説明

SIMカードをバインドする端末及び方法

本発明は加入者識別モジュール(SIM)カードをバインドする端末及び方法を提供し、前記端末は、SIMカードの初期化時に、端末プロファイル(terminal profile)コマンドを送信することによって、SIMカードにサポートされるSIMカードのアプリケーション開発ツール(STK)に関する項を知らせる。SIMカードは主動的にプロアクティブコマンド(proactive command)レポートを報告する、或いはメニュー項目提供する方法で、端末にSIMカードに関する運営者情報を提供する。端末はSTK機能のSIMカードの運営者情報が、端末に保存されているSIMカードの運営者情報とマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしない、或いはSTK機能にSIMカードに関する運営者情報が提供されていないと、端末は加入者が正常に端末を使用することを許可しない。したがって、SIMカードのSTK機能を利用して端末のカードロックの目的を実現する。本発明は、同一運営者の異なるタイプの間のSIMカードのバインドを区別することを実現可能とし、且つロックされるSIMカード数には制限がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信の技術分野に関し、さらに具体的には、SIMカードをバインドする端末及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3G技術の発展成熟及び普及に伴い、運営者間の競争がますます激しくになっている。携帯電話の端末設備の販売は運営者のカスタマイズ方式を採用することがますます多くなっており、カードロック機能はその中の重要なカスタマイズ方式の1つである。カードロック機能を備える携帯電話の端末上では運営者がカスタマイズする一種、或いは多種の加入者識別モジュール(SIM)カードが使用可能なだけであり、該規格の携帯電話の端末に挿し込まれた他のSIMカードは、正常に使用できない。
【0003】
カードロック機能の利用は、加入者が特定の運営者のSIMカードだけを使用できることを保証し、運営者の利益を保障する。従来のカードロック技術の大部分はSIMカードの国際移動体加入者識別番号(IMSI,International Mobile Subscriber Identification Number)の国番号(MCC)及び地域番号(MNC)を利用し、或いはSIMカードのIMSI番号を携帯電話に保存することで、SIMカードに対してバインドする。第1の方法は、同一運営者の多種の規格のSIMカードに対して、正確に区別ができない。なぜならこれらのSIMカードのMCC及びMNCが同一であるためである。第2の方法の欠点は、携帯電話に保存されるIMSI番号の数は有限であり、そのためロックされるSIMカードの数は有限である。以上の2つの方法の限界性に鑑みて、同一運営者の異なるタイプのSIMカードに対してバインドを行い、且つバインドを要求するSIMカードには、数の制限がないという需要が発生する。
【0004】
加入者識別アプリケーション開発ツール(STK,SIM Tool Kit)機能は、端末とSIMカードとの対話に使われる一組のコマンドを含み、このようにして、SIMカードを使用し、カード内の応用システムを実行し、付加価値サービスの目的を実現する。ここの一組のコマンドは、STK機能の2種類のコマンドを指し、1類は、端末がSIMカードに送信するエンベロープコマンド(envelope command)であり、もう1類は、SIMカードが端末に主動で起動するプロアクティブコマンド(proactive command)である。SIMカードと端末の間は、この2類の命令を通じて相互の対話が行われる。異なる運営者のSTK機能である付加価値サービスは異なり、同一運営者の異なるタイプのSIMカードのSTK機能である付加価値サービスも異なる。このようにして、SIMカードのSTK機能の利用に、カードロックを行う可能性を提供した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はSIMカードをバインドする端末及び方法を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を実現するため、本発明はSIMカードをバインドする方法を提示し、
端末は、加入者識別アプリケーション開発ツールSTKによって提供されたSIMカードの運営者情報と端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とがマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしないと、端末は加入者が正常に端末を使用することを許可しないことを含む。
【0007】
該方法の前にさらに、
前記端末はSIMカードの初期化時に、端末プロファイルterminal profileコマンドを送信することによって、SIMカードにサポートされるSTKに関する項を知らせ、SIMカードは主動的にプロアクティブコマンドproactive commandレポートを報告する、或いはメニュー項目提供する方法で端末にSIMカードに関する運営者情報を提供することを含む。
【0008】
前記端末はterminal profileコマンドを送信した後、マッチングするかどうかを判断する前に、該方法はさらに、
前記端末は、terminal profileコマンドを送信後、STKに提供されたSIMカード運営者に関する情報を受信したかどうかを判断し、受信していると、判断を行い、受信していないと、端末はこの時のSIMカードがそれとバインドしたSIMカードではないと判断し、加入者が正常な操作を行うことを禁止することを含む。
【0009】
前記マッチングとは、STK機能に提供された運営者情報が、端末に記憶されている運営者情報と一致することであり、この時、SIMカードはそれとバインドしたSIMカードであり、
前記マッチングしないことは、STK機能にSIMカードに関する運営者情報を提供していないこと、及びSTK機能に提供されたSIMカードに関する運営者情報と端末に記憶されている運営者情報とが一致しないことを含み、この時、SIMカードはそれとバインドしたSIMカードではない。
【0010】
SIMカードをバインドする端末であって、前記端末は端末プロファイルterminal profile送信モジュール、及びSTKの内容の判断と制御モジュールを含み、該データカードに使われるSIMカードはSIMカードのSTKモジュールを含み、その中、
terminal profile送信モジュールは、SIMカードにterminal profileコマンドを送信するのに使われ、
SIMカードのSTKモジュールは、terminal profileコマンドを受信し、データカードにSIMカードのSTKの内容を送信するのに使われ、
STKの内容の判断と制御モジュールは、SIMカードのSTK機能から取得するSIMカードの運営者情報の中に使われ、端末に保存されているSIMカードの運営者情報とマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしない、或いはSTK機能にSIMカードに関する運営者情報が提供されていないと、加入者が正常に端末を使用することを許可しないことに使われる。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、従来の技術と比較して、本発明の技術案で使用される、端末はSIMカードがSTKによって提供されたSIMカードの運営者情報と、端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とを比較させることによりSIMカードをバインドする方法は、通常のSIMカードのIMSIファイルによってカードロックをする方法と明確に区別され、同一運営者が異なるタイプの間のSIMカードのバインドを区別することを実現し、且つロックされるSIMカードの数には制限がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のSIMカードをバインドする端末の実施例の模式図である。
【図2】本発明のSIMカードをバインドする方法の実施例のフローチャートの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明はSIMカードのSTK機能を利用することによって、SIMカードをバインドする方法及び端末を提供する。
【0014】
本発明の技術方案の原理は、
端末はSIMカードの初期化時に、端末プロファイル(terminal profile)コマンドを送信することによって、SIMカードにサポートされるSTKに関する項を知らせ、SIMカードは主動的にプロアクティブコマンドproactive commandレポートを報告する、或いはメニュー項目提供する方法で、端末にSIMカードに関する運営者情報を提供し、端末は、STK機能のSIMカードの運営者情報が端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしない、或いはSTK機能におけるSIMカードに関する運営者情報が提供されていないと、端末は加入者が正常に端末を使用することを許可しない。このようにして、SIMカードのSTK機能を利用して端末のカードロックの目的を実現する。
【0015】
本発明の方法に使用される端末はSIMカードがSTKによって提供されたSIMカードの運営者情報と、端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とを比較させることによりSIMカードをバインドする方法は、通常のSIMカードのIMSIファイルによってカードロックをする方法と明確に区別され、同一運営者が異なるタイプの間のSIMカードのバインドを区別することを実現し、且つロックされるSIMカードの数には制限がない。
【0016】
次に、実施例と図面を合わせて、本発明の技術方案について説明する。
【0017】
本発明のSIMカードをバインドする端末の実施例の模式図である図1に示すように、本実施例の端末はデータカードを例として説明する。本実施例におけるデータカードは、データカードのterminal profile送信モジュール101、及びデータカードのSTKの内容の判断と制御モジュール103を含み、該データカードに使われるSIMカードは、SIMカードのSTKモジュール102を含み、その中、
データカードのterminal profile送信モジュール101は、SIMカードにterminal profileコマンドを送信することに使われる。
【0018】
SIMカードのSTKモジュール102は、terminal profileコマンドを受信し、データカードにSIMカードのSTKの内容を送信することに使われる。
【0019】
データカードのSTKの内容の判断と制御モジュール103は、SIMカードのSTK機能からSIMカードの運営者情報を取得することに使われ、端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしない、或いはSTK機能にSIMカードに関する運営者情報が提供されていないと、加入者が正常に端末を使用することを許可しないことに使われる。
【0020】
本発明のSIMカードをバインドする方法の実施例のフローチャートである図2に示すように、本実施例において、端末がSIMカードを初期化し、続いてSIMカードをバインドするフローチャートは、
端末はパワーアップ後、正常な運転パターンに入り、SIMカードにterminal profileコマンドを送信するステップ201と、
端末は、terminal profileコマンドを送信した後に、STKが提供したSIMカードの運営者に関する情報を受信したかどうかを判断し、受信していた場合は、ステップ203に入り、受信していない場合は、ステップ205に入るステップ202と、
端末は、SIMカードのSTKの運営者情報が、端末に記憶されている運営者情報とマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、ステップ204に入り、マッチングしない場合は、ステップ205に入るステップ203と、
ここで説明する必要があるのは、マッチングとは、STK機能に提供された運営者情報が、端末に記憶されている運営者情報と一致することであり、マッチングしないことは、STK機能にSIMカードに関する運営者情報が提供されていないこと、及びSTK機能に提供されたSIMカードに関する運営者情報が、端末に記憶されている運営者情報と一致しないことである。
【0021】
端末は、この時のSIMカードがそれとバインドするSIMカードであると判断し、加入者の正常な操作を許可し、本プロセスを完了するステップ204と、
端末は、この時のSIMカードがそれとバインドするSIMカードではないと判断し、加入者の正常な操作を禁止するステップ205と、を含む。
【0022】
本発明の技術案は、端末がSIMカードをバインドする新たな方法及び端末を提供し、該方法により、端末はSIMカードのSTK機能によってSIMカードに対してバインドを実現する。本発明の方法は、以前通常であったIMSIファイルによってカードロックをする方法と明確に区別され、同一の運営者の異なるタイプの間のSIMカードのバインドを区別することを実現し、且つロックされるSIMカードの数には制限がない。
【0023】
もちろん、本発明はまた多種の実施形態があり得、本発明の精神、及び実質に反しない状況で、本分野を熟知する技術者は、本発明に基づく各種の相応の変更、或いは変化を作り出すことが可能であり、但し本発明の精神と原則の内におけるいかなる訂正、同等の交替、改良であっても、全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者識別モジュールSIMカードをバインドする方法であって、
端末は、加入者識別アプリケーション開発ツールSTKによって提供されたSIMカードの運営者情報と端末に記憶されているSIMカードの運営者情報とがマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしないと、端末は加入者が正常に端末を使用することを許可しないことを含むことを特徴とする加入者識別モジュールSIMカードをバインドする方法。
【請求項2】
前記方法の前にさらに、
前記端末は、SIMカードの初期化時に、端末プロファイル(terminal profile)コマンドを送信することによって、SIMカードにサポートされるSTKに関する項を知らせ、SIMカードは主動的にプロアクティブコマンドproactive commandレポートを報告する、或いはメニュー項目を提供する方法で、SIMカードに関する運営者情報を端末に提供することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末は、terminal profileコマンドを送信した後、マッチングするかどうかを判断する前に、該方法はさらに、
前記端末は、terminal profileコマンドを送信後、STKに提供されたSIMカード運営者に関する情報を受信したかどうかを判断し、受信していれば判断を行い、受信していないと、端末はこの時のSIMカードがそれとバインドしたSIMカードではないと判断し、加入者が正常な操作を行うことを禁止することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マッチングすることとは、STK機能に提供された運営者情報と端末に記憶されている運営者情報とが一致することであって、この時、SIMカードはそれとバインドしたSIMカードであり、
前記マッチングしないこととは、STK機能にSIMカードに関する運営者情報を提供しないこと、及びSTK機能に提供されたSIMカードに関する運営者情報と端末に記憶されている運営者情報とが一致しないことを含み、この時、SIMカードはそれとバインドしたSIMカードではないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
SIMカードをバインドする端末であって、前記端末は端末プロファイル(terminal profile)送信モジュール、及びSTKの内容の判断と制御モジュールを含み、該データカードに使われるSIMカードはSIMカードのSTKモジュールを含み、その中、
terminal profile送信モジュールは、SIMカードにterminal profileコマンドを送信することに使われ、
SIMカードのSTKモジュールは、terminal profileコマンドを受信し、データカードにSIMカードのSTKの内容を送信することに使われ、
STKの内容の判断と制御モジュールは、SIMカードのSTK機能から取得するSIMカードの運営者情報と端末に保存されているSIMカードの運営者情報とがマッチングするかどうかを判断し、マッチングすると、加入者が正常に端末を使用することを許可し、マッチングしない、或いはSTK機能の中にSIMカードに関する運営者情報が提供されていないと、加入者が正常に端末を使用することを許可しないことに使われることを特徴とするSIMカードをバインドする端末。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−518483(P2013−518483A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550298(P2012−550298)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075490
【国際公開番号】WO2011/091658
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(509024525)ゼットティーイー コーポレーション (134)
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi−Tech Industrial Park,Nanshan District,Shenzhen City,Guangdong Province 518057, P.R. China
【Fターム(参考)】