説明

RFID読み出しシステム、RFID読み出し方法、制御装置、及びコンピュータプログラム

【課題】搬送装置で搬送される物品に付与されているRFIDメディアの存在を漏れなく検出することができるRFID読み出しシステム、RFID読み出し方法、制御装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出す。搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、該リーダを移動させる移動装置と、該移動装置の動作を制御する制御装置とを備えている。制御装置は、存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置にリーダが所定の時間存在するように、移動装置へ動作信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置で搬送される物品に付与されているRFIDの存在を漏れなく検出することができるRFID読み出しシステム、RFID読み出し方法、制御装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能な非接触型ICタグ等のRFIDメディアが急速に普及している。例えば非接触型RFIDメディアを物品等に付与した状態で物品等を搬送することにより、非接触型RFIDメディアに記憶されている情報を外部に設けてあるリーダ/ライタで読み出し、読み出した情報に基づいて物品等の検品を行うことができる。
【0003】
しかし、非接触型RFIDメディアからリーダ/ライタが情報を読み出す場合、非接触型RFIDメディアとリーダ/ライタとが所定の距離の範囲内に一定時間以上存在する必要がある。特にコンベア等の搬送装置で非接触型RFIDメディアが付与された物品等が移動している場合には、確実に非接触型RFIDメディアの存在を検出できるか否かが問題となる。
【0004】
従来、コンベア等の搬送装置で非接触型RFIDメディアが付与された物品等が移動している場合であっても、確実に非接触型RFIDメディアの存在を検出するために、コンベア等の搬送速度を検出時に低下させていた。例えばフォークリフトによる通常の搬送速度が毎分133mであるのに対し、検品時には搬送速度を毎分30mにまで低下させることにより、リーダ/ライタによる非接触型RFIDメディアに記憶されている情報の読み出し時間を確保していた。これにより、検品速度がボトルネックとなることから、全体の搬送効率の低下を招くおそれがあり好ましくなかった。
【0005】
斯かる問題を解消すべく、例えば特許文献1では、リーダ/ライタを設置してある通常の検出ゲートで非接触型RFIDメディアの存在を検出することができなかった場合にのみ、他の経路へ物品等を誘導することにより、再度他のリーダ/ライタにより非接触型RFIDメディアの存在を検出することができる検品装置が開示されている。これにより物品等の搬送速度を低下させること無く、より確実に非接触型RFIDメディアの存在を検出することができる。
【0006】
また特許文献2では、非接触型RFIDメディアを付与してあるIC製品が搬送される搬送速度に同期させてリーダ/ライタを移動させるIC製品検査装置が開示されている。これにより物品等の搬送速度を低下させること無く、停止状態で非接触型RFIDメディアに記憶されている情報を読み出す場合と同様の精度で情報を読み出すことが可能となる。
【特許文献1】特開2004−094556号公報
【特許文献2】特開2004−085400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されている検品装置では、リーダ/ライタだけでなく搬送経路も複数設ける必要が有り、設置スペースが増大すると共に、製造コストが増大するという問題点があった。また、搬送速度は等速であることから、第1のリーダ/ライタで読み出すことができなかった非接触型RFIDメディアに記憶されている情報を、第2のリーダ/ライタで必ず読み出すことができるという保証は無く、検品精度の向上にも限界があった。すなわち、リーダ/ライタの設置位置によっては、他の非接触型RFIDメディアの陰となり、リーダ/ライタで記憶されている情報の読み出しを何度も試みた場合であっても、結局情報を読み出すことができないおそれがあった。
【0008】
一方、特許文献2に開示されているIC製品検査装置では、リーダ/ライタを搬送速度と同期させて移動することから、上述のような問題点は発生しない。しかし、検査領域内では検査対象となる物品等ごとにリーダ/ライタを準備する必要が有ることから、多数のリーダ/ライタが必要となるという問題点があった。また、検査領域内を搬送されている時間内はリーダ/ライタを検査対象の物品等に同期させて最後まで移動させる必要が有ることから、非接触型RFIDメディアを既に検出している場合であっても無駄にリーダ/ライタを移動させる必要があり、リーダ/ライタの移動に伴う電力消費量を低減することが困難であるという問題点もあった。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、搬送装置で搬送される物品に付与されているRFIDメディアの存在を漏れなく検出することができるRFID読み出しシステム、RFID読み出し方法、制御装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために第1発明に係るRFID読み出しシステムは、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、該リーダを移動させる移動装置と、該移動装置の動作を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、前記移動装置へ動作信号を送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るRFID読み出しシステムは、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、該リーダを上下方向及び/又は搬送方向に揺動させる揺動装置と、該揺動装置の動作を制御する制御装置とを有し、前記リーダは、情報読み出しに指向性を有しており、前記制御装置は、前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、前記リーダの方向とが所定の時間略一致するように前記揺動装置へ動作信号を送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係るRFID読み出し方法は、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダ/ライタを移動可能に設けてあり、該リーダによりRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムであって、前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に所定の時間存在するように前記リーダの移動を制御することを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る制御装置は、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置において、前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係るコンピュータプログラムは、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記制御装置を、前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段、及び推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段として機能させることを特徴とする。
【0015】
第1発明、第3乃至第5発明では、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダを移動可能に設けてある。搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に所定の時間存在するように前記リーダの移動を制御する。これにより、リーダは、読み出し対象となるRFIDに記憶されている情報の読み出し可能領域に所定の時間のみ存在し、情報を読み出した時点で次のRFIDに記憶されている情報の読み出し可能領域に移動することができる。したがって、リーダを搬送されるRFIDごとに準備する必要が無く、確実にRFIDに記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDに記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDに記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダを無駄に移動させる必要がなく、リーダの移動に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【0016】
第2発明では、搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダを、上下方向及び/又は搬送方向に揺動することが可能に設けてある。リーダは、情報読み出しに指向性を有しており、搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定して、推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、リーダの方向とが所定の時間略一致するようにリーダの揺動を制御する。これにより、リーダを揺動させることにより、読み出し対象となるRFIDに記憶されている情報の読み出し可能な方向へリーダの方向を所定の時間だけ設定することができ、情報を読み出した時点で次のRFIDに記憶されている情報の読み出し可能な方向にリーダの向きを変更することができる。したがって、リーダを搬送されるRFIDごとに準備する必要が無く、確実にRFIDに記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDに記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDに記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダを意味なく揺動させる必要がなく、リーダの揺動に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
第1発明、第3乃至第5発明によれば、リーダは、読み出し対象となるRFIDに記憶されている情報の読み出し可能領域に所定の時間のみ存在し、情報を読み出した時点で次のRFIDに記憶されている情報の読み出し可能領域に移動することができる。したがって、リーダを搬送されるRFIDごとに準備する必要が無く、確実にRFIDに記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDに記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDに記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダを無駄に移動させる必要がなく、リーダの移動に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【0018】
第2発明によれば、リーダを揺動させることにより、読み出し対象となるRFIDに記憶されている情報の読み出し可能な方向へリーダの方向を所定の時間だけ設定することができ、情報を読み出した時点で次のRFIDに記憶されている情報の読み出し可能な方向にリーダの向きを変更することができる。したがって、リーダを搬送されるRFIDごとに準備する必要が無く、確実にRFIDに記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDに記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDに記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダを意味なく揺動させる必要がなく、リーダの揺動に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下の実施の形態では、物品の搬送装置がコンベアである場合を例に挙げて説明する。もちろん搬送装置はこれに限定されるものではなく、フォークリフト、台車等、他の搬送装置であっても良いことは言うまでもない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。図1において、搬送装置1は、非接触でデータ通信を行うことが可能なRFIDメディア2が付与された物品3、3、・・・をトレイ4に搭載した状態で搬送する第1のコンベア11と、第1のコンベア11上を搬送されてきた物品3、3、・・・の重量を計測するための重量計測器(存在検出センサ)20とを備えている。重量計測器20は、物品3、3、・・・の搬送経路である第1のコンベア11の内部に設けられており、第1のコンベア11上を搬送される物品等の重量分布を第1のコンベア11上の位置に応じて略リアルタイムに検出することができるようになっている。すなわち一定値以上の重量を検出した場合、該位置に物品が存在することを検出することができる。
【0021】
搬送装置1は、第1のコンベア11の側方に、第1のコンベア11と並走するように第2のコンベア12を設けており、第2のコンベア12上には、略均等な間隔でRFIDメディア2と通信可能なリーダ/ライタ(リーダ)30、30、・・・が固着されている。リーダ/ライタ30、30、・・・は、第1のコンベア11上を搬送されてきた物品3、3、・・・に付与されているRFIDメディア2とデータ通信することにより、所定の物品が搬送されてきたか否かを検出することができる。所定の物品に付与されているRFIDメディア2の存在をリーダ/ライタ30、30、・・・で検出した場合、リーダ/ライタ30、30、・・・は、例えば無線通信により、第2のコンベア12の駆動源であるサーボモータ(移動手段)13の動作を制御する制御装置14へ、RFIDメディア2を検出した旨を示す信号を送信する。
【0022】
制御装置14は、外部のコンピュータ、例えば検品システム、品質管理システム等のデータを管理しているコンピュータから、搬送されてくる物品を識別する情報を取得し、リーダ/ライタ30、30、・・・から受信する信号に基づいて搬送されてきたか否かを判断する。搬送されるべき物品を検出しない場合には、リーダ/ライタ30、30、・・・が物品3、3、・・・に対向している位置に長く存在するよう、搬送速度、すなわちサーボモータ13の回転速度の減速を指示する信号をサーボモータ13へ送信する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの制御装置14の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置14は、装置全体を制御するCPU141、本発明の実施の形態1に係る制御装置1で実行可能なコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体102から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段142、補助記憶手段142により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録手段143を備えている。そして記録手段143から本発明に係るコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を読み取り、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶手段144に記憶させてコンピュータプログラム101に含まれる各種手順を制御手段11により実行することで、コンピュータは、本発明に係る制御装置1として動作する。制御装置1は、さらに外部のコンピュータとデータ通信する通信手段145、マウス、キーボード等の入力手段146、及びモニタ、プリンタ等の出力手段147を備えている。また、リーダ/ライタ30、30、・・・で読み出した情報を無線通信を介して受信する無線通信手段148を備えている。
【0024】
上述した構成の制御装置14を用いたRFID読み出しシステムの動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの制御装置14のCPU141の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
制御装置14のCPU141は、重量計測器(存在検出センサ)20で検出された重量に基づいて、搬送装置1内の重量分布データを取得する(ステップS301)。具体的には第1のコンベア11の物品搬送の開始位置を原点とし、物品搬送の終了位置までの重量分布データを取得する。図4は、所定の時点での重量分布データの一例を示す図である。図4に示すように、ある時点での第1のコンベア11上の重量分布を取得する。
【0026】
CPU141は、取得した重量分布データに基づいて、物品3、3、・・・の存在位置を推定する(ステップS302)。具体的には、図4に示す重量分布データの平均値W0を算出し、平均値W0より大きい重量である部分を物品3、3、・・・の存在位置であると推定する。もちろん、平均値W0に限定されるものではなく、物品3、3、・・・が存在する可能性がある位置を推定することが可能な方法であれば良い。
【0027】
CPU141は、存在を検出する対象となる物品3を特定し(ステップS303)、特定された物品3が存在する位置に最も近いリーダ/ライタ30を物品3ごとに選定し(ステップS304)、選定されたリーダ/ライタ30の位置情報を取得する(ステップS305)。リーダ/ライタ30の選定は、第1のコンベア11と平行に設置されている第2のコンベア12上のリーダ/ライタ30の位置が、第1のコンベア11の物品搬送の開始位置を原点とした物品3が存在する位置と最も近接しているリーダ/ライタ30を選定する。CPU141は、物品3の存在位置、搬送速度、及びリーダ/ライタ30の位置に基づいて、リーダ/ライタ30の移動速度、移動方向等の移動方法を特定する(ステップS306)。
【0028】
CPU141は、特定された移動方法に基づく指示信号をサーボモータ13へ送信し(ステップS307)、RFIDメディア2を検出した旨を示す信号をリーダ/ライタ30から受信する(ステップS308)。
【0029】
CPU141によるリーダ/ライタ30の移動速度、移動方向等の移動方法を特定する方法は、特に限定されるものではない。例えばリーダ/ライタ30の移動速度、移動方向等を、第1のコンベア11で物品3、3、・・・を搬送する方向にて変動させる場合、CPU141は、物品3の搬送速度、及び搬送方向を取得し、選定されたリーダ/ライタ30の位置及び取得した物品3の存在位置に基づいて、リーダ/ライタ30が物品3に付与されているRFIDメディア2と通信可能な範囲に移動する方向を特定する。そして、事前に設定されている移動パターンの中から選択されている移動パターンに従って、移動指示信号をサーボモータ13へ送信する。
【0030】
移動パターンとしては、検出対象となる物品3の存在位置の搬送方向前端まで最高速度で移動し、停止した状態でRFIDメディア2の読出しを行うパターン、検出対象となる物品3の存在位置の搬送方向前端まで最高速度で移動し、物品3の搬送速度よりやや低速で搬送方向に移動しながらRFIDメディア2の読出しを行うパターン等から事前に選択しておく。第1のコンベア11上に多くの物品を重ね合わせて積載している場合には、RFIDメディア2の検出時間を長くすべく後者の移動パターンを選択する。
【0031】
このように、従来のRFID読み出しシステムであれば、物品の搬送速度と同期させてリーダ/ライタ30を移動させる必要が有るが、本実施の形態1では、リーダ/ライタ30がRFIDメディア2とデータ通信可能な領域内に存在しさえすれば、リーダ/ライタ30の移動速度は物品の搬送速度と一致させる必要はない。RFIDメディア2、2、・・・の分布度合、物品の積層具合、第1のコンベア11上の分布度合等に応じて、リーダ/ライタ30の移動距離が最短となるよう移動速度を変動させる移動パターンを記憶させておき、選択対象としても良い。
【0032】
CPU141は、RFIDメディア2、2、・・・の読出しが完了したか否かを判断する。RFIDメディア2、2、・・・の読出しが完了したか否かを判断する方法も特に限定されるものではない。例えば外部に設定されている物品3、3、・・・の検品管理コンピュータから、リーダ/ライタ30が読み出すべき情報が記憶してあるRFIDメディア2、2、・・・の個数に関する情報を取得しておき、RFIDメディア2、2、・・・から所定の個数の検出情報をリーダ/ライタ30が読み出したか否かを判断することにより、RFIDメディア2、2、・・・の読み出しを終了したか否かを判断しても良い。もちろん、本来存在すべきRFIDメディア2、2、・・・の識別情報を取得し、該識別情報を読み出したか否かに基づいて判断しても良い。
【0033】
以上のように本実施の形態1によれば、リーダ/ライタ30は、読み出し対象となるRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出し可能領域に所定の時間のみ存在し、情報を読み出した時点で次のRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出し可能領域に移動することができる。したがって、リーダ/ライタ30を搬送される物品3に付与されているRFIDメディア2ごとに準備する必要が無く、確実にRFIDメディア2に記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDメディア2に記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダ/ライタ30を無駄に移動させる必要がなく、リーダ/ライタ30の移動に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。図5において、実施の形態2に係るRFID読み出しシステムは、撮像装置15を備えている点で実施の形態1とは相違する。
【0035】
すなわち、重量計測部20は、通常複数のセンサを略均等間隔で配置しており、物品3、3、・・・を積載するトレイ4、4、・・・が密着して搬送されている場合等には、読み出し対象となるRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出し可能な領域を正確に特定することが困難である場合も生じうる。そこで、第1のコンベア11を撮像することが可能な撮像装置を第2のコンベア12と反対側に設置し、撮像された画像に基づいて、物品3、3、・・・が存在する可能性のある存在位置を、重量計測部20で検出された重量分布に基づいて特定された範囲より、さらに限定して特定する。なお、制御装置14その他の構成は実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態2に係るRFID読み出しシステムの制御装置14のCPU141の物品の存在位置の限定処理の手順を示すフローチャートである。制御装置14のCPU141は、重量計測器(存在検出センサ)20で検出された重量に基づいて、搬送装置1内の重量分布データを取得する(ステップS601)。CPU141は、取得した重量分布データに基づいて、物品3、3、・・・の存在位置を推定する(ステップS602)。具体的には、実施の形態1と同様に、重量分布データの平均値W0を算出し、平均値W0より大きい重量である部分を物品3、3、・・・の存在位置であると推定する。もちろん、平均値W0に限定されるものではなく、物品3、3、・・・が存在する可能性がある位置を推定することが可能な方法であれば良い。図7は、実施の形態2に係るRFID読み出しシステムでの、物品の存在位置の限定方法の説明図である。図7の例では、第1のコンベア11の搬送開始位置を原点として、x1とx2との間、x3とx4との間に物品3、3が存在するものと推定した。
【0037】
CPU141は、撮像装置15から、第1のコンベア11上を搬送される物品3、3、・・・を撮像した画像を取得し(ステップS603)、物品3、3、・・・の両端のエッジの座標値を算出する(ステップS604)。すなわち、第1のコンベア11の搬送開始位置を原点として、物品3、3、・・・又はトレイ4、4、・・・の上下(縦)方向のエッジを画像から抽出し、抽出したエッジが存在する位置の座標値を算出する。図7の例では、取得した画像から抽出したエッジが存在する位置が、座標値x5、x6、x7及びx8であり、物品3、3が座標値x5とx6との間、及びx7とx8との間である旨を推定することができる。
【0038】
CPU141は、重量分布データに基づいて推定された物品3、3、・・・の存在位置と、撮像した画像に基づいて推定された物品3、3、・・・の存在位置とを比較し、物品3、3、・・・の存在位置をいずれか狭い位置へ限定する(ステップS605)。図8は、制御装置14のCPU141の、図7の例に基づいた物品の存在位置の比較処理の手順を示すフローチャートである。図8では、x1とx2との間に存在する物品3の位置を限定する場合について説明する。
【0039】
CPU141は、物品3の初期存在位置として、重量分布に基づく推定座標値x1、x2(x1<x2)を取得する(ステップS801)。また、画像に基づく推定座標値x5、x6(x5<x6)を取得する(ステップS802)。
【0040】
CPU141は、x1がx5より小さいか否かを判断する(ステップS803)。CPU141が、x1がx5より小さいと判断した場合(ステップS803:YES)、CPU141は、画像によるエッジの存在する座標値を優先して、物品3の一端の座標値をx1からx5へ更新する(ステップS804)。CPU141が、x1がx5以上であると判断した場合(ステップS803:NO)、CPU141は、画像に基づいて抽出されたエッジがノイズであると判断し、物品3の一端の座標値x1を更新しない。
【0041】
CPU141は、x2がx6より大きいか否かを判断する(ステップS805)。CPU141が、x2がx6より大きいと判断した場合(ステップS805:YES)、CPU141は、画像によるエッジの存在する座標値を優先して、物品3の一端の座標値をx2からx6へ更新する(ステップS806)。CPU141が、x2がx6以下であると判断した場合(ステップS805:NO)、CPU141は、画像に基づいて抽出されたエッジがノイズであると判断し、物品3の一端の座標値x2を更新しない。
【0042】
以上の処理を物品3ごとに繰り返し実行することにより、物品3が存在する位置をより正確に限定することができ、リーダ/ライタ30の移動について実施の形態1と同様の制御を行うことにより、物品3に付与されているRFIDメディア2と対向する位置までリーダ/ライタ30を正確に移動させることが可能となる。
【0043】
本実施の形態2では、撮像装置15で撮像された画像に基づいて物品3、3、・・・の存在する位置を限定したが、物品3、3、・・・の存在する位置を限定する方法はこれに限定されるものではなく、レーダ装置、超音波装置等を組み合わせて、物品3、3、・・・の存在する位置を限定した場合も、同様の効果が期待できる。
【0044】
また、本実施の形態2では、重量計測部20で検出された重量分布に基づいて特定された範囲をさらに限定するために撮像装置15を使用しているが、物品3、3、・・・を積載するトレイ4、4、・・・が密着して搬送されている場合等には、重量計測部20を用いず、撮像装置15、又はレーダ装置、超音波装置等の存在検出センサのみを用いて物品3、3、・・・の存在する位置を特定しても良い。この場合も同様の効果が期待できる。
【0045】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。図9において、実施の形態3に係るRFID読み出しシステムは、第2のコンベア12を備えておらず、リーダ/ライタ30が指向性を有し、所定の方向に存在するRFIDメディア2に記憶されている情報を読み出すことはできるが、異なる方向に存在するRFIDメディア2に記憶されている情報は読み出すことができない。そして、リーダ/ライタ30を上下方向及び物品3、3、・・・の搬送方向に揺動することが可能な揺動装置16に支持されており、揺動装置16のアクチュエータ17の動作を制御装置14が制御する点で実施の形態1とは相違する。
【0046】
すなわち、搬送装置1は、第1のコンベア11の側方に、第1のコンベア11上を搬送される物品3、3、・・・の方向を向かせることができる揺動装置16を設けており、揺動装置16の揺動部分に、RFIDメディア2と通信可能なリーダ/ライタ(リーダ)30が固着されている。リーダ/ライタ30は、第1のコンベア11上を搬送されてきた物品3、3、・・・に付与されているRFIDメディア2とデータ通信することにより、所定の物品が搬送されてきたか否かを検出することができる。所定の物品に付与されているRFIDメディア2の存在をリーダ/ライタ30で検出した場合、リーダ/ライタ30は、例えば通信ケーブルにより、第2のコンベア12の駆動源であるサーボモータ(移動手段)13の動作を制御する制御装置14へ、RFIDメディア2を検出した旨を示す信号を送信する。
【0047】
制御装置14は、外部のコンピュータ、例えば検品システム、品質管理システム等のデータを管理しているコンピュータから、搬送されてくる物品を識別する情報を取得し、リーダ/ライタ30から受信する信号に基づいて搬送されてきたか否かを判断する。搬送されるべき物品を検出しない場合には、リーダ/ライタ30が物品3、3、・・・の存在する方向を所定時間向くように、揺動装置16の回転を指示する信号を揺動装置16のアクチュエータ17へ送信する。なお、制御装置14その他の構成は実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
【0048】
図10は、本発明の実施の形態3に係るRFID読み出しシステムの制御装置14のCPU141の処理手順を示すフローチャートである。制御装置14のCPU141は、重量計測器(存在検出センサ)20で検出された重量に基づいて、搬送装置1内の重量分布データを取得する(ステップS1001)。具体的には第1のコンベア11の物品搬送の開始位置を原点とし、物品搬送の終了位置までの重量分布データを取得する。
【0049】
CPU141は、取得した重量分布データに基づいて、物品3、3、・・・の存在位置を推定する(ステップS1002)。具体的には、図4に示す重量分布データの平均値W0を算出し、平均値W0より大きい重量である部分を物品3、3、・・・の存在位置であると推定する。もちろん、平均値W0に限定されるものではなく、物品3、3、・・・が存在する可能性がある位置を推定することが可能な方法であれば良い。
【0050】
CPU141は、存在を検出する対象となる物品3を特定し(ステップS1003)、検出対象となる物品3が存在する位置のリーダ/ライタ30からの方向を算出し(ステップS1004)、取得した存在位置の方向へリーダ/ライタ30の方向を向けるよう揺動装置16のアクチュエータ17へ回転指示信号を送信する(ステップS1005)。CPU141は、RFIDメディア2を検出した旨を示す信号をリーダ/ライタ30から受信する(ステップS1006)。
【0051】
CPU141によるリーダ/ライタ30の回転速度、回転方向等を特定する方法は、特に限定されるものではない。例えばリーダ/ライタ30の回転速度、回転方向等は、第1のコンベア11で物品3、3、・・・を搬送する方向にて変動させる。同時にRFIDメディア2の付与位置に応じて、具体的にはリーダ/ライタ30で受信するRFIDメディア2から送信される信号の受信強度に応じて、上下方向にリーダ/ライタ30を回転させることもできる。
【0052】
このように、従来のRFID読み出しシステムであれば、物品の搬送速度と同期させてリーダ/ライタ30を移動させる必要があるが、本実施の形態3では、リーダ/ライタ30は1つ設けておけば良く、リーダ/ライタ30の受信指向性に合わせて、リーダ/ライタ30の方向を変動させることにより、RFIDメディア2とデータ通信可能な方向へ向けることができる。したがって、RFIDメディア2とデータ通信可能な方向を向いている限り、リーダ/ライタ30を物品の搬送速度と一致させて移動させる必要はない。
【0053】
CPU141は、RFIDメディア2、2、・・・の読出しが完了したか否かを判断する。RFIDメディア2、2、・・・の読出しが完了したか否かを判断する方法も特に限定されるものではない。例えば外部に設定されている物品3、3、・・・の検品管理コンピュータから、リーダ/ライタ30が読み出すべき情報が記憶してあるRFIDメディア2、2、・・・の個数に関する情報を取得しておき、RFIDメディア2、2、・・・から所定の個数の検出情報をリーダ/ライタ30が読み出したか否かを判断することにより、RFIDメディア2、2、・・・の読み出しを終了したか否かを判断しても良い。もちろん、本来存在すべきRFIDメディア2、2、・・・の識別情報を取得し、該識別情報を読み出したか否かに基づいて判断しても良い。
【0054】
以上のように本実施の形態3によれば、リーダ/ライタ30は、読み出し対象となるRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出し可能な方向に所定の時間向いていれば足り、情報を読み出した時点で次のRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出し可能な方向へ回転することができる。したがって、リーダ/ライタ30を搬送される物品3に付与されているRFIDメディア2ごとに準備する必要が無く、確実にRFIDメディア2に記憶されている情報を読み出すことが可能となる。また、RFIDメディア2に記憶されている情報を読み出した場合、次のRFIDメディア2に記憶されている情報の読み出しへと即座に移行することができ、リーダ/ライタ30を無駄に回転させる必要がなく、リーダ/ライタ30の回転に伴う電力消費量を低減することが可能となる。
【0055】
本実施の形態3においても、実施の形態2と同様、撮像装置、レーダ装置、超音波装置等を併用することにより、物品の存在する位置をより正確に特定することができ、物品3に付与されているRFIDメディア2から信号を受信することが可能な方向までリーダ/ライタ30を正確に回転させることが可能となる。
【0056】
また、実施の形態3においても、物品3、3、・・・を積載するトレイ4、4、・・・が密着して搬送されている場合等には、重量計測部20を用いず、撮像装置15、又はレーダ装置、超音波装置等の存在検出センサのみを用いて物品3、3、・・・の存在する位置を特定しても良い。この場合も同様の効果が期待できる。
【0057】
なお、リーダ/ライタ30の移動方法は、上述した実施の形態1乃至3に開示されている方法に限定されるものではない。図11は、他の実施の形態に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。
【0058】
図11(a)は、搬送される物品の高さが所定値より小さい場合に、所定の高さにリーダ/ライタ30の移動板を設けておき、移動板上をリーダ/ライタ30が自走することにより同様の効果を奏する。図11(b)は、搬送される物品の形状が略均一で有る場合に、筒状の筐体で第1のコンベア11を覆い、筒状の筐体の周縁部にて周方向及び搬送方向に移動可能にリーダ/ライタ30を取り付けてある。このように、リーダ/ライタ30をRFIDメディア2に記憶されている情報を読み出し可能な位置へと動作を制御することにより、RFIDメディア2を確実に検出することが可能となる。
【0059】
以上の実施の形態1乃至3に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0060】
(付記1)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、
RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、
該リーダを移動させる移動装置と、
該移動装置の動作を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、前記移動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とするRFID読み出しシステム。
【0061】
(付記2)
前記移動装置は、前記リーダを物品の搬送方向に移動させるようにしてあり、
前記制御装置は、前記存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に、前記リーダが所定の時間存在するよう前記移動装置へ搬送方向に移動させる指示信号を送信するようにしてあることを特徴とする付記1記載のRFID読み出しシステム。
【0062】
(付記3)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、
RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、
該リーダを上下方向及び/又は搬送方向に揺動させる揺動装置と、
該揺動装置の動作を制御する制御装置と
を有し、
前記リーダは、情報読み出しに指向性を有しており、
前記制御装置は、
前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、前記リーダの方向とが所定の時間略一致するように前記揺動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とするRFID読み出しシステム。
【0063】
(付記4)
物品の搬送状態を撮像する撮像装置と、
該撮像装置で撮像された画像に基づいて、推定された前記存在位置を限定する手段と
を備えることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一つに記載のRFID読み出しシステム。
【0064】
(付記5)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダ/ライタを移動可能に設けてあり、該リーダによりRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムであって、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に所定の時間存在するように前記リーダの移動を制御することを特徴とするRFID読み出し方法。
【0065】
(付記6)
前記リーダを物品の搬送方向に移動させ、
前記存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に所定の時間存在するように、前記リーダを搬送方向に移動させることを特徴とする付記5記載のRFID読み出し方法。
【0066】
(付記7)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダを、上下方向及び/又は搬送方向に揺動することが可能に設けてあり、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すRFID読み出し方法において、
前記リーダは、情報読み出しに指向性を有しており、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、前記リーダの方向とが所定の時間略一致するように前記リーダの揺動を制御することを特徴とするRFID読み出し方法。
【0067】
(付記8)
物品の搬送状態を撮像する撮像装置で撮像された画像に基づいて、推定された前記存在位置を限定することを特徴とする付記5乃至7のいずれか一つに記載のRFID読み出し方法。
【0068】
(付記9)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置において、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【0069】
(付記10)
前記移動装置は、前記リーダを物品の搬送方向に移動させるようにしてあり、
前記制御装置は、前記存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に、前記リーダが所定の時間存在するよう前記移動装置へ搬送方向に移動させる指示信号を送信するようにしてあることを特徴とする付記9記載の制御装置。
【0070】
(付記11)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置において、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、情報読み出しに指向性を有するリーダの方向とが所定の時間略一致するように、該リーダを上下方向及び/又は搬送方向に揺動させる揺動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とするRFID読み出しシステム。
【0071】
(付記12)
物品の搬送状態を撮像する撮像装置で撮像された画像に基づいて、推定された前記存在位置を限定する手段を備えることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一つに記載の制御装置。
【0072】
(付記13)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記制御装置を、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段、及び
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0073】
(付記14)
前記移動装置は、前記リーダを物品の搬送方向に移動させるようにしてあり、
前記制御装置を、
前記存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に、前記リーダが所定の時間存在するよう前記移動装置へ搬送方向に移動させる指示信号を送信する手段として機能させることを特徴とする付記13記載のコンピュータプログラム。
【0074】
(付記15)
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダは、情報読み出しに指向性を有しており、
前記制御装置を、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段、及び
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、前記リーダの方向とが所定の時間略一致するように、該リーダを上下方向及び/又は搬送方向に揺動させる揺動装置へ動作信号を送信する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0075】
(付記16)
前記制御装置を、
物品の搬送状態を撮像する撮像装置で撮像された画像に基づいて、推定された前記存在位置を限定する手段
として機能させることを特徴とする付記13乃至15のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るRFID読み出しシステムの制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】所定の時点での重量分布データの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るRFID読み出しシステムの制御装置のCPUの物品の存在位置の限定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るRFID読み出しシステムでの、物品の存在位置の限定方法の説明図である。
【図8】制御装置のCPUの物品の存在位置の比較処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るRFID読み出しシステムの制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】他の実施の形態に係るRFID読み出しシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
1 搬送装置
2 RFIDメディア
3 物品
4 トレイ
11 第1のコンベア
12 第2のコンベア
13 サーボモータ
14 制御装置
15 撮像装置
16 揺動装置
17 アクチュエータ
20 重量計測器(存在検出センサ)
30 リーダ/ライタ(リーダ)
101、201 コンピュータプログラム
102、202 記録媒体
141 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、
RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、
該リーダを移動させる移動装置と、
該移動装置の動作を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、前記移動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とするRFID読み出しシステム。
【請求項2】
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムにおいて、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサと、
RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダと、
該リーダを上下方向及び/又は搬送方向に揺動させる揺動装置と、
該揺動装置の動作を制御する制御装置と
を有し、
前記リーダは、情報読み出しに指向性を有しており、
前記制御装置は、
前記存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出すことが可能な方向と、前記リーダの方向とが所定の時間略一致するように前記揺動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とするRFID読み出しシステム。
【請求項3】
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、RFIDに記憶されている情報を非接触状態で読み出すリーダ/ライタを移動可能に設けてあり、該リーダによりRFIDに記憶されている情報を読み出すRFID読み出しシステムであって、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定し、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出し可能な位置に所定の時間存在するように前記リーダの移動を制御することを特徴とするRFID読み出し方法。
【請求項4】
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置において、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段と、
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
搬送装置上で略等速に搬送されている物品に付与され、非接触状態で情報の読み出しが可能なRFIDに記憶されている情報の読み出しを制御する制御装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記制御装置を、
前記搬送装置で搬送する物品の存在を検出する存在検出センサの検出値に基づいて物品が存在する搬送装置上の存在位置を推定する手段、及び
推定された存在位置に存在するRFIDから情報を読み出しすることが可能な位置に前記リーダが所定の時間存在するように、該リーダを移動させる移動装置へ動作信号を送信する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−219848(P2007−219848A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39814(P2006−39814)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】