説明

USBデバイス

【課題】情報処理装置におけるウェブページのアクセスを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】本USBデバイスは、情報処理装置に装着されることにより自身をキーボードとして認識させ(S101)、情報処理装置のウェブブラウザを起動して接続先ウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する(S104,S105)。特に、本USBデバイスは、リモコンや携帯電話機からの赤外線信号を検出可能な構成となっており、赤外線信号の表す情報に基づき、接続先ウェブページへのアクセスや(S108:アクセス)、アドレス等の書換などを行うことができる(S108:書換,S109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なUSB(Universal Serial Bus)デバイスが知られている。
また、インターネットを介した通信が可能なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置が周知であり、情報処理装置にインストールされているウェブブラウザを用いて所望のウェブページへアクセスすることが可能となっている。
【0003】
なお、上述した内容は公知・公用の技術であり、出願人は特に先行技術調査を行っていないため、先行技術文献の開示については行わない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報処理装置においては、ウェブブラウザに所望のウェブページのアドレス(URL)が登録されていない場合、利用者がアドレスを打ち込む(入力する)必要があり、また、ウェブブラウザに所望のウェブページのアドレスが登録されている場合であっても、アドレスの登録数が多くなるほど所望のアドレスを見つけ出しにくくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、情報処理装置におけるウェブページのアクセスを容易に行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載のUSBデバイスは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なものである。そして、本USBデバイスは、本USBデバイスを情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、情報処理装置のウェブブラウザを起動してアドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、アドレス記憶手段に記憶されているアドレスを変更するアドレス変更手段とを備えている。なお、赤外線信号の表す情報に基づきアドレス記憶手段に記憶されているアドレスを変更する具体例としては、例えば、赤外線信号があるウェブページのアドレスを表している場合に、アドレス記憶手段に記憶されているアドレスを赤外線信号の表すアドレスに書き換えることや、赤外線信号があるウェブページアドレスを識別可能な情報(番号等)を表している場合に、あらかじめ記憶されている複数のアドレスの中から赤外線信号の表すアドレスを選択してアドレス記憶手段に書き込む(書き換える)ことなどが考えられる。
【0007】
このような構成のUSBデバイスを用いれば、情報処理装置において、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスする場合と同様の結果を得ることができる。したがって、所定のウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイスは、本USBデバイスを汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、赤外線信号によりアクセスするウェブページのアドレスを変更可能な構成のため、電化製品の遠隔操作に用いるリモコンや、赤外線通信機能付携帯電話機等を利用してウェブページのアドレスを変更するといったことが可能となる。
【0008】
次に、請求項2に記載のUSBデバイスも、請求項1に記載のUSBデバイスと同様、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なものである。そして、本USBデバイスは、本USBデバイスを情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、認証用情報を記憶する認証情報記憶手段と、情報処理装置のウェブブラウザを起動して認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いてアドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を変更する認証情報変更手段とを備えている。なお、赤外線信号の表す情報に基づき認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を変更する具体例としては、例えば、赤外線信号がある認証用情報を表している場合に、認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を赤外線信号の表す認証用情報に書き換えることや、赤外線信号がある認証用情報を識別可能な情報(番号等)を表している場合に、あらかじめ記憶されている複数の認証用情報の中から赤外線信号の表す認証用情報を選択して認証情報記憶手段に書き込む(書き換える)ことなどが考えられる。
【0009】
ここで、認証用情報を用いたウェブページへのアクセスとしては、例えば、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)をウェブページのアドレスの末尾に付加した上でウェブページへのアクセス(ウェブページデータの取得要求)をウェブブラウザに行わせることや、ウェブページデータの取得要求後にウェブサーバから認証要求が行われたタイミングで認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)の送信をウェブブラウザに行わせることなどが考えられる。具体的には、こうしたタイミングにおいて、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)を入力するためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する。
【0010】
このような構成のUSBデバイスを用いれば、情報処理装置において、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスする場合と同様の結果を得ることができる。したがって、所定のウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイスは、本USBデバイスを汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、認証用情報を用いて認証を行うことで、本USBデバイスを装着している情報処理装置でのみウェブページへのアクセスを可能とするといった制限をかけることができ、しかも、認証のためのIDやパスワード等の入力操作を不要とすることができる。また、赤外線信号により認証用情報を変更可能な構成のため、電化製品の遠隔操作に用いるリモコンや、赤外線通信機能付携帯電話機等を利用して認証用情報を変更するといったことが可能となる。
【0011】
次に、請求項3に記載のUSBデバイスも、請求項1に記載のUSBデバイスと同様、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なものである。そして、本USBデバイスは、本USBデバイスを情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、情報処理装置のウェブブラウザを起動してアドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、所定のキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する情報送信手段とを備えている。なお、赤外線信号の表す情報に基づき所定のキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を送信する具体例としては、例えば、赤外線信号がリモコンや携帯電話機等におけるキー操作の情報を表している場合に、そのキー操作がキーボードで行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を送信することや、赤外線信号があるキーボード操作を識別可能な情報(番号等)を表している場合に、あらかじめ記憶されている複数のキーボード操作の中から赤外線信号の表すキーボード操作を選択して、そのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を送信することなどが考えられる。
【0012】
このような構成のUSBデバイスを用いれば、情報処理装置において、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスする場合と同様の結果を得ることができる。したがって、所定のウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイスは、本USBデバイスを汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、赤外線信号の表す情報をキーボード操作の情報として情報処理装置へ送信することが可能な構成のため、電化製品の遠隔操作に用いるリモコンや、赤外線通信機能付携帯電話機等を用いてキーボード操作を行うといったことが可能となる。
【0013】
次に、請求項4に記載のUSBデバイスも、請求項1に記載のUSBデバイスと同様、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なものである。そして、本USBデバイスは、本USBデバイスを情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、情報処理装置のウェブブラウザを起動してアドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、赤外線信号を検出する赤外線検出手段とを備えている。そして、本USBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、赤外線検出手段により所定の赤外線信号が検出されたことを信号送信処理の実行条件としている。
【0014】
このような構成のUSBデバイスを用いれば、情報処理装置において、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスする場合と同様の結果を得ることができる。したがって、所定のウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイスは、本USBデバイスを汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、赤外線信号の表す情報をキーボード操作の情報として情報処理装置へ送信することが可能な構成のため、電化製品の遠隔操作に用いるリモコンや、赤外線通信機能付携帯電話機等を用いて、ウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスすることが可能となる。
【0015】
一方、請求項5に記載のUSBデバイスは、上記請求項1、3又は4に記載のUSBデバイスにおいて、認証用情報を記憶する認証情報記憶手段を備えている。そして、本USBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いてウェブページへのアクセスをウェブブラウザに行わせる。ここで、認証用情報を用いたウェブページへのアクセスとしては、例えば、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)をウェブページのアドレスの末尾に付加した上でウェブページへのアクセス(ウェブページデータの取得要求)をウェブブラウザに行わせることや、ウェブページデータの取得要求後にウェブサーバから認証要求が行われたタイミングで認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)の送信をウェブブラウザに行わせることなどが考えられる。具体的には、こうしたタイミングにおいて、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)を入力するためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する。このような構成のUSBデバイスを用いれば、認証用情報を用いて認証を行うことで、本USBデバイスを装着している情報処理装置でのみウェブページへのアクセスを可能とするといった制限をかけることができ、しかも、認証のためのIDやパスワード等の入力操作を不要とすることができる。
【0016】
ところで、所定のウェブページへアクセスするタイミングとしては、例えば、USBデバイスが情報処理装置に装着されたタイミングとすることが考えられる。すなわち、請求項6に記載のUSBデバイスでは、上記請求項1〜5のいずれかに記載のUSBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、本USBデバイスが情報処理装置に装着されたことを信号送信処理の実行条件としている。このような構成のUSBデバイスによれば、本USBデバイスを情報処理装置に装着する簡単な操作により、ウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスすることができる。
【0017】
ただし、例えば、情報処理装置が一般的なデスクトップ型パソコンの場合など、USBコネクタを頻繁に抜き差ししない使用態様の場合には、所定のウェブページへアクセスするためにいちいちUSBデバイスを抜き差ししなければならないとすると、かえって操作が煩雑となる。
【0018】
そこで、請求項7に記載のUSBデバイスは、上記請求項1〜6のいずれかに記載のUSBデバイスにおいて、情報処理装置のキーボードにおける所定のキー操作を検出するキー操作検出手段を備えている。そして、本USBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、キー操作検出手段により所定のキー操作が検出されたことを信号送信処理の実行条件としている。このような構成のUSBデバイスによれば、情報処理装置のキーボードにおける極めて簡単なキー操作により、ウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスすることが可能となる。具体的には、例えば、NumLockキー、CapsLockキー、ScrollLockキー等のように、一般的なキーボードにおいてLED等の視認手段の状態を変化させるキー操作を検出するようにするとよい。本USBデバイスは情報処理装置によりキーボードとして認識されているため、視認手段の状態を変化させるための信号が情報処理装置から入力されることとなり、その信号に基づきキー操作を検出することが可能となるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態のUSBデバイス100の構成を表す説明図であり、(a)は外観図、(b)はブロック図である。
【0020】
このUSBデバイス100は、情報処理装置(本実施形態では、OS(Operating System)としてWindows(登録商標)がインストールされており、アプリケーションとしてウェブブラウザがインストールされている汎用のパーソナルコンピュータ)に装着して用いるためのものであって、USBコネクタ101が本体ケーシング102と一体的に設けられた構成のものであり、本体ケーシング102の内部に、USBインタフェース(I/F)110と、リモコン受光部120と、メモリ130と、CPU140とを備えている。
【0021】
USBインタフェース110は、USBコネクタ101が情報処理装置のUSBポートに差し込まれた状態で、その情報処理装置との電気的なやり取りを行うためのものである。具体的には、情報処理装置から供給される電力をCPU140に供給するとともに、情報処理装置とCPU140との間でのデータ通信を可能とする。
【0022】
リモコン受光部120は、テレビやエアコン等を遠隔操作するための赤外線リモコンや、赤外線通信機能付携帯電話機などから送信される赤外線信号を検出してCPU140へ出力する。
【0023】
メモリ130には、情報処理装置に本USBデバイス100を外付けのキーボードとして認識させるためのデバイス情報があらかじめ記憶されたデバイス情報記憶エリア131と、接続先としてあらかじめ設定されているウェブページ(以下「接続先ウェブページ」という。)のURLが記憶されたURL記憶エリア132と、本USBデバイス100に固有のIDがあらかじめ記憶されたID記憶エリア133と、認証に用いる認証鍵が記憶される認証鍵記憶エリア134とが設けられている。
【0024】
次に、本実施形態のUSBデバイス100においてCPU140が実行する処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、本USBデバイス100が情報処理装置のUSBポートに差し込まれることにより開始される。
【0025】
この処理が開始されると、まず、S101で、USBインタフェース110を介して情報処理装置から入力される要求に応じて、メモリ130のデバイス情報記憶エリア131に記憶されているデバイス情報を情報処理装置へ送信する。これにより、情報処理装置において、外付けのキーボードが接続されたと認識される。
【0026】
続いて、S102では、USBインタフェース110を介して情報処理装置から入力される信号に基づき、情報処理装置のキーボードに設けられているCapsLockキーがオン状態になっているか否かを判定する。すなわち、情報処理装置のキーボードには、CapsLockキーのオン/オフ状態を示すLEDが設けられており、情報処理装置は、このLEDの点灯/消灯を制御するためにCapsLockキーのオン/オフ状態を表す信号をキーボードへ送信する。本S102では、この信号を入力することにより、CapsLockキーのオン/オフ状態を判定する。
【0027】
そして、S102で、CapsLockキーがオン状態になっていない(オフ状態になっている)と判定した場合には、S103へ移行し、認証鍵を生成する。具体的には、メモリ130のID記憶エリア133に記憶されている自己のIDをパラメータとして、所定の暗号生成アルゴリズムに基づき、毎回異なる内容の認証鍵を生成する。例えば、接続先ウェブページへのアクセス回数をパラメータとして用いることにより、毎回異なる内容であってかつランダムでない(換言すれば、接続先ウェブページ側で正規なものかどうか認証可能な)認証鍵を生成することができる。
【0028】
続いて、S104では、情報処理装置のウェブブラウザを起動する処理を行う。具体的には、情報処理装置のキーボードにおいてウェブブラウザ起動ボタンが押された場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を、USBインタフェース110を介して情報処理装置へ送信する。これにより、情報処理装置において、ウェブブラウザ(具体的には標準のウェブブラウザ)が起動する。
【0029】
続いて、S105では、メモリ130のURL記憶エリア132に記憶されている接続先ウェブページのURLの末尾にS103で生成した認証鍵を付加したアドレスからウェブページデータを取得させる処理を、S104で起動したウェブブラウザに行わせ、S106へ移行する。具体的には、キーボードでアドレスの入力を行った場合にキーボードから送信される信号と同じ信号を、USBインタフェース110を介して情報処理装置へ送信する。これにより、接続先ウェブページのウェブページデータが格納されたウェブサーバにおいて、情報処理装置から受信した認証鍵に基づく認証が行われ、認証鍵が正規である場合に接続先ウェブページのウェブページデータが情報処理装置へ返信される。このような認証により、個別認証された特定の利用者(ユーザ)に対してのみ接続先ウェブページへのアクセスを可能とすることができる。
【0030】
一方、上述したS102で、CapsLockキーがオン状態になっていると判定した場合には、S103〜S105の処理を行わず、そのままS106へ移行する。
S106では、USBインタフェース110を介して情報処理装置から入力される信号に基づき、情報処理装置のキーボードに設けられているScrollLockキーが所定時間内(例えば5秒以内)に2度押されたか否かを判定する。すなわち、情報処理装置のキーボードには、ScrollLockキーのオン/オフ状態を示すLEDが設けられており、情報処理装置は、このLEDの点灯/消灯を制御するためにScrollLockキーのオン/オフ状態を表す信号をキーボードへ送信する。本S106では、この信号を入力することにより、ScrollLockキーが押されたことを判定する。
【0031】
そして、S106で、ScrollLockキーが所定時間内に2度押されたと判定した場合には、S103へ戻る。つまり、ScrollLockキーを2回押すことで、USBデバイス100を装着し直すことなく、接続先ウェブページへアクセスできるようにしている。
【0032】
一方、S106で、ScrollLockキーが所定時間内に2度押されていないと判定した場合には、S107へ移行し、リモコン受光部120により赤外線信号が検出されたか否かを判定する。
【0033】
そして、S107で、赤外線信号が検出されていないと判定した場合には、S106へ戻る。
一方、S107で、赤外線信号が検出されたと判定した場合には、S108へ移行し、検出された赤外線信号の表す情報の種別を判定する。すなわち、本USBデバイス100は、赤外線信号の検出をトリガーとして接続先ウェブページへアクセスするアクセス処理と、赤外線信号の表す情報に基づきメモリ130に記憶されている情報(URLやID等)を書き換える書換処理と、赤外線信号の表す情報をキーボード操作の信号として情報処理装置へ送信するキー操作処理とを行うことが可能な構成となっており、いずれの処理の指令であるかは赤外線信号の表す情報に基づき判定する。例えば、赤外線信号の表す情報における先頭部分(リモコン等において最初に押されたキーの種類等)の情報を識別子として情報の種別を判定することが可能である。
【0034】
そして、S108で、検出された赤外線信号がアクセス処理の指令であると判定した場合には、S103へ戻る。つまり、リモコンや携帯電話機による赤外線信号により、USBデバイス100を装着し直すことなく、接続先ウェブページへアクセスできるようにしている。
【0035】
また、S108で、検出された赤外線信号が書換処理の指令であると判定した場合には、S109へ移行し、赤外線信号の表す情報に基づきメモリ130に記憶されている情報を書き換え、S106へ戻る。なお、メモリ130に記憶されている情報のうちのいずれを書き換えるかについては、例えば、赤外線信号の表す情報(例えば、赤外線信号の表す情報における先頭部分や末尾部分の情報(リモコン等において押されたキーの種類等))に基づき判定すればよい。
【0036】
一方、S108で、検出された赤外線信号がキー操作指令であると判定した場合には、S110へ移行し、赤外線信号の表す情報がキーボードで入力された場合にキーボードから送信される信号と同じ信号を、USBインタフェース110を介して情報処理装置へ送信する。その後、S106へ戻る。
【0037】
以上説明したように、本実施形態のUSBデバイス100は、情報処理装置に装着されることにより自身をキーボードとして認識させ(S101)、情報処理装置のウェブブラウザを起動して接続先ウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する(S104,S105)。このため、本USBデバイス100を用いれば、情報処理装置に装着する操作を行うだけで、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して接続先ウェブページへアクセスするのと同様の結果を得ることができる。したがって、接続先ウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイス100は、自身を汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス100専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、本USBデバイス100は、情報処理装置に装着されたタイミングでの接続先ウェブページへのアクセスを禁止することもできる(S102:YES)。
【0038】
さらに、本USBデバイス100は、情報処理装置のキーボードにおけるScrollLockキーの2度押し操作を検出された場合にも(S106:YES)、接続先ウェブページへアクセスするようにしている。このため、USBデバイス100を抜き差しすることなく、キーボードにおける極めて簡単なキー操作により接続先ウェブページへアクセスすることができる。
【0039】
また、本USBデバイス100は、自己のIDを用いて毎回異なる内容の認証鍵を生成し(S103)、この認証鍵を用いた認証を接続先ウェブページに対して行うため(S105)、USBデバイス100を装着している情報処理装置でのみウェブページへのアクセスを可能とするといった制限をかけることができ、しかも、認証のためのIDやパスワード等の入力操作を不要とすることができる。
【0040】
一方、本USBデバイス100は、リモコンや携帯電話機等でのキー操作により接続先ウェブページへのアクセスを情報処理装置のウェブブラウザに行わせることが可能な構成のため(S108:アクセス)、USBデバイス100を抜き差しや情報処理装置のキーボード操作を行うことなく、接続先ウェブページへアクセスすることができる。また、リモコンや携帯電話機等からの赤外線信号により接続先ウェブページや自身のIDを変更可能な構成のため(S108:書換,S109)、これらの情報が変更できない構成に比べ利便性が高い。さらに、リモコンや携帯電話機等からのキー操作によりキーボード操作を行うことが可能な構成のため(S108:キー操作,S110)、利用者は、所有する携帯電話機等を用いて簡単なキーボード操作等を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態のUSBデバイス100では、USBインタフェース110と、図2におけるS101の処理を実行するCPU140とが、本発明の認識手段に相当し、S103〜S105の処理を実行するCPU140が、本発明のウェブアクセス手段に相当し、USBインタフェース110と、S106の処理を実行するCPU140とが、本発明のキー操作検出手段に相当する。また、S109の処理を実行するCPU140が、本発明のアドレス変更手段及び認証情報変更手段に相当し、USBインタフェース110と、S110の処理を実行するCPU140とが、本発明の情報送信手段に相当する。さらに、リモコン受光部120が、赤外線検出手段に相当し、メモリ130におけるURL記憶エリア132が、アドレス記憶手段に相当し、メモリ130におけるID記憶エリア133及び認証鍵記憶エリア134が、本発明の認証情報記憶手段に相当する。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、認証が必要なウェブページへアクセスする構成のUSBデバイス100を例示したが、これに限ったものではなく、認証が不要なウェブページへアクセスする構成としてもよい。この場合、メモリ130におけるURL記憶エリア132には認証が不要なウェブページのURLが記憶され、ID記憶エリア133及び認証鍵記憶エリア134は不要とすることができる。また、図2のS103の処理を不要とすることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、CapsLockキーがオン状態となっている場合には情報処理装置のUSBポートに差し込まれてもウェブサイトへのアクセス処理を行わない構成のUSBデバイス100を例示したが、これに限ったものではなく、情報処理装置のUSBポートに差し込まれた場合には常にアクセス処理を行う構成としてもよい。この場合、図2のS102の処理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】USBデバイスの構成を表す説明図である。
【図2】USBデバイスのCPUが実行する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
100…USBデバイス、101…USBコネクタ、110…USBインタフェース、120…リモコン受光部、130…メモリ、131…デバイス情報記憶エリア、132…URL記憶エリア、133…ID記憶エリア、134…認証鍵記憶エリア、140…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスであって、
本USBデバイスを前記情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、
所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
前記情報処理装置のウェブブラウザを起動して前記アドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、
赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、
前記赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、前記アドレス記憶手段に記憶されているアドレスを変更するアドレス変更手段と、
を備えたことを特徴とするUSBデバイス。
【請求項2】
情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスであって、
前記情報処理装置に本USBデバイスをキーボードとして認識させる認識手段と、
所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
認証用情報を記憶する認証情報記憶手段と、
前記情報処理装置のウェブブラウザを起動して前記認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いて前記アドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、
赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、
前記赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、前記認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を変更する認証情報変更手段と、
を備えたことを特徴とするUSBデバイス。
【請求項3】
情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスであって、
前記情報処理装置に本USBデバイスをキーボードとして認識させる認識手段と、
所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
前記情報処理装置のウェブブラウザを起動して前記アドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、
赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、
前記赤外線検出手段により検出された赤外線信号の表す情報に基づき、所定のキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する情報送信手段と、
を備えたことを特徴とするUSBデバイス。
【請求項4】
情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスであって、
前記情報処理装置に本USBデバイスをキーボードとして認識させる認識手段と、
所定のウェブページのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
前記情報処理装置のウェブブラウザを起動して前記アドレス記憶手段に記憶されている所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、
赤外線信号を検出する赤外線検出手段と、
を備え、
前記ウェブアクセス手段は、前記赤外線検出手段により所定の赤外線信号が検出されたことを前記信号送信処理の実行条件としていること
を特徴とするUSBデバイス。
【請求項5】
認証用情報を記憶する認証情報記憶手段を備え、
前記ウェブアクセス手段は、前記認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いて前記ウェブページへのアクセスを前記ウェブブラウザに行わせること
を特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載のUSBデバイス。
【請求項6】
前記ウェブアクセス手段は、本USBデバイスが前記情報処理装置に装着されたことを前記信号送信処理の実行条件としていること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のUSBデバイス。
【請求項7】
前記情報処理装置のキーボードにおける所定のキー操作を検出するキー操作検出手段を備え、
前記ウェブアクセス手段は、前記キー操作検出手段により所定のキー操作が検出されたことを前記信号送信処理の実行条件としていること
を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のUSBデバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−148519(P2007−148519A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338592(P2005−338592)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505459585)
【Fターム(参考)】