説明

RNA干渉のための方法及び組成物

【課題】宿主細胞における標的遺伝子の発現を減衰させる方法の提供。
【解決手段】二本鎖RNA(dsRNA)を宿主細胞に、標的遺伝子の発現を減衰させるのに十分な量で導入することを含み、該dsRNAが、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子の非翻訳配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む方法、およびその組成物、さらに医薬製剤。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿主細胞における標的遺伝子の発現を減衰させる方法であって、該方法は、二本鎖RNA(dsRNA)を宿主細胞に、標的遺伝子の発現を減衰させるのに十分な量で導入することを含み、該dsRNAが、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子の非翻訳配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むことを特徴とする当該方法。
【請求項2】
宿主細胞における標的遺伝子の発現を減衰させる方法であって、該方法は、二本鎖RNA(dsRNA)を宿主細胞に、標的遺伝子の発現を減衰させるのに十分な量で導入することを含み、該dsRNAが、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子のイントロン配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むことを特徴とする当該方法。
【請求項3】
標的遺伝子の発現を減衰させるための組成物であって、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子の非翻訳配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する二本鎖RNA(dsRNA)を含む当該組成物。
【請求項4】
標的遺伝子の発現を減衰させるための組成物であって、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子の非翻訳配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する二本鎖RNA(dsRNA)を、発現時に生成する発現ベクターを含む当該組成物。
【請求項5】
標的遺伝子の発現を減衰させるための組成物であって、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子のイントロン配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する二本鎖RNA(dsRNA)を含む当該組成物。
【請求項6】
標的遺伝子の発現を減衰させるための組成物であって、ストリンジェントな条件下で標的遺伝子のイントロン配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する二本鎖RNA(dsRNA)を、発現時に生成する発現ベクターを含む当該組成物。
【請求項7】
dsRNAがハイブリダイズする標的遺伝子の非翻訳配列を、プロモーター配列及びエンハンサー配列よりなる群から選択する、請求項1に記載の方法又は請求項3若しくは4に記載の組成物。
【請求項8】
宿主細胞を培養に懸濁させる、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項9】
宿主細胞が一動物個体内にある、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項10】
標的遺伝子が、宿主細胞のゲノムに組み込まれた遺伝子である、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項11】
標的遺伝子が、異種遺伝子である、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項12】
標的遺伝子が、ウイルス遺伝子である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
宿主細胞が、霊長類細胞である、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項14】
宿主細胞が、ヒトの細胞である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
dsRNAが、短い干渉性の二本鎖RNAであって、該RNAが宿主細胞において、標的遺伝子の発現を減衰させるのに有効な濃度で有意のPKR依存性応答を生じないことを特徴とする、請求項1及び2の何れかに記載の方法又は請求項3若しくは5に記載の組成物。
【請求項16】
dsRNAが、15〜45塩基対長である、請求項15に記載の方法又は組成物。
【請求項17】
dsRNAが、19〜30塩基対長である、請求項15に記載の方法又は組成物。
【請求項18】
dsRNAが、少なくとも一の転写産物を生成するコード配列を有する発現ベクターによって細胞内で生成され、該転写産物が宿主細胞によりプロセッシングを受けてsiRNAになることを特徴とする、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項19】
dsRNAが、ヘアピンRNAであって、該RNAが宿主細胞によりプロセッシングを受けてsiRNA種になることを特徴とする、請求項1及び2の何れかに記載の方法又は請求項3若しくは5に記載の組成物。
【請求項20】
標的遺伝子の発現が、少なくとも10倍減衰される、請求項1及び2の何れかに記載の方法。
【請求項21】
下記:
哺乳動物細胞内の短い干渉性二本鎖RNA(siRNA)であり又は該RNAを生じさせて標的遺伝子の発現を減衰させる二本鎖RNA(DSRNA)の医薬製剤;及び
該製剤を患者に投与するためのラベル又は使用説明書(書面及び/又は図解)
を含む医薬パッケージであって、このdsRNAは、哺乳動物細胞において、標的遺伝子の発現を減衰させるのに効果的な濃度で有意のPKR依存性応答を生じない当該医薬パッケージ。
【請求項22】
siRNAが、標的遺伝子の非転写配列又は非コード配列にハイブリダイズする、請求項21に記載の医薬パッケージ。
【請求項23】
請求項3〜6の何れかに記載の組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の細胞内の標的遺伝子の発現を減衰させる方法。
【請求項24】
標的遺伝子の発現を減衰させることが、細胞の望ましくない増殖又は分化を減少させる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
短い干渉性二本鎖RNA(siRNA)を生成する方法であって、下記を含む当該方法:
(i)下記:
相補的なセンス及びアンチセンス標的配列を含む二本鎖核酸
RNAポリメラーゼ
を含むイン・ビトロ転写系を用意し、
該標的配列は、RNAポリメラーゼのためのプロモーターと隣接し、センス及びアンチセンス標的配列は転写されてアニールしてsiRNAを形成することができ;そして
(ii)該siRNAを該イン・ビトロ転写系から単離する。
【請求項26】
RNAポリメラーゼが、バクテリオファージRNAポリメラーゼである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
RNAポリメラーゼを、T3ポリメラーゼ、T7ポリメラーゼ及びSP6ポリメラーゼよりなる群から選択する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
イン・ビトロ転写系が、siRNA種の多彩なライブラリーを生成する標的配列の多彩なライブラリーを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
短い干渉性二本鎖RNA(siRNA)の送達事業を行なう方法であって、下記を含む当該方法:
(i)ユーザーにより指名された配列を有するsiRNA種の注文を受理し;
(ii)下記:
該ユーザーが指名したsiRNA種についての相補的なセンス及びアンチセンス配列の標的配列を有する二本鎖核酸、及び
RNAポリメラーゼ
を含むイン・ビトロ転写系を用意し、該標的配列は、RNAポリメラーゼのためのプロモーターと隣接し、センス及びアンチセンス標的配列は転写され、アニールしてsiRNAを形成することができ;
(iii)該siRNAを該イン・ビトロ転写系から単離し;そして
(iv)該siRNAを梱包して該ユーザーに送付する。
【請求項30】
ドナー幹細胞又はその子孫のMHC表現型を変える方法であって、二本鎖RNA(dsRNA)を幹細胞に、該RNAを導入しなければ該幹細胞又はその子孫によって発現されたMHC遺伝子の発現を減衰させるのに十分な量で導入することを含む当該方法。
【請求項31】
dsRNAが、少なくとも一つのヒト白血球抗原(HLA)の発現を減少させる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも一つのMHC遺伝子の発現の、二本鎖RNA(dsRNA)のドナー幹細胞への導入による安定な減衰から生じる変化したMHC表現型を有するドナー幹細胞又はその子孫の培養物。
【請求項33】
患者の移植の方法であって、下記を含む当該方法:
(i)少なくとも一つのMHC遺伝子の発現の、二本鎖RNA(dsRNA)のドナー幹細胞への導入による安定な減衰から生じた変化したMHC表現型を有するドナー幹細胞又はその子孫のエキス・ビボ細胞又は組織培養を生成し
(ii)該患者に、該細胞又は組織培養物を移植する。
【請求項34】
患者への移植のための細胞性医薬の製造における幹細胞の利用であって、該細胞性医薬が、幹細胞又はその子孫を含み、それらが、少なくとも一つのMHC遺伝子の発現の、二本鎖RNA(dsRNA)の幹細胞への導入による安定な減衰から生じた変化したMHC表現型を有する当該利用。
【請求項35】
請求項3〜6の何れかに記載の組成物の、少なくとも一つの遺伝子の発現をイン・ビボで減衰させる医薬の製造における利用。
【請求項36】
宿主細胞の病原体の感染に対する罹病性を低下させる方法であって、二本鎖RNA(dsRNA)を該宿主細胞に、該病原体の発現に必要な少なくとも一つの遺伝子の発現を減衰させるのに十分な量で導入することを含む当該方法。
【請求項37】
病原体がウイルスであり、dsRNAが、該ウイルスの宿主細胞への感染に必要な細胞表面タンパク質の発現を減衰させる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
二本鎖RNA転写産物をコードする導入遺伝子を含む生殖細胞系列及び/又は体細胞を有する非ヒトトランスジェニック動物であって、該転写産物は、プロセッシングを受けて短い干渉性の二本鎖RNA(siRNA)種になり、該導入遺伝子の転写が、該動物の少なくとも一つの細胞型において、内因性標的遺伝子の発現を減衰させることを特徴とする当該トランスジェニック動物。
【請求項39】
前記の導入遺伝子についてキメラである、請求項38に記載のトランスジェニック動物。
【請求項40】
前記の導入遺伝子が、染色体に組み込まれている、請求項38に記載のトランスジェニック動物。
【請求項41】
導入遺伝子が、別個の相補的転写物を転写し、該転写物はアニールして前記のsiRNAを形成し、該siRNAが、標的遺伝子の発現を減衰させるのに有効な濃度で、有意のPKR依存性応答を生じないことを特徴とする、請求項38に記載のトランスジェニック動物。
【請求項42】
導入遺伝子が、ヘアピンRNAを転写し、該RNAがプロセッシングを受けて前記のsiRNAになる、請求項38に記載のトランスジェニック動物。
【請求項43】
ストリンジェントな条件下で標的遺伝子のヌクレオチド配列にハイブリダイズする第一のヌクレオチド配列、及び該第一のヌクレオチド配列の相補的逆向き反復であって該第一のヌクレオチド配列とハイブリダイズしてヘアピン構造を形成する第二のヌクレオチド配列を含むヘアピンRNAであって、このヘアピンRNAは、該標的遺伝子の発現を減衰させて、標的遺伝子の発現を減衰させるのに有効な濃度で有意のPKR依存性応答を生じないことを特徴とする当該ヘアピンRNA。
【請求項44】
ヘアピンRNAが、化学合成されたものである、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項45】
ヘアピンRNAが、イン・ビトロで酵素により合成されたものである、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項46】
ヘアピンRNAが、イン・ビトロでT7RNAポリメラーゼにより合成されたものである、請求項45に記載のヘアピンRNA。
【請求項47】
ヘアピンRNAが、イン・ビボで酵素により合成されたものである、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項48】
ヘアピンRNAが、イン・ビボでRNAポリメラーゼIIIにより合成されたものである、請求項47に記載のヘアピンRNA。
【請求項49】
ヘアピンRNAが、ベクターにより生成されたものである、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項50】
ヘアピンRNAが、約20〜50ヌクレオチドのサイズを有する、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項51】
ヘアピンRNAが、約50〜100ヌクレオチドのサイズを有する、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項52】
ヘアピンRNAが、約100〜500ヌクレオチドのサイズを有する、請求項43に記載のヘアピンRNA。
【請求項53】
ヘアピンのループ内に制限酵素部位を含む、請求項43に記載のヘアピンRNA。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34−1】
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【図34−2】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2011−135882(P2011−135882A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21889(P2011−21889)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【分割の表示】特願2003−562262(P2003−562262)の分割
【原出願日】平成15年1月22日(2003.1.22)
【出願人】(504278156)
【Fターム(参考)】