TSファイルのダビング方法
【課題】TSファイルのビデオテープへのダビング方法において、ビデオテープを無駄なく使用して、ダビングに必要なコストを削減する。
【解決手段】組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープの記録のビットレート(HSモードの場合、28.2Mbps)に近づけて、D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせ(図中のTSファイル1、3の組み合わせ、及びTSファイル2、4、5の組み合わせ)を判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープの記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープを無駄なく使用することができる。
【解決手段】組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープの記録のビットレート(HSモードの場合、28.2Mbps)に近づけて、D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせ(図中のTSファイル1、3の組み合わせ、及びTSファイル2、4、5の組み合わせ)を判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープの記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープを無駄なく使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)に、TSファイルをダビングする際には、ディジタルVTRが、ダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートに応じて、D−VHSテープへの記録モードを変更することにより、種々のビットレートのTSを格納したTSファイルをD−VHSテープに記録している。上記の記録モードには、高品位(HD)デジタル映像等の画像信号の記録に適したHSモード、現行のNTSC方式やPAL方式の画像信号の記録に適したSTDモード等のモードがある。HSモードにおけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、28.2Mbpsであり、STDモードにおけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、14.1Mbpsである。
【0003】
しかし、上記のように、ハードディスクからD−VHSテープにTSファイルをダビングする際に、ダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートに応じてD−VHSテープへの記録モードを変更したとしても、各記録モード毎におけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、固定であるため、TSファイルのダビング後に、D−VHSテープ中に、図16中の斜線に示されるような未使用の領域(帯域)ができてしまう。
【0004】
ところで、ディジタルVTR等のディジタル情報記録装置の分野において、SD画像信号SDVを所定時間TDLYだけ遅延させると共に、HD画像信号HDVの情報量DRHDVと、遅延させたSD画像信号SDVの情報量DRSDVDとを監視し、情報量DRHDV及びDRSDVDに応じて、多重化したときのデータレートの配分を決定し、その配分に従って、MPEGエンコーダにおける圧縮率を制御するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。しかし、この特許文献1に記載された発明では、上記の問題を解決することはできない。
【特許文献1】特開2000−125245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、TSファイルをビデオテープにダビングする際に、ビデオテープを無駄なく使用することができるようにして、ダビングに必要なコストを削減することが可能なTSファイルのダビング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)にダビングする方法であって、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、自機のハードディスクに記録された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記変更するステップによる変更後のTSファイルのうち、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合して、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記まとめるステップでまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップとを含み、前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法であって、前記ハードディスクレコーダ側又は前記ディジタルVTR側のマイクロプロセッサ(以下、マイクロプロセッサと略す)が、前記ハードディスクレコーダ内のハードディスクに格納された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、前記マイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましい組み合わせであると判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを、1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップとを含み、前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法であって、前記まとめるステップにおいて、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合するようにしたものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法において、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップをさらに含むものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法において、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップをさらに含むものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープを無駄なく使用することができる。従って、TSファイルのD−VHSテープへのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0012】
また、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更すると共に、上記の複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、上記複数のTSファイルに含まれる各PSI内のPAT及び各PSIP内のVCTやMGTを統合するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0013】
さらにまた、上記のような方法でまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、各PSIPのEIT内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、上記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにしたことにより、この変更処理後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG(Electronic Program Guide)画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、ビデオテープを無駄なく使用することができる。これにより、TSファイルのビデオテープへのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI内のPAT、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP内のVCT、MGTを統合するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにしたことにより、この変更処理後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本発明は、TS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法に関するものである。以下の実施形態では、ビデオテープが、D−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)であり、ハードディスクレコーダが、ハードディスクレコーダ内蔵のテレビジョン受像機(以下、HDD内蔵TV受像機という)である場合の例について説明する。なお、以下に記載した実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
【0019】
図1は、本実施形態によるTSファイルのダビング方法を適用したHDD内蔵TV受像機とディジタルVTRの電気的ブロック構成を示す。HDD内蔵TV受像機10とディジタルVTR40とは、IEEE1394シリアルバス(以下、バスと略す)7を介して接続されている。HDD内蔵TV受像機10は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ11を備えている。このマイクロプロセッサ11には、内部バス23を介して、チューナ12、映像・音声信号処理部13、MPEGデコーダ14、OSD処理部16、IEEE1394インタフェース19(以下、インタフェースと略す)、ハードディスクドライブ(HDD)20、メモリ21、リモートコントロール信号受信部(以下、リモコン受信部という)22が接続されている。
【0020】
上記のチューナ12は、アンテナ6を介して、放送局からテレビジョン放送信号として送信されるMPEG2−TS形式のTS(Transport Stream)パケットを受信する。映像・音声信号処理部13は、受信したTSパケットの中からユーザにより選択された番組の再生に必要な映像や音声のパケットを取り出して、MPEGデコーダ14に送信する処理等を行う。MPEGデコーダ14は、映像・音声信号処理部13から受け取った映像や音声のパケットに含まれるMPEG圧縮された映像信号や音声信号をデコードする。OSD処理部16は、MPEGデコーダ14でデコードされた映像信号に所定の表示画像の信号を重畳させる。インタフェース19は、バス7上の他の装置との間でデータを送受信するためのインタフェース用の回路であり、バス7を介してディジタルVTR40との間でデータを送受信する。メモリ21は、HDD内蔵TV受像機10からディジタルVTR40へのTSファイルのダビング用のプログラムを含む各種の制御用プログラムや、各種の作業用データや、OSD表示用の画像等のデータを格納する。リモコン受信部22は、リモコン30から送信された赤外線信号形式の指示信号を受信して、その指示信号を通常のデジタル信号に変換してマイクロプロセッサ11に送る。
【0021】
HDD20は、映像・音声に関するデータを読み出し可能に記録するものである。HDD20は、図2に示すように、記録媒体である複数枚のハードディスク51と、これらのハードディスク51に対してデータの記録・読取を行う複数の磁気ヘッド52と、磁気ヘッド52を駆動するヘッド駆動部53と、ヘッド駆動部53を制御してハードディスク51に対するデータの記録・読取を制御するHDD制御部54と、記録するデータ又は読み出したデータを一時的に保存するバッファメモリ55とを備えている。
【0022】
HDD20は、マイクロプロセッサ11による制御のもと、映像・音声信号処理部13から出力された、1つ以上の番組に関するTS(Transport Stream)パケットが多重化されたデータを一つのTSファイルとしてハードディスク51に記録する。
【0023】
リモコン30は、各種のキーからなるキー部34と赤外線信号発信部31とを有している。キー部34には、電源キー33、数字入力用のキー35、カーソルキー36、確定キー37に加えて、各種メニューを表示するためのメニューキー32が配設されている。リモコン30内の各キーは、後述する録画モード選択処理や、ダビング対象となるTSファイルの選択処理を行う際の指示操作に使用される。
【0024】
また、HDD内蔵TV受像機10は、ディスプレイ17とスピーカ18を有している。ディスプレイ17は、OSD処理部16からの映像信号を出力表示すると共に、メモリ21内に格納された各種のメニュー画面等を表示する。また、スピーカ18は、MPEGデコーダ14でデコードされた音声信号を出力する。
【0025】
また、上記のディジタルVTR40は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ41を備えている。このマイクロプロセッサ41には、内部バス50を介して、録画再生部42、MPEGデコーダ43、OSD処理部44、IEEE1394インタフェース46(以下、インタフェースと略す)、表示部47、メモリ48、及びリモートコントロール信号受信部(以下、リモコン受信部という)49が接続されている。このうち、MPEGデコーダ43、OSD処理部44、インタフェース46、リモコン受信部49は、それぞれHDD内蔵TV受像機10側のMPEGデコーダ14、OSD処理部16、インタフェース19、リモコン受信部22と同様な機能を有する回路である。録画再生部42は、インタフェース46を介してHDD内蔵TV受像機10から受信したTSファイルのD−VHSテープへの記録や、D−VHSテープに記録されたTSファイルの読み取り等を行う。表示部47は、各種のメッセージ等の出力表示を行う。メモリ48は、各種の制御用プログラム、作業用データ、メッセージ等のデータを格納する。また、ディジタルVTR40は、映像信号や音声信号を外部出力するための映像・音声出力端子45と、HDD内蔵TV受像機10側のリモコン30と同様な機能を持つリモコン60とを有している。
【0026】
上記のHDD内蔵TV受像機10は、TSファイルをD−VHSテープにダビングする際に、以下のような方法で、D−VHSテープを有効利用している。例えば、図3に示されるTSファイル1〜5を、HDD内蔵TV受像機10側のハードディスク51からディジタルVTR40側のD−VHSテープにダビングする場合に、TSファイル1〜5をD−VHSテープに1つずつ順番に記録したとすると、各記録モード(HSモード、STDモード等)毎におけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、固定であるため、TSファイル1〜5のダビング後に、D−VHSテープ中に、上記図16中の斜線に示されるような未使用の領域ができてしまう。そこで、図4に示されるように、上記のTSファイル1〜5のうちの複数のTSファイルをまとめて、1つのTSファイル(例えば、図4中のTSファイル(1+3))とすることにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープ70への記録のビットレートに近づける。
【0027】
具体的には、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11が、自機のハードディスク51に記録されたTSファイル1〜5に格納された各TSのビットレートを検出して、この検出結果に基づき、組み合わされた各TSファイルに格納された各TSのビットレートの合計値が、D−VHSテープ70のSTDモード時又はHSモード時における記録のビットレート(14.1Mbps又は28.2Mbps)に最も近くなるTSファイルの組み合わせを求める。ハードディスク51に記録されたTSファイル1〜5に格納された各TSのビットレートが、図3に示される値であるときには、図5に示されるように、TSファイル1とTSファイル3の組み合わせ、及びTSファイル2とTSファイル4とTSファイル5の組み合わせが最適な組み合わせとなる。次に、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、TSファイル1とTSファイル3に格納されたTSを再多重化し、TSファイル1とTSファイル3を1つのTSファイルにまとめて、まとめた後のTSファイルをインタフェース19を用いてディジタルVTR40側に送信することにより、まとめた後のTSファイルをHSモードでD−VHSテープ70に記録する。さらに、マイクロプロセッサ11は、TSファイル2、4、5に格納されたTSを再多重化し、TSファイル2、4、5を1つのTSファイルにまとめて、まとめた後のTSファイルをインタフェース19によりディジタルVTR40側に送信することで、まとめた後のTSファイルをHSモードでD−VHSテープ70に記録する。これにより、ダビング処理後におけるD−VHSテープ70中の未使用の領域71を、図16中の斜線で示される従来の未使用の領域よりも小さくすることができる。
【0028】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に必要となる、まとめた後のTSファイルに格納されたTS中のチャンネル構成に関する情報の変更処理について説明する。
【0029】
例えば、ハードディスク51に記録されたダビング元のTSファイル1とTSファイル3を1つのTSファイルにまとめる場合に、図6に示されるように、TSファイル1に格納されたTSのサブチャンネル数が1で、TSファイル3に格納されたTSのサブチャンネル数が2であったとすると、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのサブチャンネル数は3になるはずである。従って、このサブチャンネルの統合に合わせて、図7に示されるように、ダビング元のTSファイル1、3に含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)を統合して、統合したPATを、まとめた後のTSファイルに含まれるPATとする。また、図8に示されるように、TSファイル1、3に含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)・MGT(Master Guide Table)の内容を統合して、統合したVCT・MGTを、まとめた後のTSファイルに含まれるVCT・MGTとする。これにより、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0030】
なお、上記の説明において、PSIとは、MPEG−2において規定されるデータで、TSをDeMuxする場合に必要となる情報である。PSIには、PAT、PMT(Program Map Table)等が含まれる。PMTは、各サブチャンネルの番組を構成する映像、音声、データ等のストリームを伝送するTSパケットを特定するためのテーブルである。PATは、各サブチャンネルの番組のPMTを伝送しているTSパケットを特定するためのテーブルである。また、PSIPとは、チャンネルリスト、放送時間、文字放送の有無等の番組情報を視聴者に提供するための規格である。VCTは、TS内のチャンネルのリスト等のテーブルからなり、また、MGTは、PSIP内における、STT(System Time Table)以外の他の全てのテーブルに関する情報を含んでいる。
【0031】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に必要となる、まとめた後のTSファイルに生じるパケットID、サブチャンネル番号等の不整合を解消する方法について説明する。例えば、ダビング元のTSファイル1とTSファイル3とに格納された各TSのサブチャンネル番号(サブCH番号)、PMTのパケットID(PID)、映像パケットのPID、及び音声パケットのPIDが、図9に示される内容であったとする。この場合に、TSファイル1及びTSファイル3に格納されたTS中のサブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDを全く変更しないで、これらのTSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめたとすれば、TSファイル1側のサブCH番号=1のサブCHと、TSファイル3側のサブCH番号=1のサブCHとで、サブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDが、重複してしまう。そこで、図10に示されるように、これらのサブCHについて、サブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDを重複しない値に変更した上で、TSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめる。これにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じる番号やIDの不整合を解消することができる。
【0032】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめたときに、まとめた後のTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG(Electronic Program Guide)画面上の同じ時間帯に表示するための工夫について説明する。例えば、ダビング元のTSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめる場合に、これらのTSファイル1、3に格納された各TS中の各サブCHの番組の初期基準時刻(PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻)と開始/終了時刻(PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻)とが、図11に示されるような内容であったとする。この場合に、上記の初期基準時刻と開始/終了時刻とを変更せずに、TSファイル1、3をまとめて、まとめたTSファイルに格納された各番組に関するEPG画面を作成したとすると、各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができない。そこで、図12に示されるように、まとめた後のTSファイルに含まれる初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、まとめた後のTSファイルに含まれる各番組の開始/終了時刻を、上記の共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにした。これにより、この変更後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【0033】
次に、図13のフローチャートに加えて図14及び図15を参照して、本実施形態によるTSファイルのダビング方法における処理の流れについて説明する。ユーザが、リモコン30のメニューキー32を用いて、録画モードの選択処理の実行を指示すると、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、ディスプレイ17上に図14に示される録画モード選択画面80を表示する。この状態で、ユーザが、リモコン30のカーソルキー36や確定キー37を用いて、最適録画モード選択ボタン82を選択すると、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、ハードディスク51内に格納されているTSファイルを読み込んで、図15に示されるTSファイル一覧画面90をディスプレイ17上に表示する。そして、ユーザが、リモコン30のカーソルキー36や確定キー37を用いて、TSファイル一覧画面90に表示されたハードディスク51内のTSファイルの中から、ディジタルVTR40側のD−VHSテープ70にダビングするTSファイルを選択すると(S1)、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、選択されたTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出する(S2)。次に、マイクロプロセッサ11は、これらのTSのビットレートと、D−VHSテープ70の記録のビットレートとに基いて、望ましいTSファイルの組み合わせを判定する(S3)。そして、望ましいと判定された全てのTSファイルの組み合わせについて、各組み合わせを構成する各TSファイル中のTSを再多重化する処理(各組み合わせ毎にTSファイルをまとめる処理)が終了するまで(S4でNO)、下記のS5乃至S8の処理を繰り返す。
【0034】
具体的には、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11が、S3の判定で望ましいと判定された組み合わせに従って、各組み合わせ毎にTSファイルをまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報があれば(S5でYES)、これらを重複しない値に変更する(S6)。そして、上記図6乃至図8に関する説明で述べたように、各組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに格納されたTS中のPAT、VCT、MGTを統合して、元のTSとはチャンネル構成を変更し、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめる(S7)。次に、マイクロプロセッサ11は、上記図11及び図12に関する説明で述べたように、まとめた後のTSファイルに含まれる初期基準時刻(PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻)を共通の値に変更すると共に、まとめた後のTSファイルに含まれる各番組の開始/終了時刻(PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻)を、上記の共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更する(S8)。
【0035】
上記のように、本実施形態によるTSファイルのダビング方法によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープ70の各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、D−VHSテープ70への記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープ70の各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープ70を無駄なく使用することができる。従って、TSファイルのD−VHSテープ70へのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめる処理を、HDD内蔵TV受像機10側(ハードディスクレコーダ側)のマイクロプロセッサ11が行う場合の例について示したが、上記の1つのTSファイルにまとめる処理を、ディジタルVTR側のマイクロプロセッサが行うようにしてもよい。また、上記の実施形態では、本発明のダビング方法を適用したハードディスクレコーダが、ハードディスクレコーダ内蔵のテレビジョン受像機(HDD内蔵TV受像機)である場合の例を示したが、モニタ装置と分離したタイプのハードディスクレコーダであってもよい。さらにまた、本発明のTSファイルのダビング方法により録画可能なビデオテープは、D−VHSフォーマットのビデオテープに限られず、ディジタル形式のデータが記録可能なビデオテープであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態によるTSファイルのダビング方法を適用したHDD内蔵TV受像機とディジタルVTRの電気的ブロック構成図。
【図2】上記HDD内蔵TV受像機のHDDの概略構成を示す電気的ブロック構成図。
【図3】上記HDD内蔵TV受像機のハードディスクに記録された各TSファイルに格納されたTSのビットレートの例を示す図。
【図4】上記ハードディスクに記録された複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめて、D−VHSテープにダビングする処理の概念を示す図。
【図5】上記TSファイルのダビング方法を適用した場合に、D−VHSテープ上において使用される領域(帯域)の説明図。
【図6】上記ハードディスクに記録されたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのサブチャンネル数の例を示す図。
【図7】上記ダビング元の各TSファイルのPATを統合する処理の説明図。
【図8】上記ダビング元の各TSファイルのVCT・MGTを統合する処理の説明図。
【図9】上記ダビング元の各TSファイルに格納されたTS中のサブチャンネル番号及びパケットIDの例を示す図。
【図10】上記ダビング元の各TSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに含まれるパケットID、サブチャンネル番号が重複してしまうという問題を解消する方法の説明図。
【図11】上記ダビング元の各TSファイルに格納されたTS中の各サブCHの番組の初期基準時刻と開始/終了時刻の例を示す図。
【図12】上記まとめた後のTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示する方法の説明図。
【図13】TSファイルのダビング時における上記HDD内蔵TV受像機側の処理を示すフローチャート。
【図14】TSファイルのダビング時に録画モードの選択処理に用いられる画面を示す図。
【図15】上記HDD内蔵TV受像機側のハードディスクに格納されたTSファイルの一覧画面を示す図。
【図16】従来のTSファイルのダビング方法を実行した場合に生じるD−VHSテープ上の未使用領域の説明図。
【符号の説明】
【0038】
1 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
2 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
3 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
4 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
5 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
10 HDD内蔵TV受像機(ハードディスクレコーダ)
11 マイクロプロセッサ
40 ディジタルVTR
41 マイクロプロセッサ
51 ハードディスク
70 D−VHSテープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、TS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)に、TSファイルをダビングする際には、ディジタルVTRが、ダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートに応じて、D−VHSテープへの記録モードを変更することにより、種々のビットレートのTSを格納したTSファイルをD−VHSテープに記録している。上記の記録モードには、高品位(HD)デジタル映像等の画像信号の記録に適したHSモード、現行のNTSC方式やPAL方式の画像信号の記録に適したSTDモード等のモードがある。HSモードにおけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、28.2Mbpsであり、STDモードにおけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、14.1Mbpsである。
【0003】
しかし、上記のように、ハードディスクからD−VHSテープにTSファイルをダビングする際に、ダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートに応じてD−VHSテープへの記録モードを変更したとしても、各記録モード毎におけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、固定であるため、TSファイルのダビング後に、D−VHSテープ中に、図16中の斜線に示されるような未使用の領域(帯域)ができてしまう。
【0004】
ところで、ディジタルVTR等のディジタル情報記録装置の分野において、SD画像信号SDVを所定時間TDLYだけ遅延させると共に、HD画像信号HDVの情報量DRHDVと、遅延させたSD画像信号SDVの情報量DRSDVDとを監視し、情報量DRHDV及びDRSDVDに応じて、多重化したときのデータレートの配分を決定し、その配分に従って、MPEGエンコーダにおける圧縮率を制御するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。しかし、この特許文献1に記載された発明では、上記の問題を解決することはできない。
【特許文献1】特開2000−125245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、TSファイルをビデオテープにダビングする際に、ビデオテープを無駄なく使用することができるようにして、ダビングに必要なコストを削減することが可能なTSファイルのダビング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)にダビングする方法であって、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、自機のハードディスクに記録された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記変更するステップによる変更後のTSファイルのうち、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合して、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップと、前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記まとめるステップでまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップとを含み、前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法であって、前記ハードディスクレコーダ側又は前記ディジタルVTR側のマイクロプロセッサ(以下、マイクロプロセッサと略す)が、前記ハードディスクレコーダ内のハードディスクに格納された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、前記マイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましい組み合わせであると判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを、1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップとを含み、前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法であって、前記まとめるステップにおいて、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合するようにしたものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法において、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップをさらに含むものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2に記載のTSファイルのダビング方法において、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップをさらに含むものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープを無駄なく使用することができる。従って、TSファイルのD−VHSテープへのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0012】
また、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更すると共に、上記の複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、上記複数のTSファイルに含まれる各PSI内のPAT及び各PSIP内のVCTやMGTを統合するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0013】
さらにまた、上記のような方法でまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、各PSIPのEIT内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、上記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにしたことにより、この変更処理後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG(Electronic Program Guide)画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、ビデオテープを無駄なく使用することができる。これにより、TSファイルのビデオテープへのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI内のPAT、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP内のVCT、MGTを統合するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するようにしたことにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにしたことにより、この変更処理後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本発明は、TS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法に関するものである。以下の実施形態では、ビデオテープが、D−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)であり、ハードディスクレコーダが、ハードディスクレコーダ内蔵のテレビジョン受像機(以下、HDD内蔵TV受像機という)である場合の例について説明する。なお、以下に記載した実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
【0019】
図1は、本実施形態によるTSファイルのダビング方法を適用したHDD内蔵TV受像機とディジタルVTRの電気的ブロック構成を示す。HDD内蔵TV受像機10とディジタルVTR40とは、IEEE1394シリアルバス(以下、バスと略す)7を介して接続されている。HDD内蔵TV受像機10は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ11を備えている。このマイクロプロセッサ11には、内部バス23を介して、チューナ12、映像・音声信号処理部13、MPEGデコーダ14、OSD処理部16、IEEE1394インタフェース19(以下、インタフェースと略す)、ハードディスクドライブ(HDD)20、メモリ21、リモートコントロール信号受信部(以下、リモコン受信部という)22が接続されている。
【0020】
上記のチューナ12は、アンテナ6を介して、放送局からテレビジョン放送信号として送信されるMPEG2−TS形式のTS(Transport Stream)パケットを受信する。映像・音声信号処理部13は、受信したTSパケットの中からユーザにより選択された番組の再生に必要な映像や音声のパケットを取り出して、MPEGデコーダ14に送信する処理等を行う。MPEGデコーダ14は、映像・音声信号処理部13から受け取った映像や音声のパケットに含まれるMPEG圧縮された映像信号や音声信号をデコードする。OSD処理部16は、MPEGデコーダ14でデコードされた映像信号に所定の表示画像の信号を重畳させる。インタフェース19は、バス7上の他の装置との間でデータを送受信するためのインタフェース用の回路であり、バス7を介してディジタルVTR40との間でデータを送受信する。メモリ21は、HDD内蔵TV受像機10からディジタルVTR40へのTSファイルのダビング用のプログラムを含む各種の制御用プログラムや、各種の作業用データや、OSD表示用の画像等のデータを格納する。リモコン受信部22は、リモコン30から送信された赤外線信号形式の指示信号を受信して、その指示信号を通常のデジタル信号に変換してマイクロプロセッサ11に送る。
【0021】
HDD20は、映像・音声に関するデータを読み出し可能に記録するものである。HDD20は、図2に示すように、記録媒体である複数枚のハードディスク51と、これらのハードディスク51に対してデータの記録・読取を行う複数の磁気ヘッド52と、磁気ヘッド52を駆動するヘッド駆動部53と、ヘッド駆動部53を制御してハードディスク51に対するデータの記録・読取を制御するHDD制御部54と、記録するデータ又は読み出したデータを一時的に保存するバッファメモリ55とを備えている。
【0022】
HDD20は、マイクロプロセッサ11による制御のもと、映像・音声信号処理部13から出力された、1つ以上の番組に関するTS(Transport Stream)パケットが多重化されたデータを一つのTSファイルとしてハードディスク51に記録する。
【0023】
リモコン30は、各種のキーからなるキー部34と赤外線信号発信部31とを有している。キー部34には、電源キー33、数字入力用のキー35、カーソルキー36、確定キー37に加えて、各種メニューを表示するためのメニューキー32が配設されている。リモコン30内の各キーは、後述する録画モード選択処理や、ダビング対象となるTSファイルの選択処理を行う際の指示操作に使用される。
【0024】
また、HDD内蔵TV受像機10は、ディスプレイ17とスピーカ18を有している。ディスプレイ17は、OSD処理部16からの映像信号を出力表示すると共に、メモリ21内に格納された各種のメニュー画面等を表示する。また、スピーカ18は、MPEGデコーダ14でデコードされた音声信号を出力する。
【0025】
また、上記のディジタルVTR40は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ41を備えている。このマイクロプロセッサ41には、内部バス50を介して、録画再生部42、MPEGデコーダ43、OSD処理部44、IEEE1394インタフェース46(以下、インタフェースと略す)、表示部47、メモリ48、及びリモートコントロール信号受信部(以下、リモコン受信部という)49が接続されている。このうち、MPEGデコーダ43、OSD処理部44、インタフェース46、リモコン受信部49は、それぞれHDD内蔵TV受像機10側のMPEGデコーダ14、OSD処理部16、インタフェース19、リモコン受信部22と同様な機能を有する回路である。録画再生部42は、インタフェース46を介してHDD内蔵TV受像機10から受信したTSファイルのD−VHSテープへの記録や、D−VHSテープに記録されたTSファイルの読み取り等を行う。表示部47は、各種のメッセージ等の出力表示を行う。メモリ48は、各種の制御用プログラム、作業用データ、メッセージ等のデータを格納する。また、ディジタルVTR40は、映像信号や音声信号を外部出力するための映像・音声出力端子45と、HDD内蔵TV受像機10側のリモコン30と同様な機能を持つリモコン60とを有している。
【0026】
上記のHDD内蔵TV受像機10は、TSファイルをD−VHSテープにダビングする際に、以下のような方法で、D−VHSテープを有効利用している。例えば、図3に示されるTSファイル1〜5を、HDD内蔵TV受像機10側のハードディスク51からディジタルVTR40側のD−VHSテープにダビングする場合に、TSファイル1〜5をD−VHSテープに1つずつ順番に記録したとすると、各記録モード(HSモード、STDモード等)毎におけるD−VHSテープへの記録のビットレートは、固定であるため、TSファイル1〜5のダビング後に、D−VHSテープ中に、上記図16中の斜線に示されるような未使用の領域ができてしまう。そこで、図4に示されるように、上記のTSファイル1〜5のうちの複数のTSファイルをまとめて、1つのTSファイル(例えば、図4中のTSファイル(1+3))とすることにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープ70への記録のビットレートに近づける。
【0027】
具体的には、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11が、自機のハードディスク51に記録されたTSファイル1〜5に格納された各TSのビットレートを検出して、この検出結果に基づき、組み合わされた各TSファイルに格納された各TSのビットレートの合計値が、D−VHSテープ70のSTDモード時又はHSモード時における記録のビットレート(14.1Mbps又は28.2Mbps)に最も近くなるTSファイルの組み合わせを求める。ハードディスク51に記録されたTSファイル1〜5に格納された各TSのビットレートが、図3に示される値であるときには、図5に示されるように、TSファイル1とTSファイル3の組み合わせ、及びTSファイル2とTSファイル4とTSファイル5の組み合わせが最適な組み合わせとなる。次に、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、TSファイル1とTSファイル3に格納されたTSを再多重化し、TSファイル1とTSファイル3を1つのTSファイルにまとめて、まとめた後のTSファイルをインタフェース19を用いてディジタルVTR40側に送信することにより、まとめた後のTSファイルをHSモードでD−VHSテープ70に記録する。さらに、マイクロプロセッサ11は、TSファイル2、4、5に格納されたTSを再多重化し、TSファイル2、4、5を1つのTSファイルにまとめて、まとめた後のTSファイルをインタフェース19によりディジタルVTR40側に送信することで、まとめた後のTSファイルをHSモードでD−VHSテープ70に記録する。これにより、ダビング処理後におけるD−VHSテープ70中の未使用の領域71を、図16中の斜線で示される従来の未使用の領域よりも小さくすることができる。
【0028】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に必要となる、まとめた後のTSファイルに格納されたTS中のチャンネル構成に関する情報の変更処理について説明する。
【0029】
例えば、ハードディスク51に記録されたダビング元のTSファイル1とTSファイル3を1つのTSファイルにまとめる場合に、図6に示されるように、TSファイル1に格納されたTSのサブチャンネル数が1で、TSファイル3に格納されたTSのサブチャンネル数が2であったとすると、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのサブチャンネル数は3になるはずである。従って、このサブチャンネルの統合に合わせて、図7に示されるように、ダビング元のTSファイル1、3に含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)を統合して、統合したPATを、まとめた後のTSファイルに含まれるPATとする。また、図8に示されるように、TSファイル1、3に含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)・MGT(Master Guide Table)の内容を統合して、統合したVCT・MGTを、まとめた後のTSファイルに含まれるVCT・MGTとする。これにより、まとめた後のTSファイルに生じるデータの不整合を解消することができる。
【0030】
なお、上記の説明において、PSIとは、MPEG−2において規定されるデータで、TSをDeMuxする場合に必要となる情報である。PSIには、PAT、PMT(Program Map Table)等が含まれる。PMTは、各サブチャンネルの番組を構成する映像、音声、データ等のストリームを伝送するTSパケットを特定するためのテーブルである。PATは、各サブチャンネルの番組のPMTを伝送しているTSパケットを特定するためのテーブルである。また、PSIPとは、チャンネルリスト、放送時間、文字放送の有無等の番組情報を視聴者に提供するための規格である。VCTは、TS内のチャンネルのリスト等のテーブルからなり、また、MGTは、PSIP内における、STT(System Time Table)以外の他の全てのテーブルに関する情報を含んでいる。
【0031】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に必要となる、まとめた後のTSファイルに生じるパケットID、サブチャンネル番号等の不整合を解消する方法について説明する。例えば、ダビング元のTSファイル1とTSファイル3とに格納された各TSのサブチャンネル番号(サブCH番号)、PMTのパケットID(PID)、映像パケットのPID、及び音声パケットのPIDが、図9に示される内容であったとする。この場合に、TSファイル1及びTSファイル3に格納されたTS中のサブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDを全く変更しないで、これらのTSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめたとすれば、TSファイル1側のサブCH番号=1のサブCHと、TSファイル3側のサブCH番号=1のサブCHとで、サブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDが、重複してしまう。そこで、図10に示されるように、これらのサブCHについて、サブCH番号、及びPMT、映像パケット、音声パケットのPIDを重複しない値に変更した上で、TSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめる。これにより、複数のTSファイルを1つにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに生じる番号やIDの不整合を解消することができる。
【0032】
次に、上記のように、複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめたときに、まとめた後のTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG(Electronic Program Guide)画面上の同じ時間帯に表示するための工夫について説明する。例えば、ダビング元のTSファイル1とTSファイル3とを1つのTSファイルにまとめる場合に、これらのTSファイル1、3に格納された各TS中の各サブCHの番組の初期基準時刻(PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻)と開始/終了時刻(PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻)とが、図11に示されるような内容であったとする。この場合に、上記の初期基準時刻と開始/終了時刻とを変更せずに、TSファイル1、3をまとめて、まとめたTSファイルに格納された各番組に関するEPG画面を作成したとすると、各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができない。そこで、図12に示されるように、まとめた後のTSファイルに含まれる初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、まとめた後のTSファイルに含まれる各番組の開始/終了時刻を、上記の共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するようにした。これにより、この変更後のTSファイルを再生したときに、このTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示することができる。
【0033】
次に、図13のフローチャートに加えて図14及び図15を参照して、本実施形態によるTSファイルのダビング方法における処理の流れについて説明する。ユーザが、リモコン30のメニューキー32を用いて、録画モードの選択処理の実行を指示すると、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、ディスプレイ17上に図14に示される録画モード選択画面80を表示する。この状態で、ユーザが、リモコン30のカーソルキー36や確定キー37を用いて、最適録画モード選択ボタン82を選択すると、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、ハードディスク51内に格納されているTSファイルを読み込んで、図15に示されるTSファイル一覧画面90をディスプレイ17上に表示する。そして、ユーザが、リモコン30のカーソルキー36や確定キー37を用いて、TSファイル一覧画面90に表示されたハードディスク51内のTSファイルの中から、ディジタルVTR40側のD−VHSテープ70にダビングするTSファイルを選択すると(S1)、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11は、選択されたTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出する(S2)。次に、マイクロプロセッサ11は、これらのTSのビットレートと、D−VHSテープ70の記録のビットレートとに基いて、望ましいTSファイルの組み合わせを判定する(S3)。そして、望ましいと判定された全てのTSファイルの組み合わせについて、各組み合わせを構成する各TSファイル中のTSを再多重化する処理(各組み合わせ毎にTSファイルをまとめる処理)が終了するまで(S4でNO)、下記のS5乃至S8の処理を繰り返す。
【0034】
具体的には、HDD内蔵TV受像機10側のマイクロプロセッサ11が、S3の判定で望ましいと判定された組み合わせに従って、各組み合わせ毎にTSファイルをまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報があれば(S5でYES)、これらを重複しない値に変更する(S6)。そして、上記図6乃至図8に関する説明で述べたように、各組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに格納されたTS中のPAT、VCT、MGTを統合して、元のTSとはチャンネル構成を変更し、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめる(S7)。次に、マイクロプロセッサ11は、上記図11及び図12に関する説明で述べたように、まとめた後のTSファイルに含まれる初期基準時刻(PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻)を共通の値に変更すると共に、まとめた後のTSファイルに含まれる各番組の開始/終了時刻(PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻)を、上記の共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更する(S8)。
【0035】
上記のように、本実施形態によるTSファイルのダビング方法によれば、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、D−VHSテープ70の各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、D−VHSテープ70への記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定して、望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるようにした。これにより、まとめた後のTSファイルに格納されるTSのビットレートを、D−VHSテープ70の各記録モード時における記録のビットレートに近づけることができるので、D−VHSテープ70を無駄なく使用することができる。従って、TSファイルのD−VHSテープ70へのダビングに必要なコストの削減を図ることができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめる処理を、HDD内蔵TV受像機10側(ハードディスクレコーダ側)のマイクロプロセッサ11が行う場合の例について示したが、上記の1つのTSファイルにまとめる処理を、ディジタルVTR側のマイクロプロセッサが行うようにしてもよい。また、上記の実施形態では、本発明のダビング方法を適用したハードディスクレコーダが、ハードディスクレコーダ内蔵のテレビジョン受像機(HDD内蔵TV受像機)である場合の例を示したが、モニタ装置と分離したタイプのハードディスクレコーダであってもよい。さらにまた、本発明のTSファイルのダビング方法により録画可能なビデオテープは、D−VHSフォーマットのビデオテープに限られず、ディジタル形式のデータが記録可能なビデオテープであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態によるTSファイルのダビング方法を適用したHDD内蔵TV受像機とディジタルVTRの電気的ブロック構成図。
【図2】上記HDD内蔵TV受像機のHDDの概略構成を示す電気的ブロック構成図。
【図3】上記HDD内蔵TV受像機のハードディスクに記録された各TSファイルに格納されたTSのビットレートの例を示す図。
【図4】上記ハードディスクに記録された複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめて、D−VHSテープにダビングする処理の概念を示す図。
【図5】上記TSファイルのダビング方法を適用した場合に、D−VHSテープ上において使用される領域(帯域)の説明図。
【図6】上記ハードディスクに記録されたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのサブチャンネル数の例を示す図。
【図7】上記ダビング元の各TSファイルのPATを統合する処理の説明図。
【図8】上記ダビング元の各TSファイルのVCT・MGTを統合する処理の説明図。
【図9】上記ダビング元の各TSファイルに格納されたTS中のサブチャンネル番号及びパケットIDの例を示す図。
【図10】上記ダビング元の各TSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルに含まれるパケットID、サブチャンネル番号が重複してしまうという問題を解消する方法の説明図。
【図11】上記ダビング元の各TSファイルに格納されたTS中の各サブCHの番組の初期基準時刻と開始/終了時刻の例を示す図。
【図12】上記まとめた後のTSファイルに格納された各番組に関する番組情報をEPG画面上の同じ時間帯に表示する方法の説明図。
【図13】TSファイルのダビング時における上記HDD内蔵TV受像機側の処理を示すフローチャート。
【図14】TSファイルのダビング時に録画モードの選択処理に用いられる画面を示す図。
【図15】上記HDD内蔵TV受像機側のハードディスクに格納されたTSファイルの一覧画面を示す図。
【図16】従来のTSファイルのダビング方法を実行した場合に生じるD−VHSテープ上の未使用領域の説明図。
【符号の説明】
【0038】
1 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
2 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
3 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
4 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
5 TSファイル(ダビング元のTSファイル)
10 HDD内蔵TV受像機(ハードディスクレコーダ)
11 マイクロプロセッサ
40 ディジタルVTR
41 マイクロプロセッサ
51 ハードディスク
70 D−VHSテープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)にダビングする方法であって、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、自機のハードディスクに記録された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記変更するステップによる変更後のTSファイルのうち、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合して、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記まとめるステップでまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップとを含み、
前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたことを特徴とするTSファイルのダビング方法。
【請求項2】
所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法であって、
前記ハードディスクレコーダ側又は前記ディジタルVTR側のマイクロプロセッサ(以下、マイクロプロセッサと略す)が、前記ハードディスクレコーダ内のハードディスクに格納された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、
前記マイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましい組み合わせであると判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを、1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップとを含み、
前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたことを特徴とするTSファイルのダビング方法。
【請求項3】
前記まとめるステップにおいて、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【請求項1】
所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のD−VHS(Data-Video Home System)フォーマットのビデオテープ(以下、D−VHSテープという)にダビングする方法であって、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、自機のハードディスクに記録された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記変更するステップによる変更後のTSファイルのうち、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合して、これら複数のTSファイルを1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップと、
前記ハードディスクレコーダ側のマイクロプロセッサが、前記まとめるステップでまとめられたTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更した上で、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップとを含み、
前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記D−VHSテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記D−VHSテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたことを特徴とするTSファイルのダビング方法。
【請求項2】
所定のTS(Transport Stream)を格納した複数のTS(Transport Stream)ファイルを、ハードディスクレコーダ側のハードディスクから、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)側のビデオテープにダビングする方法であって、
前記ハードディスクレコーダ側又は前記ディジタルVTR側のマイクロプロセッサ(以下、マイクロプロセッサと略す)が、前記ハードディスクレコーダ内のハードディスクに格納された、複数のダビング元のTSファイルに格納されたTSのビットレートを検出するステップと、
前記マイクロプロセッサが、前記検出するステップで検出された、ダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートと、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートとに基いて、前記各TSファイルをまとめる際における、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するステップと、
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましい組み合わせであると判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを、1つの再多重化されたTSファイルにまとめるステップとを含み、
前記判定するステップにおける望ましいTSファイルの組み合わせの判定において、組み合わされたダビング元の各TSファイルに格納されたTSのビットレートの合計値を、前記ビデオテープの各記録モード時における記録のビットレートに近づけて、前記ビデオテープへの記録効率の向上を図るという観点から、望ましいTSファイルの組み合わせを判定するようにしたことを特徴とするTSファイルのダビング方法。
【請求項3】
前記まとめるステップにおいて、前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルについて、これらのTSファイルに含まれる各PSI(Program Specific Information)内のPAT(Program Association Table)、及びこれらのTSファイルに含まれる各PSIP(Program and System Information Protocol)内のVCT(Virtual Channel Table)、MGT(Master Guide Table)を統合するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめた場合に、まとめた後のTSファイルで重複してしまうパケットID、サブチャンネル番号、ソースID等の情報を、重複しない値に変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサが、前記判定するステップで望ましいと判定された組み合わせを構成する複数のTSファイルを1つのTSファイルにまとめる際に、まとめた後のTSファイルに含まれる各PSIPのSTT(System Time Table)内の初期基準時刻を共通の値に変更すると共に、前記各PSIPのEIT(Event Information Table)内に含まれる各番組の開始/終了時刻を、前記共通の初期基準時刻からのオフセット値に変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のTSファイルのダビング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−93800(P2006−93800A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273224(P2004−273224)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]