数種類の伝送レート(L,M,H)で通信が行われるPONシステムにおいて、未登録の端末装置を局側装置1に認識させるためのディスカバリ期間内に、当該端末装置は1種類の伝送レート(L)でディスカバリ応答をする。これにより、局側装置1は受信機能を当該伝送レート(L)に対応させてディスカバリ応答を待つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局側装置と複数の端末装置とを光ファイバ網で結ぶPON(Passive Optical Network)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PONシステムは、集約局としての局側装置と、複数の加入者宅に設置された端末装置とを、1本の光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐する光ファイバ網によって、接続したものである(例えば、特許文献1,2参照。)。端末装置から局側装置への上りバースト通信は、信号の衝突を防止すべく、局側装置によって時分割で管理されている。
【0003】
当初、かかる上りバースト通信は一定の伝送レートで考えられていたが、今後伝送レートの段階的な高速化が予想される。しかし、高速な伝送レートのサービス提供が開始されても、すべての加入者がそれを同時に希望する訳ではないので、上り方向通信に関して、既存の伝送レートと、それを超える高速な伝送レートとが、1つのPONシステム内で共存するマルチレートPONシステムとなる(例えば特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−64749号公報(図4)
【特許文献2】特開2004−289780号公報(図31)
【特許文献3】特開平8−8954号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなマルチレートPONシステムにおいて、PONシステムに登録されている(すなわち稼働中の)端末装置に関しては、局側装置が時分割で上り方向通信を管理している。しかしながら、例えば電源オフの状態から電源オンによってPONシステムに加入しようとする端末装置は、その時点ではまだ局側装置に認識されていないので、上り方向通信を行う機会が無い。そこで、周期的に、規格に基づくディスカバリプロセスと呼ばれる登録受付処理が行われる。
【0006】
しかし、その場合でも、加入しようとする端末装置はまだ局側装置の管理下にはないので、どの伝送レートで登録要求の信号が送信されてくるか全く不明である。従って、局側装置が登録要求の信号受信に必ず成功するとは限らず、また、成功したとしても同期確立に時間がかかる。すなわち、PONシステムに加入しようとする端末装置を迅速かつ確実に登録することができない。
【0007】
かかる問題点に鑑み、本発明は、PONシステムに加入しようとする端末装置を迅速かつ確実に登録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光ファイバを介して局側装置と接続された複数の端末装置から上り方向へ複数種類の伝送レートで通信が行われるPONシステムにおいて、未登録の端末装置を前記局側装置に認識させるためのディスカバリ期間内に、当該端末装置は、前記複数種類の伝送レートのうち、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答をすることを特徴とする。
上記のように構成されたPONシステムでは、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答が行われるので、局側装置は受信機能を所定の伝送レートに絞り込んでディスカバリ応答を待つことができる。
【0009】
また、上記PONシステムにおいて、所定の伝送レートが1種類であり、未登録の端末装置はディスカバリ期間内において当該伝送レートを使用して、ディスカバリ応答をすることが好ましい。
この場合、1種類の伝送レートでディスカバリ応答が行われるので、局側装置は受信機能を当該伝送レートに対応させてディスカバリ応答を待つことができる。従って、未登録の端末装置からのディスカバリ応答を、迅速かつ確実に受信することができる。
【0010】
また、上位PONシステムにおいて、所定の伝送レートは、局側装置が指定するようにすることができる。
この場合、時期によって伝送レートを切り替えることができる。例えば、伝送レートがLであるAタイプの端末装置と、通常の伝送レートがM(>L)、ディスカバリ応答用の伝送レートがLであるBタイプの端末装置とが混在する時期においては、所定の伝送レートとしてはLを指定すればよい。その後、端末装置の取り替えが行われて、Aタイプの端末装置がなくなって、Bタイプの端末装置のみになったら、所定の伝送レートとしてMを指定する。このように、PONシステムを運用しながら、端末装置の世代交代に応じて、ディスカバリに用いる伝送レートを上げて、伝送効率を高めることができる。
【0011】
また、上記PONシステムにおいて、局側装置は、ディスカバリ期間を、複数種類の伝送レート毎に異なる時期に設定して、ディスカバリ応答をすべき伝送レートを指定し、未登録の端末装置は自己の使用する伝送レートに対応したディスカバリ期間内においてディスカバリ応答をするように構成してもよい。
この場合、1つのディスカバリ期間には1種類の伝送レートでディスカバリ応答が行われるので、局側装置は受信機能を当該伝送レートに対応させてディスカバリ応答を待つことができる。従って、未登録の端末装置からのディスカバリ応答を、迅速かつ確実に受信することができる。また、各端末装置は複数の伝送レートで送信する能力を備える必要がなくなるので、端末装置が簡素化され、コスト低減に寄与する。
【0012】
また、上記PONシステムにおいて、局側装置は、端末装置への下り方向通信において、伝送レートと1対1に対応する複数種類の波長でディスカバリプロセス開始の信号を送信し、これを受信することができた未登録の端末装置が、自己の使用する伝送レートでディスカバリ応答をするように構成してもよい。
この場合、下り方向通信にてディスカバリプロセス開始の信号を送信する1波長に対して1種類の伝送レートでディスカバリ応答が行われるので、局側装置は受信機能を当該伝送レートに対応させてディスカバリ応答を待つことができる。従って、未登録の端末装置からのディスカバリ応答を、迅速かつ確実に受信することができる。さらに、下り方向通信の波長多重化により、下り方向の通信容量を、下り1波長の場合と比較して増大させることができる。
【0013】
一方、本発明は、光ファイバを介して局側装置と接続された複数の端末装置から上り方向へ複数種類の伝送レートで通信が行われるPONシステムにおける端末装置の登録方法であって、未登録の端末装置を前記局側装置に認識させるためのディスカバリ期間を、前記局側装置に設定するとともに、これを前記端末装置に通知し、前記端末装置は、前記複数種類の伝送レートのうち、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答を行い、前記ディスカバリ期間にディスカバリ応答を行った端末装置を前記PONシステムに登録することを特徴とする。
上記のような端末装置の登録方法では、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答が行われるので、局側装置は受信機能を所定の伝送レートに絞り込んでディスカバリ応答を待つことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のPONシステム/端末装置の登録方法によれば、局側装置は受信機能を所定の伝送レートに絞り込んでディスカバリ応答を待つことができるので、全ての伝送レートの可能性がある場合と比べて、未登録の端末装置からのディスカバリ応答を、迅速かつ確実に受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるPONシステムの接続図である。
【図2】図1のPONシステムにおける局側装置について、その内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】図1のPONシステムにおける一の端末装置について、その内部構成の概略を示すブロック図である。
【図4】図1のPONシステムにおける他の端末装置について、その内部構成の概略を示すブロック図である。
【図5】局側装置と端末装置との間での動作を示すシーケンス図である。
【図6】端末装置に対する帯域割当てと、局側装置と端末装置との間での上り方向通信に関する送受信を示すシーケンス図である。
【図7】局側装置と未登録端末装置との間で行われるディスカバリプロセスを示す図である。
【図8】図1とは異なる構成のPONシステムの接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるPONシステムの接続図である。図において、局側装置1は、複数の端末装置2〜4に対する集約局として設置される。端末装置2〜4はそれぞれ、PONシステムの加入者宅に設置される。局側装置1に接続された1本の光ファイバ5から光カプラ6を介して複数の光ファイバ(支線)7〜9に分岐した構成を成す光ファイバ網(5〜9)が構成され、分岐した光ファイバ7〜9の終端にそれぞれ端末装置2〜4が接続されている。さらに、局側装置1は上位ネットワーク11と接続され、端末装置2〜4はそれぞれのユーザネットワーク12〜14と接続されている。
【0017】
なお、図1では3個の端末装置2〜4を示しているが、1つの光カプラ6から例えば32分岐して32個の端末装置を接続することが可能である。また、図1では光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラを縦列に複数段設けることにより、さらに多くの端末装置を局側装置1と接続することができる。
【0018】
図1において、各端末装置2〜4から局側装置1への上り方向には波長λ1でデータが送信される。逆に、局側装置1から端末装置2〜4への下り方向には波長λ2でデータが送信される。これらの波長λ1及びλ2は、IEEE規格802.3ah−2004のClause60に基づいて、以下の範囲の値とすることができる。
1260nm≦λ1≦1360nm
1480nm≦λ2≦1500nm
【0019】
また、端末装置2,3,4における上り方向通信の伝送レートはそれぞれ、L[Gbps]、M[Gbps]、H[Gbps]である。ここで、L,M,Hの値は、L<M<Hの関係にあり、例えば、L=1,M=2,H=10である。一方、局側装置1における下り方向通信の伝送レートはD[Gbps]1種類であり、Dの値は例えば1である。
なお、本例では端末装置を3台として、互いに異なる3種類の伝送レートとしたが、端末装置の台数及び異なる伝送レートの数は種々のパターンがあり得る。
【0020】
図2は、局側装置1について、その内部構成の概略を示すブロック図である。局側装置1内の各部(101〜115)は、図示のように接続されている。図において、上位ネットワーク11からのフレームは上位ネットワーク側受信部101により受信され、データ中継処理部103に送られる。データ中継処理部104は、PON側送信部105へフレームを渡し、これが、光送信部108で波長λ2、伝送レートD[Gbps]の光信号に変換され、合分波部110を介して、端末装置2〜4に送られる。
【0021】
一方、端末装置2〜4(図1)から上り方向に送信された光信号(波長λ1、伝送レートL/M/H[Gbps])は、合分波部110を通過して、光受信部109により受信される。光受信部109は、内部に、光電変換素子111及び増幅器112を備えている。光電変換素子111は、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等の半導体受光素子であり、受光量に応じた電気信号を出力する。増幅器112は、電気信号を増幅して出力する。増幅器112の出力信号はPON側受信部107に入力される。
【0022】
PON側受信部107は、内部に、クロック・データ再生部113、物理層符号化/復号化部114及び、フレーム再生部115を備えている。クロック・データ再生部113は、増幅器112から受けた電気信号に同期してタイミング成分(クロック)とデータとを再生する。物理層符号化/復号化部114は、再生されたデータに施されている符号を復号する。フレーム再生部115は、復号されたデータからフレームの境界を検出して例えば、イーサネット(登録商標)フレームを復元する。また、フレーム再生部115は、フレームのヘッダ部分を読みとることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、レポートフレーム等のメディアアクセス制御のための制御情報のフレームであるかを判定する。
【0023】
なお、制御情報の例として、IEEE規格802.3ah−2004のClause 64に記載のMPCP(Multi-point Control Protocol) PDU(Protocol Data Unit)を挙げることができる。局側装置1が端末装置2〜4に対して上り方向データの送出開始時刻および送出許可量を指示するため制御情報であるグラントや、端末装置2〜4が局側装置1に対して上り方向データの蓄積量に関する値を通知するための制御情報であるレポートは、このMPCP PDUの一種である。
【0024】
上記判定の結果、データフレームであれば、フレーム再生部115はこれをデータ中継処理部103に送る。データ中継処理部103は、データフレームのヘッダ情報の変更や上位ネットワーク側送信部102に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームは上位ネットワーク側送信部102から上位ネットワーク11へ送出される。また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、フレーム再生部115はこれを制御信号処理部104に送る。制御信号処理部104はこのレポートに基づいて、制御情報としてのグラントフレームを生成し、これが、PON側送信部105及び光送信部108から合分波部110を介して、波長λ2、伝送レートD[Gbps]で、下り方向に送信される。
【0025】
上記グラントは、次受信バースト判定部106にも送られる。この次受信バースト判定部106は、端末装置2〜4が使用する伝送レートを記憶し、グラントに基づいて、次にバースト信号を受信する時期及びその伝送レートを特定する。そして、特定された伝送レートは、光受信部109及びPON側受信部107に通知される。光受信部109及びPON側受信部107は、その時期に合わせて、受信機能を、特定された伝送レートに対応させることができる。
【0026】
具体的には、光受信部109における光電変換素子111の増倍率、増幅器112のゲイン、PON側受信部107における量子化判定閾値、クロック・データ再生部113におけるロック許容範囲、参照クロックの周波数等、バースト受信に関する回路パラメータを切り替えることにより、所定の伝送レートに対応させることができるように構成されている。例えば、端末装置2〜4が同一の線路条件で接続されており(必要な光のパワーバジェットが同じであり)、同じビット誤り率の伝送品質を満足させなければならないような場合において、端末装置2,3と比較して伝送レートが高い端末装置4から受信するとき、光受信部109のゲインを下げ、帯域を拡げる。
【0027】
また、例えば、端末装置2,4がそれぞれ1.25Gbps,10.3125Gbpsで上り方向にバースト通信する場合、クロック・データ再生部113に対して予め、次のバーストの伝送レートがそれぞれ1Gbps,10Gbpsであると通知されていれば、後は端数分を合わせるだけでよいので、短い時間で確実に、クロック・データ再生部113の同期を確立することができる。さらにまた、1.25Gbps及び10.3125Gbpsに対してそれぞれ8B/10B符号及び64B/66B符号で物理層符号化/復号化を行うことが前提となっている場合、次のバーストに対して使用すべき復号化回路を簡単かつ確実に選択することができる。
【0028】
図3は、端末装置2について、その内部構成の概略を示すブロック図であり、端末装置2内の各部(201〜209)は、図示のように接続されている。図3において、局側装置1(図1)から下り方向に送信されて来る光信号は、合分波部201を通過して、光受信部202により電気信号に変換され、さらに、この電気信号はPON側受信部204により受信される。
【0029】
PON側受信部204は、受信したフレームのヘッダ部分(プリアンブル部分を含む)を読みとることにより、当該フレームが自己宛(ここでは、自己又は自己の配下のユーザネットワーク12内の装置宛を意味する。)であるか否かを判定する。判定の結果、自己宛であれば、当該フレームを取り込み、そうでなければ、当該フレームを廃棄する。例えば、上記の宛先判定を行うためのヘッダ情報の例として、IEEE規格802.3ah−2004に記載の論理リンク識別子(LLID)を挙げることができる。
【0030】
さらに、PON側受信部204は、フレームのヘッダ部分を読みとることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、グラントフレームであるかを判定する。判定の結果、データフレームであれば、PON側受信部204はこれをデータ中継処理部207に送る。データ中継処理部207は、ユーザネットワーク側送信部208に対する送信制御等の所定の中継処理を行い、処理後のフレームはユーザネットワーク側送信部208からユーザネットワーク12へ送出される。
【0031】
また、上記判定の結果、フレームがグラントフレームであれば、PON側受信部204はこれを制御信号処理部206に転送する。制御信号処理部206は、グラントフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
【0032】
一方、ユーザネットワーク12からのフレームはユーザネットワーク側受信部209により受信され、データ中継処理部207に転送される。転送されたフレームはデータ中継処理部207内のバッファメモリに一旦蓄積され、また、そのデータ量が制御信号処理部206に通知される。制御信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成してPON側送信部205に出力させる。PON側送信部203の出力は光送信部203で光信号に変換され、波長λ1、伝送レートL[Gbps]の信号として、合分波部201を介して上り方向に送信される。
【0033】
図4は、端末装置4(伝送レートH[Gbps])について、その内部構成の概略を示すブロック図であり、端末装置4内の各部(401〜411)は、図示のように接続されている。このうち401〜409は、図3における201〜209に相当する回路要素であり、同様の機能を有する。図3との違いは、制御信号処理部406と光受信部403との間に登録要求送信部411を設けた点と、PON側送信部405と登録要求送信部411とを、送信部切替判定部410によって切り替えることができるようにした点、及び、この送信部切替判定部410は制御信号処理部406の指令を受けて送信部切替を行うようにした点である。
【0034】
通常、送信部としては、PON側送信部405が動作するようになっている。なお、PON側送信部405が動作する場合の端末装置14は、実質的に端末装置12と同様である。
また、端末装置3についても見かけ上の構成は図4と同様である。但し、前述のように、端末装置3の伝送レートはM[Gbps]であり、端末装置4とは異なる。
【0035】
次に、上記のように構成されたPONシステムにおける動作手順について、図5のシーケンス図を参照して説明する。なお、このシーケンス図は、局側装置1と端末装置2との間での動作についてのものであるが、他の端末装置3,4についても同様である。
【0036】
図5において、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で端末装置2に関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。時刻Ta1において、局側装置1は送出要求量を通知させるために、端末装置2に対してレポート送出開始時刻Tb2を含んだグラント(グラントフレーム)G1を送信する。このレポート送出開始時刻Tb2は、他の端末装置3,4から送信されるレポートと衝突しないように計算される。
【0037】
端末装置2は、自身に対するグラントG1を受信すると、データ中継処理部207のバッファメモリに蓄積されたデータ量を参照して送出要求量を算出し、グラントG1に含まれるレポート送出開始時刻Tb2に、局側装置1に対して送出要求量を含んだレポート(レポートフレーム)R1を送出する。
【0038】
局側装置1はレポートR1を受信すると、固定または可変の最大送出許可量以下となり、かつ、レポートR1に含まれるバッファメモリ内データ量のデータをなるべく多く送れるような値を演算し、演算結果を送出許可量としてグラントG2に挿入する。レポートR1に含まれる送出要求量がゼロの場合には、局側装置1による演算結果がゼロとなるため帯域が割当てられないが、端末装置2にレポートR2を送出させる必要があるので、局側装置1は端末装置2に対して必ずグラントG2を送出する。
【0039】
グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4は、演算済みである前回の端末装置データの受信予定時刻、前回の端末装置2の送出許可量、現在の端末装置2に関するRTT及び固定時間であるガードタイムを用い、データ及びレポートが他の端末装置3,4からのデータまたはレポートと衝突しないように計算される。なお、局側装置1は、送出許可量及び送出開始時刻Tb4を含むグラントG2を送出する時刻Ta3を、送出開始時刻Tb4までにグラントG2が端末装置2に到着するように計算する。
【0040】
端末装置2は、自身に対するグラントG2を受信すると、グラントG2に含まれる送出開始時刻Tb4に、送出許可量分のデータDを、次回の送出要求量を含んだレポートR2とともに局側装置1に送出する。このレポートR2はデータDの直前または直後に送出されるが、データDの直前に送出される場合には、送出要求量として局側装置1に報告する値は、バッファメモリに蓄積されているデータ量とデータDのデータ量との差分である。
【0041】
局側装置1は、データD及びレポートR2を受信すると、データDを上位ネットワーク11に送出し、レポートR2についてはレポートR1に対する処理と同様の処理を行なう。以上説明したシーケンス処理は、全ての端末装置2〜4に対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰返される。
【0042】
図6は、端末装置2〜4に対する帯域割当てと、局側装置1と端末装置2〜4との間での上り方向通信に関する送受信を示すシーケンス図であり、分散割当方式の一例を示している。図の左側から右側へ時間が進行するとして、局側装置1を主体として見たシステムの動作について説明する。
【0043】
まず、局側装置1は、端末装置4,3,2に対してそれぞれ、グラントG41,G31,G21を順次送出する。そして局側装置1は、端末装置4,3,2からレポートR41,R31,R21を受信すると、最初にデータの送出を許可する端末装置4に対するグラントG42を送出する。
【0044】
局側装置1は、端末装置4から送出されるデータD41及び次のレポートR42を受信するとともに、これと並行して端末装置3に対するグラントG32を送出する。局側装置1は、端末装置3から送出されるデータD31及び次のレポートR32を受信するとともに、これと並行して端末装置2に対するグラントG22を送出する。また、続いて、端末装置4に対するグラントG43も送出する。
【0045】
局側装置1は、端末装置2から送出されるデータD21及び次のレポートR22を受信する。また、局側装置1は、端末装置4から送出されるデータD42及び次のレポートR43を受信するとともに、これと並行して端末装置3に対するグラントG33を送出する。さらに、局側装置1は、端末装置3から送出されるデータD32及び次のレポートR33を受信するとともに、これと並行して端末装置2に対するグラントG23を送出する。ここで、端末装置2から送出されるデータがなければ、局側装置1は、次のレポートR23のみを受信する。これ以降、同様の処理が繰返され、局側装置1は、順次端末装置2〜4に対して帯域を割当てて、データの受信を繰返す。
【0046】
図6に示すシーケンスによれば、ユーザネットワーク12〜14(図1)から送出されたデータが、対応する端末装置2〜4に到着し、そこから送出されるまでの待ち時間は、端末装置2〜4がレポートを送出してから、そのレポートに対応したデータを送出するまでの時間に依存する。すなわち、全ての端末装置2〜4からの送出データ量によって変化する。
【0047】
例えば、端末装置2〜4からのレポートによる送出要求量を全て許可すると、レポートの送出からデータの送出までの待ち時間が大幅に増加し、リアルタイム処理が要求されるサービスに影響を及ぼすだけでなく、TCP(Transmission Control Protocol)スループットにも大きく影響を及ぼすことになる。従って、端末装置内のバッファにおける待ち時間を、許容される時間内に抑えられるように、局側装置1は端末装置2〜4からの送出データ量を制御する必要がある。
【0048】
上記シーケンス(図6)において、例えば端末装置4にグラントG42が送出されたとき、図2の制御信号処理部104から次受信バースト判定部106にも同じグラントG42の情報が送られる。このグラントG42に基づいて、次受信バースト判定部106は、レポートR42を受信する前のバースト間ギャップの期間に、次に受信するバースト(レポートR42+データD41)の伝送レートH(10Gbps)を、光受信部109及びPON側受信部107に通知する。通知を受けた光受信部109及びPON側受信部107は、受信機能を10Gbpsに対応させ、当該バーストを待つ。従って、当該バースト到来時に、伝送レートHに対応した受信態勢が整っており、極めて迅速に同期を確立することができる。
【0049】
同様に、端末装置3にグラントG32が送出されたとき、制御信号処理部104から次受信バースト判定部106にも同じグラントG32の情報が送られる。このグラントG32に基づいて、次受信バースト判定部106は、データD41とレポートR32との間のバースト間ギャップの期間に、次に受信するバースト(レポートR32+データD31)の伝送レートM(2Gbps)を、光受信部109及びPON側受信部107に通知する。通知を受けた光受信部109及びPON側受信部107は、受信機能を2Gbpsに対応させ、当該バーストを待つ。従って、当該バースト到来時に、伝送レートMに対応した受信態勢が整っており、極めて迅速に同期を確立することができる。以下同様にして、迅速な同期確立が可能となるので、上り方向通信の効率を高めることができる。
【0050】
以上のようにして、局側装置1は、端末装置2〜4に与えるグラントに基づいて、次に上り方向の信号を受信する時期及びその伝送レートの情報を、実際の受信前に得ることができる。また、その伝送レートに受信機能を対応させた状態で信号を受信すれば、迅速に同期を確立することができる。従って、簡単かつ迅速に、上り方向通信の伝送レートに同期を確立して、上り方向通信の効率を高めることができる。
【0051】
なお、以上の説明において、端末装置2〜4はPONシステムに既に加入しているものとしたが、実際には、局側装置1に認識されていない電源オフの状態から、電源オンにより局側装置1に認識され、PONシステムに加入する手順が存在する。この手順はディスカバリプロセスと呼ばれるものであり、IEEE規格802.3ah−2004のClause 64に規定されている。以下、このディスカバリプロセスに関して説明する。
【0052】
そもそも、局側装置1に認識される前の端末装置は、グラントを与えられる機会が無い。一方、全ての端末装置は、局側装置1から明示的にグラントが与えられない限り、上り方向通信を行うことができない。そこで、局側装置1は、電源オフ(未接続も含む。)から電源オンになり、PONシステムに加入しようとする端末装置(以下、未登録端末装置という。)を検出するためのディスカバリプロセスを周期的に実行し、未登録端末装置に応答の機会を与える。
【0053】
図7は、局側装置と未登録端末装置との間で行われるディスカバリプロセスを示す図である。図において、局側装置は時刻T1においてディスカバリプロセスを開始し、下り方向にディスカバリゲートメッセージをブロードキャストする。このディスカバリゲートメッセージには、これに対する応答が許されるディスカバリ期間の開始時刻と期間の長さの情報が含まれている。このディスカバリ期間は、ディスカバリウインドウと呼ばれ、例えば時刻T2からT4までの時間ΔTdとなる。
【0054】
ディスカバリゲートメッセージを受け取った未登録端末装置は、時刻T2(局側装置と同期している。)からランダム長の時間をもつランダム待ち時間ΔTwだけ待ち、時刻T3に、登録要求メッセージを局側装置に送信する。このランダム待ち時間ΔTwは、登録要求メッセージがディスカバリウインドウに収まる範囲内で、ランダムな値となる。従って、仮に、PONシステムに加入しようとする未登録端末装置が複数あった場合でも、複数の未登録端末装置からの登録要求メッセージが相互に衝突する確率を低下させることができる。
【0055】
登録要求メッセージには、その未登録端末装置の個体識別番号としてのMACアドレスが含まれている。登録要求メッセージの受信に成功した局側装置は、PONシステム上の論理的なリンク番号(LLID)を当該未登録端末装置に割り当て、MACアドレスとLLIDとを相互に関連付けて、PONシステムに登録する。次に、局側装置は、新たに登録した端末装置に対して、時刻T5において、登録メッセージを送信する。登録メッセージには、当該端末装置のLLIDと、局側装置が上り方向のバースト通信を受信する際に必要な同期時間の情報とが含まれている。
【0056】
その後、時刻T6において局側装置は、当該端末装置に対して上り方向通信を許可するグラント(グラントゲートメッセージ)を送信する。グラントを受信した未登録端末装置は、そのグラントを用いて時刻T7に登録アクノレッジを局側装置に送信し、これを局側装置が受信してディスカバリプロセスが終了となる。その後は、通常のPONシステムの通信が開始される。
【0057】
図1に示すPONシステムの構成において、例えば全ての端末装置2〜4について上記ディスカバリプロセスが行われるとすると、局側装置1は、端末装置2〜4からそれぞれ登録要求メッセージを受け取らなければならない。端末装置2〜4がPONシステムに加入した後の通常のPON通信では、前述のように、グラントに基づいて局側装置1の受信態勢を整える(受信機能を伝送レートに対応させる)ことができるが、未登録の段階ではこれができない。そこで、局側装置1は、以下のようにして、未登録端末装置からの上り方向通信(登録要求メッセージ)を受信する。
【0058】
《伝送レートの限定》
まず、伝送レートを限定して登録要求メッセージを受信する構成について説明する。これは、通常のPON通信における伝送レートが互いに異なる端末装置2〜4であっても、登録要求メッセージに関しては限定された所定の伝送レート(典型的にはL)を使用する、という考え方に基づく。
【0059】
この場合、伝送レートLの端末装置2は、通常のPON通信と同様に伝送レートLで登録要求メッセージを送信する。一方、図4に示す伝送レートHの端末装置4は、ディスカバリゲートメッセージを受け取ると、これを、制御信号処理部406から送信部切替判定部410に送る。これにより、送信部切替判定部410は、送信機能をPON側送信部405から登録要求送信部411に切り替える。そして、制御信号処理部406は、登録要求送信部411から伝送レートLで、登録要求メッセージを送信させる。
【0060】
従って、通常のPON通信では伝送レートHの端末装置4が、登録要求メッセージに関しては、伝送レートLで送信を行うことになる。なお、登録要求メッセージの送信後、送信部切替判定部410は、送信機能を登録要求送信部411からPON側送信部405に戻す。
同様に、通常のPON通信では伝送レートMの端末装置3が、登録要求メッセージ等に関しては、伝送レートLで送信を行う。
【0061】
この結果、未登録の端末装置2〜4から局側装置1に対してディスカバリウインドウの期間内に届く登録要求メッセージ(2又は3台同時に電源オンであれば同期間内にランダムに前後して届く。)は、全て伝送レートLで送られてくる。一方、局側装置1の次受信バースト判定部106は、ディスカバリゲートメッセージに対して、次に受信するバースト(登録要求メッセージ)の伝送レートLを、光受信部109及びPON側受信部107に通知する。通知を受けた光受信部109及びPON側受信部107は、受信機能を伝送レートLに対応させ、登録要求メッセージを待つ。
【0062】
従って、局側装置1では、登録要求メッセージ到来時に、その伝送レートLに対応した受信態勢が整っており、未登録の端末装置2〜4からの登録要求メッセージを迅速かつ確実に受信することができる。
なお、登録アクノレッジに関しては、通常のPON通信の場合と同様に、その前に端末装置2〜4に対して与えられるグラントに基づいて、局側装置1の受信機能を伝送レートに対応させることができる。
【0063】
なお、上記の例では端末装置2が図3の構成、端末装置4,3が図4の構成としたが、これに代えて、端末装置2,3が図3の構成で、端末装置4のみが図4の構成としてもよい。この場合、端末装置2は伝送レートL、端末装置3は伝送レートMで、それぞれ登録要求メッセージを送信する。また、端末装置4は上記と同様に送信部の切替により伝送レートL(但しMでもよい。)で登録要求メッセージを送信する。この結果、通常のPON通信では3種類ある伝送レートが、登録要求メッセージに関してはL,Mの2種類に限定される。この場合、局側装置1は、登録要求メッセージを実際に受け取ってから、伝送レートL又はMとの同期を確立することになるが、少なくとも通常のPON通信の伝送レートよりは種類を絞り込むことができるので、相対的には、登録要求メッセージを迅速かつ確実に受信することができる。また、いずれになるか不明な伝送レートの種類が減ることは、受信機能(光受信部109、PON側受信部107)の簡素化にも寄与する。
【0064】
なお、限定される所定の伝送レートについては、局側装置が指定することが好ましい。この場合、時期によって伝送レートを切り替えることができる。例えば、伝送レートがLであるAタイプの端末装置と、通常の伝送レートがM(>L)、ディスカバリ応答用の伝送レートがLであるBタイプの端末装置とが混在する時期においては、所定の伝送レートとしてはLを指定すればよい。その後、端末装置の取り替えが行われて、Aタイプの端末装置がなくなって、Bタイプの端末装置のみになったら、所定の伝送レートとしてMを指定する。このように、PONシステムを運用しながら、端末装置の世代交代に応じて、ディスカバリに用いる伝送レートを上げて、伝送効率を高めることができる。
【0065】
《ディスカバリゲートメッセージと伝送レートとの関連づけ》
次に、ディスカバリゲートメッセージと伝送レートとの関連づけにより、所定の伝送レートで登録要求メッセージを受信する構成について説明する。これは、ディスカバリゲートメッセージに伝送レートの指定機能を持たせれば、伝送レートごとに別々にディスカバリ応答を受信することができる、という考え方に基づく。
【0066】
具体的には、局側装置1は、端末装置2〜4に対してそれぞれ独自にディスカバリウインドウを設け、それらが互いに重ならないようにする。そして、これから開始するディスカバリウインドウが、どの上り伝送レートの端末装置を対象とするものであるかを示すために、局側装置1は、ディスカバリゲートメッセージ中に、応答すべき伝送レートの指定情報を格納する。そして、ディスカバリゲートメッセージを受信した端末装置は、ディスカバリゲートメッセージ中で指定されている伝送レートを、自己の上り伝送レートと比較し、一致する場合にのみ登録要求メッセージを送信する。一方、局側装置1は、受信機能をディスカバリゲートメッセージ中で指定した伝送レートに対応させ、登録要求メッセージを受信する。
【0067】
このように、ディスカバリウインドウを複数種類の伝送レート毎に異なる時期に設定して、ディスカバリ応答をすべき伝送レートを指定し、未登録の端末装置は自己の使用する伝送レートに対応したディスカバリウインドウにおいてディスカバリ応答をすることにより、各端末装置は複数の伝送レートで送信する能力を備える必要がなくなる。従って、図4の回路を使用せず、全ての端末装置に図3の構成を採用することができる。これにより、端末装置が簡素化され、コスト低減に寄与する。
【0068】
例えば、局側装置1は、ディスカバリゲートメッセージ中で伝送レートLを指定したとき、受信機能を伝送レートLに対応させ、登録要求メッセージを待つ。そして、ブロードキャストされたディスカバリゲートメッセージに対して、上り伝送レートLの端末装置2(未登録の場合)のみが、登録要求メッセージを送信する。他の伝送レートM,Hについても同様である。
【0069】
《下り方向通信の波長と伝送レートとの関連づけ》
次に、下り方向通信の波長と伝送レートとの関連づけにより、所定の伝送レートで登録要求メッセージを受信する構成について説明する。これは、下り方向通信の波長と端末装置の伝送レートとを1対1に対応させれば、伝送レートごとに別々にディスカバリ応答を受信することができる、という考え方に基づく。
【0070】
図8は、図1とは異なるPONシステムの接続図である。図1との違いは、局側装置1からの下り方向通信が2波長多重で行われる点と、端末装置3の上り伝送レートがLである点とである。すなわち、下り方向通信に関して、端末装置2,3に対しては波長λ2、端末装置4に対しては波長λ3が使用される。また、上り方向通信に関して、端末装置2,3は伝送レートL、端末装置4は伝送レートHを使用する。すなわち、波長λ2−伝送レートL、波長λ3−伝送レートH、という1対1の対応関係にある。
【0071】
局側装置1は、2種類の伝送レートL及びHについて、それぞれ独立のディスカバリウインドウを設け、かつ、それらが互いに重ならないようにする。そして、局側装置1は、ディスカバリゲートメッセージを波長λ2で送信するときは、受信機能を伝送レートLに対応させ、端末装置2,3(未登録である場合)からの登録要求メッセージを受信する。また、ディスカバリゲートメッセージを波長λ3で送信するときは、受信機能を伝送レートHに対応させ、端末装置4(未登録である場合)からの登録要求メッセージを受信する。
【0072】
このように、下り方向通信の波長と端末装置の伝送レートとを1対1に対応させれば、ディスカバリゲートメッセージに伝送レートの情報を格納する必要はなく、また、端末装置は自己の伝送レートが指定されたかどうかをチェックする必要もない。さらに、下り方向通信の波長多重化により、下り方向の通信容量を、下り1波長の場合と比較して増大させることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 局側装置
2〜4 端末装置
5,7〜9 光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを介して局側装置と接続された複数の端末装置から上り方向へ複数種類の伝送レートで通信が行われるPONシステムにおいて、
未登録の端末装置を前記局側装置に認識させるためのディスカバリ期間内に、当該端末装置は、前記複数種類の伝送レートのうち、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答をすることを特徴とするPONシステム。
【請求項2】
前記所定の伝送レートが1種類であり、未登録の端末装置は前記ディスカバリ期間内において当該伝送レートを使用して、ディスカバリ応答をする請求項1記載のPONシステム。
【請求項3】
前記所定の伝送レートは、前記局側装置が指定する請求項1又は2に記載のPONシステム。
【請求項4】
前記局側装置は、前記ディスカバリ期間を、複数種類の伝送レート毎に異なる時期に設定して、ディスカバリ応答をすべき伝送レートを指定し、未登録の端末装置は自己の使用する伝送レートに対応したディスカバリ期間内においてディスカバリ応答をする請求項1記載のPONシステム。
【請求項5】
前記局側装置は、前記端末装置への下り方向通信において、前記伝送レートと1対1に対応する複数種類の波長でディスカバリプロセス開始の信号を送信し、これを受信することができた未登録の端末装置が、自己の使用する伝送レートでディスカバリ応答をする請求項1記載のPONシステム。
【請求項6】
光ファイバを介して局側装置と接続された複数の端末装置から上り方向へ複数種類の伝送レートで通信が行われるPONシステムにおける端末装置の登録方法であって、
未登録の端末装置を前記局側装置に認識させるためのディスカバリ期間を、前記局側装置に設定するとともに、これを前記端末装置に通知し、
前記端末装置は、前記複数種類の伝送レートのうち、限定された所定の伝送レートでディスカバリ応答を行い、
前記ディスカバリ期間にディスカバリ応答を行った端末装置を前記PONシステムに登録する
ことを特徴とする端末装置の登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−100333(P2012−100333A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8976(P2012−8976)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【分割の表示】特願2010−2994(P2010−2994)の分割
【原出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】