RFID固定具を備えた医療流体送達システム
医療流体を患者に送達するためのシステムおよび方法が提示される。データ記憶デバイスはシリンジの外筒に着脱可能に接続され得る再使用可能固定具の構造に別個に取り付けられる、またはその中に組み込まれる。充填部および自動注入器はそれぞれ、その視野内のデータ記憶デバイスを読み取るように動作可能な読み書きデバイスを含み得る。読み書きデバイスが、それぞれ、充填部および自動注入器に取り付けられ、データ記憶デバイスを含む固定具が、シリンジに取り付けられる場合、読み書きデバイスは、シリンジと関連付けられたデータ記憶デバイス上にデータを記憶し、そこからデータを読み取るように動作可能であり得る。注入手技後、固定具は、シリンジから取り外され、新しいまたは再滅菌されたシリンジと再使用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第61/167,548号(2009年4月8日出願、名称「MEDICAL FLUID DELIVERY SYSTEM WITH REUSABLE RFID FIXTURE」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療流体送達システムに関し、より具体的には、そのような医療流体送達システムに関連する追跡/管理情報に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水および/または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的にパワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、着脱可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
無線自動識別(「RFID」)タグは、種々の用途において、ますます人気になりつつある。RFIDタグは、医療用途に関連して、具体的には、自動注入器に関して、対処されている。例えば、RFIDタグは、自動注入器シリンジに取り付けられ、少なくともある医療情報を有してエンコードされる。多くの場合、自動注入器シリンジは、使い捨てであって(すなわち、単回注入のために設計されている)、したがって、任意の関連RFIDタグを含むシリンジ全体が、使用後、廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で使用される場合、「流体的に相互接続された」等の語句は、その間の所定の流路で流体が(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で(直接または間接的に)、2つ以上の構成要素または実体が接続されていることを指す。例えば、「シリンジと流体的に相互接続される導管」は、流体が、シリンジから任意の相互接続デバイス(例えば、管類、コネクタ)を通して、導管の中へと流動することができる、構成を表す。
【0007】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に搭載された」、「着脱可能に相互接続された」、「着脱可能に接続された」等の語句は、構成要素が相互接続されるが、相互から取り外される能力を保持し、取り外し後に、構成要素のそれぞれが使用可能な状態のままである、構成要素間の関係を表す。例えば、「データ記憶デバイスを組み込み、シリンジに着脱可能に搭載される、スリーブ」とは、スリーブが、スリーブをシリンジから取り外すことを可能にする様式で、シリンジに現在搭載されている状況を表す。さらに、そのような取り外し後、スリーブおよびシリンジは両方とも、使用可能な状況のままである。例えば、スリーブは、別のシリンジに再取り付けられ、次いで、また、一定時間後、そこから取り外され得る。
【0008】
本明細書で使用される場合、「視野」という用語は、データリーダに関連して使用される場合、ある領域内のデータ記憶デバイスが、データリーダによって読取可能である、データリーダに近接するその領域を表す。
【0009】
本明細書で使用される場合、「オペレータ」とは、流体を患者内に注入するプロセスに関与し得る、任意の適切な人物であり得る。故に、オペレータとして、撮像技術者、看護士、医師、および/または任意の他の適切な医療従事者を含み得る。
【0010】
本発明の第1の局面は、シリンジ外筒と、プランジャと、シリンジ外筒に着脱可能に接続される、固定具と、固定具上のデータ記憶デバイスとを含む、自動注入器シリンジアセンブリによって具現化される。プランジャは、シリンジ外筒に対して移動可能であって、シリンジ外筒内に配置される、プランジャヘッドを含む。
【0011】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第1の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第2の局面の論議の開始まで、第1の局面に適用可能である。
【0012】
自動注入器シリンジアセンブリのプランジャおよびシリンジ外筒は、シリンジ外筒が、第1の場所で予充填される予充填されたシリンジの形態であり得、適切な医療流体が自動注入器によって放出され、(例えば、他の予充填されたシリンジともに、バルクとして)共通出荷容器内において、第2の場所に輸送される。いずれの場合も、シリンジは、使い捨て(すなわち、単回注入手技のために使用される)であり得るが、いくつかの事例では、シリンジは、任意の要求される滅菌後、再使用され得る。
【0013】
データ記憶デバイスは、例えば、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。データ記憶デバイスは、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別または医療情報、注入プロトコル情報等のデータを記憶し得る。さらに、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスを固定具の外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、固定具に別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、固定具の構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、固定具の構造に埋め込まれ得る。
【0014】
固定具は、複数のシリンジのそれぞれに別個に設置可能であるとして特徴付けられ得る。固定具は、1つのシリンジ上に設置され、本シリンジから除去され、次いで、別のシリンジ上に設置され得る。固定具は、接続構造を含むとして特徴付けられてもよく、本接続構造は、固定具をシリンジ上に設置可能な構成であって、本接続構造は、固定具が、本同一接続構造を使用して、異なるシリンジ上に設置され得るように、固定具が、1つのシリンジから除去されても、無傷のままであるような構成である。
【0015】
固定具は、繰り返し、固定具をシリンジ外筒に取り付け、そこから取り外し可能な様式で、データ記憶デバイスを収容し、シリンジ外筒に着脱可能に接続するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。加えて、固定具は、必要に応じて、使い捨てまたは再使用可能であり得る。さらに、固定具は、シリンジ外筒の周縁の一部または全部の周りに延在し得、シリンジ外筒が、注入手技の際、高圧に曝されると、シリンジ外筒の少なくとも一部を構造的に補強および/または支持するために使用され得る。すなわち、固定具は、自動注入器が、相当の圧力をシリンジ外筒内で発生させ得る、注入手技の際、プランジャを前進させると、圧力スリーブとしての補助的立場で作用し、シリンジ外筒が破裂する潜在性を低減させ得る。
【0016】
一実施形態では、固定具は、シリンジ外筒上にクランプ留めまたはスナップ留めされる、スリーブの形態であり得る。具体的には、スリーブは、両方とも、相互に対して自由に移動可能であり得る、第1の縁および第2の縁の相対位置によって規定される、直径を有する、開放的環状構造を形成し得る。その結果、スリーブは、シリンジ外筒上にスリーブを設置し、そこからスリーブを除去するように固定され得る。スリーブを屈曲させ、第1および第2の縁を相互から離れるように移動させることによって、スリーブをシリンジ外筒上にクランプ留めまたはスナップ留めするか、あるいはシリンジ外筒から除去可能となる。スリーブが、シリンジ上に設置されると、第1および第2の縁は、離間、当接、または重複し得、スリーブは、シリンジ外筒の全部または一部のみの周囲に延在し得る。
【0017】
データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスをスリーブの外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、スリーブに別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、スリーブの構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、スリーブの構造に埋め込まれ得る。
【0018】
別の実施形態では、固定具は、バンドの形態であり得る。本実施形態では、バンドは、シリンジ外筒の周縁全体の周りに延在し、シリンジ外筒に設置されると、重複関係に配置される、第1および第2の縁部分を含み得る。上述のスリーブ実施形態同様に、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスをバンドの外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、バンドに別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、バンドの構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、バンドの構造に埋め込まれ得る。
【0019】
固定具をシリンジ外筒に「半永久的に」取り付けるために、固定具は、少なくとも1つのロックまたはラッチを含み得る。ロックは、固定具をシリンジ外筒に着脱可能に搭載するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。ロックが、ロックされた構成にある時、固定具は、シリンジ外筒から容易に除去されないものであり得る(例えば、適切な工具を使用せずに)。対照的に、ロックが、ロック解除された構成にある時、固定具は、シリンジ外筒から容易に除去され得る。ロックは、任意の適切な様式で係合および係脱され得るが、一実施形態では、固定具は、ロック解除ツールをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更可能なために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のロック解除ツールと併用され得る。
【0020】
オペレータの便宜のため、および/またはロック解除ツールの損失あるいは誤留置を回避するため、ロック解除ツールは、任意の適切な様式で(例えば、繋留、ホルスタ収納、着脱可能に締結される)、自動注入器と着脱可能に接続され得る。代替として、または加えて、ロック解除ツールは、任意の適切な様式で、自動注入器の構造に統合され得る。例えば、一実施形態では、突き出しピンが、任意の適切な様式(例えば、機械的に、電気機械的に、油圧で、空気圧で作動される)で、自動注入器に組み込まれ得る。注入プロトコルは、突き出しピンの使用を自動化し、注入手技の終了時、突き出しピンをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更し得る。突き出しピンの動作は、同様に、手動でも始動され得る。
【0021】
本発明の第2の局面は、医療流体を送達するための方法によって具現化される。本方法は、医療流体を医療容器内に装填するステップと、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップと、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップとを含む。その後、医療流体は、データ記憶デバイスが、医療容器から除去される前に(例えば、データ記憶デバイスは、注入プロトコルの終了後、医療容器から除去され得る)、医療容器から放出され得る。データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスを続いて再使用可能にする様式で、医療容器から除去され得る。
【0022】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第2の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第2の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の議論は、本発明の第2の局面に適用可能である。
【0023】
医療容器は、医療流体を患者内に放出するための任意の適切な医療容器であり得る。例えば、第1の局面と関連して上述のように、医療容器は、自動注入器と併用するための任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のシリンジの形態であり得、シリンジは、適切な医療流体が自動注入器によって放出され、共通出荷容器内において、他の予充填されたシリンジとともに、第2の場所へバルクとして輸送される、第1の場所で予充填される予充填されたシリンジを含む。
【0024】
任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の充填部を使用して、医療容器を医療流体によって装填し得、医療流体は、医療容器内に装填するための任意の適切な流体あるいは複数の流体の組み合わせを含み得る。また、充填部は、ローカルネットワーク(例えば、病院および/または出荷あるいは輸送システム)とインターフェース接続するように動作可能であって、注入手技に関連する情報を取得、検証、および/またはアップロードするだけでなく、データ記憶デバイス(例えば、無線信号を介して、1つ以上のデータ記憶デバイスと通信するように動作可能なRFID読み書きデバイス)にデータを書き込み、および/またはそこからデータを読み取るための読み書きデバイスを含み得る。
【0025】
データ記憶デバイスは、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術を含む、任意の適切な構造であり得る。充填部の読み書きデバイスを使用して、データ記憶デバイスに、医療容器に装填される流体に関連する(例えば、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限等)、または患者識別あるいは医療情報、もしくは注入プロトコル情報等、他の関連情報に関連する、充填データを記憶し得る。充填データをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、充填部によって始動される自動化プロセス、手動またはオペレータ始動プロセス、あるいはこれらの選択肢の組み合わせであり得る。
【0026】
データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップは、固定具を医療容器に取り付けるステップを含み得る。データ記憶デバイスの後続の再使用を促進するために、固定具は、データ記憶デバイスを含む、再使用可能固定具であり得る。この点において、データ記憶デバイスは、任意の適切な様式(例えば、データ記憶デバイスを固定具の外部表面に接着または別様に係留する)で、固定具に別個に取り付けられ得、あるいはデータ記憶デバイスは、固定具の構造自体に組み込まれ得る(例えば、射出成形等の製造プロセスの際、固定具の構造に埋め込まれる)。
【0027】
一実施形態では、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップは、固定具を医療容器上に掛止するステップを含み得る。本実施形態では、固定具を医療容器から除去するステップは、固定具を医療容器から取り除く前に、固定具を医療容器から掛止解除および/または取り外すステップを含み得る。固定具を掛止および掛止解除/取り外すステップは、手動で実行されるか、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のツールを使用して実行されるか、自動化手技の一部として実行されるか、あるいはこれらの選択肢の組み合わせを通して実行され得る。
【0028】
別の実施形態では、データ記憶デバイスを医療容器に搭載するステップは、固定具を医療容器上にロックするステップを含み得る。本実施形態では、固定具を医療容器から除去するステップは、固定具が、医療容器から取り除かれる前に、固定具を医療容器からロック解除するステップを含み得る。ロックは、固定具を医療容器に着脱可能に搭載するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。ロックが、ロックされた構成にある時、固定具は、適切な工具を使用せずに、医療容器から容易に除去されないものであり得る。対照的に、ロックが、ロック解除された構成にある時、固定具は、医療容器から容易に除去され得る。ロックは、任意の適切な様式で係合および係脱され得るが、一実施形態では、ロックをロック解除または係脱するステップは、ツールをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更可能にするために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のツールを操作するステップを含み得る。固定具をロック解除するステップは、手動で実行されるか、自動化手技の一部として実行される、または両方の組み合わせを通して実行され得る。
【0029】
流体は、任意の適切な様式で、医療容器から放出され得る。例えば、流体を医療容器から放出するステップは、医療容器を医療容器からの医療流体を患者内に放出可能な任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の自動注入器上に設置し、次いで、それを操作するステップを含み得る。
【0030】
一実施形態では、また、自動注入器は、データ記憶デバイスからデータを読み取り、および/またはそこにデータを書き込むように動作可能な読み書きデバイスを含み得る。この点において、自動注入器の読み書きデバイスを使用して、データ記憶デバイス上に記憶された充填データを読み取り、検証し、注入手技の実行可能性を確認し得る。例えば、読み書きデバイスは、濃度、期限データ、充填日、充填体積に関連するデータを読み取り、自動注入器が行うように調製されたプログラムされた注入プロトコルと比較して、データを検証し得る。データ記憶デバイス上に記憶されたデータが、不適切である場合、自動注入器および/または読み書きデバイスと併用して実装される論理は、医療容器の使用を拒否し得る。加えて、読み書きデバイスを使用して、後続の読取および/または記憶のために、注入データ(例えば、放出体積、廃棄体積)をデータ記憶デバイスに記憶し得る。
【0031】
注目すべきこととして、医療流体を医療容器内に装填するステップ、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップ、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップ、流体を医療容器から放出するステップ、およびデータ記憶デバイスを医療容器から除去するステップは、必要に応じて、様々な場所で生じてもよい。例えば、医療流体は、異なる場所において、医療容器内に装填され、医療容器から放出され得る。具体的には、医療容器は、医療容器が、充填部から、医療流体が医療容器から患者内に放出され得る、第1の場所(例えば、撮像室、カテーテル検査室、病室)に輸送される前に、薬局、製薬業者、あるいは任意の他の適切な医薬品および/または医療流通センター内に位置する、充填部で装填され得る。
【0032】
その結果、固定具の再使用可能性質によって、データ記憶デバイスは、再使用のために、第1の場所から充填部に返送され得る。充填部に返送されると、データ記憶デバイスは、上述の方法が、第2の(例えば、新しいまたは再滅菌された)医療容器および第2のデータセットを使用して、繰り返される前に、データ消去され得る。また、データをデータ記憶デバイスから消去し、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、集合的に、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに上書きするステップを含み得る。すなわち、データ記憶デバイスをデータ消去し、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、2つの別個のステップを必要としない。いくつかの事例では、第2のデータセットは、単純に、データ記憶デバイスの任意の既存データ上に書き込むか、または記憶され得る。
【0033】
加えて、上述の方法のステップが実行される順番は、任意の適切な時および任意の適切な順番で完了されるように、改変され得る。例えば、充填部は、データがデータ記憶デバイスに記憶される前、後、またはその間に、流体を医療容器内に装填し得る。したがって、医療流体を医療容器内に装填し、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、連続的、または並行して、生じてもよい。別の実施例では、データは、データ記憶デバイスが、医療容器上に搭載される前または後に、データ記憶デバイスに記憶され得る。さらに別の実施例では、データ記憶デバイスに記憶されたデータは、流体が医療容器から放出されるのに先立って、またはその間に、読み取られ得る。最終実施例では、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスが、再使用のために、充填部に返送される前または後に、医療容器から除去され得る。
【0034】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の第1および第2の局面のそれぞれに関連して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数」の文脈等に限定されることが意図される、本発明の任意の他の種々の局面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている基礎的実践に従って、単に特徴を導入することは、対応する特徴を単数に限定するものではない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定するものではない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。最後に、特定の特徴に関連する「少なくとも概して」等の語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例も包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。
【0035】
本発明の種々の局面のいずれかによって利用され得る、任意の「論理」は、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切な種類のメモリを使用して、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータ、または任意の適切な様式で相互接続された任意の適切な種類の複数のコンピュータを使用して、またはそれらの任意の組み合わせを無制限に含む、任意の適切な様式で実装され得る。本論理は、任意の単一の場所で、または任意の適切な様式で(例えば、任意の種類のネットワークを介して)、相互接続される複数の場所で実装され得る。
【0036】
流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、その場合、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の搭載および/または引出に適応するため、および/または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の時に、単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し得(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0037】
任意のそのような自動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0038】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、着脱可能に、前方搭載式、後方搭載式、側面搭載式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)内へと向けられ、本導管は、任意の適切な様式で、シリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテル)へと向ける。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能なプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型でスタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、自動注入器を医療流体によって装填するための充填部の一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、2つの設置された自動注入器シリンジを伴う、二重ヘッド構成自動注入器の一実施形態の上面図を例証する。
【図5】図5は、自動注入器シリンジへの取り付けのための固定具の一実施形態を例証するものであって、固定具は、データ記憶デバイスを含む。
【図6A】図6Aは、自動注入器シリンジへの取り付けのためのデータ記憶デバイスを含む、固定具の別の実施形態の断面図を例証する。
【図6B】図6Bは、図6Aの固定具のためのロックの詳細図を例証する。
【図7A】図7Aは、図6Bに詳述されるロックと係合されるロック解除ツールを伴う、図6Aの固定具の断面図を例証する。
【図7B】図7Bは、図6Bに詳述されるロックと係合される図7Aのロック解除ツールの詳細図を例証する。
【図8】図8は、2つの統合された突き出しピンおよび繋留されたロック解除ツールを伴う、二重ヘッド構成自動注入器の一実施形態の上面図を例証する。
【図9】図9は、データ記憶デバイスを有する固定具を使用して、医療流体を送達する方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、パワーヘッド12を有する自動注入器10の一実施形態の概略図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11が、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、(1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得、(2)任意の適切な様式でパワーヘッド12と動作可能に相互接続され得、(3)任意の適切な場所に配置され得、(4)自動注入器10の動作の1つ以上の局面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、および、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のうちのいずれかを提供するように構成され得、または(5)それらの内容の任意の組み合わせであり得る。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、または、GUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0041】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式で、シリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0042】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、界面接触する)シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)にパワー供給する駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結器22を含み得る。
【0043】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用または界面接触し得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともにシリンジプランジャ32の本体から延在するシャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。
【0044】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同じ駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように、構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0045】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の充填に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを要求しなくてもよく、その場合、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34は必要ではないことがある。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される時でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)時には、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するために、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するために、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0046】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間に界面を提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。本筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために必要であり、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできないようなものであり得る。圧力ジャケット26が使用されている時は、シリンジ28に関連して本明細書で論議される種々の様式で、それがパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0047】
シリンジ28を設置する時に、筐体24は、パワーヘッド12上に搭載されており、パワーヘッド12に対して固定位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件と非連結状態または条件とのうちの1つ以上を提供し得る。
【0048】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0049】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填する時に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましいことがある。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0050】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る、1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または、固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0051】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の局面を制御する機能、自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する機能、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置され、または電子機器ラック上に搭載され、あるいは両方であり得るコンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の局面を遠隔制御することを可能にすること、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にすること、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にすること(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および、その動作の任意の局面を含む自動注入器40の動作とする任意の適切な情報を表示することのうちの1つ以上、および任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0052】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動性に配置されるプランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通して、シリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるために、任意の適切な様式でノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるために、任意の適切な様式でノズル89bと流体的に相互接続される。
【0053】
シリンジ86aは、中間面板102aを介してパワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されると、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0054】
面板102aは、パワーヘッド50上の台82aに面板102aを搭載し、および、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0055】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されると、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0056】
面板102bは、パワーヘッド50上の台82bに面板102bを搭載し、および、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、ハンドル106bを含み得る。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して回転させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0057】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットの後に位置付けられる、より大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である時に、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0058】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A−Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0059】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。それの周りに駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0060】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部と界面接触する螺旋ネジ山70を含む。また、ラム74は、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0061】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と着脱可能に連結され得る連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bとともに移動させられ得る構成を図示する。そのシリンジプランジャ90a/bのヘッド96がラム連結器76と整列させられるが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態で、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で、シリンジ86a/bが平行移動させられ得るように、シリンジ86a/bは、その対応する軸100a/bとともに移動させられる。このことは、上述の様式で、ラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0062】
図1および2A−Cの自動注入器10、40はそれぞれ、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含む、任意の適切な用途に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像を含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0063】
単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む、任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0064】
図3は、自動注入デバイス(例えば、自動注入器)と併用するために、医療容器(例えば、自動注入器シリンジ)を充填する際に使用するための充填部110の概略図である。充填部110は、薬局、製薬業者、あるいは任意の他の適切な医薬品および/または医療流通センターに位置し得る。以下、充填部110は、自動注入器108(例えば、図4)と併用するために、自動注入器シリンジ107と併せて説明される。シリンジ107は、例えば、上述のシリンジ28(図1)、86(図2A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の医療容器を含み得る。自動注入器108は、例えば、上述の自動注入器10(図1)、40(図2A−C)を含む、適切なサイズ、形状、種類、または構成の任意の自動注入器であり得る。加えて、自動注入器108は、例えば、上述のパワーヘッド12(図1)、50(図2A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のパワーヘッド109を含み得る。
【0065】
概して、充填部110は、シリンジ107内に装填するために、適切な医療流体(例えば、造影剤、生理食塩水、流体医薬品)を含む、バルク容器/リザーバ112を含む。充填部110は、充填部110が、バルク容器112から適切な体積の流体によってシリンジ107を充填するために使用され得るように、シリンジ107に固着して位置付けるように構成され得る。シリンジ107を充填するために使用され得る充填部の例示的実施形態は、国際出願第PCT/US2004/017802号に記載されている。
【0066】
加えて、充填部110は、読み書きデバイス114を含み得る。読み書きデバイス114は、無線信号を介して、自動注入器108を使用して、患者内に流体を注入するステップと関連付けられ得る、1つ以上のデータ記憶デバイス(例えば、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術)と通信するように動作可能な無線自動識別「RFID」デバイスであり得る。故に、読み書きデバイス114は、1つ以上のデータ記憶デバイスからデータを読み取る、および/またはそこにデータを書き込むように動作可能であり得る。読み書きデバイス114と関連付けられた制御電子機器および/または論理は、任意の適切な場所に配置され得る。
【0067】
再使用可能/書換可能データ記憶デバイス118、120は、それぞれ、バルク容器112およびシリンジ107に添着され得る。この点において、図3は、図5に関連して論じられる、スリーブ124の形態として取り付けられる固定具を伴う、シリンジ107を示す。初期概要として、スリーブ124は、データ記憶デバイス120を組み込み、スリーブ124が、例えば、上述のシリンジ107(図3)、28(図1)、86(図2A−B)を含む、複数のシリンジに繰り返し取り付けられ、そこから除去され得るように、シリンジ107に着脱可能に搭載される。
【0068】
シリンジ107充填時またはその前後に、読み書きデバイス114は、バルク容器112内の流体に関するデータを読み取り、順に、関連充填データ(例えば、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別または医療情報、注入プロトコル情報)をデータ記憶デバイス120に記憶し得る。また、データ記憶デバイス120は、シリンジ状態(例えば、シリンジ107が使用されていないままである、または流体がシリンジ107からさらに放出されていない)を指定し得る。充填データをデータ記憶デバイス120に書き込むステップは、各充填手技の際、充填部110によって始動される自動化プロセス、手動またはオペレータ始動プロセス、あるいはこれらの選択肢の組み合わせであり得ることを理解されたい。
【0069】
充填されると、シリンジ107は、第1の場所または最終用途場所(例えば、撮像室、カテーテル検査室、病室)に輸送され、シリンジ107は、図4に示されるように、自動注入器108上に設置され得る。自動注入器108は、追加の読み書きデバイス122を含み得る。読み書きデバイス122は、シリンジ107上のデータ記憶デバイス120から充填データを読み出し、それによって、自動注入器108が行うように調製されるプログラムされた注入プロトコルに対して、充填データを検証可能にするように動作可能であり得る。また、読み書きデバイス122は、充填部110における後の読取および/または記録のために、現在の注入手技に関する注入データ(例えば、使用体積、廃棄体積、注入濃度、患者情報、流体がシリンジ107から放出されたことの表示)をデータ記憶デバイス120に記憶するように動作可能であり得る。
【0070】
自動注入器シリンジは、概して、単回注入手技後に廃棄されるため、かつデータ記憶デバイスは、書換および/または修正され得るため、データ記憶デバイス120は、上述のように、シリンジ107に着脱可能に接続する固定具内に組み込まれるか、またはそこに別個に取り付けられ得る。固定具は、シリンジ107が医療流体によって装填される時またはその前後に、充填部110において、シリンジ107に取り付けられ得、固定具は、自動注入器108が、最終用途場所において、シリンジ107を放出した後、しばらくしてから、シリンジ107から除去され得る。このように、データ記憶デバイス120を固定具に組み込むことによって、反復注入手技のために、固定具、したがって、データ記憶デバイス120を再使用可能にし、かつ異なるシリンジと再び併用可能にする。
【0071】
図5は、シリンジ107への取り付けのための固定具の一実施形態を例証する。本実施形態では、固定具は、スリーブ124の形態である。データ記憶デバイス120は、スリーブ124に別個に取り付けられ得、あるいはスリーブ124の構造に直接統合または組み込まれ得る。図5に示されるように、スリーブ124は、第1の縁126および第2の縁128を有する、半円筒形構造の形態であり得る。スリーブ124は、第1および第2の縁126、128が、相互に対して自由に移動し得る(例えば、スリーブ124の屈曲によって)ように構成され、それによって、オペレータは、第1および第2の縁126、128を分離し、スリーブ124をシリンジ107の外筒111上にクランプ留めまたはスナップ留めし、そこから外すことが可能となる。スリーブ124が、図4に示されるように、シリンジ107に取り付けられると、第1および第2の縁126、128は、離間するか、当接するか、または重複し得る。言い換えると、スリーブ124は、シリンジ外筒111の全部または一部のみの周囲に延在し得る。シリンジ107の外筒111上に搭載されると、スリーブ124は、例えば、スリーブ124の弾性に基づいて、外筒111に圧縮力を付与し得る。
【0072】
図6A−Bから7A−Bは、データ記憶デバイス120をシリンジ107に着脱可能に搭載するための固定具の別の実施形態を例証する。本実施形態では、固定具は、シリンジ外筒111の周縁全体の周りに延在する円形バンド130の形態である。バンド130は、第1の縁部分142と、第2の縁部分144とを含む。第1および第2の縁部分142、144は、バンド130が、シリンジ外筒111の周りに位置付けられると、重複関係に配置される。したがって、バンド130は、シリンジ外筒111の円周全体の周りに延在する。
【0073】
また、第1および第2の縁部分142、144は、バンド130をシリンジ外筒111に着脱可能に搭載するロックを形成する。具体的には、ロックされた構成にある時、タブ136は、図6A−Bに示されるように、第2の縁部分144から延在し、第1の縁部分142内の切り欠き140の一部を形成する、側壁138に対して楔着する。タブ136は、ロック位置に対して付勢され得る(例えば、少なくとも若干、弾性的に変形可能またはたわむことが可能であることによって)。
【0074】
バンド130は、シリンジ111から除去され得、その後、別のシリンジ上に搭載され得る。この点において、ツール134は、図7A−Bに示されるように、タブ136を切り欠き140の外へたわませ、第1および第2の縁部分142、144を解放するように、切り欠き140内に挿入され得る。第1および第2の縁部分142、144が解放されると、バンド130をシリンジ外筒111に取り付け、またはそこから除去可能なように(例えば、バンド130を屈曲することによって)、十分な距離をもって分離され得る。タブ136は、上述のように、ロックされた位置に付勢されているので、タブ136は、バンド130がロック解除され、ツール134からの任意の拘束力が除去された後、自動的に、ロックされた位置に復元し得る。
【0075】
ツール134は、側壁138の高さに少なくとも等しい高さである高さ(h)を有する楔状デバイスであり、楔状デバイスは、切り欠き140内を摺動し、タブ136を切り欠き140から変位させるように構成され、それによって、第1および第2の端部部分142を解放する。しかしながら、ツール134は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。概して、ある種類のツールを使用せずに、バンド130をシリンジ107から除去可能にすることを回避することが望ましいであろう。
【0076】
オペレータの便宜のためだけではなく、ツール134の誤配置を回避するために、ツール134は、ツール134を自動注入器108から除去し、任意の適切な様式で、再び格納可能にする、自動注入器108の任意の適切な部分に着脱可能に搭載され得る。この点において、図8は、パワーヘッド109'を有する自動注入器108'の変形例に繋留されたツール134を例証する。代替として、ツール134は、自動注入器108'に直接統合され得る。例えば、図8に示される一実施形態では、また、自動注入器108'は、適切な数の突き出しピン146を含み得る。各突き出しピン146は、注入手技の終了後に作動されると、ピン146が、バンド130の切り欠き140内へと前方に駆動し、それによって、タブ136を変位させ、第1および第2の縁部分142、144を解放し、バンド130をシリンジ外筒111から除去可能にするように、適切に構成され得る。突き出しピン146は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得、当技術分野において周知の任意の適切な様式で作動され得る(例えば、機械的、電気機械的、油圧式、空気圧式等)。自動注入器108'は、上述の工具の選択肢の一方または両方を含み得ることを理解されたい。すなわち、自動注入器108'は、着脱可能に搭載されたツール、統合されたツール、または両方を含み得る。
【0077】
一般に、図1に関連して論じられるように、いくつかの注入手技は、シリンジ内で発生する比較的高圧をもたらし得る。この点において、シリンジは、時として、圧力下、シリンジが破裂するのを防止する、圧力ジャケット内に配置される。圧力ジャケットは、典型的には、シリンジをパワーヘッド上に設置するプロセスの一部として、またはその後、シリンジをその中に配置可能にする様式で、自動注入器のパワーヘッドと関連付けられる。この点において、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)は、圧力スリーブとしての補助的立場で機能し得る。すなわち、シリンジ107に取り付けられると、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)はそれぞれ、シリンジ107の周りに、構造的部材を形成し得る。したがって、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)は、必要に応じて、パワーヘッド109とシリンジ107との間で界面接触するだけではなく、注入手技の際、高圧に曝されると、シリンジ107を構造的に支持するために使用され得る。
【0078】
図9は、固定具123を使用して、患者に医療流体を送達するための方法150の工程図である。固定具123は、例えば、上述のスリーブ124(図5)あるいはバンド130(図6A−Bならびに7A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。新しい固定具123を使用する際、方法150の第1のステップ152は、データ記憶デバイス120を含む固定具123をシリンジ107に取り付けることであり得る。上述のように、シリンジ107は、例えば、シリンジ28(図1)、86(図2A−B)、または自動注入器108と併用するための任意の他の適切な医療容器を含む、任意の適切な医療容器であり得る。スリーブ124が利用される場合、固定具123を医療容器に取り付けるステップ152は、第1および第2の縁126、128を分離するステップと、シリンジ107のシリンジ外筒111の周りに、スリーブ124をスナップ留めするステップとを含み得る。バンド130が利用される場合、固定具123をシリンジ107に取り付けるステップ152は、上述のように、ツール134を使用して、第1および第2の縁部分142、144を分離し、バンド130をシリンジ107のシリンジ外筒111の周りに配置する前に、バンド130をロック解除するステップを含み得る。
【0079】
方法150の次のステップ154は、例えば、上述の充填部110等、充填部上にシリンジ107を設置することであり得る。シリンジ107を充填部110上に設置するステップは、充填部110の読み書きデバイス114の視野内の位置において、シリンジ107を充填部110のバルク容器112と相互接続するステップを含み得、それによって、読み書きデバイス114は、固定具123のデータ記憶デバイス120と通信可能となる。
【0080】
シリンジ107が、充填部110上に設置されると、次のステップ156は、流体をシリンジ107内に装填することであり得る。次いで、方法150は、充填部110の読み書きデバイス114が、関連充填データをデータ記憶デバイス120に記憶する、ステップ158に進み得る。ステップ154、156、および158の順番は、改変され得ることを理解されたい。言い換えると、これらのステップは、好ましい制度的プロトコル、プロセス、または手順と一致する、任意の適切な順番で完了され得る。例えば、流体をシリンジ107内に装填し、充填データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、並行して完了され得る。別の実施例では、充填データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、シリンジ107の充填部110上への設置に先立って、完了され得る。
【0081】
方法150の次のステップ160は、上述のように、撮像室、カテーテル検査室、病室等の最終用途場所を含み得る、第1の場所に、充填されたシリンジ107および取り付けられた固定具123を輸送することであり得る。シリンジ107を輸送するステップは、例えば、郵便または宅急便(登録商標)、人的送達、または自動病院流通システムを含む、任意の適切な様式で完了され得る。
【0082】
最終用途場所では、方法150は、ステップ162に進み得る。ステップ162の実行の際、シリンジ107は、自動注入器108または任意の他の適切な自動注入器(例えば、図1の自動注入器10、図2A−Cの自動注入器40)上に設置され得る。シリンジ107を自動注入器108上に設置するステップは、シリンジ107のプランジャ(図示せず)を、例えば、シリンジプランジャドライバアセンブリ56(図2C)等のシリンジプランジャドライバアセンブリに相互接続するステップを含み得る。接続されると、自動注入器108は、シリンジ107のプランジャを駆動(例えば、前進および/または後退)させるように動作可能であり得る。また、ステップ162は、シリンジ107に設定される管類等、任意の適切な消耗品を相互接続するステップを含み得る。
【0083】
シリンジ107が、自動注入器108上に設置されると、方法150の次のステップ164は、自動注入器108の読み書きデバイス122が、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データを読み取ることであり得る。この点において、シリンジ107は、固定具123のデータ記憶デバイス120が、自動注入器108のRFID読み書きデバイス122の視野内にあるように、自動注入器108上に設置され得る。
【0084】
データ記憶デバイス120からの充填データが読み取られると、次のステップ166は、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データと比較して、自動注入器108にプログラムされた注入プロトコルの実行可能性を検証することであり得る。本検証は、充填データをプログラムされた注入プロトコルと比較し、例えば、シリンジ107が使用されていないこと(すなわち、シリンジ107が、患者内にさらに放出されていない)、シリンジ107内に含まれる流体が期限切れではないこと、シリンジ107が正確な濃度および体積内の流体を含むこと、患者識別情報が正確であることを確認し、または充填部110において、データ記憶デバイス120に記憶された任意の他の関連充填データを確認する形態をとり得る。
【0085】
注入手技の実行可能性を検証するステップは、種々の方法で行われ得る。例えば、オペレータが、充填データを再検討し、注入手技が実行可能であることを確認し得、または代替として、自動注入器108および/または読み書きデバイス122と併せて実装される論理が、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データを、他のデータ記憶デバイス(例えば、患者識別ブレスレットまたはオペレータ識別バッジ内に配置または組み込まれる、データ記憶デバイス)、あるいは自動注入器108が行うように調製されるプログラムされた注入プロトコルから得られた情報と自動的に比較し得る。検証は、例えば、誤った流体の患者内への注入、期限切れ流体の患者内への注入、特定の患者および/またはシリンジに対する誤ったプロトコルの使用、使用済みまたは空のシリンジの患者内への注入を含む注入手技の際の犠牲の大きいおよび/または危険な過失の潜在性を低減させ得る。
【0086】
注入手技の実行可能性が検証されると、方法150は、ステップ168に進み得る。ステップ168の実行は、プログラムされた注入プロトコルに従って、自動注入器108を使用して、シリンジ107から流体を患者内に放出するステップを含み得る。同時またはその前後に、自動注入器108の読み書きデバイス122は、後続読取および/または記録のために、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶する次のステップ170を完了し得る。そのような注入データは、使用体積、廃棄体積、シリンジ107が使用された(例えば、流体が、シリンジ107から放出された)ことの表示、および/または任意の他の適切な注入データを含み得る。
【0087】
注目すべきことに、流体をシリンジ107から放出し、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、好ましい制度的プロセスまたは手順に一致する、任意の適切な順番で完了され得る。例えば、流体をシリンジ107から放出し、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、並行して完了され得、または代替として、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、流体がシリンジ107から放出される前に完了され得る。
【0088】
加えて、充填部110においてデータ記憶デバイス120に記憶された充填データと、自動注入器108においてデータ記憶デバイス120に記憶された注入データと、データ記憶デバイス120に記憶され、または読み書きデバイス114、122によって読み取られた本明細書に説明される任意の他の情報は、注入プロセスを超えた目的のために使用され得ることを理解されたい。例えば、そのような情報は、在庫、請求、機器性能、患者注入履歴、および/またはオペレータ活動を追跡するために使用され得る。方法150の際、読み書きデバイス114、122は、また、ローカルネットワーク(例えば、病院および/または出荷あるいは輸送システム)と界面接触し、関連情報を取得、検証、および/またはアップロードし得る。
【0089】
次のステップ172は、シリンジ107を自動注入器108から除去することであって、その後、固定具123を使用済みシリンジ107から除去するステップ174が続き得る。ステップ172および174は、手動で実行されるか、自動化プロセスの一部として実行されるか、または手動および自動化選択肢の両方の組み合わせとして実行され得る。例えば、バンド130(図6A−Bおよび7A−B)が、シリンジ107のシリンジ外筒111の周りにロックされる事例では、固定具123をシリンジ107から除去するステップ174は、オペレータが、上述のように、手持式ツール134を使用して、ロック132をロック解除するステップを含み得る。代替として、自動注入器108は、ロック解除機構(例えば、図8に示される注入器ピンまたは複数のピン146)を自動的に採用し、注入手技の終了時、バンド130をロック解除し得る。さらに、オペレータが、シリンジ107を自動注入器108から手動で除去し得、または自動注入器108が、注入手技の終了時、シリンジ107を自動的に取り出し得る。
【0090】
固定具123が除去された後、方法は、任意の適切な様式で、使用済みシリンジ107を廃棄するステップを含み得るステップ176に進み得る。代替として、いくつかの限定事例では、ステップ176は、再使用のために、シリンジ107を再滅菌するステップを伴い得る。
【0091】
次のステップ178は、新しいシリンジ107と再使用するために、固定具123を充填部110に返送するステップを含み得る。固定具123を充填部110に返送するステップは、例えば、郵便または宅急便(登録商標)、人的送達、あるいは自動病院医療流通システム等を含む任意の適切な様式で完了され得る。また、固定具123を使用済みシリンジ107から除去し、使用済みシリンジ107を廃棄し、新しいシリンジ107と再使用するために、固定具123を充填部110に返送するステップは、制度的プロトコル、実践、または手技と一致する任意の適切な順番で完了され得ることを理解されたい。例えば、固定具123は、充填部110に返送される場合、シリンジ107に取り付けられたままであり得、その場合、固定具123は、シリンジ107が、廃棄されるか、または再滅菌のために送付される前に、シリンジ107から除去され得る。固定具123は、取り付けられたシリンジ107が使用されたことを意味する、データ記憶デバイス120を含むので、固定具123が充填部110に戻されるまで、固定具123をシリンジ107上の定位置に残すことは、取り付けられたシリンジ107を誤って再使用する(例えば、自動注入器108を最終用途場所で使用し、空のシリンジ107を同一患者内に放出する、または使用済みシリンジ107を別の患者内に放出する)危険性を回避するのに有用となり得る。
【0092】
固定具123が、充填部110に返送されると、方法150の次のステップ180は、固定具123が、別の注入手技のために、第2のシリンジ107に取り付けられる前に、充填部110の読み書きデバイス114を使用して、データ記憶デバイス120をデータ消去するステップを伴い得る。データ記憶デバイス120のデータ消去は、方法150の別個かつ個別のステップであり得、または第2の充填データセットをデータ記憶デバイス120に記憶するステップ158内に包含され得ることを理解されたい。すなわち、充填部110の読み書きデバイス114は、単純に、第1の充填データセットを新しい注入手技のための第2の充填データセットによって上書きし、それによって、データ記憶デバイス120を別個にデータ消去する必要性を排除し得る。別の選択肢は、固定具123のシリンジからの除去の一部として、データ記憶デバイス120のデータ消去を行うことであって、固定具123の除去が、関連データ記憶デバイス120のデータ消去を自動的にもたすことができる。
【0093】
読み書きデバイス114のための論理は、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切な種類のメモリを使用して、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータ、または任意の適切な様式で相互接続された任意の適切な種類の複数のコンピュータを使用して、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な様式で実装され得る。さらに、RFID読み書きデバイス114のための論理は、任意の単一の場所で、または任意の適切な様式で(例えば、任意の種類のネットワークを介して)相互接続される複数の場所で実装され得る。
【0094】
上述に基づいて、固定具123は、個々に、または任意の組み合わせにおいて、該当し得る、以下のいくつかの特性化を必要とする。1)固定具123は、シリンジ107に着脱可能に搭載されるものとして特徴付けられ得る、2)固定具123は、複数のシリンジ107のそれぞれ上に別個に設置可能として特徴付けられ得る、すなわち、固定具123は、1つのシリンジ107上に設置され、本シリンジ107から除去され、次いで、別のシリンジ107上に設置され得る、3)固定具123は、接続構造を含むものとして特徴付けられ、本接続構造は、固定具123をシリンジ107上に設置可能にする構成であって、本接続構造は、固定具123が、本同一接続構造を使用して、異なるシリンジ107上に設置され得るように、固定具123が1つのシリンジ107から除去されても、無傷のままであり得るような構成であること。
【0095】
本発明の上述の説明は、例証および説明の目的ために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果、変形例および修正は、上述の教示に相応し、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。さらに、上述で説明される実施形態は、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度において、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第61/167,548号(2009年4月8日出願、名称「MEDICAL FLUID DELIVERY SYSTEM WITH REUSABLE RFID FIXTURE」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療流体送達システムに関し、より具体的には、そのような医療流体送達システムに関連する追跡/管理情報に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水および/または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的にパワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、着脱可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
無線自動識別(「RFID」)タグは、種々の用途において、ますます人気になりつつある。RFIDタグは、医療用途に関連して、具体的には、自動注入器に関して、対処されている。例えば、RFIDタグは、自動注入器シリンジに取り付けられ、少なくともある医療情報を有してエンコードされる。多くの場合、自動注入器シリンジは、使い捨てであって(すなわち、単回注入のために設計されている)、したがって、任意の関連RFIDタグを含むシリンジ全体が、使用後、廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で使用される場合、「流体的に相互接続された」等の語句は、その間の所定の流路で流体が(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で(直接または間接的に)、2つ以上の構成要素または実体が接続されていることを指す。例えば、「シリンジと流体的に相互接続される導管」は、流体が、シリンジから任意の相互接続デバイス(例えば、管類、コネクタ)を通して、導管の中へと流動することができる、構成を表す。
【0007】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に搭載された」、「着脱可能に相互接続された」、「着脱可能に接続された」等の語句は、構成要素が相互接続されるが、相互から取り外される能力を保持し、取り外し後に、構成要素のそれぞれが使用可能な状態のままである、構成要素間の関係を表す。例えば、「データ記憶デバイスを組み込み、シリンジに着脱可能に搭載される、スリーブ」とは、スリーブが、スリーブをシリンジから取り外すことを可能にする様式で、シリンジに現在搭載されている状況を表す。さらに、そのような取り外し後、スリーブおよびシリンジは両方とも、使用可能な状況のままである。例えば、スリーブは、別のシリンジに再取り付けられ、次いで、また、一定時間後、そこから取り外され得る。
【0008】
本明細書で使用される場合、「視野」という用語は、データリーダに関連して使用される場合、ある領域内のデータ記憶デバイスが、データリーダによって読取可能である、データリーダに近接するその領域を表す。
【0009】
本明細書で使用される場合、「オペレータ」とは、流体を患者内に注入するプロセスに関与し得る、任意の適切な人物であり得る。故に、オペレータとして、撮像技術者、看護士、医師、および/または任意の他の適切な医療従事者を含み得る。
【0010】
本発明の第1の局面は、シリンジ外筒と、プランジャと、シリンジ外筒に着脱可能に接続される、固定具と、固定具上のデータ記憶デバイスとを含む、自動注入器シリンジアセンブリによって具現化される。プランジャは、シリンジ外筒に対して移動可能であって、シリンジ外筒内に配置される、プランジャヘッドを含む。
【0011】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第1の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第2の局面の論議の開始まで、第1の局面に適用可能である。
【0012】
自動注入器シリンジアセンブリのプランジャおよびシリンジ外筒は、シリンジ外筒が、第1の場所で予充填される予充填されたシリンジの形態であり得、適切な医療流体が自動注入器によって放出され、(例えば、他の予充填されたシリンジともに、バルクとして)共通出荷容器内において、第2の場所に輸送される。いずれの場合も、シリンジは、使い捨て(すなわち、単回注入手技のために使用される)であり得るが、いくつかの事例では、シリンジは、任意の要求される滅菌後、再使用され得る。
【0013】
データ記憶デバイスは、例えば、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。データ記憶デバイスは、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別または医療情報、注入プロトコル情報等のデータを記憶し得る。さらに、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスを固定具の外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、固定具に別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、固定具の構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、固定具の構造に埋め込まれ得る。
【0014】
固定具は、複数のシリンジのそれぞれに別個に設置可能であるとして特徴付けられ得る。固定具は、1つのシリンジ上に設置され、本シリンジから除去され、次いで、別のシリンジ上に設置され得る。固定具は、接続構造を含むとして特徴付けられてもよく、本接続構造は、固定具をシリンジ上に設置可能な構成であって、本接続構造は、固定具が、本同一接続構造を使用して、異なるシリンジ上に設置され得るように、固定具が、1つのシリンジから除去されても、無傷のままであるような構成である。
【0015】
固定具は、繰り返し、固定具をシリンジ外筒に取り付け、そこから取り外し可能な様式で、データ記憶デバイスを収容し、シリンジ外筒に着脱可能に接続するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。加えて、固定具は、必要に応じて、使い捨てまたは再使用可能であり得る。さらに、固定具は、シリンジ外筒の周縁の一部または全部の周りに延在し得、シリンジ外筒が、注入手技の際、高圧に曝されると、シリンジ外筒の少なくとも一部を構造的に補強および/または支持するために使用され得る。すなわち、固定具は、自動注入器が、相当の圧力をシリンジ外筒内で発生させ得る、注入手技の際、プランジャを前進させると、圧力スリーブとしての補助的立場で作用し、シリンジ外筒が破裂する潜在性を低減させ得る。
【0016】
一実施形態では、固定具は、シリンジ外筒上にクランプ留めまたはスナップ留めされる、スリーブの形態であり得る。具体的には、スリーブは、両方とも、相互に対して自由に移動可能であり得る、第1の縁および第2の縁の相対位置によって規定される、直径を有する、開放的環状構造を形成し得る。その結果、スリーブは、シリンジ外筒上にスリーブを設置し、そこからスリーブを除去するように固定され得る。スリーブを屈曲させ、第1および第2の縁を相互から離れるように移動させることによって、スリーブをシリンジ外筒上にクランプ留めまたはスナップ留めするか、あるいはシリンジ外筒から除去可能となる。スリーブが、シリンジ上に設置されると、第1および第2の縁は、離間、当接、または重複し得、スリーブは、シリンジ外筒の全部または一部のみの周囲に延在し得る。
【0017】
データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスをスリーブの外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、スリーブに別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、スリーブの構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、スリーブの構造に埋め込まれ得る。
【0018】
別の実施形態では、固定具は、バンドの形態であり得る。本実施形態では、バンドは、シリンジ外筒の周縁全体の周りに延在し、シリンジ外筒に設置されると、重複関係に配置される、第1および第2の縁部分を含み得る。上述のスリーブ実施形態同様に、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスをバンドの外部表面に接着または別様に係留することを含む、任意の適切な様式で、バンドに別個に取り付けられ得る。代替として、データ記憶デバイスは、バンドの構造自体に組み込まれ得る。例えば、一実施形態では、データ記憶デバイスは、製造プロセス(例えば、射出成形プロセス)の際、バンドの構造に埋め込まれ得る。
【0019】
固定具をシリンジ外筒に「半永久的に」取り付けるために、固定具は、少なくとも1つのロックまたはラッチを含み得る。ロックは、固定具をシリンジ外筒に着脱可能に搭載するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。ロックが、ロックされた構成にある時、固定具は、シリンジ外筒から容易に除去されないものであり得る(例えば、適切な工具を使用せずに)。対照的に、ロックが、ロック解除された構成にある時、固定具は、シリンジ外筒から容易に除去され得る。ロックは、任意の適切な様式で係合および係脱され得るが、一実施形態では、固定具は、ロック解除ツールをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更可能なために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のロック解除ツールと併用され得る。
【0020】
オペレータの便宜のため、および/またはロック解除ツールの損失あるいは誤留置を回避するため、ロック解除ツールは、任意の適切な様式で(例えば、繋留、ホルスタ収納、着脱可能に締結される)、自動注入器と着脱可能に接続され得る。代替として、または加えて、ロック解除ツールは、任意の適切な様式で、自動注入器の構造に統合され得る。例えば、一実施形態では、突き出しピンが、任意の適切な様式(例えば、機械的に、電気機械的に、油圧で、空気圧で作動される)で、自動注入器に組み込まれ得る。注入プロトコルは、突き出しピンの使用を自動化し、注入手技の終了時、突き出しピンをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更し得る。突き出しピンの動作は、同様に、手動でも始動され得る。
【0021】
本発明の第2の局面は、医療流体を送達するための方法によって具現化される。本方法は、医療流体を医療容器内に装填するステップと、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップと、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップとを含む。その後、医療流体は、データ記憶デバイスが、医療容器から除去される前に(例えば、データ記憶デバイスは、注入プロトコルの終了後、医療容器から除去され得る)、医療容器から放出され得る。データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスを続いて再使用可能にする様式で、医療容器から除去され得る。
【0022】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第2の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第2の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の議論は、本発明の第2の局面に適用可能である。
【0023】
医療容器は、医療流体を患者内に放出するための任意の適切な医療容器であり得る。例えば、第1の局面と関連して上述のように、医療容器は、自動注入器と併用するための任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のシリンジの形態であり得、シリンジは、適切な医療流体が自動注入器によって放出され、共通出荷容器内において、他の予充填されたシリンジとともに、第2の場所へバルクとして輸送される、第1の場所で予充填される予充填されたシリンジを含む。
【0024】
任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の充填部を使用して、医療容器を医療流体によって装填し得、医療流体は、医療容器内に装填するための任意の適切な流体あるいは複数の流体の組み合わせを含み得る。また、充填部は、ローカルネットワーク(例えば、病院および/または出荷あるいは輸送システム)とインターフェース接続するように動作可能であって、注入手技に関連する情報を取得、検証、および/またはアップロードするだけでなく、データ記憶デバイス(例えば、無線信号を介して、1つ以上のデータ記憶デバイスと通信するように動作可能なRFID読み書きデバイス)にデータを書き込み、および/またはそこからデータを読み取るための読み書きデバイスを含み得る。
【0025】
データ記憶デバイスは、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術を含む、任意の適切な構造であり得る。充填部の読み書きデバイスを使用して、データ記憶デバイスに、医療容器に装填される流体に関連する(例えば、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限等)、または患者識別あるいは医療情報、もしくは注入プロトコル情報等、他の関連情報に関連する、充填データを記憶し得る。充填データをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、充填部によって始動される自動化プロセス、手動またはオペレータ始動プロセス、あるいはこれらの選択肢の組み合わせであり得る。
【0026】
データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップは、固定具を医療容器に取り付けるステップを含み得る。データ記憶デバイスの後続の再使用を促進するために、固定具は、データ記憶デバイスを含む、再使用可能固定具であり得る。この点において、データ記憶デバイスは、任意の適切な様式(例えば、データ記憶デバイスを固定具の外部表面に接着または別様に係留する)で、固定具に別個に取り付けられ得、あるいはデータ記憶デバイスは、固定具の構造自体に組み込まれ得る(例えば、射出成形等の製造プロセスの際、固定具の構造に埋め込まれる)。
【0027】
一実施形態では、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップは、固定具を医療容器上に掛止するステップを含み得る。本実施形態では、固定具を医療容器から除去するステップは、固定具を医療容器から取り除く前に、固定具を医療容器から掛止解除および/または取り外すステップを含み得る。固定具を掛止および掛止解除/取り外すステップは、手動で実行されるか、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のツールを使用して実行されるか、自動化手技の一部として実行されるか、あるいはこれらの選択肢の組み合わせを通して実行され得る。
【0028】
別の実施形態では、データ記憶デバイスを医療容器に搭載するステップは、固定具を医療容器上にロックするステップを含み得る。本実施形態では、固定具を医療容器から除去するステップは、固定具が、医療容器から取り除かれる前に、固定具を医療容器からロック解除するステップを含み得る。ロックは、固定具を医療容器に着脱可能に搭載するために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。ロックが、ロックされた構成にある時、固定具は、適切な工具を使用せずに、医療容器から容易に除去されないものであり得る。対照的に、ロックが、ロック解除された構成にある時、固定具は、医療容器から容易に除去され得る。ロックは、任意の適切な様式で係合および係脱され得るが、一実施形態では、ロックをロック解除または係脱するステップは、ツールをロックと係合させ、ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更可能にするために、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のツールを操作するステップを含み得る。固定具をロック解除するステップは、手動で実行されるか、自動化手技の一部として実行される、または両方の組み合わせを通して実行され得る。
【0029】
流体は、任意の適切な様式で、医療容器から放出され得る。例えば、流体を医療容器から放出するステップは、医療容器を医療容器からの医療流体を患者内に放出可能な任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の自動注入器上に設置し、次いで、それを操作するステップを含み得る。
【0030】
一実施形態では、また、自動注入器は、データ記憶デバイスからデータを読み取り、および/またはそこにデータを書き込むように動作可能な読み書きデバイスを含み得る。この点において、自動注入器の読み書きデバイスを使用して、データ記憶デバイス上に記憶された充填データを読み取り、検証し、注入手技の実行可能性を確認し得る。例えば、読み書きデバイスは、濃度、期限データ、充填日、充填体積に関連するデータを読み取り、自動注入器が行うように調製されたプログラムされた注入プロトコルと比較して、データを検証し得る。データ記憶デバイス上に記憶されたデータが、不適切である場合、自動注入器および/または読み書きデバイスと併用して実装される論理は、医療容器の使用を拒否し得る。加えて、読み書きデバイスを使用して、後続の読取および/または記憶のために、注入データ(例えば、放出体積、廃棄体積)をデータ記憶デバイスに記憶し得る。
【0031】
注目すべきこととして、医療流体を医療容器内に装填するステップ、データ記憶デバイスを医療容器上に搭載するステップ、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップ、流体を医療容器から放出するステップ、およびデータ記憶デバイスを医療容器から除去するステップは、必要に応じて、様々な場所で生じてもよい。例えば、医療流体は、異なる場所において、医療容器内に装填され、医療容器から放出され得る。具体的には、医療容器は、医療容器が、充填部から、医療流体が医療容器から患者内に放出され得る、第1の場所(例えば、撮像室、カテーテル検査室、病室)に輸送される前に、薬局、製薬業者、あるいは任意の他の適切な医薬品および/または医療流通センター内に位置する、充填部で装填され得る。
【0032】
その結果、固定具の再使用可能性質によって、データ記憶デバイスは、再使用のために、第1の場所から充填部に返送され得る。充填部に返送されると、データ記憶デバイスは、上述の方法が、第2の(例えば、新しいまたは再滅菌された)医療容器および第2のデータセットを使用して、繰り返される前に、データ消去され得る。また、データをデータ記憶デバイスから消去し、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、集合的に、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに上書きするステップを含み得る。すなわち、データ記憶デバイスをデータ消去し、第2のデータセットをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、2つの別個のステップを必要としない。いくつかの事例では、第2のデータセットは、単純に、データ記憶デバイスの任意の既存データ上に書き込むか、または記憶され得る。
【0033】
加えて、上述の方法のステップが実行される順番は、任意の適切な時および任意の適切な順番で完了されるように、改変され得る。例えば、充填部は、データがデータ記憶デバイスに記憶される前、後、またはその間に、流体を医療容器内に装填し得る。したがって、医療流体を医療容器内に装填し、データをデータ記憶デバイスに記憶するステップは、連続的、または並行して、生じてもよい。別の実施例では、データは、データ記憶デバイスが、医療容器上に搭載される前または後に、データ記憶デバイスに記憶され得る。さらに別の実施例では、データ記憶デバイスに記憶されたデータは、流体が医療容器から放出されるのに先立って、またはその間に、読み取られ得る。最終実施例では、データ記憶デバイスは、データ記憶デバイスが、再使用のために、充填部に返送される前または後に、医療容器から除去され得る。
【0034】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の第1および第2の局面のそれぞれに関連して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数」の文脈等に限定されることが意図される、本発明の任意の他の種々の局面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている基礎的実践に従って、単に特徴を導入することは、対応する特徴を単数に限定するものではない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定するものではない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。最後に、特定の特徴に関連する「少なくとも概して」等の語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例も包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。
【0035】
本発明の種々の局面のいずれかによって利用され得る、任意の「論理」は、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切な種類のメモリを使用して、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータ、または任意の適切な様式で相互接続された任意の適切な種類の複数のコンピュータを使用して、またはそれらの任意の組み合わせを無制限に含む、任意の適切な様式で実装され得る。本論理は、任意の単一の場所で、または任意の適切な様式で(例えば、任意の種類のネットワークを介して)、相互接続される複数の場所で実装され得る。
【0036】
流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、その場合、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の搭載および/または引出に適応するため、および/または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の時に、単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し得(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0037】
任意のそのような自動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0038】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、着脱可能に、前方搭載式、後方搭載式、側面搭載式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)内へと向けられ、本導管は、任意の適切な様式で、シリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテル)へと向ける。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能なプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型でスタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、自動注入器を医療流体によって装填するための充填部の一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、2つの設置された自動注入器シリンジを伴う、二重ヘッド構成自動注入器の一実施形態の上面図を例証する。
【図5】図5は、自動注入器シリンジへの取り付けのための固定具の一実施形態を例証するものであって、固定具は、データ記憶デバイスを含む。
【図6A】図6Aは、自動注入器シリンジへの取り付けのためのデータ記憶デバイスを含む、固定具の別の実施形態の断面図を例証する。
【図6B】図6Bは、図6Aの固定具のためのロックの詳細図を例証する。
【図7A】図7Aは、図6Bに詳述されるロックと係合されるロック解除ツールを伴う、図6Aの固定具の断面図を例証する。
【図7B】図7Bは、図6Bに詳述されるロックと係合される図7Aのロック解除ツールの詳細図を例証する。
【図8】図8は、2つの統合された突き出しピンおよび繋留されたロック解除ツールを伴う、二重ヘッド構成自動注入器の一実施形態の上面図を例証する。
【図9】図9は、データ記憶デバイスを有する固定具を使用して、医療流体を送達する方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、パワーヘッド12を有する自動注入器10の一実施形態の概略図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11が、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、(1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得、(2)任意の適切な様式でパワーヘッド12と動作可能に相互接続され得、(3)任意の適切な場所に配置され得、(4)自動注入器10の動作の1つ以上の局面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、および、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のうちのいずれかを提供するように構成され得、または(5)それらの内容の任意の組み合わせであり得る。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、または、GUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0041】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式で、シリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0042】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、界面接触する)シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)にパワー供給する駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結器22を含み得る。
【0043】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用または界面接触し得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともにシリンジプランジャ32の本体から延在するシャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。
【0044】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同じ駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように、構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0045】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の充填に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを要求しなくてもよく、その場合、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34は必要ではないことがある。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される時でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)時には、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するために、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するために、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0046】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間に界面を提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。本筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために必要であり、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできないようなものであり得る。圧力ジャケット26が使用されている時は、シリンジ28に関連して本明細書で論議される種々の様式で、それがパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0047】
シリンジ28を設置する時に、筐体24は、パワーヘッド12上に搭載されており、パワーヘッド12に対して固定位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件と非連結状態または条件とのうちの1つ以上を提供し得る。
【0048】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0049】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填する時に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましいことがある。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0050】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る、1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または、固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0051】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の局面を制御する機能、自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する機能、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置され、または電子機器ラック上に搭載され、あるいは両方であり得るコンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の局面を遠隔制御することを可能にすること、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にすること、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にすること(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および、その動作の任意の局面を含む自動注入器40の動作とする任意の適切な情報を表示することのうちの1つ以上、および任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0052】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動性に配置されるプランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通して、シリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるために、任意の適切な様式でノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるために、任意の適切な様式でノズル89bと流体的に相互接続される。
【0053】
シリンジ86aは、中間面板102aを介してパワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されると、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0054】
面板102aは、パワーヘッド50上の台82aに面板102aを搭載し、および、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0055】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されると、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0056】
面板102bは、パワーヘッド50上の台82bに面板102bを搭載し、および、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、ハンドル106bを含み得る。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して回転させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0057】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットの後に位置付けられる、より大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である時に、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0058】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A−Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0059】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。それの周りに駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0060】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部と界面接触する螺旋ネジ山70を含む。また、ラム74は、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0061】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と着脱可能に連結され得る連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bとともに移動させられ得る構成を図示する。そのシリンジプランジャ90a/bのヘッド96がラム連結器76と整列させられるが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態で、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で、シリンジ86a/bが平行移動させられ得るように、シリンジ86a/bは、その対応する軸100a/bとともに移動させられる。このことは、上述の様式で、ラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0062】
図1および2A−Cの自動注入器10、40はそれぞれ、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含む、任意の適切な用途に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像を含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0063】
単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む、任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0064】
図3は、自動注入デバイス(例えば、自動注入器)と併用するために、医療容器(例えば、自動注入器シリンジ)を充填する際に使用するための充填部110の概略図である。充填部110は、薬局、製薬業者、あるいは任意の他の適切な医薬品および/または医療流通センターに位置し得る。以下、充填部110は、自動注入器108(例えば、図4)と併用するために、自動注入器シリンジ107と併せて説明される。シリンジ107は、例えば、上述のシリンジ28(図1)、86(図2A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の医療容器を含み得る。自動注入器108は、例えば、上述の自動注入器10(図1)、40(図2A−C)を含む、適切なサイズ、形状、種類、または構成の任意の自動注入器であり得る。加えて、自動注入器108は、例えば、上述のパワーヘッド12(図1)、50(図2A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のパワーヘッド109を含み得る。
【0065】
概して、充填部110は、シリンジ107内に装填するために、適切な医療流体(例えば、造影剤、生理食塩水、流体医薬品)を含む、バルク容器/リザーバ112を含む。充填部110は、充填部110が、バルク容器112から適切な体積の流体によってシリンジ107を充填するために使用され得るように、シリンジ107に固着して位置付けるように構成され得る。シリンジ107を充填するために使用され得る充填部の例示的実施形態は、国際出願第PCT/US2004/017802号に記載されている。
【0066】
加えて、充填部110は、読み書きデバイス114を含み得る。読み書きデバイス114は、無線信号を介して、自動注入器108を使用して、患者内に流体を注入するステップと関連付けられ得る、1つ以上のデータ記憶デバイス(例えば、RFIDタグ、バーコード、磁気ストライプ、および/または任意の他の適切な種類のデータ記憶技術)と通信するように動作可能な無線自動識別「RFID」デバイスであり得る。故に、読み書きデバイス114は、1つ以上のデータ記憶デバイスからデータを読み取る、および/またはそこにデータを書き込むように動作可能であり得る。読み書きデバイス114と関連付けられた制御電子機器および/または論理は、任意の適切な場所に配置され得る。
【0067】
再使用可能/書換可能データ記憶デバイス118、120は、それぞれ、バルク容器112およびシリンジ107に添着され得る。この点において、図3は、図5に関連して論じられる、スリーブ124の形態として取り付けられる固定具を伴う、シリンジ107を示す。初期概要として、スリーブ124は、データ記憶デバイス120を組み込み、スリーブ124が、例えば、上述のシリンジ107(図3)、28(図1)、86(図2A−B)を含む、複数のシリンジに繰り返し取り付けられ、そこから除去され得るように、シリンジ107に着脱可能に搭載される。
【0068】
シリンジ107充填時またはその前後に、読み書きデバイス114は、バルク容器112内の流体に関するデータを読み取り、順に、関連充填データ(例えば、流体種類、濃度、製造日および/またはロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別または医療情報、注入プロトコル情報)をデータ記憶デバイス120に記憶し得る。また、データ記憶デバイス120は、シリンジ状態(例えば、シリンジ107が使用されていないままである、または流体がシリンジ107からさらに放出されていない)を指定し得る。充填データをデータ記憶デバイス120に書き込むステップは、各充填手技の際、充填部110によって始動される自動化プロセス、手動またはオペレータ始動プロセス、あるいはこれらの選択肢の組み合わせであり得ることを理解されたい。
【0069】
充填されると、シリンジ107は、第1の場所または最終用途場所(例えば、撮像室、カテーテル検査室、病室)に輸送され、シリンジ107は、図4に示されるように、自動注入器108上に設置され得る。自動注入器108は、追加の読み書きデバイス122を含み得る。読み書きデバイス122は、シリンジ107上のデータ記憶デバイス120から充填データを読み出し、それによって、自動注入器108が行うように調製されるプログラムされた注入プロトコルに対して、充填データを検証可能にするように動作可能であり得る。また、読み書きデバイス122は、充填部110における後の読取および/または記録のために、現在の注入手技に関する注入データ(例えば、使用体積、廃棄体積、注入濃度、患者情報、流体がシリンジ107から放出されたことの表示)をデータ記憶デバイス120に記憶するように動作可能であり得る。
【0070】
自動注入器シリンジは、概して、単回注入手技後に廃棄されるため、かつデータ記憶デバイスは、書換および/または修正され得るため、データ記憶デバイス120は、上述のように、シリンジ107に着脱可能に接続する固定具内に組み込まれるか、またはそこに別個に取り付けられ得る。固定具は、シリンジ107が医療流体によって装填される時またはその前後に、充填部110において、シリンジ107に取り付けられ得、固定具は、自動注入器108が、最終用途場所において、シリンジ107を放出した後、しばらくしてから、シリンジ107から除去され得る。このように、データ記憶デバイス120を固定具に組み込むことによって、反復注入手技のために、固定具、したがって、データ記憶デバイス120を再使用可能にし、かつ異なるシリンジと再び併用可能にする。
【0071】
図5は、シリンジ107への取り付けのための固定具の一実施形態を例証する。本実施形態では、固定具は、スリーブ124の形態である。データ記憶デバイス120は、スリーブ124に別個に取り付けられ得、あるいはスリーブ124の構造に直接統合または組み込まれ得る。図5に示されるように、スリーブ124は、第1の縁126および第2の縁128を有する、半円筒形構造の形態であり得る。スリーブ124は、第1および第2の縁126、128が、相互に対して自由に移動し得る(例えば、スリーブ124の屈曲によって)ように構成され、それによって、オペレータは、第1および第2の縁126、128を分離し、スリーブ124をシリンジ107の外筒111上にクランプ留めまたはスナップ留めし、そこから外すことが可能となる。スリーブ124が、図4に示されるように、シリンジ107に取り付けられると、第1および第2の縁126、128は、離間するか、当接するか、または重複し得る。言い換えると、スリーブ124は、シリンジ外筒111の全部または一部のみの周囲に延在し得る。シリンジ107の外筒111上に搭載されると、スリーブ124は、例えば、スリーブ124の弾性に基づいて、外筒111に圧縮力を付与し得る。
【0072】
図6A−Bから7A−Bは、データ記憶デバイス120をシリンジ107に着脱可能に搭載するための固定具の別の実施形態を例証する。本実施形態では、固定具は、シリンジ外筒111の周縁全体の周りに延在する円形バンド130の形態である。バンド130は、第1の縁部分142と、第2の縁部分144とを含む。第1および第2の縁部分142、144は、バンド130が、シリンジ外筒111の周りに位置付けられると、重複関係に配置される。したがって、バンド130は、シリンジ外筒111の円周全体の周りに延在する。
【0073】
また、第1および第2の縁部分142、144は、バンド130をシリンジ外筒111に着脱可能に搭載するロックを形成する。具体的には、ロックされた構成にある時、タブ136は、図6A−Bに示されるように、第2の縁部分144から延在し、第1の縁部分142内の切り欠き140の一部を形成する、側壁138に対して楔着する。タブ136は、ロック位置に対して付勢され得る(例えば、少なくとも若干、弾性的に変形可能またはたわむことが可能であることによって)。
【0074】
バンド130は、シリンジ111から除去され得、その後、別のシリンジ上に搭載され得る。この点において、ツール134は、図7A−Bに示されるように、タブ136を切り欠き140の外へたわませ、第1および第2の縁部分142、144を解放するように、切り欠き140内に挿入され得る。第1および第2の縁部分142、144が解放されると、バンド130をシリンジ外筒111に取り付け、またはそこから除去可能なように(例えば、バンド130を屈曲することによって)、十分な距離をもって分離され得る。タブ136は、上述のように、ロックされた位置に付勢されているので、タブ136は、バンド130がロック解除され、ツール134からの任意の拘束力が除去された後、自動的に、ロックされた位置に復元し得る。
【0075】
ツール134は、側壁138の高さに少なくとも等しい高さである高さ(h)を有する楔状デバイスであり、楔状デバイスは、切り欠き140内を摺動し、タブ136を切り欠き140から変位させるように構成され、それによって、第1および第2の端部部分142を解放する。しかしながら、ツール134は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。概して、ある種類のツールを使用せずに、バンド130をシリンジ107から除去可能にすることを回避することが望ましいであろう。
【0076】
オペレータの便宜のためだけではなく、ツール134の誤配置を回避するために、ツール134は、ツール134を自動注入器108から除去し、任意の適切な様式で、再び格納可能にする、自動注入器108の任意の適切な部分に着脱可能に搭載され得る。この点において、図8は、パワーヘッド109'を有する自動注入器108'の変形例に繋留されたツール134を例証する。代替として、ツール134は、自動注入器108'に直接統合され得る。例えば、図8に示される一実施形態では、また、自動注入器108'は、適切な数の突き出しピン146を含み得る。各突き出しピン146は、注入手技の終了後に作動されると、ピン146が、バンド130の切り欠き140内へと前方に駆動し、それによって、タブ136を変位させ、第1および第2の縁部分142、144を解放し、バンド130をシリンジ外筒111から除去可能にするように、適切に構成され得る。突き出しピン146は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得、当技術分野において周知の任意の適切な様式で作動され得る(例えば、機械的、電気機械的、油圧式、空気圧式等)。自動注入器108'は、上述の工具の選択肢の一方または両方を含み得ることを理解されたい。すなわち、自動注入器108'は、着脱可能に搭載されたツール、統合されたツール、または両方を含み得る。
【0077】
一般に、図1に関連して論じられるように、いくつかの注入手技は、シリンジ内で発生する比較的高圧をもたらし得る。この点において、シリンジは、時として、圧力下、シリンジが破裂するのを防止する、圧力ジャケット内に配置される。圧力ジャケットは、典型的には、シリンジをパワーヘッド上に設置するプロセスの一部として、またはその後、シリンジをその中に配置可能にする様式で、自動注入器のパワーヘッドと関連付けられる。この点において、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)は、圧力スリーブとしての補助的立場で機能し得る。すなわち、シリンジ107に取り付けられると、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)はそれぞれ、シリンジ107の周りに、構造的部材を形成し得る。したがって、スリーブ124(図5)およびバンド130(図6A−Bならびに7A−B)は、必要に応じて、パワーヘッド109とシリンジ107との間で界面接触するだけではなく、注入手技の際、高圧に曝されると、シリンジ107を構造的に支持するために使用され得る。
【0078】
図9は、固定具123を使用して、患者に医療流体を送達するための方法150の工程図である。固定具123は、例えば、上述のスリーブ124(図5)あるいはバンド130(図6A−Bならびに7A−B)を含む、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のものであり得る。新しい固定具123を使用する際、方法150の第1のステップ152は、データ記憶デバイス120を含む固定具123をシリンジ107に取り付けることであり得る。上述のように、シリンジ107は、例えば、シリンジ28(図1)、86(図2A−B)、または自動注入器108と併用するための任意の他の適切な医療容器を含む、任意の適切な医療容器であり得る。スリーブ124が利用される場合、固定具123を医療容器に取り付けるステップ152は、第1および第2の縁126、128を分離するステップと、シリンジ107のシリンジ外筒111の周りに、スリーブ124をスナップ留めするステップとを含み得る。バンド130が利用される場合、固定具123をシリンジ107に取り付けるステップ152は、上述のように、ツール134を使用して、第1および第2の縁部分142、144を分離し、バンド130をシリンジ107のシリンジ外筒111の周りに配置する前に、バンド130をロック解除するステップを含み得る。
【0079】
方法150の次のステップ154は、例えば、上述の充填部110等、充填部上にシリンジ107を設置することであり得る。シリンジ107を充填部110上に設置するステップは、充填部110の読み書きデバイス114の視野内の位置において、シリンジ107を充填部110のバルク容器112と相互接続するステップを含み得、それによって、読み書きデバイス114は、固定具123のデータ記憶デバイス120と通信可能となる。
【0080】
シリンジ107が、充填部110上に設置されると、次のステップ156は、流体をシリンジ107内に装填することであり得る。次いで、方法150は、充填部110の読み書きデバイス114が、関連充填データをデータ記憶デバイス120に記憶する、ステップ158に進み得る。ステップ154、156、および158の順番は、改変され得ることを理解されたい。言い換えると、これらのステップは、好ましい制度的プロトコル、プロセス、または手順と一致する、任意の適切な順番で完了され得る。例えば、流体をシリンジ107内に装填し、充填データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、並行して完了され得る。別の実施例では、充填データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、シリンジ107の充填部110上への設置に先立って、完了され得る。
【0081】
方法150の次のステップ160は、上述のように、撮像室、カテーテル検査室、病室等の最終用途場所を含み得る、第1の場所に、充填されたシリンジ107および取り付けられた固定具123を輸送することであり得る。シリンジ107を輸送するステップは、例えば、郵便または宅急便(登録商標)、人的送達、または自動病院流通システムを含む、任意の適切な様式で完了され得る。
【0082】
最終用途場所では、方法150は、ステップ162に進み得る。ステップ162の実行の際、シリンジ107は、自動注入器108または任意の他の適切な自動注入器(例えば、図1の自動注入器10、図2A−Cの自動注入器40)上に設置され得る。シリンジ107を自動注入器108上に設置するステップは、シリンジ107のプランジャ(図示せず)を、例えば、シリンジプランジャドライバアセンブリ56(図2C)等のシリンジプランジャドライバアセンブリに相互接続するステップを含み得る。接続されると、自動注入器108は、シリンジ107のプランジャを駆動(例えば、前進および/または後退)させるように動作可能であり得る。また、ステップ162は、シリンジ107に設定される管類等、任意の適切な消耗品を相互接続するステップを含み得る。
【0083】
シリンジ107が、自動注入器108上に設置されると、方法150の次のステップ164は、自動注入器108の読み書きデバイス122が、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データを読み取ることであり得る。この点において、シリンジ107は、固定具123のデータ記憶デバイス120が、自動注入器108のRFID読み書きデバイス122の視野内にあるように、自動注入器108上に設置され得る。
【0084】
データ記憶デバイス120からの充填データが読み取られると、次のステップ166は、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データと比較して、自動注入器108にプログラムされた注入プロトコルの実行可能性を検証することであり得る。本検証は、充填データをプログラムされた注入プロトコルと比較し、例えば、シリンジ107が使用されていないこと(すなわち、シリンジ107が、患者内にさらに放出されていない)、シリンジ107内に含まれる流体が期限切れではないこと、シリンジ107が正確な濃度および体積内の流体を含むこと、患者識別情報が正確であることを確認し、または充填部110において、データ記憶デバイス120に記憶された任意の他の関連充填データを確認する形態をとり得る。
【0085】
注入手技の実行可能性を検証するステップは、種々の方法で行われ得る。例えば、オペレータが、充填データを再検討し、注入手技が実行可能であることを確認し得、または代替として、自動注入器108および/または読み書きデバイス122と併せて実装される論理が、データ記憶デバイス120上に記憶された充填データを、他のデータ記憶デバイス(例えば、患者識別ブレスレットまたはオペレータ識別バッジ内に配置または組み込まれる、データ記憶デバイス)、あるいは自動注入器108が行うように調製されるプログラムされた注入プロトコルから得られた情報と自動的に比較し得る。検証は、例えば、誤った流体の患者内への注入、期限切れ流体の患者内への注入、特定の患者および/またはシリンジに対する誤ったプロトコルの使用、使用済みまたは空のシリンジの患者内への注入を含む注入手技の際の犠牲の大きいおよび/または危険な過失の潜在性を低減させ得る。
【0086】
注入手技の実行可能性が検証されると、方法150は、ステップ168に進み得る。ステップ168の実行は、プログラムされた注入プロトコルに従って、自動注入器108を使用して、シリンジ107から流体を患者内に放出するステップを含み得る。同時またはその前後に、自動注入器108の読み書きデバイス122は、後続読取および/または記録のために、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶する次のステップ170を完了し得る。そのような注入データは、使用体積、廃棄体積、シリンジ107が使用された(例えば、流体が、シリンジ107から放出された)ことの表示、および/または任意の他の適切な注入データを含み得る。
【0087】
注目すべきことに、流体をシリンジ107から放出し、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、好ましい制度的プロセスまたは手順に一致する、任意の適切な順番で完了され得る。例えば、流体をシリンジ107から放出し、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、並行して完了され得、または代替として、注入データをデータ記憶デバイス120に記憶するステップは、流体がシリンジ107から放出される前に完了され得る。
【0088】
加えて、充填部110においてデータ記憶デバイス120に記憶された充填データと、自動注入器108においてデータ記憶デバイス120に記憶された注入データと、データ記憶デバイス120に記憶され、または読み書きデバイス114、122によって読み取られた本明細書に説明される任意の他の情報は、注入プロセスを超えた目的のために使用され得ることを理解されたい。例えば、そのような情報は、在庫、請求、機器性能、患者注入履歴、および/またはオペレータ活動を追跡するために使用され得る。方法150の際、読み書きデバイス114、122は、また、ローカルネットワーク(例えば、病院および/または出荷あるいは輸送システム)と界面接触し、関連情報を取得、検証、および/またはアップロードし得る。
【0089】
次のステップ172は、シリンジ107を自動注入器108から除去することであって、その後、固定具123を使用済みシリンジ107から除去するステップ174が続き得る。ステップ172および174は、手動で実行されるか、自動化プロセスの一部として実行されるか、または手動および自動化選択肢の両方の組み合わせとして実行され得る。例えば、バンド130(図6A−Bおよび7A−B)が、シリンジ107のシリンジ外筒111の周りにロックされる事例では、固定具123をシリンジ107から除去するステップ174は、オペレータが、上述のように、手持式ツール134を使用して、ロック132をロック解除するステップを含み得る。代替として、自動注入器108は、ロック解除機構(例えば、図8に示される注入器ピンまたは複数のピン146)を自動的に採用し、注入手技の終了時、バンド130をロック解除し得る。さらに、オペレータが、シリンジ107を自動注入器108から手動で除去し得、または自動注入器108が、注入手技の終了時、シリンジ107を自動的に取り出し得る。
【0090】
固定具123が除去された後、方法は、任意の適切な様式で、使用済みシリンジ107を廃棄するステップを含み得るステップ176に進み得る。代替として、いくつかの限定事例では、ステップ176は、再使用のために、シリンジ107を再滅菌するステップを伴い得る。
【0091】
次のステップ178は、新しいシリンジ107と再使用するために、固定具123を充填部110に返送するステップを含み得る。固定具123を充填部110に返送するステップは、例えば、郵便または宅急便(登録商標)、人的送達、あるいは自動病院医療流通システム等を含む任意の適切な様式で完了され得る。また、固定具123を使用済みシリンジ107から除去し、使用済みシリンジ107を廃棄し、新しいシリンジ107と再使用するために、固定具123を充填部110に返送するステップは、制度的プロトコル、実践、または手技と一致する任意の適切な順番で完了され得ることを理解されたい。例えば、固定具123は、充填部110に返送される場合、シリンジ107に取り付けられたままであり得、その場合、固定具123は、シリンジ107が、廃棄されるか、または再滅菌のために送付される前に、シリンジ107から除去され得る。固定具123は、取り付けられたシリンジ107が使用されたことを意味する、データ記憶デバイス120を含むので、固定具123が充填部110に戻されるまで、固定具123をシリンジ107上の定位置に残すことは、取り付けられたシリンジ107を誤って再使用する(例えば、自動注入器108を最終用途場所で使用し、空のシリンジ107を同一患者内に放出する、または使用済みシリンジ107を別の患者内に放出する)危険性を回避するのに有用となり得る。
【0092】
固定具123が、充填部110に返送されると、方法150の次のステップ180は、固定具123が、別の注入手技のために、第2のシリンジ107に取り付けられる前に、充填部110の読み書きデバイス114を使用して、データ記憶デバイス120をデータ消去するステップを伴い得る。データ記憶デバイス120のデータ消去は、方法150の別個かつ個別のステップであり得、または第2の充填データセットをデータ記憶デバイス120に記憶するステップ158内に包含され得ることを理解されたい。すなわち、充填部110の読み書きデバイス114は、単純に、第1の充填データセットを新しい注入手技のための第2の充填データセットによって上書きし、それによって、データ記憶デバイス120を別個にデータ消去する必要性を排除し得る。別の選択肢は、固定具123のシリンジからの除去の一部として、データ記憶デバイス120のデータ消去を行うことであって、固定具123の除去が、関連データ記憶デバイス120のデータ消去を自動的にもたすことができる。
【0093】
読み書きデバイス114のための論理は、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切な種類のメモリを使用して、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータ、または任意の適切な様式で相互接続された任意の適切な種類の複数のコンピュータを使用して、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な様式で実装され得る。さらに、RFID読み書きデバイス114のための論理は、任意の単一の場所で、または任意の適切な様式で(例えば、任意の種類のネットワークを介して)相互接続される複数の場所で実装され得る。
【0094】
上述に基づいて、固定具123は、個々に、または任意の組み合わせにおいて、該当し得る、以下のいくつかの特性化を必要とする。1)固定具123は、シリンジ107に着脱可能に搭載されるものとして特徴付けられ得る、2)固定具123は、複数のシリンジ107のそれぞれ上に別個に設置可能として特徴付けられ得る、すなわち、固定具123は、1つのシリンジ107上に設置され、本シリンジ107から除去され、次いで、別のシリンジ107上に設置され得る、3)固定具123は、接続構造を含むものとして特徴付けられ、本接続構造は、固定具123をシリンジ107上に設置可能にする構成であって、本接続構造は、固定具123が、本同一接続構造を使用して、異なるシリンジ107上に設置され得るように、固定具123が1つのシリンジ107から除去されても、無傷のままであり得るような構成であること。
【0095】
本発明の上述の説明は、例証および説明の目的ために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果、変形例および修正は、上述の教示に相応し、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。さらに、上述で説明される実施形態は、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度において、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジ外筒と、
該シリンジ外筒に対して移動可能であり、該シリンジ外筒内に配置されるプランジャヘッドを備えるプランジャと、
該シリンジ外筒に着脱可能に接続される固定具と、
該固定具上のデータ記憶デバイスと
を備える、自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項2】
前記シリンジ外筒と前記プランジャとを備える予充填されたシリンジをさらに備え、該予充填されたシリンジは、前記シリンジ外筒内に医療流体をさらに含む、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項3】
前記固定具は、スリーブを備える、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項4】
前記スリーブは、前記シリンジ外筒にクランプ留めされる、請求項3に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項5】
前記スリーブは、前記シリンジ外筒に設置されるとき、およびそこから除去されるとき、屈曲される、請求項3−4のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項6】
前記スリーブの直径は、該スリーブの第1の縁と第2の縁との間の相対位置によって規定され、該第1の縁と該第2の縁とは、相互に対して自由に移動可能である、請求項3−5のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項7】
前記データ記憶デバイスは、前記スリーブの構造に統合される、請求項3−6のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項8】
前記データ記憶デバイスは、前記スリーブに別個に取り付けられる、請求項3−6のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項9】
前記固定具は、バンドを備える、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項10】
前記バンドは、ロックを備える、請求項9に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項11】
ロック解除ツールをさらに備える、請求項10に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項12】
前記ロック解除ツールは、前記ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更するように該ロックと係合可能であり、前記バンドは、該ロックが該ロック解除された構成にある前記シリンジ外筒から除去可能である、請求項11に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項13】
請求項11−12のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器と着脱可能に接続される、自動注入器。
【請求項14】
請求項11−12のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器の構造に統合されている、自動注入器。
【請求項15】
前記バンドは、第1の縁部分と第2の縁部分とを備え、該第1の縁部分と該第2の縁部分とは、該バンドが前記シリンジ外筒上に設置されている場合に、重複関係に配置されている、請求項9−14のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項16】
前記固定具は、前記シリンジ外筒を構造的に補強する、請求項1−15のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項17】
前記固定具は、再使用可能である、請求項1−16のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項18】
前記固定具は、前記シリンジ外筒の周縁全体の周りに延在する、請求項1−17のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項19】
前記固定具は、ロックを備える、請求項1および16−18のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項20】
ロック解除ツールをさらに備える、請求項19に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項21】
前記ロック解除ツールは、前記ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更するように、該ロックと係合可能であり、前記固定具は、該ロックが前記ロック解除された構成にある前記シリンジ外筒から除去可能である、請求項20に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項22】
請求項20−21のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器と着脱可能に接続される、自動注入器。
【請求項23】
請求項20−21のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器の構造に統合されている、自動注入器。
【請求項24】
前記データ記憶デバイスは、RFIDタグを備える、請求項1−23のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項25】
前記データ記憶デバイスは、順に、シリンジ状態、流体種類、濃度、製造日、ロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別情報、患者医療情報、または注入プロトコル情報のうちの少なくとも1つを含む記憶されたデータを含む、請求項1−24のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項26】
前記データ記憶デバイスは、前記固定具に別個に取り付けられる、請求項1−6および9−25のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項27】
前記データ記憶デバイスは、前記固定具の構造に組み込まれる、請求項1−6および9−17のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項28】
医療流体を送達する方法であって、
医療流体を医療容器内に装填するステップと、
データ記憶デバイスを該医療容器上に搭載するステップと、
データを該データ記憶デバイスに記憶するステップと、
該装填するステップ、該搭載するステップ、および該記憶するステップのそれぞれの後に、該医療流体を該医療容器から放出するステップと、
該放出するステップ後に、該データ記憶デバイスを該医療容器から除去するステップであって、該除去するステップは、該データ記憶デバイスが該搭載するステップの後続の実行のために再使用されることを可能にする、ステップと
を含む、方法。
【請求項29】
前記装填するステップと前記放出するステップは、異なる場所で実行される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記装填するステップは、充填部で実行され、前記方法は、
前記放出するステップの実行のために、前記医療容器を該充填部から第1の場所に輸送するステップをさらに含む、請求項28−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記第1の場所は、撮像室、カテーテル検査室、および病室から成る群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、前記データ記憶デバイス上に記憶されたデータを読み取るステップをさらに含む、請求項28−31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記検証するステップは、前記放出するステップに先立って、前記第1の場所で実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記医療容器は、シリンジである、請求項28〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記医療容器は、自動注入器シリンジである、請求項28〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記記憶するステップは、前記データ記憶デバイスに前記医療流体に関するデータを記憶するステップを含む、請求項28−35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記搭載するステップは、固定具を前記医療容器に取り付けるステップを含み、該固定具は、前記データ記憶デバイスを含む、請求項28−36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記搭載するステップは、前記固定具を前記医療容器上にロックするステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記除去するステップは、前記固定具を前記医療容器からロック解除するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記ロック解除するステップは、ツールを操作するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記搭載するステップは、前記固定具を前記医療容器上に掛止するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記除去するステップは、前記固定を掛止解除し、その後、該固定具を前記医療容器から取り除くステップを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記除去するステップは、前記固定具を前記医療容器から取り外すステップを含む、請求項37−42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記放出するステップは、
前記医療容器を自動注入器上に設置するステップと、
該自動注入器を操作するステップと
を含む、請求項28−43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
再使用のために、前記医療容器を前記第1の場所から前記充填部に輸送するステップと、
前記データを前記データ記憶デバイスから消去するステップと、
該データ記憶デバイスを第2の医療容器に搭載するステップと、
第2の医療流体を該第2の医療容器内に装填するステップと、
第2のデータセットを該データ記憶デバイスに記憶するステップと、
該搭載するステップ、該装填するステップ、および該記憶するステップのそれぞれの後に、該第2の医療流体を該第2の医療容器から放出するステップと、
該放出するステップの後に、該データ記憶デバイスを該第2の医療容器から除去するステップであって、該除去するステップは、該搭載するステップの後続の実行のために、該データ記憶デバイスを再使用可能にするステップと、
をさらに含む、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記消去するステップおよび前記記憶するステップは、集合的に、
前記第2のデータセットを前記データセットに上書きするステップを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記除去するステップに応答して、前記データを前記データ記憶デバイスから自動的に消去するステップをさらに含む、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
シリンジ外筒と、
該シリンジ外筒に対して移動可能であり、該シリンジ外筒内に配置されるプランジャヘッドを備えるプランジャと、
該シリンジ外筒に着脱可能に接続される固定具と、
該固定具上のデータ記憶デバイスと
を備える、自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項2】
前記シリンジ外筒と前記プランジャとを備える予充填されたシリンジをさらに備え、該予充填されたシリンジは、前記シリンジ外筒内に医療流体をさらに含む、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項3】
前記固定具は、スリーブを備える、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項4】
前記スリーブは、前記シリンジ外筒にクランプ留めされる、請求項3に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項5】
前記スリーブは、前記シリンジ外筒に設置されるとき、およびそこから除去されるとき、屈曲される、請求項3−4のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項6】
前記スリーブの直径は、該スリーブの第1の縁と第2の縁との間の相対位置によって規定され、該第1の縁と該第2の縁とは、相互に対して自由に移動可能である、請求項3−5のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項7】
前記データ記憶デバイスは、前記スリーブの構造に統合される、請求項3−6のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項8】
前記データ記憶デバイスは、前記スリーブに別個に取り付けられる、請求項3−6のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項9】
前記固定具は、バンドを備える、請求項1に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項10】
前記バンドは、ロックを備える、請求項9に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項11】
ロック解除ツールをさらに備える、請求項10に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項12】
前記ロック解除ツールは、前記ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更するように該ロックと係合可能であり、前記バンドは、該ロックが該ロック解除された構成にある前記シリンジ外筒から除去可能である、請求項11に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項13】
請求項11−12のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器と着脱可能に接続される、自動注入器。
【請求項14】
請求項11−12のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器の構造に統合されている、自動注入器。
【請求項15】
前記バンドは、第1の縁部分と第2の縁部分とを備え、該第1の縁部分と該第2の縁部分とは、該バンドが前記シリンジ外筒上に設置されている場合に、重複関係に配置されている、請求項9−14のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項16】
前記固定具は、前記シリンジ外筒を構造的に補強する、請求項1−15のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項17】
前記固定具は、再使用可能である、請求項1−16のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項18】
前記固定具は、前記シリンジ外筒の周縁全体の周りに延在する、請求項1−17のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項19】
前記固定具は、ロックを備える、請求項1および16−18のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項20】
ロック解除ツールをさらに備える、請求項19に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項21】
前記ロック解除ツールは、前記ロックをロックされた構成からロック解除された構成に変更するように、該ロックと係合可能であり、前記固定具は、該ロックが前記ロック解除された構成にある前記シリンジ外筒から除去可能である、請求項20に記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項22】
請求項20−21のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器と着脱可能に接続される、自動注入器。
【請求項23】
請求項20−21のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリを備え、前記ロック解除ツールは、該自動注入器の構造に統合されている、自動注入器。
【請求項24】
前記データ記憶デバイスは、RFIDタグを備える、請求項1−23のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項25】
前記データ記憶デバイスは、順に、シリンジ状態、流体種類、濃度、製造日、ロット、充填日、充填体積、有効期限、患者識別情報、患者医療情報、または注入プロトコル情報のうちの少なくとも1つを含む記憶されたデータを含む、請求項1−24のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項26】
前記データ記憶デバイスは、前記固定具に別個に取り付けられる、請求項1−6および9−25のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項27】
前記データ記憶デバイスは、前記固定具の構造に組み込まれる、請求項1−6および9−17のいずれかに記載の自動注入器シリンジアセンブリ。
【請求項28】
医療流体を送達する方法であって、
医療流体を医療容器内に装填するステップと、
データ記憶デバイスを該医療容器上に搭載するステップと、
データを該データ記憶デバイスに記憶するステップと、
該装填するステップ、該搭載するステップ、および該記憶するステップのそれぞれの後に、該医療流体を該医療容器から放出するステップと、
該放出するステップ後に、該データ記憶デバイスを該医療容器から除去するステップであって、該除去するステップは、該データ記憶デバイスが該搭載するステップの後続の実行のために再使用されることを可能にする、ステップと
を含む、方法。
【請求項29】
前記装填するステップと前記放出するステップは、異なる場所で実行される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記装填するステップは、充填部で実行され、前記方法は、
前記放出するステップの実行のために、前記医療容器を該充填部から第1の場所に輸送するステップをさらに含む、請求項28−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記第1の場所は、撮像室、カテーテル検査室、および病室から成る群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、前記データ記憶デバイス上に記憶されたデータを読み取るステップをさらに含む、請求項28−31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記検証するステップは、前記放出するステップに先立って、前記第1の場所で実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記医療容器は、シリンジである、請求項28〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記医療容器は、自動注入器シリンジである、請求項28〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記記憶するステップは、前記データ記憶デバイスに前記医療流体に関するデータを記憶するステップを含む、請求項28−35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記搭載するステップは、固定具を前記医療容器に取り付けるステップを含み、該固定具は、前記データ記憶デバイスを含む、請求項28−36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記搭載するステップは、前記固定具を前記医療容器上にロックするステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記除去するステップは、前記固定具を前記医療容器からロック解除するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記ロック解除するステップは、ツールを操作するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記搭載するステップは、前記固定具を前記医療容器上に掛止するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記除去するステップは、前記固定を掛止解除し、その後、該固定具を前記医療容器から取り除くステップを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記除去するステップは、前記固定具を前記医療容器から取り外すステップを含む、請求項37−42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記放出するステップは、
前記医療容器を自動注入器上に設置するステップと、
該自動注入器を操作するステップと
を含む、請求項28−43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
再使用のために、前記医療容器を前記第1の場所から前記充填部に輸送するステップと、
前記データを前記データ記憶デバイスから消去するステップと、
該データ記憶デバイスを第2の医療容器に搭載するステップと、
第2の医療流体を該第2の医療容器内に装填するステップと、
第2のデータセットを該データ記憶デバイスに記憶するステップと、
該搭載するステップ、該装填するステップ、および該記憶するステップのそれぞれの後に、該第2の医療流体を該第2の医療容器から放出するステップと、
該放出するステップの後に、該データ記憶デバイスを該第2の医療容器から除去するステップであって、該除去するステップは、該搭載するステップの後続の実行のために、該データ記憶デバイスを再使用可能にするステップと、
をさらに含む、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記消去するステップおよび前記記憶するステップは、集合的に、
前記第2のデータセットを前記データセットに上書きするステップを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記除去するステップに応答して、前記データを前記データ記憶デバイスから自動的に消去するステップをさらに含む、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−523274(P2012−523274A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504736(P2012−504736)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029888
【国際公開番号】WO2010/117918
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029888
【国際公開番号】WO2010/117918
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】
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