説明

TiO2−多層カーボンナノチューブ(MWCNT)ナノコンポジットを使用した高効率色素増感太陽電池

本発明は、TiO−カーボンナノチューブ(MWCNT)ナノコンポジットを使用した高効率色素増感太陽電池を提供する。特には、本発明は、より高効率の色素増感太陽電池をもたらす、水熱ルートで調製されるTiO−MWCNTナノコンポジットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TiO2−カーボンナノチューブ(multiwalled carbon nanotube:MWCNT)ナノコンポジットを使用した高効率色素増感太陽電池に関する。
【0002】
特には、本発明は、より高効率の色素増感太陽電池をもたらす、水熱ルートで調製されるTiO2−MWCNTナノコンポジットに関する。
【背景技術】
【0003】
色素増感又はハイブリッド太陽電池における太陽電池性能は、光発生電荷の電極への移動の効率が低いことによって悪影響を受ける。CNTは、このような光発生電子のための直接的且つ効率的な経路を提供し得ることから、金属酸化物とのCNTのコンポジットが提案されている。TiO2−MWCNTナノコンポジットを合成するためのゾル−ゲル及び電気泳動法が試みられてきたが、これらのケースにおけるTiO2ナノ粒子とCNTとの間での物理的及び電子付着は十分に強靭ではないようであり、このため光発生電荷の再結合が強力に阻害され得る。
【0004】
2008年2月21日付のJournal of Material Science (2008)43(2348−2355,DOI 10.1007/s10853−007−1989−8)に掲載されたK. Byrappa及びA.S. Dayanandaらによる論文「Hydrothermal preparation of ZnO:CNT and TiO2:CNT composites and their photocatalytic applications」には、ZnO:CNT及びTiO2:CNTコンポジット(多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を有する)が開示されており、これらは穏和な水熱条件(150〜240℃)、自己圧力(autogenous pressure)下で製造された。太陽光及び紫外線に対するこれらのコンポジットの光触媒利用が、インジゴカルミン色素を使用して調査された。
【0005】
2007年9月10日に掲載された(Trans. Nonferrous Met. Soc. China 17(2007), s1117−1121)、ZHU Zhi-pingらによる論文「Preparation and characterization of new photocatalyst combined MWCNTs with TiO2 nanotubes」には、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)とTiO2由来ナノチューブとを組み合わせて調製された新しいタイプの光触媒MWCNT/TiO2−NTナノコンポジットが、変形水熱法によって合成されたことが開示されている。
【0006】
Materials Research SocietyにおいてSorapong Pavasupreeらによって発表された別の論文「Hydrothermal Synthesis of Nanorods/Nanoparticles TiO2 for Photocatalytic Activity and Dyesensitized Solar Cell Applications」には、150℃での20時間にわたる水熱法で合成された、メソ多孔質構造のナノロッド/ナノ粒子TiO2が開示されている。メソ多孔質構造のナノロッド/ナノ粒子TiO2を使用した電池の太陽エネルギー変換効率は約7.12%であった。
【0007】
Lee T.Yらは、Thin Solid Films(2007)(Vol.515)の5131頁において、ゾル−ゲル法による0.1質量%のMWCNT、厚さ10〜15ミクロンのTiO2被覆多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を使用した、効率4.97%の色素増感太陽電池の製造を開示している。
【0008】
このため、金属酸化物−CNTコンポジットの組成物及びより高い太陽電池効率につながる効果的な電荷移動プロセスが得られるような、このコンポジットの合成プロセスを提供することが当該分野において必要とされている。驚くべきことに、TiO2−CNTナノコンポジットを合成するための水熱ルートによって、太陽電池の性能が5%を超えて改善されることが本発明者によって発見され、このような改善は、当該分野において報告されていない。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明は、二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットの調製のための水熱プロセスを提供し、このプロセスは、
(i)水中でチタン化合物前駆体を加水分解し、
(ii)工程(a)の加水分解された前駆体をMWCNTと共に音波破砕し(sonicate)、
(iii)工程(b)の生成物を、H2SO4と共にオートクレーブ容器に移動し、150〜200℃で12〜24時間にわたって維持し、
(iv)工程(c)の生成物を水で洗浄し、
(v)工程(d)の生成物を、防塵環境において約50〜60℃で乾燥させることによってTiO2−CNTナノコンポジットを得る
工程を含む。
【0010】
一実施形態において、本発明は、室温、好ましくは20〜30℃で加水分解可能なチタン前駆体/化合物、好ましくはチタニウムイソプロポキシド又は塩化チタンを提供する。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、ナノコンポジットにおけるTiO2に対して使用されるCNTの質量%が0.01〜0.5質量%の範囲である、水熱プロセスによって調製される二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットを提供する。
【0012】
更に別の実施形態において、本発明は、水熱プロセスによって調製される二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットを提供し、このナノコンポジットフィルムの厚さは1〜15ミクロンである。
【0013】
更に別の実施形態において、本発明は、二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットを使用して太陽電池を調製するプロセスを提供し、このプロセスは、
(I)請求項1の工程(v)で得られたTiO2−CNTナノコンポジットの200マイクロリットルの液滴をフッ素ドープ酸化スズ導電性加水分解ガラス基板上に置き、
(II)フィルムの厚さを厚さ0.5ミクロンのスコッチテープで調節し、フィルムをドクターブレーディング(doctor-blading)プロセスで形成し、
(III)工程(h)で得られたフィルムを450℃の温度で1時間にわたって熱処理し、
(IV)工程(i)で得られたTiO2−CNTナノコンポジットフィルムを標準ルテニウム系N3色素(N3-dye)で増感することによって色素増感TiO2−CNTナノコンポジットフィルムを得て、
(V)工程(j)で得られた色素増感TiO2−CNTナノコンポジットフィルムを使用して電極を調製し、
(VI)工程(k)で得られた電極、対電極及び液体電解質を使用して色素増感TiO2−CNTナノコンポジット太陽電池を調製する
工程を含む。
【0014】
本発明の更に別の実施形態において、使用される対電極は、プラチナ被覆FTO(Pt−FTO)基板である。
【0015】
本発明の更に別の実施形態において、液体電解質は、アセトニトリル中の0.1Mのヨウ化リチウム、0.05Mのヨウ素から成る。
【0016】
本発明の更に別の実施形態において、太陽電池の改善された効率は、5〜15%である。
【0017】
本発明の更に別の実施形態において、太陽電池の効率は5%より高い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】水熱プロセスで調製された本発明の二酸化チタン−MWCNTナノコンポジットの透過型電子顕微鏡法(TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM、Hitachi S−4200)の画像である。図1aは、MWCNTを組み込んでいない、水熱プロセスによって合成されたTiO2ナノ粒子の透過型電子顕微鏡法(TEM)による画像である。平均粒径は約8〜10nmであり、粒子にはファセットが形成されており、水熱プロセスにおける良好な結晶性が示唆されている。図1bは、実験において使用されたMWCNTのTEM画像であり、その寸法(直径:約20〜40nm、長さ:約5〜15μm)が示されている。MWCNTとTiO2との一体化が、図1cの電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)データから見て取れる。極めて優れたTiO2NPカバレージの均一な成長がはっきりと見て取れる。
【図2】水熱プロセスによって調製された本発明の二酸化チタン−MWCNTナノコンポジットのFT−IRスペクトルである。図2aは、(a)そのままのMWCNT、(b)TiO2ナノ粒子、(c)水熱処理済みのMWCNT及び(d)TiO2−MWCNTナノコンポジットのFTIRデータである。Ti−O間の結合が、500cm-1付近の領域にはっきりと表されている。この領域の黒及び赤の矢印から、シグネチャの平均位置が、TiO2のケースにおける約520cm-1からTiO2−MWCNTコンポジットの約612cm-1へとシフトすることは興味深い。これは2つのケースにおける異なるサイズ分布及び恐らくは歪みのレベルに起因し得る。MWCNTだけを伴う水熱処理済みのサンプルのケース(すなわち、MWCNT及びTiO2−MWCNT)において、1143cm-1及び1735cm-1付近を中心としたはっきりとしたシグネチャに気づく。1143cm-1付近のシグネチャは指紋領域にあるため、特異的に割り当てることが困難である。しかしながら、1735cm-1付近(円で囲んだ領域を参照のこと)でのシグネチャの出現は、3400cm-1付近の領域における寄与分(OHストレッチ。これもまたその他の寄与分とオーバーラップする)と共に、MWCNTを伴う水熱処理されたケースだけにおける−COOH基の存在を示す。図2bから、TiO2−MWCNTナノコンポジットにおいて、同じシグネチャが1745cm-1に若干シフトしたようであることがわかり、これはTiO2の変性MWCNT表面上での共役の作用を示す。1380cm-1付近の鋭いものを含めたその他の特徴的なバンドは、水熱プロセスで使用される様々なミネラライザ残留物によって生じる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
したがって、本発明は、水熱プロセスによって調製される二酸化チタン及びカーボンナノチューブ(CNT)のナノコンポジットを含む組成物を提供する。本発明のTiO2−CNTナノコンポジットは、水熱ルートで調製される。水熱ルートで調製される本発明のTiO2−CNTナノコンポジットは、5%より高いところまで太陽電池の効率を改善するために使用される。
【0020】
本発明の組成物を調製するための水熱プロセスは、Ti化合物/前駆体を含む。このTi化合物/前駆体は好ましくは、室温、特には20〜30℃で加水分解可能なチタニウムイソプロポキシド又は塩化チタン等である。本発明のCNTは好ましくは多層である。
【0021】
本発明のTiO2−CNTナノコンポジットは、
(a)水中でチタン化合物/前駆体を加水分解し、
(b)工程(a)の前駆体をCNTと共に音波破砕し、
(c)工程(b)の生成物を、H2SO4と共にオートクレーブ容器に移動し、150〜200℃で12〜24時間にわたって維持し、
(d)工程(c)の生成物を水で洗浄し、
(e)工程(d)の生成物を、防塵環境において約50〜60℃で乾燥させる
ことを含む水熱プロセスによって調製される。
【0022】
TiO2に対するCNTの質量%は、0.01〜0.5質量%の範囲である。硫酸は、2〜5mlの範囲で添加される。オートクレーブ容器は好ましくはテフロン(登録商標)被覆されており、プロセスは、150〜200℃で12〜24時間にわたって行われる。このようにして得られた生成物を、50〜60℃で乾燥させる。
【0023】
本発明のCNTは任意で、酸処理、塩基処理、有機、有機金属付着等から選択される化学的プロセス及び機械、熱、プラズマ、照射処理等から選択される物理的処理によって変性される。
【0024】
本発明のTiO2−CNTナノコンポジットは、透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)及びFT−IR分光法によって特徴付けられる。FTIRのデータは、水熱処理条件下で−COOH基がMWCNTの表面上で開き、これらがTi前駆体と共役してコンポジットが得られることを示唆している。この一体共役(integral conjugation)は、電荷移動プロセスにおいて効果的である。TiO2からMWCNTへのこの効率的な電荷移動及び後者による効率的な電子伝達によって、太陽電池の効率が5%を超えて改善され、これによって太陽電池の性能を改善する本発明の目的が達成される。
【0025】
水熱プロセスで調製される本発明のナノコンポジットによって、太陽電池の効率は、本明細書で例示されるように5%より高いところまで改善される。ゾル−ゲル法で調製されたTiO2−CNTナノコンポジットで最大太陽電池効率4.97%が得られたLeeら及びメソ多孔質構造のTiO2のナノロッド及びナノ粒子で7.12%の効率が得られたPavasupreeらと比較して、本発明の水熱プロセスで調製されるTiO2−CNTナノコンポジットでは、5〜15%の範囲の改善された太陽電池効率が得られた。本明細書で例示される太陽電池における本発明のナノコンポジットの厚さは1〜20ミクロンの範囲であり、5〜15%の範囲の効率を示す。
【実施例】
【0026】
本発明を以下の実施例によってより具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲は、以下のこれらの実施例の範囲に限定されない。
【0027】
実施例1:TiO2−MWCNTナノコンポジットの調製
TiO2−MWCNTナノコンポジットは、水熱法を使用して調製された。チタニウムイソプロポキシド(2ml)は、十分な量の脱イオン水の添加によって加水分解され、次に5ミリグラムのMWCNTが上記の溶液に添加され、続いて音波破砕が5分間にわたって行われた。次にこの溶液をテフロン(登録商標)で被覆したオートクレーブ容器に3mlのH2SO4(1M)と共に移動させた。このオートクレーブ容器は、175℃で24時間にわたって維持された。得られた生成物を脱イオン水でしっかりと洗浄し、防塵環境内で50℃で乾燥させると、TiO2−MWCNTナノコンポジットの灰色がかった粉末が生成された。
【0028】
実施例2:TiO2−CNTナノコンポジット色素増感太陽電池の調製
TiO2−CNTナノコンポジット色素増感太陽電池を製造するために、まず導電性ガラス基板を沸騰した蒸留水中で30分間にわたって加水分解し、空気乾燥させた。各基板の平行する辺を厚さ0.5ミクロンのスコッチテープで覆うことによって、フィルムの厚さを調節した。次に、得られたTiO2−CNTナノコンポジットの数滴が、フッ素ドープ酸化スズ基板(FTO)上に置かれ、フィルムは、ドクターブレーディングプロセスによって形成された。次に、フィルムをすぐに450℃の温度で1時間にわたって熱処理した。太陽電池試験前に、TiO2−CNTナノコンポジットフィルムを、標準ルテニウム系N3色素で増感した。フィルムを、N3色素(エタノール中、濃度0.3mM)に24時間にわたって浸漬させた。次にサンプルをエタノールですすぐことによって表面上の余分な色素を除去し、室温で空気乾燥させた。TiO2−CNTナノコンポジットフィルム電極の各辺にスペーサを置き、プラチナ被覆FTO(Pt−FTO)基板から成る対電極をその上に、各FTO基板のPt被覆側をTiO2−CNTナノコンポジットフィルム電極に向けて置いた。次に、2つの電極を2つの金属クリップで一緒に挟んだ。
【0029】
アセトニトリル中の0.1Mのヨウ化リチウム、0.05Mのヨウ素から成るヨウ化物系溶液を液体電解質として使用した。分析前、液体電解質の液滴を、金属クリップで挟まれた2つの電極の1辺に導入すると、液体電解質はこの2つの電極の間に広がった。光源を各太陽電池デバイスに隣接させて置くと、光がFTOバック接点を通ってTiO2−CNTナノコンポジットフィルム電極へと約100mW/cm2の一定光源強度で透過した。得られる暗闇における入射光強度の関数としての太陽電池の電流−電圧曲線を使用して、開路電圧(Voc)及び短絡電流密度(Jsc)を導き出した。0.28cm2のスポットサイズを全ての測定において使用し、各太陽電池サンプルの作用面積とした。入射光強度の関数としてのI−V特性を使用して、開路電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)を得た。次に、I−V曲線から得られた値を使用して、各太陽電池のフィルファクタ(FF)、総電力変換効率(η)の値を導き出した。
【0030】
実施例3
実施例2に記載されるようにナノコンポジット(厚さ約2μm、0.12質量%の多層カーボンナノチューブ)を使用して製造した太陽電池は5.6%の効率を示した。
【0031】
実施例4
実施例2に記載されるようにナノコンポジット(厚さ約2μm、0.25質量%の多層カーボンナノチューブ)を使用して製造した太陽電池は5.16%の効率を示した。
【0032】
実施例5
実施例2に記載されるようにナノコンポジット(厚さ約10〜12μm、0.12質量%の多層カーボンナノチューブ)を使用して製造した太陽電池は7.60%の効率を示した。
【0033】
実施例6
実施例2に記載されるようにナノコンポジット(厚さ約10〜12μm、0.25質量%の多層カーボンナノチューブ)を使用して製造した太陽電池は7.37%の効率を示した。
【0034】
本発明の主な利点は、太陽電池における水熱合成TiO2−CNTナノコンポジットの使用である。本発明の別の利点は、酸化物層の厚さ及びCNT含有量との、最高7.6%に及ぶ最大変換効率を達成するためのその最適化との相関関係である。
【図1a】

【図1b】

【図1c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットの調製のための水熱方法であって、以下の工程、
vi. 水中でチタン化合物前駆体を加水分解する工程、
vii. 工程(a)の加水分解された前駆体をMWCNTと共に音波破砕する工程、
viii.工程(b)の生成物を、H2SO4と共にオートクレーブ容器に移動し、150〜200℃で12〜24時間にわたって維持する工程、
ix. 工程(c)の生成物を水で洗浄する工程、そして
x. 工程(d)の生成物を、防塵環境において約50〜60℃で乾燥させることによってTiO2−CNTナノコンポジットを得る工程、
を含むことを特徴とする水熱方法。
【請求項2】
前記チタン前駆体/化合物が、室温、好ましくは20〜30℃で加水分解可能であり、好ましくはチタニウムイソプロポキシド又は塩化チタンである、請求項1に記載の水熱方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法によって調製される二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットであって、TiO2に対して使用されるCNTの質量%が0.01〜0.5質量%の範囲であることを特徴とするナノコンポジット。
【請求項4】
請求項1に記載の方法によって調製される二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットであって、ナノコンポジットフィルムの厚さが1〜15ミクロンであることを特徴とするナノコンポジット。
【請求項5】
請求項1〜4にいずれかに記載の二酸化チタン−多層カーボンナノチューブ(TiO2−MWCNT)ナノコンポジットを使用して太陽電池を調製する方法であって、以下の工程、
I. 請求項1の工程(v)で得られたTiO2−CNTナノコンポジットの200マイクロリットルの液滴をフッ素ドープ酸化スズ導電性加水分解ガラス基板上に置く工程、
II.フィルムの厚さを厚さ0.5ミクロンのスコッチテープで調節し、フィルムをドクターブレーディング方法で形成する工程、
III. 工程(h)で得られたフィルムを450℃の温度で1時間にわたって熱処理する工程、
IV. 工程(i)で得られたTiO2−CNTナノコンポジットフィルムを標準ルテニウム系N3色素で増感することによって色素増感TiO2−CNTナノコンポジットフィルムを得る工程、
V. 工程(j)で得られた色素増感TiO2−CNTナノコンポジットフィルムを使用して電極を調製する工程、
VI. 工程(k)で得られた電極、対電極及び液体電解質を使用して色素増感TiO2−CNTナノコンポジット太陽電池を調製する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
使用される前記対電極が、プラチナ被覆FTO(Pt−FTO)基板である、請求項5の工程VIIに記載の方法。
【請求項7】
前記液体電解質が、アセトニトリル中の0.1Mのヨウ化リチウム、0.05Mのヨウ素から成る、請求項5に記載の水熱方法。
【請求項8】
太陽電池の改善された効率が、5〜15%である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
太陽電池の効率を5%より高いところまで改善するための、先行の請求項のいずれかに記載の方法の使用。

【図2】
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【公表番号】特表2012−515132(P2012−515132A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544971(P2011−544971)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000023
【国際公開番号】WO2010/079516
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(508176500)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (27)
【Fターム(参考)】