説明

POS装置、その表示制御方法、BIOS及びPOSアプリケーション

【課題】POS装置起動時等の表示に係る消費電力を低減する。
【解決手段】POS装置は、オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、電源投入に応じて起動し、前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)と、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するPOSアプリケーションとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPOS装置、その表示制御方法、BIOS及びPOSアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗における商品の販売情報を記録、及び集計して管理するPOS(Point Of Sales)システムは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店で広く用いられるようになっている。POSシステムを利用する店舗では、LCD表示装置を一体に備えたPOS端末装置(例えば特許文献1)が設置されることが多い。
【0003】
従来のLCD一体型POS装置は、Windows(登録商標)やLinux(登録商標)などの一般PC向けオペレーティングシステム(OS)を使用することが多い。これらのOSは、起動時及び終了時に、数十秒から1分以上の時間を必要とする。従来のPOS装置では、起動処理中及び終了処理中にLCDモニタの輝度を通常レベルに設定して、OSのロゴを表示したり、処理経過ステータスを表示したりするが、これらの情報はPOSオペレータにとって必ずしも必要ではない。
【0004】
オペレータ(操作者)にとっては必要ではない情報を表示装置上に表示することは、消費電力の増大につながり、POS装置の運用に要するビジネス運営コストを増大させる。このため、表示装置の消費電力を低減する技術が必要とされる。
【0005】
バックライトが設けられたLCDを有する電子機器における省電力技術の一例として、例えば特許文献2には、アプリケーションの実行中に入力操作が不要な処理待ち状態となった場合に、バックライトの輝度を変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−202875号公報
【特許文献2】特開平11−126118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の節電機構は、OSの一機能として設けられている。このため、例えば従来のPOS装置において、特許文献2に記載の節電機構を適用したとしても、POS装置のOS起動時等に不要な情報が表示されることによる表示装置の消費電力を削減することはできない。
【0008】
そこで本発明は、装置起動時等の表示に係る消費電力を低減することができるPOS装置、その表示制御方法、BIOS及びPOSアプリケーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点によれば、オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)と、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するPOSアプリケーションと、を備えることを特徴とするPOS装置が提供される。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバとを備えるPOS装置の表示制御方法であって、前記POS装置の電源投入に応じて起動するBIOS(Basic Input Output System)によって、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定するステップと、前記BIOSによってオペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するステップと、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションによって、該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するステップと、を有することを特徴とするPOS装置の表示制御方法が提供される。
【0011】
本発明の第3の観点によれば、オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するものとを備えるPOS装置において動作するBIOS(Basic Input Output System)であって、電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開することを特徴とするBIOSが提供される。
【0012】
本発明の第4の観点によれば、オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)とを備えるPOS装置において、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定することを特徴とするPOSアプリケーションが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示装置の輝度として、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度が設定可能であり、電源投入に応じて起動するBIOSによって、当該表示装置の輝度を第2の輝度に設定し、POSシステムを実現するPOSアプリケーションの起動後に、表示装置の輝度をドライバを介して第1の輝度に設定するため、装置起動時等の表示に係る消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るPOS装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るPOS装置の起動時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るPOS装置におけるPOS業務終了時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るPOS装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るPOS装置の起動時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るPOS装置におけるPOS業務終了時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)装置の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すPOS装置は、CPU11、バススイッチ12、ROM13、RAM14、ハードディスク装置15、及びLCDモニタ16を含む。
【0018】
ROM13及びRAM14は、メモリバス17を介してバススイッチ12に接続されており、ハードディスク装置15及びLCDモニタ16はI/O(input/output)バス18を介してバススイッチ12に接続されている。
【0019】
バススイッチ12はCPU11に接続されており、CPU11に電気的に接続されるバスを、メモリバス17とI/Oバス18との間で切り換える。
【0020】
CPU11はROM13及びRAM14と協働し、POS装置全体の動作を制御する制御部として機能する。CPU11は、ROM13に記憶された所定のプログラム(BIOS13a等)を読み出してRAM14内に展開し、当該プログラムに従ってPOS装置各部の動作を制御する。
【0021】
ROM13には、BIOS(Basic Input Output System)13a等、POS装置の動作に必要とされるプログラムや、各種の制御データが格納されている。BIOS13aは、POS装置の電源投入時に動作し、ハードディスク装置15に格納されているオペレーティングシステム(OS)15aをRAM14に展開し、オペレーティングシステム15aをスタートさせる。
【0022】
本実施形態に係るBIOS13aは、オペレーティングシステム15aをRAM14に展開する前に、POS装置のLCDモニタ16の輝度を低く設定する処理を行う。
【0023】
ハードディスク装置15には、オペレーティングシステム15a、ハードウェア(HW)ドライバ15b、POSアプリケーション15cが搭載されている。BIOS13aによってオペレーティングシステム15a、HWドライバ15b、及びPOSアプリケーション15cがRAM14に展開され、オペレーティングシステム15aの起動処理が完了したら、POSアプリケーション15cが自動的に起動する。
【0024】
オペレーティングシステム15aは、例えばWindowsやLinux等の通常のコンピュータ用のOSであってもよい。HWドライバ15bは、LCDモニタ16等のPOS装置の周辺機器ハードウェアを動作させるためのソフトウェアを含んでいる。本実施形態に係るハードディスク装置15では、HWドライバ15bの一種であり、モニタ16の輝度を設定するためのモニタドライバを、POSアプリケーション15cが含んでいるか、あるいはPOSアプリケーション15cがモニタドライバを制御可能であるものとする。
【0025】
POSアプリケーション15cは、店舗等において商品の販売情報の管理に用いられる通常のPOSシステムを実現するためのアプリケーションである。
【0026】
HWドライバ15b及びPOSアプリケーション15cは、OS15aの一部として当該OS15aに組み込まれていてもよく、あるいはOS15aと共にハードディスク装置15に格納されていてもよい。
【0027】
LCDモニタ16は、POS装置のオペレータ(操作者)の操作に必要な種々の情報、及びオペレータに対するメッセージ等が表示される表示装置である。LCDモニタ16の輝度は、上述のモニタドライバによって制御される。
【0028】
続いて、上述の構成によるPOS装置の動作について説明する。
【0029】
本発明の第1の実施形態に係るPOS装置は、LCDモニタ16と制御部が一体化されたPOS装置であり、装置起動時及び終了時にLCDモニタ16の輝度を減らして消費電力を低減させている。
【0030】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るPOS装置の起動時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0031】
POS装置の電源が投入されると、BIOS13aが起動する(ステップS21)。すなわち、電源の投入に応じてCPU11が特定のメモリアドレスにある命令を読み取り、当該命令を実行する。この命令の実行により、CPU11が次に読み取る命令アドレスが、ROM13上のBIOS13aの開始アドレスに設定される。この時点でROM13上のBIOS13aの実行が開始される。
【0032】
続いて、BIOS13aがPOS装置のハードウェア構成部品に対して診断や初期化処理を行う(ステップS22)。この際、BIOS13aは、LCDモニタ16の輝度を通常表示用の輝度よりも低く設定する。
【0033】
BIOS13aは、ブートデバイス(本実施形態では、ハードディスク装置15)からオペレーティングシステム(OS)15aを検索する(ステップS23)。
【0034】
BIOS13aは、検索したOS15aをメモリシステム(本実施形態では、RAM14)へロードする(ステップS24)。このとき、OS15aの一部となっている、あるいはOS15a共にハードウェア装置15に格納されているHWドライバ15b、及びPOSアプリケーション15cもRAM14へロードされる。
【0035】
OS15aのロードが完了すると、当該OS15aが起動する(ステップS25)。
【0036】
OS15aの起動が完了したら、POSアプリケーション15cが自動的に起動する(ステップS26)。
【0037】
POSアプリケーション15cは、起動に際してモニタドライバを経由してLCDモニタの16の輝度を通常表示用の輝度まで増やし、POS装置のオペレータがLCDモニタ16の表示を視認できるようにする(ステップS27)。
【0038】
また図3は、本発明の第1の実施形態に係るPOS装置におけるPOS業務終了時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0039】
POS装置のオペレータが、所定の終了指示をPOS装置に入力すると、POSアプリケーション15cの終了処理が行われる(ステップS31)。
【0040】
終了処理においてPOSアプリケーション15cは、モニタドライバを経由してLCDモニタ16の輝度を減少させる(ステップS32)。
【0041】
そしてPOSアプリケーション15cは、オペレーティングシステム15cに対しシャットダウン処理を要求して自己の処理を終了し、オペレーティングシステム15cが終了(シャットダウン)すると、BIOS13aの終了処理がコールバックされる(ステップS33)。
【0042】
終了処理がコールバックされると、BIOS13aがPOS装置の電源を切断する(ステップS34)。
【0043】
以上のように、本実施形態に係るPOS装置では、装置起動時にBIOS13aがLCDモニタ16の輝度を低く設定し、POSアプリケーション15cの起動完了時に、当該POSアプリケーション15cがモニタドライバを経由してモニタの輝度を通常レベルまで上げる。
【0044】
また、業務終了時にPOSオペレータがPOSアプリケーション15cを終了させると、当該POSアプリケーション15cがモニタドライバを経由してLCDモニタ16の輝度を減らしてから、オペレーティングシステムをシャットダウンする。
【0045】
このため、本実施形態に係るPOS装置では、装置の起動時及び終了時にLCDモニタ16の輝度を減じ、LCDモニタ16において消費される電力量を抑えることができる。
【0046】
オペレーティングシステム15aの装置起動処理中、又は終了処理中にLCDモニタ16上に表示される情報は、POS装置のオペレータにとって必要がないことが多い。従って上述の実施形態のように、POS装置起動時及び終了時にLCDモニタ16の輝度を減じても、オペレータの操作性が大きく損なわれることは無い。
【0047】
通常、POS装置がPOSオペレータに通知する情報としては、例えばPOSアプリケーションが起動処理中であるか否か、終了処理中であるか否かのみで良い。このため、上述のステップS22及びステップS32では、POSオペレータがPOS装置の動作状況(起動処理中か否か、終了処理中か否か)を確認できる程度の鮮明さまでモニタの輝度を減らすことができる。
【0048】
本実施形態では、LCDモニタ16の輝度として、通常表示用の輝度と、装置起動時及び終了時に設定される低い輝度との2つのレベルの輝度が設定されるが、これらの輝度は、オペレータの操作に応じて、予め設定可能であってもよい。また、オペレータ毎に変更可能であってもよい。
【0049】
続いて、本発明の他の実施形態について説明する。以下の実施形態において、上述の実施形態と共通する部分には共通する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0050】
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、装置の起動時及び終了時にLCDモニタ16の輝度を完全にゼロにして、POS動作状況(起動処理中か否か、終了処理中か否かの情報)をLEDライトやLEDラインディスプレイで通知する。
【0051】
図4は、本発明の第2の実施形態に係るPOS装置の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
本実施形態に係るPOS装置の基本的な構成は、図1に示す構成と同様である。ただし、本実施形態では、LEDディスプレイ19が、I/OデバイスとしてI/Oバス18に接続されている。
【0053】
LEDディスプレイ19は、例えばLEDライトやLEDラインディスプレイであってもよい。
【0054】
説明の簡単化のために図1ではLEDディスプレイ19は図示されていないが、通常のPOS装置では、値段等を表示するためのLEDラインディスプレイ、及び装置稼働状態(例えば電源状態やエラー情報等)通知用のLEDライトが予め組み込まれていることが多い。従って通常のPOS装置では、本実施形態のためにLEDディスプレイを特別に用意する必要がない。
【0055】
なお、LEDディスプレイ19の点灯及び消灯は、BIOS13a、及びPOSアプリケーション15cからLEDドライバを介して制御可能であるものとする。
【0056】
続いて、上述の構成によるPOS装置の動作について説明する。
【0057】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るPOS装置の起動時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
POS装置の電源が投入されると、BIOS13aが起動する(ステップS51)。すなわち、電源の投入に応じてCPU11が特定のメモリアドレスにある命令を読み取り、当該命令を実行する。この命令の実行により、CPU11が次に読み取る命令アドレスが、ROM13上のBIOS13aの開始アドレスに設定される。この時点でROM13上のBIOS13aの実行が開始される。
【0059】
続いて、BIOS13aがPOS装置のハードウェア構成部品に対して診断や初期化処理を行う(ステップS52)。この際、BIOS13aは、LCDモニタ16の輝度をゼロに設定し、LEDディスプレイ19にPOS装置が起動処理中であることをメッセージ表示させる。
【0060】
BIOS13aは、ブートデバイス(本実施形態では、ハードディスク装置15)からオペレーティングシステム(OS)15aを検索する(ステップS53)。
【0061】
BIOS13aは、検索したOS15aをメモリシステム(本実施形態では、RAM14)へロードする(ステップS54)。このとき、OS15aの一部となっている、あるいはOS15a共にハードウェア装置15に格納されているHWドライバ15b、及びPOSアプリケーション15cもRAM14へロードされる。
【0062】
OS15aのロードが完了すると、当該OS15aが起動する(ステップS25)。
【0063】
OS15aの起動が完了したら、POSアプリケーション15cが自動的に起動する(ステップS56)。
【0064】
POSアプリケーション15cは、起動に際してモニタドライバを経由してLCDモニタの16の輝度を通常表示用の輝度まで増やし、POS装置のオペレータがLCDモニタ16の表示を視認できるようにする(ステップS57)。
【0065】
また図6は、本発明の第2の実施形態に係るPOS装置におけるPOS業務終了時に行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
POS装置のオペレータが、所定の終了指示をPOS装置に入力すると、POSアプリケーション15cの終了処理が行われる(ステップS61)。
【0067】
終了処理においてPOSアプリケーション15cは、モニタドライバを経由してLCDモニタ16の輝度をゼロに設定し、LEDディスプレイ19にPOS装置が終了処理中であることをメッセージ表示させる(ステップS62)。
【0068】
そしてPOSアプリケーション15cは、オペレーティングシステム15cに対しシャットダウン処理を要求して自己の処理を終了し、オペレーティングシステム15cが終了(シャットダウン)すると、BIOS13aの終了処理がコールバックされる(ステップS63)。
【0069】
終了処理がコールバックされると、BIOS13aがPOS装置の電源を切断する(ステップS64)。
【0070】
以上のように、本実施形態に係るPOS装置では、装置起動時にBIOS13aがLCDモニタ16の輝度を無くし、POS装置が起動処理中であることをLEDディスプレイ19にメッセージで表示させる。
【0071】
また、業務終了時にオペレータがPOSアプリケーション15cを終了させると、当該POSアプリケーション15cがモニタドライバを経由してLCDモニタ16の輝度を無くし、LEDディスプレイ19にPOS装置が終了処理中であることをメッセージで表示させる。
【0072】
本実施形態に係るPOS装置では、装置の起動時及び終了時のLCDモニタ16の輝度を無くすため、LCDモニタ16において消費される電力量を更に抑えることができる。
【0073】
通常のPOS装置では、オペレータに通知する情報としては、例えばPOSアプリケーションが起動処理中であるか否か、終了処理中であるか否かのみで良い。このため、上述のステップS52及びステップS62において、LED表示でオペレータにPOS装置の動作状況(起動処理中か否か、終了処理中か否か)が通知できれば、オペレータの操作性を大きく損なうことは無い。
【0074】
また、上述のステップS52及びステップS62では、POSアプリケーションの動作状況をメッセージ表示するとしたが、オペレータが動作状況を確認できるのであれば、LEDライトの点灯状態(点滅、輝度の変化等)によって、動作状況を知らせてもよい。
【0075】
また、POS装置が音声出力部を備えている場合、上述のステップS52及びステップS62では、LED表示に代えて音声出力によって、POSアプリケーションの動作状況が通知されてもよい。このように、LCDモニタ16の輝度をゼロに落としても、種々の方法でオペレータに動作状況を通知することが可能である。
【0076】
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、オペレーティングシステム起動時および終了時に消費電力の高い部品であるモニタの輝度を低減することで、モニタの消費電力を削減することができる。このため、POS運用にかかる年間の総合消費電力の低減ができる。
【0077】
なお、上述の各実施形態では、LCDモニタ19と制御部とが一体に構成されたPOS装置について説明した。しかしながら、モニタドライバを介してLCDモニタ19の輝度の制御が可能であれば、LCDモニタ19は必ずしも制御部と一体に構成されなくともよい。
【0078】
また、上述の各実施形態では、表示装置としてLCDモニタ採用したPOS装置について説明した。しかしながら、POS装置に用いられる表示装置は、LCDモニタに限定されるものではない。LCD方式に限らず、他の表示装置を用いるPOS装置であっても本発明の各実施形態を適用することが可能である。
【0079】
以上のように、本発明の各実施形態に係るPOS装置によれば、装置の起動処理時および終了処理時にLCDモニタの輝度を減らして鮮明に表示しないで、消費電力を減らすことができる。このため、小売業の店舗等で扱われるPOS装置の運用にかかる消費電力を削減し、小売業のビジネスコストを抑制することができる。
【0080】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0081】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0082】
(付記1)
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、
前記表示装置の輝度を制御するドライバと、
電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)と、
前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するPOSアプリケーションと、
を備えることを特徴とするPOS装置。
【0083】
(付記2)
前記POSアプリケーションは、当該POSアプリケーションの終了指示に応じて、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、当該POSアプリケーションの終了処理を行うことを特徴とする付記1に記載のPOS装置。
【0084】
(付記3)
LED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記BIOSは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記1又は2に記載のPOS装置。
【0085】
(付記4)
LED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記1又は2に記載のPOS装置。
【0086】
(付記5)
前記POSアプリケーションは、前記終了指示に応じて前記オペレーティングシステムのシャットダウンを要求し、
前記BIOSは、前記オペレーティングシステムが終了したら、前記POS装置の電源を切断することを特徴とする付記2乃至4の何れかに記載のPOS装置。
【0087】
(付記6)
前記表示装置は、LCD表示装置であることを特徴とする付記1乃至5の何れかに記載のPOS装置。
【0088】
(付記7)
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバとを備えるPOS装置の表示制御方法であって、
前記POS装置の電源投入に応じて起動するBIOS(Basic Input Output System)によって、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定するステップと、
前記BIOSによってオペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するステップと、
前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションによって、該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するステップと、
を有することを特徴とするPOS装置の表示制御方法。
【0089】
(付記8)
前記POSアプリケーションの終了指示に応じて、当該POSアプリケーションによって前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定するステップと、
前記POSアプリケーションの終了処理を行うステップと、
を更に有することを特徴とする付記7に記載の表示制御方法。
【0090】
(付記9)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記BIOSは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記7又は8に記載の表示制御方法。
【0091】
(付記10)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記7又は8に記載の表示制御方法。
【0092】
(付記11)
前記POSアプリケーションは、前記終了指示に応じて前記オペレーティングシステムのシャットダウンを要求し、
前記BIOSは、前記オペレーティングシステムが終了したら、該POS装置の電源を切断することを特徴とする付記8乃至10の何れかに記載の表示制御方法。
【0093】
(付記12)
前記表示装置は、LCD表示装置であることを特徴とする付記7乃至11の何れかに記載の表示制御方法。
【0094】
(付記13)
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するものとを備えるPOS装置において動作するBIOS(Basic Input Output System)であって、
電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開することを特徴とするBIOS。
【0095】
(付記14)
前記POSアプリケーションは、当該POSアプリケーションの終了指示に応じて、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、当該POSアプリケーションの終了処理を行うことを特徴とする付記13に記載のBIOS。
【0096】
(付記15)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
該BIOSは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記13又は14に記載のBIOS。
【0097】
(付記16)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記13又は14に記載のBIOS。
【0098】
(付記17)
前記POSアプリケーションは、前記終了指示に応じて前記オペレーティングシステムのシャットダウンを要求し、
該BIOSは、前記オペレーティングシステムが終了したら、前記POS装置の電源を切断することを特徴とする付記14乃至16の何れかに記載のBIOS。
【0099】
(付記18)
前記表示装置は、LCD表示装置であることを特徴とする付記13乃至17の何れかに記載のBIOS。
【0100】
(付記19)
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)とを備えるPOS装置において、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、
当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定することを特徴とするPOSアプリケーション。
【0101】
(付記20)
当該POSアプリケーションの終了指示に応じて、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、当該POSアプリケーションの終了処理を行うことを特徴とする付記19に記載のPOSアプリケーション。
【0102】
(付記21)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記BIOSは前記LED表示装置に、該POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記19又は20に記載のPOSアプリケーション。
【0103】
(付記22)
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
該POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする付記19又は20に記載のPOSアプリケーション。
【0104】
(付記23)
該POSアプリケーションは、前記終了指示に応じて前記オペレーティングシステムのシャットダウンを要求し、
前記BIOSは、前記オペレーティングシステムが終了したら、前記POS装置の電源を切断することを特徴とする付記20乃至22の何れかに記載のPOSアプリケーション。
【0105】
(付記24)
前記表示装置は、LCD表示装置であることを特徴とする付記19乃至23の何れかに記載のPOSアプリケーション。
【符号の説明】
【0106】
11 CPU
12 バススイッチ
13 ROM
13a BIOS
14 RAM
15 ハードディスク装置
15a オペレーティングシステム
15b ハードウェアドライバ
15c POSアプリケーション
16 LCDモニタ
17 メモリバス
18 I/Oバス
19 LEDディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、
前記表示装置の輝度を制御するドライバと、
電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)と、
前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するPOSアプリケーションと、
を備えることを特徴とするPOS装置。
【請求項2】
前記POSアプリケーションは、当該POSアプリケーションの終了指示に応じて、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、当該POSアプリケーションの終了処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のPOS装置。
【請求項3】
LED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記BIOSは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする請求項1又は2に記載のPOS装置。
【請求項4】
LED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする請求項1又は2に記載のPOS装置。
【請求項5】
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバとを備えるPOS装置の表示制御方法であって、
前記POS装置の電源投入に応じて起動するBIOS(Basic Input Output System)によって、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定するステップと、
前記BIOSによってオペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するステップと、
前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションによって、該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するステップと、
を有することを特徴とするPOS装置の表示制御方法。
【請求項6】
前記POSアプリケーションの終了指示に応じて、当該POSアプリケーションによって前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定するステップと、
前記POSアプリケーションの終了処理を行うステップと、
を更に有することを特徴とする請求項5に記載の表示制御方法。
【請求項7】
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記BIOSは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの起動状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする請求項5又は6に記載の表示制御方法。
【請求項8】
該POS装置はLED表示装置を更に備え、
前記第2の輝度はゼロに設定され、
前記POSアプリケーションは前記LED表示装置に、前記POSアプリケーションの終了状態を前記オペレータに通知するための表示をさせることを特徴とする請求項5又は6に記載の表示制御方法。
【請求項9】
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定するものとを備えるPOS装置において動作するBIOS(Basic Input Output System)であって、
電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開することを特徴とするBIOS。
【請求項10】
オペレータに対する情報を表示する表示装置であって、通常表示のための第1の輝度と、前記第1の輝度より低い第2の輝度に設定可能な表示装置と、前記表示装置の輝度を制御するドライバと、電源投入に応じて起動し、前記ドライバを介して前記表示装置の輝度を前記第2の輝度に設定し、オペレーティングシステムを検索してメモリ上に展開するBIOS(Basic Input Output System)とを備えるPOS装置において、前記オペレーティングシステムの制御下でPOS(Point Of Sales)システムを実現するPOSアプリケーションであって、
当該POSアプリケーションの起動後に、前記表示装置の輝度を前記ドライバを介して前記第1の輝度に設定することを特徴とするPOSアプリケーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−64107(P2012−64107A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209254(P2010−209254)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】