説明

Th21細胞クローン並びにその製造及び利用

【課題】 Th1、Th2、Th17以外の新たなThサブセットについての細胞クローンを提供すること、及びクローン化した細胞の誘導相と効果相を修飾する活性の評価やスクリーニングの方法を提供すること。
【解決手段】 混合リンパ球培養反応を利用して、IL−21及びIFNγを産生するが、IL−17を産生しないTh細胞(Th21細胞)のクローン株を樹立することに成功した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルパーT細胞の一種であるTh21細胞のクローン並びにその製造及び利用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルパーT細胞には各種のサブセットが存在する。細胞免疫を司るTh1、液性免疫を制御するTh2はその代表例である(非特許文献1)。関節リウマチ(RA)のような臓器特異的自己免疫疾患はTh1型の疾患であり、全身性エリテマトーデス(SLE)のような全身性自己免疫疾患はTh2型の疾患であることが提唱されてきた(非特許文献2)。Th1細胞はインターロイキン(IL)-12の刺激によって分化し、インターフェロン(IFN)-γを主として産生する細胞であり、Th2細胞はIL-4刺激によって分化し、IL-4、IL-5などを産生する細胞である。ところが、実際にRAの主要な病変部位である関節滑膜及び関節液を解析すると、IFN-γは殆ど検出できない。また臨床的には明らかにRAとSLEの合併する症例が少なからず存在する。さらに、RAは骨が破壊される疾患であるが、破骨細胞の分化はIFN-γの存在下では強く抑制される(非特許文献3)。また、実験性アレルギー性脳脊髄炎(EAE)などでもTh1細胞の移入により病気が誘導できることから、長年に渡ってTh1型の疾患であることが提唱されてきた。しかしIL-12やその受容体のノックアウトマウスでも病気が誘導できること、Th2アジュバントの使用によりより重篤な病態が誘導できることなどから、RAやEAEがTh1型の疾患であるという概念には修正が必要である可能性が示唆された。
【0003】
近年、Th17細胞がこのような矛盾を説明するサブセットとして注目されている。このT細胞はIFN-γを殆ど産生せず、IL-17を多量に産生すると同時に破骨細胞の分化を試験管内で促進する。RA患者関節液中にIL-17を検出した報告と併せて考えると(非特許文献4)、RAはTh1型の疾患と言うよりもむしろIL-17産生Th細胞型の疾患であることが示唆される。また、EAEにおいても、IL−17がEAE病態の悪化をもたらすことが明らかにされた(非特許文献5、6)。さらに、IL−23により分化させたIL−17産生細胞がTh1、Th2とは独立したサブセットとして報告され(非特許文献7、8)、Th17の概念がほぼ確立した。また、Th17分化に必要なサイトカインとしてTGF-β及びIL−6が報告されるに至った(非特許文献9、10)。
【0004】
最近になり、さらに、Th1、Th2、Th17とは異なる特性を有するTh細胞がマウス細胞において見出された。この細胞は、IL−21を産生するが、Th1細胞マーカーであるIFN-γ、Th2細胞マーカーであるIL-4、及びTh17細胞マーカーであるIL−17を産生しない新たなThサブセットであり、Tfh(T follicular helper)細胞と名づけられた(非特許文献11)。
【0005】
このようにThサブセットについての基礎生物学における知見が急速に集積しつつある。このような状況から、各種自己免疫疾患は、Th1/Th2の二元論で考えるべきではなく、さらなるThサブセットを加えた枠組みの中で捉えることが妥当であると考えられるに至っている。
【0006】
これらTh細胞に関する研究を飛躍的に進歩させるためには、クローン化Th細胞株の取得が不可欠であり、これまでに、Th1、Th2、Th17について、その細胞株が樹立されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10-262656
【特許文献2】特開平10-117772
【特許文献3】特開2009-11184
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Mosmann et al., J. Immunol. 136(7):2348-57, 1986
【非特許文献2】Smolen et al., Scand. J.Rheumatol. 25(1):1-4, 1996
【非特許文献3】Takayanagi et al., Nature.408(6812):600-5, 2000
【非特許文献4】Kotake et al., J. Clin. Invest. 103(9):1345-52, May 1999
【非特許文献5】Langrish et al., J. Exp. Med. 201:233-40, 2005
【非特許文献6】Komiyama et al., J. Immunol. 177:566-73, 2006
【非特許文献7】Harrinhton et al., Nature Immunol.6(11); 123-32, 2005
【非特許文献8】Park et al., Nature Immunol.6(11); 133-41, 2005
【非特許文献9】Mangan et al., Nature.441(7090):231-4, 2006
【非特許文献10】Bettelli et al., Nature.441(7090):235-8, 2006
【非特許文献11】Nurieva et al., Immunity.29:138-149, 2008
【非特許文献12】Laurence et al., Immunity.26:371-381, 2007
【非特許文献13】Matushita et al., J. Immunol.158:5685-5691, 1997
【非特許文献14】Konforte et al., J. Immunol. 182:1781-1787, 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、Th1、Th2、Th17以外の新たなThサブセットについての細胞株を樹立することにある。さらなる本発明の目的は、樹立したTh細胞株を用いて、その誘導相と効果相を修飾する活性の評価やスクリーニングの方法を確立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これまでのT細胞クローンの取得方法としては、主として、自己抗原又は非自己抗原による刺激を受けた個体から採取した末梢血単核球を、24穴又は96穴プレートなどにおいて、一度、該抗原で刺激し、次いで、約1週間後に増殖してきた細胞を培地中に極うすい密度に希釈し、プレート上の一穴当たり、増殖する細胞が最大1個しか入らないように自己の抗原提示細胞と供に播種して培養し(限界希釈法)、増殖した細胞を回収する方法が用いられてきた(例えば、特許文献1、2)。
【0011】
その一方、本発明者は、 (i)抗原による刺激を受けた個体から採取した末梢血単核球においては、既に、抗原刺激により分化したメモリーT細胞(CD45RA陰性CD45RO陽性細胞)の存在比率が高く、未だ抗原刺激されておらず、サイトカイン等の存在下でTh1、Th2、Th17へ分化を人為的に方向付けることができるナイーブT細胞(CD45RA陽性CD45RO陰性細胞)の存在比率が極めて低いこと、及び、(ii)抗原刺激により分化したメモリーT細胞においても、メモリーTh1細胞やメモリーTh2細胞が主であり、メモリーTh17細胞の存在比率が少ないこと、に鑑み、生体内ですでに抗原により刺激を受けた末梢血単核球を利用する手法ではなく、混合リンパ球培養反応(以下、単に「MLR」と称することがある)を利用することによって、T細胞クローンを取得する方法を見いだし、Th17細胞クローンの取得に成功している(特許文献3)。
【0012】
本発明者は、MLRを利用して、さらなるT細胞クローンの取得について、鋭意検討を行った結果、IL−21及びIFNγを実質的に産生し、かつ、IL−17を実質的に産生しないという、新たな性質を有するTh細胞(以下、「Th21細胞」と称する)のクローンの取得に世界で初めて成功するに至った。さらに、本発明者は、樹立したTh21細胞クローンを利用すれば、Th21細胞の誘導相と効果相を修飾する活性の評価やスクリーニングが可能であることを見出すに至り、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、クローン化されたTh21細胞株並びにその製造及び利用に関するものであり、より詳しくは、以下に記載の発明を包含するものである。
【0014】
[1] Th21細胞クローンの製造方法であって、
(a)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件下で、混合リンパ球培養反応を行い、Th21細胞への分化が認められた培養系から細胞を回収する工程、
を含む方法。
【0015】
[2] CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件が、IL−21及びIL−6が培養系に含まれる培養条件である、請求項1に記載の方法。
【0016】
[3] 混合リンパ球培養反応開始時の培養系におけるプレート一穴あたりの末梢血単核球数が5×10〜5×104個である、[1]又は[2]に記載の方法。
【0017】
[4] (b)工程(a)により回収された細胞を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程、をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
【0018】
[5] (c)工程(a)又は工程(b)により回収された細胞を、限界希釈法により、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程、をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
【0019】
[6] Th21細胞の増殖が維持される培養条件が、IL−21及び抗原提示能を有する細胞が培養系に含まれている培養条件である、[4]又は[5]に記載の方法。
【0020】
[7] 抗原提示能を有する細胞が、工程(a)においてCD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導した抗原提示細胞である、[6]に記載の方法。
【0021】
[8] 抗原提示能を有する細胞が、放射線照射された末梢血単核球の形態で培養系に提供されている、[6]又は[7]に記載の方法。
【0022】
[9] 実質的に純粋なTh21細胞クローンからなる細胞集団。
【0023】
[10] Th21細胞クローンが、ナイーブCD4陽性T細胞由来である、[9]に記載の細胞集団。
【0024】
[11] [1]〜[8]のいずれかに記載の方法により製造しうる、[9]に記載の細胞集団。
【0025】
[12] 被検物質が、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有するか否かを評価する方法であって、
(a’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で、混合リンパ球培養反応を行い、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を検出する工程、及び
(b’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化が修飾されたか否かを評価する工程、を含む方法。
【0026】
[13] CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(a’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で、混合リンパ球培養反応を行い、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を検出する工程、
(b’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化が修飾されたか否かを評価する工程、及び
(c’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化の修飾をもたらした被検物質を選択する工程、を含む方法。
【0027】
[14] 被検物質が、Th21細胞の活性を修飾する活性を有するか否かを評価する方法であって、
(a’’)[9]〜[11]のいずれかに記載の細胞集団を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で培養し、Th21細胞の活性を検出する工程、及び
(b’’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、Th21細胞の活性が修飾されたか否かを評価する工程、を含む方法。
【0028】
[15] Th21細胞の活性を修飾する活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(a’’)[9]〜[11]のいずれかに記載の細胞集団を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で培養し、Th21細胞の活性を検出する工程、及び
(b’’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、Th21細胞の活性が修飾されたか否かを評価する工程、及び
(c’’)Th21細胞の活性の修飾をもたらした被検物質を選択する工程、を含む方法。
【0029】
[16] Th21細胞の活性が、IL−21遺伝子の発現である、[14]又は[15]に記載の方法。
【0030】
なお、本発明において、「ナイーブCD4陽性T細胞」とは、抗原と一度も遭遇したことがなく、プロフェッショナル抗原提示細胞による抗原提示を受けた際にヘルパーT細胞に分化しうるCD4陽性T細胞を意味する。サイトカイン環境などの相違により、いずれのThサブセットへ分化するかが決定づけられる。
【0031】
また、「Th21細胞」とは、ヘルパーT細胞のうち、IL−21及びIL−6の存在下でナイーブT細胞から分化し、分化後はIL−21及びIFNγを実質的に産生し、IL−17を実質的に産生しない細胞を意味する。
【0032】
また、「メモリーCD4陽性T細胞」とは、抗原との再会によって迅速で大きな免疫反応を誘導できる性質を有するCD4陽性T細胞を意味する。ナイーブCD4陽性T細胞が、CD45RA陽性CD45RO陰性であるのに対し、メモリーCD4陽性T細胞は、CD45RA陰性CD45RO陽性である。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、簡便かつ効率よくTh21細胞クローンを取得する方法が確立され、そしてTh21細胞クローン株が世界で初めて樹立されたことにより、以下のような、種々の研究上の、又は、産業上の応用が可能となる。
【0034】
例えば、Th1細胞においてはCXCR3、Th2細胞においてはCCR4といった特異的マーカーが同定されているが、本発明において、Th21細胞クローンが得られたことにより、Th21細胞特異的マーカーを効率的に同定することが可能となる。このようなマーカーが明らかになれば、それに対する抗体を用いてTh21細胞をソーティングしたり、あるいは、各種疾患におけるTh21細胞の組織分布状態を明らかにしたり、さらには、それら抗体を抗体医薬として開発したりといった応用が可能となる。
【0035】
また、Th21細胞への分化やTh21細胞の活性を修飾する物質の試験管内での評価やスクリーニングが可能となる。これにより、例えば、Th21細胞に直接作用して、その活性を増強したり抑制したりする薬剤の評価やスクリーニングや、さらには、樹状細胞(DC)に作用してDC21というべき状態に樹状細胞を変化させる物質の評価やスクリーニングが可能となる。
【0036】
さらに、Th21細胞と他の細胞集団との相互作用の解析も可能となる。例えば、Th21細胞やDC21細胞が、NK細胞、NKT細胞、肥満細胞、表皮細胞、マクロファージ、線維芽細胞などの細胞と相互作用すると、双方の細胞における活性の変化がもたらされうるが、このような相互作用の解析は、各種疾患の病因解析や治療法の開発に貢献すると考えられる。
【0037】
また、Th21細胞クローンを利用すれば、Th21細胞の分化メカニズムを分子レベルで解析する上でも大きく貢献すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明における、Th21細胞クローン株の樹立の流れの一例を示す図である。
【図2】本発明における、Th21細胞の誘導相を修飾する活性の試験管内スクリーニング方法の一例を示す図である。
【図3】本発明における、Th21細胞の効果相を修飾する活性の試験管内スクリーニング方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<Th21細胞クローンの製造方法>
本発明における、Th21細胞クローンの製造方法は、混合リンパ球培養反応(MLR)を利用することを特徴とするものである。本発明者は、種々の検討を行なった結果、MLRにおいてTh21細胞を分化誘導させることが可能であることを見出すと供に、MLRを利用してTh21細胞クローンの取得を行なうための培養条件を確立することにも成功した。従って、本発明のTh21細胞クローンの製造方法は、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件下で、混合リンパ球培養反応を行い、Th21細胞への分化が認められた培養系から細胞を回収する工程(工程(a))を含むものである。
【0040】
本発明において「混合リンパ球培養反応」とは、CD4陽性T細胞が、同種異系(allogeneic)のHLA-DRと何らか自己抗原を認識して誘導されるCD4陽性T細胞の分裂増殖反応を意味する。混合培養する異なる個体由来の末梢血単核球は、異なるHLA−DRを発現していることが必要であるが、各個体のHLA−DRが具体的にどのタイプであるかは問われず、最終的に取得したいTh21細胞クローンに応じて、適宜選択すればよい。
【0041】
CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件としては、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化の誘導に有効なサイトカインが含まれる培養条件であり、好ましくはIL−21及びIL−6が培養系に含まれる培養条件である。
【0042】
本発明のTh21細胞クローンの製造方法においては、Th21細胞クローンの取得の効率を高めるために、混合リンパ球培養反応開始時の培養系(培養プレート上の一穴あたり)における末梢血単核球数が5×10〜5×104個の条件であることが好ましい。5×10未満では、培養プレート上のウェルにおける陽性率は1%以下となり、Th21細胞クローンの取得には、非効率となってしまう。一方、5×104を超えると、培養プレート上のウェルにおける陽性率が100%となり、各ウェルにおいて増殖した細胞が単一クローンではなくなる確立が高くなり、効率的なTh21細胞クローンの取得という本発明の目的に適合しなくなってしまう。より好ましい条件は、103〜104個の条件であり、3×103〜6×103個の条件が最も好ましい。これら条件は、本発明において、通常、用いられるマイクロカルチャープレートなどの小容量のウェルを用いた場合に特に適した条件であり、96穴プレートなどのそれより容量の大きいウェルを用いた場合には、同じ細胞数では、細胞密度が低下し、これにより細胞の分化や増殖に影響を与えることもあり得る。この場合には、その影響に応じて細胞数を適宜調整すればよく、このような変更もまた本発明の範囲内である。上記の条件は、これまでの他の目的で利用されてきたMLRにおける細胞数と比較すると極低い条件であり、このような条件を新たに確立したこともまた、本発明の重要な鍵となった。
【0043】
なお、培養温度や培養期間は、適宜調節すればよいが、一般的には、培養温度は、37度程度であり、培養期間は、5〜10日である。
【0044】
上記のような条件でMLRを行い、細胞の増殖が認められたウェルから、細胞を回収することにより、Th21細胞クローンを効率的に取得することができる。
【0045】
上記工程(a)により回収された細胞は、その段階では、MLRにおけるいずれの個体由来のCD4陽性T細胞から分化したTh21細胞クローンであるかは不明である。従って、その確認実験を必要に応じて行ってもよい。例えば、工程(a)において用いた異なる個体(以下、便宜のため、異なる個体をそれぞれ「個体A」、「個体B」と称することがある)由来の末梢血単核球に含まれる抗原提示細胞を、それぞれ、工程(a)により回収された細胞と共に培養し、その結果、個体Aの抗原提示細胞が含まれる培養系において細胞の増殖が認められれば、工程(a)で回収された細胞は、個体B由来であることが確認される。一方、個体Bの抗原提示細胞が含まれる培養系において細胞の増殖が認められれば、工程(a)で回収された細胞は個体A由来であることが確認される(図1参照)。
【0046】
−継代培養−
本発明においては、工程(a)により回収された細胞の継代を行なう目的等のために、工程(a)により回収された細胞を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程(工程(b))、をさらに含んでもよい。
【0047】
Th21細胞の増殖が維持される培養条件としては、Th21細胞の増殖を維持するためのサイトカイン及び抗原提示能を有する細胞による刺激が存在する培養条件である。サイトカインは、好ましくはIL−21であり、抗原提示能を有する細胞は、好ましくは、工程(a)においてCD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導した抗原提示細胞である。抗原提示能を有する細胞は、放射線照射された末梢血単核球の形態で培養系に提供することが可能であり、簡便でもある。抗原提示能を有する細胞としては、例えば、マクロファージ、B細胞、あるいは腫瘍化させたB細胞を用いたり、HLA-DRを発現させた繊維芽細胞、白血病細胞、リンパ腫細胞などの形質転換細胞で代用することも可能である。
【0048】
なお、培養温度や培養期間は、適宜調節すればよいが、一般的には、培養温度は、37度程度であり、培養期間は、5〜10日である。
【0049】
−限界希釈−
本発明のTh21細胞クローンの製造方法においては、回収された細胞が単一のTh21細胞クローンである確率をさらに高めるために、工程(a)又は工程(b)により回収された細胞を、限界希釈法により、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程(工程(c))、をさらに含んでもよい。ここで「限界希釈法」とは、細胞を培地中に極うすい密度に希釈し、プレート上の一穴当たり、平均1個以下の増殖細胞が入るように抗原提示細胞とともに播種することでクローン細胞を得る方法であり、この工程(c)を経ることにより、得られたクローンは、ほぼ100%の確率で、Th21細胞のクローンとなる。
【0050】
なお、培養温度や培養期間は、適宜調節すればよいが、一般的には、培養温度は、37度程度であり、培養期間は、5〜10日である。
【0051】
<Th21細胞クローン>
本発明は、世界で初めて、クローン化されたTh21細胞株を樹立したものである。従って、本発明は、実質的に純粋なTh21細胞クローンからなる細胞集団を提供する。ここで「実質的に純粋な」とは、細胞集団が、単一のTh21細胞クローンを少なくとも90%以上含む状態にあることを意味する。本発明の細胞集団は、好ましくは単一のTh21細胞クローンを95%以上含むものであり、さらに好ましくは99%以上(例えば、99.9%以上、99.99%以上、100%)含むものである。ここで細胞集団に含まれる単一のTh21細胞クローン以外の細胞としては、Th21細胞への分化や増殖維持に用いる細胞(放射線照射末梢血単核球を用いた場合には、その中に含まれるTh1細胞、Th2細胞、Th17細胞、B細胞、あるいはマクロファージや樹状細胞)が考えられる。但し、Th21細胞の増殖維持を行なっている期間は、Th21細胞のみが増殖し、放射線照射末梢血単核球は徐々に死んでいく。これにより、単一のTh細胞の存在比率は、次第に、100%に近づいていく。
【0052】
本発明の細胞集団に含まれるTh21細胞クローンは、好ましくはナイーブCD4陽性T細胞由来である。ナイーブCD4陽性T細胞は、本発明の方法において、メモリーCD4T細胞と異なり、人為的にTh21細胞への分化誘導を行なうことが可能であるため、Th21細胞クローンの取得において好適に用いることができる。
【0053】
本発明の細胞集団は、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト、サル、マウス・ラット、イヌ、ブタ、ウシ、ヤギなど)由来であり、ヒトへの応用研究(例えば、ヒトに対する医薬開発)の観点において、最も好ましくはヒト由来である。また、本発明の細胞集団は、上記本発明のTh21細胞クローンの製造方法により製造された細胞集団であってもよく、他の手法により製造されたものであってもよい。例えば、本発明のTh21細胞クローンを用いれば、上記の通り、その特異的マーカー蛋白質(例えば、細胞表面マーカー蛋白質)を同定することが可能となるが、このようなマーカーを利用して分離されたTh21細胞クローンもまた、本発明に含まれる。
【0054】
<Th21細胞の誘導相及び効果相を利用したアッセイ>
−誘導相を利用したアッセイ(図2参照)−
本発明においては、混合リンパ球培養反応を利用して、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化を誘導し、効率的にTh21細胞クローンを作製することが可能となる。このTh21細胞の誘導相に被検物質を添加して、Th21細胞の分化への影響を調べることにより、被検物質がTh21細胞への分化を修飾するか否かを評価することが可能である。従って、本発明は、このような、被検物質が、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有するか否かを評価する方法を提供する。本発明の評価方法は、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で、混合リンパ球培養反応を行い、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化を検出する工程(工程(a’))、及び、被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化が修飾されたか否かを評価する工程(工程(b’))を含む。
【0055】
また、種々の被検査物質を用いて、これら物質がTh21細胞への分化を修飾するか否かを評価し、評価した物質の中から、Th21細胞への分化を修飾する活性を有するものを選択することにより、Th21細胞への分化を修飾する活性を有する物質のスクリーニングを行うことが可能である。従って、本発明は、このようなナイーブT細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有する物質のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は、上記評価方法により被検物質が、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有するか否かを評価し(工程(a’)と(b’))、さらに、ナイーブT細胞からTh21細胞への分化の修飾をもたらした被検物質を選択する工程(工程(c’))を含む。
【0056】
−効果相を利用したアッセイ(図3参照)−
本発明によりTh21細胞クローンを作製することが可能となることから、Th21細胞クローンを利用して、適確に、Th21細胞の活性を修飾する活性を評価することが可能となる。従って、本発明は、このような、被検物質が、Th21細胞の活性を修飾する活性を有するか否かを評価する方法を提供する。本発明の評価方法は、本発明の実質的に純粋なTh21細胞クローンからなる細胞集団を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で培養し、Th21細胞の活性を検出する工程(工程(a’’))、及び被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、Th21細胞の活性が修飾されたか否かを評価する工程(工程(b’’))を含む。
【0057】
また、種々の被検査物質を用いて、これら物質がTh21細胞の活性を修飾するか否かを評価し、評価した物質の中から、Th21細胞の活性を修飾する活性を有するものを選択することにより、Th21細胞の活性を修飾する活性を有する物質のスクリーニングを行うことが可能である。従って、本発明は、このようなTh21細胞の活性を修飾する活性を有する物質をスクリーニングする方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は、上記評価方法により被検物質が、Th21細胞の活性を修飾する活性を有するか否かを評価し(工程(a’’)と(b’’))、さらに、Th21細胞の活性の修飾をもたらした被検物質を選択する工程(工程(c’’))を含む。
【0058】
上記誘導相及び効果相を利用した方法に用いる「被検物質」としては、特に制限はなく、上記評価やスクリーニングに用いたい所望の物質を本発明において用いることができる。例示すれば、精製若しくは粗精製タンパク質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成低分子化合物、天然化合物、細胞抽出物、細胞培養上清、微生物、粒子、微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0059】
上記誘導相を利用した方法における「Th21細胞への分化の修飾」としては、Th21細胞への分化の阻害及び促進の他、該分化の質的な変化が含まれる。質的な変化としては、例えば、Th21細胞以外の細胞への変化を例示することができる。
【0060】
上記効果相を利用した方法における「Th21細胞の活性」としては、検出可能な活性であれば特に制限はないが、例えば、IL−21遺伝子やIFNγ遺伝子の発現(転写レベル及び翻訳レベル)を挙げることができる。これら発現は、転写レベルであれば、例えば、RT−PCRにより検出することができ、翻訳レベルであれば、例えば、ELISAやFACSや電気泳動により検出することができる。また、さらなる「Th21細胞の活性」としては、他の細胞(例えば、NK細胞、NKT細胞、肥満細胞、表皮細胞、マクロファージ、線維芽細胞など)との相互作用や、この相互作用による他の細胞の変化(例えば、細胞死、増殖、蛋白発現の変化、寿命の延長など)を挙げることもできる。「Th21細胞の活性の修飾」には、これらTh21細胞の活性の阻害及び促進の他、該活性の質的な変化が含まれる。Th21細胞の活性の質的な変化としては、例えば、上記一般的な活性に加えて、新たな活性(例えば、キラー活性や、B細胞に作用して免疫グロブリンのクラススイッチを誘導する活性)を獲得することや、ヘルパー活性が変化することが挙げられる。
【0061】
−医療への応用−
上記方法において同定された、Th21細胞への分化やTh21細胞の活性を阻害する物質は、Th21の過剰反応に起因する疾患や、Th21と相互増強的に作用するThサブセットの過剰反応に起因する疾患の予防や治療への応用が考えられる。ここで、Th21過剰反応とは、ヘルパーT細胞におけるサブセットのバランスが、異常にTh21に偏向した状態のことをいう。その結果として、例えば、IL−21の産生が過剰な状態になりうる。これら過剰反応に起因する疾患としては、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、ミエローマ(多発性骨髄腫)、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫などが考えられる(非特許文献13)。一方、上記方法において同定された、Th21細胞への分化やTh21細胞の活性を促進する物質は、アレルギー、慢性リンパ球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫などの予防や治療に用いることが考えられる(非特許文献13)。Th21細胞自体も、これら疾患の予防や治療に用いることが考えられる。また、上記方法において同定されたTh21細胞への分化やTh21細胞の活性を質的に変化させる物質は、その変化の種類に応じて、その変化により予防や治療の効果が期待できる疾患への応用が可能である。
【実施例】
【0062】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0063】
[実施例1] MLRを誘導する細胞密度の調整
MLRにおいて、複数のクローンが同じ培養環境に存在すると、それらから産生されるサイトカインがTh21の分化を阻害する可能性があるのではないかと本発明者は考えた。そこで、マイクロカルチャープレート(NUNC社163118)を用いて、MLRを誘導する細胞密度を調整した。種々の細胞密度で検討を行った結果、3×10個のHLA-DRの異なるアロのPBMC(個体A:HLA-DRB1*0405/0405、個体B:HLA-DRB1*1502/1405)を、10% ヒト血清/RPMI1640(SIGMA社)を用いて混合培養したとき、T細胞の増殖を認めるウェル(陽性率)は10%程度となることが明らかとなった(5×10未満では、陽性率は1%以下となり、Th21細胞クローンの取得には、非効率であり、一方、5×104を超えると陽性率が100%となり初期から準クローン性増殖を行うという目的に適合しなかった)。本発明者は、ウェル当たり5×10以上で5×104以下の条件(例えば、3×103個の条件)が、PBMCに含まれるCD4陽性T細胞のクローン性増殖に適しているとして、以下に3×103個の条件でMLRを行った。なお、ヒト血清はウシ胎児血清(FCS)に置き換えることも可能である。また、血清を含まない培養液を用いることも可能である。
【0064】
[実施例2] MLRを利用したヒトTh21細胞クローン株の樹立
(1)実施例1で見出された条件下で、培養液中にIL-21(VioVision.,20 ng/ml), IL−6(PEPROTECH, INC.,20 ng/ml)を添加し、MLRにより7日間培養した。
【0065】
(2) 7日目に個体Aと個体BのPBMCを45Gy放射線照射してIL-21(VioVision.,20 ng/ml)を添加し、ここに(1)で増殖を認めた細胞を2分割して加えた。この培養に用いた培養プレートは96穴平底プレートであり、細胞密度は1.5×10/ウェルであった(細胞密度は0.5〜3.0×10/ウェルであればよい)。また、照射する放射線は20−100Gyであればよい。
【0066】
(3) 13日目に培養上清の一部を回収し、IL−21濃度をELISA(R&D systems)で測定した。
【0067】
(4) 14日目にIL−21産生性のウェルから細胞を回収し、増殖を認めた抗原提示細胞を用いて限界希釈法(非特許文献14)によるクローニングを行った。
【0068】
(5) このようにして得たヒトT細胞クローンのサイトカイン産生性(抗原提示細胞添加後6日目の培養上清を用いてELISAにて測定)を表1に示した。
【0069】
【表1】

【0070】
M36.1及びM54.1は、IL−21及びIFNγを産生するが、IL−17を産生しない細胞であった。IL−5は産生する場合でも極微量であった。これは1週間ごとに抗原提示細胞(放射線照射したPBMC)、IL−21を添加することにより継代維持可能であり、細胞株が樹立された。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、Th1、Th2、Th17以外の新たなThサブセットについての細胞株を提供することが可能となる。さらに、本発明によれば、樹立したTh細胞株を用いて、その誘導相と効果相を修飾する活性の評価やスクリーニングの方法を提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Th21細胞クローンの製造方法であって、
(a)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件下で、混合リンパ球培養反応を行い、Th21細胞への分化が認められた培養系から細胞を回収する工程、
を含む方法。
【請求項2】
CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件が、IL−21及びIL−6が培養系に含まれる培養条件である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
混合リンパ球培養反応開始時の培養系におけるプレート1穴あたりの末梢血単核球数が5×10〜5×104個である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
(b)工程(a)により回収された細胞を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程、をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
(c)工程(a)又は工程(b)により回収された細胞を、限界希釈法により、Th21細胞の増殖が維持される培養条件下で培養し、細胞の増殖が認められた培養系から細胞を回収する工程、をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
Th21細胞の増殖が維持される培養条件が、IL−21及び抗原提示能を有する細胞が培養系に含まれている培養条件である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
抗原提示能を有する細胞が、工程(a)においてCD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導した抗原提示細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
抗原提示能を有する細胞が、放射線照射された末梢血単核球の形態で培養系に提供されている、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
実質的に純粋なTh21細胞クローンからなる細胞集団。
【請求項10】
Th21細胞クローンが、ナイーブCD4陽性T細胞由来である、請求項9に記載の細胞集団。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法により製造しうる、請求項9に記載の細胞集団。
【請求項12】
被検物質が、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有するか否かを評価する方法であって、
(a’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で、混合リンパ球培養反応を行い、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を検出する工程、及び
(b’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化が修飾されたか否かを評価する工程、を含む方法。
【請求項13】
CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を修飾する活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(a’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を誘導する培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で、混合リンパ球培養反応を行い、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化を検出する工程、
(b’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化が修飾されたか否かを評価する工程、及び
(c’)CD4陽性T細胞からTh21細胞への分化の修飾をもたらした被検物質を選択する工程、を含む方法。
【請求項14】
被検物質が、Th21細胞の活性を修飾する活性を有するか否かを評価する方法であって、
(a’’)請求項9〜11のいずれかに記載の細胞集団を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で培養し、Th21細胞の活性を検出する工程、及び
(b’’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、Th21細胞の活性が修飾されたか否かを評価する工程、を含む方法。
【請求項15】
Th21細胞の活性を修飾する活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(a’’)請求項9〜11のいずれかに記載の細胞集団を、Th21細胞の増殖が維持される培養条件に、被検物質の存在という条件が加えられた培養条件の下で培養し、Th21細胞の活性を検出する工程、及び
(b’’)被検物質が存在しない場合(対照)と比較して、Th21細胞の活性が修飾されたか否かを評価する工程、及び
(c’’)Th21細胞の活性の修飾をもたらした被検物質を選択する工程、を含む方法。
【請求項16】
Th21細胞の活性が、IL−21遺伝子の発現である、請求項14又は15に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−233498(P2010−233498A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85128(P2009−85128)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(506265750)有限会社イムノ (5)
【出願人】(504013775)学校法人 埼玉医科大学 (39)
【Fターム(参考)】