説明

POSシステム

【課題】全く新たなポイントサービスを可能とするPOSシステムを提供する。
【解決手段】店舗内の商品毎の栄養分析結果が記憶されているデータベースをバックヤー
ド又は本部のコンピュータシステム内に配設し、店舗のレジスタで読込んだ顧客の購入商
品とデータベースに記憶されている商品毎の栄養分析結果とに基づいて顧客の購入商品の
栄養分析を行い、その分析された顧客の購入商品の栄養分析結果をレジスタで発行される
レシートに印刷することにより、一定期間内に計上されたポイントが所定ポイント以上の
顧客に対してのみ栄養分析を行うようにすれば、全く新しいポイントサービスを行うこと
ができる。また、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素とそ
れを補う店舗内の商品を求め、それらもあわせてレシートに印刷することにより、顧客の
興味をより一層高めることができると共に、販売促進効果も得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の売上データをバックヤード又は本部に通信すると共に、入力された売
上データに基づいてバックヤード又は本部の業務を稼働するPOSシステムに関するもの
である。
【背景技術】
【0002】
POSシステム(Point Of Sales system)は、店舗の売上データを入力するPOSハ
ードウエアとそのハードウエアを動かすソフトウエアと、バックヤード又は本部の発注・
仕入・棚卸・在庫・顧客管理及び売上分析などの業務を稼働するコンピュータシステムか
らなる。POSハードウエアは、一般の店舗の場合、レジスタと一体化されているものが
多い。
【0003】
ところで、このようなPOSシステムを用いた顧客確保戦術の一つにポイントサービス
がある。これは、顧客が購入した商品毎にポイントを計上し(通常は商品の代金に比例)
、例えば一定期間のポイントの合計値に応じて、商品購入の割引や特定のサービス或いは
商品との交換などの、所謂ポイント還元サービスを行うものである。このようなポイント
サービスは、通常は店舗毎に行うことが多いが、チェーン店や系列店の場合には、店舗に
かかわらず、同一チェーン店内又は同一系列店内で連携して行うこともある。
【0004】
このようなポイントサービスとして、下記特許文献1に記載されるPOSシステムでは
、ポイントで還元される商品(景品)を多様化し、顧客による目標設定の自由度を大きく
顧客の興味を高めようとするものがある。
【特許文献1】特開平8−235441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状のポイントサービスは、どの店舗でも似た内容であり、特別にポイ
ント還元率が高い場合などを除いて、顧客の興味が薄れつつある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、全く新たなポイントサ
ービスを可能とするPOSシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のPOSシステムは、レジスタで入力し
た店舗の売上をバックヤード又は本部に通信してコンピュータシステムによって在庫管理
などの業務を行うPOSシステムにおいて、バックヤード又は本部のコンピュータシステ
ム内に配設され且つ店舗内の商品毎の栄養分析結果が記憶されているデータベースと、レ
ジスタで読込んだ顧客の購入商品とデータベースに記憶されている商品毎の栄養分析結果
とに基づいて顧客の購入商品の栄養分析を行う栄養分析手段と、前記栄養分析手段で分析
された顧客の購入商品の栄養分析結果をレジスタで発行されるレシートに印刷する栄養分
析結果印刷手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
この発明1に係るPOSシステムによれば、店舗内の商品毎の栄養分析結果が記憶され
ているデータベースをバックヤード又は本部のコンピュータシステム内に配設し、店舗の
レジスタで読込んだ顧客の購入商品とデータベースに記憶されている商品毎の栄養分析結
果とに基づいて顧客の購入商品の栄養分析を行い、その分析された顧客の購入商品の栄養
分析結果をレジスタで発行されるレシートに印刷する構成としたため、一定期間内に計上
されたポイントが所定ポイント以上の顧客に対してのみ栄養分析を行うようにすれば、全
く新しいポイントサービスを行うことができる。
【0008】
[発明2]発明2のPOSシステムは、前記発明1のPOSシステムにおいて、前記栄
養分析手段は、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素を求め
、前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄養素をレシートに印刷することを特
徴とするものである。
この発明2に係るPOSシステムによれば、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行
って不足している栄養素を求め、その不足している栄養素をレシートに印刷する構成とし
たため、顧客の興味を高めることができる。
【0009】
[発明3]発明3のPOSシステムは、前記発明1のPOSシステムにおいて、前記栄
養分析手段は、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素とそれ
を補う店舗内の商品を求め、前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄養素とそ
れを補う店舗内の商品をレシートに印刷することを特徴とするものである。
この発明3に係るPOSシステムによれば、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行
って不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品を求め、その不足している栄養素とそ
れを補う店舗内の商品をレシートに印刷する構成としたため、顧客の興味をより一層高め
ることができると共に、販売促進効果も得られる。
【0010】
[発明4]発明4のPOSシステムは、前記発明1のPOSシステムにおいて、前記デ
ータベースは、入力された顧客の家族構成情報を記憶し、前記栄養分析手段は、データベ
ースに記憶されている家族構成情報と一定期間の顧客の購入商品とに基づいて栄養分析を
行って不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品を求め、前記栄養分析結果印刷手段
は、前記不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印刷することを特徴
とするものである。
【0011】
この発明4に係るPOSシステムによれば、データベースに記憶されている家族構成情
報と一定期間の顧客の購入商品とに基づいて援用分析を行って不足している栄養素とそれ
を補う店舗内の商品を求め、その不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシー
トに印刷する構成としたため、顧客の興味をより一層高めることができると共に、販売促
進効果も得られる。
【0012】
[発明5]発明5のPOSシステムは、前記発明3又は4のPOSシステムにおいて、
前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄養素を補う店舗内の商品用のクーポン
券を印刷するクーポン印刷手段を備えたことを特徴とするものである。
この発明5に係るPOSシステムによれば、不足している栄養素を補う店舗内の商品用
のクーポン券を印刷する構成としたため、顧客の興味をより一層高めることができると共
に、販売促進効果を高めることができる。
【0013】
[発明6]発明6のPOSシステムは、前記発明5のPOSシステムにおいて、前記店
舗内の商品とその栄養素を掲載した広告を発行する広告発行手段を備え、前記クーポン印
刷手段は、前記不足している栄養素を補う店舗内の商品が前記広告に掲載されている場合
に当該商品用のクーポン券を印刷することを特徴とするものである。
この発明6に係るPOSシステムによれば、店舗内の商品とその栄養素を掲載した広告
を発行すると共に、不足している栄養素を補う店舗内の商品が広告に掲載されている場合
に当該商品用のクーポン券を印刷する構成としたため、顧客の興味をより一層高めること
ができると共に、販売促進効果をより一層高めることができる。
【0014】
[発明7]発明7のPOSシステムは、前記発明1乃至6の何れかのPOSシステムに
おいて、前記栄養分析結果印刷手段は、前記栄養分析結果をカラーで印刷することを特徴
とするものである。
この発明7に係るPOSシステムによれば、栄養分析結果をカラーで印刷する構成とし
たため、顧客の興味をより一層高めることができる。
【0015】
[発明8]発明8のPOSシステムは、前記発明1乃至7の何れかのPOSシステムに
おいて、顧客の購入した商品のポイントを計上するものである場合、前記栄養分析手段は
、一定期間における計上ポイントが所定ポイント以上である顧客についてのみ、前記栄養
分析を行うことを特徴とするものである。
この発明8のPOSシステムによれば、顧客の購入した商品のポイントを計上するもの
である場合、一定期間における計上ポイントが所定ポイント以上である顧客についてのみ
、栄養分析を行う構成としたため、顧客の興味をより一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明のPOSシステムの一実施形態について、顧客の家族構成を加味して一定
期間における顧客の購入商品の栄養分析を行うと共に不足する栄養素を含む商品を求め、
その栄養分析結果と不足する栄養素を含む商品をレシートに印刷し、更にその不足する栄
養素を含む商品のクーポン券を発行する場合のPOSシステムを、図面を参照しながら説
明する。また、本実施形態では、顧客に新聞配売店経由で折り込み広告を発行したり、郵
便や電子メールで広告が掲載されたダイレクトメール(DM)を発行したりするようにな
っており、これらの広告に掲載される商品中に前記不足する栄養素を含む商品が含まれて
いる場合に限り、それらの商品のクーポン券を発行する。また、本実施形態では、顧客が
購入した商品のポイントを計上するようになっており、前述した栄養分析は、例えば一定
期間に計上されたポイントが所定ポイント以上である顧客に限って行う。
【0017】
図1は、本実施形態のPOSシステムの概略構成を示す。図中の符号Pは顧客を表す。
本実施形態のPOSシステムは、従来のPOSシステムと同様に、顧客Pが傘下又は加盟
各店舗A,B,C…で商品を購入することで機能するが、勿論、顧客Pは本発明の構成要
件ではない。このPOSシステムも、従来のPOSシステムと同様に、各店舗A,B,C
…の売上データなどを入力するPOSハードウエアとしてのレジスタ1と、バックヤード
又は本部の発注・仕入・棚卸・在庫・顧客管理及び売上分析などの業務を稼働するホスト
コンピュータ6からなる。このPOSシステムでは、顧客Pが各店舗A,B,C…の会員
に登録すると会員カードが発行され、会員登録した顧客は、例えば住所や家族構成、メー
ルアドレスなどの顧客情報がホストコンピュータ6のデータベース2に記憶される。そし
て、顧客Pが各店舗A,B,C…で商品を購入する毎に当該商品に応じたポイント(通常
は商品の代金に比例)がホストコンピュータ6のデータベース2に計上される。更に、一
定期間内に計上されたポイントが所定ポイント以上になると、その顧客Pを優待会員と見
なし、後述する栄養分析などの優待情報を提供する。なお、このPOSシステムは、戸建
ての店舗と本部との間に構築されていてもよいし、百貨店のように大型店舗内に共存する
店舗と当該百貨店に設けられたバックヤードとの間に構築されていてもよい。また、大型
スーパーマーケットなどの場合には、各レジスタを単独の店舗と見なし、当該大型スーパ
ーマーケットに設けられたバックヤードと各レジスタとの間にPOSシステムを構築して
もよい。
【0018】
図2には、POSハードウエアとしてのレジスタの一例を示す。このレジスタ1は、一
般的なPOSシステムに用いられているレジスタと同様であり、金銭の出納を行うための
引出11、商品に添付されているバーコード又は2次元コード(QRコード等)を読込む
固定スキャナ12及びハンディスキャナ13、商品の代金や諸元、会員カードの内容など
を店員が確認するための店員用表示部14、商品の代金や合計金額を顧客が確認するため
の顧客用表示部15、バーコード番号や商品の代金、訂正入力などを店員が入力するため
のキーボード16、会員カードやクレジットカードなどを読取るカードリーダ17、レシ
ートやクーポン券を印刷するプリンタ3などを備えて構成される。なお、本実施形態のレ
ジスタ1のプリンタ3には、フルカラー印刷を可能とするインクジェットプリンタが採用
されている。
【0019】
図3には、レジスタ1の機能ブロック図を示す。このレジスタ1に設けられたインクジ
ェットプリンタ3は、巻取り紙などからなる印刷媒体の幅程度の長さに形成されたインク
ジェットヘッド20を有し、印刷媒体を給紙モータ51で給紙しながら、インクジェット
ヘッド20のノズルから液体インクの微粒子(インク滴)を吐出して印刷媒体上に微小な
インクドットを形成することで、印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物
を作成する、所謂ライン型インクジェットプリンタである。インクジェットヘッド20に
は、ブラック(K)インクを専用に吐出するノズル、同じくイエロー(Y)インクを専用
に吐出するノズル、同じくマゼンタ(M)インクを専用に吐出するノズル、同じくシアン
(C)インクを専用に吐出するノズルを印刷媒体の給紙方向と交差する方向に配置し、イ
ンクジェットヘッドドライバ65からの指令信号に従って、インクジェットヘッド20の
各ノズルから液体インクを吐出出力しながら、印刷媒体を給紙方向に移動することで、所
謂ワンパスで印刷媒体上にフルカラー画像データを印刷することが可能となる。
【0020】
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、
ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである
静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧
力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというもので
ある。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビテ
ィ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴
がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビテ
ィ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となっ
て気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというもの
である。本発明は、何れのインク滴吐出方法も適用可能である。
【0021】
レジスタ1内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は
、例えば図3に示すように、レジスタ1内の制御全般を司る例えばマイクロコンピュータ
で構成される制御部62と、ホストコンピュータ6と通信を行うためのインタフェース6
1と、印刷媒体を給紙するための給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ64
と、インクジェットヘッド20を駆動制御するインクジェットヘッドドライバ65と、各
ドライバ64、65の出力信号をインクジェットプリンタ3の給紙モータ51、インクジ
ェットヘッド20で使用する制御信号に変換して出力するインタフェース67、店員用表
示部12、顧客用表示部15、固定スキャナ12、ハンディスキャナ13、カードリーダ
17と制御部62との間に介装されたインタフェース68とを備えて構成される。
【0022】
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)
62aと、キーボード16やインタフェース61、68を介して入力されたデータを一時
的に格納し、或いは各種プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)
62c及びHDD(Hard Disc Drive)と、CPU62aで実行する制御プログラム等を
格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備え
ている。この制御部62は、レジスタ1内の種々の制御と共にインクジェットプリンタ3
によるレシートの印刷も制御するが、その際、後述する演算処理に従って栄養分析を行い
、その栄養分析結果をレシートに印刷すると共にクーポン券の印刷も行う。
【0023】
インクジェットヘッドドライバ65は、インクジェットヘッド20を駆動するための駆
動信号COMを形成する駆動信号発生回路70と、クロック信号SCKを出力する発振回
路71とを備えている。インクジェットヘッド20には、インタフェース部67を介して
、駆動信号発生回路70で生成された駆動信号COM、印刷データに基づいて吐出するノ
ズルを選択する選択データ信号SI、全ノズルにノズル選択データが入力された後、これ
らのデータにより駆動信号COMとインクジェットヘッド20のアクチュエータとを接続
させるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、選択データ信号SIをシリアル信号と
してインクジェットヘッド20に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。
【0024】
次に、本実施形態のPOSシステムにおけるポイントサービスのプロセスについて、図
4を用いて説明する。本部からは顧客に向けて、不定期的に又は定期的に又は常時、新聞
などの折込広告やダイレクトメール、テレビジョンのCF、インターネットウエブ広告な
どによって、各店舗の商品情報やポイント精度情報が知らされる。それらの情報を得た顧
客は店舗に赴いて会員入会を申し込む。店舗では、顧客の会員入会申し込み内容を本部に
通信して入会手続を行うと、本部は、それらの顧客情報を会員番号と共にホストコンピュ
ータ6のデータベース2に登録する。登録が完了したら、店舗は顧客に会員カードを発行
する。その後、会員カードを提示して商品を購入すると、商品の購入情報、ここでは商品
名とポイントが計上され、それがデータベース2上の該当する会員番号欄に登録される。
【0025】
その後、何度か商品を購入してポイントが計上され、m回目の商品購入で商品の購入情
報と共にポイントが計上され、そのポイントが所定ポイント以上になると、店舗では、そ
の顧客を優待会員と認定する。優待会員と認定された顧客は、優待サービス登録として、
住所や家族構成、メールアドレスなどの個人情報を提示する。特に家族構成については、
性別や年齢、同居・非同居といった内容まで、或る程度、詳細に提示してもらう。店舗で
は、提示された個人情報を本部に通信して提供し、データベース2の会員番号欄に顧客個
人情報を登録する。(m+1)回目以降の商品購入では、購入情報通信並びにポイント計
上が行われると共に、優待情報が提供され、店舗が優待サービスを提供して、それをレシ
ートに印刷する。
【0026】
本実施形態では、前述したように、優待サービスとして、顧客が購入した商品の栄養分
析を行い、その栄養分析結果をレシートにカラー印刷する。また、一定期間の顧客の購入
商品の栄養分析を行って不足している栄養素を求め、その不足している栄養素をレシート
に印刷する。また、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素と
それを補う店舗内の商品を求め、その不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレ
シートに印刷する。また、データベースに記憶されている家族構成情報と一定期間の顧客
の購入商品とに基づいて栄養分析を行って不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品
を求め、その不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印刷する。また
、不足している栄養素を補う店舗内の商品用のクーポン券を印刷する。また、不足してい
る栄養素を補う店舗内の商品が新聞の折込広告やインターネットウエブ広告、或いはダイ
レクトメールやテレビジョンのCFに掲載されている場合に当該商品用のクーポン券を印
刷する。
【0027】
図5は、優待会員登録されていない一般会員の顧客用のレシートを示す。スーパーマー
ケットの所謂、普通のレシートである。これに対し、図6には、栄養分析、不足している
栄養素、それ補う店舗内の商品、及びその商品のクーポン券が印刷された優待会員用のス
ーパーマーケットのレシートの一例を示す。図中の主栄養素は、各商品A,B,C…に含
まれる栄養素の主要な栄養素を抜粋したものであり、図では□内の図柄を変えて表示して
いるが、実際には色(カラー)で表す。従って、栄養分析結果に示される栄養素も色で表
されている。この例は、各商品A,B,C…の主栄養素及び栄養分析結果から不足してい
る栄養素、それを補う商品P,Q及びその商品P,Qを用いたメニューをレシートに印刷
し、更に商品P,Qの割引クーポン券をレシートに連続して印刷したものである。このよ
うに商品P,Qの割引クーポン券を印刷しておけば、次回以後、商品P,Qの販売促進に
つながる。図7には、優待会員用のスーパーマーケットのレシートの他の例を示す。この
例は、各商品C,F,G…の主栄養素及び栄養分析結果から不足している栄養素、それを
補うサプリメントR,Sをレシートに印刷し、更にサプリメントR,Sの割引クーポン券
をレシートに連続して印刷したものである。このようにサプリメントR,Sの割引クーポ
ン券を印刷しておけば、次回以後、サプリメントR,Sの販売促進につながる。図8には
、同じ優待会員制度を導入したコンビニエンスストアの優待会員用のレシートの例を示す
。この例は、各商品J,Kの主栄養素及び栄養分析結果から不足している栄養素、それを
補うサイドメニューとしてサラダT、ドリンクWをレシートに印刷し、更にサラダT、ド
リンクWの割引クーポン券をレシートに連続して印刷したものである。このようにサラダ
T、ドリンクWの割引クーポン券を印刷しておけば、次回以後、サラダT、ドリンクWの
販売促進につながる。
【0028】
図9は、予め設定された栄養素と色(図では図柄)との関係を示すテーブルを示す。ま
た、図10には、前述した優待会員制度を導入したスーパーマーケットの新聞折込広告の
一例を示す。このように、広告にも商品の主栄養素をカラー(図では図柄)で掲載するこ
とにより、図9の栄養素と色の関係に基づいて、商品の栄養素に対する顧客の興味が高ま
る。更に、広告には、優待会員制度の説明や、優待会員に対する優待情報の説明、即ち購
入商品の栄養分析の説明を掲載することによって、商品の栄養素に対する顧客の興味をよ
り一層高めることができる。
【0029】
次に、ポイントサービスとして前述したような栄養分析を行うに至ったプロセスについ
て説明する。例えば、日本国内におけるテレビジョン、新聞、雑誌、ラジオ放送の広告費
は、何れも減少傾向にあり、特に新聞広告費の減少は著しいものがある。中でも、若年層
の新聞購読率が低下しており、この傾向は今後も継続すると予想される。その原因は、携
帯電話やインターネットなどの新しい媒体への消費意欲が高く、相対的に新聞への消費意
欲が低くなっていることや、インターネットでニュースなどの情報が容易に得られるよう
になったことが挙げられる。しかしながら、中高年層の女性を対象に絞ると、最も関心の
ある媒体はテレビジョンよりも新聞の折込広告の方が割合が高い。
【0030】
一方、近年、健康への関心が高まっており、バランスのとれた食事を望む消費者が多い
。一般的な食事は、消費者が食品などの商品を購入し、それを家庭で調理・加工して摂取
する。そこで、食品などの商品を購入する段階で栄養分析を行うことで顧客の興味を高め
ることができる。また、その栄養分析を、店舗での購入頻度の高い顧客へのサービス、つ
まりポイントサービスとすれば、顧客の興味をより一層高めることができる。更に、一定
期間の購入商品の栄養分析を蓄積し、不足している栄養素とそれを補う店舗内商品を提示
すれば、顧客の興味をより一層高めることができると共にそれらの商品の販売促進効果も
望める。更に、顧客の家族構成が分かるなら、家族に必要な栄養素が得られているか否か
を判断し、その結果、家族に不足している栄養素とそれを補う店舗内商品を提示すれば、
顧客の興味をより一層高めることができると共に、それらの商品の販売促進効果も望める
。更に、不足している栄養素を補う店舗内商品のクーポン券を発行すれば、顧客の興味を
より一層高めることができると共に、それらの商品の販売促進効果も望める。更に、クー
ポン券の発行される商品が例えば新聞の折込広告に掲載されている場合にのみ限定すれば
、顧客の興味をより一層高めることができる。また、栄養素をカラーで表示すれば、分か
り易く、顧客の興味をより一層高めることができる。
【0031】
このような原理から、本実施形態のPOSシステムは、データベース2に店舗内商品の
栄養分析結果を記憶する。この栄養分析の基準値としては、例えば「五訂日本食品標準成
分表」科学技術庁資源調査会編や、「五訂食品成分表2002」女子栄養大学出版部が挙
げられる。また、データベース2には、例えば性別や年齢別に摂取すべき栄養素、即ち食
事摂取基準も記憶する。この食事摂取基準の基準値としては、例えば「日本人の食事摂取
基準(2005年版)」が挙げられる。この文献は、平成16年10月25日(月)に行
われた「日本人の栄養所要量−食事摂取基準−策定検討会」(座長:田中平三 独立行政
法人国立健康・栄養研究所理事長)でとりまとめられた。
【0032】
データベース2に記憶された食事摂取基準の一例を図11に示す。また、図12には、
前述したように、不足している栄養素を補うためのメニューをレシートに印刷するために
データベース2に記憶すべきメニューの一例を示す。また、図13には、データベース2
に記憶された顧客の家族構成の一例を示す。そして、図14には、データベース2に記憶
された一定期間における優待会員顧客の栄養分析結果と過不足量のテーブルの一例を示す
。レジスタ1の制御部62は、データベース2に記憶されている一定期間の優待会員顧客
の栄養分析結果及び過不足量と現在購入された商品の栄養素との加算値から不足している
栄養素を求め、その栄養素を補う商品を店舗内商品の栄養分析結果から求め、場合によっ
ては図12のメニューからおすすめのメニューを選択し、それらをレシートに印刷する。
【0033】
次に、前述した栄養分析、不足している栄養素とそれを補う店舗内商品の選択、場合に
よってはクーポン券の発行を行うために、レジスタ1の制御部62内で行われる演算処理
について図15のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS
1で、固定スキャナ12又はハンディスキャナ13で購入商品のバーコード又は2次元コ
ード(QRコード等)をスキャンする。将来的にはFRID(無線タグ)も可能である。
【0034】
次にステップS2に移行して、顧客からの会員(ポイント)カードの提示があったか否
かをカードリーダ17の読取り結果から判定し、会員カードの提示があった場合にはステ
ップS3に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
ステップS3では、カードリーダ17で読取った会員カード情報をホストコンピュータ
6のデータベース2に入力してからステップS4に移行する。
【0035】
ステップS4では、ホストコンピュータ6のデータベース2にアクセスして顧客が一般
会員か優待会員かの分析処理を行ってからステップS5に移行する。
ステップS5では、ステップS4の分析処理結果から顧客が一般会員か優待会員かの判
定を行い、優待会員の場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS1
1に移行する。
【0036】
ステップS6では、ホストコンピュータ6のデータベース2にアクセスして、前述のよ
うにして購入商品の栄養分析処理を行ってからステップS7に移行する。
ステップS7では、前述のようにデータベース2に記憶されている一定期間の優待会員
顧客の栄養分析結果及び過不足量と現在購入された商品の栄養素との加算値から不足して
いる栄養素を求め、その栄養素を補う商品を店舗内商品の栄養分析結果から求め、場合に
よっては図12のメニューからおすすめのメニューを選択してからステップS8に移行す
る。
【0037】
ステップS8では、購入商品の通信やポイントの計上といったホストコンピュータ6へ
の売上処理を行ってからステップS9に移行する。
ステップS9では、図6〜8のような優待会員用売上レシートを出力してからステップ
S10に移行する。
ステップS10では、クーポン券を発行してから処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS11では、購入商品の通信やポイントの計上といったホストコンピュ
ータ6への売上処理を行ってからステップS12に移行する。
ステップS12では、図5に示す一般会員用売上レシートを出力してから処理を終了す
る。
また、ステップS13では、購入商品の通信といったホストコンピュータ6への売上処
理を行ってからステップS14に移行する。
【0039】
ステップS14では、非会員用売上レシートを出力してから処理を終了する。
この演算処理によれば、一定期間内に計上されたポイントが所定ポイント以上である顧
客、即ち優待会員にのみ商品の栄養分析サービスをポイントサービスとして提供すること
ができる。これにより、顧客の興味を高めて顧客確保を促進することができる。
このように、本実施形態のPOSシステムによれば、店舗内の商品毎の栄養分析結果が
記憶されているデータベースをバックヤード又は本部のコンピュータシステム内に配設し
、店舗のレジスタで読込んだ顧客の購入商品とデータベースに記憶されている商品毎の栄
養分析結果とに基づいて顧客の購入商品の栄養分析を行い、その分析された顧客の購入商
品の栄養分析結果をレジスタで発行されるレシートに印刷することとしたため、一定期間
内に計上されたポイントが所定ポイント以上の顧客に対してのみ栄養分析を行うようにす
れば、全く新しいポイントサービスを行うことができる。
【0040】
また、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素を求め、その
不足している栄養素をレシートに印刷することとしたため、顧客の興味を高めることがで
きる。
また、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養素とそれを補う
店舗内の商品を求め、その不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印
刷することとしたため、顧客の興味をより一層高めることができると共に、販売促進効果
も得られる。
【0041】
また、データベースに記憶されている家族構成情報と一定期間の顧客の購入商品とに基
づいて栄養分析を行って不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品を求め、その不足
している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印刷することとしたため、顧客の
興味をより一層高めることができると共に、販売促進効果も得られる。
また、不足している栄養素を補う店舗内の商品用のクーポン券を印刷することとしたた
め、顧客の興味をより一層高めることができると共に、販売促進効果を高めることができ
る。
【0042】
また、店舗内の商品とその栄養素を掲載した広告を発行すると共に、不足している栄養
素を補う店舗内の商品が広告に掲載されている場合に当該商品用のクーポン券を印刷する
こととしたため、顧客の興味をより一層高めることができると共に、販売促進効果をより
一層高めることができる。
また、栄養分析結果をカラーで印刷する構成としたため、顧客の興味をより一層高める
ことができる。
【0043】
また、顧客の購入した商品のポイントを計上するものである場合、一定期間における計
上ポイントが所定ポイント以上である顧客についてのみ、栄養分析を行う構成としたため
、顧客の興味をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のPOSシステムの一実施形態を示すシステム概略構成図である。
【図2】図1のPOSシステムのPOSハードウエアを構成するレジスタの構成図図である。
【図3】レジスタ内の機能ブロック図である。
【図4】図1のPOSシステムでのポイントサービスのプロセス説明図である。
【図5】図1のPOSシステムによる一般会員のスーパーマーケットでのレシートの説明図である。
【図6】図1のPOSシステムによる優待会員のスーパーマーケットでのレシートの一例を示す説明図である。
【図7】図1のPOSシステムによる優待会員のスーパーマーケットでのレシートの他の例を示す説明図である。
【図8】図1のPOSシステムによる優待会員のコンビニエンスストアでのレシートの一例を示す説明図である。
【図9】栄養素と色(カラー)との対応図である。
【図10】図1のPOSシステムに用いられる新聞折込広告の一例を示す説明図である。
【図11】データベースに記憶された食事摂取基準の一例を示す説明図である。
【図12】データベースに記憶された不足している栄養素を補うためのメニューの一例を示す説明図である。
【図13】データベースに記憶された顧客の家族構成の一例を示す説明図である。
【図14】データベースに記憶された一定期間における優待会員顧客の栄養分析結果と過不足量のテーブルの一例を示す説明図である。
【図15】栄養分析、不足している栄養素とそれを補う店舗内商品の選択、クーポン券の発行を行うためにレジスタの制御内で行われる演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1はレジスタ、2はデータベース、3はプリンタ、6はホストコンピュータ、62は制
御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスタで入力した店舗の売上をバックヤード又は本部に通信してコンピュータシステ
ムによって在庫管理などの業務を行うPOSシステムにおいて、バックヤード又は本部の
コンピュータシステム内に配設され且つ店舗内の商品毎の栄養分析結果が記憶されている
データベースと、レジスタで読込んだ顧客の購入商品とデータベースに記憶されている商
品毎の栄養分析結果とに基づいて顧客の購入商品の栄養分析を行う栄養分析手段と、前記
栄養分析手段で分析された顧客の購入商品の栄養分析結果をレジスタで発行されるレシー
トに印刷する栄養分析結果印刷手段とを備えたことを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
前記栄養分析手段は、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養
素を求め、前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄養素をレシートに印刷する
ことを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記栄養分析手段は、一定期間の顧客の購入商品の栄養分析を行って不足している栄養
素とそれを補う店舗内の商品を求め、前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄
養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印刷することを特徴とする請求項1に記載の
POSシステム。
【請求項4】
前記データベースは、入力された顧客の家族構成情報を記憶し、前記栄養分析手段は、
データベースに記憶されている家族構成情報と一定期間の顧客の購入商品とに基づいて栄
養分析を行って不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品を求め、前記栄養分析結果
印刷手段は、前記不足している栄養素とそれを補う店舗内の商品をレシートに印刷するこ
とを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項5】
前記栄養分析結果印刷手段は、前記不足している栄養素を補う店舗内の商品用のクーポ
ン券を印刷するクーポン印刷手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載のPO
Sシステム。
【請求項6】
前記店舗内の商品とその栄養素を掲載した広告を発行する広告発行手段を備え、前記ク
ーポン印刷手段は、前記不足している栄養素を補う店舗内の商品が前記広告に掲載されて
いる場合に当該商品用のクーポン券を印刷することを特徴とする請求項5に記載のPOS
システム。
【請求項7】
前記栄養分析結果印刷手段は、前記栄養分析結果をカラーで印刷することを特徴とする
請求項1乃至6の何れか一項に記載のPOSシステム。
【請求項8】
顧客の購入した商品のポイントを計上するものである場合、前記栄養分析手段は、一定
期間における計上ポイントが所定ポイント以上である顧客についてのみ、前記栄養分析を
行うことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−109039(P2007−109039A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299719(P2005−299719)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】