説明

POSレジスタ装置、POSレジスタ装置における特売成立状況表示方法及びプログラム

【課題】POSレジスタ装置における商品の表示技術に関し、特売対象として組み合わせられる異種又は同種商品の現在までの登録状況を容易に把握可能とし、商品数量の確認ミスを減少させる。
【解決手段】入力されたスキャンコードをキーとして、企画マスタDB及び組合せグループマスタDBが検索され、入力されたスキャンコードに対応する特売企画に属するスキャンコードと特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報が取得される(S302−6、9)。特売企画に属するスキャンコードをキーとしてワークエリアのレコードが検索され、検索されたレコードから取得される数量情報と特売企画に対応する成立個数情報とに基づいて特売企画の成立状況が算出される(S302−7、8、10〜12)。特売企画の成立状況が、ワークエリアの登録内容と共に表示される(S302−23、24)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタ装置における商品の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗等において物品販売の売上実績を単品単位で集計する装置として、販売時点情報管理(POS:Point Of Sale、以下「POS」と呼ぶ)システムが広く利用されている。
【0003】
POSシステムでは、商品名や価格、数量、日時などの販売実績情報が収集されることにより、商品の販売日、種類、価格、売上数を容易に把握することが可能となり、商品の経営分析が容易となる。
【0004】
POSシステムは主に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、外食産業(ファミリーレストラン、居酒屋等)、ガソリンスタンド、ホテル、ドラッグストア(薬局)などのチェーンストア等で導入される。
【0005】
POSシステムでは、バーコードなどによって商品にマーキングされた商品情報が、商品の購入時に、POSレジスタやポータブルデータ端末に装備されたバーコードスキャナ装置やタッチパネル入力装置によって登録される。その後、その登録されたマーキング情報が、ストアサーバ又はストアコンピュータと呼ばれるコンピュータ(以下、「ストアサーバ」と呼ぶ)に送られ、そのストアサーバによって電子ジャーナルデータとして集計管理される。
【0006】
POSレジスタでは、例えばスーパーマーケットなどにおいて、一度に大量に購入され得る商品のマーキング情報が、バーコードスキャナ装置やタッチパネルキーボード装置によって次々に登録される。
【0007】
ここで、販売員は、購入される商品の数量を、POSレジスタのディスプレイ装置に表示される購入商品情報を見ながらその場で確認する必要がある場合が多い。また、スーパーマーケットなどでは、同一商品の特定個数の購入や異種商品との特定個数の組合せにより値引きを行う等の特売商品企画が日単位、時間単位で設定されることが多い。この場合、販売員は、特売商品に関する商品の数量を、POSレジスタのディスプレイに表示される購入商品情報を見ながらその場で確認する必要がある場合も多い。
【0008】
スーパーなどでは、購入する商品の点数が多いため、カゴに入っている商品を次々に登録していると、商品が何回かに分けてスキャンされ登録されるケースが多い。このようなケースにおいて販売員が同一商品や組合せ商品の数量を確認する場合、従来は、販売員がPOSレジスタのディスプレイに表示される現在の顧客に対応する商品登録情報の明細一覧を目視で確認しながら、特定の商品の数量を把握していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−269461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、スーパーマーケットなどに設置されるいわゆるレーンPOSレジスタなどのように、顧客で混雑しやすい環境で急いで商品登録を行わなければならないような状況を想定する。このような状況下では、販売員がディスプレイ上で特定の商品の明細行を探し出してその数量を目視確認することは、たとえ数秒でも神経を使う煩雑な作業となる。従って、特に不慣れな販売員などにおいて、レジ作業の停滞を招くおそれがあるという問題点を有していた。
【0011】
そこで、特売対象として組み合わせられる異種又は同種商品の現在までの登録状況を容易に把握可能とし、商品数量の確認ミスを減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
態様の一例では、販売時点情報を入力するPOSレジスタ装置として実現され、以下の構成を有する。
商品明細情報記憶部は、現在の売上取引において順次入力される商品識別情報と商品数量情報を商品明細情報として順次記憶する。
【0013】
特売企画情報記憶部は、特売企画の対象となる商品識別情報を、その特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報と共に記憶する。
特売企画情報取得部は、入力された商品識別情報をキーとして、特売企画情報記憶部を検索し、入力された商品識別情報に対応する特売企画に属する商品識別情報とその特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報を取得する。
【0014】
値引き情報更新部は、特売企画に属する商品識別情報をキーとして商品明細情報記憶部のレコードを検索し、検索されたレコードから取得される商品数量情報と特売企画情報取得部により取得されたその特売企画に対応する成立個数情報とに基づいてその特売企画の成立状況を算出し、その特売企画の成立状況と特売企画情報取得部により取得されたその特売企画に対応する値引き情報とに基づいてその検索されたレコードの値引き情報を更新する。
【0015】
特売企画成立状況表示部は、特売企画の成立状況を、商品明細情報記憶部の登録内容と共に表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顧客に対してバンドルペアマッチ又はバンドルミックスマッチの成立/未成立の状態を説明し易いPOSシステムの提供が可能となり、クレームの軽減が見込める。
【0017】
また、顧客に対しての販促効果も向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態の全体システム構成である。
【図2】POSレジスタとローカルデータベースを実現するハードウェア構成図である。
【図3】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その1)である。
【図4】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その2)である。
【図5】実施形態のデータ構成例を示す図である。
【図6】実施形態における商品登録画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、POSシステムの実施形態の全体構成図である。
実施形態のシステムは、店舗毎に設置されるストアシステム101と、本部システム102と、ストアシステム101及び本部システム102を接続するブロードバンドネットワーク103とから構成される。
【0020】
ストアシステム101は、図1では例えば#1〜#5として示されるように各店舗に設置される。1つの本部システム102が収容可能なストアシステム101は、最大で10程度である。
【0021】
ストアシステム101には、レーンPOSレジスタ104(#1)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#1)、カウンタPOSレジスタ104(#2)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#2)、対面POSレジスタ104(#3)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#3)、SCO POSレジスタ104(#4)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#4)、マルチパッド端末106、クライアントパソコン107が設置される。
【0022】
レーンPOSレジスタ104(#1)は、スーパーマーケットなどの商品精算レーンに設置されるPOSレジスタである。カウンタPOSレジスタ104(#2)は、コンビニエンスストアなどの商品精算カウンタに設置されるPOSレジスタである。対面POSレジスタ104(#3)は、カウンタPOSレジスタ104(#2)の機能に袋詰め機能も併せて備えたPOSレジスタである。SCO POSレジスタ104(#4)は、顧客自身が商品登録から支払いまで行うことのできるセルフチェックアウト機能を備えたPOSレジスタである。以下の説明では、これらの各種POSレジスタを総称してPOSレジスタ104と呼ぶ。POSレジスタ104にはそれぞれ、商品マスタデータベースや売上データベースなどを含むローカルデータベース105が接続される。
【0023】
マルチパッド端末106は、店舗管理者が、商品の価格チェック、価格変更、発注登録等を行うことができる。
クライアントパソコン107は、店舗管理者が、店舗の売上げを確認したり、商品の価格変更を把握したりすることができる。
【0024】
各POSレジスタ104及びクライアントパソコン107は、無線アクセスポイント108と無線接続され、LANケーブル110、ルータ109、ブロードバンドネットワーク103を介して、本部システム102内の各店舗に対応したストアサーバ111と通信を行う。
【0025】
本部システム102には、各店舗のストアシステム101に対向して、各店舗対応のストアサーバ111及びそれに接続されるストアデータベース112が設置される。各ストアサーバ111は、LANケーブル115に接続されるルータ114、及びブロードバンドネットワーク103を介して、それぞれに対応するストアシステム101内の各POSレジスタ104と通信する。なお、店舗対応のストアサーバ111及びそれに接続されるストアデータベース112は、図1の破線部分として示されるように、各ストアシステム101内に設置されてもよい。
【0026】
以上のようにして、ストアシステム101内の各POSレジスタ104とそのストアシステム101(店舗)に対応するストアサーバ111とが通信を行う。この結果、ストアシステム101内の各POSレジスタ104において登録された商品の売上情報は、ほぼリアルタイム(数秒遅れ程度)で、そのストアシステム101(店舗)に対応したストアサーバ111に接続されるストアデータベース112に反映される。また、商品の価格情報等が変更されストアデータベース112内の商品マスタデータベース等が更新されると、その更新内容がほぼリアルタイムで、対応する店舗内の各POSレジスタ104に接続される各ローカルデータベース105に反映される。このようにして、ストアシステム101内の各POSレジスタ104に接続される各ローカルデータベース105と、そのストアシステム101(店舗)に対応したストアサーバ111に接続されるストアデータベース112は、常に同期が取られる。
【0027】
本部システム102において、LANケーブル115に接続される各種管理サーバ113は、クレジットカードの管理や、FSP(Frequent Shoppers Program)による顧客管理、ポイント管理、全店の商品管理、全店への速報管理などを個別に行うサーバである。各種管理サーバ113は、各店舗毎のストアサーバ111と通信を行って、各ストアデータベース112の登録内容(商品情報、ポイント情報、顧客情報等)を管理したり、各ストアシステム101内の各POSレジスタ104に速報情報を通知したりする。
【0028】
図2は、図1の各POSレジスタ104とそれに接続されるローカルデータベース105を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるコンピュータは、CPU201、メモリ202、外部記憶装置203、可搬記録媒体206が挿入される可搬記録媒体駆動装置205、及びネットワーク接続装置204を有し、これらがバス215によって相互に接続された構成を有する。
【0029】
また、POSレジスタ104独自の入力デバイスとして、キーボード207、タッチパネル電子多項目キーボード208、固定スキャナ209、タッチスキャナ210、磁気カードリーダ211、電子マネーリーダ212、ピンパッド213などが、バス215に接続される。キーボード207及びタッチパネル電子多項目キーボード208は、商品情報の登録などを行う。固定スキャナ209は、購入商品のバーコードをかざすことにより、購入商品のマーキング情報を読み取る。タッチスキャナ210は、固定スキャナ209と同じ機能を有するハンディタイプのスキャナである。磁気カードリーダ211は、クレジットカード情報や会員カード/ポイントカード情報を入力する。電子マネーリーダ212は、電子マネー情報を入力する。ピンパッド213は、クレジットカードなどの暗証番号をタイプ入力する。
【0030】
更に、POSレジスタ104独自の出力デバイスとして、商品登録情報を表示するディスプレイ214、レシートを印字するプリンタ215、及び自動釣銭札機216などが、バス215に接続される。
【0031】
図2に示される構成は、図1の各POSレジスタ104を実現できるコンピュータの一例であり、そのようなコンピュータはこの構成に限定されるものではない。
CPU201は、POSレジスタ104全体の制御を行う。メモリ202は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置203(或いは可搬記録媒体206)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU201は、プログラムをメモリ202に読み出して実行することにより、POSレジスタ104全体の制御を行う。
【0032】
外部記憶装置203は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられるほか、図1のローカルデータベース105を記憶する。
可搬記録媒体駆動装置205は、光ディスクやSDRAM、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体206を収容するもので、外部記憶装置203の補助の役割を有する。
【0033】
ネットワーク接続装置204は、図1の無線アクセスポイント108と通信を行うことのできる無線接続装置である。
以下に説明する本実施形態によるシステムは、それに必要な機能を搭載した制御プログラムをCPU201が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置203や可搬記録媒体206に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置204によりネットワークから取得できるようにしてもよい。CPU201は、その制御プログラムに従って、207〜213の各入力デバイスを制御して、各入力デバイスからの商品登録情報等を入力する。また、CPU201は、その制御プログラムに従って、214〜215の各出力デバイスを制御して、商品登録情報等を表示又は印字する。更に、CPU201は、自動釣銭札機216を制御して、釣銭の自動払い出しを行う。加えて、CPU201は、制御プログラムに従って、ネットワーク接続装置204を制御して、図1のストアサーバ111との通信を実行する。
【0034】
以上の図1及び図2の構成を有する本実施形態の動作について、以下に詳細に説明する。
図3は、各POSレジスタ104(図1)内のCPU201(図2)が、メモリ202に記憶された制御プログラムを実行する動作として実現される、商品情報登録時の制御動作を示す動作フローチャートである。
【0035】
まず、図3の動作フローチャートに対応する制御プログラムは、前の顧客のレシートがプリンタ215により印刷し終わり、次の顧客の商品が固定スキャナ209やタッチスキャナ210などによって読み取られると、動作を開始する。
【0036】
購入商品の商品情報の登録は、図3のステップS301からからS303までの繰返し処理によって行われる。
まず、商品入力が行われる(ステップS301)。商品入力は、JAN(Japanese Article Number)コード等のスキャンコードの入力により行う。この入力操作は、図2の固定スキャナ209又はタッチスキャナ210による商品に貼付されたバーコードの読取り、キーボード207やタッチパネル電子多項目キーボード208によるコード又は短縮コードの手入力、ワンタッチキー入力等によって行われる。なお、この商品入力の前又は後に、キーボード207等から商品の数量を入力することが可能である。
【0037】
次に、商品の登録及び表示が行われる(ステップS302)。図4は、この処理の詳細な制御動作を示す動作フローチャートである。
まず、入力されたスキャンコードの商品情報(商品名、単価等)が商品マスタDB501から検索される(ステップS302−1)。今、ローカルデータベース105には、図5に例示されるデータ構成例を有する商品マスタデータベース(以下、「商品マスタDB」と表す)501が記憶されている。この商品マスタDB501には、スキャンコードをキーとする商品毎に、商品名、単価などの商品情報が登録されている。この商品マスタDB501の登録内容は、図1のPOSレジスタ104が属するストアシステム101に対応するストアサーバ111に接続されるストアデータベース112から、ほぼリアルタイムで更新されている。ステップS302−1では、図3のステップS301で入力されたスキャンコードをキーとして、商品マスタDB501が検索される。そして、入力されたスキャンコードと同じスキャンコードを有するレコードに登録されている商品情報が取得される。
【0038】
次に、図3のステップS301で入力された商品の数量が取得される(ステップS302−2)。
次に、入力されたスキャンコードが属する企画コードが、組合せグループマスタデータベース(以下、「組合せグループマスタDB」と表す)504から検索される(ステップS302−3)。図1のローカルデータベース105には、図5に例示されるデータ構成例を有する組合せグループマスタDB504が記憶されている。この組合せグループマスタDB504には、特売異種商品の組合せであるいわゆるバンドルペアマッチ(BPM)の組合せ情報が、企画単位でレコード登録されている。各レコードには、企画コードと、その企画コードが示す企画に属する商品のスキャンコードが1つ以上登録されている。ステップS302−3では、入力されたスキャンコードが登録されているレコードが検索され、検索されたレコードに登録されている企画コードが取得される。組合せグループマスタDB504は、特売企画に関する情報を記憶する特売企画情報記憶部の1つとして機能する。
【0039】
次に、ステップS302−3において企画コードが検索できたか否かが判定される(ステップS302−4)。
入力されたスキャンコードがバンドルペアマッチの特売対象商品のものではなく企画コードが検索できずにステップS302−4の判定がNOとなった場合には、図3のステップS301で入力されたスキャンコード及びステップS302−2で取得された数量と、ステップS302−1で商品マスタDB501から取得された商品名や単価などの商品情報と、入力商品の合計額(明細合計額)が、メモリ202上のワークエリア502の新規レコードとして登録される(ステップS302−25)。図5にはメモリ202上のワークエリア502のデータ構成例が示されている。ワークエリア502において、バーコードスキャン等による1回の商品登録は1明細=1レコードとされて、明細レコードには、スキャンコード、登録商品の数量(明細内個数)、単価、登録商品の合計額(明細合計額)、商品名等が登録される。スキャンコード及び商品名等は、商品マスタDB501から取得されたものが登録される。明細内個数としては、ステップS302−2にて取得された数量が登録される。明細合計額としては、商品マスタDB501から取得された単価に明細内個数を乗じて得られる額が登録される。なお、入力されたスキャンコードがバンドルペアマッチの特売対象商品のものではない場合には、値引き額、企画コード等の項目は空白にされる。
【0040】
次に、図2のディスプレイ214に、メモリ202上のワークエリア502に登録された商品の一覧が表示されて(ステップS302−26)、図3のステップS302の処理が終了する。
【0041】
一方、入力されたスキャンコードがバンドルペアマッチの特売対象商品のもので企画コードが検索できてステップS302−4の判定がYESとなった場合には、図3のステップS301で入力されたスキャンコード及びステップS302−2で取得された数量と、ステップS302−1で商品マスタDB501から取得された商品名や単価などの商品情報と、ステップS302−3で検索された企画コードが、図5に例示されるメモリ202上のワークエリア502の新規レコードとして登録される(ステップS302−5)。
【0042】
次に、図5に例示される組合せグループマスタDB504から、入力されたスキャンコードに対応する企画コードと同一の企画コードに属する各スキャンコードが取得される(ステップS302−6)。これは、バンドルペアマッチの特売対象商品の商品グループを把握するための処理である。
【0043】
次に、ステップS302−6で検索された各スキャンコードに対応する企画対象明細レコードが、メモリ202上のワークエリア502から検索されてワークエリア502上での登録順に抽出され、各企画対象明細レコードから明細内個数と単価が取得される(ステップS302−7)。
【0044】
次に、ステップS302−7で取得された各明細内個数の合計が、企画対象合計登録数量として算出される(ステップS302−8)。
次に、企画マスタデータベース(以下、「企画マスタDB」と表す)503から、入力されたスキャンコードに対応してステップS302−3で検索されている企画コードに対応するレコードが検出され、成立個数と値引額が取得される(ステップS302−9)。図1のローカルデータベース105には、図5に例示されるデータ構成例を有する企画マスタDB503が記憶されている。この企画マスタDB503には、バンドルペアマッチ(BPM)の詳細情報が、企画単位でレコード登録されている。各レコードには、企画コードと、バンドルペアマッチの種別を示すBMP情報(本実施形態では使用しない)、その企画コードが示す企画における成立個数、及び成立時の価格情報が登録されている。企画マスタDB503は、特売企画に関する情報を記憶する特売企画情報記憶部の1つとして機能する。
【0045】
次に、ステップS302−9で取得された値引き額が、同じくステップS302−9で取得された成立個数で除算されることにより、1品あたり値引き額が算出される(ステップS302−10)。
【0046】
次に、ステップS302−8で算出されている企画対象合計登録数量がステップS302−9で取得された成立個数で除算されその除算結果において端数が切り捨てられ、その結果にステップS302−9で取得された成立個数が乗算されることにより、合計成立個数が算出される(ステップS302−11)。
次に、成立残り数量の初期値が、ステップS302−11で算出された合計成立数量とされる(ステップS302−12)。
【0047】
以上の準備処理の後、以下のステップS302−13からステップS302−22までの一連の処理の繰返しによって、入力されたスキャンコードが属するバンドルペアマッチの特売商品のグループの値引き情報が、今回新たに入力された商品の情報を考慮して修正される。
【0048】
まず、ステップ302−7でメモリ202上のワークエリア502から抽出された企画対象明細レコード群から、1レコードが選択される(ステップS302−13)。
次に、ステップS302−13で企画対象明細レコードが選択できたか否かが判定される(ステップS302−14)。
【0049】
企画対象明細レコードが選択できてステップS302−14の判定がYESならば、次に、現在の成立残り数量がステップS302−13で選択された企画対象明細レコードの明細内個数以上であるか否かが判定される(ステップS302−15)。成立残り数量は、ステップS302−13で初期値が合計成立数量に設定された後、後述するステップS302−17で企画対象明細レコードがチェックされる毎に順次減算される。また、現在選択されている企画対象明細レコードの明細内個数は、ステップS302−7でメモリ202上のワークエリア502から抽出されている。
【0050】
現在の成立残り数量がステップS302−13で選択された企画対象明細レコードの明細内個数以上でステップS302−15の判定がYESならば、ステップS302−10で算出された1品あたり値引き額に、現在選択されている企画対象明細レコードの明細内個数が乗算されることにより、現在選択されている企画対象明細レコードに対応する値引き額が算出される(ステップS302−16)。
【0051】
次に、現在の成立残り数量から、企画対象明細レコードの明細内個数が減算されることにより、新たな成立残り数量が算出される(ステップS302−17)。
一方、現在の成立残り数量がステップS302−13で選択された企画対象明細レコードの明細内個数以下より少なくステップS302−15の判定がNOならば、更に、現在の成立残り数量が0であるか否かが判定される(ステップS302−18)。
【0052】
現在の成立残り数量が0ではなくステップS302−18の判定がNOならば、ステップS302−10で算出された1品あたり値引き額に、現在の成立残り数量が乗算されることにより、現在選択されている企画対象明細レコードに対応する値引き額が算出される(ステップS302−19)。
【0053】
次に、現在の成立残り数量が0にセットされる(ステップS302−20)。
現在の成立残り数量が0でステップS302−18の判定がYESならば、現在選択されている企画対象明細レコードに対応する値引き額が0にセットされる(ステップS302−21)。
【0054】
以上のようにして、現在選択されている企画対象明細レコードに対応する値引き額が確定した後、ステップS302−16、S302−19、又はS302−21にて算出された値引き額が、メモリ202上のワークエリア502の現在選択されている企画対象明細レコードに登録される(図5の502参照)。これと共に、その企画対象明細レコード上の明細合計額が算出し直される(ステップS302−22)。具体的には、明細合計額としては、その企画対象明細レコード上の単価に明細内個数を乗じて得られる額から、上述の値引き額を減算して得られる額が登録される。
【0055】
その後、ステップS302−13の処理に戻り、ステップ302−7でメモリ202上のワークエリア502から抽出された企画対象明細レコード群から、未処理の1レコードが選択される(ステップS302−22→S302−13)。
【0056】
以上のステップS302−13からステップS302−22までの一連の処理の繰返しによって、入力されたスキャンコードが属するバンドルペアマッチの特売商品のグループの値引き情報が、今回新たに入力された商品の情報を考慮して修正された後、未処理の企画対象明細レコードがなくなってステップS302−14の判定がNOになると、図2のディスプレイ214に、メモリ202上のワークエリア502に登録された商品の一覧が表示される(ステップS302−23)。
【0057】
更に、ステップS302−8で算出されている企画対象合計登録数量がステップS302−9で取得された成立個数で除算されその除算結果において端数が切り上げられ、その結果にステップS302−9で取得された成立個数が乗算されて得られる値が、次に満たすべき目標合計数量として算出される。そして、その目標合計数量が、企画対象合計登録数量と対比させられて表示される(ステップS302−24)。
【0058】
図6は、以上の処理によってディスプレイ214に表示される商品登録画面の表示例を示す図である。
今、図5の企画マスタDB503及び組合せグループマスタDB504の登録データ構成例において、企画コード“000001”に対応する商品であるキャンディが登録された場合、図6(a)に例示される画面が表示される。この時点では、バンドルペアマッチが未成立のため、キャンディの登録価格は標準価格の200円となる。ただし、ステップS302−24の表示処理により、あと1品でバンドルペアマッチが成立することが、わかり易く表示される。図6(a)の表示例では、現在登録された商品の数量及び現在価格と共に、ステップS302−24の処理に基づいて、

(BMP A (企画対象合計登録数量)個/(目標合計数量)個)

という表示がなされる。
【0059】
次に、企画コード“000001”に対応する商品であるチョコレートが登録された場合、バンドルペアマッチが成立する。この結果、図6(b)に例示される画面が表示される。この場合、バンドルペアマッチの対象商品であるチョコレート及びキャンディーの各明細の現在価格に、値引が反映される。
【0060】
上述のステップS302−23及びS302−24での表示処理の後、図3のステップS302の処理が終了する。
以上のようにして、図3のステップS302で、商品の登録・表示処理が完了すると、未登録商品があるか否かが判定される(図3のステップS303)。これは例えば、販売員が入力終了キーを押したか否かを判定する処理である。
【0061】
ステップS303にて未登録商品があると判定された場合には、図3のステップS301の処理に戻って、新たな商品の登録処理が繰り返される。
ステップS303にて未登録商品がないと判定された場合には、メモリ202上のワークエリア502に登録されている商品の明細合計額の小計額が算出される(図3のステップS304)。
【0062】
そして、ステップS304にて算出された小計額が、メモリ202上のワークエリア502の全登録情報と共に、図1のローカルデータベース105内の売上データベースに登録されて、支払い登録が完了する(図3のステップS305)。
【0063】
最後に、メモリ202上のワークエリア502の登録内容が削除されて(図3のステップS306)、現在の顧客の売上取引が終了する。
上述の実施形態において、組合せグループマスタDB504の1レコードに登録される商品のスキャンコードは、複数商品のスキャンコードではなく1商品のスキャンコードであってもよい。この場合には、いわゆるバンドルミックスマッチ機能が実現され、1つの商品をまとめ買いすると値引きするといった機能を実現できる。
【0064】
以上のようにして、顧客に対してバンドルペアマッチ又はバンドルミックスマッチの成立/未成立の状態を説明し易いPOSシステムが提供でき、クレームの軽減が見込める。また、顧客に対しての販促効果も期待できる。
【符号の説明】
【0065】
101 ストアシステム
102 本部システム
103 ブロードバンドネットワーク
104 POSレジスタ
104(#1) レーンPOSレジスタ
104(#2) カウンタPOSレジスタ
104(#3) 対面POSレジスタ
104(#4) SCO POSレジスタ
105 ローカルデータベース
106 マルチパッド端末
107 クライアントパソコン
108 無線アクセスポイント
109、114 ルータ
110、115 LANケーブル
111 ストアサーバ
112 ストアデータベース
113 各種管理サーバ
201 CPU
202 メモリ
203 外部記憶装置
204 ネットワーク接続装置
205 可搬記録媒体駆動装置
206 可搬記録媒体
207 キーボード
208 タッチパネル電子多項目キーボード
209 固定スキャナ
210 タッチスキャナ
211 磁気カードリーダ
212 電子マネーリーダ
213 ピンパッド
214 ディスプレイ
215 プリンタ
216 自動釣銭札機
501 商品マスタDB
502 メモリ上のワークエリア
503 企画マスタDB
504 組合せグループマスタDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売時点情報を入力する販売時点情報入力装置において、
現在の売上取引において順次入力される商品識別情報と商品数量情報を商品明細情報として順次記憶する商品明細情報記憶部と、
特売企画の対象となる商品識別情報を、該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報と共に記憶する特売企画情報記憶部と、
入力された商品識別情報をキーとして、前記特売企画情報記憶部を検索し、該入力された商品識別情報に対応する特売企画に属する商品識別情報と該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報を取得する特売企画情報取得部と、
前記特売企画に属する商品識別情報をキーとして前記商品明細情報記憶部のレコードを検索し、該検索されたレコードから取得される商品数量情報と前記特売企画情報取得部により取得された該特売企画に対応する成立個数情報とに基づいて該特売企画の成立状況を算出し、該特売企画の成立状況と前記特売企画情報取得部により取得された該特売企画に対応する値引き情報とに基づいて該検索されたレコードの値引き情報を更新する値引き情報更新部と、
前記特売企画の成立状況を、前記商品明細情報記憶部の登録内容と共に表示する特売企画成立状況表示部と、
を含むことを特徴とするPOSレジスタ装置。
【請求項2】
販売時点情報を入力する販売時点情報入力方法において、
現在の売上取引において順次入力される商品識別情報と商品数量情報を商品明細情報として商品明細情報記憶部に順次記憶し、
特売企画の対象となる商品識別情報を、該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報と共に特売企画情報記憶部に記憶し、
入力された商品識別情報をキーとして、前記特売企画情報記憶部を検索し、該入力された商品識別情報に対応する特売企画に属する商品識別情報と該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報を取得し、
前記特売企画に属する商品識別情報をキーとして前記商品明細情報記憶部のレコードを検索し、該検索されたレコードから取得される商品数量情報と前記取得された該特売企画に対応する成立個数情報とに基づいて該特売企画の成立状況を算出し、該特売企画の成立状況と前記取得された該特売企画に対応する値引き情報とに基づいて該検索されたレコードの値引き情報を更新し、
前記特売企画の成立状況を、前記商品明細情報記憶部の登録内容と共に表示する、
ことを特徴とするPOSレジスタ装置における特売成立状況表示方法。
【請求項3】
販売時点情報を入力するコンピュータに、
現在の売上取引において順次入力される商品識別情報と商品数量情報を商品明細情報として商品明細情報記憶部に順次記憶し、
特売企画の対象となる商品識別情報を、該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報と共に特売企画情報記憶部に記憶し、
入力された商品識別情報をキーとして、前記特売企画情報記憶部を検索し、該入力された商品識別情報に対応する特売企画に属する商品識別情報と該特売企画に関する値引き情報及び成立個数情報を取得し、
前記特売企画に属する商品識別情報をキーとして前記商品明細情報記憶部のレコードを検索し、該検索されたレコードから取得される商品数量情報と前記取得された該特売企画に対応する成立個数情報とに基づいて該特売企画の成立状況を算出し、該特売企画の成立状況と前記取得された該特売企画に対応する値引き情報とに基づいて該検索されたレコードの値引き情報を更新し、
前記特売企画の成立状況を、前記商品明細情報記憶部の登録内容と共に表示する、
ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−95956(P2011−95956A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248584(P2009−248584)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】